JP6467805B2 - タール利用設備の排ガス処理方法及び排ガス処理装置 - Google Patents

タール利用設備の排ガス処理方法及び排ガス処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、タール利用設備から排出される排ガスに対し冷却を用いた排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関するものである。
タールを扱う工場の排ガスは、その臭気がほとんどの人にとって不快であるため、排ガス中に臭気成分が微量に含まれる場合でも住宅地などで問題となることがある。このような臭気に対する対策として、各種の脱臭方法がある。脱臭方法の例としては、脱臭剤の散布、触媒による脱臭成分の除去、燃焼法による脱臭が一般的に知られている。
脱臭剤による脱臭法は、タールが様々な物質の混合物であって均一な物質で無いため、タール専用の脱臭剤が作成出来ず、効果が不十分であるという問題がある。また、触媒による脱臭方法では、触媒がタールで汚染されてしまうため、定期的に触媒燃焼によりタールを除去する必要があるのに加え、その除去作業の際に臭気が出てしまう可能性がある。
一方、燃焼法による脱臭に関しては、ガスバーナー等を点火した燃焼室に排ガスを導き、排ガスを再燃焼させる直燃式脱臭装置が、例えば、特許文献1等に開示されている。しかし、タールを含む排ガスにおける燃焼法では、昇華性の物質の一部が燃焼されずに排出されてしまう可能性がある。また、タールを取り扱う設備で発生する排ガスを充分に再燃焼させるためには、燃焼室内を排ガスが通過する構造が必要となる。この場合、ガスの流量等を考慮すると、きわめて大きな燃焼室を用意する必要があり、設備費が高価になる問題があった。
この問題を解決する技術として、特許文献2には、排ガスを一旦ガス冷却部において冷却し、タール分をコンデンスさせ、この除去したタールを受皿部で受け、燃焼部に向けて流下させて燃焼させる技術が記載されている。
特開昭63−197574号公報 特開平5−131114号公報
特許文献2に記載された脱臭方法における、冷却によるタール分のコンデンス・分離手段は、タールに含まれる各種臭気分子の濃度測定結果に基づいて、冷却条件の設定や、制御の方法を与えるものではないので、冷却条件によっては、タール中の臭気分子の一部がコンデンス・分離されずにそのまま大気へ放散されるという問題があった。一方で、これを防ぐために過度の冷却をおこなうと運転コストが膨らんだり、エネルギーの無駄使いにつながるといった問題があった。
本発明は、以上の従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、効率的に排ガス中のタール成分を除去して臭気を取り除くことが可能なタール利用設備の排ガス処理方法及び排ガス処理装置を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するためになされた、本発明の構成は、以下の通りである。
(1) タール成分を含む排ガスを予備冷却して前記排ガスから前記タール成分を除去するガス予備冷却工程と、
前記ガス予備冷却工程後の前記排ガスを、ガス流路をなす冷却管と、前記冷却管を収納する冷却槽とから構成されるガス冷却部にて、冷却して前記排ガスに残留する前記タール成分を除去するガス冷却工程と、を備え、
前記冷却管は、螺旋状に巻かれており、かつ冷却管の低い位置に溜まったタールを排出するための複数のドレインコックを備え、
前記ガス予備冷却工程終了時の排ガス温度を5℃以上10℃以下にし、前記ガス冷却工程終了時の排ガス温度を5℃以下にすることを特徴とするタール利用設備の排ガス処理方法。
(2) 前記ガス予備冷却工程前の前記排ガス中の前記タール成分に、質量濃度で、
トルエン:100ppm以下、
キシレン:100ppm以下、
フェノール:10ppm以下、
インデン:10ppm以下、
インダン:10ppm以下、
o-クレゾール,m-クレゾール,p-クレゾール:各々2ppm以下、
ナフタレン:40ppm以下、
メチルナフタレン:40ppm以下、
のうちのいずれか1種以上の臭気成分が含まれることを特徴とする(1)に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
(3) 前記ガス予備冷却工程において前記排ガスを流す予備冷却管の内径を50mm以上とし、
前記ガス冷却工程において前記排ガスを流す前記冷却管の内径を25mm以上とし、
前記予備冷却管の内径と前記冷却管の内径との比を2:1以上にすることを特徴とする(1)または(2)に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
(4) 前記ガス予備冷却工程後および/または前記ガス冷却工程後の前記排ガスの一部を分取し、
前記分取された排ガス中の臭気成分の濃度を測定し、
前記排ガスの前記臭気成分の濃度に基づいて、前記ガス予備冷却工程および/または前記ガス冷却工程における前記排ガスの冷却条件を制御することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
(5) 前記排ガス中の臭気成分の濃度を測定するガス分析方法が、
真空排気したイオン化室内に分取した前記排ガスを導き、前記イオン化室内で前記排ガスにレーザー光を照射して前記臭気成分をイオン化し、イオン化された前記臭気成分を質量分析器に導いてその質量を測定するレーザーイオン化質量分析法であることを特徴とする(4)に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
(6) 排ガス流路と、
前記排ガス流路の途中に設けられ、タール成分を含む排ガスを予備冷却して前記排ガスから前記タール成分を除去するガス予備冷却部と、
前記排ガス流路の前記ガス予備冷却部よりも下流側に設けられ、ガス流路をなす冷却管と、前記冷却管を収納する冷却槽とから構成され、前記排ガスを冷却して前記排ガス中に残留する前記タール成分を前記排ガスから除去するガス冷却部と、を備え、
前記冷却管は、螺旋状に巻かれており、かつ冷却管の低い位置に溜まったタールを排出するための複数のドレインコックを備え、
