JP6466791B2 - 飲料用ショウガ組成物及びその製造方法 - Google Patents

飲料用ショウガ組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自然な食感と呈味性を備えた飲料用ショウガ組成物及びその製造方法に関する。
古来より我国で食されてきた食材であるショウガは、単独若しくは香味剤として肉などの食材と共に食されてきた。ショウガには、血行促進により体を温める作用の他様々な生体調節機能に有効であることが良く知られている。
特にジンゲロール、ショウガオールといった成分は、鎮痛、解熱、鎮咳、鎮吐、消炎、胆汁分泌促進、抗潰瘍作用なども有することが知られている。しかし、これらジンゲロール、ショウガオールはショウガの辛味成分としても知られており、多量に摂取しようとした場合、辛味が強すぎ摂取することが難しかった。
一方でショウガの有効成分を簡便に取ることができる食品として、ショウガ又はそのエキスを粉末状にした粉末加工品が数多く上市されている。この粉末加工品は、ショウガの根茎を乾燥後に粉末状に加工したもの、又はショウガの搾り汁やショウガ抽出エキスを乾燥させて粉末状にしたものを主体とし、これに辛味を抑えるための糖質やデンプンを加え、かつデンプンで食感をまろやかにして摂取しやすいように工夫がされている。例えば、特許文献1には、ショウガエキスを抽出して粉末化したものを、糖類、デンプンなどと混合・撹拌して得るショウガ湯の製造方法が開示されており、お湯や食品に加えることでショウガの有効成分を摂取できる。
また、特許文献2には、ショウガの生体調節機能を奏する飲料用ショウガ組成物が開示され、ジンゲロールとショウガオールの濃度比・含有量や糖質の含有量だけでなく、臭みの原因物質を低減する技術が例示されている。
しかしながら、ジンゲロールとショウガオールを多く摂取する場合、糖質の添加やデンプンでのとろみ付けのみでは、十分に辛味を緩和することができなかった。
特開平11−155538 特開2010−124786
このように上記の従来技術によると、ショウガの有効成分を多く摂取する場合、十分に辛味を緩和できず容易に飲用することが難しかった。また人間の味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味といった舌で感じる味や鼻の粘膜で感じる香りなどの化学的な味と、口にしたときの歯ごたえ・噛みごこち・歯切れや口あたり・舌ざわり・喉ごしなどの触覚による情報が及ぼす物理的な味が影響しているため、辛味を緩和するために過度にとろみ付けをした場合、舌ざわりや喉ごしが不自然となりおいしさを損なう原因となっていた。
そこで、本発明の目的は、ショウガ由来の加工品について過度の辛味を抑制しつつも、ショウガの自然な食感とおいしさを備えた飲料用ショウガ組成物及びその製造方法、並びに飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ショウガ由来のショウガ粉末に所定の粒子径となるように加工された乾燥ショウガ粒を含有させ、更に乾燥ショウガ粒を飲料中にほぼ均一に分散させる粘度を持たせる増粘剤を添加することで、ショウガ含有成分由来の辛味の感じ方を緩和させ、さらに自然な食感となるショウガ飲料組成物を得た。また糖質を加えることにより、飲用しやすい呈味性を備えた飲料用ショウガ組成物を得た。より具体的には、本発明は以下のとおりである。
本発明の飲料用ショウガ組成物は、ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒及び増粘剤とを含む飲料用ショウガ組成物であって、ショウガ粒の90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmであると共に、ショウガ粉末に対するショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%であって、ショウガ粉末と乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比が150質量%〜300質量%であることを特徴とする。
さらに、上記飲料用ショウガ組成物は、増粘剤がデキストリン、デンプン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、及びアルギン酸ナトリウムから選択される1又は2以上であることが好ましい。また、デンプンを採用する場合は、葛粉からなることが好ましい。
さらに、上記飲料用ショウガ組成物は、ヘスペリジンを含有することが好まく、ヘスペリジンの配合量が0.8〜10g/100gであることがさらに好ましい。
さらに、上記飲料用ショウガ組成物は、乾燥重量10gを90℃、100mlの水に溶解させた場合の粘度が10〜1000mPa・sであることが好ましい。
本発明のショウガ含有飲料の製造方法は、上記の飲料用ショウガ組成物の乾燥重量10gを50〜100℃、100mlの湯に溶解させることが好ましい。
