JP6475591B2 - モード分散係数測定装置及びモード分散係数測定方法 - Google Patents

モード分散係数測定装置及びモード分散係数測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、マルチコア光ファイバを用いたモード分散係数測定装置及びモード分散係数測定方法に関する。
光ファイバ通信システムでは、光ファイバ中で発生する非線形効果やファイバヒューズにより伝送容量が制限される。これらの制限を緩和するために1本の光ファイバ中に複数のコアを有するマルチコアファイバを用いた並列伝送や、コア内に複数の伝搬モードが存在するマルチモードファイバを用いたモード多重伝送といった空間多重技術が検討されている(非特許文献1、2参照。)。
マルチコアファイバを用いた伝送においては、コア間のクロストークが生じると信号品質が劣化するため、クロストークを抑圧するためにコア間を一定以上離さなければならない。一般には、光通信システムで十分な伝送品質を担保するためには、パワーペナルティを1dB以下にすることが望ましく、そのためには非特許文献1、3に記載の通りクロストークは−26dB以下としなければならない。
一方で、MIMO技術を用いると受信端においてクロストークを補償することが可能であり、コア間距離を小さくし、クロストークが−26dB以上であっても信号処理によりパワーペナルティを1dB未満とすることができ、空間利用効率を向上させることができる。しかしながら、MIMO技術を適用する場合、伝送路中で発生する複数の信号光間の群遅延差(DMD:Differential Mode Delay)が大きいと、伝送路のインパルス応答幅が大きくなり、信号処理の増大を招く。
一般に、非特許文献2に記載の通り、同一コアを伝搬する複数のモード間のDMDは光ファイバの屈折率分布を制御することで低減することが可能である。コア間のクロストーク量とDMDの関係については、非特許文献4により明らかになっており、コア間距離の減少によりDMDが増加することがわかっている。つまり、コア間クロストークを許容したとしても、DMDを増加させないようにするためにはコア間距離の下限が存在し、空間利用効率の向上には限界があることがわかっている。
一方で、DMDが大きい光ファイバにおいても、非特許文献5に記載の通り、ファイバ中でモード間の結合を積極的に引き起こすことで、光ファイバのインパルス応答幅を低減することができる。
一般に、上記光ファイバのインパルス応答幅は、当該光ファイバを含んだ周回実験系を構築し、信号を用いて長距離伝送を行うことで、インパルス応答幅を測定する又は非特許文献6に記載の通り、MIMO信号処理を行い、その演算結果よりインパルス応答幅を得ることができる。なお、周回実験とは、ファイバを含む伝送路をループ状に構成し、信号を周回させることで使用したファイバの整数倍の距離を伝搬させることができ、長距離伝送の模擬試験として用いられているものである。
H.Takara et al.,"1.01−Pb/s (12 SDM/222 WDM/456Gb/s) Crosstalk−managed Transmission with 91.4−b/s/Hz Aggregate Spectral Efficiency",in ECOC2012,paper Th.3.C.1 (2012). T.Sakamoto et al.,"Differential Mode Delay Managed Transmission Line for WDM−MIMO System Using Multi−Step Index Fiber,"J. Lightwave Technol. vol.30,pp.2783−2787 (2012). T.Ohara et al.,"Over−1000−Channel Ultradense WDM Transmission With Supercontinuum Multicarrier Source",IEEE J. Lightw. Technol.,vol.24,pp.2311−2317 (2006). T.Sakamoto et al.,"Coupled Multicore Fiber Design With Low Intercore Differential Mode Delay for High−Density Space Division Multiplexing", J. Lightw. Technol.,vol.33,no.6,pp.1175−1181,(2015). C.Antonelli et al.,"The delay spread in fibers for SDM transmission:dependence on fiber parameters and perturbations",Opt. Express,Vol.23,p.2196 (2015). R.Ryf et al.,"1705−km transmission over coupled−core fibre supporting 6 spatial modes",ECOC2014,paper PD. 3.2 (2014). R.Ryf et al.,"Mode−division multiplexing over 96km of few−mode fiber using coherent 6×6 MIMO processing", J. Lightw. Technol.,vol.30,pp.521−531 (2012). ITU−T Recommendation G.650.2,clause 5.1.4 (2007).
