JP6474191B2 - 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド - Google Patents

研磨パッドの製造方法及び研磨パッド Download PDF

Info

Publication number
JP6474191B2
JP6474191B2 JP2013241009A JP2013241009A JP6474191B2 JP 6474191 B2 JP6474191 B2 JP 6474191B2 JP 2013241009 A JP2013241009 A JP 2013241009A JP 2013241009 A JP2013241009 A JP 2013241009A JP 6474191 B2 JP6474191 B2 JP 6474191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polishing pad
groove
sheet
pad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013241009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015100855A (ja
Inventor
祐樹 喜樂
祐樹 喜樂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujibo Holdins Inc
Original Assignee
Fujibo Holdins Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujibo Holdins Inc filed Critical Fujibo Holdins Inc
Priority to JP2013241009A priority Critical patent/JP6474191B2/ja
Publication of JP2015100855A publication Critical patent/JP2015100855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6474191B2 publication Critical patent/JP6474191B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、研磨パッドの製造方法及び研磨パッドに関し、特に、化学的機械的研磨法において用いられる研磨パッド及びその製造方法に関する。
従来から、半導体ウェハや液晶ディスプレイ用基板、フォトマスク用基板、磁気ディスク用基板等の被研磨物の表面を研磨して平坦化する方法として、化学的機械的研磨法(CMP法)が用いられている。CMP法を用いて被研磨物を研磨する際は、研磨パッドを被研磨物に押し当て、両者の間に研磨スラリーを供給しながら研磨パッドと被研磨物とを回転させる。研磨スラリーは、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって、中心側から外側に向かって流れ、最終的には研磨パッドの外部に排出される。
このような研磨パッドを製造する方法として湿式成膜法が知られている。湿式成膜法を用いて研磨シートを製造する場合には、平坦な基材上にジメチルホルムアミド(DMF)を含む、ポリウレタン樹脂溶液を塗布し、ポリウレタン樹脂溶液が塗布された基材を、水を主成分とする凝固液に浸漬させる。そしてポリウレタン樹脂溶液が塗布された基体を凝固液に浸漬させると、先ず、凝固液と接触しているポリウレタン樹脂溶液の表面が凝固してスキン層を形成する。そしてスキン層が形成されると、DMFの浸透圧によりスキン層の皮膜を通して樹脂溶液中のDMFが凝固液中に拡散する。これとほぼ同時に、スキン層の皮膜を通して凝固液が樹脂溶液中に流れ込み、スキン層付近から徐々に樹脂溶液の凝固が始まる。そして樹脂溶液中においてスキン層が疎水場を形成するため、凝固液はスキン層から離れる方向に集まりスキン層から離れた位置での樹脂密度が低くなる一方で、スキン層付近の樹脂密度が高くなる。これにより、樹脂内に、スキン層に対し略垂直に延びる縦長状の空間が形成される。そしてポリウレタン樹脂溶液が塗布された基材を凝固液に浸漬(凝固再生)させ、残留しているポリウレタン樹脂溶液内のDMFの脱溶媒を行う。次いで、乾燥機を用いてウレタン樹脂内に含まれる水分蒸発させることで乾燥を行う。そして樹脂の空間内の水分が蒸発すると、樹脂内に厚み方向に縦長の多数の気泡が形成される。この気泡の形成により、被研磨物を研磨する際、被研磨物に対してクッション性を発揮し、研磨屑による過度の圧力上昇を抑え、スクラッチを抑制することができる。
ところで近年では、研磨スラリーを被研磨物の表面に均等かつ十分に行き渡らせて被研磨物を一様で高精度に平坦化すること、高価な研磨スラリーの消費を抑えること、及びスクラッチの原因となる研磨屑を効率的に排出することを達成するために、研磨パッドの表面に様々な形状の溝を形成して研磨スラリーの流れをコントロールすることが一般的に行われている。そして溝内の研磨スラリーの流れをコントロールすることによって、被研磨物の表面に均等かつ十分に研磨スラリーを行き渡らせたり、研磨スラリーの消費を抑制したり、研磨屑を効率的に研磨面と被研磨物との間から排出したりできるようにしている。このような技術としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特開平8−197434号公報
