JP6464634B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
ここで、背景技術の理解補助の目的で、この新規の点火装置の概略構成を図5に基づき説明する。なお、図5に用いる符合は、後述する「実施例」と同一機能物に同一符合を付したものである。
・フルトラタイプの点火回路(主点火回路4と称す)と、
・この主点火回路4による火花放電(主点火と称す)中に、火花放電の継続を開始する新規のエネルギー投入回路5と、
を組み合わせて構成される。
具体的に、1次コイル2aの両端の内の一端側は、プラス電圧ラインαを介して車載バッテリ7のプラス側に接続される。一方、1次コイル2aの他端側とアース接地GNDとの間は、主点火回路4の点火用スイッチIGBTが設けられる。
そして、この点火用スイッチIGBTをONすることで、1次コイル2aの一端側から他端側へ向けて1次電流i1を流し、点火用スイッチIGBTをOFFすることで点火プラグ1に火花放電を生じさせる。以下、1次コイル2aの一端側、つまり、主点火回路4の通電動作により1次コイル2aに発生する電流の流れ方向で考えたときの高電位側をプラス側と呼ぶことがある。また、1次コイル2aの他端側、つまり、主点火回路4の通電動作により1次コイル2aに発生する電流の流れ方向で考えたときの低電位側をマイナス側と呼ぶことがある。
・バッテリ電圧を昇圧してプラス電位の電気エネルギーを蓄える直流の正電源部100(図中、+DC/DC)と、
・1次コイル2aのマイナス側に投入する電気エネルギーをコントロールするエネルギー投入用スイッチSnetと、
を備えて構成される。
制御回路6は、ECU3(エンジン・コントロール・ユニットの略)から付与される点火信号IGtと放電継続信号IGwに基づいて点火用スイッチIGBT及びエネルギー投入用スイッチSnetのON−OFF制御を行う。
点火信号IGtが出力(ハイ信号)されると、点火用スイッチIGBTがONされて、1次コイル2aが通電され、1次コイル2aに1次電流i1が流れる。
そして、点火信号IGtが停止(ロー信号)されると、点火用スイッチIGBTがOFFされる。すると、1次コイル2aの通電遮断により、2次コイル2bに高電圧が発生し、点火プラグ1において火花放電(主点火)が開始される。
そして、放電継続期間信号IGwが停止(ロー信号)されると、エネルギー投入回路5の作動を停止し、火花放電の継続を停止する。
なお、以下では、エネルギー投入回路5により継続させる火花放電(即ち、主点火に続く火花放電)を「継続火花放電」と称する。
エネルギー投入回路5の作動中(放電継続期間信号IGwの出力中、エネルギー投入用スイッチSnetのON−OFF制御中、即ち「火花放電継続時」)は、
(i)エネルギー投入用スイッチSnetをONして、1次コイル2aのマイナス側からプラス側に正電源部100からプラス電位の電気エネルギーを付与するエネルギー投入経路Aによる「エネルギー投入時」と、
(ii)エネルギー投入用スイッチSnetをOFFして、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向けて電流を還流させる還流経路Bによる「エネルギー還流時」と、
が交互に繰り返される。
一方、還流経路Bは、図2(a2)に示すように、「1次コイル2a→車載バッテリ7のプラス側→アース接地GND→点火用スイッチIGBTのバイパスダイオードDbyp→(再び1次コイル2a)」である。
その結果、火花放電の継続を行うための必要エネルギーが大きくなる不具合がある。
(i)上記エネルギー投入経路Aの経路損失は、図2(a1)に示すように、エネルギー投入用スイッチSnetが0.1V、エネルギー逆流防止用ダイオードD1が0.7V、車載バッテリ7が12Vとなる。このため、エネルギー投入経路Aにおいて12.8Vの損失が生じてしまう。
(ii)一方、上記還流経路Bの経路損失は、図2(a2)に示すように、車載バッテリ7が12V、バイパスダイオードDbypが0.7Vとなる。このため、還流経路Bにおいて12.7Vの損失が生じてしまう。
その結果、図2(a3)に示すように、エネルギー投入回路5の作動中における合計の経路損失が25.5Vになってしまう。
そこで、火花放電を継続させるための必要エネルギーの低減が求められる。
この時(エネルギー投入時)、1次コイルを通って負電源部へ流れた電流は、アース接地GNDに流れるため、エネルギー投入時に少なくとも車載バッテリの経路損失を無くすことができる。これにより、エネルギー投入時における必要エネルギーを抑えることが可能になり、エネルギー投入時の電力消費を抑えることができる。