光ファイバのインパルス応答幅は、受信端でのMIMO信号処理負荷の目安となり、伝送システムに大きな影響を与えるパラメータのため、用いる光ファイバのインパルス応答特性を把握することは重要である。しかしながら、現状では上記で述べたとおり、インパルス応答特性を測定するために、周回実験系を用いた伝送システムを構築して評価しており、簡易に短尺な光ファイバ(例えば数十km以下)のインパルス応答幅を測定する手法は未だ検討されていない。
本発明では、光ファイバのインパルス応答特性を、周回実験系を用いた伝送システムを用いず、短尺な光ファイバを用いて簡易に測定可能にすることを目的とする。
本発明は、複数の伝搬モードを有し、該複数の伝搬モード間で結合が生じる光ファイバを被測定対象としたモード分散係数の測定装置及び測定方法であって、被測定対象の光ファイバの入射側で複数の伝搬モードをシングルモードファイバを用いて励振し、出射側で複数の伝搬モードをシングルモードファイバを用いて受光し、得られた被測定対象のファイバの波長帯透過光特性をフーリエ変換し、その波形をガウス分布で近似した際の標準偏差からモード分散係数を算出する。
具体的には、本発明に係るモード分散係数測定装置は、
ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定装置であって、
前記被測定光ファイバの入力端に接続される入力側シングルモードファイバと、
前記被測定光ファイバの出力端に接続される出力側シングルモードファイバと、
予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射する送信部と、
前記出力側シングルモードファイバに接続され、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出する受信部と、
前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する信号演算部と、
を備える。
本発明に係るモード分散係数測定装置では、
前記被測定光ファイバは、コア領域の屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に複数のコア領域が配置されたマルチコアファイバであり、
前記複数のコア領域に光が入射されるように、前記被測定光ファイバと前記入力側シングルモードファイバが接続され、
前記複数のコア領域を導波する光が前記出力側シングルモードファイバの伝搬モードに結合するように、前記被測定光ファイバと前記出力側シングルモードファイバが接続されていてもよい。
本発明に係るモード分散係数測定装置では、前記被測定光ファイバのインパルス応答広がりが、前記被測定光ファイバのモード間群遅延差より小さくてもよい。
具体的には、本発明に係るモード分散係数測定方法は、
ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定方法であって、
前記被測定光ファイバの入力端が入力側シングルモードファイバに接続され、前記被測定光ファイバの出力端が出力側シングルモードファイバに接続された状態で、
前記入力側シングルモードファイバに接続されている送信部が、予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射し、
前記出力側シングルモードファイバに接続されている受信部が、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出し、
信号演算部が、前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明の光ファイバによって、周回実験系を用いた伝送システムにおいて信号を伝搬させることなく、短尺な光ファイバを用いて光ファイバのインパルス応答特性を評価可能であるため、安価で簡易に特性の評価を行うことができる。
本発明の実施形態に係るモード分散係数測定装置の構成の第1例を示す。 本発明の実施形態に係るモード分散係数測定装置の構成の第2例を示す。 2コアファイバの断面図の一例を示す。 2コアファイバのインパルス応答幅の一例を示す。 2コアファイバのインパルス応答幅の伝搬距離依存性の一例を示す。 取得した波長対透過光特性の例の一例を示す。 取得データのフーリエ変換後の波形の一例を示す。 分散係数の波長依存性の一例を示す。 入出力端のシングルモードファイバとの接続条件に対するモード分散係数の算出結果の一例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、本実施形態のモード分散係数測定装置の構成の一例を示したものである。本実施形態のモード分散係数測定装置は、送信部と、受信部と、信号演算部96と、を備える。
送信部は、予め定められた波長幅を有する測定光を出射するものであり、例えば、広帯域光源94#1又は波長可変光源94#2である。受信部は、測定光の透過光スペクトルを検出するものであり、例えば、光スペクトルアナライザ95#1又はパワーメータ95#2である。被測定光ファイバ91と送信部及び受信部は、シングルモードファイバ92#1及び92#2を介して接続される。シングルモードファイバ92#1は入力側シングルモードファイバとして機能し、シングルモードファイバ92#2は出力側シングルモードファイバとして機能する。
