JP6484447B2 - 壁躯体のコンクリート打設方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高さが高い壁躯体や、壁面が広い壁躯体のコンクリート打設方法に関する。
従来より、建物などの壁躯体は、以下の手順で構築される(特許文献1参照)。
まず、壁躯体を構築するための一対の壁型枠の片方側を建て込む。次に、建て込んだ壁型枠に沿って壁躯体の鉄筋を配筋する。次に、他方側の壁型枠を建て込む。その後、これら一対の壁型枠同士の間に、コンクリートを打設して壁躯体を構築する。
ここで、コンクリートを打設する際には、コンクリートをバイブレータなどで締め固めるが、打設する箇所を移動させることで、所定の時間間隔でコンクリートを打ち重ねて、壁躯体が構築される。
また、高さが高くて、壁面も広い壁躯体にコンクリートを打設する場合、壁型枠の上部側より打ち込んだコンクリートが壁伝いに流れて、壁型枠内で広範囲に拡がることになる。その結果、コンクリートの締め固め範囲が広くなってしまい、作業員の負担が大きくなって、壁躯体の品質を確保することが困難となる場合があった。
そこで、壁のコンクリート打設範囲を上下または左右に分割し、複数回に分けてコンクリートを打設することが考えられるが、このようにすると、打継面ができるうえに、壁面を高さ方向に複数回に分けて打設するために、打設高さ位置ごとにコンクリート打設用配管を保持するために作業員の作業ステージとして、打設用足場が必要であった。また、コンクリートを打ち継ぐためには、前回コンクリートを打ち止めた型枠の一部解体、および前回打設された硬化後のコンクリートと後打ちコンクリートとの一体性を確保するために打継面処理が必要となる。したがって、工事費が嵩むとともに、工期が長期化する、という問題があった。
また、特許文献2には、壁躯体のコンクリート打設方法として、打設されたコンクリートの水和発熱による温度上昇を抑制するために、壁型枠と平行方向に、複数の打設空間を設けて、其々の打設空間内にコンクリートを打設していく手順が開示されている。しかし、壁型枠と平行に配置するラス型枠を立設するには、壁型枠内に複数の型枠支持部材を配置する必要があり、構造欠陥の一因となっていた。
さらに、特許文献3には、コンクリート打継部の施工方法として、フレーム材に取り付けられたラス型枠を型枠内に設置し、コンクリートを先行打設した後、ラス型枠を介して先行打設コンクリート部に接するように後打ちコンクリートを打設する構成が開示されている。しかし、ラス型枠は、先行コンクリート部の型枠の端面に設けるので、ラス型枠を強固なフレームに取り付ける必要があり、型枠支持部材の取り付けや撤去に時間を要していた。
また、非特許文献1では、コンクリートを打設した直後のフレッシュコンクリートの流動性能について、生コンクリート(生コン)の流動性を示す工学指標値のスランプ値とスランプフロー値、および生コンが打設直度から流動していく際の速度を示す流動限界ひずみ速度との関係が解析面から検討されている。
非特許文献1によれば、一般的には、スランプ値が18cm程度であると、スランプフロー値は29cm程度で、スランプ値が小さくなるほど、流動限界ひずみ速度も遅くなる傾向があり、直径が30cm程度の平ぺったい円形状まで拡張するのに、流動開始から5秒程度の時間を要することが確認されている。
よって、複数の打設空間(打設領域)ごとに、生コンを打設し、順次、投入箇所を移動しながらコンクリートを打設する場合、1回に打設する打設空間の設定や、先行したコンクリート打設部分に、後打ちコンクリートを打ち継ぐまでの打ち継ぎ時間間隔、或いは、生コンの流動性に大きく影響するコンクリートの種類などを考慮する必要があった。
すなわち、十分な検討に裏付けられたコンクリート打設工法でないと、先行して打設されたコンクリート部分と、後打ちコンクリート部分が一体化されずに打継段差部が生じ、雨水侵入の原因になるとともに構造的な欠陥を生じる、という問題があった。
特開平8−93224号公報 特公平7−18235号公報 特開2000−45521号公報
浦野真次ほか:流動性解析手法を用いたフレッシュコンクリートの施工性評価に関する研究、清水建設研究報告第90号、55頁〜66頁、平成25年1月
