JP6478137B2 - 積層体およびそれを用いた包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関し、より詳細には、アルコールを高濃度で含む液状物を包装するのに適した包装容器に使用される積層体に関する。
アルコール除菌剤や消臭剤等は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂などの樹脂からなるボトル容器と注出口とを備えたディスペンサー容器に包装された形態で市販されている。近年、環境負荷の低減のため、内容物を充填した詰め替え用ボトル容器が市販されており、注出口を詰め替え用ボトル容器に取り付けることにより、注出口を繰り返し利用できるようにされている。しかしながら、使用済みになったボトル容器自体は廃棄されているのが現状である。一方、液体洗剤等の衛生製品等は、詰め替え用の容器として、スタンディングパウチ等の軟包装袋に密封充填された状態で市販されており、包装袋からボトル容器に液剤を移し替えることにより、ボトル容器本体を繰り返し使用することができる。
上記のような包装袋は、基材フィルムと、ポリエチレン樹脂等からなるシーラント層とを接着層を介して積層した積層フィルムからなり、シーラント層を熱融着させることのより、包装袋に充填された液剤等の内容物を密封包装できるようになっている。このような積層フィルムからなる包装袋に、アルコールを高濃度で含む液状物を充填すると、長期保存した場合に、アルコール成分が積層フィルムに浸透し、接着層成分が溶解する結果、基材フィルムとシーラント層とが剥離(デラミネーション)して包装袋が破損する問題があった。このような理由から、上記したように、アルコール除菌剤や消臭剤等は、詰め替え容器として包装袋が使用できず、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂などの樹脂からなるボトル容器が使用されている。
ところで、アルコール含有物を密封充填できる包装袋として、基材層、バリア層およびシーラント層の各層を、接着層を介して積層した積層フィルムが使用されており、接着層としては、2液硬化型のポリウレタン系接着剤等のドライラミネート用接着剤が使用されるのが一般的である。しかしながら、このような包装袋であっても、アルコール濃度が40質量%を超えるような高濃度アルコール含有物を充填すると、上記したようなデラミネーションが発生するという問題があった。
上記のような問題に対して、特開2008−94471号公報(特許文献1)には、アルミニウム箔からなるバリア層の表面に、特定の変性ポリオレフィン系樹脂からなる微粒子を含む水性分散液を塗布してアンカーコート層を形成し、そのアンカーコート層面にポリオレフィン樹脂等を押し出しラミネートしてシーラント層を形成することで、アルコール濃度が40質量%を超えるような高濃度アルコール含有物に対しても、高い耐アルコール性を有する包装袋を実現できることが開示されている。
特開2008−94471号公報
本発明者らは今般、バリア層とシーラント層と接着剤層を介してドライラミネートした積層体からなる包装容器において、包装容器内にアルコール濃度が40質量%を超えるような高濃度アルコール含有物に充填すると、包装容器の外側からバリア層を介して浸入する水分(水蒸気)が接着剤層に作用し、包装容器内側からシーラント層を介して滲出したアルコール成分によって接着剤層の凝集力が低下することで、バリア層とシーラント層とが剥離してしまうことを見いだした。そして、バリア層として金属箔を用い、金属箔とシーラント層とをドライラミネートする際の接着剤として、特定の主剤と硬化剤とを所定の割合で配合したポリウレタン系接着剤を使用することにより、高濃度アルコール含有物に対しても高い耐アルコール性を有する包装容器を実現できるとの知見を得た。本発明は係る知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、アルコール濃度が40質量%を超えるような高濃度アルコール含有物に対しても、高い耐アルコール性を有する包装体を実現できる積層体を提供することである。
本発明による積層体は、基材層とバリア層とシーラント層とが接着剤層を介して、この順で積層された積層フィルムであって、
前記バリア層が金属箔からなり、
前記バリア層とシーラント層との間の接着剤層が、主剤としてポリエステルポリオールとエポキシ化合物とを含み、硬化剤としてポリイソシアネートとを含むウレタン系接着剤からなり、
前記主剤と前記硬化剤との比が、固形分質量比で10:1.269〜10:2.885であることを特徴とする。
本発明の態様においては、前記金属箔がアルミニウム箔であってもよい。
本発明の態様においては、前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物であってもよい。
本発明の態様においては、前記主剤中の前記エポキシ化合物の含有量が、固形分換算において5〜40質量%であってもよい。
本発明の態様においては、前記ウレタン系接着剤が、シランカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の態様においては、前記バリア層と前記シーラント層との間に中間層がさらに設けられており、前記バリア層と前記中間層と前記シーラント層とが、前記接着剤層を介して積層されていてもよい。
また、本発明の別の態様によれば、上記した積層体からなる包装体も提供される。
本発明によれば、バリア層として金属箔を使用し、金属箔とシーラント層とをドライラミネートする際の接着剤として、特定の主剤と硬化剤とを所定の割合で配合したポリウレタン系接着剤を使用するため、得られた積層体を包装体として用いると、高濃度アルコール含有物に対しても高い耐アルコール性を有する包装体を実現できる。
本発明による積層体の一実施形態を示した断面図である。 本発明による積層体の別の実施形態を示した断面図である。 本発明による積層体を用いて製袋された包装体の一例を示す外観斜視図である。 本発明による積層体を用いて製袋された包装体の別の例を示す平面図である。
<積層体>
