JP6477987B1 - ミシン - Google Patents

ミシン Download PDF

Info

Publication number
JP6477987B1
JP6477987B1 JP2018544292A JP2018544292A JP6477987B1 JP 6477987 B1 JP6477987 B1 JP 6477987B1 JP 2018544292 A JP2018544292 A JP 2018544292A JP 2018544292 A JP2018544292 A JP 2018544292A JP 6477987 B1 JP6477987 B1 JP 6477987B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewing
upper thread
sewing machine
tension
needle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018544292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019043813A1 (ja
Inventor
孝志 甲斐
孝志 甲斐
東一 上野
東一 上野
俊介 吉田
俊介 吉田
士朗 若山
士朗 若山
信明 濱田
信明 濱田
良太 坂神
良太 坂神
悠輔 生嶋
悠輔 生嶋
晋 谷川
晋 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6477987B1 publication Critical patent/JP6477987B1/ja
Publication of JPWO2019043813A1 publication Critical patent/JPWO2019043813A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B29/00Pressers; Presser feet
    • D05B29/06Presser feet
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B47/00Needle-thread tensioning devices; Applications of tensometers
    • D05B47/04Automatically-controlled tensioning devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

ミシン(100)は、縫い針(131)の針孔に挿通された上糸を捕捉することで上糸と下糸とを絡ませるかま(132)と、上糸を挿通した小孔を有する天秤(133)と、被縫製物を搬送する搬送手段(P1)と、被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえ(135)と、中押さえ(135)を駆動する駆動源(136)と、搬送手段(P1)が被縫製物を搬送する際に上糸が中押さえ(135)に接触することにより、上糸より中押さえ(135)に付与される負荷に基づき上糸張力を監視する張力監視部と、を備える。

