JP6467853B2 - 乳化重合用単量体組成物、及び防曇剤組成物 - Google Patents
乳化重合用単量体組成物、及び防曇剤組成物 Download PDFInfo
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Description
上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)は、下記化学式(1)で表される。
(化学式(1)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)は、下記化学式(2)で表される。
(化学式(2)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R3はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
上記(メタ)アクリレート化合物(b)は、下記化学式(3)で表される。
(化学式(3)中、R1はH又はCH3であり、nは4〜9の整数である。)
上記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の炭素数は1〜8である。
ここで、上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、上記(メタ)アクリレート化合物(b)、上記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)、及びスチレン(d)の総含有量を100重量%とする。
このとき、上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)の含有量が3〜15重量%である。上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量が3〜15重量%である。上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)の含有量と上記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量との合計が6〜20重量%である。上記(メタ)アクリレート化合物(b)の含有量が10〜40重量%である。上記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の含有量が10〜84重量%である。
この構成により、更に優れた耐水性を有する防曇膜を形成することが可能な乳化重合用単量体組成物が得られる。
この構成により、特に塗膜外観に優れ、目立つ水垂れ跡が発生しにくい防曇膜を形成することが可能な乳化重合用単量体組成物が得られる。
本実施形態に係る乳化重合用単量体組成物は、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)と、(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)と、(メタ)アクリレート化合物(b)と、アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)と、重合開始剤(e)と、乳化剤(f)と、水(g)と、を含む。また、乳化重合用単量体組成物は、スチレン(d)を更に含んでいてもよい。
(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)は、下記化学式(1)で表される。
(化学式(1)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
(化学式(2)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R3はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の炭素数は1〜8である。アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の具体例としては、例えば、メチルメタクリレートや、ブチルメタクリレートや、エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
乳化重合用単量体組成物におけるスチレン(d)の含有量は、40重量%以下であることが好ましい。乳化重合用単量体組成物にスチレン(d)を加えることにより、基材の表面に形成される防曇膜において、高い耐水性が得られるとともに、ポリカーボネート樹脂に対する高い密着性が得られる。
重合開始剤(e)としては過酸化物や還元剤が用いられる。有機系過酸化物の具体例としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシドや、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられる。無機系過酸化物の具体例としては、例えば、過硫酸カリウムなどが挙げられる。有機系還元剤の具体例としては、例えば、アスコルビン酸や、テトラエチレンペンタミンや、フルクトースなどが挙げられる。無機系還元剤の具体例としては、例えば、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物などが挙げられる。
乳化剤(f)は、乳化重合用単量体組成物においてモノマーを良好に分散させるために用いられる。乳化剤(f)の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルや、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸塩や、アルキル硫酸エステル塩などが挙げられる。
水(g)は、乳化重合用単量体組成物における重合溶媒として機能するとともに、乳化重合用単量体組成物を適切な粘度に調整するために用いられる。
本実施形態に係る防曇剤組成物は、防曇剤用共重合体の水分散液として構成され、上記乳化重合用単量体組成物を乳化重合させることにより得られる。
レベリング剤(h)としては、例えば、KF−351A(信越化学工業株式会社製)や、フタージェント150(株式会社ネオス製)などを用いることができる。
表1〜4は、本実施形態の実施例及び比較例に係る防曇剤組成物について、各成分の種類及び添加量、並びに評価結果を示している。
(実施例1A−1〜1A−11,1B−1〜1B−3,2A−1〜2A−14,2B−1〜2B−3)
表1,2に示す組成で防曇剤組成物を作製した。この一例として、以下に実施例1a−1に係る防曇剤組成物の作製過程を示す。
いずれの比較例についても実施例1a−1と同様の要領で防曇剤組成物を作製した。