前記ガス予備冷却部は、その出口における排ガスの温度を5℃〜10℃に冷却可能であり、
前記ガス冷却部は、その出口における排ガスの温度を5℃以下に冷却可能であるタール利用設備の排ガス処理装置。
(7) 前記ガス冷却部の下流側に位置する排気管に、トラップが設けられており、
前記トラップは、前記排ガスの流路上に配置された金属板と該金属板を収容するトラップ本体とから構成され
前記金属板は前記排気管の延長上にその板面が位置するように前記トラップ本体内に配置されており、
前記金属板の外周縁と前記トラップ本体との間には間隙が設けられていることを特徴とする(6)に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
(8) 前記ガス予備冷却部の出側の前記ガス流路から分岐する分取管と、
前記分取管に接続され、前記分取管を介して前記排ガス流路から分取された前記排ガスの前記タール成分に含まれる臭気成分の濃度を測定するガス分析装置と、
前記臭気成分の濃度に基づいて前記ガス冷却部および/または前記ガス予備冷却部の冷却条件を制御する冷却制御部と、
を備えたことを特徴とする(6)または(7)に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
(9) 前記ガス分析装置が、真空紫外レーザー光源と、分取された前記排ガスに前記真空紫外レーザー光源から発振されたレーザー光を照射して前記臭気成分をイオン化させるイオン化室と、前記臭気成分の質量を測定する質量分析器とを備えたレーザーイオン化質量分析装置であることを特徴とする(8)に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
(10) 前記ガス予備冷却部において前記排ガス流路をなす予備冷却管の内径が50mm以上であり、
前記ガス冷却部において前記排ガス流路をなす前記冷却管の内径が25mm以上であり、
前記予備冷却管の内径と前記冷却管の内径との比が2:1以上であることを特徴とする(6)乃至(9)のいずれか一項に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
本発明によれば、効率的に排ガス中のタール成分を除去することが可能なタール利用設備の排ガス処理方法及び排ガス処理装置を提供できる。
特に、タール利用設備から発生する排ガスの冷却を用いた処理に際して、非定常な操業条件の変動が発生した場合でも確実にタール成分に含まれる臭気成分を嗅覚閾値以下に低下させ、これを維持させることが可能となる。また、必要最小限の運転コストによる排ガス処理が可能となる。
図1は、本発明の実施形態である排ガス処理装置を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス予備冷却部を示す模式図である。 図3は、本発明の実施形態である排ガス処理装置の別の例を示す概略図である。 図4は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス予備冷却部の別の例を示す模式図である。 図5は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス予備冷却部の更に別の例を示す模式図である。 図6は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス分析装置及び冷却制御部を示す模式図である。 図7は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス分析装置を示す模式図である。 図8は、本発明の実施形態である排ガス処理装置に備えられたガス冷却部の出口における排ガス温度と臭気成分の濃度との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
製鉄所では、石炭からコークスを製造する際に、副生物としてタール成分を含む排ガスが発生する。製鉄所においてタール成分を取り扱う設備(以下、タール利用設備という)には、タール成分を含む排ガスを処理するための脱臭設備が備えられている。本実施形態が対象とするタール利用設備の例としては、高炉用コークスの製造のために、微粉炭にタールを添加する工程を含む石炭事前処理設備が挙げられる。この場合、石炭に対するタールの添加量は5〜15重量%である。
ところで、タール利用設備から排出される排ガス中のタール成分には、各種の臭気成分が含まれる。タール臭気の多くにおいてはナフタレンやインデンなどと言ったベンゼンよりも質量数が大きな臭気成分の影響が大きい。タール成分に含有されている主な臭気成分の嗅覚閾値は、それぞれ表1に示した濃度となる。表1に示した臭気成分の中でも、特に嗅覚閾値が低く、微量で臭気の影響が大きい分子として、フェノール、o-,m-,p-クレゾール、インデン、インダン、ナフタレン、2-メチルナフタレンがある。タール利用設備から排出される排ガス中の臭気成分は、表1の嗅覚閾値以下に制御する必要がある。
Figure 0006467805
本実施形態において排ガスの脱臭処理が可能な排ガスは、脱臭前の排ガス中の各臭気物質の濃度が、排ガス温度55℃の時に、トルエン、キシレンがそれぞれ100ppm以下、フェノール、インデン、インダンがそれぞれ10ppm以下、o-,m-,p-クレゾールがそれぞれ2ppm以下、ナフタレン、メチルナフタレンがそれぞれ40ppm以下となる排ガスである。なお本発明者らの調査では上記基準を上回るレベルの排気が必要なタール利用設備は無かったため、ほとんどすべてのタール利用設備に本発明を適用することができる。
排ガス中の臭気成分を含むタール成分(以下、単にタールという場合がある)を除去するには、排ガスを冷却してタールを凝結させる必要がある。ここで、タールを臭気成分とともに凝縮するために排ガスを高効率で冷却するためには、排ガスを冷却するためのガス冷却部と排ガスとの接触面積を大きくして熱交換を効率よく行う必要があり、例えば、ガス流路を小径配管とし、かつ小径配管の長さを長くして、小径配管を通過する排ガスを冷却可能な構造が適している。しかし、高濃度のタールを含む排ガスを冷却する場合、排ガスに含まれるタール成分が小径配管内で多量に凝結して、小径配管を詰まらせるという問題がしばしば発生する。そこで本実施形態では、ガス冷却部の小径配管に排ガスを流入させる前に、予め排ガス中に含まれるタール成分の大部分を除去するガス予備冷却部を設けた機構を採用することとする。