上述した溝を形成するための技術として、切削工具によって表面に溝を形成させる方法と研磨パッドに熱を加えながら溝と相補的な凸部を有する金型を押し当てるエンボス加工が知られている。切削加工によって溝を形成する場合、厚み方向に縦長の気泡を有する研磨シートを準備し、そのスキン層が形成されている側の面を研磨面とし、研磨面に研削又はスライス処理を施して気泡を開口させる。そして研磨表面に切削工具によって設計された形状で溝を形成させる。エンボス加工によって溝を形成する場合、厚み方向に縦長の気泡を有する研磨シートを準備し、そのスキン層が形成されている側の面を研磨面とし、研磨面に研削又はスライス処理を施して気泡を開口させる。そして加熱した金型を研磨パッドの開口させた研磨面に押し当て、金型と接触している研磨パッドの研磨面を溶融し、金型と相補的な形状に変形させてから再度室温まで冷却させることで研磨パッドの研磨面を変形させて溝を形成させている。
しかしながら湿式成膜法によって作られた研磨シートに対して切削工具を用いて溝を形成する場合、切削工具によって形成された溝内部には、切削屑や切削片が必ず生じ、これが研磨時に放出して、スクラッチなどのディフェクトの原因となっている。一方、エンボス加工を用いて溝を形成する場合、金型が押し当てられた研磨表面の開口は溶着により閉塞や縮径が起きる。これにより溝内の研磨スラリーが排出されやすくなってしまい、研磨に利用されることなく研磨スラリーが排出されてしまう研磨スラリーの浪費という問題が生じたり、閉塞や縮径による高密度化により硬質化・クッション性の低下が生じ、これがスクラッチ発生要因となる恐れがあった。エンボス加工時の加工温度を低下させることで閉塞や縮径は抑制できこれに伴う研磨スラリーの浪費やスクラッチ発生も低減可能であるが、この場合では十分な深さの溝を形成することができず、研磨面に研磨スラリーを行き渡らせる能力に乏しく好ましくなかった。
そこで本発明は、湿式成膜法で作られた研磨パッドに十分な深さの溝を形成した場合においても、溝内部の気泡の開口を維持可能であり、且つ、溝内の硬質化を抑制可能な研磨パッドの製造方法、及び研磨パッドを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、湿式成膜法を用いて作られ、研磨面に溝が形成された研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法により、内部に厚み方向に縦長の多数の気泡を有する研磨シートを形成する工程と、前記研磨シートのスキン層が形成されている側の面を研削又はスライス処理により前記気泡を研磨シートの研磨面に開口させる工程と、開口させた研磨面に、温度上昇を抑制する保護シートを配置する工程と、前記保護シートが配置された面に、所定形状の凸部を有し、加熱された金型を押し当てて溝を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、金型によってエンボス加工を施す前に、研削処理又はスライス処理を施して気泡が開口した面に、温度上昇を抑制するシートを被せることで、エンボス加工時に、研削処理又はスライス処理を施した研磨シートの開口させた研磨面の温度上昇を抑制することができる。そしてこのような保護シートを被せて研磨面の温度上昇を抑制できる状態で、加熱した金型を押し当てることにより、熱加工時に研磨面の温度上昇を抑制することができる。そして研磨面の温度上昇を抑制することにより、開口させた気泡の開口周辺が急激に溶融して、開口が閉塞することを防止することができる。
また、本発明において好ましくは、前記保護シートにおける前記研磨シートに貼り付けられる面には、離型処理が施されている。
このように構成された本発明によれば、金型を押し当てて溝を形成するときに、保護シートが研磨シートに張り付くのを抑制することができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、湿式成膜法により製造され、研磨面に溝が形成された研磨パッドであって、前記研磨パッド内部に厚み方向に縦長の多数気泡を有し、前記溝の表面で、前記気泡が開口しており、その平均開口径が5〜20μmであることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、溝内の開口が形成されたまま維持されているため、溝内に開口由来の凹凸があり、この凹凸により研磨スラリーの浪費を抑制できる。これにより、研磨スラリーが研磨に有効利用される。さらに、本発明では、熱履歴が小さく、溝内の硬質化を抑制することができるため、スクラッチ低減に寄与する。
以上のように本発明によれば、湿式成膜法により製造された研磨パッドに十分な深さの溝を形成した場合においても、溝内部に開口を有し、開口由来の凹凸により研磨スラリーの浪費を抑制できる。これにより、研磨スラリーが研磨に有効利用される。また、溝内の硬質化を抑制することができるため、スクラッチ低減に寄与する。
本発明の実施形態による研磨パッドが適用されている研磨装置を示す断面図である。 本発明の実施形態による研磨パッドの上面図である。 本発明の実施形態による研磨パッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態による研磨パッドの要部を拡大した断面図であり、研磨パッドの製造方法について説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による研磨パッド及びその製造方法について説明する。図1は、本発明の実施形態による研磨パッドが適用されている研磨装置を示す断面図である。