以下、図面を参照しながら本発明による積層体について説明するが、図示した実施形態により本発明が限定されるものではない。図1は、本発明による積層体の一実施形態を示した断面図である。積層体1は、包装体(図示せず)とした場合に最外層に位置する基材層10と、バリア層20と、最内層として位置するシーラント層30とが接着剤層40を介して、この順で積層された積層体である。また、本発明においては、図2に示すように、バリア層20とシーラント層30との間に中間層50がさらに設けられていてもよい。積層体1が図2に示したような実施形態の場合、バリア層20、中間層50およびシーラント層30のそれぞれの層の間には、接着剤層40が設けられている。以下、積層体を構成する各層について説明する。
基材層10は、積層体を支持し、積層体を包装容器等の包装体とした場合の強度特性や耐衝撃性などを向上させるための層である。基材層として用いられる材料としては、上記のような性質を有する樹脂フィルムないしシートが挙げられ、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシート等が挙げられる。これらのなかでも、実用性等の観点から、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを好ましく使用することができる。
上記した樹脂フィルムないしシートは、例えば、上記の各種の樹脂1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、さらには、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシートを製造し、さらに、所望により、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラマ方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸した各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
基材層の厚さは、包装体の使用用途によっても適宜変更できるが、通常、成形性や透明性の観点から6〜200μm、好ましくは、9〜100μm程度である。
また、基材層には、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等が配合されていてもよい。このような添加剤としては、添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等が挙げられる。
また、基材層の表面には、後記するバリア層との密着性等を向上させるために、必要に応じて表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等が挙げられる。
次に、基材層10上に設けられるバリア層20について説明する。バリア層は、積層体を包装体とした場合に、外部からのガス(特に水蒸気ガス)の浸入を抑え、内容物の変質を防ぐとともに、後記する接着剤層の変質を防ぐための層である。従来、ガスバリアフィルムにおいては、アルミニウム箔等の金属箔や金属ないし金属酸化物の蒸着膜を介在させることが行われていたが、本発明においては、積層体中に金属箔を介在させることにより、包装体外部からの水分(水蒸気)が後記する接着剤層に浸入することを抑制し、接着剤層が水分により影響されるのを防止し、その結果、高濃度のアルコール溶液に耐えうる包装体を実現できることを見いだしたものである。理論に拘束されるわけではないが、恐らく、従来の金属ないし金属酸化物からなる蒸着膜と比較して、バリア層が分子レベルで密な状態となっているため、水蒸気ガスの透過性を著しく低減させることができるものと考えられる。
バリア層としては、例えば、金属や合金を圧延して得られた金属箔からなる層を用いることができる。金属箔は、アルミニウム、銅、亜鉛、金、銀、およびこれらの合金からなる群から選択される一種以上の素材を用いることができ、これらのなかでもアルミニウム箔を用いることが好ましい。アルミニウム箔の材料としては、純アルミニウム系またはアルミニウム−鉄系合金が一般的に使用される。
バリア層を形成する方法としては、基材層に接着剤層を介して金属箔を設けるドライラミネート法等が挙げられる。バリア層の厚さは、加工性の確保や水蒸気ガス透過性を考慮して、1〜30μm、好ましくは5〜15μm程度である。
基材層とバリア層とをラミネートする接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、或いは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。
次に、バリア層20とシーラント層30との間に介在させる接着剤層40について説明する。接着剤層は、ポリエステルポリオールとエポキシ化合物とを含む主剤とポリイソシアネートとを含む硬化剤とからなる、いわゆる2液硬化型の接着剤により形成される。従来、包装材料用積層フィルムのドライラミネート用接着剤として、ポリエステル系ウレタン接着剤が使用されていたが、包装体外部から侵入する水分、あるいは積層フィルムを構成する材料(例えばナイロン等)に含まれる水分によって、ポリエステル系ウレタン接着剤のエステル結合部分が加水分解され、接着剤の凝集力が低下することがあった。本発明においては、主剤として、ポリエステルポリオールに加え、エポキシ化合物を添加することにより、水分による接着剤の凝集力の低下を抑制したものである。この理由は明らかではないが、エポキシ化合物中のエポキシ基がエステル結合の加水分解により発生したカルボキシル基と反応することにより、接着剤成分の分子量低下を抑制するものと考えられる。すなわち、上記したバリア層により、接着剤層への水分の浸入をできるだけ抑えるとともに、接着剤層に到達した微量の水分や他の層から浸入する水分によって接着剤自体が変性するのを抑制することにより、シーラント層側から滲出したアルコール成分により接着剤層の凝集力が低下してしまうのを効果的に防止することができる。
