JP6466623B2 - 動植物性燃料製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動植物から採取された油を原料として、沈殿、ろ過、加熱及び水混合という物理的手法のみを用いて、ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能な燃料に精製する装置とそれを用いた燃料の製造方法に係り、特に、二酸化炭素を排出しない(カーボンニュートラル)という特性を有するとともに大気環境汚染物質である窒素酸化物(以下、NOという。)と黒煙(以下、Sootという。)を同時に低減することが可能な環境対応型の動植物性燃料の製造装置とそれを用いた動植物性燃料の製造方法に関する。
動植物から採取された油は粘度が高いなどの特徴を有しており、そのままボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置の燃料として使用した場合には、析出物により燃料ポンプや噴射ノズルに不具合が発生することが懸念される。そこで、近年では、「メチルエステル化」などの化学的処理を実施して原料である動植物油からグリセリンを取り除くことで、動植物油を脂肪酸メチルエステルなどの軽油に近い性状に変換した「ディーゼル自動車用燃料(バイオディーゼル燃料、以下、BDF(登録商標)という。)」が使用されている。
このBDFは、例えば、特許文献1に記載されているように、次のような方法によって製造される。
(1)動植物油にメタノールと触媒を加えてエステル交換反応を起こし、これに酸を加えて中和させたうえで脂肪酸メチルエステルとグリセリンに分散させる。
(2)分離した脂肪酸エステルを水洗処理して触媒を取り除く。
(3)さらに蒸留処理をしてメタノールを除去する。
特開2008−111098号公報
しかしながら、化学的手法を用いる場合には次のような課題がある。
(1)動植物油にメタノールと触媒を加えてエステル交換反応を起こし、これに酸を加えて中和させたうえで脂肪酸メチルエステルとグリセリンに分散させる際に、触媒と多量のエネルギー及びコストを必要とする。
(2)分離した脂肪酸エステルを水洗処理して触媒を取り除く際に、多量の水を必要とするとともに、水を浄化するための装置とこれを行うための多量のエネルギー及びコストを必要とする。
(3)蒸留処理をするための装置とこれを行うための多量のエネルギー及びコストを必要とする。
(4)この際、副産物として原料となる動植物油の10%程度のグリセリンが生成されるが、触媒や未変換の脂肪酸などが混入しており、有効な用途がないとされている。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、動植物から採取された油を原料として、ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能であって、信頼性が高く、低コストで省エネルギーに適した燃料を製造する装置とそれを用いた燃料製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、魚類などから生成された動物性油や植物の種子等から直接採取された植物性油、あるいは調理に使用された後の廃食用油からなる原料油を精製してボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能な動植物性燃料を製造する方法であって、原料油を貯蔵して鉱物や金属成分など密度差が大きな不純物を沈殿させて除去する工程と、貯蔵された原料油を吸入して異物をろ過する一次ろ過工程と、この一次ろ過工程においてろ過された原料油を動植物性燃料の原液として貯蔵する工程と、この貯蔵された状態の原液を加熱する一次加熱工程と、この一次加熱工程において加熱された原液から上記異物よりもさらに粒径の小さい異物をろ過する二次ろ過工程と、この二次ろ過工程においてろ過された原液を加熱する二次加熱工程と、を備えたことを特徴とするものである。
このような動植物性燃料製造方法においては、沈殿、ろ過及び加熱という物理的手法のみによって、ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能な燃料が精製されるという作用を有する。特に、粒径及び密度差の比較的大きな不純物が分離され、動植物性燃料の原液として貯蔵された原料油は、加熱されることにより、粘度が低下して流動性が増加する。その結果、原料油に含まれる密度の大きな不純物の沈殿が促進されるという作用を有する。
また、原液を二次加熱することによって製造した動植物性燃料を燃焼させた場合、燃料噴射の際の微粒化が促進されて燃焼が改善されるため、Sootの発生量が少なくなるという作用を有する。
また、第2の発明は、第1の発明において、二次加熱工程の後に原液を所定の割合で水と混合させる工程を備えたことを特徴とするものである。
