JP6418806B2 - とろみを有するキャンディの製造方法 - Google Patents

とろみを有するキャンディの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6418806B2
JP6418806B2 JP2014126504A JP2014126504A JP6418806B2 JP 6418806 B2 JP6418806 B2 JP 6418806B2 JP 2014126504 A JP2014126504 A JP 2014126504A JP 2014126504 A JP2014126504 A JP 2014126504A JP 6418806 B2 JP6418806 B2 JP 6418806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
candy
powder
particles
thickening
xanthan gum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014126504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016002068A (ja
Inventor
洋造 塩松
洋造 塩松
英克 前田
英克 前田
俊治 加来
俊治 加来
Original Assignee
カンロ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カンロ株式会社 filed Critical カンロ株式会社
Priority to JP2014126504A priority Critical patent/JP6418806B2/ja
Publication of JP2016002068A publication Critical patent/JP2016002068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418806B2 publication Critical patent/JP6418806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

本発明は、とろみを有するキャンディ及びこれの製造方法に関する。
キャンディには、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、錠菓、乾燥物、マシュマロ、掛物などがある。これらのキャンディ類の中でハードキャンディは、砂糖と水飴を溶解濃縮固化させ、水分を0〜5重量%程度まで低下させており、その食べ方も舐めて食べるというものであり、食感開発の難しい菓子の一つである。例えば、ナッツや乳化剤などを練り込んだ噛み砕いて食べるクランチキャンディや、中心部にジャムのようなペーストやチョコレートなどを封入させたタイプのセンター(フィリング)入りキャンディや、キシリトールの結晶の吸熱反応を利用した冷涼感を有するキャンディなどが見受けられるが、ほとんどこれ以外には、食感の改良はできていない状況であった。
ハードキャンディの市場では、30年ほど前に、ハーブを配合した『のど飴』が誕生した。ハーブは民間伝承において、のどの炎症を抑える、咳を鎮める、などとされているものがあり、このようなハーブを配合して『のど飴』と称されることが多かった。現在の市場では、メントールの抗菌性、ビタミンCの粘膜保護などの生理機能を期待して『のど飴』と称するものもあり、また、フルーツのど飴、ビタミンのど飴、ミルクのど飴、黒糖のど飴など、『のど飴』が単なる『飴』と同じような意味合いになってきているものも出回っている。
その理由として考えられるのは、飴自体を食することで口中では唾液が誘発され、リゾチームなどの抗菌成分、抗炎症成分が含まれる唾液がのどをいたわるという考え方や、また、原料の砂糖、水飴自体が保湿力を有するために、乾燥による菌の繁殖を抑制できるという考え方もできよう。昨今は、ストレスや高齢化により、ドライマウス患者も増加しており、ドライマウスによる口腔環境の悪化が、誤嚥性肺炎ばかりではなく、メタボリックシンドロームの原因としても指摘されており、様々な観点から、唾液を誘発したり、口腔内水分を高めるような研究もなされている。