接着剤の主成分であるポリエステルポリオールは、種々のポリカルボン酸とポリオールとによって構成されるものを使用することができるが、脂肪族二塩基酸及び芳香族二塩基酸からなるジカルボン酸と、脂肪族グリコールとによって構成されるものが、密着性が高くなるという点でより好ましい。上記脂肪族二塩基酸として、例えば、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、蓚酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体などを挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸は単独又は2種以上併用して用いることができる。また、上記芳香族二塩基酸として、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体などを挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は単独または2種以上併用して用いることができる。
脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等が例示でき、これらは単独又は2種以上併用して用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造法自体は公知の方法でよく、脱水縮合、エステル交換縮合等公知の方法でよい。これらのポリエステルポリオールの分子量は数平均分子量で700〜3000、好ましくは1000〜2000であり、酸価としては3.0mgKOH/g以下、好ましくは1.0mgKOH/gのものが好ましい。
接着剤の主剤中に含まれるエポキシ化合物としては、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有するものであればよく特に制限されるものではないが、接着剤の凝集力を考慮すると、芳香族系のエポキシ化合物を使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラックエポキシ化合物、クレゾールノボラックエポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ化合物、トリフェノールメタン型エポキシ化合物、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ化合物、トリアジン核含有エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ化合物等のエポキシ化合物等が挙げられる。これらエポキシ化合物は、単独または2種以上併用して用いることができる。これらの芳香族系エポキシ化合物のなかでも、疎水性を有するビスフェノール型エポキシ化合物が、ポリエステルポリオールのエステル結合の加水分解を抑制する効果が高いため好ましく使用することができる。
上記したエポキシ化合物は、数平均分子量が1000〜3000であることが好ましい。数平均分子量が小さいエポキシ化合物は、積層体中の各層を通して包装体の内側に滲出する場合があり、ビスフェノール型エポキシ化合物等の芳香族エポキシ化合物の低分子量体が包装体に充填される内容物に影響を与える恐れがある。一方、数平均分子量が3000以上であると、接着剤の凝集力が低下する場合がある。
エポキシ化合物は、主剤中に固形分換算において5〜40質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは20〜30質量%である。エポキシ化合物の含有量が少ないと上記したようなエステル結合の加水分解抑制効果が期待できず、一方、エポキシ化合物の含有量が多すぎると接着剤の凝集力が低下する場合がある。
本発明において使用する接着剤の硬化剤は、ポリエステルポリオールの水酸基と反応してウレタン結合を形成させるポリイソシアネートを使用する。ポリイソシアネートとしては、公知の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香−脂肪族のイソシアネート化合物を用いることができる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートや2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
芳香−脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香−脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記したイソシアネート系硬化剤のなかでも、硬化後の接着強度の観点から、芳香族−脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましく、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートの3量体付加物やトリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネートの3量体付加物、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体付加物等を好適に使用することができる。
本発明においては、上記した主剤(即ち、ポリエステルポリオールおよびエポキシ化合物)と硬化剤との配合比を固形分質量比で10:1.269〜10:2.885の範囲としている。通常、主剤と硬化剤との配合比は固形分質量比で10:1.154程度であるが、硬化剤の配合量を通常よりも多くすることにより、水分子が硬化剤のイソシアネート基(−NCO)と反応により消費され、より一層、接着剤が水分により加水分解されるのを抑制できる。より好ましい配合比は10:1.384〜10:2.308の範囲であり、さらに好ましい配合比は10:1.546〜10:2.308の範囲である。
