JP6460671B2 - 光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ鏡筒などの光学機器に関する。
特許文献1は、レンズ保持枠の樹脂を高温のパンチで変形させてレンズの外縁を全周に亘って固定する熱カシメを開示している。
特開2010−145504号公報
近年の小型化の要請からレンズの径方向の寸法を小さくしたいが、それにより、レンズの径方向にある部材が熱カシメ時の熱により変形し、レンズの倒れなどによって光学性能が劣化するおそれがある。
本発明は、熱カシメによる光学性能の劣化を防止しつつ小型の構成を達成することが可能な光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明の光学機器は、レンズと、該レンズを保持するレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材の前記レンズの光軸方向の移動を案内する案内部と、前記レンズ保持部材に設けられ、前記案内部に係合する係合部と、を有し、前記レンズ保持部材は、熱と圧力を加える熱カシメによって前記レンズを固定する固定部と、前記レンズの周方向において前記固定部に隣接し、前記熱カシメされていない非熱カシメ部と、を備え、前記案内部は、それぞれ前記光軸方向に延びる第1のガイドバーと第2のガイドバーを含み、前記係合部は、前記第1のガイドバーと係合する第1の係合部と、前記第2のガイドバーと係合する第2の係合部を含み、前記第1の係合部の全体と前記第2の係合部の全体は、前記レンズの光軸垂直な平面において、前記レンズの光軸と前記周方向における前記非熱カシメ部の両端を結ぶ角度範囲内に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、熱カシメによる光学性能の劣化を防止しつつ小型の構成を達成することが可能な光学機器を提供することができる。
本発明のカシメ爪の正面図とその形成方法を示す斜視図である。(実施例1) 本発明の光学機器のブロック図である。(実施例1、2、3) 図1に示す第1の移動部材とレンズ保持部の斜視図である。(実施例1) 異なる方向から見た図3に示すラックの分解斜視図である。(実施例1) 図3の部分拡大斜視図と断面図である。(実施例1) 図3の部分拡大斜視図である。(実施例1) 図1に示すレンズ保持部とスリーブ部の関係を示す断面図である。(実施例1) 本発明のカシメ爪の正面図である。(実施例2) 本発明のレンズ駆動機構の断面図と正面図である。(実施例3) 従来の熱カシメを説明する概略断面図である。 図10に示す従来の熱カシメの問題を説明するための概略断面図である。
図2は、光学機器(撮像装置)のブロック図である。本実施形態の光学機器はレンズ一体型カメラであるが、本発明はレンズ鏡筒がカメラ本体(撮像装置本体)に着脱可能に装着されるカメラシステム(撮影システム)にも適用可能である。また、光学機器は、一眼レフカメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどにも適用可能である。レンズ鏡筒は、被写体の光学像を形成する撮影光学系を有する。更に、光学機器はカメラに限定されず、液晶プロジェクタ、双眼鏡、顕微鏡などであってもよい。
図2において、左側は被写体側、右側は像側である。本実施形態の撮影光学系は、一例として4群構成の変倍光学系を有する。L1は変倍時に固定の正の屈折力の第1レンズ群である。L2は、矢印に示すように、光軸方向に移動することにより焦点距離を調節する変倍動作を行う負の屈折力の第2レンズ群(変倍レンズ群またはズームレンズ群)である。L3は固定の正の屈折力の第3レンズ群である。L4は、矢印に示すように、光軸方向に移動することにより合焦動作(焦点調節)を行う正の屈折力の第4レンズ群(フォーカスレンズ群)である。
1は第1レンズ群L1を保持する前玉鏡筒、2は第1の変倍レンズ群としての第2レンズ群L2を保持する第1の移動部材(レンズ保持部材)、3は第3レンズ群L3を保持する固定部材、4は第4レンズ群L4を保持する第2の移動部材である。CCDまたはCMOS、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等からなる撮像手段(撮像素子)30は、不図示の後部鏡筒により固定保持され、撮影光学系が形成した光学像を光電変換する。
