JP6473678B2 - 荷室仕切り構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の後部に設けられる荷室の仕切り構造に関し、特に、荷室に配設されるデッキボードやパッケージトレイ等の内装部品によって荷室空間を仕切る荷室仕切り構造に関する。
車両の荷室のフロア下にはスペアタイヤや工具等を収容可能な収納凹部が設けられる。この収納凹部の開口には、通常、デッキボードやトランクボード、ラゲージボード、トランクトリム等と呼ばれるボード部材が配設され、収納凹部の開口を開閉可能に覆うともに、荷室のフロア面を平坦にしてこのボード部材の上にも荷物を載置可能としている。また、荷室フロアの上方にも荷室空間を上下に仕切るパッケージトレイやトノボードと呼ばれるボード部材を配設して荷室フロア面に載置された荷物を遮蔽し、車外からの荷室内部の視認性を低下させ、これにより外観見栄えを確保するとともに防犯機能を付加することが行われている。このような仕切り構造を備えた荷室に収納した荷物や工具、スペアタイヤ等を、バックドアを開けて車外から出し入れしようとすると、デッキボードやパッケージトレイなどのボード部材の後端を片手で持ち上げた状態でもう一方の手で出し入れするか、これらのボード部材を取り外して車外に取り出してから荷物等の出し入れを行う必要があり、利便性に課題を有していた。
このような課題を解決するための構造として、フックにストラップや紐を組み合わせたものなどを構成部品としてボード部材に付加したものが知られている。この構造では、ボード部材の後端を持ち上げて前端を回動軸としてボード部材を回動させ、シートバック等に設けられている係止部材にフック等を引っ掛けることにより、後端が持ち上げられた状態でボード部材が固定保持され、ユーザーが収納凹部や荷室にアクセスできる開口が確保される。
例えば特許文献1には、デッキボードを把持するためのハンドルに対しヒンジ開閉可能であってフック部を有する蓋部を設けた荷室仕切り構造が開示されている。この荷物仕切り構造では、デッキボードを持ち上げた状態でハンドルのフック部を車体側(例えばシートバック裏側)に設けられた凹部に引っ掛けることによって、持ち上げられた状態にデッキボードが保持され、ユーザーはその両手を用いて荷物の出し入れをできるようになる。
特許文献2には、第1係止部と第2係止部とを有するフック装置を荷室の内壁部に配設した荷室構造が開示されている。フック装置のこれらの係止部は、荷室の内壁部に収納された状態から回動させることにより、荷室に露出した使用状態とすることができる。この荷室構造では、使用状態において、第1係止部にボード部材を載置することによって荷室を上下に仕切ることが可能になるとともに、第2係止部に対し、ボード部材上に載置した荷物を固定するためのロープやネットを係止固定することができる。また荷室内において荷室フロアからの高さが異なる位置のそれぞれにフック装置を設けることによって、ボード部材の位置を2段階で切り替えることができる。
特開2014−162288号公報 特許第4857908号明細書
特許文献1に記載された荷室仕切り構造では、ボード把持用のハンドルにおいてフック部という新たな構成部品が必要となるため、コストが増加するとともに、ユーザーにとってはハンドルからフック部を回動させて露出させるなどの煩わしい操作が必要となり、利便性においても依然として課題を有している。また特許文献2に示した荷室構造では、ボード部材の高さを2段階で切り替えることはできるが、ボード部材の下側に収納された荷物の出し入れを行うためには、依然としてボード部材の後端を持ち上げて車両後方に開口するように保持する必要があり、荷物の出し入れに対して十分な考慮がなされているとはいえない。
本発明の目的は、コストを増加させることなく、荷室内や荷室の収納凹部内に収納された物品の出し入れを容易に行うことができる荷室仕切り構造を提供することにある。