接着剤には、ポリエステルポリオールの硬化反応を促進させるための硬化触媒が含まれていてもよい。反応触媒としては、トリメチレンビス(4−アミノベンゾアート)、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンアミン、テトラメチルポリメチレンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチルチンラウリレート等の金属塩、高級カルボン酸ビスマス等が挙げられる。これら硬化触媒は、通常、ポリエステルポリオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
また、本発明においては、接着剤中に鎖延長剤が含まれていてもよい。鎖延長剤はプレポリマーのイソシアネート基と反応し、鎖延長剤の官能基を介してプレポリマーを相互に連結し高分子化していくものであり、得られるポリウレタンの分子量は、反応が進むにつれて次第に増加する。ドライラミネートの際の塗工性等を考慮して適宜、鎖延長剤の添加量を調整することができる。
鎖延長剤としては、通常のポリウレタンの製造に使用される低分子ジアミンまたは低分子ジオールが挙げられる。ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン(IPDA)、ジシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環族ジアミンなどがあり、これらを単独にまたは2種以上を混合して用いることができる。
低分子ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族グリコールおよびキシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなどの芳香族グリコールが挙げられる。これらの鎖延長剤のうちジアミン系のものが、反応性が高いため、容易にポリウレタンの分子量を増大することができる。
接着剤には、シランカップリング剤が含まれていてもよい。シランカップリング剤を併用することにより、上記した金属箔(バリア層)と接着剤との密着性がより一層向上する。シランカップリング剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのインシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらのなかでも、ブチルゴムやイソプレンゴム等のゴム用途の接着性改善に使用される、メルカプト基を有するシランカップリング剤を好適に使用することができる。このようなシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、およびこれらの構造を有するアルコキシオリゴマー、メルカプト基とエポキシ基、メルカプト基とアミノ基などの組み合わせなど複数の官能基を有するアルコキシオリゴマー等が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いることができる。シランカップリング剤の添加量は、通常、主剤に対して0.1〜10質量%程度である。
また、接着剤には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤等を添加してもよい。
接着剤は、塗布時の粘度調整のため、有機溶剤を用いて希釈してもよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸n−プロパノール等を用いて希釈することができる。
バリア層上に接着剤層を形成するには、上記した成分を混練、分散して調製した接着剤を、バリア層の表面に塗布し乾燥させることにより形成することができる。粘着剤の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。接着剤層の厚みは、包装体の使用用途等によって適宜調整することができるが、通常、5〜500μm、好ましくは10〜100μm程度である。
次に、シーラント層について説明する。積層体を包装体に製袋する際に積層体のシーラント層が相互に融着し包装体をシールする。そのため、シーラント層は、熱融着し得るものであればよく、例えば、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムないしシートが挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いることができる。
シーラント層の厚さとしては、ヒートシール性の観点から20〜200μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
また、本発明においては、図2に示したように、バリア層20とシーラント層30との間に中間層40を設けてもよい。中間層は、積層体を包装体に製袋とした場合に、密封性、耐突き刺し(耐ピンホール)性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等を付与するものである。
中間層としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂フィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。
フィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができるが、耐突き刺し(耐ピンホール)性が要求される場合は、延伸ナイロンフィルムを使用することができる。その他、着色剤や紫外線吸収剤等の所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性フィルムないしシート等を使用することもできる。中間層の厚さは任意であるが、数μm〜300μm程度の範囲で適宜選択することができる。
中間層50を設ける場合、上記した接着剤層40を介してバリア層20と中間層50とをラミネートし、さらに中間層50とシーラント層30とを接着剤層40を介してラミネートする。中間層40に接着剤層40を設ける際には、予め中間層50の表面に、上記したような表面処理を施し、中間層40と接着剤層50との密着性を高めてもよい。