31はカメラ信号処理回路であり、撮像手段30の出力に対して所定の増幅やガンマー補正などを施す。32はマイクロコンピュータ(マイコン)であり、多数の信号を送受信、処理を行い、光学機器の各部を制御する制御手段である。33はマイコン32で信号処理された画像信号や、その他、記録条件などを記録する記録手段である。50は変倍動作を指示するズームスイッチである。51は撮影者が意識的にマニュアルフォーカス動作(合焦動作)を指示するフォーカススイッチである。52は電源スイッチである。
第1の移動部材2は、後述する2本のガイドバー101、102により、撮影光学系の光軸方向に移動可能に支持されている可動部材である。第2の移動部材4は、図2に不図示の2本のガイドバーにより、光軸方向に移動可能に支持されている可動部材である。
5は、撮像手段30に入射する光量を調整する絞り装置であり、駆動部6により2枚の絞り羽根を互いに逆方向に移動させて開口径を変化させる。34は、駆動部6の駆動磁石の回転位置をホール素子で検出する絞りセンサー回路である。撮像手段30からの信号にカメラ信号処理回路31が所定の増幅やガンマー補正などを施し、その結果をマイコン32に出力する。マイコン32は、カメラ信号処理回路31からの入力信号と絞りセンサー回路34からの絞り駆動部の回転量などの入力信号に応じて、絞り駆動回路37に絞り駆動信号を出力し、光量調整を行う。
8は、第2レンズ群L2を光軸方向に移動し、変倍動作を行わせる駆動手段(アクチュエータ)としてのズームモータである。ズームモータ8によって回転される送りネジ(リードスクリュー)8aには、光軸方向への移動が自在に案内保持された第1の移動部材2に設置されたラック7が噛み合っている。ズームモータ8からの駆動力がラックに加えられる。ズームモータ8が回転すると第1の移動部材2は光軸方向に移動する。送りネジ8aは、ズームモータを構成するロータと同軸かつ光軸と平行に配置されている。送りネジ8aは、例えば、SUS、鉄などから構成される。8bはモータ板金である。
9はフォトインタラプタから構成されるズーム初期位置センサーである。ズーム初期位置センサー9は、第1の移動部材2に形成された不図示の遮光部の光軸方向への移動による遮光、透光の切り替わりを光学的に検出し、第1の移動部材2の光軸方向の基準位置(ズーム初期位置)を検出する。
電源スイッチ52が入れられると、ズームモータ8は、マイコン32の制御の下でズーム駆動回路35から駆動信号を受信する。ズーム初期位置センサー9が検出したズーム初期位置を基準として、第1の移動部材2は、予め決められた位置に移動して待機する。ズームモータ8は、ズーム初期位置からのステップ数でズームスイッチ50の操作に対応した位置制御が行なわれる。ズームスイッチ50が操作されると、移動方向がどちらに操作されているかをマイコン32が判断し、ズーム動作が行なわれる。
11は、第4レンズ群L4を光軸方向に移動し、合焦動作を行わせる駆動手段(アクチュエータ)としてのフォーカスモータである。フォーカスモータ11によって回転されるリードスクリュー(送りネジ)11aには、光軸方向への移動が自在に案内保持された第2の移動部材4に設置されたラック部材10が噛み合っている。フォーカスモータ11が回転すると第2の移動部材4は光軸方向に移動する。送りネジ11aは、フォーカスモータを構成するロータと同軸かつ光軸と平行に配置されている。
12はフォトインタラプタから構成されるフォーカス初期位置センサーである。フォーカス初期位置センサー12は、第2の移動部材4に形成された不図示の遮光部の光軸方向への移動による遮光、透光の切り替わりを光学的に検出し、第2の移動部材4の光軸方向の基準位置(フォーカス初期位置)を検出する。
電源スイッチ52が入れられると、フォーカスモータ11は、マイコン32の制御の下でフォーカス駆動回路36から駆動信号を受信する。フォーカス初期位置センサー12が検出したフォーカス初期位置を基準として、第2の移動部材4は、予め決められた位置に移動して待機する。フォーカスモータ11は、フォーカス初期位置からのステップ数でズームスイッチ50およびフォーカススイッチ51の操作に対応した位置制御が行なわれる。オートフォーカス時、フォーカス駆動回路36は、マイコン32からの入力信号に応じてフォーカスモータ11に通電し、第4レンズ群L4を光軸方向に駆動する。
図3は、実施例1の第1の移動部材2に適用可能な第1の移動部材2とレンズ保持部の斜視図である。図3(a)は被写体側から見た斜視図であり、図3(b)は像側から見た斜視図である。
同図に示すように、第1の移動部材2は、本体部20、スリーブ部21、回り止め部22およびラック保持部を有する。なお、スリーブ部21と回り止め部22は本体部20と一体であってもよいし別体であってもよい。