Description

本発明は、縫製時に被縫製物を押圧する中押さえを備えるミシンに関する。
従来、ミシンの上糸は、アーム部やスタンドに設置した糸巻き等の供給源を始点として、上糸の消費部である縫い針を終点とする糸経路にそって供給される。
特許文献1では、上述した糸経路に圧電素子を設けることにより、縫製動作時に上糸の張力を検出する上糸張力検出器が示されている。また、特許文献1では、上糸と接触可能な位置に圧電素子を配置し、上糸が該圧電素子と接触することにより糸切れを検出するミシンについて記載されている。特許文献2では、上述した糸経路に歪みゲージを設けて、その出力に基づきミシン主軸の回転位相に対する上糸の張力波形を演算し、該張力波形の形状に応じて上糸の張力を調節する自動糸調子ミシンが公開されている。
特許文献3と4では、上糸張力調整装置や上糸調子手段を用いて、上糸の張力を検出するだけなく、縫製パターンに合わせて上糸の張力を制御するミシンが示されている。具体的に、特許文献3では、電磁アクチュエータ等で付与する押圧力やトルクにより、固定板と糸押え板とで挟持する上糸の抵抗力を縫製動作時に可変にする上糸張力調整装置が示されている。特許文献4では、風合いの良い刺繍製品を作成することを目的に、縫い目の幅と方向が常時変化する場合であっても、糸の張力を最適に調整する糸調子手段を備えたミシンが公開されている。また、特許文献3と4では、圧電素子又は検出用コイルにより糸張力を検出する上糸張力検出器(特許文献4では張力検出手段)の出力に基づき糸張力を調整するフィードバック制御の構成が記載されている。
そして、特許文献5では、針棒、天秤、布押え等の機械要素をそれぞれ個別に駆動するための個別のモータを具備し、天秤を駆動するモータの回転角度に応じて予め定められたトルクデータとモータに供給する電流値に基づき、上糸の張力を制御するミシンが公開されている。
ところで、上述した糸経路の終点の近傍には、縫い針の上昇時に被縫製物の浮き上がりを防止するため、一般に布押さえや中押さえと呼ばれる被縫製物の押圧装置が取り付けられる。特許文献6では、該押圧装置を駆動するモータの駆動力を制御することにより、被縫製物の押圧精度を改善するミシンが公開されている。特許文献7では、中押さえを駆動するモータの回転角度や駆動トルクの検出値に基づき被縫製物の厚さや硬さを検出するミシンが開示されている。
このように特許文献1から5では、上糸張力に起因した糸切れや糸調子等の縫製品質の向上を目的として、縫製動作時に上糸張力を検出又は制御する装置を備えるミシンが公開されている。また、特許文献6と7では、押圧装置による被縫製物の押圧精度に起因した縫い締り精度等の縫製品質の向上を目的として、当該押圧装置の動作パターンを変更するミシンが公開されている。
特開平6−343784号公報 特開平7−662号公報 特開平11−47479号公報 特開平7−661号公報 特開2010−178785号公報 特開平11−19358号公報 特開2010−131175号公報
しかしながら、特許文献1から4に開示されるミシンで上糸の張力を検出する場合は、何れの場合も、圧電素子や歪みゲージ等で構成する糸張力検出装置やその設置治具、及び配線を設ける必要があるのでミシンの製造コストが増加する。また、経年変化にともなう検出器の感度や帯域の変化を較正する必要があるのでミシンの保守コストが増加する。また、糸経路に検出器を設ける場合は、糸経路の長大化や設置スペースの確保と言った構造設計上の制約をもたらし、ミシン頭部のレイアウトが制限される問題がある。また、特許文献5のミシンは、天秤を個別に駆動するモータを備える必要がある。要するに、特許文献1から5で開示される従来のミシンは、上糸張力の検出にあたって縫製機構へ追加する部品が多く、コスト及び設計制約の増大が問題となる。
一方、特許文献6と7に開示されるミシンは、押圧装置の動作パターンを変更することによって被縫製物の押圧精度を改善するため、上述した縫い締り精度等の縫製品質を向上させることができる。しかしながら、上糸の挙動、すなわち上糸の供給量や張力等を監視している訳では無いので、例えば糸切れが発生すれば縫い目が形成されずに縫製不良が発生する。また、外的要因により糸調子や風合いが乱れても縫製動作を継続する。特許文献6と7のミシンにおいて、糸調子や風合いと言った縫製品質を確認する際は、検査機器を使用する等して、一連の縫製動作が完了した後に仕上がり具合を確認する必要がある。要するに、特許文献6や7に開示される従来のミシンは、糸調子や縫い締り精度と言った縫製品質が改善されるように押圧装置を駆動するが、形成される縫い目の品質を保証することができないと言う問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、追加部品の少ない簡素な構成で縫製動作を行いながら糸切れの発生を監視し、さらに糸調子や縫い締り精度といった縫製品質を保証することができるミシンを提供することを目的とする。
本発明に係るミシンは、上糸を挿通する針孔を有する縫い針と、上糸を捕捉することで上糸と下糸とを絡ませるかまと、上糸を挿通する小孔を有し、小孔が下死点から上死点まで上昇することにより上糸を縫製対象である被縫製物から引き上げる天秤と、被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえと、中押さえを駆動する駆動源と、被縫製物を搬送する搬送手段と、搬送手段が被縫製物を搬送する際に上糸が中押さえに接触することにより、上糸より中押さえへ付与される負荷に基づき上糸張力を監視する張力監視部と、を備えるものである。
本発明によれば、中押さえを介して上糸にかかる張力を検出することができ、縫製動作を実施するとともに縫製品質に関わる糸切れや縫い締り精度を追加部品の少ない簡素な構成で検知することができる。
実施の形態1に係るミシンの全体構成を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの搬送機構の詳細を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの縫製機構を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの中押さえ駆動機構の詳細を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの上糸経路を示す斜視図 実施の形態1に係るミシンの制御構成を示すブロック図 一般的な電子ミシンの動作を示すイメージ図 実施の形態1に係るミシンの張力検出動作を示すイメージ図 一般的な電子ミシンと実施の形態1に係るミシンの縫い針と中押さえの動作パターンを示すタイミングチャート 実施の形態1に係るミシンの動作を示すタイミングチャート 実施の形態1に係るミシンのPF軸モータ制御演算部の詳細を示すブロック図 実施の形態1に係るミシンのPF軸偏差抑制部の詳細を示すブロック図 実施の形態1に係るミシンの張力監視部の詳細を示すブロック図 実施の形態2に係るミシンの動作を示すタイミングチャート 実施の形態3に係るミシンの張力検出動作の課題を示すイメージ図 実施の形態3に係るミシンの動作を示すタイミングチャート 実施の形態4に係るミシンのPF軸モータ制御演算部の詳細を示すブロック図 実施の形態4に係るミシンのPF軸偏差抑制部の詳細を示すブロック図 実施の形態1から4に係るミシンの制御盤の第1のハードウェア構成例を示す図 実施の形態1から4に係るミシンの制御盤の第2のハードウェア構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係るミシンを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1では、布や革などの縫製素材である被縫製物を、XYテーブル等の搬送装置で移動させながら縫製動作を行う工業用の電子ミシンの構成例を説明する。ただし、布押さえや中押さえ等の押圧装置を備え、かつ上糸が該押圧装置に接触するように被縫製物を搬送することが可能なミシンであれば、例えば一般ミシン、職業用ミシン、家庭用ミシン、刺繍機等であっても、本実施の形態の構成例を適用することができる。
まず、図1から図5に基づき本実施の形態に係るミシン100の構成例を説明する。ただし、図1から図5では、右手系のXYZ座標において、縫い針が上下動する方向をZ軸方向とし、Z軸方向と直交する方向をX軸方向とし、Z軸方向とX軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。X軸方向は、後述するベッドの長手方向に等しい。
図1に示すミシン100の主要部は、筐体機構P0と、図2に詳細を示す搬送機構P1と、制御装置P2と、図3に示す縫製機構P3とで構成される。
図1に示すように、ミシン100の筐体機構P0は、図3の縫製機構P3に含まれる上軸を格納するアーム101と、該上軸に連結した主軸モータを格納する主軸モータケース102と、アーム101の先端で縫製機構P3が縫製作業を行うミシン頭部103と、搬送機構P1に含まれるXYステージを格納するベッド104と、アーム101及びベッド104を設置床から支持する支持脚105と、ベッド104の上面に固定されて搬送機構P1に含まれる保持装置112を平面上で摺動自在に支持する滑り板106と、を備える。
筐体機構P0は、ミシン100が動作する時の衝撃による機械的な破壊に耐え得るように設計した高剛性の鋼板や鋳物等の素形材、又は該衝撃を分散させて吸収する柔軟材で構成する。
なお、図1では主軸モータの配置を陽に示すため、主軸モータケース102をアーム101の一端に連結させる形で構成しているが、アーム101の内側に図3の主軸モータ201を設置しても良い。また、図3の主軸モータ201は、アーム101の内側でなくとも、ミシン頭部103と一体化させる形で設置しても良い。
図1に示すように、ミシン100の搬送機構P1は、XYステージ111と、保持装置112を備える。XYステージ111は、図2のX軸モータ113及びY軸モータ114によりそれぞれX軸方向及びY軸方向へ駆動され、XYステージ111の可動部に連結した保持装置112を滑り板106の水平面上で搬送する。
本実施の形態において、X軸モータ113とY軸モータ114は、ベッド104の側面に装着するサーボモータであり、それぞれX軸駆動機構115とY軸駆動機構116を駆動する。XYステージ111は、図2に詳細を示すように、X軸モータ113及びY軸モータ114をそれぞれX軸方向及びY軸方向の駆動源とし、XYステージ111の可動部に連結した保持装置112を滑り板106上の水平面内で搬送する。X軸駆動機構115は、保持装置112が連結された移動レース115aを可動部とし、Y軸駆動機構116は、保持装置112が連結されたY軸ガイド116aを可動部とする。
X軸モータ113とY軸モータ114には、固定子に対する回転子の角度や角速度等の回転情報を検出する回転情報検出器117と118がそれぞれ取り付けられる。本実施の形態では、回転情報検出器117と118が固定子に対する回転子の角度を検出する光学式エンコーダであるものとして記載する。回転子の角速度及び角加速度は、検出した角度信号を微分演算して求められる。
XYステージ111に連結される保持装置112は、押さえ台112a、送り板112b、外押さえ112c、エアシリンダ112dを含む。押さえ台112aは、移動レース115aとY軸ガイド116aとXYステージ111側で連結され、他端の滑り板106側は送り板112b及び外押さえ112cと連結される。送り板112bは、滑り板106の上面に配置され、XYステージ111の駆動にともない滑り板106上を摺動自在に移動する。ミシン100により縫い目を形成する対象物である被縫製物は、送り板112bと外押さえ112cとの間に配置され、外押さえ112cが送り板112bに対して鉛直下向きに押圧することで保持装置112により保持される。
保持装置112は、エアシリンダ112dを駆動源として、被縫製物の保持と不保持の切り替えを行う。保持装置112は、被縫製物に対する縫い針の挿針位置が、ミシン100の使用者が指定する特定の位置になるように、被縫製物を保持し搬送する搬送作業を行う。
本実施の形態では、保持装置112の保持力を確保するため、エアシリンダ112dを用いて空気圧を調整するが、これに限定されずに電磁式プレスや油圧式プレスを用いて被縫製物を保持しても良い。また、搬送機構P1の構成は図2に限定されず、例えば送り歯により被縫製物を縫い針に対して搬送する他種のミシン、又はロボットにより被縫製物を搬送するミシンであっても本実施の形態に示す上糸張力の検出手法を適用することができる。また、図2では、X軸駆動機構115及びY軸駆動機構116をベルトプーリ機構で構成するが、これに限定されることは無く、ボールねじ機構やボールスプライン機構を使用しても良い。また、XYステージ111の駆動源は、回転電機に限定されず、複数のリニアモータ、平面モータ、球面モータ等を使用しても良い。