上記のような問題点を踏まえて、本発明は、短い施工期間に、高品質な壁躯体を構築する方法として、壁躯体を複数のコンクリート打設空間ごとに分割し、其々の打設空間を形成する壁型枠内に、連続してコンクリートを打設していくことで、先行して打設したコンクリート部と後打ちコンクリート部との間に、特別な打継ぎ面処理を行う必要のない、壁躯体のコンクリート打設方法を提供することを課題とした。
本発明者らは、高品質な壁躯体を構築するための壁のコンクリート打設方法として、壁型枠と交差するように、壁型枠内に打設空間を分割する流れ止め型枠(埋め殺しラス型枠)を建て込み、壁型枠内のコンクリート打設部分を複数の打設空間毎に分けることで、コンクリートの打設範囲を限定して締固めを集中的に実施できるようになり、コンクリートを連続的に打設できることに着眼することで、壁型枠内に複数の打設範囲を設定して、コンクリート打設作業を打設範囲ごとに順次繰り返すことで、特別なコンクリート打継面処理を行うことなく、連続したコンクリート打設によって、壁躯体を構築するコンクリート打設方法を発明した。
本発明による壁躯体のコンクリート打設方法は、壁型枠(例えば、後述の側型枠40A、40B)内のコンクリート打設空間(例えば、後述のコンクリート打設範囲C)について、前記型枠と交差する方向に流れ止め型枠(例えば、後述のL1〜L5)を設けて複数の打設空間(例えば、後述の(1)〜(15))に分割する工程(例えば、後述のステップS1〜S4)と、前記打設空間ごとにコンクリートを打設する作業を、コンクリート投入箇所を順次変更しながら、所定の打ち重ね時間間隔内で繰り返し、複数段に亘ってコンクリートを打ち重ねる工程(例えば、後述のステップS5)と、を備えた壁の構築技術である。流れ止め型枠は、壁筋(例えば、後述の壁筋44)、または型枠間に配置されたセパレータ(例えば、後述のセパレータ41)により結束され、コンクリート打設後であっても脱型することなく、前記型枠の底面から前記壁の壁高さより低い所定高さ位置まで設けることを特徴とする。
流れ止め型枠は、打設直後のコンクリートが壁型枠と平行方向に広範囲に流れ、広がっていくのを所定間隔ごとに打ち止めるもので、自立する必要があり、当該型枠の高さは打設する壁高さの少なくとも1/2以上の高さ位置まで設置する。例えば、型高さが6mの場合、流れ止め型枠の高さは3mを上回り、新たに打設空間に打設されたコンクリートが隣接する打設空間側に流れ出さないように、4mの高さまで設置することが好ましい。
また、流れ止め型枠は、菱形網目状の薄板亜鉛鉄板製ラス型枠であって、一対の壁型枠と交差するように壁型枠内に設置されるものであり、当該型枠の横幅は壁厚さ部分に相当し、また、型枠の天端高さは壁型枠内にあり、打設空間内のコンクリートが隣接する空間側に流れない程度の高さを備える。
前記流れ止め型枠は、壁筋や壁型枠のセパレータに結束線で固定し、埋め殺し型枠として利用する。
この発明によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)壁型枠間に流れ止め型枠(埋め殺し型枠)を建て込み、複数の打設空間ごとに連続してコンクリート打設を繰り返すことで、特別にコンクリートの打継面処理を行うことなく、高品質なコンクリート壁を構築することができる。
(2)打設空間内のコンクリートは、流れ止め型枠の網目より隣接する打設空間側に一部が吐出することで、流れ止め型枠を挟んだ両側の打設空間内のコンクリートとの一体性を確保することができる。
本発明の第一の特徴は、一対の壁型枠内に、複数の打設空間を形成させた後、前記打設空間ごとにコンクリートを打設する作業を、コンクリート投入箇所を順次変更しながら、既に打設された打設空間内のコンクリート表面に打継面処理を行うことなく、所定の打ち重ね時間間隔内で繰り返して、複数段に亘って連続的にコンクリートを打ち重ねる工程と、を備える点である。
また、本発明の流れ止め型枠は、水平方向に10m以内ごとに設置され、壁筋、または壁型枠間に配置されたセパレータで固定されており、当該流れ止め型枠の所定高さは、壁型枠の上端より低く、かつ前記壁型枠の底面または前記打設空間内に打設されたコンクリート面から4m以下であること特徴とする。
