JP6476943B2 - 棚システム、棚板、脱落防止部材、及び棚システムの製造方法 - Google Patents

棚システム、棚板、脱落防止部材、及び棚システムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システム、棚板、脱落防止部材、及び棚システムの製造方法に関する。
収納家具や店舗什器として、簡易的に施工が可能な横壁固定の棚システムが採用されている。一般的な棚システムは、横壁の前側、及び後側の2ヶ所に、床と垂直になるように固定された棚柱を有する。棚柱には、複数の係止孔が縦方向に連続で設けられており、係止孔には棚受けが掛けるように設置される。この棚受けに収納棚板を載せることで収納棚板の設置が完了する。この種の棚システムによれば、簡易的な施工を実現できるが、地震の際、あるいは収納棚板から収納物を引き出して取りだす際に、収納棚板が前方に大きく移動し、棚受けから離脱して落下してしまう恐れがある。
棚板の落下を防止する手段として、例えば、棚受けの形状に合わせた溝などを棚板に施し、その溝に棚受けを納めることで棚板の脱落を防止したり(特許文献1参照)、前側に配置された棚受けをL字状にし、L型棚受けを棚板の木口面に当接させることで棚板の脱落を防止したり(特許文献2参照)する構造が知られている。
特開平8−294422号公報 特開2014−097228号公報
しかしながら、従来の棚システムでは、地震の際、あるいは収納物を引き出す際などに棚板が跳ね上がると棚板が棚受けから外れ易くなってしまい、更に、L型棚受け等で棚板の移動を規制する構造では見栄えが悪く、意匠性が低下する可能性がある。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、意匠性を損なうことなく棚板の落下を効果的に防止できる棚システム、棚板、脱落防止部材、及び棚システムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムであって、棚板は、棚柱に対向する側方木口部と、側方木口部から突出すると共に、対向面から突出する棚柱によって対向面と側方木口部との間に形成される隙間に収まる脱落防止部と、を備えることを特徴とする。
本発明では、棚柱に対向する側方木口部から脱落防止部が突出しており、更に、この脱落防止部は、棚柱によって側板の対向面と側方木口部との間に形成される隙間に収まるように設けられている。つまり、棚柱を挟んで脱落防止部を反対側から見た場合に、脱落防止部は棚柱の陰に隠れるような収まりになっており、この反対側から見た場合の意匠性が損なわれ難い。更に、棚板が跳ね上がるなどしても、脱落防止部が棚柱側に移動するのであれば、棚柱は縦に長いので、棚柱が脱落防止部に干渉して棚板の移動を規制できる。その結果、意匠性を損なうことなく、棚板の落下を効果的に防止できる。
また、一対の側壁には、それぞれ複数の棚柱が設けられており、脱落防止部は、少なくとも一方の側壁の隣り合う棚柱間に配置されていると好適である。隣り合う両方の棚柱によって脱落防止部の両方向への移動が規制されるので、棚板の跳ね上がり等の移動をより確実に抑えることができ、棚板の落下を効果的に防止できる。
また、一対の側壁に接続される背壁を更に備え、棚板は、背壁に接する後側木口部と、後側木口部に対して反対側となる前側木口部とを備え、脱落防止部は、隣り合う棚柱のうち、前側木口部寄りの棚柱に近接していると好適である。前側木口部寄りの棚柱が脱落防止部に干渉すると、この干渉部分が支点となり、棚板には、後側木口部を持ち上げようとする力が作用する。しかしながら、棚板の後側木口部は背壁に近接しており、従って、後側木口部の持ち上がりは背壁との干渉によって抑えられ、棚板の落下を更に効果的に防止できる。
また、側方木口部から突出する脱落防止部の突出量は、棚柱の厚みよりも小さいと好適である。この構成によれば、棚柱によって形成される隙間に脱落防止部を完全に収め易くなって意匠性を向上させる上で更に有利となる。また、棚板の取り付けに際しても脱落防止部が側壁に干渉するなどの邪魔になり難く、有利である。
また、脱落防止部は、側方木口部からの突出量を調整可能な突出調整部を備えていると好適である。突出調整部を備えることで、隙間の寸法に合わせながら脱落防止部の突出量の微調整が可能になるため、取り付けを行う現場で、棚板の落下防止の最適化を図り易い。