ミシン100の制御装置P2は、操作盤121、制御盤122及びフットスイッチ123を備える。ミシン100の使用者は、操作盤121で作成する縫製パターンデータ等の縫製データに基づき、ミシン100を駆動する縫製指令信号を操作盤121から制御盤122へ与える。制御盤122は、搬送機構P1による前記搬送作業を制御し、さらに、後述する縫製機構P3による縫製作業の速度とタイミングとを制御する。フットスイッチ123は、ミシン100の使用者がボタンやタッチパネル等を押下する操作を受けて、ミシン100による縫製作業を開始する動作開始信号と、保持装置112による被縫製物の保持と不保持との切り替えを行う保持信号と、を制御盤122へ出力する。制御装置P2の動作については、縫製機構P3の詳細を説明した後に記載する。
次に、図3から図5を用いて本実施の形態に係るミシン100の縫製機構P3の詳細を説明する。図3に示すように、縫製機構P3は、針孔を有する縫い針131と、上糸を捕捉して上糸と下糸とを絡ませるかま132と、上糸を被縫製物から引き上げることで形成する縫い目の縫い締めを行う天秤133と、縫い針131とかま132と天秤133を駆動する駆動源である主軸モータ134と、被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえ135と、中押さえ135の駆動源である中押さえモータ136と、を備える。また、縫製機構P3は、図5(B)に示すように、上糸の張力を調整するプリテンション162及びメインテンション163を含む。
縫い針131は、縫い目を形成した際に上側の糸となる上糸が挿通された針孔131aを有し、主軸モータ134を駆動源としてZ軸方向で上下動する。縫い針131は、上死点から下降して被縫製物に挿針された後に下死点に達し、その後、縫い針131が下死点から上死点へ向かって上昇する間に被縫製物から抜針される。縫い針131は、下死点に到達した後、被縫製物から抜針されるまでの間にかま132と協調し、縫い目を形成した際に被縫製物の下側の糸となる下糸と前記上糸とを絡ませる。その後、縫い針131の針孔131aが被縫製物から抜針されることで、上糸は被縫製物の上面へ引き出される。
主軸モータ134には、固定子に対する回転子の角度及び角速度等の回転情報を検出する回転情報検出器137が取り付けられる。本実施の形態では、回転情報検出器137が主軸モータ134の固定子に対する回転子の角度を検出する光学式エンコーダであるものとして記載する。主軸モータ134は、アーム101に固定され、主軸モータ134の回転子には、シャフト形状の上軸139の一端がカップリング138を介して連結される。
上軸139の回転運動は、カップリング138が連結されていない上軸139の他端に装着された天秤駆動機構140及び針棒駆動機構141を介して、針棒142の上下動へ変換される。針棒142の先端には縫い針131が装着されており、針棒142の上下動にともない縫い針131がZ軸方向で上下動する。この主軸モータ134を駆動源として縫い針131を上下動する針棒駆動機構141は、針棒クランク、連接棒、針棒抱き等で構成されるが、これは周知の技術であるため、拡大図等を用いたその他の説明は省略する。
かま132は、剣先を有する外かまと、下糸が巻かれたボビンと、外かまからボビンが抜け落ちないようボビンを収納するボビンケース143とで構成する。本実施の形態では、かま132として全回転かまを採用する場合を示すが、本発明はこれに限定されない。例えば、かま132は半回転かまでも良く、また水平かまでも垂直かまでも問題はない。
かま132は、主軸モータ134を駆動源とする。図3において、上軸139の一端とカップリング138の連結部の近傍には、上軸139に上軸プーリ144が同心円状に装着されており、駆動側である上軸プーリ144はタイミングベルト145を介して従動側の下軸プーリ146を回転させる。下軸プーリ146は、シャフトを介して大径ギヤ147を回転させ、大径ギヤ147と噛合する小径ギヤ148を回転させる。このように構成することで、小径ギヤ148に連結されたシャフト形状の下軸149は、上軸139に対して二倍の速度で回転する。かま132と下軸149は、下軸149に小径ギヤ148が勘合されていない方の軸端で連結されており、かま132は主軸モータ134が回転することで、縫い針131が上下動を行う二倍の周波数で回転する。このとき、かま132の剣先は、縫い針131が下降して被縫製物に挿針され、下死点に到達した後から上死点に向かって上昇している最中に、縫い針131の針孔に通された上糸が形成する輪を捕捉する。全回転かまの構成は、周知の技術であるため、拡大図等を用いたその他の説明は省略する。
天秤133は、主軸モータ134を駆動源とし、クランクや天秤ロッドにより構成する天秤駆動機構140に連結される。天秤133は、ベルクランクの形状をした金属素材の剛体であり、一端には上糸を挿通するための小孔133aが設けられ、その他端は上軸139に連結されたクランクに対して回動可能に接続される。ベルクランク形状における屈曲部には、一端がアーム101に対して回動可能に接続された天秤ロッドの他端が連結される。このように構成することで、天秤133は主軸モータ134と同期して回動する上軸139により駆動され、縫い針131と天秤133の上下動の1周期が等しくなる。天秤133の小孔133aは、通常、縫い針131の上死点よりも主軸モータ134の回転角度が60度程遅れたときに上死点に到達するよう駆動される。この天秤133を駆動する天秤駆動機構140の構成は、周知の技術であるため、拡大図等を用いたその他の説明は省略する。
次に、図4を用いて本実施の形態に係る中押さえ135の駆動機構について説明する。中押さえ135は、回転情報検出器150を備える中押さえモータ136を駆動源とし、中押さえ駆動機構151に接続される。中押さえ駆動機構151は、ミシン100のPF(Pressure Foot)軸を駆動する。中押さえモータ136は、回転情報検出器150を備え、中押さえモータ136の固定子に対する回転子の角度又は速度を検出する。本実施の形態では、回転情報検出器150が固定子に対する回転子の角度を検出する工学式エンコーダであるものとして記載する。
中押さえ駆動機構151は、ピニオン152と、ラック153と、スライドガイド154と、スライダ155と、中押さえ棒抱き156と、中押さえ棒157と、を含む。
本実施の形態において、中押さえモータ136はアーム101に固定したサーボモータであり、その回転子には小口径の円形歯車形状をしたピニオン152の中心に設けた小円状の穴が勘合されている。ピニオン152の歯は、ラック153の歯と噛合し、中押さえモータ136の回転運動をラック153の並進運動に変換する。ラック153は、スライダ155に連結され、スライダ155はスライドガイド154によりZ軸方向で摺動自在に上下動するよう案内される。スライダ155には、中押さえ棒抱き156がボルトで締結されており、中押さえ棒157が中押さえ棒抱き156に挿通されて締め固められている。中押さえ135は、中押さえ棒157の先端に取り付けられており、中押さえ棒157がZ軸方向に上下動することで中押さえ135が上下方向に駆動される。中押さえ135の先端には円状の貫通孔135aを設けており、貫通孔135aには縫い針が挿通される。このように構成することにより、ミシン100は、中押さえモータ136の回転を制御することで、中押さえ135の高さを他の縫製機構に対して独立に駆動する。
本実施の形態では、中押さえモータ136に回転型のサーボモータ、すなわち環状の固定子及び円柱状の回転子を備える回転電機を使用し、ラックとピニオンにより回転子の回転運動を中押さえ135の並進運動へ変換する。しかしながら、中押さえ135の駆動源は、サーボモータ又はステッピングモータといった回転電機に限定されず、リニアモータやボイスコイルモータ等の並進駆動を直接実現するアクチュエータであってもよい。これらを使用することで、ラックとピニオン機構による動力の伝達率の損失を低減することができる。また、機構が簡素化されることによりバックラッシや摩擦の影響が少なくなるため、中押さえ135が外部から受ける外力をアクチュエータの挙動から把握し易くすることができる。
次に、図5(A)、(B)に基づき、ミシン100の上糸経路と張力の制御に係る縫製機構について説明する。図5(A)は、ミシン100における全体の上糸経路を示す全体図であり、図5(B)は、ミシン頭部103における上糸経路を示す拡大図である。
ミシン100の使用者は、ミシン100で縫製動作を実施する前に、縫い目を形成した際に上側の糸となる上糸Tを、上糸Tの供給源である糸巻き159から消費部である縫い針131までの上糸経路に沿って供給する。上糸経路は、糸巻きスタンド158に立てた糸巻き159を始点として、上糸ガイド160及び161と、プリテンション162と、メインテンション163と、天秤133の小孔133aと、上糸ガイド164、165、166の順に経由し、縫い針131の先端に設けられた針孔131aを終点とする。縫い針131は、中押さえ先端部の円筒形状部に設けた貫通孔135aに挿通されるので、針孔131aに挿通された上糸Tも貫通孔135aに挿通される。上糸ガイド160、161、164、165、166は、上糸Tを挿通する通し穴であり、上糸Tが絡まったり解れたりしないように上糸Tをアーム101に沿って案内する。上糸Tの張力は、プリテンション162及びメインテンション163の構成部品であるバネと、糸を挟持する板により付与される。
次に、図6を用いて、本実施の形態に係るミシン100の制御構成について説明する。図6は、実施の形態1に係るミシンの制御構成を示すブロック図である。符号122Aで示す制御盤は図1に示す制御盤122に相当する。
図6に示すように、ミシン100の操作盤121は、表示器121aと、プロセッサ121bと、縫製パターンデータD1を記憶する記憶装置121cと、入力装置121dと、を備える。ミシン100の使用者は、表示器121aを参照しながら押下式のボタン又はタッチパネル等で構成する入力装置121dを操作して、縫製パターンデータD1を一針毎に入力する。これにより、縫製パターンデータD1が記憶装置121cに保存される。操作盤121のオペレーティングシステムは、プロセッサ121bにより運用される。記憶装置121cに保存された縫製パターンデータD1を使用することにより、縫製パターンの作成、編集及び複製が容易となる。
操作盤121で作成された縫製パターンデータD1は、プロセッサ121aにより縫製指令信号に変換されて制御盤122Aの指令生成部1A1へ伝送される。縫製パターンデータD1は、被縫製物に形成する縫い目の位置及び形状、並びにミシン100の動作速度を決めるデータである。操作盤121と制御盤122Aとの間の信号の伝送は、図示しない通信用回路を介して行う。
操作盤121の表示器121aは、制御盤122AのPF軸モータ制御演算部1A3から出力される張力監視信号を入力とし、該張力監視信号に基づき糸切れの発生を検知した場合及び同じ縫い目を形成しているにも関わらず上糸張力が1針毎に変動する場合には、縫製不良が発生したことをミシン100の使用者へ向けて表示する。
なお、表示器121aは、操作盤121の内部に設けられたものに限定されず、操作盤121の外部に存在する液晶パネルや信号機等の表示器でも良い。この場合は、当該表示器と制御盤122Aとの通信は有線通信及び無線通信の何れでも良い。また、表示器121aは、制御盤122Aに含まれても良い。また、記憶装置121cも同様に、操作盤121の内部に設けられたものに限定されず、操作盤121の外部に存在する記憶装置を使用することができる。この場合、当該記憶装置と制御盤122Aとの通信は有線通信及び無線通信の何れの手段でも良い。
図6に示すように、ミシン100を制御する制御盤122Aは、少なくとも指令生成部1A1と、主軸モータ制御演算部1A2と、PF軸モータ制御演算部1A3と、X軸モータ制御演算部1A4と、Y軸モータ制御演算部1A5と、を備える。これらの他に、縫製作業の完了時に糸切りを行うソレノイド、糸が無くなったことを知らせる通知用センサ、搬送機構P1が原点復帰を行うための位置センサ等を駆動する制御回路及び電源回路を備える場合もあるが、これらについては本発明の効果に直接関係しないので説明を省略する。
制御盤122Aは、操作盤121のプロセッサ121bから出力される縫製指令信号と、フットスイッチ123から出力される保持信号及び動作開始信号と、主軸モータ134の回転情報検出器137から出力される主軸モータ137の回転情報である主軸回転信号と、中押さえモータ136の回転情報検出器150から出力される中押さえモータ136の回転情報であるPF軸回転信号と、X軸モータ113の回転情報検出器117から出力されるX軸モータ113の回転情報であるX軸回転信号と、Y軸モータ114の回転情報検出器118から出力されるY軸回転信号と、を入力とする。
制御盤122Aは、これらの入力信号に基づいて、主軸モータ134を駆動する主軸制御電流と、中押さえモータ136を駆動するPF軸制御電流と、X軸モータ113を駆動するX軸制御電流と、Y軸モータ114を駆動するY軸制御電流と、エアシリンダ112dを駆動する保持指令信号と、PF軸モータ制御演算部1A3から出力される張力監視信号と、を出力する。