例えば、PGA(ポリグルタミン酸)溶液を口にくわえると、唾液の分泌量が増えるということから、PGAを配合したキャンディや、唾液分泌を誘発させる有機酸を配合したチューイングガムなどが販売されていたりする。しかし、その食感はいたって従来品と変わらず、唾液の誘発による潤い感を体感することはできなかった。
本発明の目的は、ハードキャンディを舐めたときに、とろみのある潤い感を発現させ、よりオーラルケア商材としての機能を高めることが一つの目的である。また、例えば桃やマンゴーやヨーグルトなどのような、とろみのある食べ物のキャンディを作る際、風味ばかりではなく、とろみをもたせ、本物と類似させることで、菓子のおいしさをなお引き立たせることが、もう一つの目的である。
食品に、とろみを付けるという技術は増粘剤を用いてなされる。増粘剤は、水に溶解させ、加熱させることでその粘性を発揮するがゆえ、一般的には水に溶解させた状態で食品に配合される。例えば、増粘剤で増粘化させるものには、流動性のある液状の食品が主であり、乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、果汁飲料、ココア飲料、機能性飲料、栄養補給バランス飲料、カクテル類、果実酒、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ、シチュウ、カレー、グラタン、アイスクリーム、ソフトクリーム、整腸作用食品、濃厚流動食、ソース、ドレッシング等を挙げることができる。
増粘剤は多糖類が主体であり、この増粘多糖類には、キサンタンガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、大豆多糖類、グアガム、寒天、ローカストビーンガム、タラガム、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩類、ジェランガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、アラビアガム、カードラン、プルラン、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性ヘミセルロースなどがある。多糖類以外では、ポリグルタミン酸、カゼインナトリウム、コラーゲン、オボムチンなどの蛋白質類、片栗粉、加工デンプン、くず粉、コーンスターチなどのデンプン類なども挙げられる。
これらの増粘剤は、通常の市販品では30〜250μmに調整されており、一般的には増粘剤を水に溶解させて、水分の高い流動性のある食品に配合するので、粒子径が大きくても最終製品の状態でザラザラとした粒状で存在することはない。
チョコレートのように、油脂に細かい粉原料を練り込んで固める菓子では、原料とする粉の粒子径を30μm以下にすればざらつきが不快感ではないと言われているが、ハードキャンディのように舐めて食する菓子においては、最終製品形態に粒子のままで粉原料を配合する場合は、20μm以下の粒子にしなければ、不快なざらつきを感じてしまう。増粘多糖類をジェットミルのような粉体を最小限まで細かく粉砕する粉砕機にて加工しても、繊維状の粉は25μm程度にしか細かくならず、ざらつきは解消されない。
ジェットミルとは、高速旋回気流を利用して、粉と粉を衝突させて粉砕するという機械であるが、グラニュー糖や二酸化ケイ素やクエン酸のような、硬い結晶の粒子に関しては粒子同士がぶつかり合い10μm以下まで細かく粉砕されるが、多糖類やタンパク質、乾燥果物、乾燥野菜のような植物など、繊維状の柔らかい粒子では25μm程度にしか細かくならない。
一般的な増粘剤の使い方としては、水に溶解させて増粘効果をもたせたかたちで食品に配合される。ハードキャンディの製法の中に、水に溶解させた増粘多糖類を配合させた場合、水分を強制的に蒸発させて濃縮させていくに伴い、一旦は溶解させた増粘剤が、次第に水分を離して凝集し、大きな粒となってひどくざらつくという問題があった。
特許文献1では、二軸エクストルーダーを用いて、飴を撹拌しながら濃縮していく工程で、キサンタンガムを水に溶解させて投入している。この製法で、とろみが呈されたとしても、水分を強制的に蒸発させることで増粘剤は凝集し、不快なざらつきの発生を免れることはできない。
特許文献2では、キサンタンガムを使用したとろみ剤の製法が示されているが、あくまで溶かして使用するタイプの増粘剤の顆粒の製法であり、本発明の意図する粉のままで低水分のキャンディに練り込むものとは異なる。
特開2008−61588号公報 特開2007−124954号公報