本発明の荷室仕切り構造は、車両の荷室に略水平にボード部材を載置してなる第一の仕切り位置と、ボード部材の一端を軸として他端を上方に回動させることにより切り替えることが可能な第二の仕切り位置と、からなる荷室仕切り構造において、ボード部材は、本体部と、本体部に対して折り曲げ可能に接続する少なくとも1つの張出部と、を有し、第二の仕切り位置では、荷室の側壁に設けられている係合具に対し、本体部に対して張出部が折れ曲がった状態で張出部を係合部に係合させることによりボード部材の端部を係合させ、ボード部材を第二の仕切り位置に保持させることを特徴とする。
本発明では、例えば荷物袋等を吊り下げる目的で既に荷室内に配設されているフック等の係合具に対してボード部材を係合させ、ボード部材の他端側が持ち上った状態に保持できるため、新たな構成部品を付加する必要なく、物品の出し入れを容易に行うことができるようになる。
本発明の実施の一形態の荷室仕切り構造において、ボード部材が第一の仕切り位置にある状態での荷室を車両の一部を切り欠いて示した要部斜視図である。 ボード部材を示す平面図である。 ボード部材を持ち上げた状態での荷室を車両の一部を切り欠いて示した要部斜視図である。 ボード部材が係合具に係合して第二の仕切り位置にある状態での荷室を車両の一部を切り欠いて示した要部斜視図である。 ボード部材が第二の仕切り位置にあるときに収納ボックスを取り出そうとする状態を示す要部斜視図である。 荷室側壁に配設されているフックを示す図であって、(a)はフックの本体部を荷室内に突出させた使用状態を示す要部斜視図であり、(b)は収納状態を示す要部斜視図である。 ボード部材とフックとの係合状態を拡大して示した斜視図である。 ボード部材の本体部と張出部との接続部分となるヒンジ部を示す側面図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の一形態の荷室仕切り構造が適用される車両の荷室を示している。
本実施形態において荷室1は、車両において、リヤシート2とバックドア(不図示)との間に設けられている。荷室1の側壁は、左右一対のラゲージサイドトリム3によって被覆されており、荷室1内に車体パネルが露出することがなく、意匠性が確保されている。
荷室1の下部には収納凹部4(図5参照)が形成されており、収納凹部4には、スペアタイヤ5および収納ボックス6等が収納されている。収納ボックス6は、例えば工具等を格納するために設けられるものである。収納凹部4は、荷室1のフロア面に開口している。板状のボード部材10は、デッキボードあるいはトランクボードとして荷室1のフロア面に形成された収納凹部4の開口を開閉可能に覆う機能を担っており、通常、荷室1のフロア面の全面または一部を覆うように、フロア面の形状に合わせて形成されてフロア面上に略水平に載置されている。なお以下の説明において、ボード部材10の前側あるいは前端とは、そのボード部材10を荷室1に略水平に載置した状態で車両の前方側に配置される部分あるいは端部をいい、後側あるいは後端とは、フロア面に載置した状態で車両の後方側に配置される部分あるいは端部をいう。同様にして、ボード部材10の左側および右側は、それぞれ、フロア面に載置した状態で車両の左側あるいは右側に配置される部分をいう。
本発明に基づく荷室仕切り構造は、基本的には、荷室1内に略水平にボード部材10を載置してなる第一の仕切り位置と、ボード部材の一端を軸として他端を回動させることにより切り替えることが可能な第二の仕切り位置と、からなる荷室仕切り構造において、第二の仕切り位置では、荷室1の側壁に設けられている係合具に対し、ボード部材10の端部を係合させることにより、ボード部材10を第二の仕切り位置に保持させようとするものである。以下、本実施形態での荷室仕切り構造をさらに詳しく説明する。
ボード部材10の基材は、所要の剛性を有するように平板状に形成されることによって、収納凹部4の開口を閉鎖するともともに荷室1のフロア面を平坦にしてボード部材1上に荷物を載置できるようにしている。ボード部材10の基材の表面は表皮材によって被覆されており、これによってボード部材10には内装材として好適な意匠が付加されるとともに良好な触感が付加されており、基材の成形時にバリ等が発生しても危害性が発生するおそれが軽減されている。