制御盤122Aの指令生成部1A1は、操作盤121のプロセッサ121bから出力される縫製指令信号と、フットスイッチ123から出力される保持信号及び動作開始信号と、を入力として、主軸指令信号と、PF軸指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号と、保持指令信号と、を出力する。主軸指令信号と、PF軸指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号は、それぞれ主軸モータ134と、中押さえモータ136と、X軸モータ113と、Y軸モータ114との回転角度を指定する電気信号であり、縫製パターンデータD1に応じて指令生成部1A1の内部で計算される。
フットスイッチ123から出力される保持信号は、保持装置112の送り板112aと外押さえ112bにより被縫製物が保持されるようエアシリンダ112dの圧力を指定する電気信号である。フットスイッチ123から出力される動作開始信号は、指令生成部1A1が主軸指令信号と、PF軸指令信号と、X軸指令信号と、Y軸指令信号とを、それぞれ主軸モータ制御演算部1A2と、PF軸モータ制御演算部1A3と、X軸モータ制御演算部1A4と、Y軸モータ制御演算部1A5と、に向けて送信し始めるタイミングを指定する電気信号である。
制御盤122Aの主軸モータ制御演算部1A2は、主軸指令信号と主軸回転信号を入力として、主軸指令信号と主軸回転信号の差分が0になるように主軸モータ134を回転させる主軸制御電流を出力する。
制御盤122AのPF軸モータ制御演算部1A3は、PF軸指令信号とPF軸回転信号を入力として、PF軸指令信号とPF軸回転信号の差分が0になるように中押さえモータ136を回転させるPF軸制御電流を出力する。また、PF軸モータ制御演算部1A3は、主軸モータ134の回転にともない天秤133の小孔133aが上昇する期間に上糸の張力を監視し、上糸張力監視信号を出力する。すなわち、本発明に係るミシン100は、PF軸モータ制御演算部1A3が上糸張力を監視するように構成する。
制御盤122AのX軸モータ制御演算部1A4は、X軸指令信号とX軸回転信号を入力として、X軸指令信号とX軸回転信号の差分が0になるようにX軸モータ113を回転させるX軸制御電流を出力する。
制御盤122AのY軸モータ制御演算部1A5は、Y軸指令信号とY軸回転信号を入力として、Y軸指令信号とY軸回転信号の差分が0になるようにY軸モータ114を回転させるY軸制御電流を出力する。
次に、ミシン100が縫い目を形成する動作について説明する。まず、ミシン100の使用者は、上述した上糸経路に沿って糸巻き159から針孔131aまで上糸Tを供給する。一方、縫い目を形成した際に下側の糸となる下糸Tdは、かま132のボビンケース143内に格納するボビンに巻き付けられる。
そして、ミシン100の使用者によりフットスイッチ123が押下され、保持信号が制御盤122Aの指令生成部1A1に送られると、指令生成部1A1から出力される保持指令信号によりエアシリンダ112dが作動し、被縫製物が図1に示す保持装置112によって、搬送可能になるように挟持される。その後、さらにフットスイッチ123が押下され、動作開始信号が制御盤122Aに送られると、搬送機構P1の駆動源であるX軸モータ113及びY軸モータ114と、縫製機構P3の駆動源である主軸モータ134及び中押さえモータ136が作動し、ミシン100の使用者が操作盤121により予め指定しておいた被縫製物の特定の位置にミシン100が縫い目を形成し始める。このようにして、制御盤122Aの主軸モータ制御演算部1Abが主軸モータ134を回転させると、針孔131aに上糸Tを通した縫い針131が、滑り板106の上側から下側に向けて被縫製物へ挿針される。この縫い針131の動作により、上糸Tが被縫製物の下側へ供給される。その後、縫い針131が下死点から上昇する際、上糸Tは、被縫製物との間の摩擦により被縫製物の下側でループを形成する。
かま132の剣先は、この上糸Tのループが形成されるタイミングに調時して上糸を捕捉し、上糸と下糸とを絡み合わせる。かま132の剣先が上糸を捕捉するタイミングは、縫い針が上死点に位置するときの主軸モータの回転角度を0度とした場合、一般に主軸モータの回転角度が190度から210度となる範囲内に設定される。上糸と下糸が絡み合った後は、縫い針131が被縫製物から抜針されることで、上糸は被縫製物の上面へ引き出される。そして、天秤133が上糸を被縫製物の上方へ引き上げられることによって上糸Tが締め上げられ、縫い目を形成する。このとき、中押さえ135は、縫い針131及び天秤133の上昇に伴い、被縫製物が浮き上がったり、ばたついたりしないように被縫製物を押圧する。
そして、プリテンション162とメインテンション163は、ミシン100が縫い目を形成する期間に常時、上糸へ一定の張力を付与する。
次に、図7から図13を用いて、本発明の実施の形態1に係るミシン100の上糸張力の検出動作について説明する。
まず、図7から図9に基づき、一般的な電子ミシンの動作と比較して、本実施の形態に係るミシン100が上糸張力を検出する際の動作の特徴を説明する。
図7と図8は、一般的な電子ミシンと本実施の形態に係るミシン100において、縫い針が上死点から下死点へ下降し再び上死点に移動した時の縫い針と、中押さえと、被縫製物との位置関係、及び形成される縫い目を示している。両図では、(N−1)針目までの縫い目が既に形成されており、以後は縫い針が下降してN針目の縫製作業を行う。
図9は、一般的な電子ミシンと本発明のミシン100における縫い針と中押さえの駆動軌跡を描いたタイミングチャートである。図9の破線で示すタイミングaは(N−1)針目の縫製動作における縫い針131´及び131の上死点時、タイミングbは縫い針131´及び131の挿針時、タイミングcは縫い針131´及び131の下死点時、タイミングdはかまが上糸のループを掬う時、タイミングeは縫い針131´及び131の抜針時における主軸モータの回転角度である。同様に、タイミングa´からe´は、ミシン100がN針目の縫製動作を行う際のタイミングを表す。図7と図8は、図9のタイミングチャートにおいて、主軸モータの回転角度がタイミングa´のときの動作状態を示している。図9上段の黒丸(●)印は、かまが上糸ループを掬うタイミングdのときの縫い針の位置を陽に示す。
図9上段に示すように、縫い針131´及び131は、ストロークlhで上下動する。また、図9中段及び下段に示すように、中押さえ135´及び135は、ストロークloで上下動する。ただし、図9中段及び下段の波形は、中押さえ135の底面部の駆動波形を示しており、中押さえ135は縫い針131´及び131が被縫製物から抜針され再び挿針されるタイミングeからb´までの期間に、中押さえ135の底面部が被縫製物から距離dloだけ上昇した位置で停止するように駆動される。距離dloは、上糸Tが中押さえ135と被縫製物Obの間を通過できるように少なくとも上糸Tの直径よりも長い距離とする。
図7において、一般的な電子ミシンの中押さえ135´は、縫い針131´の駆動軌跡と殆ど同位相の正弦波状に駆動される。このため、縫い針131´が上死点に位置するときは、図8に比べて被縫製物Ob´よりも離れた場所に位置する。より具体的に説明すると、図9中段の白丸(○)印で陽に示すように、一般的な電子ミシンの中押さえ135´は、かまの剣先が上糸のループを掬うタイミングdで被縫製物を押圧するように正弦波状の軌跡で駆動される。特に、一般的な電子ミシンであって中押さえ135´が主軸モータを駆動源とする場合は、図9下段に示すような中押さえの駆動パターンを実現することが困難である。一方、図8では、中押さえ135を中押さえモータ136により独立に駆動するので、縫い針131が上死点に位置するタイミングa´のときに、中押さえ135を被縫製物Obに対して距離dloだけ離れた位置で停止させることができる。
ところで、上糸T´又は上糸Tには、天秤の小孔が上昇することに伴い被縫製物Ob´と小孔との間で張力が発生する。本発明は、専用の検出器を追加すること無く、該張力の大きさを縫製動作中の中押さえモータ136の挙動に基づき検出することで縫製品質を保証することを主目的とする。そこで、本発明に係るミシン100は、上糸Tと中押さえ135が接触するように被縫製物Obを保持する搬送機構P1を駆動する。そして、図8に示すように、天秤の小孔が上昇する期間に中押さえ135を被縫製物Obに対して距離dloだけ離れた位置で停止させることで、上糸T´よりも上糸Tが中押さえモータ136に与える負荷の影響を大きくすることを特徴とする。
次に、図10に基づき、本実施の形態に係るミシン100が上糸張力を検出する際の縫製動作及び搬送動作について記載する。
図10は、ミシン100が滑り板106の上面で被縫製物Obに対して、n針以上(n≧3)の縫製動作を繰り返し行う際の(n−1)針目以降における被駆動体の駆動波形を示す。より具体的に、同図は、上から順に、縫い針131の針孔133aの位置、かま132の剣先の回転角度、中押さえ135の位置、天秤133の小孔133aの位置、搬送機構P1で搬送する被縫製物のX軸方向の位置、搬送機構P1で搬送する被縫製物のY軸方向の位置を示す。
まず、図10の最上段に示すように、主軸モータ134を駆動源とする縫い針131の針孔131aは図9と同様の軌跡を描き、タイミングaで上死点、タイミングbで被縫製物へ挿針、タイミングcで下死点、タイミングeで被縫製物から抜針される。タイミングdは、かま132の剣先が上糸ループを掬うときであり、黒丸(●)印はこのときの縫い針131の位置を陽に示している。また、図9と同様に、縫い針131のストロークはlhである。
次に、図10の上から二段目は、主軸モータ134を駆動源とするかま132の回転角度を示しており、かま132の駆動波形は振幅lkの正弦波となる。本実施の形態では、全回転かまを採用するので、かま132の回転波形は縫い針131の位置波形に比べて周波数が二倍となる。図中の黒丸(●)印は、上糸に形成されるループをかま132の剣先が掬うときのかま132の回転角度を陽に示している。かま132の剣先により捕捉された上糸Tは、かま132が回転角度aから数えて一回転半するタイミングiで、かま132による捕捉から解除される。
次に、図10の上から三段目は、主軸モータ134を駆動源とする天秤133の小孔133aの位置波形である。天秤133の小孔133aは、主軸モータ134の1回転を1周期とし、主軸モータ134の回転がタイミングhのときに上死点となり、タイミングiのときに下死点となるように駆動する。タイミングhは、天秤駆動機構140が揺動する回転中心を機械的に調整することで、主軸モータ134が回転し始めてから縫い針131が被縫製物Obに挿針されるまでの間、すなわち主軸モータ134の回転角度がaからbまでの間に存在するよう設計する。本実施の形態において、タイミングhは、タイミングaから主軸モータ134が60度回転した角度とする。
一方、小孔133aが下死点となるタイミングiは、かま132の回転角度がaから1回転半したタイミングとする。なぜならば、主軸モータ134の回転角度iのときに、かま12による上糸の補足が解除され始めるためである。仮に、かま132による上糸の補足が解除される前に小孔133aを引き上げた場合は、天秤133が上昇する際に生じる張力に上糸Tが耐えきれず、上糸が解れる、又は上糸が切れる問題が生じる。また、本実施の形態において、タイミングiは、タイミングaから主軸モータ134が270度回転した角度とする。したがって、天秤133の小孔133aは、(N−1)針目の縫製動作にあって、タイミングhからタイミングiまでの期間tdに下降し、タイミングiからN針目のタイミングh´までの期間tuに上昇する。期間tdと期間tuとの間にはtd>tuの関係がある。
次に、図10の上から四段目は、図9の最下段と同様に、中押さえモータ136を駆動源とする中押さえ135の底面部の位置を示している。中押さえ135は、中押さえモータ136が回転することによって上死点から下降を始めた後、縫い針131が被縫製物Obに挿針されるタイミングbまでの間に、被縫製物Obの上面へ当接するよう駆動する。被縫製物Obが伸縮性の無い素材で構成される場合は、中押さえ135が下降して被縫製物Obに当接したときの高さで中押さえ135は被縫製物Obを押圧する。この場合、中押さえの下死点は、中押さえ135の底面部が被縫製物Obに当接したときの高さであり、中押さえ135は上死点から下死点までストロークloで上下動する。
被縫製物Obが伸縮性に富む素材で構成される場合は、中押さえ135が下降して被縫製物Obを圧縮した高さで中押さえ135は被縫製物Obを押圧する。この場合、中押さえの下死点は、被縫製物Obを圧縮したときの高さである。そして、中押さえ135は、縫い針131が被縫製物Obに挿針される前から被縫製物Obを押圧し始め、縫い針131が抜針された後に被縫製物Obから距離dloだけ上昇する。