この発明によれば、コンクリートの流動性と凝結時間を考慮して打設空間を確保することで、先行して打設されたコンクリート部と、後打ちコンクリート部との打ち重ね表面に隙間を生じさせることなく一体化された壁躯体を得ることができる。
本発明によれば、打設エリア同士の境界部分にラス型枠を設け、打設エリアにコンクリートを打設する作業を、対象となる打設エリアを順次変更しながら、既に打設した打設空間内のコンクリートが硬化する前に、新たなコンクリートを打ち重ねていく連続したコンクリート打設工程によって、短い施工期間において、高品質な壁躯体を構築できる。
本発明の一実施形態に係る壁躯体の構築方法が適用された建物の側面図である。 前記実施形態に係る壁躯体の構築方法のフローチャートである。 前記実施形態に係る壁躯体の構築方法を説明するための図(その1)である。 図3のA−A断面図である。
本発明では、先ず、壁型枠と交差する壁厚方向に複数の流れ止め型枠を建て込み、壁型枠内に複数の打設空間を形成するとともに、その後、隣接する打設空間ごとに、順次、連続してコンクリートを打設していき、壁躯体を構築する壁の構築方法である。
壁躯体を複数層に分けてコンクリートを打設する場合、先に打設した先打ちコンクリート層と、その上に打重ねる後打ちコンクリート層との時間間隔(打重ね時間間隔)が長くなると、先打ちコンクリート層の表面に、微細な粒子が浮き上がって形成されるぜい弱層(レイタンス)が発生して、一体性が損なわれる、という課題があった。
そこで、本願発明においては、先打ちコンクリート層にレイタンス等が発生する前段階において、後打ちコンクリート層を打ち重ねた後、後打ちコンクリート層を貫通させて、先行打設コンクリート層の内部側までバイブレータを挿入して、振動を加えることで、先打ちコンクリート層と後打ちコンクリート層との一体化を図ることで、特別な打継面処理を行うことなく、壁躯体を構築した。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る壁躯体の構築方法が適用された建物1の側面図である。
建物1は、基礎10と、この基礎10の上に設けられた1階立ち上がり部20と、1階立ち上がり部20の上に設けられた2階床部30と、を備える。
基礎10は、杭11と、この杭11の上に設けられたフーチング12と、杭11の杭頭同士を連結する基礎梁13と、基礎梁13同士の間に設けられた1階床スラブ14と、を備える。
1階立ち上がり部20は、フーチング12の上に設けられた1階柱21と、基礎梁13の上に設けられた1階壁22と、を備える。
2階床部30は、1階柱21同士の間に架設された2階梁31を備える。
次に、建物1の1階立ち上がり部20を構築する手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、基礎10が構築され、1階柱21の柱筋が配筋された状態とする。図3に示すように、1階立ち上がり部20の水平方向端部から4.5スパンを、今回、コンクリートを打設するコンクリート打設範囲Cとする。さらに、コンクリート打設範囲Cを長さ方向に5つの打設エリアC1〜C5に区切る。
例えば、コンクリートの流動性を示すスランプ値が18cmの場合は、コンクリートの流動性を示す工学指標であるスランプフロー値との関係は、スランプ値18cmに対してスランプフロー値は36cm程度であることが知られており、打設位置を頂点としてコンクリートの方流れする勾配(流動勾配)を推定すると、30度程度となる(非特許文献1)。
図3中の破線は、コンクリート打設位置を頂点とした打設直後のフレッシュコンクリートの片流れ状態を示す流動勾配線であり、本願発明は、フレッシュコンクリートが広範囲に広がらないように、一定間隔ごとに流れ止め型枠(図中の実線)を設置して、分割した打設空間内に、コンクリート打設口から投入されたコンクリートが留まるようにした。
コンクリートの打設作業においては、コンクリート打設口より投入された生コンクリートは、バイブレータで振動を与えながら、連続して生コンクリート量を投入していき、其々の打設空間にて、打設された生コンクリートの上端面が略水平まで打設した。
例えば、図3に、壁の高さが6m程度の壁躯体のコンクリート打設方法として、打設空間と、コンクリートの打設口と、打設直後のコンクリートの流動勾配θを模式的に示す。