図1〜図3を参照して実施例1を説明する。
この実施例における点火装置は、車両走行用の火花点火エンジンに用いられるものであり、所定の点火タイミングで燃焼室内の混合気に点火を行うものである。
なお、エンジンの具体的な一例を開示すると(もちろん、限定するものではない)、この実施例のエンジンは、ガソリンを燃料とする希薄燃焼(リーンバーン燃焼)が可能な直噴式エンジンであり、排気ガスの一部をEGRガスとしてエンジン吸気側へ戻すEGR装置を搭載し、さらに気筒内に混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。
即ち、この実施例のエンジンは、混合気の着火性が低下する運転領域が存在するものである。
この点火装置は、エンジン制御の中枢を成すECU3から与えられる指示信号(点火信号IGt及び放電継続信号IGw)に基づいて点火コイル2の1次コイル2aを通電制御するものであり、1次コイル2aを通電制御することで点火コイル2の2次コイル2bに生じる電気エネルギーを制御して、点火プラグ1の火花放電をコントロールする。
・各気筒毎に搭載される点火プラグ1と、
・各点火プラグ1毎に搭載される点火コイル2と、
・フルトラ作動を行う主点火回路4と、
・継続火花放電を行うエネルギー投入回路5と、
・作動制御を行う制御回路6と、
を備えて構成される。
1次コイル2aの一端側は、車載バッテリ7のプラス側から電力の供給を受けるプラス電圧ラインαに接続される。
1次コイル2aの他端側は、主点火回路4の点火用スイッチIGBT(例えば、IGBT、パワートランジスタ、MOS型FET、サイリスタ等)を介してアース接地される。
2次コイル2bの他端は、1次コイル2aの通電時に不要な2次電圧の発生を抑制するダイオード8及び電流検出抵抗9を介してアース接地される。
具体的に制御回路6は、点火信号IGtの出力(ハイ信号)を受けると、点火用スイッチIGBTをONする。これにより、1次コイル2aの一端側から他端側へ向けて1次電流i1が流れる。
また、制御回路6は、点火信号IGtが停止(ロー信号)すると、点火用スイッチIGBTをOFFする。これにより、1次電流i1が切断されて、2次コイル2bに高電圧が発生し、点火プラグ1に火花放電(主点火)が生じる。
以下、1次コイル2aの一端側、つまり、主点火回路4の通電動作により1次コイル2aに発生する電流の流れ方向で考えたときの高電位側をプラス側と呼ぶことがある。また、1次コイル2aの他端側、つまり、主点火回路4の通電動作により1次コイル2aに発生する電流の流れ方向で考えたときの低電位側をマイナス側と呼ぶことがある。
負電源部10の具体的な構成は限定するものでなく、車載バッテリ7が出力するプラスのDC出力を変換してマイナスのDC出力を発生させる負変換型のDC/DCコンバータである。
理解補助の目的で、負電源部10の一例を説明する。一例で開示する負電源部10は、プラスDC出力をAC変換してマイナスDC出力を得るDC/AC/DCコンバータであり、インバータ、絶縁トランス、整流回路、コンデンサを用いて構成される。
もちろん、上述したDC/AC/DCコンバータは、負電源部10の一例であり、限定するものではなく、マルチバイブレータを用いたチャージポンプ型など他の回路構成を採用してマイナス電圧を出力させても良い。
(i)1次コイル2aのプラス側に負電源部10のマイナス側を接続するエネルギー投入時と、
(ii)1次コイル2aのプラス側に負電源部10のマイナス側の接続するのを停止して(即ち、負電源部10によるエネルギー投入を停止して)、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向かう電流を還流させるエネルギー還流時と、
を交互に繰り返すように設けられている。
・1次コイル2aのプラス側を車載バッテリ7のプラス側に接続するプラス電圧ラインαと、
・このプラス電圧ラインαを断続する還流スイッチSref(例えば、MOS型FET、パワートランジスタ等)と、
・1次コイル2aのプラス側を負電源部10のマイナス側に接続するマイナス電圧ラインβと、
・このマイナス電圧ラインβを断続するエネルギー投入スイッチSnet(例えば、MOS型FET、パワートランジスタ等)と、
を備える。
・エネルギー投入スイッチSnetは、1次コイル2aへエネルギー投入する際にONされるものであり、
・還流スイッチSrefは、エネルギー投入用スイッチSnetがONする時のみOFFされるものであり、
