JP6485118B2 - 圧電駆動装置及びロボット - Google Patents

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Description

本発明は、圧電駆動装置、及び、圧電駆動装置を備えるロボットなどの各種の装置に関する。
圧電体を振動させて被駆動体を駆動する圧電アクチュエーター(圧電駆動装置)は、磁石やコイルが不要のため、様々な分野で利用されている(例えば特許文献1参照)。この圧電駆動装置の基本的な構成は、補強板の2つの面のそれぞれの上に、4つの圧電素子が2行2列に配置された構成であり、合計で8つの圧電素子が補強板の両側に設けられている。個々の圧電素子は、圧電体をそれぞれ2枚の電極で挟んだユニットであり、補強板は、圧電素子の一方の電極としても利用される。補強板の一端には、被駆動体としてのローターに接してローターを回転させるための突起部が設けられている。4つの圧電素子のうちの対角に配置された2つの圧電素子に交流電圧を印加すると、この2つの圧電素子が伸縮運動を行い、これに応じて補強板の突起部が往復運動又は楕円運動を行う。そして、この補強板の突起部の往復運動又は楕円運動に応じて、被駆動体としてのローターが所定の回転方向に回転する。また、交流電圧を印加する2つの圧電素子を他の2つの圧電素子に切り換えることによって、ローターを逆方向に回転させることができる。
特開2004−320979号公報
圧電駆動装置の出力Pwは、圧電駆動装置の駆動力Fと駆動速度vとの積に比例する。ここで、圧電駆動装置の駆動力Fは、圧電駆動装置を構成する圧電素子(具体的には、電極で挟持された圧電体)の断面積に比例する。従って、次元解析によれば、圧電素子の寸法を示す長さの次元を[L]で表すとすると、[L]に比例すると言える。また、圧電駆動装置の駆動速度vは圧電素子の長さ[L]に比例し、共振周波数frは[L]−1に比例するので、駆動速度vは[L]に無関係と言える。従って、圧電駆動装置の出力Pwは[L]に比例する、と考えられる。そして、圧電駆動装置の出力Pwを高めることは、単純には、圧電駆動装置を構成する圧電素子の寸法を大きくして圧電素子の体積を大きくすることによって可能である。
しかしながら、圧電駆動装置の重量Wtが圧電素子の体積[L]に比例することから、圧電駆動装置のパワーウェイトレシオPw/Wt(重量Wtに対する出力Pwの比)は、[L]−1に比例することになる。従って、単純に圧電素子の寸法を大きくして圧電駆動装置の出力Pwを高めたとしても、パワーウェイトレシオPw/Wtの低下を招くため合理的ではない、という課題がある。そのため、圧電駆動装置において、パワーウェイトレシオPw/Wtの低下を抑制しつつ、高出力で軽量な圧電駆動装置を提供することが可能な技術が望まれていた。そのほか、圧電駆動装置においては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)発明の一形態によれば、圧電駆動装置が提供される。この圧電駆動装置は、被駆動部と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する複数の圧電駆動部を備える。前記複数の圧電駆動部の数量は10個以上であり;前記複数の圧電駆動部による全体の出力は0.3W以上であり;前記圧電駆動部の重量は1μg以上5g以下である。
この形態によれば、重量が1μg以上5g以下の軽量な圧電駆動部を10個以上用いて圧電駆動装置を構成することより、1つの圧電駆動部によるパワーウェイトレシオと同等のパワーウェイトレシオを維持しつつ、軽量で、かつ、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(2)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電駆動部は、下式を満たすようにしてもよい。
log10(Pw/Wt)≧−0.373・log10(Wt)+1.448
ここで、Wtは前記圧電駆動部の重量[kg]であり、Pwは前記圧電駆動部の出力[W]であり、Pw/Wtは前記圧電駆動部のパワーウェイトレシオ[W/kg]である。
この形態によれば、より高いパワーウェイトレシオを有し、より小型で軽量な圧電駆動部を用いて圧電駆動装置を構成することができるので、パワーウェイトレシオをより高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(3)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電駆動部は、下式を満たすことを特徴とする圧電駆動装置。
log10(Pw/Wt)≧−0.498・log10(Wt)+1.653
この形態によれば、さらに高いパワーウェイトレシオを有し、さらに軽量な圧電駆動部を用いて圧電駆動装置を構成することができるので、パワーウェイトレシオをより高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(4)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電駆動部の出力は、0.001W以上1W以下であるとしてもよい。
この形態によれば、出力が0.001W以上1W以下の軽量な圧電駆動部を10個以上の複数個用いることにより、高いパワーウェイトレシオを有し、小型で軽量な圧電駆動部を用いて圧電駆動装置を構成することができるので、パワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(5)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電体の厚さは、0.05μm以上20μm以下であることとしてもよい。
この形態においても、圧電体の厚さが0.05μm以上20μm以下と薄く全体として小型化で軽量な圧電駆動部を10個以上用いることにより、高いパワーウェイトレシオを有し、小型で軽量な圧電駆動部を用いて圧電駆動装置を構成することができるので、パワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(6)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電駆動部の1個あたりの重量は1μg以上100mg以下であることとしてもよい。
この形態においても、重量が1μg以上100mg以下の軽量な圧電駆動部を10個以上用いることにより、高いパワーウェイトレシオを有し、小型で軽量な圧電駆動部を用いて圧電駆動装置を構成することができるので、パワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(7)上記形態の圧電駆動装置において、前記複数の圧電駆動部の数量は100個以上であるとしてもよい。
この形態によれば、高いパワーウェイトレシオを有し、小型で軽量な圧電駆動部を100個以上用いて圧電駆動装置を構成することにより、10個の圧電駆動部を用いた場合よりもパワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(8)上記形態の圧電駆動装置において、前記複数の圧電駆動部の数量は1000個以上としてもよい。
この形態によれば、高いパワーウェイトレシオを有し、小型で軽量な圧電駆動部を1000個以上用いて圧電駆動装置を構成することにより、100個の圧電駆動部を用いた場合よりもパワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を30W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが可能である。