ボード部材10の表面(荷室1のフロア面に載置したときに上側となる面)には、ボード部材10の後端に近い位置に把持部10aが設けられている。ユーザーは、車外からバックドアを開けて把持部10aをつかんで持ち上げることによって、収納凹部4にアクセスすることになる。把持部10aは、ポリカーボネート(PC)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形することによって形成されている。ボード部材10の裏面には緩衝材10e(図3参照)が貼着されており、ボード部材10を支持するとともにクッション性を付与している。本実施形態においてボード部材10の基材としては、目付1200g/m2のポリプロピレン(PP)ハニカム材を使用し、表皮材としては目付40g/m2のスパンボンド不織布を使用している。ハニカム材は、表側ライナーと裏側ライナーの間に複数の立壁を形成することにより中空コアを有する基材であって、所要の強度を備えるとともに軽量であるため、車両用の内装材として多用されている。ボード部材10を構成するハニカム材としては、比較的低い温度で加工することが可能であり、耐久性にも優れているという理由で、熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンが好適に用いられる。なおここではボード部材10の基材としてハニカム材を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂をブロー成形して得られる中空基材を用いてもよいし、段ボール基材や、段ボール基材に熱硬化性樹脂を含浸発泡させてなる基材を用いることもできる。
ボード部材10は、図1および図2に示すように、本体部10bと、本体部10bより車両の前端側に位置し本体部10bに対してヒンジ部11cを介して連結されている前側張出部10c,10c′と、本体部10bに対して車両の幅方向両側に位置して本体部10bに対してそれぞれヒンジ部11d,11d′を介して連結されている右側張出部10dおよび左側張出部10d′と、からなっている。各張出部10c,10c′,10d,10d′は、対応するヒンジ部11c,11d,11d′を介して、本体部10bに対して回動可能である。ヒンジ部11c,11d,11d′は、例えば、基材の成形時に薄肉に圧潰成形することによって直線の折り目状に形成してもよい。あるいは、ヒンジ部11c,11d,11d′にあたる線状の位置では基材を設けずに表皮材のみで連結する表皮ヒンジとしてもよく、別体のヒンジ部品あるいは蝶番を用いて複数のボード材を連結してボード部材10を形成してもよい。
前側張出部10c,10c′は荷室1のフロア面にボード部材10を載置したときにリヤシート2の荷室側背面の下部に当接する部分である。前側張出部10c,10c′の裏面側にはばね部材(不図示)が設けられており、ヒンジ部11cを軸に前側張出部10c,10c′を上方に回動させたときに本体部10bと同一平面上の位置へと戻る方向に前側張出部10c,10c′を付勢している。これにより前側張出部10c,10c′は、リヤシート2の背面に干渉するように配置されることとなり、リヤシート2のリクライニングに追従して前側張出部10c,10c′が自動的に回動し、ボード部材10とリヤシート2の間に隙間が発生することが防止される。また、リヤシート2を前方に倒したときにはリヤシートの背面とボード部材10の本体部10bとの間に前側張出部10c,10c′が架け渡されることとなり、広範囲で平坦なフロア面を有する収納空間とすることが可能になる。