(実施例1A−1〜1A−9)
上記実施形態の範囲内で、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、(メタ)アクリレート化合物(b)、及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の種類及び含有量を変化させて、防曇剤組成物を作製した。
上記実施形態の範囲内で、重合開始剤(e)の種類及び含有量を変化させて、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含む組成で、上記実施形態の範囲内で、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、(メタ)アクリレート化合物(b)、及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の種類及び含有量を変化させて、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含む組成で、上記実施形態の範囲内で、重合開始剤(e)の種類及び含有量を変化させて、防曇剤組成物を作製した。
上記実施形態の範囲内で、スチレン(d)の含有量を変化させて、防曇剤組成物を作製した。
(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)及び(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、(メタ)アクリレート化合物(b)、及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の種類を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
(メタ)アクリレート化合物(b)の含有量を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の含有量を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
公知文献を参考にした組成にて、防曇剤組成物を作製した。比較例1A'−18は特許第4345264号公報を参考にし、比較例1A'−19は特開2006−28335号公報を参考にし、比較例1A'−20は特開2004−123809号公報を参考にした。
(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)及び(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)のいずれか一方を含まない組成にて、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含む組成で、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)及び(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含む組成で、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、(メタ)アクリレート化合物(b)、及びアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の種類を、上記実施形態に範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含む組成で、(メタ)アクリレート化合物(b)の含有量を、上記実施形態の範囲外として、防曇剤組成物を作製した。
スチレン(d)を含み、(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)及び(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)のいずれか一方を含まない組成にて、防曇剤組成物を作製した。
防曇剤組成物における乳化重合の可否について評価を行った。具体的には、防曇剤組成物における粘度の時間変化を、目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:粘度の増加がない。
○:粘度の増加がわずかにある。
×:粘度の増加が大きく、評価の実施ができない。
表1,2からいずれの実施例に係る防曇剤組成物についても、良好な評価結果が得られ、良好に乳化重合していることが確認された。一方、表3,4から、比較例1A'−1〜1A'−4,1A'−17,1A'−18,2A'−1〜2A'−4,2A'−16では、良好な評価結果が得られず、乳化重合が不十分であることが確認された。
表5〜8は、本実施形態の実施例及び比較例に係る塗膜試験片について、レベリング剤(h)の種類及び添加量、並びに評価結果を示している。
各実施例及び比較例について、防曇剤組成物674gに、レベリング剤を加え、完全に溶解したことを確認した後、基材に対して、硬化後の塗膜の膜厚が3μmとなるようにスプレーコート法にて塗装を行い、120℃で10分加熱硬化させ、塗膜試験片を得た。
(塗膜外観)
作製直後の初期状態における塗膜試験片の外観を目視にて次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:無色透明であり、長期間の透明性が保たれる。
○:初期は無色透明であるが、経時的に透明性が低下する。
×:不透明である。
ポリカーボネート樹脂板(PC)を基材とする塗膜試験片について密着性の評価を行った。JIS K 5400 8.5.1に準拠し、塗膜の剥離の有無を目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:全く剥離が認められない。
○:わずかに剥離が認められる。
×:全て剥離している。
アクリル樹脂板(PMMA)を基材とする塗膜試験片について密着性の評価を行った。JIS K 5400 8.5.1に準拠し、塗膜の剥離の有無を目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:全く剥離が認められない。
○:わずかに剥離が認められる。
×:全て剥離している。
ポリカーボネート樹脂板(PC)又はアクリル樹脂板(PMMA)を基材とする塗膜試験片を、80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの位置に、塗膜面が下を向くように設置することにより、塗膜試験片の塗膜面に対してスチーム照射を行った。スチーム照射の10秒後における塗膜面の曇りの有無を目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:曇りが全く認められない。