(9)上記形態の圧電駆動装置において、前記圧電振動体は、基板と、前記基板に形成された前記第1電極と、前記第1電極に形成された前記圧電体と、前記圧電体に形成された前記第2電極と、を有するものとしてもよい。
この形態によれば、圧電振動体を小型で軽量に構成することができ、高いパワーウェイトレシオを有し、軽量な圧電駆動部を構成することができるので、パワーウェイトレシオを高く維持しつつ、軽量で、圧電駆動装置の全体の出力を0.3W以上の高出力とすることが可能な圧電駆動装置を実現することが容易に可能である。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、圧電駆動装置の他、圧電駆動装置の駆動方法、圧電駆動装置の製造方法、圧電駆動装置を搭載するロボット、圧電駆動装置を搭載するロボットの駆動方法、送液ポンプ、投薬ポンプ等、様々な形態で実現することができる。
本発明の一実施形態として10個の圧電駆動部を用いた圧電駆動装置の一例を示す概略構成図である。 図1に示した圧電駆動部の概略構成図である。 振動板の平面図である。 各圧電駆動部と駆動回路の電気的接続状態を示す説明図である。 圧電駆動装置の動作の例を示す説明図である。 圧電駆動装置の重量とパワーウェイトレシオの関係について示すグラフである。 100個の圧電駆動部を用いた圧電駆動装置の概略構成の一例を示す側面図である。 圧電駆動部として採用可能な単体圧電駆動装置の例を示す表である。 図8に示した各単体圧電駆動装置の重量とパワーウェイトレシオとの関係を示すグラフである。 図8に示した各単体圧電駆動装置を用いて圧電駆動装置を構成する場合に要する各単体圧電駆動装置の個数例を示す表である。 圧電振動体の薄膜成形プロセスを示す説明図である。 他の実施形態としての圧電駆動装置の概略構成図である。 図12に示した圧電駆動装置の製造工程の一例の一部を示す説明図である。 図12に示した圧電駆動装置の製造工程の一例の他の一部を示す説明図である。 図12に示した圧電駆動装置の製造工程の一例の別の一部を示す説明図である。 さらに他の実施形態としての圧電駆動装置の概略構成を示す側面図である。 上述の圧電駆動装置を利用したロボットの一例を示す説明図である。 図17に示したロボットの手首部分の説明図である。 上述の圧電駆動装置を利用した送液ポンプの一例を示す説明図である。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態として10個の圧電駆動部を用いた圧電駆動装置の一例を示す概略構成図である。図1(A)は、圧電駆動装置11の平面図であり、図1(B)はその側面図である。圧電駆動装置11は、振動板200と、振動板200に配列された10個の圧電駆動部10と、を備える。圧電駆動部10が配列された振動板200は、支持体30の支持部310で支持及び固定される。圧電駆動部10は、振動板200の両面にそれぞれ配置された2つの圧電振動体100を備えている。なお、図1では、図示の便宜上、振動板200及び支持体30にハッチングを付して示している。
図2は、図1に示した圧電駆動部10の概略構成図である。図2(A)は、圧電駆動部10の平面図であり、図2(B)はそのB−B断面図であり、図2(C)はそのC−C断面図である。圧電駆動部10は、上記したように、振動板200の振動体部210と、振動体部210の両面(第1面211(「表面」或いは「上面」とも呼ぶ)と第2面212(「裏面」或いは「下面」とも呼ぶ))にそれぞれ配置された2つの圧電振動体100と、を備える。圧電振動体100は、基板120と、基板120の上に設けられた第1電極130と、第1電極130の上に設けられた圧電体140と、圧電体140の上に設けられた第2電極150と、を備えている。第1電極130と第2電極150は、圧電体140を挟持している。2つの圧電振動体100は、振動板200の振動体部210を中心として対称に配置されている。2つの圧電振動体100は同じ構成を有しているので、以下では特に断らない限り、振動板200の上側にある圧電振動体100の構成を説明する。
圧電振動体100の基板120は、第1電極130と圧電体140と第2電極150を形成するための基板として使用される。また、基板120は機械的な振動を行う振動板としての機能も有する。基板120は、例えば、Si,Al,ZrO,SiOなどで形成することができる。
第1電極130は、圧電体140の基板120側の面に形成された1つの連続的な導電体層として形成されている。一方、第2電極150は、図2(A)に示すように、5つの導電体層150a〜150e(「第2電極150a〜150e」とも呼ぶ)に区分されている。中央にある第2電極150eは、基板120の幅方向の中央において、基板120の長手方向のほぼ全体に亘る長方形形状に形成されている。他の4つの第2電極150a,150b,150c,150dは、同一の平面形状を有しており、基板120の四隅の位置に形成されている。図2の例では、第1電極130と第2電極150は、いずれも長方形の平面形状を有している。第1電極130や第2電極150は、例えばスパッタリングや蒸着による成膜処理によって形成される薄膜である。第1電極130や第2電極150の材料としては、例えばAl(アルミニウム)や、Ni(ニッケル)、Au(金)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Cu(銅)などの導電性の高い任意の材料を利用可能である。なお、第1電極130を1つの連続的な導電体層とする代わりに、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの導電体層に区分してもよい。なお、第2電極150a〜150eの間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)と、第1電極130及び第2電極150a〜150eと駆動回路との間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)とは、図2では図示が省略されている。
圧電体140は、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの圧電体層として区分されるように形成されている。この代わりに、圧電体140を、第1電極130と実質的に同じ平面形状を有する1つの連続的な圧電体層として形成してもよい。第1電極130と圧電体140と第2電極150a〜150eとの積層構造によって、5つの圧電素子110a〜110e(図2(A))が構成される。
圧電体140は、後述するように、バルク成形プロセスによって形成され、或いは、ゾル−ゲル法やスパッタリング法を用いた成膜プロセスによって形成される。圧電体140の材料としては、ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスなど、圧電効果を示す任意の材料を利用可能である。ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスとしては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)、メタニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等を用いることが可能である。またセラミック以外の圧電効果を示す材料、例えばポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いることも可能である。