本発明の飲料用ショウガ組成物の製造方法は、ショウガ粒の90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmに調整されると共に、ショウガ粉末に対するショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%に調整され、ショウガ粉末と乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比が150質量%〜300質量%に調整されることを特徴とする。
本発明の飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法は、ショウガ粒の90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmに調整し、ショウガ粉末に対するショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%に調整し、ショウガ粉末と乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比が150質量%〜300質量%に調整することを特徴とする。
本発明の飲料用ショウガ組成物、その製造方法は、ショウガ由来の辛味成分を多量に含む場合であっても、自然な呈味性と食感を備えた飲料用ショウガ組成物及びその製造方法、並びに飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
本発明において飲料用ショウガ組成物とは、生ショウガや生ショウガ組成物などを主原料とし、抽出、乾燥、粉砕などの工程を経て得たショウガ粉末と、乾燥、粉砕などの工程を経て得た乾燥ショウガ粒とに、増粘剤を加えることで得られる。
ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒の原料としてのショウガ(学名:Zingiber officinale)は、ショウガ科ショウガ属に属する多年草であって、日本全国各地で広く栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。ショウガの品種を大別すると、大ショウガ、中ショウガ及び小ショウガに分類されるが、本実施形態において使用し得るショウガとしては、大ショウガ又は中ショウガが好適である。
本発明においてショウガ含有飲料は、上記の飲料用ショウガ組成物をお湯に溶かしたものを言い、好ましくは飲料用ショウガ組成物乾燥重量10gを50〜95℃、100mlの湯に溶解したものをいうが、さらに好ましくはデンプンをα化するために95℃、100mlの湯に溶解し50℃に冷ましたものをいう。なお、飲用の温度・量は飲用者の嗜好(濃さ、辛さ)に合わせ50〜200ml程度の範囲から適宜採用できる。
本発明においてショウガ粉末とは、原料となるショウガの根茎部を適宜裁断し、乾式粉砕、湿式粉砕、凍結粉砕等の一般的な方法により粉砕して、必要に応じて乾燥して得ることができる。ショウガ新鮮根茎を乾燥させる際、ショウガに含まれる機能性成分が減少しないよう、55℃以下で乾燥させることが好ましい。その他、ショウガの根茎部の搾汁液、当該搾汁液を濃縮した濃縮汁、ショウガの根茎部の搾汁液に酵素処理等を施すことで清澄化した透明汁等などして得たショウガエキスを乾燥させ、必要に応じて粉砕して、ショウガ粉末を得ることができる。本発明においては、前者のショウガ根茎部を粉砕する方法で得たものと後者のショウガエキスを作成して得たものをそれぞれ用いてもよいし、双方を任意の比率で配合して用いてもよい。なお、このようなショウガ粉末としては、多種多様のものが市販されており、任意に選択してよい。
本発明において乾燥ショウガ粒とは、上記のショウガ粉末と同様に原料となるショウガの根茎部を適宜裁断し、乾式粉砕、湿式粉砕、凍結粉砕等の一般的な方法により粉砕し、必要に応じて乾燥させて得ることができる。ショウガ新鮮根茎を乾燥させる際、ショウガに含まれる機能性成分が減少しないよう、55℃以下で乾燥させることが好ましい。
乾燥ショウガの特徴として、口に含む際に舌など口蓋に接触して物理的な刺激を与えて粒子の存在を認識させ、その粒子感覚がショウガの有効成分であるジンゲロールとショウガオールの辛味の知覚を緩和させる粒子径である必要がある。ただし、粒子自身のもつ硬さ、弾力性などの機械的特性や、粒子径の大きさ、形態などによれば、異物感を感じ飲み込みにくくなるため飲料としてのど越しや触感を妨げない特性である必要がある。
一方、細かい粒子が多すぎるとザラツキ感を与え、味への不快につながる。一般的には口蓋で分かる最小粒度は25μmといわれ、多くの人は最大粒度が8μmでは粒子を感知できないが、約13μmならわずかの人が感知できる。
以上の理由から、乾燥ショウガの粒度は、90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmが好ましく、さらには90積算質量%の粒子径が1mm〜2mmが好ましく、特にさらには90積算質量%の粒子径が1mm〜1.5mmが好ましい。また、50積算質量%の粒子径が0.5mm〜2mmが好ましく、さらには50積算質量%の粒子径が0.5mm〜1.5mmが好ましく、特に50積算質量%の粒子径が0.5mm〜1mmが好ましい。また、250μmのメッシュを通過する乾燥ショウガの積算分布(フルイ下)が25質量%以下が好ましく、さらには20質量%以下が好ましく、特に15質量%以下が好ましい。