次に、図10の上から五段目は、X軸モータ113で駆動する保持装置122のX軸方向の位置波形である。保持装置122は被縫製物Obを保持するので、この位置波形は被縫製物ObのX軸方向の位置波形に等しい。図中の記号lxは、1針の間にX軸方向へ移動する保持装置122の移動距離である。保持装置122は、被縫製物Obを傷つけたり針折れを発生させたりしないように、縫い針131が被縫製物Obに挿針されている間は静止し、縫い針131が被縫製物Obから抜針された後、再び被縫製物Obに挿針されるまでの間に駆動する。
本実施の形態では、中押さえモータの挙動から天秤上昇時の上糸張力を検出するため、天秤133の小孔133aが上昇する間に上糸Tが中押さえ135に接触するようにXYステージ111を駆動する。このため、縫い針131が被縫製物Obから抜針されるタイミングeから小孔133aが上昇し始めるタイミングiまでの間にX軸モータ113を駆動する。したがって、X軸モータ113は、(N−1)針目においてタイミングeからタイミングiまでの期間tmに回転し、タイミングiからN針目のタイミングe´までの期間tsで停止する。
次に、図10の上から六段目は、Y軸モータ114で駆動する保持装置122のY軸方向の位置波形である。保持装置122は被縫製物Obを保持するので、この位置波形は被縫製物ObのY軸方向の位置波形に等しい。図中の記号lyは、1針の間にY軸方向へ移動する保持装置122の移動距離である。本実施の形態では、Y軸モータ114をX軸モータ113と同じ位置波形で駆動する。
被縫製物ObをX軸方向とY軸方向にそれぞれlxとly駆動するとき、XYステージ111の移動距離L、すなわち縫い目のピッチは下記数式1で求まる。
Figure 0006477987
また、中押さえ135の貫通孔135aの底面部が半径rの円であり、縫い針131が貫通孔135aの中心で上下動するとき、移動距離Lが半径rよりも大きければ、中押さえ135と上糸Tが接触するようにXYステージを駆動させることができる。
なお、図14に示す被縫製物Obと上糸Tが成す角度θを小さくすることにより、上糸Tが中押さえモータ136に与える負荷の影響を大きくすることができる。角度θは数式2で求まる。
Figure 0006477987
角度θを小さくするには、(L−r)を大きくするか、中押さえを上昇させる距離dloを小さくすれば良い。
(PF軸モータ制御演算部1A3による張力検出動作)
次に、図11から図13に基づき、上糸Tの張力が中押さえモータ136に与える負荷を、制御盤122AのPF軸モータ制御演算部1A3で検出する構成と動作について詳細に説明する。
図11に示すように、制御盤122AのPF軸モータ制御演算部1A3は、中押さえモータ136の回転を制御するPF軸偏差抑制部1A3aと、電流制御部1A3bと、ミシン100の縫製動作時に上糸張力を監視する張力監視部1A3cと、を備える。
PF軸偏差抑制部1A3aは、指令生成部1A1から出力される中押さえモータ136の回転指令であるPF軸指令信号と、中押さえモータ136が備える回転情報検出器150から出力される回転情報であるPF軸回転信号と、張力監視部1A3cから出力される張力監視信号とを入力として、PF軸指令信号とPF軸回転信号との差分が0になるように中押さえモータ136を駆動するPF軸モータ駆動信号を出力する。電流制御部1A3bは、PF軸モータ駆動信号に基づき中押さえモータ136を回転させるPF軸制御電流を生成し、中押さえモータ136へ供給する。そして張力監視部1A3cは、PF軸モータ駆動信号に基づき、天秤133の小孔133aが上動することで上糸に発生する張力を検出し、操作盤121の表示器121aとPF軸偏差抑制手段1A3aへ張力監視信号を出力する。
図12に示すように、PF軸モータ制御演算部1A3のPF軸偏差抑制部1A3aは、スイッチa1と、差分器a2と、偏差抑制補償器a3と、を備える。
スイッチa1は、指令生成部1A1が出力するPF軸指令信号と張力監視部1A3cが出力する張力監視信号とを入力として、ミシン100が縫製作業を実行している最中に糸切れや上糸張力のばらつきが発生したことを検知すると、張力監視信号に基づきPF軸指令信号の値の変化を停止させることにより、縫製不良の発生と連動させて中押さえモータを停止させる。スイッチa1と同様の機能を、主軸指令信号、X軸指令信号、そしてY軸指令信号に対して設けることにより、縫製不良の発生と連動させてミシン全体の動作を停止させても良い。このようにすることで、縫製不良の発生後にミシン100が余分な縫製動作を行うことを防止することができる。
差分器a2は、スイッチa1が出力するPF軸指令信号と、回転情報検出器150が出力するPF軸回転信号との差分を計算して偏差信号を出力する。偏差抑制補償器a3は、偏差信号が0へ収束するようにPF軸モータ136を駆動するPF軸モータ駆動信号を出力する。偏差抑制補償器a3は、偏差信号を0へ収束させるため、比例演算を行う比例補償器と、積分演算を行う積分補償器と、微分演算を行う微分補償器との内、少なくとも1つを備える。本実施の形態では、比例補償器及び積分補償器によるPI制御を偏差抑制補償器a3に採用するものとして記載する。
そして、図13に示すように、PF軸モータ制御演算部1A3の張力監視部1A3cは、フィルタ処理部c1と、記録部c2と、比較器c3と、を備える。
フィルタ処理部c1は、上糸張力の検出精度を改善するため、主軸モータ134の回転周波数よりも高いPF軸モータ駆動信号の周波数成分を低減する演算と、主軸モータ134の回転周波数よりも低いPF軸モータ駆動信号の周波数成分を低減する演算と、の何れか1つ又は両方の演算を施すことにより評価信号を算出して出力する。また、フィルタ処理部c1では、PF軸モータ駆動信号の位相を操作する位相フィルタや振幅を変更する比例演算を施しても良い。位相フィルタを用いることで、回転情報検出器150の検出遅れや通信遅れを補正し、張力の検知時刻の精度を向上できる。また、ゲインを乗じて振幅を変更する比例演算を施すことで、評価信号を任意の検出仕様へ正規化することができる。
記録部c2は、一針前の縫製作業を行う間にフィルタ処理部c1が出力する評価信号を記録し、この記録した評価信号を現在の縫製タイミングと同期するように時刻を合わせて出力する。つまり、記録部c2は、一針に要する時間を逓倍した時間分の遅延を発生させる遅延計算機でも良い。
比較器c3は、記録部c2から出力される一針前の評価信号に対して、フィルタ処理部c1が出力する現在の評価信号の変化率が閾値よりも大きい又は小さいことを通知する張力監視信号を出力する。
例えば、一定形状の被縫製物Obに対して同一方向の縫い目を形成するときにあって、ミシン100の縫製動作及び搬送動作が正常に行われて縫製不良が発生しない場合には、上糸Tの張力が中押さえ135を介して中押さえモータ136に与える負荷は均一である。この場合、上述した評価信号の変化率は小さく(理想的には一定)となる。一方、上述した評価信号の変化率が大きい場合は、一針毎の上糸張力がばらついており、糸調子及び縫い締り精度が一定でないことを検知することができる。また、上糸Tから中押さえモータ136へ負荷が付与されず、評価信号が0となる場合は、上糸Tが中押さえ135に接触していないので糸切れの発生を検知することができる。このように、評価信号の変化率に対して閾値を設定することにより、上糸張力のばらつきに基づく縫製品質を定量的に評価することができる。
なお、比較器c3は、入力される一針前の評価信号の最大値、最小値、平均値などの特徴量を計算して、現在の評価信号と比較しても良い。このようにすることで、一針前に対する現在の評価信号の変化率を把握し易くすることができる。例えば、該変化率は、(N−1)針目のタイミングiからN針目のタイミングh´の期間に記録した評価信号の最大値及び最小値を100%及び0%と正規化して、N針目のタイミングi´から(N+1)針目のタイミングh″までの最大値と最小値がどの程度低下しているかを比較器703により評価することで計算できる。
また、上記の閾値は、縫い方向や被縫製物の形状に起因した一針毎のばらつきを考慮して設定することが望ましい。また、ミシン100の使用者が試し縫いによる事前の試験動作を通じて、入力装置121dにより該閾値を制御盤122Aの外部から設定できるように、操作盤121及び制御盤122Aを構成しても良い。例えば、操作盤121の記憶装置121cに該閾値を記録し、プロセッサ121bや図示しない通信用回路を通じて制御盤121AのPF軸モータ制御演算部1A3へ伝送する構成を採用することができる。このようにすることで、ミシン100の使用者の要求に合わせて縫製品質の良否の判断基準を変更することができる。
また、張力検出部1A3cは、PF軸モータ駆動信号を入力としたが、PF軸制御電流やPF軸回転信号を入力として、張力監視信号を演算し出力しても良い。
また、張力検出部1A3cは、PF軸モータ駆動信号及びPF軸回転信号を入力とする外乱オブザーバを構成して、中押さえモータ136及び中押さえ駆動機構の数式モデルに基づき中押さえモータ135に付与される上糸張力を推定しても良い。
また、上糸張力の一針毎のばらつきが小さくなるように、プリテンション162及びメインテンション163によって上糸Tに付与する張力を、張力監視信号に基づき制御しても良い。
以上に説明したように、実施の形態1に係るミシン100は、上糸Tが中押さえ135に接触するように被縫製物Obを駆動し、天秤133の小孔133aが上昇する間に上糸Tが中押さえ135を介して中押さえモータ136に付与する負荷をPF軸モータ駆動信号に基づき検出するので、小孔133aの上昇により上糸に付与される上糸張力の一針毎のばらつきを検知することができる。
したがって、実施の形態1に係るミシン100は、該上糸張力のばらつきに基づき良否を判断可能な糸調子や縫い締り精度といった縫製品質を保証しながら縫い目を形成することができる。
また、実施の形態1に係るミシン100は、一針毎に縫製品質を保証しながら縫い目を形成するので、縫製不良が発生した縫い目を特定することができる。
実施の形態1に係るミシン100は、上糸Tから中押さえモータ136へ負荷が付与されない場合に糸切れを検知することができる。
また、実施の形態1に係るミシン100は、中押さえモータ135の駆動制御信号であるPF軸モータ駆動信号に基づき前記の上糸張力を検出するので、追加部品の少ない簡素な構成で縫製動作を行いながら糸切れの発生を監視し、さらに糸調子や縫い締り精度といった縫製品質を保証することができる。
また、実施の形態1に係るミシン100は、専用の検出器を上糸経路に設けて上糸張力を検出する場合に比べて、アーム部周辺におけるスペースや組み立ての容易性を確保し易く、ミシン頭部の設計自由度を広げることができる。
実施の形態2.
図14に基づき、実施の形態2に係るミシン100の構成と動作について説明する。図14は、実施の形態2に係るミシンの動作を示すタイミングチャートである。
実施の形態2に係るミシン100は、搬送装置P1が備えるXYステージ111で駆動する保持装置112のX軸方向及びY軸方向の駆動波形が実施の形態1に係るミシン100と異なる。その他の構成及び動作については実施の形態1に係るミシン100と同じである。同様の部分については説明を省略する。
上述した実施の形態1のXYステージ111は、タイミングeからタイミングiまでの間にX軸モータ113を駆動するので、主軸モータ134の回転数が高く一針の縫製時間が短い場合やXYステージ111の移動距離Lが長い場合は、保持装置112を高速高精度に駆動する必要がある。このようにXYステージを高速高精度化するには、機構の高剛性化や駆動源の高出力化が必要であり高コストとなる。そこで、本実施の形態では、以下のように保持装置112の駆動方法を変更する。
図14の上段に示すように、X軸モータ113を駆動源とする保持装置122は、(N−1)針目の縫製動作においてタイミングeから移動を開始し、N針目のタイミングb´までに移動を完了して停止する。したがって、X軸モータ113は、(N−1)針目においてタイミングbからタイミングeまでの期間tsに停止し、タイミングeからN針目のタイミングb´までの期間tmで回転する。保持装置122が停止するタイミングは、タイミングeからタイミングbまでの期間内であれば良い。
また、図14の下段は、Y軸モータ114で駆動する保持装置122のY軸方向の位置波形である。Y軸モータ114は、X軸モータ113が回転する期間tmで回転する。
実施の形態2に係るミシン100は、X軸モータ113及びY軸モータ114の駆動時間を長くすることができるので、主軸モータ134の回転数が高く一針の縫製時間が短い場合やXYステージ111の移動距離Lが長い場合にあっても、上糸が中押さえ135を介して中押さえモータ136へ付与する負荷を検出することができる。したがって、実施の形態2に係るミシン100は、このような場合にあっても、小孔133aの上昇により上糸に付与される上糸張力の一針毎のばらつきを検知することができ、該上糸張力のばらつきに基づき良否を判断可能な糸調子や縫い締り精度といった縫製品質を保証しながら縫い目を形成することができる。
実施の形態3.
図15と図16に基づき、実施の形態3に係るミシン100の構成と動作について説明する。図15は、実施の形態3に係るミシンの張力検出動作の課題を示すイメージ図である。図16は、実施の形態3に係るミシンの動作を示すタイミングチャートである。