図3は、振動板200の平面図である。振動板200は、複数の貫通孔252により形成された、長方形形状の10個の振動体部210と、振動体部210の左右の長辺からそれぞれ3本ずつ延びる接続部220と、左右の3本の接続部220にそれぞれ接続された2つの固定部230を有している。但し、隣接する2つの振動体部210のうち、左側の振動体部210の右側の接続部220と、右側の振動体部210の左側の接続部220とは、共通する固定部230に接続されている。なお、図3では、図示の便宜上、振動体部210にハッチングを付している。固定部230は、接着剤によって支持体30に圧電駆動装置11を固定するために用いられる。振動板200は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄−ニッケル合金などの金属材料で形成することが可能である。また、ジルコニア、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物材料で形成することも可能である。また、セラミックス、例えば、Si,SiO,SiC,Al,ZrOなどで形成することもでき、ダイアモンドで形成することもできる。
振動体部210の上面(第1面)及び下面(第2面)には、圧電振動体100(図2)がそれぞれ接着剤を用いて接着される。振動体部210の長さLと幅Wは、通常、圧電振動体100の長さ及び幅に一致するように形成される。振動体部210の長さLと幅Wの比は、L:W=約7:2とすることが好ましい。この比は、圧電振動体100によって振動体部210がその平面に沿って左右に屈曲する超音波振動(後述)を行うために好ましい値である。
振動体部210の長さLは、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲とすることができ、幅Wは、例えば0.02mm以上9mm以下の範囲とすることができる。なお、振動体部210が超音波振動を行うために、長さLは50mm以下とすることが好ましい。振動体部210の厚み(振動板200の厚み)は、例えば20μm以上800μm以下の範囲とすることができる。振動体部210の厚みを20μm以上とすれば、圧電振動体100を支持するために十分な剛性を有するものとなる。また、振動体部210の厚みを800μm以下とすれば、圧電振動体100の変形に応じて十分に大きな変形を発生することができる。
振動板200の第1面211及び第2面212に挟まれた一方の第3面213には、各圧電駆動部10に対応する突起部20(「接触部」又は「作用部」とも呼ぶ)が一体的に設けられている。突起部20は、不図示の被駆動体(「被駆動部」とも呼ぶ)と接触して、摺動により被駆動体に力を与えるための部材である。突起部20は、振動板200と同じ部材で一体に形成されている。但し、これに限定されるものではなく、別の部材を利用して振動板200の第3面213に接着剤により接着して一体的に設けられていてもよい。また突起部20は、セラミックス(例えばSi,SiC,Al,ZrO)などの耐久性がある材料で形成することが好ましい。
振動板200の固定部230は、図2(c)に示すように、支持体30の支持部310に接着剤を用いて接着されて固定される。これにより、圧電振動体100が固定された振動体部210、すなわち、圧電駆動部10は、左右の支持部310で振動可能に支持される。
図4は、各圧電駆動部10と駆動回路300の電気的接続状態を示す説明図である。各圧電駆動部10では、圧電振動体100の5つの第2電極150a〜150eのうちで、対角にある一対の第2電極150a,150dが配線151を介して互いに電気的に接続され、他の対角の一対の第2電極150b,150cも配線152を介して互いに電気的に接続されている。これらの配線151,152は、成膜処理によって形成しても良く、或いは、ワイヤ状の配線によって実現してもよい。図4の右側にある各圧電駆動部10の3つの第2電極150b,150d,150e及び第1電極130(図2)は、配線310,312,314,320を介して駆動回路300に電気的に接続されている。駆動回路300は、各圧電駆動部10の一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に周期的に変化する交流電圧又は脈流電圧を共通に印加することにより、各圧電駆動部10を同様に超音波振動させて、突起部20に接触する被駆動体を駆動することができる。例えば、被駆動体がローターである場合には、ローター中心に対して所定の回転方向に回転させることが可能であり、また、被駆動体が所定方向に移動可能な移動体である場合には、所定方向に移動させることが可能である。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、その電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。また、各圧電駆動部10の他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を共通に印加することにより、突起部20に接触する被駆動体としてのローターを逆方向に回転させることが可能であり、また、被駆動体としての移動体を逆方向に移動させることが可能である。また、各圧電駆動部10の一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間と、各圧電駆動部10の他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に、互いに180度位相がずれた交流電圧または脈流電圧を印加することも可能である。この場合、各圧電駆動部10の一つの第2電極150eと第1電極130との間に、上記した互いに180度位相がずれた交流電圧または脈流電圧に対して、位相を調整した交流電圧または脈流電圧を印加し、調整した位相に応じて被駆動体の回転方向や移動方向を変えることが可能である。このような電圧の印加は、振動体部210の両面に設けられた各圧電振動体100に同時に行われる。なお、図4に示した配線151,152,310,312,314,320を構成する配線(又は配線層及び絶縁層)は、図2では図示が省略されている。