本体部20は、第2レンズ群L2を中央に保持し、略中空円筒形状を有する。スリーブ部21は、本体部20に固定されて光軸方向に延び、ガイドバー(第1のガイドバー)101が挿入される貫通孔21aを有する中空円筒部材である。回り止め部22は、本体部20に固定され、ガイドバー(第2のガイドバー)102が挿入される凹部22を有する。回り止め部22は、光軸に垂直な平面における本体部20の回転を抑制する。この結果、第1の移動部材2は、ガイドバー101、102に案内されて光軸方向に移動可能に支持される。
ラック保持部は、ラック7を回転可能に保持し、それぞれ軸穴部を有する2つのブロック23、24とその間の凹部25を有する。凹部25にはラック7が一部突出した状態で収納される。後述するメインラック70の軸部75の両端がブロック23、24のそれぞれの軸穴部23a、23bに回転可能に支持される。凹部25から突出したラック7の一部は、駆動手段であるズームモータ8の送りネジ8aに係合する。
図4(a)と(b)は、異なる方向から見たラック7の分解斜視図である。ラック7は、メインラック70、サブラック40、挟みばね50、片寄ばね60を有し、小型化されている。メインラック70やサブラック40は、POMやPCなどから構成され、モールド、金属の削り出しなどによって構成される。
メインラック70は、係合部(第1の部材)71と軸部75を有する。
係合部71は、図3及び図4に示すように、正面から見るとL字形状を有し、L字の一端で軸部75に結合され、結合部から張り出して軸部75とほぼ平行に折れ曲がっている腕部として構成されている。71aは、係合部71の軸部75と係合する端部の内面としての当接面である。
係合部71の送りネジ側には本歯72が形成されている。本歯72は、送りネジ8aのネジ山と係合し、送りネジ8aからズームモータ8の駆動力を受ける。係合部71の送りネジ8aと反対側の面73は、図3(b)に示すように、挟みばね50の腕部52と片寄ばね60の腕部62を係止する係止面として機能する。図4(a)に示すように、係合部71の本歯72の内側(軸部75側)には本歯72から送りネジ側に突出した突起としての2つのストッパー(規制手段)74が形成されている。
軸部75は、図4に示すように、挟みばね50のコイル部51、サブラック40の本体部41の軸穴部42、片寄ばね60のコイル部61をこの順番で貫通する。軸部75は、第1の移動部材2のラック保持部の2つのブロック23、24の軸穴部23a、24aに回転可能に支持される。軸部75は、ラック7の回転軸として機能する。
図5(a)は、図3のラック7の近傍の部分拡大斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の軸部75の中心軸を通る断面図である。
図5(b)に示すように、ブロック23には貫通孔23aが設けられ、ブロック24には貫通孔24aが設けられ、貫通孔23aと24aの中心軸は、光軸と平行な一点鎖線で示すX−X軸で一致している。X−X軸は、ラック7の回転軸として機能する。ラック7はX−X軸の周りに全体として回転可能であると共にこの軸の周りにサブラック40はメインラック70に対して回転可能である。貫通孔23aには軸部75のテーパ部76が挿入され、貫通孔24aには軸部75の筒部77が挿入され、筒部77は略円柱形状を有する。
サブラック(第2の部材)40は、落下等の外乱衝撃による歯飛びを防止し、本体部41と係合部44を有する。サブラック40はメインラック70に対して回転可能に構成される。
本体部41は、大きさの異なる円筒をそれらの中心軸を合わせた状態で組み合わせた形状を有し、その中心軸を中心とする円筒形状の軸穴部42を有する。軸穴部42には、メインラック70の軸部75が挿入される。本体部41の中央付近には両隣の円筒部よりも大きい径のフランジ43を有する。フランジ43は、挟みばね50が収納される収納部と片寄ばね60が収納される収納部を分ける。
図5では、フランジ43と係合部71の当接面71aとの間に挟みばね50が配置され、フランジ43とブロック24の間に片寄ばね60が配置されている。フランジ43には、片寄ばね60からの力が作用する。フランジ43は光軸方向に延びる腕部43aを有する。本実施形態では、腕部43aは後述するT−T線に関してモータ8と反対側(T−T線と光軸の間)に配置される。