本体部10bと右側張出部10dおよび左側張出部10d′との間に形成されるヒンジ部11d,11d’は、車輌の前後方向に対して後方に向かうにしたがって次第に互いの間隔が狭くなるような逆「ハ」の字型となるように設定されている。右側張出部10dおよび左側張出部10d′についてはばねなどの付勢部材は設けられていないので、ユーザーが把持部10aをつかんでボード部材10を持ち上げたときに、右側張出部10dおよび左側張出部10d′は、自重によってヒンジ部11d,11d′を起点に下方に折れ曲がる。すなわちボード部材10において、右側張出部10dおよび左側張出部10d′が、それぞれ、ヒンジ部11d,11d′を軸として回動することになる。通常、車両の荷室1は、そのフロア面から上方に向かうにつれて横幅が狭くなるような形状となっているが、このように右側張出部10dおよび左側張出部10d′が回動することにより、右側張出部10dおよび左側張出部10d′がラゲージサイドトリム3に干渉することなく、荷室1においてラゲージサイドトリム3よりも高い位置までボード部材10を持ち上げることができるようになる。その結果、持ち上げられたボード部材10と荷室1のフロア面との間に、バックドア側に大きく開口した荷物出し入れ口が形成される。大きな荷物出し入れ口が形成されるので、本実施形態によれば、荷物の出し入れがより一層容易になり、利便性が向上する。
ここでは、ボード部材10において本体部10bと右側張出部10dおよび左側張出部10d′との間に形成されるヒンジ部11d,11d′は、本体部10bの後端から本体部10bの側部において前後方向での中間位置まで、上述したように逆「ハ」の字形となるように斜めに形成されているが、ヒンジ部11d,11d′の形成方向はこれに限られるものではなく、例えば、車両の前後方向に対して平行となるように形成されていてもよい。
荷室1においてラゲージサイドトリム3には、少なくとも一つのフック7が設けられている。フック7は、ビニール製の買い物袋や荷物袋などを吊り下げる用途で設けられているものであり、通称「コンビニフック」などと呼ばれている。本実施形態においてフック7は、本体部とこの本体部を収容するハウジングとからなり、本体部はハウジングに対して回動可能に軸支されている。図6に示すように、フック7は、使用時において本体部が突出した状態(図6(a))と非使用時の格納状態(図6(b))との間で手動で切替可能とされている。フック7の本体部には、鉤状の係止部7aが突出形成された係止面と、平面状の非係止面とを有しており、本体部を回動させることによって、これらの係止面と非係止面とを切り替えることができる。すなわち、係止面が荷室1に露出した状態が使用時(図6(a))であり、非係止面が露出した状態が格納状態(図6(b))となる。格納状態すなわち非使用状態における非係止面には、係止突起が設けられており、使用状態と格納状態とを手動で切り替える際の操作性が高められている。
係止部7aは鉤状の形状とされているので、これに買い物袋などを架けたときには、買い物袋が転がったりすることが防止されるので、荷室1のフロア上に買い物袋を載置した場合のように車両走行中の振動などによって買い物袋内の物品が飛び出して散乱するようなことは起こらなくなる。また、非使用時には格納状態とすることでフック7の非係止面がラゲージサイドトリム3の表面と略同一平面上に位置するようになるため、荷室1内の外観見栄えを損なうことがなくなり、好ましい。本実施形態ではフック7は、最大で4kgまでの耐荷重を備えるように設計されている。
このようなフック7を設けるために、ラゲージサイドトリム3には、フック7を取り付けるための開口が設けられていて、フック7の係止部7aがこの開口から荷室1内に突出するように、フック7はラゲージサイドトリム3の裏面側から取り付けられる。フック7のハウジングには取り付け用の延出部が形成されており、延出部に形成された孔部を介してビス等の締結具で締結固定することにより、フック7がラゲージサイドトリム3に取り付け固定されている。またフック7のハウジングには、別体のクリップが係止固定されており、このクリップを車体パネルの孔部に嵌合することによって、車体パネルに対してもラゲージサイドトリム3が固定されている。
ここで示した例では、フック7の使用状態と非使用状態の切り替えは手動で行うものとしたが、フック7にばねを内蔵させたりカム機構を採用したりすることによって、非使用状態で非係止面を押し込むとロックが解除されて自動的に係止部7aが荷室1内に突出するようにしてもよいし、常に係止部7aが突出する方向にばねで付勢するようにしてもよい。また、係止部7aのみからなるフックをラゲージサイドトリム3の表面に固定した被格納式の簡易構造のフックを採用してもよい。