○:スチームを照射した直後に、一瞬わずかに曇るがすぐに曇りが晴れる。
×:はっきりと曇りが認められる。
ポリカーボネート樹脂板(PC)又はアクリル樹脂板(PMMA)を基材とする塗膜試験片を、80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの位置に、塗膜面が下を向くように設置することにより、塗膜試験片の塗膜面に対してスチーム照射を行った。10秒間連続のスチーム照射の後、塗膜試験片を鉛直方向に立てた状態で室温にて1時間乾燥させた。乾燥後に水垂れ跡の有無を目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:水垂れ跡がほとんど目立たない。
○:白色の水垂れ跡がやや目立つ。
×:水垂れ跡が目立つ。
ポリカーボネート樹脂板(PC)又はアクリル樹脂板(PMMA)を基材とする塗膜試験片を40℃の温水に240時間浸漬し、室温にて1時間乾燥させた。その後、塗膜試験片の塗膜面の外観を評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:塗膜外観の変化がない。
○:塗膜外観がわずかに変化している。
×:塗膜外観が大きく変化している。
ポリカーボネート樹脂板(PC)又はアクリル樹脂板(PMMA)を基材とする塗膜試験片の塗膜面に常温で呼気を吹きかけ、塗膜面の曇りの有無を目視によって次の3段階で評価した。なお、評価結果が○以上であれば実用上問題なく、評価結果が◎であればより好ましい。
◎:全く曇らない。
○:一瞬わずかに曇るがすぐに曇りが晴れる。
×:はっきりと曇りが認められる。
(塗膜外観)
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。特に、重合開始剤(e)に、有機系過酸化物と有機系還元剤とを併用した実施例1A−1〜1A−11,2A−1〜2A−14にて特に良好な評価結果が得られた。この一方で、(メタ)アクリレート化合物(b)の量を、上記実施形態の範囲よりも少なくした比較例1A'−15では塗膜試験片が不透明となった。
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。特に、スチレン(d)を含む構成の実施例2A−1〜2A−14,2B−1〜2B−3にて特に良好な評価結果が得られた。また、いずれの比較例においても概ね良好な評価結果が得られた。
いずれの実施例及び比較例においても良好な評価結果が得られた。
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。この一方で、比較例1A'−5,1A'−6,1A'−8,1A'−9,1A'−11,1A'−19〜1A'−22,2A'−5,2A'−6,2A'−8,2A'−9,2A'−11,2A'−17でははっきりと曇りが認められた。
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。特に、重合開始剤(e)に、有機系過酸化物と有機系還元剤とを併用した実施例1A−1〜1A−11,2A−1〜2A−14にて特に良好な評価結果が得られた。いずれの比較例においても概ね良好な評価結果が得られた。
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。この一方で、比較例1A'−5,1A'−6,1A'−16,1A'−21,2A'−5,2A'−6,2A'−15,2A'−17では耐水性試験の前後で塗膜試験片の外観に大きい変化が認められた。
いずれの実施例においても概ね良好な評価結果が得られた。この一方で、比較例1A'−7,1A'−10,1A'−12〜1A'−15,1A'−19,1A'−20,1A'−22,2A'−7,2A'−10,2A'−12〜2A'−14,2A'−18でははっきりと曇りが認められた。
Claims (4)
- 下記化学式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)と、下記化学式(2)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)と、下記化学式(3)で表される(メタ)アクリレート化合物(b)と、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)と、重合開始剤(e)と、乳化剤(f)と、水(g)と、を含み、
(化学式(1)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
(化学式(2)中、R1はH又はCH3であり、R2はH又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R3はH又は炭素数が1〜4のアルキル基である。)
(化学式(3)中、R1はH又はCH3であり、nは4〜9の整数である。)
前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)、前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)、前記(メタ)アクリレート化合物(b)、前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)、及びスチレン(d)の総含有量に対して、
前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)の含有量が3〜15重量%であり、
前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量が3〜15重量%であり、
前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−1)の含有量と前記(メタ)アクリルアミド化合物(a−2)の含有量との合計が6〜20重量%であり、
前記(メタ)アクリレート化合物(b)の含有量が10〜40重量%であり、
前記アルキル(メタ)アクリレート化合物(c)の含有量が10〜84重量%であり、
前記スチレン(d)の含有量が0〜40重量%である
乳化重合用単量体組成物。 - 請求項1に記載の乳化重合用単量体組成物であって、
前記重合開始剤(e)として、有機系過酸化物と有機系還元剤とを併用する
乳化重合用単量体組成物。 - 請求項1又は2に記載の乳化重合用単量体組成物を乳化重合させて得られる
防曇剤組成物。 - 請求項3に記載の防曇剤組成物であって、
レベリング剤(h)を含む
防曇剤組成物。
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