係合部44は、本体部41の外側に張り出して、光軸とほぼ平行に延びている。係合部44の送りネジ側には対向歯45が形成される。対向歯45は送りネジ8aと係合可能に構成されている。
図4(a)に示すように、係合部44の内側(本体部41側)には対向歯45から突出した突起としての2つのストッパー(規制手段)46が形成されている。各ストッパー46はメインラック70のストッパー74に接触して係合部44のそれ以上の送りネジ側への回転を防止する。この結果、係合部71と44の間に挟みばね50によって付勢力が加わっていても対向歯45は、通常状態では、送りネジ8aには接触しない。なお、ストッパーとしての突起は係合部71と44の少なくとも一方に設けられれば足りる。
挟みばね50は、X−X軸を回転中心として本歯72と対向歯45が互いに近づくように係合部71とサブラック40の間に付勢力を加える第2の付勢手段である。挟みばね50は、例えば、トーションばねから構成される。挟みばね50は、サブラック40のフランジ43と係合部71の当接面71aの間に設けられ、コイル部51、腕部52、53を有する。コイル部51には、メインラック70の軸部75が貫通する。図3、5に示すように、腕部52は、メインラック70の面73に係止され、腕部53は、サブラック40のフランジ43の腕部43aに係止される。後述するように、挟みばね50の腕部52が係合部71を付勢する部分と挟みばね50の腕部53がサブラック40の腕部43aを付勢する部分は、いずれも後述するT−T線に関してズームモータ8と反対側(光軸とT−T線の間)に設けられる。
片寄ばね60は、本歯72を送りネジ8aに対して付勢する付勢力を加える第1の付勢手段である。片寄ばね60は、コイル部61、腕部620d3を有する。コイル部61には、メインラック70の軸部75が貫通する。腕部62は、図3、5に示すように、メインラック70の面73に係止される。腕部63は、第1の移動部材2のスリーブ部21に係止される。片寄ばね60の腕部62が係合部71を付勢する部分は後述するT−T線に関してズームモータ8と反対側(光軸とT−T線の間)に設けられる。また、片寄ばね60の腕部63が第1の移動部材2を付勢する部分は後述するT−T線に関してズームモータ8と反対側(光軸とT−T線の間)に設けられることが好ましい。
片寄ばね60は、ブロック24とフランジ43の間に軸方向の弾性力を加え、第1の移動部材2、ガイドバー101、ラック7及び送りネジ8aを光軸に平行な方向に付勢する。これにより、それぞれのガタが片寄せされ、嵌合または噛合いのガタを防止することができる。
具体的には、サブラック40は、図5(b)に示す方向に、片寄ばね60の光軸方向の付勢力62が加えられる。この結果、図4(b)、4(b)に示す本体部41の当接面71a側の面である当接面41aが係合部71の当接面71aに当接するように付勢され、本歯72と対向歯45の位相ずれを防いでいる。片寄ばね60の付勢力62は、メインラック70のテーパ部76に対する第1の移動部材2の軸穴部23aへの付勢にも用いられ、第1の移動部材2の光軸方向の移動のガタ付きを抑えている。
図6は、第1の移動部材2に取り付けられたラック7の近傍における図3の部分拡大斜視図である。
第1の移動部材2の仮組み状態では、メインラック70は片寄ばね60の付勢力62bによってX−X軸周りに付勢され、メインラック70の本歯72とズームモータ8の送りネジ8aが噛合付勢される。片寄ばね60のもう一端の付勢力63aによって第1の移動部材2は、スリーブ部21および回り止め部22と、ガイドバー101、102の間のガタ取りを行い、ガイドバー101、102に対して第1の移動部材2が精度良く移動可能となる。
また、挟みばね50により、サブラック40の腕部43aに付勢力53aをフランジ43に対して与えることによってX−X軸を回転中心とした回転力を発生させ、ストッパー46がメインラック70のストッパー74に当接するように付勢される。メインラック70は挟みばね50の腕部52からの付勢力52により付勢されている。
図7(a)は、第2レンズ群L2中心とスリーブ部21の中心を結んだ直線で描いた断面図である。第2レンズ群L2は、第1の移動部材2のレンズ受け部20に当接することで移動部材に対する光軸方向の位置決めがなされ、第1の移動部材2のレンズ嵌合部20bに嵌合することで径方向の位置決めがなされる。つまり、第2レンズ群L2を高精度に位置決めするためには第1の移動部材2のスリーブ部21とレンズ受け部20の垂直度およびスリーブ部21とレンズ嵌合部20bの距離の精度が重要になる。