先ず、図1に示すように、研磨装置1は、CMP法により被研磨物3の面を平坦化するものである。研磨装置1は、回転軸周りに回転する研磨定盤5と、研磨定盤5の上面に固定された研磨パッド7と、被研磨物3を保持するための保持定盤9とを備えている。研磨定盤5の一方の面には、研磨パッド7がセットされており、研磨パッド7の上に被研磨物3が配置されている。
このような研磨装置1は、研磨スラリー供給装置11から研磨パッド7の研磨面13に研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤5をシャフト15周りに回転させ、保持定盤9を中心周りに回転させることによって保持定盤9で保持された被研磨物3における研磨パッド7の研磨面13と接触している面を平坦化するようになっている。
研磨定盤5は、金属製であり、円板形状を有している。研磨定盤5の一方の面は、研磨パッド7が貼り付けられる貼付面を構成しており、この貼付面は、実質的に平らである。研磨定盤5は、その中心を通る一本のシャフト15に固定されており、このシャフト15を回転させることによってシャフト15周りに回転する。
保持定盤9は、被研磨物3よりも大きい直径を有し、固い定盤に、例えば軟質プラスチック製の保持パッド17を貼り付けて構成されている。そして研磨時には、保持定盤9から被研磨物3に所定の研磨圧をかける。
また、研磨装置1は、研磨パッド7の研磨面13を目立てするためのドレッサ19を備えている。ドレッサ19は、研磨パッド7の中心に対して保持定盤9とは点対象の位置に配置されており、研磨パッド7の表面の目立てを行う。
図2は、研磨パッドの平面図である。研磨パッド7は、湿式成膜法で形成された発泡ポリウレタン製のものであり、内部に厚み方向に縦長の多数の気泡を有している。また、研磨パッド7は、研磨面13に形成された多数の溝21を備えている。この溝21は、研磨面13を窪ませて形成されており、研磨スラリーを研磨面及び被研磨面上に一様に行き渡らせ、研磨スラリーの循環性を高めて消費を抑制するためのものである。そして溝21は、研磨面13上で格子状に配置されている。なお、本実施形態では、格子状の溝21を有する研磨パッドについて詳述するが、溝21の形状はエンボス加工によって形成できるものであればどのような形状であってもよく、研磨パッド7の中心から放射線状に延びるものや螺旋状に延びるものであってもよい。
図3は、研磨パッドの要部を拡大した断面図である。研磨パッド7の内部には、多数の気泡23が形成されており、研磨面13から垂れ下がる縦長状の気泡を各々有している。そして各気泡23は、スキン層をバフ処理で除去することによって研磨面13、及び溝21の表面に対して開口している。この研磨面の開口が溝側面、および、溝底部にエンボス後も残存するため、溝内の単位面積当たりの気泡の開口数と、研磨面の単位面積当たりの気泡の開口数は同程度となっている。
溝内平均開口径は、5〜20μm程度開口していることが好ましい。5μm以下であれば、研磨スラリーが円滑に流れ出るため、研磨スラリーを浪費してしまう。また、20μm以上であれば、開口径が大きすぎるため、研磨加工で生じた大きな研磨屑を溝内に収容してしまい、研磨加工を継続していくうちに収容していた研磨屑が放出され、スクラッチの要因となる。溝の深さは研磨シート厚みに対し、40%〜60%程度形成されていることが好ましい。40%以下であれば、溝容積が小さく、スラリーを研磨面に均一に行き渡らせる効果に乏しく、反対に60%以上であれば、熱履歴が大きくなり、溝内の硬質化が進むため、スクラッチの要因になる。
また、研磨パッドは、樹脂シートの研磨面と反対面側に、研磨機に研磨パッドを装着するための両面テープ(不図示)が貼り合わされている。両面テープは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムの基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の粘着剤層(不図示)がそれぞれ形成されている。両面テープは、基材の一面側の粘着剤層と樹脂シートとが貼り合わされており、他面側(樹脂シートと反対側)の粘着剤層が剥離紙で覆われている。なお、この両面テープの基材は、研磨パッドの基材を兼ねている。
次に、本実施形態による研磨パッドの製造方法について詳述する。研磨パッド7を製造する場合、まず、湿式成膜法により、平坦な研磨シートを製造する。
湿式成膜法を用いて研磨シートを製造する場合には、平坦な基体上にジメチルホルムアミド(DMF)を含む、粘度が3〜50Pa・sのポリウレタン樹脂溶液を厚さ0.5〜1.5mm程度に塗布する。そしてポリウレタン樹脂溶液が塗布された基体を、水を主成分とする凝固液に浸漬させる。ポリウレタン樹脂溶液が塗布された基体を凝固液に浸漬させると、先ず、凝固液と接触しているポリウレタン樹脂溶液の表面が凝固してスキン層を形成する。そしてスキン層が形成されると、DMFの浸透圧によりスキン層の皮膜を通して樹脂溶液中のDMFが凝固液中に拡散する。これとほぼ同時に、スキン層を通して凝固液が樹脂溶液中に浸透し、スキン層付近から徐々に樹脂溶液の凝固が始まる。そして樹脂溶液中においてスキン層が疎水場を形成するため、凝固液はスキン層から離れる方向に集まりスキン層から離れた位置での樹脂密度が低くなる一方で、スキン層付近の樹脂密度が高くなる。これにより、樹脂内に、スキン層に対し略垂直に延びる縦長の空間が形成される。そしてポリウレタン樹脂溶液が塗布された基材を凝固液に浸漬(凝固再生)させ、残留しているポリウレタン樹脂溶液内のDMFの脱溶媒を行う。次いで、乾燥機を用いてウレタン樹脂内に含まれる水分を蒸発させることで乾燥を行う。そして樹脂の空間内の水分が蒸発すると、樹脂内に多数の厚み方向に縦長の気泡が形成される。これにより、湿式成膜法を用いて、多数の気泡を有する研磨シートを作ることができる。