また、本発明は、対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、一対の側壁間に着脱自在に取り付けられる棚板であって、棚柱に対向する側方木口部と、側方木口部から突出すると共に、対向面から突出する棚柱によって対向面と側方木口部との間に形成される隙間に収まる脱落防止部と、を備えることを特徴とする。
この棚板によれば、意匠性を損なわず、対向する一対の側壁間からの落下が効果的に防止される。
また、本発明は、対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、一対の側壁間に着脱自在に取り付けられる棚板に取り付けられる脱落防止部材であって、棚板の棚柱に対向する側方木口部に固定されて側方木口部から突出すると共に、対向面から突出する棚柱によって対向面と側方木口部との間に形成される隙間に収まることを特徴とする。
この脱落防止部材が取り付けられた棚板を用いることで、この棚板は、意匠性を損なわず、対向する一対の側壁間からの落下が効果的に防止される。
また、本発明は、対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムの製造方法であって、棚板の棚柱に対向する側方木口部から突出させるように脱落防止部を形成し、対向面から突出する棚柱によって対向面と側方木口部との間に形成される隙間に脱落防止部が収まるように、棚板を一対の側壁間に取り付けることを特徴とする。
この製造方法により、意匠性を損なうことなく棚板の落下を効果的に防止できる棚システムを製造できる。
また、棚柱が固定された一対の側壁の対向幅に対応させて基礎板材を切断加工して棚板とし、棚板の側方木口部に脱落防止部を形成すると好適である。基礎板材を現場に搬入し、現場に設置された一対の側壁の対向幅に対応させて基礎板材を切断加工することで棚板を製造できるので、汎用性が増して有利である。
本発明によれば、意匠性を損なうことなく棚板の落下を効果的に防止できる。
本発明の一実施形態に係る棚システムの斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図である。 棚板の跳ね上がりによる脱落を防止する作用を説明する概略の説明図である。 脱落防止部の第1の変形例を説明する図である。 脱落防止部の第2の変形例を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る棚システムを示す斜視図である。 比較例に係る棚システムであり、(a)は図2に対応する断面図であり、(b)は(a)のb−b線に沿った断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る棚システムの実施形態について詳細に説明する。
近年はライフスタイルに合わせて様々な住宅様式や間口設定があり、容易に現場加工できる点や収納棚板の意匠感を損なわない収納棚板を備えた棚システムが求められている。本実施形態に係る棚システムは、このような要望に適切に応え得る棚システムであり、例えば、シューズクローク、洗濯機や冷蔵庫等の家電の上方空間を有効利用するための小物棚、または納戸収納棚等に利用できる。
図1、図2、及び図3に示されるように、本実施形態に係る棚システム1Aは、対向する一対の横壁(側壁)2を備えている。横壁2は、住宅様式や間口設定に応じて様々な形状、寸法を採用できるが、本実施形態では、例えば矩形板状であり、長辺部2aが縦になるように立設されている。また、棚システム1Aは、一対の横壁2の下辺部(短辺部)2b同士を接続する底板3と、一対の横壁2の背面側となる長辺部2a同士を接続する背板(背壁)4と、を備えている。底板3は、横壁2に挟まれ、接着剤やビスなどによって横壁2に固定されている。また、背板4は、横壁2に挟まれ、接着剤やビス、あるいはL字金物などを介して横壁2に固定されている。一対の横壁2の前面、つまり背板4に対向する正面は開放され、また、上面も開放されている。横壁2、底板3、及び背板4には、クロスが貼られるなどの化粧処理が適宜に施されている。