なお、各累積粒子径の求め方は公知の方法を用いればよく、例えばふるい分け試験方法通則(JIS−Z8815−1994)に記載の乾式の機械ふるい分けに従い、求めることができる。このような乾燥ショウガ粒としては、多種多様のものが市販されており、任意に選択してよい。
また、本発明の乾燥ショウガ粒は、舌など口蓋に接触して物理的な刺激性に優れ、異物感を感じにくく、均一に分散し易い形態であることが好ましいため、目開き1.0mmメッシュ上の粒の圧密した時の比(以下「圧密比」と称する)が0.75〜0.98が好ましく、さらには圧密比が0.77〜0.95が好ましく、特に圧密比が0.80〜0.93であるのがより好ましい。
本飲料用ショウガ組成物の目開き1.0mmメッシュ上の圧密比を上記範囲にするには、ショウガを粉末に加工する際の刃の形状や粉砕方法、または、篩による分別等を適宜採用することにより加工すればよい。但し、この方法に限定するものではない。なお、本発明が規定する本飲料用ショウガ組成物の目開き1.0mmメッシュ上の「圧密比」とは、ショウガ粉末を自然落下させて容器内に充填して測定した「ゆるめ嵩密度」に対する、ショウガ粉末に振動を与えながら容器内に充填して測定した「固め嵩密度」の比であり、下の式で求められる。
圧密比=「固め嵩密度」/「ゆるめ嵩密度」
本発明において増粘剤とは、食品添加物として使用可能なものであって、飲料の香味を妨げない無味無臭のデキストリン、デンプン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、及びアルギン酸ナトリウムなどから選択される。特に、デンプンが好適に用いられる。また、デンプンについては天然物としては葛、馬鈴薯、米、コーン、タピオカなどを用いることができる。なお50℃程度の湯で粘性を高めるためには、コラーゲン、アルギン酸ナトリウムなど常温で粘度を得られる増粘剤を使用することが望ましい。
これらの増粘剤は、飲料用ショウガ組成物を水やお湯などに溶かしたショウガ含有飲料に粘性を与え、乾燥ショウガ粒をショウガ含有飲料中に略均一に分散させるために用いられる。この粘性を適度にするために、飲料用ショウガ組成物乾燥重量10gを95℃、100mlの湯に溶解させた場合の90℃での粘度が10〜1000mPa・sであることが好ましく、更には15〜800mPa・sであることが好ましい。また飲料用ショウガ組成物乾燥重量10gを95℃、100mlの水に溶解させ50℃に冷ました場合の粘度が20〜2500mPa・sであることが好ましく、更には30〜2000mPa・sであることが好ましい。
本発明においてヘスペリジンとは、フラボノイド化合物の一つであって、アグリコンがヘスペレチンであり、糖部分がβ−ルチノースである化合物である。このヘスペリジンは、柑橘類の果皮等に含まれており、苦味を有する他、様々な生理作用を有することが知られている。本実施形態に係る飲料用ショウガ組成物においては、ヘスペリジン単体を配合しても良く、又はヘスペリジンを含有する組成物(例えば、柑橘類からの果汁等)を配合しても良い。
また、ヘスペリジンは、ほとんど水には溶解しないことから、水への溶解度を高めた水溶性ヘスペリジンを用いてもよい。水溶性ヘスペリジンとしては、主に柑橘類から抽出精製したヘスペリジンを、糖転移酵素処理することによって水溶性を高めた糖転移ヘスペリジンを用いることができる。このような水溶性ヘスペリジンとしては、市販の水溶性ヘスペリジン精剤を使用することが可能であり、例えば、株式会社林原から販売されている商品名「ヘスペリジンS」を使用することができる。
本発明にかかる飲料用ショウガ組成物は、ヘスペリジンを0.8〜10.0g/100g配合することが好ましく、さらには1.0〜5.0g/100g配合されることが好ましく、さらには1.7〜3.5g/100g配合することが最も好ましい。
本発明にかかる飲料用ショウガ組成物は、所望により、砂糖、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、トレハロース、キシリトール、スクラロース、ステビア抽出物、ソルビトール、カンゾウ抽出物やラカンカ抽出物等の砂糖類及び甘味料(以下、砂糖類及び甘味料をあわせて砂糖等と呼ぶ)をさらに含有していてもよい。本発明にかかる飲料用ショウガ組成物は、これらの砂糖類及び甘味料の1種または2種以上を50質量%以上含有していることが好ましく、さらには60質量%〜90質量%を含有していることが好ましい。なお、本発明の飲料用ショウガ組成物は、その製品特性から可能な限り天然物を用いることが望ましい。
本発明にかかる飲料用ショウガ組成物を製造するには、ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒、増粘剤、ヘスペリジン、砂糖等を混和する。そして必要に応じて加熱殺菌して所定の容器に充填する。