このような動植物性燃料製造方法においては、第1の発明の作用に加え、製造された動植物性燃料を燃焼させた場合、噴霧に含まれる水の気化熱により周囲温度が下がるとともに、蒸発した水(水蒸気)の比熱が空気よりも大きい等の理由から、燃焼温度が低下してNOxが減少するという作用を有する。さらに、燃料噴射時における噴霧への空気導入量が増加して、燃焼が改善されるため、Sootが減少するという作用を有する。
第3の発明に係る動植物性燃料製造装置は、動植物油が原料油として貯蔵される原料油タンクと、第1のフィルタを有して原料油タンクに移送ポンプを介して接続される一次ろ過装置と、この一次ろ過装置によって処理された原料油が動植物性燃料の原液として貯蔵される燃料供給タンクと、この燃料供給タンクに貯蔵された原液を加熱する一次加熱手段と、燃料供給タンクに第1の配管を介して接続される循環ポンプと、第1のフィルタよりも網目が小さい第2のフィルタを有して循環ポンプの吐出側に設置される二次ろ過装置と、この二次ろ過装置の下流に設置される二次加熱手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の動植物性燃料製造装置においては、原料油タンクという閉鎖された空間内に所定の時間貯蔵することにより、鉱物や金属成分などの原料油よりも密度の大きな不純物が原料油タンクの底に沈殿するという作用を有する。また、粒径の比較的大きな異物が一次ろ過装置によって分離されるという作用を有する。さらに、燃料供給タンクに貯蔵された状態の動植物性燃料の原液を一次加熱手段によって加熱することにより、原液の粘度が低下して流動性が増加する結果、密度の大きな不純物の沈降速度が向上し、上記沈殿の効率が高まるという作用を有する。そして、一次ろ過装置では分離されなかった異物が二次ろ過装置によって分離されるという作用を有する。また、二次加熱手段によって原液を加熱することによって製造した動植物性燃料を燃焼させた場合、燃料噴射の際の微粒化が促進されて燃焼が改善されるため、Sootの発生量が少なくなるという作用を有する。
第4の発明は、第3の発明において、二次加熱手段に第2の配管を介して接続され、二次加熱された原液に対し、所定の割合で水を混合する水混合装置を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の動植物性燃料製造装置においては、第3の発明の作用に加え、二次加熱された原液に対して水混合装置により所定の割合で水が混合されるようにして製造された動植物性燃料を燃焼させた場合、噴霧に含まれる水の気化熱により周囲温度が下がるとともに、蒸発した水(水蒸気)の比熱が空気よりも大きい等の理由から、燃焼温度が低下してNOxが減少するという作用を有する。さらに、燃料噴射時における噴霧への空気導入量が増加して、燃焼が改善されるため、Sootが減少するという作用を有する。
第5の発明は、第4の発明において、圧力調整弁が設けられた第3の配管を介して第1の配管と第2の配管が接続されたことを特徴とするものである。
上記構造の動植物性燃料製造装置においては、第4の発明の作用に加え、水混合装置への供給圧力の変動が小さく抑えられるという作用を有する。
以上説明したように、第1の発明によれば、化学的手法を用いる場合のように触媒を用いたり、多量のエネルギーを消費して高コスト化の要因となる水の浄化処理や蒸留処理を行ったりする必要がなく、また、有効な用途のない副産物が生成されることもないため、動植物から採取された油を原料として、ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能であって、信頼性が高く、低コストで省エネルギーに適しており、しかも、燃焼させた際にSootの発生が少ない燃料を製造することができる。
第2の発明によれば、第1の発明に比べて燃焼時のSootの発生が少なく、さらに、NOxも発生し難い燃料を製造できるという効果を奏する。
第3の発明によれば、第1の発明に係る動植物性燃料製造方法を容易に実現することができる。
第4の発明によれば、第3の発明の効果に加え、第2の発明に係る動植物性燃料製造方法を容易に実現できるという効果を奏する。
二次ろ過装置による2次ろ過の際に、汚れにより第2のフィルタが詰まってしまうと、水混合装置への供給圧力(流量)が変化するおそれがあるが、第5の発明によれば、水混合装置への供給圧力の変動が小さく抑えられるため、水混合装置において燃料と水を所定の割合で混合させるとともに、エンジン等に対して十分な量の燃料を供給することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る動植物性燃料製造方法の工程の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る動植物性燃料製造装置の構成の一例を示したブロック図である。 本発明の方法によって製造した燃料を用いて供試機関を運転した場合の燃費とNOxの発生割合の測定結果である。 本発明の方法によって製造した燃料を用いて供試機関を運転した場合のNOxの発生割合の測定結果である。 本発明の方法によって製造した燃料を用いて供試機関を運転した場合のSootの発生割合の測定結果である。 本発明の方法によって製造した燃料の温度と動粘度の関係を示す実験結果である。 本発明の方法によって製造した燃料の温度と燃費及びNOxの発生割合との関係を示した実験結果である。