本実施形態では、上述したフック7は、以下に述べるように、第二の仕切り位置にボード部材10を保持するための係合具としても使用される。フック7は、ボード部材10の把持部10aを把持して持ち上げてボード部材10の前端を軸として回動させたときに、右側張出部10dおよび左側張出部10d′の少なくとも一方の端部の回動軌跡上に配置されている。好ましくは、少なくとも二つのフック7を設け、一方は右側張出部10dの端部の回動軌跡上となるように荷室1において車両の右側となるラゲージサイドトリム3に配置し、他方は左側張出部10d′の端部の回動軌跡上となるように荷室1において車両の左側となるラゲージサイドトリム3に配置する。以下の説明では、車両の左右両側のラゲージサイドトリム3のそれぞれにフック7が設けられているものとする。
このようにフック7を配置することにより、把持部10aを把持して前側のヒンジ部
11cを軸としてボード部材10を回動させてボード部材10の後方を持ち上げ、図3に示すように、フック7が配設されている位置よりも高い位置まで持ち上げてから、そのまま下方へボード部材10を降ろすのみで、右側張出部10dおよび左側張出部10d′がフック7との係合位置に自動的に誘導されてフック7に係合し、ボード部材10を保持できるようになる。したがって、ボード部材10が荷室のフロア面1に接してこれを覆っている状態である図1に示す第一の仕切り位置から、ボード部材10が持ち上がって荷物の出し入れ口が開口する状態である図4に示す第二の仕切り位置へと、容易に切り替え操作を行えるようになる。図5は、ボード部材10を第二の仕切り位置へと切り替えたのちに、さらに、荷室1のフロア面に設けられている収納凹部4に収納されている収納ボックス6を上方に持ち上げて取り出そうとしているところを示している。なお、ボード部材10では本体部10bに対して右側張出部10dおよび左側張出部10d′がヒンジ部11dおよび11d′により回動可能に形成されているので、本体部10bを持ち上げる際に右側張出部10dおよび左側張出部10d′がフック7に干渉しても、右側張出部10dおよび左側張出部10d′のたわみなどによって、フック7を容易に乗り越えられる。
荷室1内のコンビニフックは既存の装備品であるから、以上説明した本実施形態による荷室仕切り構造とすることで、従来のようにボード部材を持ち上げた状態で固定保持するためにストラップや紐にフックを組み合わせた構成部品をボード部材に付加する必要がなく、また、荷室1の側壁(ラゲージサイドトリム3)にも新たな構成部品を設けることなく、荷室1のフロアに載置された第一の仕切り位置から車両後方に開口させた第二の仕切り位置へのボード部材10の切替構造を成立させることができる。第二の仕切り位置においてボード部材10を荷物吊下げ用のフック7に係合保持させるので、ユーザーは、ボード部材10を片手で保持する必要がなくなり、両手で収納ボックス6やスペアタイヤ5を車外に取り出すことができるようになり、利便性が格段に向上する。
上記の説明では、フック7は、車両の左右両側に位置するラゲージサイドトリム3のそれぞれに1か所ずつ設けられているが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、フック7は、車両の左右両側に位置するラゲージサイドトリム3のそれぞれに2か所以上、荷室フロア面からの高さを変えてフック7を設けることにより、ボード部材10を複数段階で支持することができるようになって、利便性がさらに向上する。