図5は、圧電駆動装置11の動作の例を示す説明図である。なお、図5では、振動板200を省略して示している。各圧電駆動部10の突起部20は、被駆動体としてのローター50の中心51に垂直な回転面(紙面垂直方向を向く面)52の外周側に接触している。図5に示す例では、駆動回路300(図4)は、各圧電駆動部10の一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加しており、圧電素子110a,110dは図4の矢印xの方向に伸縮する。これに応じて、各圧電駆動部10の振動体部210が振動体部210の平面内で屈曲して蛇行形状(S字形状)に変形する。これにより、各圧電駆動部10の突起部20の先端22は、ローター50の回転面52に平行な方向の往復運動(以下、「屈曲振動」とも呼ぶ)成分と、回転面52に垂直な方向の往復運動(以下、「縦振動」とも呼ぶ)成分とに基づいて矢印yの方向に楕円運動する。この際、各圧電駆動部10は、突起部20が回転面52に接触している間に、突起部20から回転面52に対して与えられる力に基づいて発生する摩擦力に応じて、回転面52を太い矢印で示した方向へ摺動する。この結果、ローター50は、各圧電駆動部10から与えられる力の総和に応じて、その中心51の周りに所定の方向z(図4では圧電駆動部10側から見て反時計回り方向)に回転する。なお、図3で説明した振動板200の3つの接続部220は、このような振動体部210の振動の節(ふし)の位置に設けられている。なお、駆動回路300が、他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加する場合には、突起部20の先端22は、逆方向に楕円運動し、ローター50は逆方向に回転する。なお、中央の第2電極150eに、一対の第2電極150a,150d(又は他の一対の第2電極150b,150c)と同じ電圧を印加すれば、圧電駆動部10が長手方向に伸縮するので、突起部20からローター50に与える力をより大きくすることが可能である。なお、圧電駆動部10(又は圧電振動体100)のこのような動作については、上記先行技術文献1(特開2004−320979号公報、又は、対応する米国特許第7224102号)に記載されており、その開示内容は参照により組み込まれる。
以上、本実施形態の圧電駆動装置11では、振動板200の第1面211に10個の圧電振動体100が一列に配列されるとともに、第2面212に10個の圧電振動体100が対をなすように一列に配列され、上下一対の圧電振動体100から構成される10個の圧電駆動部10が、振動板200に一列に配列された構造を有している。但し、圧電駆動部10は、これに限定されるものではなく、いずれか一方の振動体部100のみを備える構成としてもよい。
図6は、圧電駆動装置11の重量とパワーウェイトレシオの関係を示すグラフであり、横軸を駆動装置の重量Wt[kg]とし縦軸をパワーウェイトレシオPw/Wt[W/kg]とした両対数グラフを示している。右斜め上向きに傾斜した曲線Tmは、駆動装置として一般に用いられる電磁モーターの重量Wtに対するパワーウェイトレシオPw/Wtの代表的な特性を示している。また、右斜め下向きに傾斜した直線Tpは、1つの圧電駆動部を有する圧電駆動装置(圧電アクチュエーター)の重量Wtに対するパワーウェイトレシオPw/Wtの設計上の特性を示している。なお、以下では、1つの圧電駆動部を有する圧電駆動装置を、複数の圧電駆動部を有する圧電駆動装置と区別するために、「単体圧電駆動装置」とも呼ぶ。また直線破線で示す各ラインL0.03W、L0.3W、L3W、及びL30Wは、それぞれ、出力Pwが0.03W、0.3W、3W、及び30Wに対応するパワーウェイトレシオPw/Wtと重量Wtとの理論値を示している。電磁モーターの特性Tmと各ラインL0.3W、L3W、及びL30Wとの交点Mr03、Mr3、及びMr30は、それぞれ、電磁モーターの出力Pwが0.3W、3W、及び30WにおけるパワーウェイトレシオレPw/Wt及び重量Wtの位置を示している。
電磁モーターの特性Tmにおいて、パワーウェイトレシオPw/Wtは寸法の大型化による重量Wtの増加に応じて増加する特性を示す。これに対して、単体圧電駆動装置の特性Tpにおいて、パワーウェイトレシオPw/Wtは、課題でも説明したように、寸法の大型化による重量Wtの増加に応じて低下する特性を示す。従って、単体圧電駆動装置では、圧電駆動部を構成する圧電振動体の寸法を大きくして出力Pwを高めたとしても、重量Wtが増加することによって、パワーウェイトレシオPw/Wtが低下してしまう。このため、単体圧電駆動装置では、寸法を大きくして出力Pwを高めることはパワーウェイトレシオPw/Wtの観点から合理的ではなく、電磁モーターの特性TmのパワーウェイトレシオPw/Wtが圧電駆動装置の特性TpのパワーウェイトレシオPw/Wtに比べて高くなる重量Wt以上の領域においては、電磁モーターに対して優位性を得ることが出来ない、と言える。なお、単体圧電駆動装置や圧電駆動装置が、パワーウェイトレシオPw/Wtの観点で電磁モーターと同等以上であるためには、少なくとも、単体圧電駆動装置や圧電駆動装置のパワーウェイトレシオPw/Wtが図6のハッチングで示した領域(直線Tp及び曲線Tmの両方以上の領域)内にあることが望ましい。そこで、以下では、単体圧電駆動装置の特性Tpを「圧電駆動装置の境界特性Tp」とも呼ぶ。
ここで、圧電駆動装置の境界特性Tpを見ればわかるように、圧電駆動装置(単体圧電駆動装置)の重量Wtが低いほどパワーウェイトレシオPw/Wtが高くなる。従って、この点に着目すれば、重量Wtが軽く小型な圧電駆動装置を複数個(例えば10個以上)用いて圧電駆動装置を構成することにより、単純計算上、1個の圧電駆動装置(単体圧電駆動装置)と同じパワーウェイトレシオPw/Wtを維持しつつ、高い出力の圧電駆動装置を構成することが可能と考えられる。
図6において、単体圧電駆動装置S3は、重量Wtが1.1×10−5kg、出力Pwが0.03W、パワーウェイトレシオPw/Wtが2.727×10W/kgであり、これは図1の1個の圧電駆動部10に相当する。図1に示した圧電駆動装置11は、10個の圧電駆動部10(=単体圧電駆動装置S3)を配列して構成している。
この圧電駆動装置11は、図6に示すように、その重量Wtは単体圧電駆動装置S3の10倍の1.1×10−4kgで、出力Pwも10倍の0.3Wとなる。すなわち、圧電駆動装置11は、単純計算上、パワーウェイトレシオPw/Wtを1つの圧電駆動部10と同じ2.727×10W/kgを維持したまま、出力Pwを10倍の0.3Wに増大させることができる。従って、圧電駆動装置11は、出力Pwが0.3Wの電磁モーターMr03よりも、パワーウェイトレシオPw/Wtが高く、重量Wtが軽量な構成となる。
また、100個の単体圧電駆動装置S3を用いれば、図6に示すように、パワーウェイトレシオPw/Wtを1つの単体圧電駆動装置S3と同じに維持したまま、出力Pwを100倍の3Wに増大させた圧電駆動装置11Aを構成することができる。この圧電駆動装置11Aも、出力Pwが3Wの電磁モーターMr3よりも、パワーウェイトレシオPw/Wtが高く、重量Wtが軽量な構成とすることができる。
さらにまた、1000個の単体圧電駆動装置S3を用いれば、図6に示すように、パワーウェイトレシオPw/Wtを1つの単体圧電駆動装置S3と同じに維持したまま、出力Pwを1000倍の30Wに増大させた圧電駆動装置11Bを構成することができる。この圧電駆動装置11Bも、出力Pwが30Wの電磁モーターMr30よりも、パワーウェイトレシオPw/Wtが高く、重量Wtが軽量な構成とすることができる。
なお、圧電駆動装置11Aや圧電駆動装置11Bは、例えば、以下のように構成することができる。
図7は、100個の圧電駆動部を用いた圧電駆動装置の概略構成の一例を示す側面図である。図7も図1と同様に、図示の便宜上、振動板200及び支持体30にハッチングを付して示している。図7に示すように、圧電駆動装置11(図1参照)を、圧電駆動部10が配列された面(第1面211,第2面)に垂直な方向に沿って10段積層した構成とすることにより、100個の圧電駆動部10を用いた圧電駆動装置11Aを構成することができる。すなわち、この圧電駆動装置11Aは、複数の圧電振動体100が配列された振動板200が、圧電振動体100の配列された面に垂直な方向に沿って、支持体30を介して10段積層された構成を有している。なお、各圧電駆動装置11は、直下の圧電駆動装置11の支持体30に設けられた支持枠312上に接着剤で固定されている。