コンクリートの打設は、先ず最下層部分として、柱型部分にコンクリート打設用配管を挿入し、(1)〜(5)の打設順序にて、コンクリート打設用配管の生コン受入れ口(コンクリート投入箇所)P1〜P5から生コンクリートを投入する。生コン受入れ口より投入された生コンクリートは、コンクリート打設用配管の先端部のコンクリート打設口を頂点として山型形状をなすように一定の勾配で流れていく。
次に、2段目層として、最下層を打設する際と同様に、コンクリート打設用配管を、順次、隣接する打設空間内に移動されて、打設順序(6)〜(10)にて、コンクリートを投入し、其々の打設空間内にコンクリートを打設していく。
その後、壁躯体全体として仕上げる最終段階では、コンクリート打設用配管をこれまで設置したコンクリート打設口位置とは異なる、過去のコンクリート打設口位置の間に設置して、打設順序(11)〜(15)に倣って、生コンクリートを投入して、壁躯体を仕上げる。
まず、ステップS1では、図4に示すように、コンクリート打設範囲Cについて、1階柱21および1階壁22の一対の側型枠40A、40Bのうちの一方、ここでは側型枠40Aを建て込む。側型枠40Aは、板材401と、この板材401に設けられて鉛直方向に延びる桟木402と、で構成される。この側型枠40Aには、セパレータ41、単管42、およびフォームタイ(登録商標)43を取り付けておく。
ステップS2では、図4に示すように、側型枠40Aに沿って、1階壁22の壁筋44を配筋する。具体的には、縦筋441および横筋442をダブル配筋する。
ステップS3では、図3および図4に示すように、打設エリアC1〜C5同士の境界にラス型枠L1〜L4を取り付ける。また、コンクリート打設範囲Cの端部に、打ち継ぎラス型枠L5を取り付ける。
具体的には、打設エリアC1〜C5同士の境界、つまり、ラス型枠L1〜L4の取付け位置は、各スパンの中央付近とする。
ラス型枠L1〜L4は、メタルラスであり、壁厚方向に延びてかつ側型枠40Aの底面から所定高さH1〜H4まで延びている。
一方、打ち継ぎラス型枠L5は、メタルラスであり、壁厚方向に延びてかつ側型枠40Aの底面から頂部まで延びている。
これらラス型枠L1〜L5は、側型枠40Aのセパレータ41になまし線などで結い付けることで、側型枠40Aに取り付けられる。
ステップS4では、図4に示すように、1階柱21および1階壁22の他方の側型枠40Bを建て込んで、一対の側型枠40A、40Bの間にラス型枠L1〜L5を挟み込む。この側型枠40Bは、側型枠40Aと同様の構成である。
さらに、側型枠40Bから突出したセパレータ41にフォームタイ43を取り付けて、このフォームタイ43で単管42を締め付ける。これにより、一対の側型枠40A、40Bは、セパレータ41で互いに連結される。
ステップS5では、図3に示すように、打設エリアC1〜C5にコンクリートを打設する作業を、打設対象となる打設エリアを順次変更しながら、所定の打ち重ね時間間隔内で繰り返す。
具体的には、コンクリートの打設作業を行う順序を、図3中、(1)から(15)まで番号を付して示す。
ここで、1番目から10番目までの打設作業については、各打設エリアC1〜C5の中央付近つまり各1階柱21の頂部付近から、コンクリートを投入する。これらコンクリートの投入箇所をP1〜P5とする。
例えば、1番目の打設作業では、コンクリート投入箇所P2から打設エリアC2にコンクリートを打ち込む。すると、コンクリートは、流動性を有しているので山形状となり、このコンクリートの両端は、ラス型枠L1、L2によって堰き止められる。
また、6番目の打設作業では、コンクリート投入箇所P2から打設エリアC2にコンクリートを打ち込む。この6番目の打設作業で打ち込んだコンクリートは、1番目の打設作業で打ち込まれたコンクリートの上に打ち重ねられる。このコンクリートも、山形状となり、このコンクリートの両端は、ラス型枠L1、L2によって堰き止められる。
このように、ラス型枠L1〜L4の高さH1〜H4は、コンクリートを打ち重ねた際、つまり、6番目から10番目の打設作業において、打ち込まれたコンクリートを堰き止めることができるのに十分な高さである。
コンクリートを打設すると、コンクリートの投入箇所からラス型枠L1〜L4に至る勾配(流動勾配)が生じるが、この勾配は、コンクリートのスランプ値によってほぼ決定される。