・バイパススイッチSbypは、エネルギー投入回路5の作動期間(ECU3から放電継続信号IGwを受ける期間)のみONされるものである。
(i)エネルギー投入時に、エネルギー投入スイッチSnetをONして、還流スイッチSrefをOFFすることで、エネルギー投入経路Aを形成して、1次コイル2aのプラス側に負電源部10のマイナス側を接続することで、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向けて電流を流すものであり、
(ii)エネルギー還流時に、エネルギー投入スイッチSnetをOFFして、還流スイッチSrefをONすることで、バイパススイッチSbypを経由する還流経路Bを形成して、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向かう電流を還流させるものである。
具体的な2次電流コントローラの一例は、2次コイル2bを流れる2次電流i2を電流検出抵抗9を用いてモニターし、モニターした2次電流i2が所定の目標範囲を維持するようにエネルギー投入用スイッチSnetと還流スイッチSrefを交互にON−OFF制御するフィードバック制御を採用するものである。
また、フィードバック制御あるいはオープンループ制御を行う際における2次電流i2の目標値は、一定であっても良いし、エンジンの運転状態(例えば、ECU3から付与される指示信号等)に応じて変更するものであっても良い。
・車載バッテリ7のプラス側(即ち、プラス電圧ラインα)と1次コイル2aのマイナス側(具体的には1次コイル2aと点火用スイッチIGBTの間)を接続するバイパスラインγと、
・このバイパスラインγにおいて車載バッテリ7のプラス側から1次コイル2aのマイナス側のみへ電流を流すバイパスダイオードDbypと、
・バイパスラインγを断続するバイパススイッチSbyp(例えば、MOS型FET、パワートランジスタ等)と、
を備えて構成される。
(i)エネルギー投入用スイッチSnetがONされて、還流スイッチSrefがOFFされると、図2(b1)に示すように、「アース接地GND→車載バッテリ7のマイナス側→バイパススイッチSbyp→バイパスダイオードDbyp→1次コイル2a→エネルギー投入スイッチSnet→負電源部10→(再びアース接地GND)」の順で電流が流れるエネルギー投入経路Aが形成され、
(ii)エネルギー投入用スイッチSnetがOFFされて、還流スイッチSrefがONされると、図2(b2)に示すように、「1次コイル2a→還流スイッチSref→バイパススイッチSbyp→バイパスダイオードDbyp→(再び1次コイル2a)」の順で電流が流れる還流経路Bが形成される。
点火信号IGtが出力(ハイ信号)されると、
(a)点火信号IGtの出力期間に亘って点火用スイッチIGBTがONされるとともに、
(b)点火信号IGtの出力期間に亘って負電源部10が作動し、マイナス電位の電気エネルギーを、負電源部10に搭載した蓄電手段(コンデンサ等)に蓄える。
すると、エネルギー投入回路5は、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向けて電気エネルギーを投入し、主点火回路4の作動によって生じた火花放電を継続させる。
逆に、継続火花放電中に2次電流i2が増加する方向に作用すると、2次電流i2のフィードバック制御によりエネルギー投入用スイッチSnetがOFFになり、1次コイル2aに投入される電気エネルギー量が減らされ、結果的に2次電流i2が略一定範囲内に保たれる。
また、継続火花放電の継続中は2次電流i2が略一定範囲内にコントロールされるため、大電流による電極摩耗の軽減効果を得ることができる。
さらに、継続火花放電の継続中は2次電流i2を略一定範囲内にコントロールすることで、無駄な電力消費を抑えて省エネ効果を得ることができる。
具体的には、エネルギー投入回路5の作動が停止すると、制御回路6によって還流スイッチSrefがONされて、1次コイル2aのプラス側にバッテリ電圧が供給される初期状態へ戻される。
実施例1の点火装置は、上述したように、点火プラグ1に生じた火花放電を継続させる際、1次コイル2aのプラス側に負電源部10のマイナス側を接続することで、1次コイル2aのマイナス側からプラス側へ向けて電気エネルギーを投入する。
エネルギー投入用スイッチSnetがONするエネルギー投入時は、1次コイル2aを通って負電源部10へ流れた電流がアース接地GNDに流れるため、エネルギー投入時において車載バッテリ7の経路損失を無くすことができる。