また、図示は省略するが、圧電駆動装置11Aと同様に、圧電駆動装置11を100段積層した構成とすることにより、1000個の圧電駆動部10を用いた圧電駆動装置11Bを構成することができる。
なお、図1に示した圧電駆動装置11の圧電駆動部10の配置は一例であって、これに限定されるものではなく、10個の圧電駆動部10を用いた構成であれば、その配置に特に限定はない。また、同様に、図7に示した圧電駆動装置11Aの圧電駆動部10の配置も一例であって、これに限定されるものではなく、100個の圧電駆動部10を用いた構成であれば、その配置に特に限定はない。さらにまた、同様に、圧電駆動装置11Bの圧電駆動部10の配置も、1000個の圧電駆動部10を用いた構成であれば、その配置に特に限定はない。また、圧電駆動部10の個数は、10,100,1000に限定されるものではなく、圧電駆動装置に要求される出力を、用いる圧電駆動部10(単体圧電駆動装置)の出力で除すことにより得られる商を切り上げた値を個数とすればよい。
また、圧電駆動部10として採用可能な単体圧電駆動装置は、上記した単体圧電駆動装置S3に限定されるものではなく、図6に示したハッチング領域中にある種々の単体圧電駆動装置を用いることができる。
図8は、圧電駆動部10として採用可能な単体圧電駆動装置の例を示す表である。図8には、大きさの異なる6種類の単体圧電駆動装置S1〜S6が示されている。装置の大きさの違いは、圧電体の寸法(長さL×幅W×厚さ[mm])が代表して示されており、一番目の単体圧電駆動装置S1が最も大きく、以下順に小さくなり、六番目の単体圧電駆動装置S6が最も小さい。圧電体の厚さHが150μm以上である上から4種類の単体圧電駆動装置S1〜S4は、後述するバルク成形プロセスによる圧電体を有する圧電振動体を含む単体圧電駆動装置であり、圧電体の厚さHが150μm未満の下から2種類の単体圧電駆動装置S5,S6は、後述する薄膜成形プロセスによる圧電体を有する圧電振動体を含む単体圧電駆動装置である。
各単体圧電駆動装置S1〜S6の圧電体の寸法(長さL×幅W×厚さ[mm])、振動板(振動体部210に対応)の厚み[mm]、単体圧電駆動装置の総厚み(2つの圧電振動体及び振動板の厚み)[mm]、重量Wt[kg]、出力Pw[W]、印加電圧[V]、パワーウェイトレシオPw/Wt[W/kg]は、図8に記載されている通りである。なお、印加電圧は、電極を介して圧電体に印加される電圧である。
図9は、図8に示した各単体圧電駆動装置S1〜S6の重量WtとパワーウェイトレシオPw/Wtとの関係を示すグラフである。図9は、図6と同様に、横軸を駆動装置の重量Wt[kg]とし縦軸をパワーウェイトレシオPw/Wt[W/kg]とした両対数グラフで示している。図9に示すように、各単体圧電駆動装置S1〜S6は、図6に示したハッチング領域に相当するハッチング領域中にある単体圧電駆動装置である。
1〜3番目の単体圧電駆動装置S1〜S3のパワーウェイトレシオPw/Wtは、圧電体の小型化に伴う重量Wtの軽量化に従って順に高くなり、1,2番目の単体圧電駆動装置S1,S2は圧電駆動装置の境界特性Tp上の値をとり、3番目の単体圧電駆動装置S3はその重量Wtに対応する圧電駆動装置の境界特性Tp上の値よりも少し高い値をとっている。なお、3番目の単体圧電駆動装置S3が上記した圧電駆動部10として用いた単体圧電駆動装置である。4番目の単体圧電駆動装置S4は、3番目の単体圧電駆動装置S3よりもさらに小型化されて重量Wtが軽量化されたものであり、パワーウェイトレシオPw/Wtは、軽量化に応じて高くなっている。但し、そのパワーウェイトレシオPw/Wtは、3番目の単体圧電駆動装置S3の場合に比べて、その重量Wtに対応する圧電駆動装置の境界特性Tp上の値よりもさらに高い値となっている。5,6番目の単体圧電駆動装置S5,S6も、圧電体の小型化に伴って重量Wtが軽量化されたものであり、5,6番目の単体圧電駆動装置S5,S6のパワーウェイトレシオPw/Wtは、それぞれの軽量化に応じて高くなっている。但し、これら2つの単体圧電駆動装置S5,S6は、上記したように薄膜成形プロセスにより形成されており、それぞれのパワーウェイトレシオPw/Wtは、重量Wtに対応する圧電駆動装置の境界特性Tp上の値に対して、より高い値となり、薄膜圧電駆動装置の特性Ttp上の値となっている。
図10は、図8に示した各単体圧電駆動装置S1〜S6を用いて圧電駆動装置を構成する場合に要する単体圧電駆動装置の個数例を示す表である。図10に示す個数の単体圧電駆動装置S1を用いれば、出力Pwが10W、30W及び100Wの圧電駆動装置を構成することができる。また、図10に示す個数の単体圧電駆動装置S2を用いれば、出力Pwが1W、3W、10W、30W及100Wの圧電駆動装置を構成することができる。また、図10に示す個数の単体圧電駆動装置S3〜S6を用いれば、出力0.3W、1W、3W、10W、30W及び100Wの圧電駆動装置を構成することができる。なお、これらは例示であり、所望の出力Pwに対応する個数を用いることにより種々の出力の圧電駆動装置を構成することができる。なお、各圧電駆動装置の出力値は、例示であって、これに限定されるものではなく、0.3W以上の任意の出力とすることができる。この場合、圧電駆動装置に要求される出力を、圧電駆動部10として用いる単体圧電駆動装置の出力で除すことにより得られる商を切り上げた値を個数とすることにより、要求する出力の圧電駆動装置を構成することができる。
なお、バルク成形プロセスによる圧電振動体は、種々の一般的な製造方法により作製される。例えば、粉末状の圧電体材料を加圧成形し焼成することにより圧電体を形成し、形成した圧電体に電極材料をスパッタリングあるいは蒸着する成膜プロセスで電極を形成することにより作製することができる。なお、バルク形成プロセスによる圧電振動体においては、図2に示した基板120を省略することも可能である。
また、薄膜成形プロセスによる圧電振動体は、例えば、以下で説明する薄膜成形プロセスにより作製ことができる。
図11は、圧電振動体の薄膜成形プロセスを示す説明図である。図11では、基板120上に、図2の右半分の上部に示した圧電素子110dを形成するプロセスを示している。ステップS110では、基板120を準備し、基板120の表面に絶縁層125を形成する。絶縁層125としては、例えば、基板120の表面を熱酸化して形成されるSiO層を利用することができる。その他に、絶縁層としてアルミナ(Al)、アクリルやポリイミドなどの有機材料を用いることができる。なお、基板120が絶縁体である場合には、絶縁層125を形成する工程は省略可能である。
ステップS120では、絶縁層125の上に第1電極130を形成する。第1電極130は、例えば、スパッタリングにより形成できる。
ステップS130では、第1電極130の上に圧電体140を形成する。具体的には、溶液塗布法、例えばゾル−ゲル法を用いて圧電体140を形成することが可能である。すなわち、圧電体材料のゾルゲル溶液を基板120(第1電極130)の上に滴下し、基板120を高速回転させることにより、第1電極130の上にゾルゲル溶液の薄膜を形成する。その後、200〜300℃の温度で仮焼きして第1電極130の上に圧電体材料の第1層を形成する。その後、ゾルゲル溶液の滴下、高速回転、仮焼き、のサイクルを複数回繰り返すことによって、第1電極130の上に所望の厚さまで圧電体層を形成する。なお、1サイクルで形成される圧電体の一層の厚みは、ゾルゲル溶液の粘度や、基板120の回転速度にも依存するが、約50nm〜150nmの厚さとなる。所望の厚さまで圧電体層を形成した後、600℃〜1000℃の温度で焼結することにより、圧電体140を形成する。焼結後の圧電体140の厚さを、50nm(0.05μm)以上20μm以下とすれば、小型の圧電駆動部10を実現できる。なお、圧電体140の厚さを0.05μm以上とすれば、圧電体140の伸縮に応じて十分に大きな力を発生することができる。また、圧電体140の厚さを20μm以下とすれば、圧電体140に印加する電圧を600V以下としても十分に大きな力を発生することができる。その結果、圧電駆動部10を駆動するための駆動回路300を安価な素子で構成できる。なお、圧電体の厚さを400nm以上としてもよく、この場合、圧電素子で発生する力を大きく出来る。なお、仮焼きや焼結の温度、時間は、一例であり、圧電体材料により、適宜選択される。