一対の横壁2の対向面(内面)2cには、複数の棚柱5、6が固定されている。本実施形態では、一方の横壁2の前方の長辺部2aに沿って前側の棚柱5が固定され、後方の長辺部2aに沿って後側の棚柱6が固定されている。また、他方の横壁2にも対称となるように一対の棚柱5、6が固定されている。つまり、本実施形態では、計四本の棚柱5、6が配置されている。
棚柱5、6は上下方向に長い長尺部材であり、内面2cから断面矩形状に突出している。また、棚柱5、6には、棚受け7を固定するための複数の係止孔50が設けられており、複数の係止孔50は、棚柱5、6の長手方向に沿って等間隔で配置されている。係止孔50は大径の円形孔部51と円形孔部51の下部から延びる小径のスリット部52とを有する。棚受け7は、略円柱状の棚板載置部71と、小径の首部73を介して棚板載置部71に接続された頭部72とを有する。棚受け7は、頭部72を円形孔部51に差し込み、首部73をスリット部52に沿って下方にスライドさせ、頭部72を裏側から引っ掛けるようにして取り付ける。棚受け7は、高さが同じになるように調整しながら、四本の棚柱5、6それぞれに取り付けられる。
本実施形態に係る収納棚板(以下、「棚板」という)9は、一対の横壁2間に収まるように形成された矩形状であり、上面及び下面となる一対の表面91と、長辺側の一対の木口部92A、92Bと、短辺側の一対の木口部93とを備えている。棚板9は、短辺側の一対の木口部(以下「側方木口部」という)93が棚柱5、6に対向するように横壁2間に差し入れられ、四箇所の棚受け7に載置される。この状態で、長辺側の一対の木口部92A、92Bのうち、一方の木口部(以下、「後側木口部」という)92Bは背板4に近接している。この近接とは、接している状態のみならず、数mm程度離間している状態も誤差として許容する意味である。また、長辺側の一対の木口部92A、92Bのうち、後側木口部92Bの反対側の木口部(以下、「前側木口部」という)92Aは、開放されている。
図3、及び図4に示されるように、棚柱5、6は、横壁2の内面2cから内方に突き出しており、棚板9を棚受け7に載置した際、棚柱5、6の突き出し分だけ、側方木口部93と横壁2の内面2cとの間に隙間Sができる。棚板9の側方木口部93には、この隙間Sに収まるように脱落防止部10が設けられている。より詳細には、脱落防止部10は前後一対の棚柱5、6の間であり、前側の棚柱5からの距離dが棚板9の移動許容距離SDよりも小さくなる位置に脱落防止部10が設けられている。
棚板9の移動許容距離SDとは、開放された前方側に棚板9が移動しても、棚板9が後側の棚受け7から外れない距離である。具体的には、まず、棚板9を正規の位置に設置した場合、つまり、本実施形態では、棚板9の後側木口部92Bが背板4に近接した状態を基準とする。次に、この基準状態において、後側の棚柱6の棚受け7で棚板9を支えることができる前側の限界(以下、「支持限界部」という)Pを規定する。そして、棚板9の後側木口部92Bから支持限界部Pまでの距離が棚板9の移動許容距離SDである。
前側の棚柱5から脱落防止部10までの距離dが、棚板9の移動許容距離SDよりも小さくなる位置に脱落防止部10を設けることで、棚板9が前方に移動した場合であっても前側の棚柱5が脱落防止部10に干渉し、棚板9の落下を確実に防止できる。なお、本実施形態に係る棚受け7は断面円形であるため、支持限界部Pは棚受け7の上端部分であり、つまり棚板9の下面(表面)91に当接する部分である。また、本実施形態では、前後一対の棚柱5、6を設けた態様にて説明しているが、前後の棚柱5、6の間に、更に中間の棚柱を設け、前側の棚柱5、及び中間の棚柱に取り付けた棚受け7によって棚板9を支持可能な態様の場合、中間の棚柱に取り付けられた棚受け7によって「支持限界部」を規定することもできる。
また、特に、本実施形態の場合、脱落防止部10は前側の棚柱5に近接するように設けられている。脱落防止部10が棚柱5に近接するという意味に関しては、脱落防止部10が棚柱5に接している状態のみならず、数mm程度離間している状態も誤差として許容されるという意味である。
また、脱落防止部10は、脱落防止部材21を側方木口部93に固定することで形成される。脱落防止部材21は、例えば、クロス等を傷つけないようにR形状や面取り形状が施されており、金属又は樹脂等で形成されている。