実施の形態3に係るミシン100は、搬送装置P1が備えるXYステージ111で駆動する保持装置112のX軸方向及びY軸方向の駆動波形が実施の形態1又は2に係るミシン100と異なり、その他の構成及び動作については実施の形態1又は2に係るミシン100と同じである。同様の部分については説明を省略する。
まず、図15に基づき、本実施の形態に係るミシンが解決する課題について説明する。本実施の形態では、上述した実施の形態1及び2に比べて、縫い針131及び上糸Tの直径が太い場合を想定する。このため図15では、図7及び図8に比べて縫い針131及び上糸Tの直径を太くし、さらに中押さえ135の貫通孔135aの半径rを大きく描いている。
図15(a)、(b)は、上述した実施の形態1のタイミングチャート(図10)に基づいてミシン100を駆動する場合に、縫い針131が上死点となるタイミングa´の状態を示している。図15(a)では、XYステージの移動距離Lよりも貫通孔135aの半径rが小さいので、図10のタイミングチャートに示したX軸方向及びY軸方向の波形パターンでXYステージを駆動すると、タイミングa´で上糸Tが中押さえ135に問題なく接触する。したがって、図15(a)では、天秤133の小孔133aが上昇する間に上糸Tが中押さえ135を介して中押さえモータ136に付与する負荷をPF軸モータ駆動信号に基づき検出することができる。
しかしながら、図15(b)では移動距離Lよりも半径rが大きいので、図10及び図14のタイミングチャートに示したX軸方向及びY軸方向の波形パターンで保持装置122を駆動しても、小孔133aの上昇時に上糸Tと中押さえ135の底面部とを接触させることができない。上糸Tと中押さえ135の底面部とを接触させるためには、貫通孔135aの半径rが最小となる中押さえを使用することが望ましいが、中押さえの種類を多数用意し、縫い針131及び上糸Tの太さに応じて半径rが最小の中押さえへ付け替えることは効率的でない上、限界がある。そこで、本実施の形態では、以下のようにXYステージの駆動パターンを変更する。
図16上段の太線で示すように、X軸モータ113を駆動源とする保持装置122はN針目の縫い目を形成するため、(N−1)針目の搬送動作においてタイミングeからX軸方向に移動を開始し、タイミングiまでに移動を完了し停止する。このときの移動距離lxxは、数式3で求まる角度θが30度以下になるように貫通孔135aの半径rよりも大きくする。
Figure 0006477987
次いで、保持装置122は、天秤133の小孔133aが上昇するタイミングiからh´の期間tssにおいて停止することで、上糸Tが中押さえ135の底面部に接触するように被縫製物Obを保持する。そして、小孔133aが上昇し終えたタイミングh´から縫い針131が被縫製物Obに挿針されるタイミングb´までの期間に、N針目の縫い目を形成する所定の位置へ移動する。そして、保持装置122は、縫い針131が被縫製物Obに挿針されるタイミングb´から抜針されるタイミングe´までの期間tsで停止する。タイミングe´以降は、(N+1)縫い目を形成するために同様の動作を繰り返し実行する。
一方、図16下段の太線は、Y軸モータ114を駆動源とする保持装置122のY軸方向の駆動波形を示す。同図において、Y軸モータ114はX軸モータと同様の駆動波形を示す。
なお、(N−1)針目とN針目の縫い目はX軸方向にlx、Y軸方向にly離れているので、タイミングh´からタイミングb´までの期間に移動する距離はX軸方向(lxx−lx)、Y軸方向に(lyy−ly)となり、XYステージの移動距離L2は数式4で求まる。
Figure 0006477987
したがって、X軸方向の移動距離lxxが貫通孔135aの半径rよりも十分に大きい場合は、Y軸モータの駆動波形を変更する必要はないため、移動距離lyyをlyとしても良い。すなわち、数式5で求まる距離L2が半径rよりも十分大きくなるようにlxxとlyyを決定すれば良い。
Figure 0006477987
また、主軸モータ134の回転数が高く一針の縫製時間が短い場合やXYステージ111の移動距離Lが長い場合は、タイミングeからiまでの期間が短くなる。このため、図16の太破線で示すように、上糸Tが中押さえ135の底面部と接触するのであれば、タイミングeからタイミングh´までの期間内で保持装置122が停止するタイミングを変更しても良い。
実施の形態3に係るミシン100は、縫い針131や上糸Tの太さに起因して、縫い目のピッチよりも中押さえ135の貫通孔135aの半径rが大きい場合にあっても、小孔133aが上昇する期間に、上糸Tが中押さえ135の底面部に接触するように保持装置122を駆動する。したがって、実施の形態3に係るミシン100は、このような場合にあっても、小孔133aの上昇により上糸に付与される上糸張力の一針毎のばらつきを検知することができ、該上糸張力のばらつきに基づき良否を判断可能な糸調子や縫い締り精度といった縫製品質を保証しながら縫い目を形成することができる。
なお、本実施の形態では、中押さえ135の貫通孔135aが半径rの円形の底面部を有することを前提としたが、貫通孔135aの底面部の形状が円形でない中押さえを使用する場合にあっても、本発明に係る上糸張力の検出手段に基づく品質保証を実施することができる。
実施の形態4.
図17と図18に基づき、実施の形態4に係るミシン100の構成と動作について説明する。図17は、実施の形態4に係るミシンのPF軸モータ制御演算部の詳細を示すブロック図である。図18は、実施の形態4に係るミシンのPF軸偏差抑制部の詳細を示すブロック図である。
実施の形態4に係るミシン100は、操作盤121が備える記憶装置121cに記憶させるデータと、制御盤122Bが備えるPF軸偏差抑制部1B3aとが実施の形態1から3に係るミシン100と異なり、その他の構成及び動作については実施の形態1から3に係るミシン100と同じである。同様の部分については説明を省略する。
まず、図17に基づき、実施の形態4に係るミシン100が操作盤121と制御盤121Bとの間で通信するデータについて説明する。操作盤121の記憶装置121cは、ミシン100の使用者が入力装置121dを用いて入力するパラメータD2を記憶して、パラメータD2を制御盤122Bへ出力する。パラメータD2は、操作盤121が備えるプロセッサ121bの命令に基づき、図示しない通信回路を介して制御盤122Bへ伝送される。制御盤122BのPF軸偏差抑制部1B3aは、パラメータD2を受信してPF軸偏差抑制部1B3aの内部の制御パラメータを変更する。
次に、図18に基づき、PF軸偏差抑制部1B3aの詳細を説明する。PF軸偏差抑制部1B3aは、PF軸指令信号とPF軸回転信号と張力監視信号とパラメータD2とを入力としてPF軸モータ駆動信号を出力する。PF軸偏差抑制部1B3aの偏差抑制補償器a3は、PF軸指令信号とPF軸回転信号との差分が0になるように中押さえモータ136の回転を制御する。図18において、比例補償器及び積分補償器によるPI制御を偏差抑制補償器a3に採用し、偏差信号をSe、PF軸モータ駆動信号をSdとすると、偏差抑制補償器の伝達関数は数式6で表現できる。
Figure 0006477987
ただし、記号kpは比例制御ゲイン、記号Tiは積分時定数、そして記号sはラプラス演算子である。PF軸偏差抑制部1B3aの内部の制御パラメータであるkp及びTiの値は、外部から入力されるパラメータD2に基づき変更される。
具体的に、パラメータD2は、比例制御ゲインkpを変更することにより偏差信号Seの振幅を、積分時定数Tiを変更することにより偏差信号Seの振幅及び位相をそれぞれ操作する。本実施の形態に係るミシン100は、かま132が上糸Tの捕捉を解除した後から天秤133の動作にともない小孔113aが上昇する期間に、すなわち中押さえ135が被縫製物Obから上昇し上糸Tと接触する可能性がある期間に、パラメータD2に基づき比例制御ゲインkpを小さく、又は積分時定数Tiを長く変更する。
実施の形態4に係るミシン100は、パラメータD2に基づき比例制御ゲインkpを小さく、又は積分時定数Tiを長く変更するので、上糸Tが中押さえ135に接触する期間に中押さえモータ136の外力に対する応答を緩慢にすることができる。このようにすることで、上糸Tが中押さえ135を支点として引き上げられる際に上糸Tと中押さえ135との間で生じる摩擦力を低減することができる。したがって、本実施の形態に係るミシン100のPF軸偏差抑制部1B3aは、上糸張力を検出する際に、上糸Tが中押さえ135との間の摩擦力により切断されたり解れたりしないように中押さえモータ136を駆動することができる。
実施の形態1から4に係るミシン100の制御盤が備える各機能は処理回路を用いて実現することができる。各機能とは、指令生成部1A1及びPF軸モータ制御演算部1A3である。図19は、実施の形態1から4に係るミシンの制御盤の第1のハードウェア構成例を示す図である。図20は、実施の形態1から4に係るミシンの制御盤の第2のハードウェア構成例を示す図である。図19には専用処理回路190のような専用のハードウェアにより上記の処理回路を実現する例が示される。図20にはプロセッサ191及び記憶装置192により上記の処理回路を実現する例が示される。
図18に示すように専用のハードウェアを利用する場合、専用処理回路190は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。上記の各機能のそれぞれを、処理回路で実現しても良いし、まとめて処理回路で実現しても良い。
図20に示すようにプロセッサ191及び記憶装置192を利用する場合、上記の各機能のそれぞれは、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合せにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、記憶装置192に記憶される。プロセッサ191は記憶装置192に記憶されたプログラムを読み出して実行する。またこれらのプログラムは、上記の各機能のそれぞれが実行する手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。記憶装置192は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(登録商標)(Erasable Programmable Read Only Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった半導体メモリが該当する。半導体メモリは不揮発性メモリでも良いし揮発性メモリでも良い。また記憶装置192は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital
Versatile Disc)が該当する。
上述した実施の形態に示した構成では、上糸より中押さえ135に付与される負荷をPF軸モータ駆動信号に基づき検出したが、本発明はこれに限定されず、中押さえ135に付与される負荷を検出するための検出素子を中押さえ駆動機構151に設けてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
100 ミシン、101 アーム、102 主軸モータケース、103 ミシン頭部、104 ベッド、105 支持脚、106 滑り板、111 XYステージ、112 保持装置、112a 送り板、112b 外押さえ、112c 押さえ台、112d エアシリンダ、113 X軸モータ、114 Y軸モータ、115 X軸駆動機構、115a 移動レース、116 Y軸駆動機構、116aY軸ガイド、117、118、137、150 回転情報検出器、121 操作盤、121a 表示器、121b、191 プロセッサ、121c、192 記憶装置、D1 縫製パターンデータ、121d 入力装置、122、122A 制御盤、123 フットスイッチ、1A1 指令生成部、1A2 主軸モータ制御演算部、1A3 PF軸モータ制御演算部、1A4 X軸モータ制御演算部、1A5 Y軸モータ制御演算部、131、131´ 縫い針、131a、131a´ 針孔、132 かま、133 天秤、133a、131a´ 小孔、134 主軸モータ、135、135´ 中押さえ、135a、135a´ 貫通孔、136 中押さえモータ、138 カップリング、139 上軸、140 天秤駆動機構、141 針棒駆動機構、142 針棒、143 ボビンケース、144 上軸プーリ、145 タイミングベルト、146 下軸プーリ、147 大径ギヤ、148 小径ギヤ、149 下軸、151 中押さえ駆動機構、152 ピニオン、153 ラック、154 スライドガイド、155 スライダ、156 中押さえ棒抱き、157 中押さえ棒、158 糸巻きスタンド、159 糸巻き、160、161、164、165、166 上糸ガイド、162
プリテンション、163 メインテンション、190 専用処理回路、a1 スイッチ、a2 差分器、a3 偏差抑制補償器、c1 フィルタ処理部、c2 記録部、c3 比較器、T、T´ 上糸、Td、Td´ 下糸、Ob、Ob´ 被縫製物。