図1には、タール利用設備の脱臭設備の一例として、本発明の実施形態である排ガス処理装置1を模式的に示す。図1に示す排ガス処理装置1は、例えばタール処理設備の排ガスを導き排出するための経路中に設けられる。図1の排ガス処理装置1は、排ガス流路2と、排ガス流路2の途中に設けられたガス予備冷却部3と、排ガス流路2のガス予備冷却部3よりも下流側に設けられたガス冷却部4と、が備えられている。また、排ガス処理装置1には、ガス分析装置5と、図示略の冷却制御部とが更に備えられている。
ガス予備冷却部3は、図1及び図2に示すように、ガス流路2をなす予備冷却管3aと、予備冷却管3aの外周に配置された冷却媒配管3bから構成されている。予備冷却管3aの内径は50mm以上とされている。冷却媒配管3bは、予備冷却管3aの長手方向に沿って予備冷却管3aの外周面に対して螺旋状に巻き付けられている。冷却媒配管3bを流れる冷却媒の流れ方向は、排ガスの流れ方向に対して対向流になっている。また、予備冷却管3aには、排ガスを導入する排ガス導入管3cが接続されている。排ガス導入管3cも排ガス流路2の一部を構成する。更に、予備冷却管3aには、冷却後の排ガスを排出する排出口3d(ガス予備冷却部3の出口)が設けられている。排出口3d付近には、排ガスの温度を測定する図示しない温度計が設置されている。温度計としては、熱電対や抵抗温度計を例示できる。
また、予備冷却管3aにはドレイン部3eが設けられている。ドレイン部3eには、予備冷却管3a内で凝結したタール等の凝結物が溜められるようになっている。また、ドレイン部3eには、ドレイン部3e内に溜められたタール等の凝結物を外部に排出するためのドレインコック3fが取り付けられている。
ガス予備冷却部3では、排ガス導入管3cから導入された排ガスを予備冷却管3a内において冷却し、排ガス中のタール成分の大部分を凝結させる。ガス予備冷却部3においては、予備冷却管3aの排出口3dから排出される排ガスの温度が5℃以上10℃以下の範囲になるように、冷却制御部によって冷却媒配管3bを流れる冷却媒の流量が調整される。
次に、ガス冷却部4は、図1に示すように、ガス流路をなす冷却管4aと、冷却管4aを収納する冷却槽4bとから構成されている。冷却管4aは螺旋状に巻かれて冷却槽4bに収容されている。冷却管4aの内径は25mm以上とされている。また、冷却管4aには、複数のドレインコック4fが設けられている。ドレインコック4fは、重力の作用で冷却管4aの低い位置に溜まったタールを排出するために設置されている。ドレインコック4fは、タールを除去しやすい位置に設置するのが好ましい。図1に示す例では、ドレインコック4fは、螺旋状に巻かれた冷却管4aのうち、高さが低くなる複数の箇所に設けられている。また、冷却槽4bの内部には冷媒が導入できるようになっている。
ガス冷却部4では、ガス予備冷却部3から導入された排ガスを冷却管4a内において冷却し、排ガス中のタール成分の残部を凝結させる。ガス冷却部4においては、冷却管4aの排出口4dから排出される排ガスの温度が5℃以下になるように、冷却制御部によって冷却槽4bに導入される冷媒の流量が調整される。
また、予備冷却管3aの内径を50mm以上とし、冷却管4aの内径を25mm以上とし、予備冷却管3aの内径と冷却管4aの内径との比を2:1以上にすることが、ガス予備冷却部3における予備冷却管3aの閉塞を確実に予防できる点で好ましい。
また、ガス冷却部4の冷却管4aの内径は、排ガスと冷媒との熱交換孔率を高めるために、10〜50mm程度が適当である。一方、ガス予備冷却部3の予備冷却管3aのガス流路の断面積は、タール成分による閉塞を防止するためには、直径50mmの円の面積以上とすることが望ましい。
ガス予備冷却部3とガス冷却部4は、接続管7によって接続されている。接続管7は、ガス流路2の一部を構成し、かつ、ガス冷却部4に含まれる。接続管7の一端部は、ガス予備冷却部3の予備冷却管3aの排出口3dに接続されている。接続管7の他端部は、ガス冷却部4の冷却管4aの一端に接続されている。ガス予備冷却部3の排出口3dは、ガス冷却部4の冷却管4aの一端よりも低い位置に配置されている。このため、接続管7は、ガス予備冷却部3からガス冷却部4に向けて、斜めに立ち上がる様に傾斜して配置されている。これにより、接続管7の閉塞を予防できる。また、接続管7の内径は、予備冷却管3aの内径よりも小さくなっており、好ましくは冷却管4aの内径と同じ内径にするとよい。接続管7の内径を予備冷却管3aの内径よりも小さくすることで、排ガスの冷却能力を向上できる。
更に、ガス冷却部4の冷却管4aの他端部には、排気管8が接続されている。排気管8はガス流路2の一部を構成する。排気管8の途中には、ガス分析装置5が接続されている。ガス分析装置5は、排気管8を流れる排ガスの一部をサンプリングして排ガス中の臭気成分を分析する。
次に、図1に示す排ガス処理装置1の動作を説明する。
まず、タール利用設備から排出された排ガスがガス予備冷却部3に導入される。排ガスにはタール成分が含まれており、タール成分には、トルエン:100ppm以下、キシレン:100ppm以下、フェノール:10ppm以下、インデン:10ppm以下、インダン:10ppm以下、o-クレゾール,m-クレゾール,p-クレゾール:各々2ppm以下、ナフタレン:40ppm以下、メチルナフタレン:40ppm以下、のうちのいずれか1種以上の臭気成分が含まれる。ガス予備冷却部3に導入された排ガスは、予備冷却管3aにおいて冷却媒配管3bを流れる冷却媒によって冷却される。このとき、ガス予備冷却部3の排出口3dにある温度計において排ガスの温度が5〜10℃になるように冷却する。温度計による排ガス温度が5〜10℃の範囲から外れる場合は、温度計の測定結果に基づき、図示略の冷却制御部によって冷却媒配管3bを流れる冷却媒の流量を調整して、排ガスの温度が5〜10℃になるように制御する。以下、ガス予備冷却部3におけるガス予備冷却工程と、ガス冷却部4におけるガス冷却工程について説明する。
(ガス予備冷却工程)