例えば、本実施形態に係る脱落防止部材21は押しピンであり、側方木口部93に当接する頭部21aと、頭部21aの裏面から突出する針部21bとを備える。また、頭部21aは側方木口部93側が平坦であり、横壁2に対向する側が湾曲した凸曲面状になっている。頭部21aの高さ寸法、つまり、側方木口部93からの突出量Lは、棚柱5、6の厚みT、つまり横壁2の内面2cから棚柱5、6が内方に突き出た寸法よりも小さくなっており、棚板9を棚受け7に載置した状態で、脱落防止部材21が横壁2に干渉せず、棚柱5、6によって形成される隙間Sに収まるように工夫されている。
脱落防止部材としては、他の変形例であっても良く、例えば、ナベ頭やトラス頭等の凸曲面状で突出した頭部(突出部)を有するタッピングねじや木ねじ等の螺合型の脱落防止部材22(図6参照)であってもよい。螺合型の脱落防止部材22の場合、実際に棚板9の側方木口部93に螺合されるねじ軸である突出調整部22bが間口調整機構として機能し、突出調整部22bのねじ込み量の大小により、頭部22aの側方木口部93からの突出量を調整可能である。つまり、螺合型の脱落防止部材22を利用して形成された脱落防止部10によれば、突出調整部22bを有するので棚板9を横壁2間に収めた際の間口寸法に合わせて脱落防止部10の突出量を適宜に調整できる。
また、脱落防止部材の他の変形例として、スプリングを利用した弾性型の脱落防止部材23(図7参照)であっても良い。弾性型の脱落防止部材23は、横壁2の内面2cに当接する頭部23aと、棚板9の側方木口部93に螺合するねじ軸部23bと、ねじ軸部23bと頭部23aとを接続するコイルスプリング部23cとを備えている。弾性型の脱落防止部材23の場合、ねじ軸部23b及びコイルスプリング部23cからなる突出調整部23dが間口調整機構として機能し、ねじ軸部23bのねじ込み量の大小により、頭部23aの側方木口部93からの突出量を調整可能である。また、実際に棚板9を棚受け7に載置した際に、コイルスプリング部23cが縮むことで実質的に突出量の調整が可能になる。弾性型の脱落防止部材23を利用して形成された脱落防止部10によれば、突出調整部23dを有するので、棚板9を横壁2間に収めた際の間口寸法に合わせて脱落防止部10の突出量を適宜に調整できる。
次に、棚システム1Aの製造方法について説明する。本実施形態では、棚柱5、6が内面(対向面)2c側となるように一対の棚柱5、6を設置し、底板3や背板4等を固定する。一方で、一対の横壁2の対向幅寸法に合わせて加工された棚板9を準備し、棚板9の側方木口部93から突出させるように脱落防止部10を形成する。次に、四本の棚柱5、6それぞれに棚受け7を取り付け、棚柱5、6によって形成される隙間Sに脱落防止部10が収まるように、棚板9を棚受け7に載置させる。その結果、棚板9は、一対の横壁2間に着脱自在に取り付けられた状態になり、前方から見た場合の意匠性を損なうことなく、棚板9の落下を効果的に防止できる棚システム1Aが完成する。
なお、棚板9は、工場等(施工現場とは別の場所)で事前に準備する場合に限定されず、例えば、フリーカットと称される製造方法にて棚システム1Aを製造することもできる。具体的には、化粧紙や化粧シート等が貼られて化粧処理が施された基礎板材を工場等で製造し、その基礎板材を現場まで搬送する。現場では、適宜に一対の横壁2等を設置し、一対の横壁2の対向幅を測り、この対向幅に対応させて基礎板材を切断加工して棚板9とする。次に、棚板9の側方木口部93に脱落防止部10を形成し、脱落防止部10が形成された棚板9を一対の横壁2間に設置して棚システム1Aを製造することもできる。この製造方法では、現場に設置された一対の横壁2の対向幅に対応させて基礎板材を切断加工して棚板9を製造できるので、汎用性が増して有利である。
次に本実施形態に係る棚システム1Aの効果について、比較形態に係る他の棚システム等と比較しながら説明する。
例えば、前側の棚柱にL型棚受けを取り付けることで棚板の前方への移動を規制する棚システム(図9参照)では、棚板の載置部分からL型に立ち上がる立ち上がり片にて棚板の前方移動を規制する。この立ち上がり片は前方から視認可能であるため、立ち上がり片が目立って意匠性を損ない易く、従って、意匠性を重視すれば、立ち上がり片の高さ寸法(長さ寸法)を小さくする必要がある。しかしながら、立ち上がり片の高さ寸法(長さ寸法)を小さくすると、棚板が脱落し易くなってしまい、特に、上下方向から力を受けた場合に脱落し易くなる。また、棚柱が正規の位置からずれ、その結果、L型棚受けがずれてしまうと、立ち上がり片が棚板に干渉してしまう。つまり、棚柱をmm単位で取り付ける精度が必要であり、施工の簡便性が低下し易かった。