ハードキャンディの食感は、噛み砕いて食べるタイプのクランチキャンディ、内部にジャムやチョコレートのようなペーストを封入したセンター(フィリング)入りキャンディ、キシリトールの結晶を利用した冷涼感を有するキャンディ以外には、通常の昔ながらのキャンディの食感の製法しかなしえなかった。本発明では、ハードキャンディにとろみのある潤い食感を付与することを課題としている。そのことで、唾液を口中に長く滞留させ、口中を乾燥から守り、のどのケアに役立ったり、とろみを特徴とする桃、マンゴー、ヨーグルトのようなキャンディの味わいを深めたりすることが期待される。
一般的には、水分の多い流動性を有する食品においては、増粘多糖類などの増粘剤を水に溶解させてから配合し、とろみを付与しているが、キャンディのように低水分であって流動性の無い食品においては、水分をほとんど配合できないので、増粘剤をとろみ付けの目的でふんだんに配合することができなかった。ハードキャンディでは水分を高くしてしまうと、その保型性やべたつきの問題を生じてしまうので、多量の増粘多糖類を水に溶解させて配合することはできなかったのである。
また、増粘剤をあえて水に溶解させずに、粉の状態のままで最終製品形態のなかに点在あるいは層状に分散させるような製法の場合、通常30〜250μmの粉として市販されている増粘多糖類をそのまま配合すると、ひどくざらつく食感となってしまう。更に、その増粘多糖類を粉砕機で粉砕したとしても、繊維状である増粘多糖類は、せいぜい25μmにしか粉砕できず、これをハードキャンディに粉のままで配合した場合、不快なざらつきを有するままであった。そこで、本発明では、ざらつきもなく、尚且つ、とろみを付けて潤い感を発現させることを課題としている。
一般的に流通されている増粘多糖類の粒子のメジアン径は30〜250μmであり、通常は粉砕機にて加工してもメジアン径25μm程度にしか粉砕されない(図1−(b))なかで、本発明においては、図1の結果に見られるように、グラニュー糖を一定比率で混合させてからジェットミルにて粉砕することで粒子のピークが9μm程度(メジアン径10.0μm)に出ているよう、粉砕することに成功している(図1−(c))。これは単にグラニュー糖だけが極微細に粉砕されたのではなく、50μmあたり図1−(a)に存在していたキサンタンガムのピークがほぼ完全に無くなり、9μmに単一のピークが出てくることから、キサンタンガムは単独よりもグラニュー糖を混合したほうが細かく粉砕されていることが証明されている(粒子径はHORIBA社製 LA950で測定した)。
ハードキャンディのような低水分であって流動性が無い、固形状の菓子に対し、粒子のメジアン径20μm以下の、好ましくは極めてざらつきを感じない10μm程度の増粘多糖類を、水に溶解させずにあえて粉の状態で最終製品形態の中に配合し、点在、あるいは、層状に存在させることで、ハードキャンディを食したときに口中で初めて唾液と増粘多糖類が触れることで、増粘多糖類が唾液の水分を吸収し、とろみを発揮するというものである。
なお、粉の粉砕方法には、ジェットミル以外にも、震動ミル、ローラーミル、カッターミル、ハンマーミルなどが挙げられるが、粉をより微細に乾式粉砕する場合は本発明で用いるジェットミルで粉砕することが最も有効である。
舐めて食すハードキャンディでは、その食感を多様化させて新規性を打ち出すことが困難であった。メジアン径10μm程度に粉砕された増粘多糖類を、ハードキャンディの最終製品形態の内部あるいは表層部に粉の状態で配合して点在、あるいは、層状に存在させ、それが口中において、唾液と接することで、増粘多糖類が唾液の水分を吸収し、口中ではじめてとろみのある潤い食感を発現することに成功している。この発明の実施により、例えば、のどに潤いを与えるのど飴を提供でき、のどに水分を保持させ乾燥から守り、更に、抗菌性を有するメントールやハーブエキスを長くのどに保持させ、のどの炎症を抑えたり、予防したりする効果も期待できる。また、のどのケアを目的としたハードキャンディばかりではなく、チューイングガムにおいては、抗菌成分を含む唾液を誘発し、口腔細菌の繁殖を抑制し、口臭予防の目的で、とろみパウダーを有効に利用することもできよう。
もうひとつの効果として、ハードキャンディにとろみをもたせることにより、桃やマンゴーやヨーグルトなどのような、とろみのある食べ物の味の菓子を作る際、風味ばかりではなく、とろみをもたせた食感も本物と類似させることで、菓子のおいしさをなお引き立たせることが実現できた。