以下に、本発明の実施の態様について実施例をあげて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
第1の実施例
<サンプルの調整>
以下の配合割合となるように、ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒、デンプン、ショ糖、ブドウ糖を混合して飲料用ショウガ組成物を作成した。そして各飲料用ショウガ組成物10gを95℃のお湯100mlに混和して、室温で50℃に冷ましたものをサンプル飲料とした。
なお、乾燥ショウガ粒は、ショウガ粉砕物を卓上標準ふるい振とう機(筒井理化学器械株式会社製、VSS−50)を用いて振動調節目盛りを8、運転7分で粒子径を分級した。篩はJIS標準篩(ステンレス製、直径200mm、深さ45mm)を使用し、目開き3.33mm、2.43mm、1.70mm、1.41mm、1.18mm、1.00mm、850μm、500μm、355μm、250μmの9種類を選択した。そして、90積算質量%、50積算質量%が含まれる粒子径の範囲を調整した。
<官能評価試験>
飲料用ショウガ組成物の官能評価試験は、10人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、10人のパネラーの評価の平均値である。
<食感の自然さ>
3点:口あたり・舌ざわり・喉ごしが非常によい。
2点:口あたり・舌ざわり・喉ごしがよい。
1点:口あたり・舌ざわり・喉ごしが減じられる。
0点:口あたり・舌ざわり・喉ごしが非常に減じられる。
<乾燥ショウガ粒の知覚>
3点:口あたり・舌ざわりが非常によく、異物感またはザラツキ感を全く感じない。
2点:口あたり・舌ざわりがよく、異物感またはザラツキ感をほとんど感じない。
1点:口あたり・舌ざわりが減じられ、異物感またはザラツキ感を感じる。
または、ほとんど乾燥ショウガ粒を知覚しない。
0点:口あたり・舌ざわりが非常に減じられ、異物感またはザラツキ感を感じる。
または、全く乾燥ショウガ粒を知覚しない。
<適度な辛味・香味>
3点:ショウガの辛味・香味が非常に良い。
2点:ショウガの辛味・香味が良い。
1点:ショウガの辛味・香味が強い、または弱い。
0点:ショウガの辛味・香味が非常に強い、または非常に弱い。
<総合評価>
上記各項目についての評点合計値に基づき、総合評価を算出した。
◎:8〜9点(優)
○:5〜7点(良)
△:2〜4点(可)
×:0〜1点(不可)
<乾燥ショウガ粒の均一性>
その他、乾燥ショウガ粒の均一性について、同様に以下に示す基準で評価したものである。
3点:表面に浮いている乾燥ショウガ粒が1割未満。
2点:表面に浮いている乾燥ショウガ粒が1割以上3割未満。
1点:表面に浮いている乾燥ショウガ粒が3割以上5割未満。
0点:表面に浮いている乾燥ショウガ粒が5割以上。
<粘度の測定>
粘度はB型粘度計(東機産業株式会社 TVB−10M)を用いて測定した。直径5cmの容器に各飲料用ショウガ組成物20gと95℃のお湯200mlを混和して、90℃時点と冷却し50℃時点で測定した。粘度が500mPa・sに満たないものはロータM1を使用し、それ以上のものはロータM2を使用した。また、回転数は粘度に応じ適宜調整した。
Figure 0006466791
<考察>
比較例Aと実施例1は、乾燥ショウガ粒の多くがサンプル飲料の表面に浮かんでしまい、口の中になかなか入らず、口蓋(特に舌)で乾燥ショウガ粒を知覚することができなかった。その結果、舌ではショウガの強い辛味を感じ、飲用に適さなかった。一方、実施例5では、粘度が高いため乾燥ショウガ粒はサンプル飲料内に均一に分散したが、粘度が高すぎるために乾燥ショウガ粒を舌で十分感じることができず、ショウガの辛味をやや強く感じた。さらには、粘度が高すぎるため喉ごしが不快で、食感が不自然であった。
これに対し乾燥ショウガ粒を適度に感じられた実施例2〜4は、乾燥ショウガ粒がサンプル飲料内に均一に分散し、飲用時に舌に適度に接触してショウガの辛味を緩和した。また粘度が自然で喉ごしもよく、総じて好ましい評価を得た。
以上の結果から、所望の飲料用ショウガ組成物を得るためには、ショウガ粉末が呈する辛味と、乾燥ショウガ粒を均一にサンプル飲料内に分散させ、かつ乾燥ショウガ粒を口蓋(特に舌)で知覚できる粘度とが重要であり、ショウガの辛味を構成するショウガ粉末及び乾燥ショウガ粒と増粘剤とのバランスが重要であることが明らかになった。さらには、自然な食感を持たせるための増粘剤の量が重要である必要があることが明らかになった。
Figure 0006466791
<考察>
実施例6は、乾燥ショウガ粒が少なく口蓋で乾燥ショウガ粒をほとんど感じることができなかった。その結果、舌ではショウガの強い辛味を感じ、飲用に適さなかった。
これに対し乾燥ショウガ粒の含有量が1.0%以上の実施例7〜10では、乾燥ショウガ粒を口蓋(特に舌)で感じられ、ショウガの辛味を緩和した。特に実施例8、9では、乾燥ショウガ粒の舌での知覚度合がよく、辛味を抑え食感も好ましかった。
以上の結果から、所望の飲料用ショウガ組成物を得るためには、ショウガ粉末が呈する辛味と乾燥ショウガ粒が与える口蓋(特に舌)への刺激が重要であり、ショウガ粉末と乾燥ショウガ粒とのバランスが重要であることが明らかになった。