図1においては、本実施形態のモード分散係数測定装置は、広帯域光源94#1が測定光として光周波数コムを出射し、光スペクトルアナライザ95#1が波長ごとのパワーを測定することで、波長対透過光のデータである透過光スペクトルを取得する。図2においては、本実施形態のモード分散係数測定装置は、送信部の波長可変光源94#2が予め定められた波長幅で測定光の波長を変化させ、パワーメータ95#2が波長ごとの受光パワーを測定することで、波長対透過光のデータである透過光スペクトルを取得する。
得られた波長対透過光のデータは、信号演算部96に送られる。信号演算部96は、得られたデータを、周波数対透過光のデータに変換し、フーリエ変換を行い時間対透過光の時間波形を求める。そして、信号演算部96は、時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する。
以降、具体的な測定データに基づき、モード分散係数の算出方法について説明する。
図3に、測定に用いた被測定光ファイバ91の断面構造の一例を示す。図3に示す被測定光ファイバ91は、コア11#1及び11#2を備える2コアファイバである。測定では、コア11#1及び11#2のクラッド12に対する比屈折率差Δは0.35%であり、コア半径は4.5μmである。また、コア間距離Dは20,25,40μmの3種である。
図4に、本発明に関連する手法であるインパルスを用いたインパルス応答幅の測定結果を示す。光ファイバの全コアにインパルスを入射し、出射側でインパルス応答幅を測定した。破線で示すL41B及びL42Bは、2コアファイバを含まない構成(Back−to−back)におけるパルスを示す。実線で示すL41T、L42T、L43T1及びL43T2は、2コアファイバを含んだ構成におけるパルスを示す。各々10km以上のファイバ長で評価しているが、D=20,25μmの光ファイバにおいては、インパルス応答広がりが小さく、正確にインパルス応答特性が把握できないことがわかる。一方で、D=40μmのファイバにおいては、ファイバ中でモード間の結合が生じていないため、コア間の製造誤差による構造誤差に起因したコア間DMDが観測されている。
D=20,25μmの光ファイバのDMDを、30m以下の光ファイバを用いて、非特許文献7に記載の干渉法を用いて測定した結果、D=20μmの光ファイバにおいては約180ps/kmのDMD、D=25μmの光ファイバにおいては約50ps/kmのDMDが観測された。このように伝搬中でモード結合が生じる光ファイバのインパルス応答幅は、光ファイバのDMDよりも小さくなる。ここで、インパルス応答幅は、パルスのピーク値から所定の比率(たとえば、50%、10%、1%など)パワーが落ちた時間の幅で規定される。
一方、伝搬中でモード結合が生じない光ファイバにおいては、インパルス応答特性は2つのコアに同時にパルスを入れた場合に得られる波形で求まり、図におけるそれぞれのコアを励振した場合の2つの波形を足し合わせたものとなる。その場合、D=40μmの光ファイバでの結果のようにDMD分だけ離れた2つのパルスが観測されることから、インパルス応答幅は、およそ2つのパルスの間隔、つまりDMDの値と同じとなる。
なお、DMDという表現は、通常単一コアで複数の伝搬モードを同一コア内で伝搬可能な数モードファイバにおけるモード間の群遅延差を指すことが多いが、本明細書においては、広義の意味で光ファイバ断面全体において存在するモード間のDMDを指しているため、例えば2コアファイバにおいて、各コアの構造はシングルモード構造であれば、光ファイバ全体として見た時には2モード伝搬していることになり、伝搬するモードが局在するコアが同じであっても異なっていても区別せずに、それらのモード間の群遅延差をその光ファイバのDMDとしている。
図5に、本発明に関連する手法である、周回実験系を構築し、信号を長距離伝搬させることでインパルス応答幅を測定した結果を示す。なお、ここでのインパルス応答幅は、パルスのピーク値の10%の値をとる時間の幅としている。長距離伝搬させることで、D=20,25μmの光ファイバの特性を観測することができるが、周回実験を構築することは経済的ではない。
図6に、波長対透過光特性の測定結果の一例を示す。図6の測定では、図2に記載のモード分散係数測定装置を用い、被測定光ファイバ91としてD=20μmの2コアファイバを透過させ、信号演算部96において波長対透過光特性を測定した。なお、透過光特性とは、シングルモードファイバ92#2からの出射光強度から、シングルモーファイバ92#1への入射光パワーを除算した値である。
光ファイバの伝搬中にモード結合が生じていない場合は、非特許文献7に記載の通り、周期的なパワー変動が観測される。しかし、伝搬中でモードが結合するD=20μmの2コアファイバの場合、図6に示すように、その様な周期的な変動は明確に観測されなかった。
図7に、波長対透過光特性の測定において得られたデータの波長を周波数に変換し、フーリエ変換したものを示す。フーリエ変換することで、横軸の単位は時間となる。D=40μmの2コアファイバを被測定光ファイバ91として用いた場合は725psの周期でパワーが変動するが、D=20,25μmの2コアファイバを被測定光ファイバ91として用いた場合は周期的なパワーの変動はみられない。さらに、D=20,25μmの2コアファイバを被測定光ファイバ91として用いた場合、L71M及びL72Mに示すように、ガウス分布の波形が得られていることがわかる。偏波モード分散では、非特許文献8によると、光ファイバの周波数対透過光特性をフーリエ変換すると、同様にガウス分布になることがわかっている。このため、偏波モード間の結合と同様に、基本モードと高次モードとの結合においても、同様の傾向が得られることが予想される。