本発明は、ハードキャンディのように水分が低く、固形状の食品であれば広く利用することができ、例えば、チューインク゛ガムやチョコレートのように、口中で滑らかさが要求される菓子においても、桃やマンゴーやヨーグルトのようなとろみのあるものの風味をより現物に近い食感で味わえるようにできる。
本発明で使用している増粘多糖類には、グアガムのような血糖値の緩やかな上昇に役立つものや、ヒアルロン酸のような肌水分を高めるもの、フコイダンのようなインフルエンザなどのウイルスの繁殖を抑えるもの、アルギン酸のようなミネラル吸収を改善するものもあり、これらをキャンディから摂取できるという効果もある。
更に、本発明の一部である、繊維状の増粘多糖類をグラニュー糖と一定比率で混合し、ジェットミルで粉砕する方法は、粉体を10μm以下という細かい粒子に粉砕する方法であるばかりではなく、ジェットミルでの生産速度を速くしても粒子が小さくなるという方法であり、エネルギー効率も大変改善されるところも効果の一つである。
キサンタンガムをジェットミルで粉砕した粉の粒度分布 通常のキャンディを示す図。 とろみパウダーを内部に練り込んだキャンディ とろみパウダーを内部に練り込んだA−A’線断面図。 とろみパウダーを表面にまぶしたA−A’線断面図。 とろみパウダーを層状に練り込んだキャンディ。 とろみパウダーを層状に練り込んだB−B’線断面図(その1)。 とろみパウダーを層状に練り込んだB−B’線断面図(その2)。
とろみを付与する10μmの増粘多糖類粉原料の製造
先ず、色々な増粘多糖類をジェットミル粉砕し、粒子のメジアン径と、その粉を粉状のままでハードキャンディに練り込んで成形し、舐めたときのとろみとざらつきについて調べてみた。増粘多糖類として、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、カラギーナン、イオタカラギーナン、カッパカラギーナン、ペクチン、グアガム、ヒドロキシメチルセルロースを、とろみを有する蛋白質として、ゼラチン、ポリグルタミン酸、ミルクカゼインをジェットミルで粉砕し、粒子のメジアン径と、とろみの強さを調べてみたところ、この中で、キサンタンガムが最もとろみを呈する効果は高く、また、ジェットミル加工で細かくなりやすいことが分かった。次に、カラギーナンが続き、キサンタンガムとカラギーナンを併用することも有効であると考えられる(ジェットミルとしては、セイシン企業社製のA−O JET MILLを使用し、エアー圧0.6MPa、供給量0.02g/秒とした)。
しかしながら、最も有効なキサンタンガムであっても、そのものの粒子のメジアン径は37.7μmであり、ジェットミル粉砕を施しても24.8μmであった。24.8μmでは、依然として不快なざらつきが残っているため、更に細かくするために、いくつかの結晶状の硬い粒子として、キサンタンガムに対して、グラニュー糖、グラニュー糖の粉糖、エリスリトール、キシリトール、還元イソマルツロース、ラクトース、ブドウ糖を同量ずつ混合させてキサンタンガムを粉砕してみた。
その結果、いずれの結晶状の糖質を混合しても、使う糖質によって粒子のメジアン径が大きく変わることは無く、概ね、9μm〜13μmとほぼ同じメジアン径になっていた。また、グラニュー糖の粉糖やエリスリトール微粉のような、あらかじめ30μm程度に粉砕されている粒子を使っても、ジェットミル加工されていない250μmの大粒の粒子を使っても、ジェットミル加工したのちの粒子のメジアン径は9〜11μmであり、ほぼ同等であった。
最終的なキャンディの製品コンセプトに合わせて、混合する糖質は選択でき、例えば、低カロリーの製品の場合は、エリスリトールを用いたり、虫歯予防の製品の場合はキシリトール、吸湿が問題になるときは還元イソマルツロース、甘みを抑えたいときは乳糖やトレハロースなど、目的に応じて糖質を選定してもよいことが分かった。
次に、グラニュー糖が最も粒子も小さくなり、安価であり、様々な食品に配合しやすいことから、グラニュー糖を選定し、いくつかの増粘多糖類と同量だけ混合して粉砕し、粒子のメジアン径やとろみ、ざらつきを調べてみた。結果を表1に示す。グラニュー糖を増粘多糖類と混合して粉砕した場合、キサンタンガムが最も小さく粉砕され、強いとろみを呈し、ざらつきも少ないという結果であった。