ゾル−ゲル法を用いて圧電体材料の薄膜を形成した後に焼結した場合には、原料粉末を混合して焼結する従来の焼結法と比較して、(a)薄膜を形成しやすい、(b)格子方向を揃えて結晶化し易い、(c)圧電体の耐圧を向上できる、というメリットがある。
ステップS140では、圧電体140の上に第2電極150を形成する。第2電極150の形成は、第1電極と同様に、スパッタリングにより行うことが出来る。
ステップS150では、第2電極150と圧電体140をパターニングする。本実施形態では、アルゴンイオンビームを用いたイオンミリングにより、第2電極150と圧電体140のパターニングを行っている。なお、イオンミリングの時間を制御することにより、第2電極150と圧電体140のみをパターニングし、第1電極130をパターニングしないことが可能である。なお、イオンミリングを用いてパターニングを行う代わりに、他の任意のパターニング方法(例えば、塩素系のガスを用いたドライエッチング)によりパターニングを行っても良い。
以上説明したように、圧電駆動部として、小型で軽くパワーウェイトレシオの高い圧電駆動装置(単体圧電駆動装置)を、複数個用いて圧電駆動装置を構成することにより、1つの圧電駆動装置と同等のパワーウェイトレシオを維持しつつ、0.3W以上の高出力が可能な圧電駆動装置を構成することができる。また、同じ出力の電磁モーターに比べて軽量な圧電駆動装置を構成することが可能である。
圧電駆動装置を構成する圧電駆動部10の数は、10個以上とすることが好ましく、20個以上とすることがより好ましく、100個以上とすることがさらに好ましく、1000個以上とすることがさらに好ましい。圧電駆動部10の数を多くすれば、圧電駆動部10として、より小型で軽くパワーウェイトレシオPw/Wtがより高い圧電駆動装置(単体圧電駆動装置)を用いることができるので、より高いパワーウェイトレシオで、高出力および軽量な圧電駆動装置を構成することが可能である。
なお、薄膜成形プロセスの場合、バルク成形プロセスに比べて圧電振動体100が薄くなるため、圧電駆動部10を構成する単体圧電駆動装置を軽量とすることができ、パワーウェイトレシオを高くすることができる。また、仮に、圧電体140の長さL及び幅Wを小型化した場合であっても、例えば、図8の単体圧電駆動装置S3と単体圧電駆動装置S4とを比較すればわかるように、出力Pwの変化の度合いは小さい。これは、長さL及び幅Wの小型化により圧電体の共振周波数が高くなることに起因する。従って、長さL及び幅Wを小型化することによっても、パワーウェイトレシオを、より高めることができる。以上のことから、圧電体140の寸法(長さLX幅WX厚さH)を小さくすることにより、パワーウェイトレシオを高くすることができる。従って、圧電駆動部10として、薄膜成形プロセスによる単体圧電駆動装置を10個以上の複数個用いるほうが、パワーウェイトレシオを高める点で有利であり、より高いパワーウェイトレシオを維持しつつ、軽量で高出力な圧電駆動装置を構成する点で有利である。
また、上記したように、圧電駆動部10として用いる単体圧電駆動装置としては、図9に示したハッチング領域内の重量Wt及びパワーウェイトレシオPw/Wtであることが好ましい。ハッチング領域の境界線を示す圧電駆動装置の境界特性TpのパワーウェイトレシオPw/Wt[W/kg]と重量Wt[kg]との関係は、図8に示した2つの単体圧電駆動装置S1,S2に基づいて、下式(1)で表すことができる。
log10(Pw/Wt)=−0.373・log10(Wt)+1.448 ・・・(1)
従って、圧電駆動部10として用いる単体の圧電駆動装置としては、下式(2)を満たすパワーウェイトレシオPw/Wtを有することが好ましい。
log10(Pw/Wt)≧−0.373・log10(Wt)+1.448 ・・・(2)
ただし、圧電駆動装置の境界特性Tpと電磁モーターの特性Tmとが交差し、電磁モーターのパワーウェイトレシオPw/Wtの方が高くなる重量Wtよりも軽い領域(Wt<0.04kg)に限られる。
また、図9に示した薄膜圧電駆動装置の特性TtpのパワーウェイトレシオPw/Wt[W/kg]と重量Wt[kg]との関係は、図8に示した2つの単体圧電駆動装置S5,S6に基づいて、下式(3)で表すことができる。
log10(Pw/Wt)=−0.498・log10(Wt)+1.653 ・・・(3)
従って、圧電駆動部10として用いる単体の圧電駆動装置が薄膜圧電駆動装置の場合は、下式(4)を満たすパワーウェイトレシオPw/Wtを有することが好ましい。
log10(Pw/Wt)≧−0.498・log10(Wt)+1.653 ・・・(4)
ただし、同様に、圧電駆動装置の境界特性Tpと電磁モーターの特性Tmとが交差し、電磁モーターのパワーウェイトレシオPw/Wtの方が高くなる重量Wtよりも軽い領域(Wt<0.04kg)に限られる。
なお、圧電駆動部10、すなわち、圧電駆動部10を構成する圧電駆動装置(単体圧電駆動装置)の重量Wtとしては、1μg〜5gの範囲であることが好ましい(図8参照)。また、パワーウェイトレシオPw/Wtを高くするという観点からは、より小型で軽量な方が好ましく、1μg〜100mgの範囲であることがより好ましい。但し、下限値はこれに限定されるものではなく、さらに小型で軽量なものを用いることも可能である。また、圧電駆動部10の出力Pwとしては、0.001W〜1Wの範囲であることが好ましい(図8参照)。但し、下限値はこれに限定されるものではなく、さらに低出力なものを用いることが可能である。上記した薄膜成形プロセスの場合、圧電駆動部10をさらに小型化、薄型化することが可能であり、より高いパワーウェイトレシオとすることができるからである。
圧電体140の長さLは例えば0.2mm〜30mmの範囲とすることができ、幅Wは0.02mm〜9mmの範囲とすることができ、厚みHは0.002mm(2μm)〜1mmの範囲とすることができる。厚みHが0.15mm(150μm)以上の圧電体140はバルク成形プロセスにより作製することができる。また、厚みHが0.15mm未満の圧電体140は、薄膜成形プロセスにより作製することができる。
なお、薄膜成形プロセスによる圧電体140の厚さHは、例えば50nm(0.05μm)以上20μm以下の範囲とすることが好ましい。この範囲の厚みを有する圧電体140の薄膜は、薄膜成形プロセス(成膜プロセス)を利用して容易に形成することができる。圧電体140の厚みを0.05μm以上とすれば、圧電体140の伸縮に応じて十分に大きな力を発生することができる。また、圧電体140の厚みを20μm以下とすれば、圧電振動体100(圧電駆動部10)を十分に小型化することができる。また、圧電体140の厚さを20μm以下とすれば、圧電体140に印加する電圧を600V以下としても十分に大きな力を発生することができる。従って、圧電駆動部10を駆動するための駆動回路300を安価な素子で構成できる。