また、棚受けに干渉するように棚板の下面に落下防止金具を取り付けた棚システムでは、落下防止金具が棚受けを乗り越えたりする可能性があり、棚板の脱落を効果的に防止することが難しかった。
また、棚受けの形状に合わせた溝などを棚板に施し、その溝に棚受けを納めることで棚板の脱落を防止する棚システムでは、棚板が跳ね上がった際に棚受けが溝から外れる可能性があり、棚板の脱落を効果的に防止することが難しかった。更に、この棚システムでは、現場において棚板を所定の間口サイズに加工した上に、更に棚受けの形状に合わせて溝加工を施す必要があり、施工の簡便性が低下する可能性があった。
これらの棚システムに対し、本実施形態に係る棚システム1Aでは、前側から脱落防止部10を見た場合に、脱落防止部10は棚柱5の陰に隠れるような収まりになっており、前側から棚システム1Aを見た場合の意匠性が損なわれ難い。更に、棚板9に下方から力がかかって棚板9が跳ね上がっても、棚柱5は縦に長いので、棚柱5が脱落防止部10に接触(干渉)し、棚板9が前方に飛び出す恐れはない。つまり、本実施形態に係る棚システム1Aでは、意匠性の向上と棚板9の効果的な落下防止とを両立できる。また、本実施形態に係る棚板9によれば、対向する一対の横壁2間に取り付けられた状態から離脱し難く、落下が効果的に防止される。
また、本実施形態では、棚板9の側方木口部93に脱落防止部材21、22、23を固定することで脱落防止部10を形成でき、脱落防止部10が形成された棚板9を一対の横壁2間に設置することで実現できる。従って、棚板9に溝加工等の更なる加工は不要である。また、棚受け7で棚板9を適切に支えることができる位置に棚柱5、6を取り付けておけば、この棚柱5、6を微調整させなくても、棚柱5,6間の適当な位置に脱落防止部10を設置すれば足りる。つまり、棚柱5、6の設置とは独立して脱落防止部10を形成でき、必要に応じて脱落防止部10のみを調整すれば足りるので、施工の簡便性を損なうことなく、棚板9の脱落防止を効果的に実現できる。
また、本実施形態では、棚板9の上下の表面91に脱落防止のための溝等を設ける必要がないので、例えば、リバーシブル態様として利用できる。具体的には、上下の表面91に異なる模様の化粧紙や化粧シート等を貼り(化粧処理を施し)、適宜に裏返すことで両面を利用できるようにしたり、最初に使用していた上面(表面)91が汚れたら裏返すことで比較的汚れの少ない下面(表面)91を上面として利用したりすることができる。なお、この場合に、脱落防止部10が収まる隙間Sは、反対側の横壁2に固定された棚柱5、6によって形成される隙間Sになる。
また、本実施形態に係る棚システム1Aでは、一方の横壁2側にのみ脱落防止部10が設けられている。従って、一対の横壁2間に棚板9を差し入れて設置する際に脱落防止部10が邪魔になりにくく、施工上、有利である。ただし、両方の横壁2側に脱落防止部10を設けることも可能であり、その場合、両方の横壁2に固定された棚柱5が脱落防止部10に干渉することで、棚板9の脱落を効果的に防止できる。
また、本実施形態に係る棚システム1Aでは、横壁2に固定された前後で隣り合う一対の棚柱5、6間に脱落防止部10が配置されている。ここで、本実施形態では背板4を備えているので、棚板9の後方への移動は、実質的に背板4によって規制される。しかしながら、例えば、背板4を備えておらず後方が開放された態様等の場合でも、本実施形態のごとく、前後の隣り合う棚柱5、6間に脱落防止部10が設けられていると、脱落防止部10の前後両方向への移動が前後の棚柱5、6によって規制されるので、棚板9の跳ね上がり等の移動をより確実に抑えることができ、棚板9の落下を効果的に防止できる。なお、背板4を備えた態様の場合、意匠性を損なうことなく、且つ棚板9の前方への移動を規制するという趣旨からは、脱落防止部10を後側の棚柱6と背板4との間に設ける態様であってもよい。