Claims (11)

  1. 縫い針の針孔に挿通された上糸を捕捉することで前記上糸と下糸とを絡ませるかまと、
    前記上糸を挿通する小孔を有し、前記小孔が下死点から上死点まで上昇することにより前記上糸を縫製対象である被縫製物から引き上げる天秤と、
    前記被縫製物の浮き上がりを防止する中押さえと、
    前記中押さえを駆動する駆動源と、
    前記被縫製物を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段が前記被縫製物を搬送する際に前記上糸が前記中押さえに接触することにより、前記上糸より前記中押さえに付与される負荷に基づき上糸張力を監視する張力監視部と、
    を備えるミシン。
  2. 前記張力監視部は、前記上糸張力を、前記駆動源へ付与される負荷に基づき検出する
    請求項1に記載のミシン。
  3. 前記張力監視部は、前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記小孔が上死点に達するまでの期間の前記上糸張力を監視する請求項1または2に記載のミシン。
  4. 前記張力監視部は、前記上糸張力が外部から入力される基準値よりも大きい又は小さいときに縫製不良を通知する縫製不良信号を出力する請求項1から3のいずれかに記載のミシン。
  5. 前記張力監視部は、前記上糸張力を一針毎に記録する記録部を備え、
    一針毎の前記上糸張力のばらつきが外部から入力される基準値よりも大きい又は小さいときに縫製不良を通知する縫製不良信号を出力する請求項1から3のいずれかに記載のミシン。
  6. 前記張力監視部は、前記上糸張力を一針毎に記録する記録部を備え、
    前記記録部が記録した上糸張力と前記張力監視部が監視する上糸張力35との差分が設定された閾値よりも大きいときに縫製不良を通知する縫製不良信号を出力する請求項1から3のいずれかに記載のミシン。
  7. 前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記小孔が上昇する期間に、前記被縫製物に対して前記中押さえを一定の高さで停止させる前記駆動源の駆動指令を生成する指令生成器を備える請求項1から6のいずれかに記載のミシン。
  8. 前記駆動源の駆動状態と前記駆動指令との差分により求める偏差信号が0になるように前記駆動源を制御する偏差抑制部を備え、
    前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇する期間に、前記偏差抑制部の外部から設定するパラメータにもとづき前記偏差信号の振幅を操作する比例演算器のゲインを小さくする請求項7に記載のミシン。
  9. 前記駆動源の駆動状態と前記駆動指令との差分により求める偏差信号が0になるように前記駆動源を制御する偏差抑制部を備え、
    前記かまが前記上糸の捕捉を解除した後から前記天秤の動作にともない前記小孔が上昇する期間に、前記偏差抑制部の外部から設定するパラメータにもとづき前記偏差信号の振幅及び位相を操作する積分演算器の積分時定数を長くする請求項7に記載のミシン。
  10. 前記張力監視部が監視する上糸張力に基づき縫製不良を検知して、前記中押さえを、または、前記縫い針と、前記かまと、前記天秤と、前記押さえと、前記搬送手段を停止させる請求項1から9のいずれかに記載のミシン。
  11. 前記張力監視部が監視する上糸張力に基づき縫製不良を検知して、縫製不良が発生したことを表示する表示器を備える請求項1から10のいずれかに記載のミシン。
JP2018544292A 2017-08-30 2017-08-30 ミシン Active JP6477987B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/031065 WO2019043813A1 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 ミシン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6477987B1 true JP6477987B1 (ja) 2019-03-06
JPWO2019043813A1 JPWO2019043813A1 (ja) 2019-11-07