圧電体140を、ゾル−ゲル法により形成するようにすれば、薄い圧電体を形成しやすい点で好ましい。また、圧電体の結晶の格子方向を揃え易いので、同じ電圧を加えたときの圧電体の形状の変形を大きくすることができ、また、耐圧を大きく出来る点で好ましい。なお、圧電体140は、スパッタ法により形成されていても良い。スパッタ法によっても、ゾル−ゲル法と同様の効果を得ることが出来る。
また、本実施形態では、圧電素子(110a〜110e)が、基板120として、Si製の基板等の機械的品質係数Qm値の高い基板上に形成されているので、このような基板120が無い場合に比べて、圧電駆動部10の機械的品質係数Qmの値を大きくできる。特に、Si製の基板の機械的品質係数Qm値は10万程度であるので、Si製の基板120を用いると、圧電駆動部10の機械的品質係数Qmの値を大きくできる。
B.圧電駆動装置の他の実施形態:
上記実施形態では、Si製の基板を圧電振動体の基板とするとともに振動板として機能させるように、成膜プロセスを用いて圧電振動体と振動板を一体形成した圧電駆動装置を、支持体30の支持部310に接着して固定した圧電駆動装置11(図参照)を示した。これに対して、以下で説明するように、成膜プロセスを用いて、圧電振動体と振動板を一体形成するのに加えて、さらに、支持体を一体形成することもできる。
図12は、他の実施形態としての圧電駆動装置11Gの概略構成図であり、図1に対応する図面である。図12(A)は圧電駆動装置11Gの平面図であり、図12(B)はその側面図である。なお、図12は、以下の図示及び説明を容易にするため、振動板200Gに3つの圧電駆動部10Gが配列された構成を例として示しているが、これに限定されるものではなく、種々の個数の圧電駆動部10Gが配列された構成とすることができる。
圧電駆動装置11Gは、振動板200Gの上面(第1面)に圧電駆動部10Gとしての圧電振動体100Gが一体形成されている。また、振動板200Gの下面(第2面)の固定部230に対応する位置に、支持体30Gを構成する支持部310が一体形成されている。この圧電駆動装置11Gは、成膜プロセスを用いて製造することができる。
図13〜図15は、圧電駆動装置11Gの製造工程の一例を示す説明図である。まず、図13(B)の側面図に示すように、Siウェハー120Wの上面を酸化することにより、振動板200GとなるSiO層120Gを形成し、その上面に、図13(A)の平面図に示すように、圧電振動体100Gを形成する。圧電振動体100Gの形成については、実施形態の圧電振動体100(図2,11参照)と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、Siウェハー120Wの上面に、アルミナなどを形成することにより、振動板200Gを形成するようにしもよい。
次に、図14(A)の平面図、図14(B)のそのB−B断面図、及び、図14(C)のそのC−C断面図に示すように、各圧電振動体100Gの周りのSiO層120G(振動板200G)の一部をエッチング等で除去することにより、突起部20、振動体部210、接続部220、及び、固定部230を形成する。
次に、図15(A)の平面図、図15(B)のそのB−B断面図、及び、図15(C)のそのC−C断面図断面図に示すように、振動板200G(SiO層120G)の振動体部210の長辺方向に沿った固定部230に対応するSiウェハー120Wの部分を支持部310として残すように、他の部分をエッチングで除去して、支持体30Gを形成する。これにより、支持体30Gが一体形成された圧電駆動装置11G(図12参照)を製造することができる。
なお、図示は省略するが、Siウェハー120Wには複数の圧電駆動装置11Gを形成することができるので、これら複数の圧電駆動装置11Gを、レーザーによりダイシングして分離する。これにより、1枚のSiウェハー120Wから一度に複数の圧電駆動装置11Gを製造することができる。
図16は、さらに他の実施形態としての圧電駆動装置11Hの概略構成を示す側面図であり、図7に対応する図面である。圧電駆動装置11Hは、圧電駆動装置11G(図12参照)を、支持体30Gの支持部310を介して他の圧電駆動装置11Gに積層することにより、複数の圧電駆動装置11Gを積層した積層構造の圧電駆動装置である。各圧電駆動装置11Gは、上側の圧電駆動装置11Gの支持部310の下面と下側の圧電駆動装置11Gの振動板200Gとの間が接着剤で接合されている。
C.圧電駆動装置を用いた装置の実施形態:
上述した圧電駆動装置11,11Aは、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。圧電駆動装置11,11は、例えば、ロボット(電子部品搬送装置(ICハンドラー)も含む)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置(例えば紙送り機構。ただし、ヘッドに利用される圧電駆動装置では、振動板を共振させないので、ヘッドには適用不可である。)等の各種の機器における駆動装置として用いることが出来る。以下、代表的な実施の形態について説明する。
図17は、上述の圧電駆動装置11Aを利用したロボット2050の一例を示す説明図である。ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動又は屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020とを備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。それぞれの関節部2020には、上述した圧電駆動装置11Aが内蔵されており、圧電駆動装置11Aを用いて関節部2020を任意の角度だけ回動又は屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド2000が接続されている。ロボットハンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動装置11Aが内蔵されており、圧電駆動装置11Aを用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動装置11Aが設けられており、圧電駆動装置11Aを用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。
図18は、図17に示したロボット2050の手首部分の説明図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動装置11Aを備えており、圧電駆動装置11Aは、手首のリンク部2012及びロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動装置11Aが搭載されている。このため、圧電駆動装置11Aを動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。