次いで、研磨シートのスキン層に対してバフ処理を施してスキン層を除去し、スキン層が存在していた面の気泡を開口させる。続いて、開口面とは反対面側に両面テープが貼り合される。このとき、研磨シートの開口面と反対側に、両面テープの一面側の粘着剤層が貼り合わされる。次いで、気泡が開口面に溝21を形成し、円形や角型等の所の形状、サイズに裁断した後、キズや汚れ、異物の付着等がないことを確認する等の検査を行い、研磨パッドを完成させる。
図4は、研磨パッドの要部を拡大した断面図であり、研磨パッドの製造方法について説明するための図である。
溝21を形成する場合、図4に示すように、先ず、溝21を形成すべき面に対して、金型を当てたときに溝21を形成すべき面の温度上昇を抑制するための保護シート25を被せる。このような保護シートとしては、ある程度の熱抵抗があり、加熱したときに研磨パッドと貼りつかず、金型を押し当てた時の衝撃を吸収するクッション性を有する材質のものを用いることが好ましい。なお、保護シートの厚みは10〜300μmが好ましい。また、金型を押し当てたときに保護シートが研磨パッドに張り付かないよう、研磨シートと接触する側の保護シート面は研削加工や離型剤による離型処理がなされていることが好ましい。保護シートの具体例として例えば、軟質ポリウレタンシートが好適であり、軟質ポリウレタンシートの表面をバフ処理により開口させた面を研磨シートと対向させて使用することが好ましい。
次いで、形成すべき溝と相補的な凸状部を有する金型27を準備し、この金型27によって研磨シートを、保護シート25の上から熱圧縮する。研磨シートに対して金型27を押し当てると、研磨シートの表面は、金型27と相補的な形状に陥没する。このとき、金型27と研磨シートとの間に保護シート25を介在させることにより、金型27の熱が研磨シートに緩やかに伝わり、研磨シートの温度上昇が緩やかになる。そしてエンボス加工時に研磨シートの温度上昇を緩やかにすることにより、気泡の開口周辺の樹脂の溶融が阻害され、その気泡形状が崩れることを抑制することができる。気泡の開口周辺の樹脂の形が崩れないようにエンボス加工を施すことにより、エンボス加工で形成された溝内の気泡の開口を維持したまま、溝21を形成することができる。
このように、溝21の表面において、気泡が開口している研磨パッド7を用いることにより、溝内に開口由来の凹凸があり、この凹凸により研磨スラリーの浪費を抑制できる。これにより、研磨スラリーが研磨に有効利用される。さらに、本発明では、熱履歴が小さく、溝内の硬質化を抑制することができるため、スクラッチ低減に寄与する。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、マトリックス樹脂となる原料樹脂である100%モジュラスが8.5MPaであるエステル系ポリウレタン樹脂の30%DMF溶液100質量部に対して、粘度調整用のDMF60質量部、顔料であるカーボンブラックを15質量%含むDMF分散液を16質量部、混合撹拌し、樹脂溶液を調製した。次に、基材として、PETフィルムを用意し、そこに、上記樹脂溶液を、ナイフコータを用いて塗布し、厚さ1.0mmの塗膜を得た。
次いで、得られた塗膜を基材と共に、凝固液である水からなる凝固浴に浸漬し、樹脂を凝固再生して前駆体シートを得た。前駆体シートを凝固浴から取り出し、前駆体シートを水からなる室温の洗浄液(脱溶剤浴)に浸漬し、溶媒であるDMFを除去して樹脂シートを得た。その後、樹脂シートの表面(基材に接触していなかった面)に対してバフ処理を施して、0.8mmの厚さとした。得られた厚さ0.8mmの樹脂シートとPET製の基材を有する両面テープとを貼り合わせた。
次に、樹脂シートのバフ処理を施した面に、保護シートを被せた。保護シートには、バフ処理により表面を開口させた軟質ポリウレタンシート(厚み:20μm)を使用し、開口面を研磨シートと対向させるよう被せた。次いで、この積層体に加工圧力4.5MPa、加工温度145℃、加工時間60秒にてエンボス加工を行った。エンボス加工後、積層体から保護シートを剥離させることで、研磨パッドを得た。
(平均開口径の測定)
得られた研磨パッドの開口径を測定した。測定方法は、まず光学顕微鏡「KEYENCE社製、VHX-550」で研磨パッドの溝内表面及び研磨面を倍率100倍にて撮影した。続いて、撮影画像を画像処理ソフト「ナノシステム株式会社製、NanoHunter NS2K−Pro」に取り込み、二値化処理し、濃淡のある画像を得た。濃淡のある画像に対し、孔を示す部分(この場合濃部)を開口部とし、開口部の濃度範囲(閾値)を、開口と認識できるものを捉えられるように設定した。続いて開口部を積算することにより、開口部面積を求め、開口部面積から円相当径及びその平均値(平均開口径)を算出した。
(厚み及び溝深さの測定)