図7(b)は図7(a)の破線部の拡大図である。第2レンズ群L2はレンズ受け部20に当接し、レンズ中心位置はレンズ嵌合部20bに嵌合支持される。不図示の熱カシメ工具により、樹脂部20cを変形させ、レンズ受け部20と第2レンズ群L2を挟持させるようにカシメ爪20dを形成する。このカシメ爪20dは通常全周にわたって形成することが一般的である。
例えば、特許文献1の熱カシメの場合、図10に示すようになる。図10(a)は熱カシメ前の状態を示す概略断面図であり、図10(b)は熱カシメ中の概略断面図であり、図10(c)は熱カシメ後の状態を示す概略断面図である。
図10(a)に示すカシメパンチ300は高温に熱せられ、樹脂を熱で変形させるカシメ爪形成部300aを有する。カシメ爪形成部300aが、図10(b)に示すように、レンズ500を保持するレンズ保持枠400のカシメ爪400aに押し付けられると、樹脂部400aが熱で溶かされてカシメ爪形成部300aの形に変形する。これにより、図10(c)に示すように、変形したカシメ爪400bがレンズ500を固定する。
図11は、熱カシメ時の熱伝達を説明する概略断面図である。図11(a)は熱カシメ前の状態を示す概略断面図であり、図11(b)は熱カシメ中の概略断面図であり、図11(c)は熱カシメ後の状態を示す概略断面図である。図11は、スリーブ部410は不図示のガイド軸に嵌合する穴部412と穴部414の中心を結んだ直線X−Xと光軸が略平行になるように設けられている。Fは熱カシメ時の熱の流れを示している。高温のカシメパンチ300からレンズ保持枠400及びレンズ500に熱が伝達され、内部に溜まっていた応力が開放されるなどにより、スリーブ部410が変形すると、光軸と直線X−Xの平行関係が崩れる。つまり、スリーブ部410の倒れはレンズ500の倒れ・偏芯に繋がり、光学機器の光学性能の悪化の要因となる。
図1(a)は、実施例1のカシメ爪20dの正面図である。カシメ爪20dは、熱と圧力を加える熱カシメによって形成され、第2レンズ群L2の外縁を固定する(押さえる)固定部である。図1(a)は第2レンズ群L2の光軸Oに垂直な平面図である。
レンズ鏡筒を小型にするためには、第2レンズ群L2とスリーブ部21との距離を小さくすることが有効である。本実施例は、ガイドバー101、102の中心軸と光軸Oとを結んだ角度θが100度から140度、好ましくは110度から130度に設定している。角度θを120度前後の角度に設定することによって第2レンズ群L2の径方向を、例えば、角度θを180度前後の角度に設定した場合よりも小型にすることができる。しかしながら、小型化によって熱カシメ時の熱の影響が大きくなる。
本実施例では、複数の(3つの)カシメ爪20dが等間隔で設けられており、隣接する2つのカシメ爪20dの間は、熱カシメされる樹脂が存在しない(熱カシメされていない)非熱カシメ部20e、20f、20gとなっている。等間隔で第2レンズ群L2を保持することによって第2レンズ群L2の倒れを防止することができるが、それが無視できる場合には、例えば、非熱カシメ部20fにもカシメ爪20dを形成して第2レンズ群L2をより広い範囲で保持してもよい。
本実施例では、図1(a)において、非熱カシメ部20eの外側のレンズの周方向における非熱カシメ部20eの両端と光軸Oを結ぶ角度範囲内にスリーブ部21が配置されている。非熱カシメ部20gの外側の非熱カシメ部20gの角度範囲内に回り止め部22が配置されている。ガイドバー101、102は、第1の移動部材2の光軸方向の移動を案内する案内部として機能する。スリーブ部21はガイドバー101と係合し、回り止め部22はガイドバー102と係合する係合部として機能する。
図1(b)は、熱カシメ工具3000のカシメ爪形成部3000aを第1の移動部材2の図7(b)に点線で示す樹脂部20cに押し当てて加熱および加圧し、カシメ爪20dを形成している状態を示す斜視図である。
従来のように樹脂部20cがレンズの全周に亘って設けられると、光軸に垂直な平面において光軸Oとスリーブ部21を結ぶ直線上や光軸Oと回り止め部22を結ぶ直線上にある樹脂部20cが熱カシメされることになる。このため、スリーブ部21や回り止め部22に熱が短時間で伝達するおそれがある。これに対して、本実施例では、非熱カシメ部の範囲内にスリーブ部21や回り止め部22が設けられているので熱伝達の距離を伸ばして熱変形を防止している。本発明は、樹脂部20cがレンズの全周ではなく一部に設けられている熱カシメ前の第1の移動部材もカバーするものである。