また、エネルギー投入用スイッチSnetをOFFするエネルギー循環時は、1次コイル2aを通った電流が車載バッテリ7をバイパスするため、エネルギー循環時において車載バッテリ7の経路損失を無くすことができる。
このように、火花放電継続時(エネルギー投入時とエネルギー還流時の実行時)における必要エネルギーを抑えることが可能になり、火花放電継続時の使用電力を抑えることができる。即ち、本発明を採用することで、点火装置の電力消費を抑えることができる。
(i)エネルギー投入経路Aは、図2(b1)に示すように、「アース接地GND→車載バッテリ7のマイナス側→バイパススイッチSbyp→バイパスダイオードDbyp→1次コイル2a→エネルギー投入スイッチSnet→負電源部10→(再びアース接地GND)」である。
(ii)エネルギー循環経路Bは、図2(b2)に示すように、「1次コイル2a→還流スイッチSref→バイパススイッチSbyp→バイパスダイオードDbyp→(再び1次コイル2a)」である。
一方、上記還流経路Bの経路損失は、図2(b2)に示すように、還流スイッチSrefが0.1V、バイパススイッチSbypが0.1V、バイパスダイオードDbypが0.7Vとなる。このため、還流経路Bの合計損失(小計)は0.9Vになる。
その結果、参考技術として開示した「新規の点火装置(図5参照)」に比較して、この実施例1では、火花放電継続時(エネルギー投入時とエネルギー還流時の実行時)における経路損失を、図2(b4)に示すように、差分として35.7Vを軽減できる。
参考技術として開示した「新規の点火装置(図5参照)」の場合、点火プラグ1で所定の出力エネルギーX1を生じさせる際、エネルギー投入回路5の必要エネルギーはY1であった。
これに対し、この「実施例1の点火装置(図1参照)」の場合、点火プラグ1で所定の出力エネルギーX2(=X1)を生じさせる際、エネルギー投入回路5の必要エネルギーをY2(<Y1)に抑えることができる。
このように、この実施例1を採用することにより、火花放電の継続を行う点火装置の電力消費を抑えることが可能になる
実施例1の点火装置は、上述したように、
(i)エネルギー投入時において1次コイル2aを通って負電源部10へ流れた電流がアース接地GNDへ流れ、
(ii)エネルギー循環時において1次コイル2aを通った電流が車載バッテリ7をバイパスして流れる。
即ち、この実施例1の点火装置は、エネルギー投入回路5の作動時において、車載バッテリ7のプラス側にエネルギー投入による電圧上昇が生じない。
また、エネルギー投入時には、負電源部10のマイナス電圧と、車載バッテリ7のプラス電圧が加算された電力が1次コイル2aに投入されるため、負電源部10の負担を軽減でき、負電源部10の小型化が可能になる。
図4及び図2、図3を参照して実施例2を説明する。
上記実施例1の点火装置は、エネルギー投入時とエネルギー還流時にバイパスラインγを用いて車載バッテリ7のプラス側から1次コイル2aのマイナス側に電流を流す例を示した。
これに対し、実施例2の点火装置は、実施例1のバイパスラインγを廃止し、点火用スイッチIGBTと並列に、アース接地GNDから1次コイル2aのマイナス側へ向けてのみ電流を流すバイパスダイオードDbypを設けたものであり、
(i)エネルギー投入時に、車載バッテリ7をバイパスして車両のアース接地GNDとバイパスダイオードDbypを介して1次コイル2aのマイナス側へ電流を流し、
(ii)エネルギー還流時に、車載バッテリ7と車両のアース接地GNDとバイパスダイオードDbypを介して1次コイル2aのマイナス側へ電流を流すものである。
(i)エネルギー投入経路Aは、図2(c1)に示すように、「アース接地GND→バイパスダイオードDbyp→1次コイル2a→エネルギー投入スイッチSnet→負電源部10→(再びアース接地GND)」である。
(ii)エネルギー循環経路Bは、図2(c2)に示すように、「1次コイル2a→還流スイッチSref→車載バッテリ7のプラス側→アース接地GND→バイパスダイオードDbyp→(再び1次コイル2a)」である。
一方、上記還流経路Bの経路損失は、図2(c2)に示すように、還流スイッチSrefが0.1V、車載バッテリ7が12V、バイパスダイオードDbypが0.7Vとなる。このため、還流経路Bの損失は12.8Vになる。
その結果、参考技術として開示した「新規の点火装置(図5参照)」に比較して、この実施例2では、火花放電継続時(エネルギー投入時とエネルギー還流時の実行時)における経路損失を、図2(c4)に示すように、差分として11.9Vを軽減できる。
上述したように、参考技術として開示した「新規の点火装置(図5参照)」の場合、点火プラグ1で所定の出力エネルギーX1を生じさせる際、エネルギー投入回路5の必要エネルギーはY1であった。