また、本実施形態に係る脱落防止部10は前側木口部92A寄りの棚柱5に近接しており、棚板9の後側木口部92Bは背板4に近接している。この作用について図5を参照して説明する。例えば、地震などの外的な力が作用して棚板9が前方にずれた場合、基本的には棚柱5が脱落防止部10に干渉することで棚板9の前方への移動が規制される。ただし、その干渉部分が支点となり、棚板9には、後側木口部92Bを持ち上げようとする力が作用する場合がある。しかしながら、棚板9の後側木口部92Bは背壁に近接しているので、後側木口部92Bの持ち上がりは背板4との干渉によって抑えられ、棚板9の落下を更に効果的に防止できる。
また、本実施形態に係る脱落防止部10の突出量L(図3参照)は、棚柱5、6の厚みTよりも小さい。その結果、棚柱5、6によって形成される隙間Sに脱落防止部10を完全に収め易くなって意匠性を向上させる上で更に有利となる。また、棚板9の取り付けに際しても脱落防止部10が横壁2に干渉するなどの邪魔になり難く、有利である。
また、側方木口部93からの突出量Lを調整可能な突出調整部22bまたは突出調整部22bを備えた脱落防止部10とすることにより、隙間Sの寸法に合わせながら脱落防止部10の突出量の微調整が可能になり、取り付けの現場において棚板9の落下防止の最適化を図り易い。また、現場にて基礎板材を切断加工して棚板9とする場合などに、棚板9の長さが一対の横壁2の対向幅に対して短くなってしまったとしても、脱落防止部10の突出量を調整することで対応できる。
次に、図8を参照し、第2の実施形態に係る棚システム1Bについて説明する。なお、本実施形態に係る棚システム1Bにおいて、棚システム1Aと同様の要素や構造については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態は、例えば、建物に備え付けの棚システム1Bであり、一対の横壁2Aは板状ではなく、建物の内装壁面の一部として形成される。また、本実施形態では多段式の棚システム1Bであり、複数の棚板9、例えば三枚以上の棚板9が設置されている。全ての棚板9の一方、または両方の側方木口部93には、脱落防止部10が形成されている。
本実施形態に係る棚システム1Bによれば、意匠性を損なうことなく、棚板9の落下を効果的に防止でき、また、この棚板9、及び棚システム1Bの製造方法によれば、意匠性を損なうことなく、棚板9の落下を効果的に防止できる棚システム1Bを実現できる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されない。例えば、上記の実施形態では、棚板9の左右一対の側方木口部93のうち、一方の側方木口部93のみに脱落防止部10を設けた態様を例示したが、両方の側方木口部93に脱落防止部10を設けてもよい。また、一つの側方木口部93に単一の脱落防止部10を設けるのではなく、複数の脱落防止部10を設けてもよく、例えば、複数の脱落防止部10のうち、一つの脱落防止部10を前側の棚柱5に近接して設け、他の脱落防止部10を後側の棚柱6に近接して設けるようにしてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1に係る棚システムは、上述の第1の実施形態に係る棚システムに対応し、金属製の押しピンを脱落防止部材として利用している。また、押しピンを前側の棚柱に近接するように側方木口部に固定した。本実施例において、前後方向、左右方向、及び上下方向に5kg程度の外力を加えたが、棚板は安定して保持され、脱落しないことを検証できた。
[比較例1]
図9は、比較例1に係る棚システムを示し、図9(a)は比較のために図2に対応した図であり、図9(b)は図9(a)のb−b線に沿った断面図である。
比較例1に係る棚システム100は、前側の棚柱にL型棚受け107を取り付けた。このL型棚受け107は、棚板109の前方への移動を規制するための立ち上がり片107aを備えており、その立ち上がり片107aは前方から視認可能である。比較例1に係る棚システム100では、この立ち上がり片107aが目立って意匠性を損ない易い。従って、意匠性を重視すれば、立ち上がり片107aの高さ寸法(長さ寸法)を小さくする必要がある。しかしながら、立ち上がり片107aの高さ寸法(長さ寸法)を小さくすると、棚板109が脱落し易くなってしまい、特に、上下方向から力を受けた場合に容易に脱落してしまう。つまり、比較例1に係る棚システム100では、意匠性の向上と棚板の脱落防止との効果を両立することは実質的に難しい。