そこで、信号演算部96は、図7に示すL71M及びL72Mの波形をガウス分布でフィッティングしてL71F及びL72Fを求める。これにより、信号演算部96は、偏波モード分散係数の算出と同様に、そのガウス分布の標準偏差<Δτ>から、被測定光ファイバ91の分散係数を求めることができる。
なお、同様の手順で求められる偏波モード分散係数は、偏波多重伝送において用いられる受信側の偏波分離に必要なMIMO信号処理の負荷の目安となる重要なパラメータ(単位はps/√km)であり、今回求められた係数は、偏波モード間ではなく、基本・高次モード間つまり空間モード分散係数(SMD係数:Spatial mode dispersion coefficient)となり、モード多重伝送におけるMIMO信号処理負荷の目安となり、単位は同様にps/√kmとなる。
図7に示した測定では図4で示した測定と同じファイバ長を用いており、本発明に関連するインパルス応答評価では観測されなかったD=20,25μmの光ファイバの特性差が観測されており、高精度な測定が可能となっている。なお、本測定における図2に示す波長可変光源94#2は、波長可変幅を10pmとし、波長掃引幅を1450〜1630nmとし、連続的に波長を掃引した。
なお、図2に記載のモード分散係数測定装置の場合、信号演算部96におけるフーリエ変換後の波形の時間分解能は、波長可変光源94#2における波長掃引幅の逆数で求めることができる。例えば、波長掃引幅180nmの条件では、0.01ps以下の時間分解能を実現することができる。なお、図4に示す測定で用いたインパルス応答法では、受信側のオシロスコープの性能が40GS/sであったため、およそ時間分解能は40psとなり、従来技術と比較して時間分解能の大幅な性能向上を実現することができる。このように、本実施形態に係る発明は、時間分解能を改善することができるため、測定精度の向上、又は短尺な光ファイバの試験を行うことができる。また、受光部における周波数分解能の逆数は、取得できる最大遅延時間量となり、本測定では1pmとしていたため、波長1550nmで換算すると最大遅延量は8nsとなる。つまり、被測定光ファイバの空間モード分散量に応じて、周波数分解能を制御すればよい。
結果、D=20,25μmの光ファイバそれぞれで、46ps/√km、38ps/√kmのモード分散係数を得た。一方で、D=40μmの光ファイバにおいては、光ファイバ中でモード変換が生じていない場合に観測される周期的な周波数対透過光特性が得られ、すなわち、そのフーリエ変換波形は、特定の時間にスパイクを有する波形が得られており、非特許文献7に記載の通り、スパイクの発生する時間から、その光ファイバのDMDを算出することができる。
図8に、D=20,25μmの光ファイバにおけるモード分散係数の波長依存性を計算したものを示す。光ファイバのインパルス応答特性を本発明に関連する手法にて評価する場合は、入射する光の波長を適宜変更し、評価する必要がある。一方本実施形態に係る手法では、広帯域光源94#1の波長域を広げるか或いは波長可変光源94#2の波長掃引幅を広げ、一回の測定で広波長域な透過光特性を得て、フーリエ変換する波長を所望の帯域ごとで区切ってデータを処理することで、簡易にモード分散係数の波長依存性を得ることができる。
なお、これまでの測定結果は、被測定光ファイバ91を2コアファイバとした場合に、被測定光ファイバ91の断面中心にシングルモードファイバ92#1及び92#2のコアが接続されるよう入出力端で融着されている。図9に、入出力端の接続条件を変更し、モード分散係数(ps/√km)を測定した結果を示している。「軸ずれ無し」は、シングルモードファイバ92#1及び92#2を2コアファイバの断面における中心にシングルモードファイバ92#1及び92#2のコアを調心して融着した場合である。「コア#1」または「コア#2」とは、シングルモードファイバ92#1及び92#2のコアと2コアファイバのコア11#1またはコア11#2に調心して融着した場合である。図9より、入射側のシングルモードファイバ92#1のコアと、2コアファイバのどちらかのコア11#1及び11#2に調心して接続した場合を含んだどの組み合わせにおいても、測定結果に大きな違いが無いことが確認できる。このため、2コアファイバとシングルモードファイバ92#1及び92#2の接続条件は入出力条件に大きく依存しないことが確認できた。
ただし、本実施形態に係るモード分散係数測定装置においては、本質的には非特許文献7に記載の通り、複数のモードの伝搬に伴う多光路干渉を観測する必要があるため、本実施形態に係るモード分散係数測定装置においても、被測定光ファイバ91の複数のモードを励振し、それらのパワーを受光側で受光する必要がある。つまり、対象とする被測定光ファイバ91が、2コアファイバのようなマルチコアファイバでなく、単一コアの数モードファイバであっても、入出力側で複数のモードを励振・受光することで、同様にモード分散係数を測定することができる。なお、複数のモードを励振・受光する方法としては、例えば、シングルモードファイバと半径方向で軸をずらして接続することで実現できる。
また、本実施形態では、被測定光ファイバ91が2コアファイバである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、被測定光ファイバ91は、3個以上のコアを有するマルチコアファイバであってもよい。この場合、全コアを伝搬するモードに結合するよう、入射側のシングルモードファイバ92#1の接続を調整する。これにより、本実施形態に係るモード分散係数測定装置は、コア数に依存せず、モード分散係数を測定することができる。
本発明は、光伝送システムにおける伝送媒体として利用できる。