ガス予備冷却部3は、排ガス中の大部分のタールを凝結分離するものであり、予備冷却管3aの内径が50mm以上と比較的大きいため、ガス冷却部4ほど熱交換効率は高くない。しかしながら、ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度を10℃以下とすれば、排ガスに含まれる臭気成分の多くが蒸気圧の関係などから凝結し、排ガス中の臭気成分の濃度を予備冷却前の十分の一程度に低減できる。ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度は、5℃以上10℃以下とすることが好ましいが、ガス予備冷却3における冷却時間を4秒以上とすれば、ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度が8℃〜10℃となり、90%以上の臭気成分を除去可能になる。特に、排ガス中の臭気成分の濃度が高い場合は、排ガス中の臭気成分の除去率は95%以上となる。ガス予備冷却部3で除去された臭気成分は、固体若しくは液体の状態で、タールとともにドレイン部3eに流下する。
前記したように、排ガス中の臭気成分の中でも特に微量でも臭気に影響が大きなフェノール、o-,m-,p-クレゾール、インデン、インダン、ナフタレン、2-メチルナフタレンといった臭気成分は、その9割程度がガス予備冷却部3において固体若しくは液体となって、他のタール成分とともに排ガスから除去されて、ドレイン部3eに流下する。ドレイン部3eに溜められた臭気成分を含むタールは、ドレインコック3fから外部に取り出すことができる。ガス予備冷却部3で除去出来なかった臭気成分を含む排ガスは、接続管7を通じてガス冷却部4に送られる。
接続管7は、ガス予備冷却部3からガス冷却部4に向けて斜めに立ち上がるように傾斜している。接続管7を流れる排ガスはガス予備冷却部3から排出された直後であるため、接続管7を流れる排ガスの温度は10℃以下となっており、排ガスが冷却管4aに向かうにつれて徐々に冷却されて温度が降下する。このため、排ガスが接続管7を通ってガス冷却部4に送られる間に、接続管7において排ガスに含まれる臭気成分を含むタールの凝結が進む。接続管7の内径は冷却管4aと同じ寸法であり、予備冷却管3aの内径に比べて小さいため、接続管7内部で凝結物による閉塞が起きやすくなっている。本実施形態では、接続管7を斜めに傾斜させているため、凝結した臭気成分を含むタールは接続管7の内壁に付着した後、接続管7を伝ってガス予備冷却部3側に流れ落ちるようになり、接続管7の閉塞が防止される。ここで、接続管7の一部に垂直に立ち上がった部分が存在すると、垂直に立ち上がった部分の最下部にタールが溜まって詰まりやすくなるので好ましくない。また、接続管7がガス冷却部4に向けて斜め下に向いた状態にすると、接続管7内で凝結した臭気成分を含むタールがガス冷却部4に流れ込んでしまい、ガス冷却部4のガス流路2である冷却管4aを閉塞させてしまうので好ましくない。接続管7がガス冷却部4に向けて斜め上に向くように配置することで、大部分の臭気成分を含むタールをガス予備冷却部3のドレイン部3eに流下させることができ、接続管7の詰まりを防止できる。
(ガス冷却工程)
次に、接続管7からガス冷却部4に導入された排ガスは、冷却管4aにおいてガス冷却槽4b内を流れる冷却媒によって冷却される。このとき、ガス冷却部4の排出口4dにある温度計において排ガスの温度が5℃以下になるように排ガスを冷却する。温度計における排ガス温度が5℃を超える場合は、温度計の測定結果に基づき図示略の冷却制御部によってガス冷却槽4bを流れる冷却媒の流量を調整して、排ガスの温度が5℃を超えないようにする。
ガス冷却部4における排ガスの冷却を強めるほど臭気成分の除去率は高まるが、過度に冷却すると冷却コストが増大するばかりか、冷却管4aが凝結物や水分で詰まりやすくなる。ガス冷却部4の排出口4dにおける排ガス温度が0℃以下になると、水分が凝結し、冷却管4aの閉塞によるトラブルの発生頻度が著しく増加する。従って、ガス冷却部4の排出口4dにおける排ガス温度が0℃以上になるようにガス冷却部4において排ガスを冷却するとよい。冷却管4aのメンテナンスや交換の頻度を低くし、かつ臭気成分の濃度を表1に示した嗅覚閾値以下に低減するためには、ガス冷却部4の排出口4dにおける排ガス温度を3℃以上5℃以下とすることがより好ましい。なお、排ガス温度が2℃未満になるまで排ガスを冷却すると、冷却管4aの閉塞が発生しやすくなるが、この原因は、除去すべき臭気成分の凝結量が必要以上に増加したことに加え、臭気成分以外の物質をも凝結させたことも一因であると考えられる。
本実施形態では、ガス冷却部4の排出口4dにおける排ガス温度を5℃以下に冷却することにより、排ガス中の臭気成分の濃度が1/100乃至1/1000まで減少する脱臭効果が得られる。
冷却管4a内に溜まった臭気成分を含むタールは、重力の作用によって冷却管4aの低い位置に移動するので、ドレインコック4fを開いて冷却管4aから排出させればよい。本実施形態においては、排ガス中の90〜95%のタール成分がガス予備冷却部3で除去され、除去しきれないタール成分が残存タール分として残る。残存タール分はガス冷却部4において排ガスから除去されるが、ガス予備冷却部3を通過後の排ガス中の残存タール分が微量であったとしても、ガス冷却部4において長時間処理するうちに次第に冷却管4aにタール成分が蓄積し、ついには冷却管4aを詰まらせる問題が発生する。そこで、ドレインコック4fを開いてタールを排出させることにより、配管閉塞に至る時間を延長することが可能となる。
ガス冷却部4によって臭気成分を含むタールが除去された排ガスは、排気管8によって大気に放出される。排気管8の途中で、ガス分析装置5によって臭気成分の濃度が測定される。ガス分析装置5の測定結果は冷却制御部に出力される。冷却制御部は、臭気成分の測定結果が表1に示した嗅覚閾値を超える場合には、ガス予備冷却部3、ガス冷却部4のいずれか一方または両方の冷却条件を調整して、排ガス中の臭気成分の除去効率を高めるようにする。また、臭気成分の測定結果が表1に示した嗅覚閾値を超えない場合は、冷却制御部はガス予備冷却部3及びガス冷却部4の冷却条件を変更せずそのまま維持する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガス予備冷却部3によって排ガスを5℃〜10℃の範囲に予備冷却することで、臭気成分を含むタールの大部分を、具体的には90%以上を除去することができる。また、ガス冷却部4によって排ガスを5℃以下に冷却することで、排ガス中の臭気成分の濃度を嗅覚閾値以下に低減することができ、排ガスの臭気をなくすことができる。更に、ガス予備冷却部3においてタール成分の大部分が除去されるので、ガス冷却部4の冷却管4aにおいてタールの閉塞が直ちに発生する恐れがない。