続いて研磨パッドの厚み及び溝深さを測定した。測定方法は、まず光学顕微鏡「KEYENCE社製、VHX-550」を用い研磨パッドの断面を倍率100倍にて撮影した。続いて、撮影画像を画像処理ソフト「ナノシステム株式会社製、NanoHunter NS2K−Pro」に取り込み、厚み、溝深さを2線間距離計測処理により計測した。なお、厚みは研磨加工に直接寄与する研磨面部分の樹脂シートの厚みについて、無作為に選んだ3点について計測し、その相加平均を本発明品の厚みとした。溝深さも同様に無作為に選んだ溝部の樹脂シートの厚みを3点計測しその相加平均と研磨面部分の厚みとの差より溝深さを求めた。
(研磨試験)
上記研磨パッドを用いて研磨試験を行い、研磨均一性、及び、ディフェクトの有無について評価を行った。研磨条件は下記のとおりとした。被研磨物としては、12インチのシリコンウエハ上にテトラエトキシシランをCVDで絶縁膜を1μmの厚さになるように形成した基板(均一性(CV%)が13%)を用いた。
(研磨条件)
・使用研磨機:株式会社荏原製作所社製、商品名「F−REX300」
・研磨ヘッド:株式会社荏原製作所社製、型番「GII」
・研磨スラリー:Planar社製、型番「ER8176C」、2倍希釈、過酸化水素濃度0.8質量%
・研磨パッド径:740mmφ
・ドレッサ:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
・パッド・ブレークイン条件:9N×30分、ドレッサ回転数54rpm、定盤回転数80rpm、超純水供給量200mL/分
・コンディショニング:Ex−situ、30N,4スキャン、16秒
・研磨条件:定盤回転数70rpm、研磨ヘッド回転数71rpm、研磨スラリー流量200mL/分、研磨時間1分間(1枚のウエハ当たり)、研磨圧2.5psi(1.7×104Pa)
(研磨均一性)
被研磨の研磨均一性は、研磨加工前後の基板の絶縁膜について各々121箇所の厚み測定結果から求めた(厚さ)のバラツキ(標準偏差÷平均値)(%)により評価した。
なお、厚み測定は、光学式膜厚膜室測定器(KLAテンコール社製、ASES−F5x)のDBSモードにて測定した。厚さバラツキが3%未満であった場合を「○」とし、反対に3%以上確認された場合を「×」と評価した。
(スクラッチ)
スクラッチについては、25枚の基板を繰り返し3回順次研磨し、研磨加工後の21〜25枚目の基板5枚について、パターンなしウェハ表面検査装置(KLAテンコール)社製、Surfscan SP1DL)の高感度測定モードにて測定し、基板表面におけるスクラッチの数を観察した。観察の結果、スクラッチが50個未満のものしか確認されなかった場合を「○」とし、50個以上確認された場合を「×」と評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006474191
(実施例2)
加工時間を120秒に変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを得た。得られた研磨パッドについて、実施例1と同様にして、各種測定および研磨試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
保護シートを用いなかった以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを得た。得られた研磨パッドについて、実施例1と同様にして、各種測定および研磨試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
保持シートを用いなかった以外は実施例2と同様の方法で研磨パッドを得た。得られた研磨パッドについて、実施例1と同様にして、各種測定および研磨試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例3)
加工温度を60度に変更した以外は比較例2と同様の方法で研磨パッドを得た。得られた研磨パッドについて、実施例1と同様にして、各種測定および研磨試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例4)
加工温度を100度に変更した以外は比較例2と同様の方法で研磨パッドを得た。得られた研磨パッドについて、実施例1と同様にして、各種測定および研磨試験を行った。以上の結果を表1に示す。
(結果)
表に示す通り、保護シートを用いてエンボス加工を行った実施例1および実施例2においては、研磨均一性およびスクラッチの結果が共に良好であった。これに対して、保護シートを用いないでエンボス加工を行った比較例1、2では、研磨均一性およびスクラッチのいずれも良好な結果が得られなかった。研磨均一性悪化の理由は、溝内の開口が非常に小さく溝内が平滑であるため、研磨時に研磨スラリーが排出されやすく、研磨面全体に十分な研磨スラリーが不足してしまったためと考えられる。他方のスクラッチ発生の原因は、保護シートを用いなかったため、研磨面に直接金型から熱が加わり、研磨面が溶融し、溝内の硬質化が進行したためであると考えられる。保護シートを用いず、実施例2よりも低温でエンボス加工を行った比較例3、4では、研磨均一性が悪化した。低温では溝を深く形成することが出来なかったため、研磨スラリーを研磨面全域に行き渡らせる能力が低くかったためと考えられる。
1 研磨装置
3 被研磨物
7 研磨パッド
13 研磨面
21 溝
23 気泡
25 保護シート