なお、ロボットとしては、単腕のロボットに限らず、腕の数が2以上の多腕ロボットにも圧電駆動装置11Aを適用可能である。ここで、手首の関節部2020やロボットハンド2000の内部には、圧電駆動装置11Aの他に、力覚センサーやジャイロセンサー等の各種装置に電力を供給する電力線や、信号を伝達する信号線等が含まれ、非常に多くの配線が必要になる。従って、関節部2020やロボットハンド2000の内部に配線を配置することは非常に困難だった。しかしながら、上述した実施形態の圧電駆動装置11Aは、通常の電動モーターや、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流を小さくできるので、関節部2020(特に、アーム2010の先端の関節部)やロボットハンド2000のような小さな空間でも配線を配置することが可能になる。また、圧電駆動装置11Aは小型で軽量な構造であるので、同じ出力を得るために要するために複数の従来の圧電駆動装置を用いる場合に比べて、関節部2020やロボットハンド2000に内蔵することがより容易であり、かつ、これらを動作させるために要する出力を発生させることが容易である。
図19は、上述の圧電駆動装置11Aを利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動装置11Aと、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213、2214、2215、2216、2217、2218、2219と、が設けられている。リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動装置11Aの複数の突起部20は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動装置11Aがローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213から2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213から2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213から2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、極く僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投与する投薬装置などに活用できる。ここで、上述した実施形態の圧電駆動装置11Aを用いることにより、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流が小さくなるので、投薬装置の消費電力を抑制することができる。従って、投薬装置を電池駆動する場合は、特に有効である。
なお、本実施形態では、圧電駆動装置11Aがローター2222の円周面を駆動している。本実施形態のように圧電駆動装置がローターの円周面を駆動する場合には、例えば、図2の圧電駆動装置11においては、図2(C)の形態のように個別に切断した状態で用いることが好ましい。また、図7の圧電駆動装置11Aにおいては、圧電駆動部を積層した状態で、積層方向に個別に切断して用いるこが好ましい。これらの構成によれば、より大きな駆動力を得ることができる。
上記した実施形態の圧電駆動装置11,11A,11G,11Hは、一つの振動板200,200G上に複数の圧電駆動部10,10Gが設けられている構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。複数の圧電駆動部がばらばらに配置された構成であっってもよく、この場合において、各圧電駆動部がそれぞれ振動板を備えていても、振動板を備えていなくてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…圧電駆動部
11,11A,11B…圧電駆動装置
20…突起部(接触部、作用部)
50…ローター(被駆動体)
51…被駆動体の中心
100…圧電振動体
110,110a,110b,110c,110d,110e…圧電素子
120…基板
130…第1電極
140…圧電体
150,150a,150b,150c,150d,150e…第2電極
151,152…配線
200,200E…振動板
210…振動体部
211…第1面
212…第2面
213…第3面
214…第4面
220…接続部
230…固定部
300…駆動回路
310,312,314,320…配線
2000…ロボットハンド
2003…把持部
2010…アーム
2012…リンク部
2020…関節部
2022…手首回動部
2050…ロボット
2200…送液ポンプ
2202…カム
2202A…突起部
2211…リザーバー
2212…チューブ
2213…フィンガー
2222…ローター
2223…減速伝達機構
2230…ケース

Claims (10)

  1. 被駆動部と接触可能な接触部を有し、圧電体を有する複数の圧電駆動部を備え、
    前記複数の圧電駆動部の数量は10個以上であり、
    前記複数の圧電駆動部による全体の出力は0.3W以上であり、
    前記圧電駆動部の重量は1μg以上5g以下であり、
    下式を満たすことを特徴とする圧電駆動装置。
    log 10 (Pw/Wt)≧−0.373・log 10 (Wt)+1.448
    log 10 (Pw/Wt)≧−0.498・log 10 (Wt)+1.653
    ここで、Wtは前記圧電駆動部の重量[kg]であり、Pwは前記圧電駆動部の出力[W]である。
  2. 請求項1記載の圧電駆動装置であって、
    前記圧電駆動部の出力は、0.001W以上1W以下である、圧電駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置であって、
    前記圧電体の厚さは、0.05μm以上20μm以下である、圧電駆動装置。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置であって、
    前記圧電駆動部の重量は1μg以上100mg以下である、圧電駆動装置。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置であって、
    前記複数の圧電駆動部の数量は100個以上である、圧電駆動装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置であって
    前記複数の圧電駆動部の数量は1000個以上である、圧電駆動装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電駆動部は、前記圧電体を含む圧電振動体と、前記圧電振動体が設けられた振動板と、を有し、
    前記圧電振動体は、基板と、前記基板に形成された第1電極と、前記第1電極に形成された前記圧電体と、前記圧電体に形成された第2電極と、を有する、圧電駆動装置。
  8. 複数のリンク部と
    前記複数のリンク部を接続する関節部と、
    前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置と、
    を備えるロボット。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の第1の圧電駆動装置と、
    前記第1の圧電駆動装置により開閉して対象物を把持する把持部と、
    を備えるロボット。
  10. 前記把持部を回動させる、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の第2の圧電駆動装置を備える請求項に記載のロボット。
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