図1は本発明の動植物性燃料製造方法の工程の一例を示したフローチャートであり、図2はそれに用いられる動植物性燃料製造装置の構成の一例を示したブロック図である。
図1において、ステップS1では、魚類などから生成された動物性油や植物の種子等から直接採取された植物性油(Straight Vegetable Oil:以下、SVOという。)、あるいは調理に使用された後の廃食用油(Vegetable Oil
from Cooking:以下、VOCという。)からなる原料油を原料油タンク1に貯蔵する。これは、不純物の密度が異なるという特性を利用した「沈殿」と呼ばれる分離方法であり、このように閉鎖された空間内に所定の時間貯蔵することにより、原料油よりも密度の大きな「鉱物や金属成分などの不純物」が原料油タンク1の底に沈殿する(一次沈殿)。なお、このようにして沈殿した不純物はドレン抜きコック等から原料油タンク1の外へ排出される。
ステップS2では、原料油タンク1に貯蔵された原料油を移送ポンプ2によって吸入し、粒径が50〜100μm程度までの固形物を分離可能なフィルタを備えるとともに移送ポンプ2の吐出側に設置された一次ろ過装置3により原料油から除去する(一次ろ過)。
ステップS3では、ステップS1とステップS2の処理によって粒径及び密度差の比較的大きな異物が分離された原料油を動植物性燃料の原液として燃料供給タンク4に貯蔵し、ステップS4において、燃料供給タンク4に貯蔵された状態の動植物性燃料の原液を加熱する(一次加熱)。これにより、動植物性燃料の原液の粘度が低下するため、流動性が増加する。その結果、密度の大きな不純物の沈降速度が向上し、前述の「沈殿」の効率が高まる(二次沈殿)。
なお、ステップS4において動植物性燃料の原液を加熱する一次加熱手段としては、例えば、熱交換器やタンク内に設置された電気ヒータ等の熱源が考えられる。また、循環ポンプを用いて水や高沸点溶液等の液体をボイラやディーゼルエンジン等の熱機関の排気管に設置された熱交換装置とタンク内に設置された熱交換装置の間を循環させる方法などによっても上記原液の一次加熱を行うことができる。
ステップS5では、燃料供給タンク4に配管10aを介して接続される循環ポンプ5によって動植物性燃料の原液を吸入し、粒径が10〜50μm程度までの固形物を分離可能なフィルタを備えるとともに循環ポンプ5の吐出側に設置された二次ろ過装置6により粒径が10〜50μm程度までの固形物を原液から除去する(二次ろ過)。なお、ステップS4における加熱処理は、原液の粘度を低下させることにより二次ろ過装置6の微細なフィルタを通過する際の抵抗を低減させるとともに、循環ポンプ5に供給する動力を減少させるという効果を有している。
ステップS6では、熱交換器からなり、二次ろ過装置6の下流に設置される加熱器7によって、上述の異物が除去された原液を加熱する(二次加熱)。すなわち、ステップS5の処理によって、「ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に装備された燃料噴射ポンプや燃料噴射弁」において圧縮及び噴射に適しない程度の微小な粒径の固形物(粒径が約10〜50μm程度以上の異物)が原液から連続的に除去(二次ろ過)され、ステップS6の処理によって、原液はボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能な動植物性燃料(Straight Biological Fuel:以下、SBFという。)となる。
ステップS7では、加熱器7に配管10bを介して接続される水混合装置8を用いてSBFに対して、所定の割合で水を混合する。これにより、二酸化炭素を排出しない(カーボンニュートラル)という特性を有するとともに大気環境汚染物質であるNOxとSootを同時に低減することが可能な環境対応型の動植物性燃料が得られる。
なお、二次ろか装置6による2次ろ過の際に、汚れによりフィルタが詰まってしまうと、水混合装置8への供給圧力(流量)が変化し、エンジンに対する燃料の供給量が不足するとともに、水混合装置8において燃料と水を所定の割合で混合させることが困難となる。そこで、配管10aと配管10bを接続する配管10cに圧力調整弁9を設置することにより、水混合装置8への供給圧力の変動を抑えるとともに、圧力が設定値以上になると警報を発するなどの措置により機器の不具合を未然に防止する機能を備えた圧力計11を二次ろ過装置6の入口側に設けている。
次に、本実施の形態に係る動植物性燃料の製造方法に関連して行った実験について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実験では、表1に示した燃料を使用し、定格出力と回転数がそれぞれ214kw、3101回転の供試機関の負荷率を75%(160kW)とし、回転数を1分あたり2820回転とした。また、実験に用いたSBFは、本発明の動植物性燃料製造方法によって廃食用油を精製して得たものである。