Claims (3)

  1. 湿式成膜法により製造され、研磨面に溝が形成された研磨パッドの製造方法であって、
    湿式成膜法により、内部に厚み方向に縦長の多数の気泡を有する研磨シートを形成する工程と、
    前記研磨シートのスキン層が形成されている側の面を研磨面とし、前記研磨面側を研削又はスライス処理して前記気泡を開口させる工程と、
    開口させた研磨面に、クッション性を有し、かつ温度上昇を抑制する、バフ処理により開口させられた面を有する質ポリウレタン製の保護シートを、前記バフ処理により開口させられた面を前記研磨面に対向させて配置する工程と、
    前記保護シートが配置された面に、所定形状の凸部を有し、加熱された金型を押し当てて溝を形成する工程と、を備える、
    ことを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. 湿式成膜法により製造され、研磨面に溝が形成された研磨パッドであって、
    前記研磨パッド内部に厚み方向に縦長の多数の気泡を有し、前記溝の表面に開口を有し、その平均開口径が5μm〜20μmである、
    ことを特徴とする研磨パッド。
  3. 前記溝深さが研磨シートの厚みに対して40%〜60%の範囲である、
    請求項2に記載の研磨パッド。
JP2013241009A 2013-11-21 2013-11-21 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド Active JP6474191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013241009A JP6474191B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013241009A JP6474191B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015100855A JP2015100855A (ja) 2015-06-04
JP6474191B2 true JP6474191B2 (ja) 2019-02-27