Family

ID=65525154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018544292A Active JP6477987B1 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 ミシン

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6477987B1 (ja)
CN (1) CN111065773B (ja)
DE (1) DE112017008004B4 (ja)
WO (1) WO2019043813A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022038800A1 (ja) * 2020-08-19 2022-02-24 三菱電機株式会社 ミシン、ミシンのデータ処理装置、ミシンのデータ表示装置、ミシンの学習装置、ミシンの推論装置およびミシンの記憶装置
JP6987325B1 (ja) * 2020-08-19 2021-12-22 三菱電機株式会社 ミシン、ミシンのデータ処理装置、ミシンのデータ表示装置、ミシンの学習装置、ミシンの推論装置およびミシンの記憶装置
WO2023225852A1 (en) * 2022-05-24 2023-11-30 Abb Schweiz Ag Device and method for thread drawing
CN117151448B (zh) * 2023-10-26 2024-01-26 合肥新振智能科技有限公司 一种基于数字化生产平台的智慧车间管理***

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187417A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Juki Corp ミシン
JP2009011544A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Juki Corp ミシン
JP2009089823A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Juki Corp ミシンの糸張力制御装置
JP2013162859A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Juki Corp ミシン
JP2014161461A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Juki Corp 二本針ミシン
WO2017175526A1 (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 三菱電機株式会社 ミシン

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59123974A (ja) 1982-12-29 1984-07-17 Fujitsu Ltd ベクトルデ−タ記憶制御方式
JPH07661Y2 (ja) 1987-07-20 1995-01-11 マツダ株式会社 過給機付エンジンの排気センサ取付構造
JPH07662Y2 (ja) 1989-08-09 1995-01-11 本田技研工業株式会社 排気管の支持装置
JPH06343784A (ja) 1993-06-10 1994-12-20 Brother Ind Ltd ミシンの糸張力検出装置
JPH07662A (ja) 1993-06-21 1995-01-06 Brother Ind Ltd ミシンの糸張力検出装置
JP3516024B2 (ja) 1993-06-21 2004-04-05 東海工業ミシン株式会社 ミシン
JP3913842B2 (ja) 1997-07-02 2007-05-09 Juki株式会社 ミシンの布押え圧力制御装置
JPH1147479A (ja) 1997-07-29 1999-02-23 Juki Corp ミシンの糸張力調整装置
JP2010069205A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Juki Corp 鳩目穴かがりミシンの布切り装置
JP5208700B2 (ja) 2008-12-04 2013-06-12 Juki株式会社 ミシン
JP5249804B2 (ja) 2009-02-03 2013-07-31 エヌエスディ株式会社 刺繍用ミシン

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187417A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Juki Corp ミシン
JP2009011544A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Juki Corp ミシン
JP2009089823A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Juki Corp ミシンの糸張力制御装置
JP2013162859A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Juki Corp ミシン
JP2014161461A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Juki Corp 二本針ミシン
WO2017175526A1 (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 三菱電機株式会社 ミシン

Also Published As

Publication number Publication date
DE112017008004B4 (de) 2021-08-05
JPWO2019043813A1 (ja) 2019-11-07
DE112017008004T5 (de) 2020-07-02
WO2019043813A1 (ja) 2019-03-07
CN111065773A (zh) 2020-04-24
CN111065773B (zh) 2021-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6477987B1 (ja) ミシン
JP6605123B2 (ja) ミシン
TWI611062B (zh) 縫紉機
JP5174414B2 (ja) ミシンの糸張力制御装置
US11066767B2 (en) Sewing machine
JP6031380B2 (ja) 二本針ミシン
JP2016158972A (ja) ミシン
JP6552233B2 (ja) ミシン
JP2010158291A (ja) ミシン
KR101432145B1 (ko) 재봉기의 노루발 장치
JP2018075158A (ja) ミシンの下糸巻き装置及びミシン
JP6239209B1 (ja) ミシン
CN108277581B (zh) 缝纫机
JP2019166039A (ja) ミシン
JP5253992B2 (ja) ミシン
CN107558023B (zh) 缝制装置和切线机构
CN112301575B (zh) 缝纫机
CN111485337B (zh) 缝纫机
CN113463285B (zh) 缝制装置
JP2023098053A (ja) ミシン及び下糸判定方法
JP2021000207A (ja) ミシン
US6339943B2 (en) Device and method for adjusting hosiery tension in circular textile machines
JP2020120716A (ja) ミシン
JP2018201658A (ja) 縫製装置の縫い糸送り機構、および、縫い糸送り機構を備えた縫製装置
JPH06190173A (ja) ミシンの縫い始め針糸抜け防止装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180821

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180821

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6477987

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350