以上、本実施例によれば、レンズ保持枠にレンズを熱カシメにより固定する際のガイド部に対するレンズの倒れ・偏芯変化を抑制することができ、熱カシメによる光学性能の劣化を防止しつつ小型の構成を達成することができる。
本実施例では、スリーブ部21と回り止め部22の両方が図1(a)において、非熱カシメ部の外側のレンズの光軸と非熱カシメ部の両端を結ぶ角度範囲内に配置されているが、スリーブ部21と回り止め部22の少なくとも一方が配置されていれば効果がある。また、本実施例では、複数のカシメ爪20dと非熱カシメ部20e〜fが設けられ、非熱カシメ部は、レンズの周方向において、隣接する2つのカシメ爪の間に設けられているが、これに限定されない。即ち、カシメ爪の数と非熱カシメ部は少なくとも一つずつ設けられていれば足り、非熱カシメ部は、カシメ爪に隣接しているだけでもよい。
光軸に垂直な平面において、従来のように樹脂部20cがレンズの全周に亘って設けられた場合、光軸Oとスリーブ部21を結ぶ直線上や光軸Oと回り止め部22を結ぶ直線上にある樹脂部20cが熱カシメされることになる。この場合、この樹脂部からの熱がスリーブ部21や回り止め部22に短時間で到達することを防止する手段を設けてもよい。例えば、光軸Oとスリーブ部21を結ぶ直線上や光軸Oと回り止め部22を結ぶ直線上にある樹脂部20cとスリーブ部21または回り止め部22の間(実施例2では「フランジ部」と呼ばれる)に貫通穴を設けてもよい。あるいはこの貫通穴に熱伝導率が周囲のフランジ部よりも低い材料を充填してもよい。
図8は、実施例2のカシメ爪の正面図であり、第2レンズ群L2の光軸に垂直な平面を示している。図8は、非熱カシメ部の範囲及び、回転止め部の位相が図7と異なり、それ以外は実施例1と同様である。
第1の移動部材2は、本体部201、スリーブ部2011、スリーブ部2011と本体部201を連結するフランジ部2013、回り止め部2012、回り止め部2012と本体部201とを連結するフランジ部2014を有する。本体部201は、第2レンズ群L2を中央に保持し、略中空円筒形状を有する。スリーブ部2011はスリーブ部21に相当し、回り止め部2012は回り止め部22に相当し、上述した係合部として機能する。
201dはカシメ爪(押さえ部)であり、第2レンズ群L2の光軸周りに対称に(等間隔で)2か所設けられている。201e及び201fは非熱カシメ部であり、実施例1の非熱カシメ部と同様に、それぞれの範囲内にスリーブ部2011と回り止め部2012が設けられている。
フランジ部2013は、本体部201から外側に張り出してスリーブ部2011に接続される接続部であり、フランジ部2014は本体部201から外側に張り出して回り止め部2012に接続される接続部である。
図8において、フランジ部2013は、非熱カシメ部201eの外側の非熱カシメ部201eの両端と光軸Oを結ぶ角度範囲内(非熱カシメ部201gの範囲内)に配置される。また、図8において、フランジ部2014は、非熱カシメ部201fの外側の非熱カシメ部201fの両端と光軸Oを結ぶ角度範囲内(非熱カシメ部201hの範囲内)に配置される。
実施例1では、スリーブ部21や回り止め部22は非熱カシメ部20e、20gの範囲に設けられているが、図1(a)に斜線で示すフランジ部の一部26や27は範囲外であるため、そこから熱がスリーブ部21や回り止め部22に伝達するおそれがある。そこで、本実施例においては、フランジ部2013と2014も非熱カシメ部201e、201fの範囲内に設け、熱カシメ時の熱の影響を低減している。
なお、実施例2でも、ガイドバー101、102の中心軸と光軸Oとを結んだ角度θを100度から140度、好ましくは110度から130度に設定してもよい。
図9(a)は、カム駆動により、レンズ600を光軸方向に移動するレンズ移動機構を示す断面図である。レンズ600は、図2に示すレンズに適用することができる。レンズ600は、レンズ保持枠(レンズ保持部材)601に熱カシメにより保持されている。602はカム環であり、レンズ保持枠601のコロ保持部601aにビスで固定されたコロ604が係合するカム溝602を有している。コロ604は、レンズ保持枠601に一体または別体で設けられた係合部である。カム環602が回転すると、レンズ保持枠601がレンズ600と共に光軸方向に移動する。603は案内筒(案内部)であり、光軸方向に延びる直進溝603aとコロ604が係合し、レンズ保持枠601を直進移動可能に案内する。なお、コロ保持部601aとカム溝602と直進溝603aとコロ604はそれぞれ略120度等分で3か所設けられている。