また、ガス冷却部4の冷却管4aに比べ内径が大きな予備冷却管3aを有するガス予備冷却部3によって排ガスを予備冷却することで、排ガス中に含まれるタールの大部分が除去されるため、予備冷却管3aがタール等の凝結物によって閉塞されるおそれがない。特に、予備冷却管3aの内径を50mm以上とし、冷却管4aの内径を25mm以上とし、予備冷却管3aの内径と冷却管4aの内径との比を2:1以上にすることで、ガス予備冷却部3における予備冷却管3aの閉塞を確実に予防できる。
また、ガス冷却部4を通過後の排ガス中の臭気成分の濃度をガス分析装置5によって分析し、その結果に基づいて冷却制御部がガス予備冷却部3、ガス冷却部4の一方または両方の冷却条件を制御するので、排ガス中の臭気成分の濃度を常に嗅覚閾値以下に低減させることができる。臭気成分の濃度に基づく冷却条件の制御は、特に、排ガス中の臭気成分の濃度が変動する場合に有効である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明では以下に説明する変形例を用いてもよい。
図3には、排ガス処理装置21の変形例を示す。図3の変形例においては、ガス冷却部4とガス分析装置5の間の排気管8に、トラップ11が設けられている。トラップ11は、排ガスの流路上に配置された金属板11aと、金属板11aを収容するトラップ本体11bとから構成される。トラップ本体11bは、排気管8に連通されている。金属板11aは、排気管8の延長上にその板面が位置するようにトラップ本体11b内に配置されている。金属板11aの外周縁11cとトラップ本体11bとの間には空隙が設けられており、金属板11aに衝突した排ガスはこの空隙を通過してトラップ11から排気管8に排出されるようになっている。また、トラップ本体11bにはドレインコック11eが設けられている。
ガス冷却部4から排出された直後の排ガスは、トラップ11において金属板11aに衝突する。衝突時の衝撃で、排ガス中に残留するタールが金属板11a上で凝結する。金属板11a上で凝結したタールは、重力の作用によりトラップ本体11bの下部に溜められ、ドレインコック11eから外部に排出される。ここで、ガス冷却部4から排出された排ガスは、温度が5℃以下になっているため、金属板11aは、排ガスが衝突することで冷却される。トラップ本体11bの構成部材を断熱材とすると、金属板11aがトラップ11の外部環境に対して断熱された状態となり、トラップ本体11b内の金属板11aの温度が排ガス温度とほぼ同じ温度(5℃以下)に維持される。これにより、トラップ11において凝結した臭気成分が再び気化することなく、トラップ11を通過した排ガスは臭気成分の濃度が臭気閾値以下の排ガスとして大気に放散される。
以上説明したように、排気管8にトラップ11を設けることで、排ガス中の臭気成分の濃度をより低減できる。
次に、図4には、ガス予備冷却部23の別の例を示す。図4に示すガス予備冷却部23では、ガス流路2をなす予備冷却管23aが内管23bと外管23cからなる二重配管となっている。予備冷却管23aには、冷却媒の導入管23d及び導出管23gが接続されている。また、予備冷却管23aにはドレインコック23fを有するドレイン部23eが設けられている。内管23bの内径は50mm以上とされている。内管23bの内部を排ガスが通過し、内管23bと外管23cとの間の空隙に冷却媒が流れる。内管23bと外管23cとの間を流れる冷却媒の流れ方向は、排ガスの流れ方向に対して対向流になっている。この構成により、冷却媒と排ガスとの間で熱交換が行われて排ガスが冷却される。
また、図5には、ガス予備冷却部33の更に別の例を示す。図5に示すガス予備冷却部33は、ガス流路2をなす予備冷却管33aと、予備冷却管33aの内部に配置された冷却媒配管33bとから構成されている。予備冷却管33aの内径は50mm以上とされている。冷却媒配管33bは、予備冷却管33aの長手方向に沿って螺旋状に巻かれている。冷却媒配管33bを流れる冷却媒の流れ方向は、排ガスの流れ方向に対して対向流になっている。また、予備冷却管33aにはドレインコック33fを有するドレイン部33eが設けられている。この構成により、冷却媒と排ガスとの間で熱交換が行われて排ガスが冷却される。
図4、図5に示したガス予備冷却部23、33であっても、排ガスを5℃〜10℃の範囲に冷却することができ、排ガス中の臭気成分を含むタールの大部分を除去することができる。
なお、ガス冷却部4及びガス予備冷却部3による冷却方法は図1、2、4及び5において説明したものに限定されない。例えば、溶媒などを利用した冷却方法やドライアイスを利用した冷却方法などを利用することも可能である。
次に、図6を参照して、ガス分析装置5及び冷却制御部6による冷却制御方法の別の例を説明する。
図6には、排ガス処理装置の別の例を示す。図6に示す排ガス処理装置41は、排ガス流路2と、排ガス流路2の途中に設けられたガス予備冷却部3と、排ガス流路2のガス予備冷却部3よりも下流側に設けられたガス冷却部4と、排ガス中の臭気成分濃度を測定するガス分析装置5と、冷却制御部46とから構成されている。
図6に示すように、ガス予備冷却部3とガス冷却部4を接続する接続管7に、第1分岐管47が接続されている。また、ガス冷却部4の下流側の排気管8に、第2分岐管48が接続されている。第1、第2分岐管47、48は、ガス分析装置5に接続されている。このような構成によって、ガス予備冷却部3を通過後の排ガス中の臭気成分濃度またはガス冷却部4を通過後の排ガス中の臭気成分濃度を、ガス分析装置5に導入できるようになっている。尚、図6においてはガス予備冷却部3とガス冷却部4の接続管7が水平になるように図示されているが、実際には、図1、図2と同様に斜めに配置される。