次に、増粘多糖類のジェットミルでの粉砕を効率化させるために混合するグラニュー糖の量を設定するために、キサンタンガムに対してグラニュー糖を何重量%配合すれば効率よく粉砕され、ざらつきが少なく、とろみを出すことができるかを検討した。グラニュー糖はできるだけ少なめに配合し、尚且つ、粒子のメジアン径が細かくなる適量を設定すべきであった。
結果として、キサンタンガムに対するグラニュー糖の比率が50重量%のときが、適度にとろみが強く、ざらつきが弱いことから、実施例においては、キサンタンガム50重量%とグラニュー糖50重量%の比率で混合してジェットミルで加工して粉砕したパウダーを使用することとした。グラニュー糖50重量%とキサンタンガム50重量%の混合物をジェットミル加工により粉砕し、この製法によって得られたメジアン径10μmのグラニュー糖とキサンタンガムの混合粉末原料を、以降、『10μmとろみパウダー』と称する。併せて、キサンタンガムのみをジェットミル加工で粉砕した粉末を『24.8μmとろみパウダー』、グラニュー糖1重量%とキサンタンガム99重量%を混合物をジェットミル加工により粉砕した粉末を『20μmとろみパウダー』と称する。
尚、キサンタンガムは塩類の存在下で粘性が強まったり、pHによっては粘性強度が変化するということから、塩類や酸味料などをキサンタンガムに混合して併用しても構わないが、この実験系に関しては、色々な菓子に配合するために、あえてグラニュー糖以外の呈味に影響する原料は配合しなかった。
また、ジェットミルの加工条件を変更させ、粉砕処理速度を落としたり、ジェットミル粉砕した粉原料を再度ジェットミル処理を施すなどすれば、若干、繰り返しジェットミル処理を施す方が粒子のメジアン径は細かくなるが、おおよそ9μmを下回ると、繰り返しジェットミル加工を施しても、ほとんど粒子はこれ以下に細かくなることはなく、加工にかかるコストを鑑みると、グラニュー糖を50重量%とキサンタンガムを50重量%とを混合して、上記条件で加工することが効率的であると判断した。
増粘多糖類はキサンタンガム単品で使うこともできるが、他の増粘多糖類を併用することでとろみの質を好みに合わせて変えることもできる。
この24.8μm、20μm、10μmのとろみパウダーを、次に、ハードキャンディに0.1重量%、ならびに、0.5重量%、2.0重量%ずつ、粉の状態のままで練り込み、とろみ付与の効果を調べてみた。結果を表3に示す。
ジェットミルで粉砕する際のグラニュー糖の混合量が少ないほうがキサンタンガムの相対量が多くなるが、それに伴い、キサンタンガムの粒子のメジアン径は大きくなり、ざらつきは強くなり、口どけが悪いことからとろみが出にくいというデメリットがある。粒子のメジアン径が小さいほうが口どけがよく、とろみも出やすいのである。
ハードキャンディへのとろみパウダーの練り込みによるとろみとざらつきの評価試験
砂糖500g、水飴500gを150℃まで煮詰め、120℃まで冷却し、ハーブエキス、メントール香料を練り込み、最後に、24.8μmとろみパウダー、20μmとろみパウダー、10μmとろみパウダーを0.1重量%、ならびに、0.5重量%、2.0重量%の割合で練り込み、成形したのち常温まで冷却し、とろみが有るか無いかを調べた。また、ざらつきがあるかどうか、そのざらつきが不快であるかどうかを調べた。とろみ付けは、キャンディの内部だけ、或いは、表層部だけ、或いは層状にする、パウダーを表面にまぶす、センター部に集中させる、水に溶解させるのではなく、油脂や有機溶媒に分散させてから練り込むなど、商品のコンセプトや生産設備の適性に応じて、様々な部位にとろみを付与することができるが、ここでは、キャンディ全体に練り込んでいる。
結果は、表3に示すように、キサンタンガムのみをジェットミルで粉砕した24.8μmとろみパウダーの0.1重量%練り込みでは、とろみはややあるが、ざらつきによる不快感のほうが顕著であり、とろみを付与することにメリットを見いだせない品質であった。20μmとろみパウダーの0.1重量%練り込みでは、とろみもあり、ざらつきもあるが、不快というレベルではなく、とろみを有するハードキャンディとして十分な品質と考えられる。10μmとろみパウダーの0.1〜2.0重量%練り込みでは、いずれも十分にとろみを有し、ざらつきも少ないので、最も効果的であった。また、好みのとろみ強度に合わせて練り込み量を調整することができるという結果であった。
また、これらの結果は、他の増粘多糖類でも同様に、不快なざらつき無しで、とろみを付与することができているが、キサンタンガムが最もとろみ付与に効果的であったために、キサンタンガムを一つの例として示している。