Figure 0006466623
実施例1では、SBFがエンジン又はボイラ等の機器の燃料として使用できるかどうかを明らかにする実験を行った。図3は軽油とBDFとSBFを燃料として供試機関を運転した場合の燃費とNOxの発生割合を測定した実験結果である。
図3に示すように、SBFの燃費は軽油やBDFとほとんど同じであった。なお、燃費は次の式(1)によって算出した。
Figure 0006466623
また、NOxについては、SBFはBDFとほぼ同じであるが、軽油よりも高い値を示している。これは、表1に示すように、SBFとBDFは約10%の酸素分を含むため、燃焼が改善されたためと考えられる。
このように、本発明の動植物性燃料製造方法によって得られたSBFをエンジン又はボイラ等の機器の燃料として使用した場合、BDFを用いた場合とほぼ同じエンジン性能が得られる。
実施例2では、図2に示した動植物性燃料製造装置において、水混合装置8(図2参照)を用いて水が質量割合でそれぞれ10%及び20%混合されたSBFを製造した。図4及び図5は、このSBFを燃料として供試機関を運転してNOxとSootの発生割合を測定した実験結果である。
図4及び図5に示すように、SBFに水を混合した場合、NOxやSootが大幅に低減することがわかる。これは、燃料に水を混合することによって噴霧に含まれる水の気化熱により周囲温度が下がるとともに、蒸発した水(水蒸気)の比熱が空気よりも大きいため、燃焼温度が低下してNOxが減少したものと考えられる。また、Sootが減少したのは、燃料に水を混合することで、燃料噴射時における噴霧への空気導入量が増加して、燃焼が改善されたためと考えられる。
このように、本発明の動植物性燃料製造方法によって動植物油を精製し、これに水混合装置8を用いて水を混合することにより得られたSBFをエンジン又はボイラ等の機器の燃料として使用した場合、大気環境汚染物質であるNOxとSootを同時に低減することが可能である。
実施例3では、SBFを加熱して、その動粘度を測定するとともに、SBFの温度と燃費及びNOxの発生割合との関係を明らかにする実験を行った。
図6はSBFの温度と動粘度の関係を示す実験結果であり、図7はSBFの温度と燃費及びNOxの発生割合との関係を示した実験結果である。
図6に示すように、SBFを加熱すると温度の上昇とともに動粘度は低下する。ただし、燃料を加熱するには熱源が必要であり、高温にするためには、高価な設備と多量のエネルギーが必要となる。したがって、所定の動粘度を得るための温度が低い燃料ほど、信頼性が高く、低コストで省エネルギーに適したものであると言える。
図7に示すように、SBFは温度が50℃以上(図6より動粘度が約30cSt以下)の場合には、燃費がほとんど変わらない。一方、NOxはSBFの温度を高くするにつれて(動粘度を低くするにつれて)わずかな減少傾向が見られるが、その減少割合は、SBFに水を混合した場合に比べると小さい。これは、先に述べたように、燃料の温度を高くすることにより流動性が増して効果的な沈殿、ろ過が可能となるとともに、燃料噴射の際の微粒化が促進されて燃焼が改善されるが、動粘度の値を30cSt以下にしてもその効果はほとんど同じであるためと考えられる。
これらの実験から、少なくとも動粘度が30cSt以下(本実験においては温度が50℃以上)になるように加熱することで、信頼性が高く、低コストで省エネルギーに適したSBFが得られることが明らかになった。
本発明は、動植物から採取された油を原料として、ボイラやディーゼルエンジン等の燃料噴射装置に使用可能な燃料を製造する場合に適用可能である。
1…原料油タンク 2…移送ポンプ 3…一次ろ過装置 4…燃料供給タンク 5…循環ポンプ 6…二次ろ過装置 7…加熱器 8…水混合装置 9…圧力調整弁 10a〜10c…配管 11…圧力計

Claims (1)

  1. 動植物油が原料油として貯蔵される原料油タンク(1)と、
    第1のフィルタを有して前記原料油タンク(1)に移送ポンプ(2)を介して接続される一次ろ過装置(3)と、
    この一次ろ過装置(3)によって処理された前記原料油が動植物性燃料の原液として貯蔵される燃料供給タンク(4)と、この燃料供給タンク(4)に貯蔵された前記原液を加熱する一次加熱手段と、前記燃料供給タンク(4)に第1の配管(10a)を介して接続される循環ポンプ(5)と、
    前記第1のフィルタよりも網目が小さい第2のフィルタを有して前記循環ポンプ(5)の吐出側に設置される二次ろ過装置(6)と、
    この二次ろ過装置(6)の下流に設置される二次加熱手段(7)と、
    この二次加熱手段(7)に第2の配管(10b)を介して接続され、二次加熱された前記原液に対し、水を混合する水混合装置(8)と、を備え、
    圧力調整弁(9)が設けられた第3の配管(10c)を介して前記第1の配管(10a)と前記第2の配管(10b)が接続されたことを特徴とする動植物性燃料製造装置。
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