本発明による積層体は、上記した層以外の層を含んでいてもよく、包装体用の積層体として設けられる印刷層や隠蔽層等を適宜設けることができる。例えば、基材層10とバリア層20との間に、文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様を付与する印刷層が設けられていてもよい。印刷層は、通常、インクビヒクルと、染料・顔料等の着色剤とを、溶媒、希釈剤等で混練してインク組成物を調製し、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式により基材層の表面(バリア層を設ける側の面)に所望の印刷模様を印刷することにより形成できる。印刷層を形成する際のインク組成物には、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種または2種以上が添加されていてもよい。印刷層は、全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層を形成する際のインク組成物の塗布量は、塗布後の乾燥状態で1μm〜8μm程度である。
また、印刷層とバリア層との間には、さらに隠蔽層を設けてもよい。隠蔽層を設けることにより、金属箔からなるバリア層にクラックが生じた場合に発生する黒ずみを隠蔽し、上記した印刷層の視認性を良好に維持することができる。隠蔽層は、金属色に近い銀色インクや白色インクを用いて、印刷層と同様にして形成することができる。
積層体の厚みは、その用途に応じて適宜決定することができる。例えば、30〜300μm、好ましくは50〜200μmの厚みのフィルムないしシートの形態とすることができる。
本発明による積層体は、の一方または両方の面には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性などの表面機能などの付与を目的として、二次加工を施すことができる。二次加工の例としては、例えば、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっきなど)、機械加工、表面処理等が挙げられる。また、後記するように、積層体にラミネート加工、製袋加工、およびその他の後処理加工を施して、包装体などの成型品を製造することもできる。
<包装体>
本発明による包装体は、上記した積層体を用いて製袋したものである。積層体のシーラント層どうしをヒートシールすることにより、包装袋を製造することができる。包装袋の形式は、特に限定されず、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの種々の形態の包装袋として用いることができる。
本発明による包装体の一例として、積層体をスタンディングパウチに適用した場合について説明する。図3は、本発明による積層体を用いて製袋された包装体(スタンディングパウチ)の一例を示す外観斜視図である。図3に示すように、スタンディングパウチ2は、2枚の胴部(側面シート)60と、底部(底面シート)70とで構成されている。側面シート60と底面シート70とは、同一構成の積層体であってもよく、異なる構成の積層体であってもよい。スタンディングパウチ2は、側面シート60および底面シート70を構成する積層体のシーラント層が最内層となるように製袋して形成されている。また、スタンディングパウチ2には、図4に示すように、胴部60の一部に注出口部80が設けられていてもよい。
製袋加工は、従来公知の方法を適用でき、例えば、2枚の側面シート60をシーラント層が最内層となるように側面シート60同士を対向させて重ね合わせると共に、2枚の側面シート60の間に底面シート70を挿入し、側面シート60および底面シート70をヒートシールすることにより、包装体(スタンドパウチ)を製造することができる。ヒートシールの方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の従来公知の方法を採用できる。
本発明による包装体は、上記したように、バリア層として金属箔を使用し、金属箔とシーラント層とをドライラミネートする際の接着剤として、特定の主剤と硬化剤とを所定の割合で配合したポリウレタン系接着剤を使用した積層体を使用しているため、除菌剤などのように、アルコール濃度が高い(例えば、アルコール濃度40質量%以上)の液体を充填した場合であっても、積層体が剥離することがない。アルコールの種類については、特に限定はされず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、各種異性体を含むプロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコールなどの一価アルコールのほか、エチレングリコール、ポリメチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどであってもよい。本発明による包装体は、高い耐アルコール性を有するものであるが、無論、充填される内容物としては、アルコール含有物に限られず、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、害虫駆除剤などの各種薬剤、液体洗剤、液体柔軟剤、液体石鹸などの詰め替え用の包装体としても機能できることは言うまでもない。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
<積層体の作製>