したがって、上述のステップS3では、ラス型枠L1〜L4の高さH1〜H4を、コンクリート投入箇所からラス型枠までの水平距離、および、打設するコンクリートのスランプ値に基づいて決定している。
流れ止め型枠(ラス型枠)は、なまし線で簡単に固定されており、自立性を確保するには型枠の高さは、H1〜H4であり、打設する壁高さの少なくとも1/2以上の高さ位置となっている。また、流れ止め型枠は、壁型枠の上端より高い位置まで立設させる必要はない。
また、流れ止め型枠は、新たな型枠支持部材を立設して、取り付けるのはなく、壁筋、または壁型枠間に配置されたセパレータ、或いは壁型枠にくぎ等で固定する。
壁型枠の水平方向に設けられる打設空間数は、各打設空間内へのコンクリートの打設時間より決定されることになる。
コンクリートの打ち重ね時間間隔を2時間以内とすることで、1つの打設空間を20分程度でコンクリートを打設すると、打ち重ねる時間間隔の面より、壁型枠内を複数の打設空間として区割りした打設空間数は、生コンクリートの受入れ口の高さを変更させない場合、水平方向においては最大5ブロックとなる。
また、打設空間にコンクリート打設する際は、壁型枠内にコンクリート打設用配管を挿入して、打設時にコンクリートと骨材が分離しないように生コンクリートの自由落下高さを2m以下とすることが好ましい。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)打設エリアC1〜C5同士の境界部分にラス型枠L1〜L4を設け、打設エリアC1〜C5にコンクリートを打設する作業を、対象となる打設エリアを順次変更しながら、所定の打ち重ね時間間隔内で繰り返した。したがって、限定された1つの打設エリアにコンクリートを打設して、限定された範囲で締固めを集中的に行うことができるから、階高の高い1階壁22であっても、一度でコンクリートを打設でき、短工期となるうえに、壁躯体の品質を確保できる。
また、ラス型枠L1〜L4は、構造が簡単であり、かつ、側型枠40A、40B内に容易に固定できるから、低コストで1階壁22を構築できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
L1〜L4…ラス型枠(流れ止め型枠)
L5…打ち継ぎラス型枠(流れ止め型枠)
P1〜P5…コンクリート投入箇所(受入れ口)
C…コンクリート打設範囲
C1〜C5…打設エリア
1…建物
10…基礎
11…杭
12…フーチング
13…基礎梁
14…1階床スラブ
20…1階立ち上がり部
21…1階柱
22…1階壁(壁躯体)
30…2階床部
31…2階梁
40A、40B…側型枠(壁型枠)
41…セパレータ
42…単管
43…フォームタイ
44…壁筋
401…板材
402…桟木
441…縦筋
442…横筋
(1)〜(15)…打設空間(数字は打設順序を示す)

Claims (2)

  1. 複数の柱および当該柱同士の間に複数の壁が一体として構築される壁躯体のコンクリート打設方法であって、
    前記柱および壁の一対の型枠を建て込むとともに、前記壁の略中央の位置に、壁厚方向に延びてかつ当該側型枠の底面から所定高さに至る流れ止め型枠を立設することで、前記一対の型枠内に複数の打設空間を形成する工程と、
    前記打設空間ごとに前記柱の頂部付近からコンクリートを打設する作業を、打設空間を順次変更しながら行うことで、各打設空間において、既に打設されたコンクリート表面に打継面処理を行うことなく、所定の打ち重ね時間間隔内で複数段に亘ってコンクリートを打ち重ねる工程と、を備え
    前記コンクリートを打ち重ねる工程では、打設したコンクリートの中央部が前記柱の頂部近傍に達し端部が前記流れ止め型枠の上端近傍に達するまで、コンクリートを打ち重ねることを特徴とする壁躯体のコンクリート打設方法。
  2. 前記流れ止め型枠は、水平方向に10m以内ごとに設置され、壁筋または前記一対の側型枠間に配置されたセパレータで固定されており、
    前記流れ止め型枠の高さは、前記型枠の上端より低くかつ当該側型枠の高さの1/2以上であること特徴とする請求項1に記載の壁躯体のコンクリート打設方法。
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