ガス分析装置5は、冷却制御部46に接続されており、臭気成分濃度の測定結果を冷却制御部46に出力できるようになっている。冷却制御部46は、臭気成分濃度の測定結果に基づき、ガス予備冷却部3、ガス冷却部4の一方または両方の冷却条件を制御できるようになっている。
次に、図6に示す排ガス処理装置41の動作を説明する。
まず、ガス予備冷却部3によって処理された排ガスの一部を、第1分岐管47から分取してサンプリングし、ガス分析装置5にて臭気成分濃度を分析する。残りの排ガスはガス冷却部4に送られて処理される。ガス分析装置5において測定された臭気成分濃度は、冷却制御部46に出力される。冷却制御部46は成分濃度の入力情報に基づいて、制御プログラムに従い、ガス予備冷却部3またはガス冷却部4における冷却媒の流量等の制御を行う。
制御の具体的内容としては、例えば、ガス予備冷却部3を通過した排ガス中の臭気成分濃度が制御閾値を超えた場合には、ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度を5℃〜10℃の範囲内でより低い温度領域に調整することにより、ガス予備冷却部3を通過後の排ガス中の臭気成分濃度が制御閾値以下にする。より低い温度領域とは、例えば、排ガス温度が5〜7℃になる範囲である。排ガス中の臭気成分濃度の制御閾値としては、トルエン:10ppm、キシレン:10ppm、フェノール:1ppm、インデン:1ppm、インダン:1ppm、o-,m-,p-クレゾールがそれぞれ0.2ppm、ナフタレン:4ppm、メチルナフタレン:4ppm、を例示できる。これら各臭気成分のうち、1種類でも制御閾値を超えた場合に、上記の制御を行うとよい。
また、ガス分析装置5による排ガスの測定結果が制御閾値以下であれば、電力消費なども考慮して、ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度を5℃〜10℃の範囲内でより高めの温度領域に制御することで、電力消費を抑制するとよい。より高めの温度領域とは、例えば、8〜10℃の範囲である。
また、ガス予備冷却部3の通過後の排ガスの臭気成分濃度に基づき各冷却部3、4の冷却条件を調整するのみならず、ガス冷却部4の通過後の排ガスの一部を第2分岐管48により分取し、分取した排ガス中の臭気成分濃度をガス分析装置5により測定し、臭気成分濃度が表1の嗅覚閾値を超えた場合に、ガス予備冷却部3、ガス冷却部4の一方または両方の冷却条件を更に高める調整をしてもよい。これにより、排ガス中の臭気成分濃度が嗅覚閾値を超えることが確実に防止される。
図6に示す排ガス処理装置41によれば、冷却条件のより詳細で的確な制御を可能とし、また排気ガス流量やタール成分濃度の非定常な変動が発生した場合でも常に最適な制御が可能になる。特に、ガス予備冷却部3を通過後の排ガス中の臭気成分濃度に基づき、ガス予備冷却部3またはガス冷却部4の冷却条件を制御することで、排ガスの冷却条件を早めに調整することができ、臭気成分濃度を確実に低下させることができる。
図1、2及び図6に示すガス分析装置5としては、ガスクロマトグラフ、ガスクロマトグラフ−質量分析装置等も使用可能であるが、上記した臭気成分の検出感度が高く、連続モニタリング性に優れたガス分析装置5として、レーザーイオン化質量分析装置が好ましく、真空紫外1光子イオン化質量分析装置がより好ましい。
図7には、真空紫外レーザー光源及び質量分析器を備えた真空紫外1光子イオン化質量分析装置5の模式図を示す。
図7に示すように、真空紫外レーザー光源は、レーザー発生部50と真空紫外光発生部52とから構成される。真空紫外光発生部52では、Xeガスを適切な圧力で封入したガスセル52aに、レーザー発生部50で発生(発振)した紫外光54(紫外レーザー光)(Nd:YAGレーザーの3倍波(355nm))を、ミラー51を介して真空紫外光発生部52に導入し、真空紫外光発生部52において紫外光54をその焦点で再度3倍波に変換して、118nmの波長の真空紫外光(真空紫外レーザー光)55を発生(発振)させる。レーザーの繰り返し数は多いほど良いが、この繰り返し数は、真空紫外光55の発生の元となる紫外光レーザーの繰り返し数に依存する。尚、真空紫外光発生部52から発生する真空紫外光55の波長は、118nmに限定されない。例えば、100nm〜150nmの範囲を真空紫外光の波長として使用できる。
ここで、Nd:YAGレーザーの3倍波である紫外光54が直接イオン化室53に入射すると、測定対象分子が分解する可能性が高い。その対策としては、紫外光54と真空紫外光55との屈折率の違いを利用し、集光レンズであるMgF製レンズの角度と位置とを調整することにより、紫外光54を分離して真空紫外光55のみがイオン化室53へ入射する様に、光学系を設計することが有効である。
光子エネルギーεと紫外レーザー光の波長λとの関係は、以下の(1)式で表される。
ε=hc/λ ・・・(1)
但し、hはプランク定数、cは光速度である。
(1)式で表わされる、真空紫外レーザーの光子エネルギーより低いイオン化ポテンシャルを有する分子は、全て一括してイオン化されるので、質量分析によって検出することが可能となる。前述したように本実施形態では、真空紫外レーザー光のイオン化ポテンシャルが10.5eVであるので、窒素、酸素、アルゴン等、臭気には関係なく大気中に一定割合で存在する分子はイオン化されない。したがって、分子の存在量が多くても臭気に寄与しない分子は検出されない。
イオン化部53と飛行時間型質量分析部58は、例えば、ロータリーポンプと二つのターボ分子ポンプ(ファイファーバキューム社製)とを用いて、大気圧から真空状態にされる。
ガス導入部56は、接続管7または排気管8から枝分かれする第1分取管47または第2分取管48に接続される。ガス導入部56は、接続管7または排気管8から流入された排ガスをイオン化室53に導入する図示略のポンプを有する。このポンプとして排気速度が70L/s程度の小型ポンプを用いた場合でも、外気を乱れなくそのままの状態でイオン化室53に導入して測定するため、ガス導入部56は、図示略の粉塵用フィルターを有する。採取した測定対象の排ガスのうち、7μm以上の粉塵を粉塵用フィルターで除去し、粉塵用フィルターを通った測定対象の排ガスを、排ガスの噴き出し口(極小ピンホール)から、真空槽であるイオン化室53に連続的に導入する。