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(PTM―RT、ユニチカ社製)の片面にコロナ処理を行い、そのコロナ処理面に、グラビアコーターを使用してエステル系ウレタン接着剤(主剤:RU−80、硬化剤:H−5、ロックペイント社製、主剤と硬化剤との配合比=10:2.25(固形分質量比))を塗布し、乾燥させた後、厚み7μmのアルミニウム箔(東海アルミ社製)をドライラミネートした。さらにこのアルミニウム箔面に、ポリエステルポリオールとエポキシ化合物とを含む主剤(アドコート502、東洋モートン社製)と、ポリイソシアネートとを含む硬化剤(CAT−10L、東洋モートン社製)とを、下記の表1に示す固形分質量比となるように配合した接着剤を、グラビアコーターを使用して乾燥した状態での塗布量が3.5g/mとなるように塗布して接着剤層を形成した。次いで、接着剤層の表面に、両面をコロナ処理した厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム(ONMB−RT、ユニチカ社製)をドライラミネートして中間層を形成し、続いて、中間層の表面に、主剤としてアドコート502と硬化剤としてCAT−10Lとを下記の表1に示す固形分質量比となるように配合した接着剤を、グラビアコーターを使用して乾燥した状態での塗布量が3.5g/mとなるように塗布して接着剤層を形成した。この接着剤層の表面に、片面をコロナ処理した厚み100μmの低密度ポリエチレンフィルム(SP―406、DNPテクノパック社製)をドライラミネートし、40〜45℃の温度で120時間エージング処理することにより接着剤層を硬化させて、積層体を作製した。なお、下記の表1中、PETは上記ポリエチレンテレフタレートフィルムを表し、LDPEとは、上記低密度ポリエチレンフィルムを表す。
実施例2〜3および比較例1
接着剤層の形成に使用した接着剤の主剤と硬化剤との配合比を下記の表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例2
接着剤層の形成に使用した接着剤に代えて、エステル系ウレタン接着剤(主剤:RU−80、硬化剤:H−5、ロックペイント社製)を使用し、主剤と硬化剤との配合比を下記の表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例3
両面をコロナ処理した厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム(ONMB−RT、ユニチカ社製)に、グラビアコーターを使用して、ポリエステルポリオールとエポキシ化合物とを含む主剤(アドコート502、東洋モートン社製)と、ポリイソシアネートとを含む硬化剤(CAT−10L、東洋モートン社製)とを、下記の表1に示す固形分質量比となるように配合した接着剤を、グラビアコーターを使用して乾燥した状態での塗布量が3.5g/mとなるように塗布して接着剤層を形成した。次いで、接着剤層の表面に、一方の表面にアルミニウム蒸着膜が設けられた厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、アルミニウム蒸着膜の面が2軸延伸ナイロンフィルムの面を向くようにしてドライラミネートした。続いて、アルミニウム蒸着膜が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミニウム蒸着膜が設けられていない側の面にコロナ処理を行い、そのコロナ処理面に、主剤としてアドコート502と硬化剤としてCAT−10Lとを下記の表1に示す固形分質量比となるように配合した接着剤を、グラビアコーターを使用して乾燥した状態での塗布量が3.5g/mとなるように塗布して接着剤層を形成した。この接着剤層の表面に、片面をコロナ処理した厚み100μmの低密度ポリエチレンフィルム(SP―406、DNPテクノパック社製)をドライラミネートし、40〜45℃の温度で120時間エージング処理することにより接着剤層を硬化させて、積層体を作製した。なお、下記の表1中、ONyとは上記2軸延伸ナイロンフィルムを表す。
Figure 0006478137
<積層体の評価>
上記のようにして得られた各積層体を、幅15mmの短冊状に切り出して試験片を作製した。また、各積層体を用いて、それぞれ図3に示したような包装体を作製し、包装体の上部からエタノールを60%含有する水溶液を350ml充填して上部をヒートシールして密封し、50℃の環境下で2週間保存した後、充填した水溶液を包装体から除去し、続いて、包装体から幅15mmの短冊状の試験片を切り出した。これら2種の試験片について、引張試験機(テンシロン万能材料試験機RTC−1310A、ORIENTEC社製)を用いて、50mm/分の速度で90度剥離試験を行った。剥離試験では、アルミニウム箔と2軸延伸ナイロンフィルム(中間層)との剥離強度、および2軸延伸ナイロンフィルム(中間層)と低密度ポリエチレンフィルム(シーラント層)との剥離強度の両方を測定した。評価結果は下記の表2に示される通りであった。なお、比較例3の積層体を用いた包装体は、エタノール水溶液を充填した状態で2週間保存すると、基材層とバリア層、およびバリア層とシーラント層から剥離が進行しており、試験片を用いて剥離強度を測定することができなかった。
Figure 0006478137
1 積層体
2 包装体
10 基材層
20 バリア層
30 シーラント層
40 接着剤層
50 中間層
60 胴部
70 底部
80 注出口部

Claims (6)

  1. 基材層とバリア層と中間層とシーラント層とが接着剤層を介して、この順で積層された積層体であって、
    前記バリア層が金属箔からなり、
    前記バリア層と前記中間層との間、及び前記中間層と前記シーラント層との間の両方の接着剤層が、主剤としてポリエステルポリオールとエポキシ化合物とを含み、硬化剤としてポリイソシアネートとを含むウレタン系接着剤からなり、
    前記主剤と前記硬化剤との比が、固形分質量比で10:1.269〜10:2.885であることを特徴とする、積層体。
  2. 前記金属箔がアルミニウム箔である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記主剤中の前記エポキシ化合物の含有量が、固形分換算において5〜40質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記ウレタン系接着剤が、シランカップリング剤をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体からなる包装体。
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