ただし、キサンタンガムを多く配合して強力にとろみを付与させたい場合、キサンタンガムのとろみの性質として、喉の奥に溜まるような、ざらつきとは別の不快感を生じる場合もある。その場合は、カラギーナンやペクチンのような、キサンタンガムのとろみを緩和させるような増粘多糖類を併用することで、強力で且つ、喉越しのよい食感を発現することができる。
とろみパウダーを作成する際に、キサンタンガムに加え、カラギーナン、あるいは、ペクチンを併用して作成したとろみパウダーを、キャンディに2重量%練り込み、とろみの質について評価してみた。結果を表4に示す。
強力なとろみをキサンタンガムを配合することで発現させ、そのキサンタンガムの強力なとろみをカラギーナンやペクチンで少し緩和させることが、より良好なとろみの食感につながるのである。
本発明により得られたとろみパウダーを、キャンディの最終形態のなかに、粉の状態のままでキャンディ内部に練り込んだり、表層部にまぶす、あるいは、層状に存在させることなどにより、口中でとろみのある潤い感を発現するのど飴を生産することができた。また、とろみを特徴とする桃、マンゴー、ヨーグルトなどのキャンディにとろみを付与させることで、キャンディのおいしさをより深めることができた。
ここで、とろみパウダーを「内部に練り込む」とは、キャンディ全体に内部まで行き渡るように、高温で軟化したキャンディに練り込んで成型されたものである。(図4を参照)「表層部にまぶす」とは、キャンディの表面にとろみパウダーが集中するように振り掛けたものである。(図5を参照)「層状に存在させる」とは、とろみパウダーを層状に(筋状あるいは線状)に局在化させ、とろみ部分ととろみの無い部分のめりはりを付けることで、よりとろみを楽しめる構造のものである(図7,8を参照)。
1…キャンディ
2…とろみパウダー

Claims (7)

  1. 粉状の増粘多糖類を微細な粒子に粉砕するステップであって、該増粘多糖類としてキサンタンガムを用いる、粉砕するステップと、
    水溶解させることなく粉状の上記粒子のままでキャンディに配合するステップと
    最終製品形態のキャンディの内部および表層部の少なくとも一方に上記増粘多糖類を粉状で点在させるか、あるいは、層状に存在させるステップと、
    を含むキャンディの製造方法において、
    上記粉砕するステップにおいて、上記粒子のメジアン径が20μm以下となるまで粉砕することを特徴とする、キャンディの製造方法。
  2. 上記粉砕するステップにおいて、上記粒子のメジアン径が9μm〜20μmとなるまで粉砕することを特徴とする、請求項1に記載のキャンディの製造方法。
  3. 上記粉砕するステップにおいて、上記増粘多糖類に加えて結晶状の糖質を1重量%〜70重量%の割合で混合することをさらに含む、請求項2に記載のキャンディの製造方法。
  4. 上記結晶状の糖質として、グラニュー糖、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、乳糖、粉糖、ブドウ糖および還元イソマルツロースからなる群から選択された1種または複数種を混合したものを用いることを特徴とする請求項に記載のキャンディの製造方法。
  5. 粉状の増粘多糖類を微細な粒子に粉砕するステップであって、該増粘多糖類としてキサンタンガムとカラギーナンの混合物を用いる、粉砕するステップと、
    水溶解させることなく粉状の上記粒子のままでキャンディに配合するステップと
    最終製品形態のキャンディの内部および表層部の少なくとも一方に上記増粘多糖類を粉状で点在させるか、あるいは、層状に存在させるステップと、
    を含むキャンディの製造方法において、
    上記粉砕するステップにおいて、上記粒子のメジアン径が11.3μm以下となるまで粉砕することを特徴とする、キャンディの製造方法。
  6. 上記粉砕するステップにおいて、上記粒子のメジアン径が9μm〜11.3μmとなるまで粉砕することを特徴とする、請求項5に記載のキャンディの製造方法
  7. 上記粉砕するステップにおいて、ジェットミルを用いて粉砕することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のキャンディの製造方法。