1A、1B…棚システム、2…横壁、2c…内面(対向面)、4…背板(背壁)、5…前側の棚柱、6…後側の棚柱、9…収納棚板(棚板)、10…脱落防止部、21、22、23…脱落防止部材、22b…突出調整部、23d…突出調整部、92A…前側木口部、92B…後側木口部、93…側方木口部、L…脱落防止部の突出量、S…隙間、T…棚柱の厚み。

Claims (8)

  1. 対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、前記一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムであって、
    前記棚板は、
    前記棚柱に対向する側方木口部と、
    前記側方木口部から突出すると共に、前記対向面から突出する前記棚柱によって前記対向面と前記側方木口部との間に形成される隙間に収まる脱落防止部と、を備え
    前記一対の側壁には、それぞれ複数の前記棚柱が設けられており、
    前記脱落防止部は、少なくとも一方の前記側壁の隣り合う前記棚柱間に配置されていることを特徴とする棚システム。
  2. 前記一対の側壁に接続される背壁を更に備え、
    前記棚板は、前記背壁に接する後側木口部と、前記後側木口部に対して反対側となる前側木口部とを備え、
    前記脱落防止部は、隣り合う前記棚柱のうち、前記前側木口部寄りの前記棚柱に近接していることを特徴とする請求項記載の棚システム。
  3. 前記側方木口部から突出する前記脱落防止部の突出量は、前記棚柱の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載の棚システム。
  4. 前記脱落防止部は、前記側方木口部からの突出量を調整可能な突出調整部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の棚システム。
  5. 対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、前記一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムであって、
    前記棚板は、
    前記棚柱に対向する側方木口部と、
    前記側方木口部から突出すると共に、前記対向面から突出する前記棚柱によって前記対向面と前記側方木口部との間に形成される隙間に収まる脱落防止部と、を備え、
    前記側方木口部から突出する前記脱落防止部の突出量は、前記棚柱の厚みよりも小さいことを特徴とする棚システム。
  6. 対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された棚柱を介し、前記一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムであって、
    前記棚板は、
    前記棚柱に対向する側方木口部と、
    前記側方木口部から突出すると共に、前記対向面から突出する前記棚柱によって前記対向面と前記側方木口部との間に形成される隙間に収まる脱落防止部と、を備え、
    前記脱落防止部は、前記側方木口部からの突出量を調整可能な突出調整部を備えていることを特徴とする棚システム。
  7. 対向する一対の側壁それぞれの対向面に固定された複数の棚柱を介し、前記一対の側壁間に棚板が着脱自在に取り付けられる棚システムの製造方法であって、
    前記棚板の前記棚柱に対向する側方木口部から突出させるように脱落防止部を形成し、
    前記対向面から突出する前記棚柱によって前記対向面と前記側方木口部との間に形成される隙間に前記脱落防止部が収まるように、前記棚板を前記一対の側壁間に取り付け
    前記脱落防止部は、少なくとも一方の前記側壁の隣り合う前記棚柱間に配置されることを特徴とする棚システムの製造方法。
  8. 前記棚柱が固定された前記一対の側壁の対向幅に対応させて基礎板材を切断加工して前記棚板とし、前記棚板の前記側方木口部に前記脱落防止部を形成することを特徴とする請求項記載の棚システムの製造方法。
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