Family

ID=53377025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013241009A Active JP6474191B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6474191B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10259099B2 (en) * 2016-08-04 2019-04-16 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Tapering method for poromeric polishing pad
US10688621B2 (en) * 2016-08-04 2020-06-23 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Low-defect-porous polishing pad
US9925637B2 (en) * 2016-08-04 2018-03-27 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Tapered poromeric polishing pad
JP6859056B2 (ja) * 2016-09-27 2021-04-14 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド及びその製造方法
JP7493315B2 (ja) * 2019-09-04 2024-05-31 富士紡ホールディングス株式会社 クリーニングシート及びそれを用いたクリーニング方法
JP7471064B2 (ja) * 2019-09-04 2024-04-19 富士紡ホールディングス株式会社 クリーニングシート及びそれを用いたクリーニング方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291057A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Mitsubishi Chemicals Corp 離型フィルム
JP2009113204A (ja) * 2007-11-01 2009-05-28 Seiko Epson Corp ラインヘッドの制御方法および該ラインヘッドを用いた画像形成装置
JP5753677B2 (ja) * 2010-11-05 2015-07-22 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法
JP5896753B2 (ja) * 2012-01-18 2016-03-30 倉敷紡績株式会社 離型フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015100855A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6474191B2 (ja) 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド
US10201886B2 (en) Polishing pad and method for manufacturing the same
US8011999B2 (en) Polishing pad, method for manufacturing the polishing pad
KR101999418B1 (ko) 연마 패드 및 연마 패드의 제조 방법
US11691243B2 (en) Method of using polishing pad
JP4445383B2 (ja) 頑丈な密封された縁を有するサブパッド
JP5753677B2 (ja) 研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法
JP5917236B2 (ja) 研磨パッド用シート及びその製造方法、研磨パッド及びその製造方法、並びに研磨方法
TWI600498B (zh) 硏磨墊及硏磨墊的製造方法
JP5822159B2 (ja) 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法
JP4997859B2 (ja) バッキングパッド並びにワークの研磨装置及びワークの研磨方法
JPWO2015037606A1 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP5923368B2 (ja) 研磨パッド用シート及びその製造方法、研磨パッド及びその製造方法、並びに研磨方法
JP2007319980A (ja) 研磨パッド
JP2011073085A (ja) 研磨パッド
JP6859056B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP6268432B2 (ja) 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法
JP7212242B2 (ja) 被研磨物の保持具
JP6818489B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
KR20170038434A (ko) 화학 기계적 기판 연마장치
JP6838915B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP2013139082A (ja) 保持パッド
JP4456335B2 (ja) 研磨装置
JP2004122291A (ja) 基板研磨方法
WO2001096065A1 (fr) Procede de polissage de pieces

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161003

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171005

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180222

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180307

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6474191

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250