これに対し、この「実施例2の点火装置(図4参照)」の場合、点火プラグ1で所定の出力エネルギーX3(=X1)を生じさせる際、エネルギー投入回路5の必要エネルギーをY3(<Y1)に抑えることができる。
このように、この実施例2を採用することにより、火花放電の継続を行う点火装置の電力消費を抑えることが可能になる。
同様に、着火性が低下するエンジン低温時に継続火花放電を実施して、エンジン低温時における着火性の向上を図っても良い。
2 点火コイル
2a 1次コイル
5 エネルギー投入回路
7 車載バッテリ
10 負電源部
Claims (7)
- 車載バッテリ(7)からの給電により点火コイルの1次コイル(2a)に通電させるとともに、前記車載バッテリ(7)からの給電により前記1次コイル(2a)に発生した電流を遮断することで、点火プラグ(1)に火花放電を生じさせる主点火回路(4)と、
この主点火回路(4)の動作によって生じた火花放電の開始後に、電気エネルギーを前記1次コイル(2a)に投入することで、前記主点火回路(4)の遮断動作によって前記点火コイルの2次コイル(2b)に流れた電流の方向と同一方向の2次電流を前記2次コイル(2b)に流し、前記主点火回路(4)の遮断動作によって生じた火花放電を継続させるエネルギー投入回路(5)とを備え、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記1次コイル(2a)の両側の内、前記主点火回路(4)の通電動作により前記1次コイル(2a)に発生する電流の流れ方向で考えたときの高電位側に、前記車載バッテリ(7)のアース電位より低いマイナス電圧を出力する直流の負電源部(10)を有し、
前記主点火回路(4)の遮断動作により前記点火プラグ(1)に火花放電が発生した後、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の両側の内、前記主点火回路(4)の通電動作により前記1次コイル(2a)に発生する電流の流れ方向で考えたときの低電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続し、かつ、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続することで、電気エネルギーを前記1次コイル(2a)に投入して火花放電を継続させることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 車載バッテリ(7)からの給電により点火コイルの1次コイル(2a)に通電させるとともに、前記車載バッテリ(7)からの給電により前記1次コイル(2a)に発生した電流を遮断することで、点火プラグ(1)に火花放電を生じさせる主点火回路(4)と、
この主点火回路(4)の動作によって生じた火花放電の開始後に、電気エネルギーを前記1次コイル(2a)に投入することで、前記主点火回路(4)の遮断動作によって前記点火コイルの2次コイル(2b)に流れた電流の方向と同一方向の2次電流を前記2次コイル(2b)に流し、前記主点火回路(4)の遮断動作によって生じた火花放電を継続させるエネルギー投入回路(5)と、
前記1次コイル(2a)の両側の内、前記主点火回路(4)の通電動作により前記1次コイル(2a)に発生する電流の流れ方向で考えたときの低電位側へ向けて、車両のアース接地(GND)から電流が流れるのを許容するとともに、前記アース接地(GND)へ向けて前記低電位側から電流が流れるのを禁止するバイパスダイオード(Dbyp)とを備え、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記1次コイル(2a)の両側の内、前記主点火回路(4)の通電動作により前記1次コイル(2a)に発生する電流の流れ方向で考えたときの高電位側に、前記車載バッテリ(7)のアース電位より低いマイナス電圧を出力する直流の負電源部(10)を有し、