ここで、コロ保持部601aの少なくとも一ヶ所が変形すると、カム溝602と直進溝603aとコロ604が係合する位置が変化するため、レンズ600の倒れや偏芯につながり、光学性能を悪化させるおそれがある。
図9(b)は、レンズ保持枠601の正面図である。レンズ保持枠601には、レンズ600を押さえ、熱カシメによって形成されるカシメ爪601cが設けられている。カシメ爪601cには非熱カシメ部601dが隣接しており、非熱カシメ部601dの範囲内にコロ保持部601aが設けられている。このため、カシメ爪601cとコロ保持部601aとの熱伝達距離が長くなるため、コロ保持部601aに熱が伝わり難くなり、コロ保持部601aの変形が抑制され、レンズ600の光学性能を維持することができる。
以上、本実施例について説明したが、本発明は本実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の光学機器は、レンズ一体型のカメラ、カメラ本体に着脱可能な交換レンズ、液晶プロジェクタ(投射型表示装置)、双眼鏡、顕微鏡などに適用することができる。
L2…第2レンズ群、2…第1の移動部材(レンズ保持部材)、21…スリーブ部(案内部)、22…回り止め部(案内部)、20d…カシメ爪(押さえ部)、20e、20g…非熱カシメ部

Claims (7)

  1. レンズと、
    該レンズを保持するレンズ保持部材と、
    前記レンズ保持部材の前記レンズの光軸方向の移動を案内する案内部と、
    前記レンズ保持部材に設けられ、前記案内部に係合する係合部と、
    を有し、
    前記レンズ保持部材は、
    熱と圧力を加える熱カシメによって前記レンズを固定する固定部と、
    前記レンズの周方向において前記固定部に隣接し、前記熱カシメされていない非熱カシメ部と、
    を備え、
    前記案内部は、それぞれ前記光軸方向に延びる第1のガイドバーと第2のガイドバーを含み、
    前記係合部は、前記第1のガイドバーと係合する第1の係合部と、前記第2のガイドバーと係合する第2の係合部と、を含み、
    前記第1の係合部の全体と前記第2の係合部の全体は、前記レンズの光軸垂直な平面において、前記レンズの光軸と前記周方向における前記非熱カシメ部の両端を結ぶ角度範囲内に配置されていることを特徴とする光学機器。
  2. 前記レンズ保持部材は、
    前記レンズを保持する本体部と、
    前記平面において、前記レンズの光軸と前記非熱カシメ部の前記両端を結ぶ角度範囲内前記本体部から外側に張り出して前記第1の係合部に接続される第1の接続部と、
    前記平面において、前記レンズの光軸と前記非熱カシメ部の前記両端を結ぶ角度範囲内で前記本体部から外側に張り出して前記第2の係合部に接続される第2の接続部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記レンズ保持部材は、前記レンズを保持する本体部を更に備え
    前記第1の係合部は、前記第1のガイドバーに係合する中空円筒形状を有するスリーブ部であり前記第2の係合部は、前記第2のガイドバーに係合し、前記本体部の前記平面における回転を抑制する回り止め部であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 前記平面において、前記第1のガイドバーの中心と前記第2のガイドバーの中心と前記光軸がなす角度は100度から140度であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の光学機器。
  5. 前記固定部は樹脂部であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の光学機器。
  6. 前記レンズは、被写体の光学像を形成する撮影光学系を構成し、
    前記撮影光学系が形成した前記光学像を光電変換する撮像素子を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学機器。
  7. 前記レンズは、被写体の光学像を形成する撮影光学系を構成し、
    前記撮影光学系が形成した前記光学像を光電変換する撮像素子を有する撮像装置本体に着脱可能なレンズ鏡筒であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学機器。
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