本実施形態の荷室仕切り構造では、右側張出部10dと左側張出部10d′が本体部10bから折れ曲がった状態でフック7に係合し保持されるので、フック7の設置位置よりもボード部材10の後端の位置が高くなり、車両の上下方向で見た開口の大きくなって開口面積も大きくなり、荷室1内、特に収納凹部4へのアクセス性が高められている。さらに本実施形態では、ボード部材10の本体部10bと右側張出部10dの間のヒンジ部11dと、本体部10bと左側張出部10d′との間のヒンジ部11d′が、ボード部材10の後方に近づくほど相互に接近するように、車両の前後方向に対して斜めになるように形成されているので、収納凹部4にアクセスするための開口の中央高さがさらに大きくなる。ヒンジ部11d,11d′が延びる方向と車両の前後方向とがなす角は、25°以下であることが好ましく、18°以下であることがより好ましい。この角が25°以下であれば、フック7に対して右側張出部10dおよび左側張出部10d′を容易に係合させることができるが。角が25°を超えると係合させることが難しくなる。本実施形態において示した例では、ヒンジ部11d,11d′が延びる方向と車両の前後方向とがなす角はそれぞれ14°に設定されている。なお、角度を0°とした場合、すなわちヒンジ部11d,11d′の延びる方向が車両の前後方向と一致している場合には、収納凹部4へアクセスするための開口の中央高さを大きくすることができないが、フック7に確実に引っ掛けて係合させるという点では有利である。
ここで、ヒンジ部11d,11d′を介して右側張出部10dおよび左側張出部10d´が本体部10bからどれだけの角度で回動するかを考える。本体部10bに対する右側張出部10dおよび左側張出部10d´の回動の角度をαとする。図8は、ヒンジ部11d,11d′を説明するための拡大図である。回動角度αは、図8から分かるように、ヒンジ部11d,11d′における連結部の長さaと対向する側壁間の角度θによって決まる。ここで対向する側壁とは、その一方が本体部10bを構成する基材の端面であり、他方が右側張出部10dあるいは左側張出部10d′を構成する基材の端面である。第二の仕切り位置において、フック7と係合した状態における本体部10bと右側張出部10dおよび左側張出部10d´との角度まで、あるいは、この角度よりも若干小さい角度まで自重により回動するように、各ヒンジ部11d,11d′における連結部の長さaおよび側壁間の角度θを設定することが好ましい。
右側張出部10dまたは左側張出部10d´の自重による回動角度αが、フック7との係合に適した角度よりも大きくなると、ボード部材10の後方側をフック7よりも上方に持ち上げて下方へ降ろした際に、右側張出部10dまたは左側張出部10d´が干渉せず、そのため自動的に右側張出部10dまたは左側張出部10d´をフック7に係合させることができなくなる。これは、ボード部材10の持ち上げてから降ろすというユーザーによる単一のアクションによっては右側張出部10dおよび左側張出部10d´をフック7に係合させることができなくなることを意味し、操作性が著しく悪化する。一方、回動角度αが小さすぎてもヒンジ部11d,11d′で右側張出部10dおよび左側張出部10d′が十分に折れ曲がらすにラゲージサイドトリム3自体と干渉してしまい、ボード部材10のしなりを考慮したとしてもフック7と係合させることはできなくなる。右側張出部10dおよび左側張出部10d′の自重による回動角度αは、フック7との係合位置における角度をXとすると、X−10°≦α≦Xの範囲であることが好ましく、X−5°≦α≦Xの範囲であることがより好ましい。ヒンジ部11dおよび11d′が回動の軸となるので、角度Xは、回動の軸に垂直であってフック7を含む平面を考えたときに、この平面においてこの回動の軸を挟んで本体部10bとフック7とがなす角度である。このように回動角度αを設定することにより、右側張出部10dおよび左側張出部10d′が確実にフック7へとガイドされて係合するようになり、操作性がより一層向上する。本実施形態では、ヒンジ部11d,11d′における連結部の長さaを1mmとし、側壁間の角度θを45°とすることにより、右側ヒンジ部10dおよび左側ヒンジ部10d´の自重による回動角度αが約58°となるようにしている。