Figure 0006466791
<考察>
比較例Cでは、乾燥ショウガ粒が小さく粒子を口蓋で認識が難しかった。さらにザラツキ感を感じ、結果として舌ではショウガの強い辛味を感じて飲用に適さなかった。また実施例16では、乾燥ショウガ粒が大きいため異物感を感じ、喉ごしが悪いため食感が不自然であり、辛味の抑制も十分でなく飲用に適さなかった。
これに対し実施例11〜15では、適度に乾燥ショウガ粒を口蓋(特に舌)で感じられ、ショウガの辛味を緩和した。特に実施例12〜14では、乾燥ショウガ粒の舌での知覚度合がよく、辛味を抑え食感も好ましかった。
以上の結果から、所望の飲料用ショウガ組成物を得るためには、乾燥ショウガ粒の径が重要であることが明らかになった。
第2の実施例
<サンプルの調整>
以下の配合割合となるように、ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒、葛粉、ショ糖、ブドウ糖、ヘスペリジン精製品を混合して飲料用ショウガ組成物を作成した。そして、飲料用ショウガ組成物10gを95℃、100mlのお湯に溶かして撹拌した後、50℃に冷ましてショウガ含有飲料を作成した。
Figure 0006466791
ヘスペリジンは精製品を添加したが、ヘスペリジンを含む果実汁(様態は乾燥物、エキスなどを問わない)を用いてもよく、任意の含有率に調整できる。
本発明によれば、ショウガ由来の辛味成分を多量に含む場合であっても、自然な呈味性と食感を備えた飲料用ショウガ組成物及びその製造方法、並びに飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒及び増粘剤とを含む飲料用ショウガ組成物であって、
    前記乾燥ショウガ粒の90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmであると共に、前記ショウガ粉末に対する前記ショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%であって、
    前記ショウガ粉末と前記乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比が150質量%〜300質量%であることを特徴とする飲料用ショウガ組成物。
  2. 前記増粘剤は、デキストリン、デンプン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、及びアルギン酸ナトリウムから選択される1又は2以上からなる請求項1記載の飲料用ショウガ組成物。
  3. 前記デンプンが葛粉からなることを特徴とする請求項2記載の飲料用ショウガ組成物。
  4. ヘスペリジンを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の飲料用ショウガ組成物。
  5. 前記ヘスペリジンの配合量が0.8〜10g/100gであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の飲料用ショウガ組成物。
  6. 乾燥重量10gを95℃、100mlの湯に溶解させた場合の90℃での粘度が10〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の飲料用ショウガ組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の飲料用ショウガ組成物の乾燥重量10gを50〜100℃、100mlの湯に溶解させることと特徴とするショウガ含有飲料の製造方法。
  8. ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒及び増粘剤とを含む飲料用ショウガ組成物の製造方法であって、
    前記乾燥ショウガ粒の90積算質量%の粒子径が1mm〜3mmに調整されると共に、前記ショウガ粉末に対する前記ショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%に調整され、
    前記ショウガ粉末と前記乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比が150質量%〜300質量%に調整されることを特徴とする飲料用ショウガ組成物の製造方法。
  9. ショウガ粉末、乾燥ショウガ粒及び増粘剤とを含む飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法であって、
    前記ショウガ粒の90積算質量%の粒子径を150〜300に調整し、前記ショウガ粉末に対する前記ショウガ粒の質量比が15質量%〜50質量%に調整し、
    前記ショウガ粉末と前記乾燥ショウガ粒の合計質量に対する増粘剤の質量比を150質量%〜300質量%に調整することを特徴とする飲料用ショウガ組成物の辛味抑制方法。




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