前記主点火回路(4)の遮断動作により前記点火プラグ(1)に火花放電が発生した後、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続することで、電気エネルギーを前記1次コイル(2a)に投入して火花放電を継続させることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用点火装置において、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記点火プラグ(1)の火花放電を継続させる際、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時と、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時とを交互に繰り返すことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項3に記載の内燃機関用点火装置において、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側を前記負電源部(10)のマイナス側に接続するマイナス電圧ライン(β)と、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側を前記車載バッテリ(7)のプラス側に接続するプラス電圧ライン(α)と、
前記マイナス電圧ライン(β)を断続するエネルギー投入スイッチ(Snet)と、
前記プラス電圧ライン(α)を断続する還流スイッチ(Sref)とを備えることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項4に記載の内燃機関用点火装置において、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時に、前記エネルギー投入スイッチ(Snet)をオンして、還流スイッチ(Sref)をオフし、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時に、前記エネルギー投入スイッチ(Snet)をオフして、還流スイッチ(Sref)をオンすることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、
前記車載バッテリ(7)のプラス側と、前記1次コイル(2a)の前記低電位側とを接続するバイパスライン(γ)と、
このバイパスライン(γ)を断続するバイパススイッチ(Sbyp)とを備え、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記点火プラグ(1)の火花放電を継続させる際、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時と、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時とを交互に繰り返し、
前記内燃機関用点火装置は、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時、
および、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時に、
前記バイパススイッチ(Sbyp)をオンして、前記車載バッテリ(7)のプラス側から前記バイパスライン(γ)を介して前記1次コイル(2a)の前記低電位側へ向けて電流を流すことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項2に記載の内燃機関用点火装置において、
前記エネルギー投入回路(5)は、
前記点火プラグ(1)の火花放電を継続させる際、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時と、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時とを交互に繰り返し、
前記内燃機関用点火装置は、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を接続する時に、前記車載バッテリ(7)をバイパスして前記アース接地(GND)と前記バイパスダイオード(Dbyp)を介して前記1次コイル(2a)の前記低電位側へ向けて電流を流し、
前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記負電源部(10)のマイナス側との間を遮断するとともに、前記1次コイル(2a)の前記高電位側と前記車載バッテリ(7)との間を接続して、前記1次コイル(2a)の前記低電位側から前記高電位側へ向かう電流を還流させる時に、前記車載バッテリ(7)と前記アース接地(GND)と前記バイパスダイオード(Dbyp)を介して前記1次コイル(2a)の前記低電位側へ向けて電流を流すことを特徴とする内燃機関用点火装置。
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