右側ヒンジ部10dおよび左側ヒンジ部10d´のフック7と係合する部分は、ボード部材10が折れ曲がっておらずに平面状態にあるときに、右側ヒンジ部10dおよび左側ヒンジ部10d´において車両幅方向(左右方向)に突出している突出端部10f,10f´(図2参照)である。すなわち、車両幅方向での最先端部分である突出端部10f,10f´をフック7への係合部としないと、この10f,10f´が他の部位よりも先にデッキサイドトリム3に当接するので、右側張出部10dおよび左側張出部10d′自体をフック7に係止させることができなくなり、また、デッキサイドトリム3に傷付きが発生するなどの不具合のおそれもある。図7は、右側張出部10dがその突出端部10fがフック7に引っ掛かって保持されている状態を示している。
本実施形態による荷室仕切り構造では、上記のように、ボード部材10の本体部10bの後方側を持ち上げるだけで、その右と左の両側に設けた右側張出部10dおよび左側張出部10d´がそれぞれヒンジ部11d,11d′を起点として自重により折れ曲がり、自動的に回動する。そして、この折れ曲がった状態のままボード部材10の本体部10bを下方へ降ろすことにより、右側ヒンジ部10dおよび左側ヒンジ部10d´の端部(突出端部10f,10f′)を買い物袋等の吊り下げ用に荷室1の側壁に予め設定されているフック7に係合させることができる。したがって本実施形態によれば、ボード部材10側および荷室1の側壁(ラゲージサイドトリム3)側のいずれにも新たな構成部品を設けることなく、ボード部材10の後方を持ち上げた状態で保持させることができ、これにより荷物の出し入れ口を大きく形成でき、かつ、ユーザーは両手で荷物の出し入れを行えるようになる。
以上、本発明に基づく荷室仕切り構造について、ボード部材がデッキボードやトランクボードなどの荷室のフロア面に載置されるものであるものとして説明したが、本発明は、荷室を上下に仕切るパッケージトレイやトノボードなどのボード部材に対しても適用できることはもちろんのことである。
1:荷室、2:リヤシート、3:ラゲージサイドトリム、4:収納凹部、5:スペアタイヤ、6:収納ボックス、7:フック、7a:係止部、10:ボード部材、10a:把持部、10b:本体部、10c,10c′:前側張出部、10d:右側張出部、10d′:左側張出部、10e:緩衝材、10f,10f′:突出端部、11c,11d,11d′:ヒンジ部。

Claims (5)

  1. 車両の荷室に略水平にボード部材を載置してなる第一の仕切り位置と、前記ボード部材の一端を軸として他端を上方に回動させることにより切り替えることが可能な第二の仕切り位置と、からなる荷室仕切り構造において、
    前記ボード部材は、本体部と、前記本体部に対して折り曲げ可能に接続する少なくとも1つの張出部と、を有し、
    前記第二の仕切り位置では、前記荷室の側壁に設けられている係合具に対し、前記本体部に対して前記張出部が折れ曲がった状態で前記張出部を前記係合部に係合させることにより前記ボード部材の端部を前記係合部に係合させ、前記ボード部材を前記第二の仕切り位置に保持させることを特徴とする、荷室仕切り構造。
  2. 前記張出部は、前記第一の仕切り位置から前記ボード部材の本体部を持ち上げて前記第二の仕切り位置とするときに、前記張出部の自重により前記本体部に対して自動的に折れ曲がれるように構成されている、請求項に記載の荷室仕切り構造。
  3. 前記張出部は、前記張出部の自重によって前記本体部に対して回動するときの角度が、前記第二の仕切り位置において前記回動の軸を挟んで前記本体部と前記係合具がなす角度を超えないように構成されている、請求項に記載の荷室仕切り構造。
  4. 前記第二の仕切り位置において、前記張出部に形成された突出端部が前記係合具に係合する、請求項乃至のいずれか1項に記載の荷室仕切り構造。
  5. 前記車両の前後方向に関して前記ボード部材の前記一端は前記車両の前方側であり、前記他端は前記車両の後方側であり、前記本体部に対して前記車両幅方向の両側にそれぞれ前記張出部が設けられており、前記本体部と前記車両幅方向の両側のそれぞれの前記張出部とを折れ曲げ可能に接続する1対のヒンジ部の相互の間隔は、前記車両の前方側から後方側に向かうにつれて狭くなっている、請求項乃至のいずれか1項に記載の荷室仕切り構造。
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