ガス導入部56は、電極自体が噴き出し口を兼ねたものであり、イオン化した分子を曲げずに噴き出し口と同軸で飛行時間型質量分析部58(質量分析器)に導入する直噴型のガス導入部である。
ガス導入部56の噴き出し口からイオン化室53に導入された測定対象の排ガスは、真空紫外光55が照射されることによりイオン化点で光イオン化され、イオンIとなる。イオンIは、ガス導入部56とイオン引き込み電極57との間の電位差により、イオン引き込み電極57のイオンの引き込み口を通って飛行時間型質量分析部58へ加速しながら進入する。
質量分析器は、MCP(マルチチャンネルプレート)検出部58aと、リフレクトロン58bとを有する飛行時間型質量分析部58で構成される。
リフレクトロン58bにより、イオンI(イオン化された分子)は折り返されてMCP検出部58aで検出され、イオンIの信号は電流量として出力される。イオン化した測定対象ガスをパルス的に加速し、MCP検出部58aで検出するまでの時間差を検出することで質量スペクトル(質量数)を得る。つまり、イオンIが受ける電荷量が一定条件下であれば質量電荷比が大きいものほど飛行時間が遅くなることを利用し、質量スペクトルを得る。
図7に示すガス分析装置5を備えることで、排ガス処理装置1、21、41の連続運転が可能になり、また、臭気成分濃度を正確に測定することでガス予備冷却部3及びガス冷却部4の冷却条件を適切に制御することができる。
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す排ガス処理装置1をタール利用設備の排ガスを導き排出するための経路中に設けた。ガス予備冷却部3に導入する前の排ガス中の温度は55℃であった。図1のガス予備冷却部3を通過させた排ガスは、接続管7を通じてガス冷却部4に導入させた。このガス予備冷却部3及びガス冷却部4の冷却方法としては、コイル状のパイプに冷却溶媒を流したよく知られたラジエータ状のものとした。
ここで、ガス予備冷却部3に導入する前の排ガス中の臭気成分の濃度は、排ガス温度55℃の条件で、フェノール:2ppm、ナフタレン:25ppm、2-メチルナフタレン:12ppm、インダン:3ppm、インデン:3.5ppmであった。ガス冷却部4の出側の分取管からサンプリングした排ガスを、ガス分析装置5で分析し、臭気成分濃度を測定した。ガス予備冷却部3の排出口3dにおける排ガス温度を8〜10℃とし、ガス冷却部4の排ガス温度を変化させたときの排ガス中の臭気成分をガス分析装置5で測定した。ガス分析装置5は、レーザーイオン化質量分析装置(真空紫外1光子イオン化質量分析装置)を用い、118nmの真空紫外レーザー光を発生させて、試料ガスに照射した。測定の結果を図8に示す。図8から明らかなように、ガス冷却部4の温度を5℃以下とすれば、各臭気成分の濃度を嗅覚閾値以下にすることができることがわかった。
(実施例2)
フェノール:8ppm、ナフタレン:35ppm、2-メチルナフタレン:18ppm、インダン:6ppm、インデン:7ppmを含む排ガスを、図1に示す排ガス処理装置1によって連続的に処理した。実施例1と同様にレーザーイオン化質量分析装置により、ガス冷却部4を通過後の排ガス中に含まれる臭気成分の濃度を測定した。このとき、ガス予備冷却部3とガス冷却部4の各出口における排ガス温度を変化させて、冷却管4aの閉塞が発生するまでの時間を調べた。閉塞の発生は、冷却管4aの途中に設けた流量計により判断した。結果を表2に示す。
表2に示すように、試験No.1〜3(本発明)では、ガス冷却部4を通過後の排ガス中の各臭気成分の濃度が、表1の嗅覚閾値を全て下回った。
一方、試験No.4〜6は比較例である。
試験No.4は、ガス予備冷却部3の出口における排ガス温度が10℃を超えており、タールの予備除去が不十分なため、短時間でガス冷却部4の冷却配管の閉塞が発生した。
試験No.5は、ガス予備冷却部3における排ガスの冷却が不十分であったため、より多くのタール成分が除去されないままガス冷却部4に導入されたことで、冷却管4aの閉塞が早まった上に、臭気成分の除去も不完全となった。
試験No.6は、ガス冷却部4における排ガスの冷却が不十分であったため、ガス冷却部4を通過後の排ガス中の一部の臭気成分の濃度が嗅覚閾値を上回った。
Figure 0006467805
(実施例3)
フェノール:10ppm、クレゾール:10ppm、ナフタレン:35ppm、2-メチルナフタレン:25ppm、インダン:7ppm、インデン:9ppmを含む排ガスを、図6に示す排ガス処理装置41によって連続的に処理した。その際のガス予備冷却部3の出口における排ガス温度は10℃程度であり、ガス冷却部4の出口における排ガス温度は5℃程度であった。実施例1と同様にレーザーイオン化質量分析装置により、ガス冷却部4を通過後の排ガス中に含まれる臭気成分の濃度を測定したところ、クレゾール:100ppb、2-メチルナフタレン:120ppb、インデン:70ppb程度が検出された。
そこで、図6で説明した通り、ガス予備冷却部3を通過後の排ガス中の臭気成分濃度をレーザーイオン化質量分析装置で測定し、測定結果に基づいて冷却制御部46によってガス予備冷却部3とガス冷却部4の冷却条件を変更することで、ガス予備冷却部3の出口における排ガス温度を9℃程度、ガス冷却部4の出口における排ガス温度を4℃程度に冷却するようにフィードバッグ制御を行った。その結果、ガス冷却部4を通過後の排ガス中のクレゾール、2-メチルナフタレン及びインデンの濃度が全て1ppb未満となり、濃度異常を感じてから1分以内に臭気閾値を下回った。
(実施例4)
図6に示した排ガス処理装置41において、タール利用設備から排出された排ガスをガス予備冷却部3に通過させた後の臭気成分濃度は、ガス分析装置5で測定したところ、トルエン:12ppm、キシレン:12ppm、フェノール:1.2ppm、インデン:1.2ppm、インダン:1.2ppm、ナフタレン:4.8ppm、メチルナフタレン:4.8ppmであった。その際のガス予備冷却部3の出口における排ガス温度は10℃であった。
そこで、ガス分析装置5で上記濃度を測定後に直ちにガス予備冷却部3の冷却条件を変更し、ガス予備冷却部3の排出口3dでの排ガス温度を5℃まで低下させたところ、トルエン、キシレン濃度がそれぞれ1.5ppm、フェノール、インデン、インダンの濃度がそれぞれ0.5ppm、ナフタレン、メチルナフタレンの濃度がそれぞれ0.5ppmに低下した。