JP2014126504A 2014-06-19 2014-06-19 とろみを有するキャンディの製造方法 Active JP6418806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014126504A JP6418806B2 (ja) 2014-06-19 2014-06-19 とろみを有するキャンディの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014126504A JP6418806B2 (ja) 2014-06-19 2014-06-19 とろみを有するキャンディの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016002068A JP2016002068A (ja) 2016-01-12
JP6418806B2 true JP6418806B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55221886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014126504A Active JP6418806B2 (ja) 2014-06-19 2014-06-19 とろみを有するキャンディの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418806B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6900973B2 (ja) * 2018-06-22 2021-07-14 大正製薬株式会社
JP6737860B2 (ja) * 2018-11-16 2020-08-12 新田ゼラチン株式会社 泡用液剤および泡状食品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2561892B1 (en) * 2010-03-31 2015-05-06 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. Easily dosable solid preparation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016002068A (ja) 2016-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5978418B2 (ja) セルロース組成物
JP6164930B2 (ja) ゲル製剤
BRPI0707914A2 (pt) substituição funcional de açúcar
JP2008073020A (ja) ソフトキャンディ及びその製法
JP4657893B2 (ja) 液状組成物用増粘化剤
JP6724104B2 (ja) 大麦粉末を含む食品
WO2012090860A1 (ja) ミルクセラミド含有食品及びその製造方法
JP6821312B2 (ja) グミ状可食性組成物
JP2011182783A (ja) シート状又はタブレット状の成形食品の製造方法
JP6218500B2 (ja) 飲料組成物
JP5990490B2 (ja) 気流粉砕小豆食品の製造方法
KR101313630B1 (ko) 홍삼 푸딩의 제조 방법 및 이 제조방법에 의해 제조된 홍삼 푸딩
JP6418806B2 (ja) とろみを有するキャンディの製造方法
JP5716938B1 (ja) 経口組成物及び呈味改善組成物
JP2012223090A (ja) アイスクリーム類
JP5110033B2 (ja) ソフトキャンディ
JP2009118824A (ja) コラーゲン含有組成物
JP2008125435A (ja) ゲル形成性組成物及びこの組成物を含有するゲル
JP2003135030A (ja) 微細セルロース含有複合体を配合してなる食品組成物
JP7018273B2 (ja) 麺類の品質改善用組成物、その製造方法、及び麺類
JP6466791B2 (ja) 飲料用ショウガ組成物及びその製造方法
JP6101433B2 (ja) ベーカリー製品
JP4900952B2 (ja) 咀嚼・口内滞留特性が向上した食品の製造法
JP2016214229A (ja) 揚げ菓子
JP6396517B2 (ja) オカラ含有組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250