11#1、11#2:コア
12:クラッド
91:被測定光ファイバ
92#1、92#2:シングルモードファイバ
93#1、93#2:融着接続点
94#1:広帯域光源
94#2:波長可変光源
95#1:光スペクトルアナライザ
95#2:パワーメータ
96:信号演算部

Claims (4)

  1. ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定装置であって、
    前記被測定光ファイバの入力端に接続される入力側シングルモードファイバと、
    前記被測定光ファイバの出力端に接続される出力側シングルモードファイバと、
    予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射する送信部と、
    前記出力側シングルモードファイバに接続され、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出する受信部と、
    前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する信号演算部と、
    を備え、
    前記被測定光ファイバは、コア領域の屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に複数のコア領域が配置されたマルチコアファイバであり、
    前記複数のコア領域に光が入射されるように、前記被測定光ファイバと前記入力側シングルモードファイバが接続され、
    前記複数のコア領域を導波する光が前記出力側シングルモードファイバの伝搬モードに結合するように、前記被測定光ファイバと前記出力側シングルモードファイバが接続されることを特徴とする、
    モード分散係数測定装置。
  2. ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定装置であって、
    前記被測定光ファイバの入力端に接続される入力側シングルモードファイバと、
    前記被測定光ファイバの出力端に接続される出力側シングルモードファイバと、
    予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射する送信部と、
    前記出力側シングルモードファイバに接続され、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出する受信部と、
    前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する信号演算部と、
    を備え、
    前記被測定光ファイバのインパルス応答広がりが、前記被測定光ファイバのモード間群遅延差より小さいことを特徴とする、
    モード分散係数測定装置。
  3. ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定方法であって、
    前記被測定光ファイバは、コア領域の屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に複数のコア領域が配置されたマルチコアファイバであり、
    前記複数のコア領域に光が入射されるように、前記被測定光ファイバと入力側シングルモードファイバが接続され、
    前記複数のコア領域を導波する光が出力側シングルモードファイバの伝搬モードに結合するように、前記被測定光ファイバと前記出力側シングルモードファイバが接続されており、
    前記被測定光ファイバの入力端が前記入力側シングルモードファイバに接続され、前記被測定光ファイバの出力端が前記出力側シングルモードファイバに接続された状態で、
    前記入力側シングルモードファイバに接続されている送信部が、予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射し、
    前記出力側シングルモードファイバに接続されている受信部が、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出し、
    信号演算部が、前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する、
    モード分散係数測定方法。
  4. ファイバ中に複数のモードが伝搬する被測定光ファイバのモード分散係数を測定するモード分散係数測定方法であって、
    前記被測定光ファイバのインパルス応答広がりが、前記被測定光ファイバのモード間群遅延差より小さく、
    前記被測定光ファイバの入力端が入力側シングルモードファイバに接続され、前記被測定光ファイバの出力端が出力側シングルモードファイバに接続された状態で、
    前記入力側シングルモードファイバに接続されている送信部が、予め定められた波長幅を有する測定光を、前記入力側シングルモードファイバに入射し、
    前記出力側シングルモードファイバに接続されている受信部が、前記入力側シングルモードファイバ、前記被測定光ファイバ及び前記出力側シングルモードファイバを通過した後の前記測定光の透過光スペクトルを検出し、
    信号演算部が、前記受信部の検出した透過光スペクトルをフーリエ変換して時間波形を生成し、前記時間波形をガウス分布で近似して求めた際の標準偏差から、モード分散による分散係数を算出する、
    モード分散係数測定方法。
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