このような制御を実施することで、上記フィードバッグ技術により、過不足の無い冷却が可能になり、冷却管4aの閉塞も700時間以上発生せず、また、ガス冷却部4を通過後の排ガスの臭気成分濃度は臭気閾値を下回った。
1…排ガス処理装置、2…排ガス流路、3、23、43…ガス予備冷却部、3a、23a、33a…予備冷却管、4…ガス冷却部、4a…冷却管、5…ガス分析装置、46…冷却制御部、47…第1分取管(分取管)、50…レーザー発生部(真空紫外レーザー光源)、52…真空紫外光発生部(真空紫外レーザー光源)、53…イオン化室、58…飛行時間型質量分析部(質量分析器)。

Claims (10)

  1. タール成分を含む排ガスを予備冷却して前記排ガスから前記タール成分を除去するガス予備冷却工程と、
    前記ガス予備冷却工程後の前記排ガスを、ガス流路をなす冷却管と、前記冷却管を収納する冷却槽とから構成されるガス冷却部にて、冷却して前記排ガスに残留する前記タール成分を除去するガス冷却工程と、を備え、
    前記冷却管は、螺旋状に巻かれており、かつ冷却管の低い位置に溜まったタールを排出するための複数のドレインコックを備え、
    前記ガス予備冷却工程終了時の排ガス温度を5℃以上10℃以下にし、前記ガス冷却工程終了時の排ガス温度を5℃以下にすることを特徴とするタール利用設備の排ガス処理方法。
  2. 前記ガス予備冷却工程前の前記排ガス中の前記タール成分に、質量濃度で、
    トルエン:100ppm以下、
    キシレン:100ppm以下、
    フェノール:10ppm以下、
    インデン:10ppm以下、
    インダン:10ppm以下、
    o-クレゾール,m-クレゾール,p-クレゾール:各々2ppm以下、
    ナフタレン:40ppm以下、
    メチルナフタレン:40ppm以下、
    のうちのいずれか1種以上の臭気成分が含まれることを特徴とする請求項1に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
  3. 前記ガス予備冷却工程において前記排ガスを流す予備冷却管の内径を50mm以上とし、
    前記ガス冷却工程において前記排ガスを流す前記冷却管の内径を25mm以上とし、 前記予備冷却管の内径と前記冷却管の内径との比を2:1以上にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
  4. 前記ガス予備冷却工程後および/または前記ガス冷却工程後の前記排ガスの一部を分取し、
    前記分取された排ガス中の臭気成分の濃度を測定し、
    前記排ガスの前記臭気成分の濃度に基づいて、前記ガス予備冷却工程および/または前記ガス冷却工程における前記排ガスの冷却条件を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
  5. 前記排ガス中の臭気成分の濃度を測定するガス分析方法が、
    真空排気したイオン化室内に分取した前記排ガスを導き、前記イオン化室内で前記排ガスにレーザー光を照射して前記臭気成分をイオン化し、イオン化された前記臭気成分を質量分析器に導いてその質量を測定するレーザーイオン化質量分析法であることを特徴とする請求項4に記載のタール利用設備の排ガス処理方法。
  6. 排ガス流路と、
    前記排ガス流路の途中に設けられ、タール成分を含む排ガスを予備冷却して前記排ガスから前記タール成分を除去するガス予備冷却部と、
    前記排ガス流路の前記ガス予備冷却部よりも下流側に設けられ、ガス流路をなす冷却管と、前記冷却管を収納する冷却槽とから構成され、前記排ガスを冷却して前記排ガス中に残留する前記タール成分を前記排ガスから除去するガス冷却部と、を備え、
    前記冷却管は、螺旋状に巻かれており、かつ冷却管の低い位置に溜まったタールを排出するための複数のドレインコックを備え、
    前記ガス予備冷却部は、その出口における排ガスの温度を5℃〜10℃に冷却可能であり、
    前記ガス冷却部は、その出口における排ガスの温度を5℃以下に冷却可能であるタール利用設備の排ガス処理装置。
  7. 前記ガス冷却部の下流側に位置する排気管に、トラップが設けられており、
    前記トラップは、前記排ガスの流路上に配置された金属板と該金属板を収容するトラップ本体とから構成され
    前記金属板は前記排気管の延長上にその板面が位置するように前記トラップ本体内に配置されており、
    前記金属板の外周縁と前記トラップ本体との間には間隙が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
  8. 前記ガス予備冷却部の出側の前記ガス流路から分岐する分取管と、
    前記分取管に接続され、前記分取管を介して前記排ガス流路から分取された前記排ガスの前記タール成分に含まれる臭気成分の濃度を測定するガス分析装置と、
    前記臭気成分の濃度に基づいて前記ガス冷却部および/または前記ガス予備冷却部の冷却条件を制御する冷却制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
  9. 前記ガス分析装置が、真空紫外レーザー光源と、分取された前記排ガスに前記真空紫外レーザー光源から発振されたレーザー光を照射して前記臭気成分をイオン化させるイオン化室と、前記臭気成分の質量を測定する質量分析器とを備えたレーザーイオン化質量分析装置であることを特徴とする請求項8に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
  10. 前記ガス予備冷却部において前記排ガス流路をなす予備冷却管の内径が50mm以上であり、
    前記ガス冷却部において前記排ガス流路をなす前記冷却管の内径が25mm以上であり、
    前記予備冷却管の内径と前記冷却管の内径との比が2:1以上であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のタール利用設備の排ガス処理装置。
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