JP6459576B2 - ダイカスト用スリーブ - Google Patents
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Description
前記金属製外筒が、29〜35質量%のNi、12〜23質量%のCo及び2〜5質量%のNbを含有し、0.8〜2のNi/Co比を有するFe-Ni-Co-Nb系合金で構成され、
前記金属製外筒の室温から200℃までの平均熱膨張係数αM200、室温から400℃までの平均熱膨張係数αM400、及び室温から600℃までの平均熱膨張係数αM600が、
αM400≦7.5×10-6/℃、
|αM400−αM200|≦1×10-6/℃、
αM600≧5×10-6/℃、及び
αM600>αM400
を満たすことを特徴とする。
(a)全体構成
図1は本発明のダイカスト用スリーブの第1の実施形態を示す。図1において、直線A-Aはスリーブ1の中心軸線を示す。このダイカスト用スリーブは、金属製外筒11と、前記金属製外筒11内に焼嵌めにより装着されたセラミックス製内筒12とを備える。
金属製外筒11は、αM400≦7.5×10-6/℃であり、|αM400−αM200|≦1×10-6/℃という関係を有するため、前記金属製外筒の温度が400℃になっても、前記セラミックス製内筒に対して前記金属製外筒は緩まない。冷却が不十分となって、前記金属製外筒の下側の温度が300℃超且つ400℃以下に達しても、金属製外筒の下側及び上側側の熱膨張差が小さいので、ダイカスト用スリーブの中心軸の湾曲が抑制される。このため、大型のアルミニウム合金のダイカスト成形であっても、安定して射出を行うことができ、成形不良の発生を低減することができる。また、αM600≧5×10-6/℃であり、かつαM600>αM400であるため、金属製外筒とセラミックス製内筒の焼嵌め時の加熱温度550〜600℃において、金属製外筒とセラミックス製内筒の熱膨張係数の差が大きいため、焼嵌め作業が円滑容易にできる。
ダイカスト用スリーブの金属製外筒がαM400≦7.5×10-6/℃、|αM400−αM200|≦1×10-6/℃、αM600≧5×10-6/℃、及びαM600>αM400を満たすためには、金属製外筒を29〜35質量%のNi、12〜23質量%のCo及び2〜5質量%のNbを含有し、0.8〜2のNi/Co比を有するFe-Ni-Co-Nb系合金で構成する。このような材料を用いることにより、金属製外筒の強度を高めることもできる。Ni含有量を29〜35質量%、Co含有量を12〜23質量%、及びNi/Co比を0.8〜2とすることにより、平均熱膨張係数の変曲点を高温側にシフトする効果が発揮される。前記Nbの含有量は、3〜4質量%であるのが好ましい。Nbは析出強化元素であり、強度(例えば引張強さ)の向上に寄与する。Nbの他に析出強化元素としてはAl、Tiを用いることができる。Nbの含有に併せて、Al、Tiから選ばれる少なくとも1種の元素を含有してもよい。このような金属製外筒を構成する材料は、29〜35質量%のNi、12〜23質量%のCo、2〜5質量%のNb、0.4〜1.5質量%のAl、1.2〜3質量%のTi、0.1質量%以下のC、残部Fe及び不可避的不純物からなるのが好ましい。Al含有量は0.5〜1.5質量%であるのがより好ましい。
金属製外筒とセラミックス製内筒とを強固に焼嵌めするには、焼嵌率≧1/1000であるのが好ましい。またセラミックス内筒の割れを抑制するには、焼嵌率≦3/1000であるのが好ましい。なお焼嵌率とは、セラミックス製内筒の焼嵌め前の外径をd1、及び金属製外筒の焼嵌め前の内径をD2としたとき、焼嵌率=(d1−D2)/D2で表される値である。
図3〜図5に示すスリーブ1は、金属製外筒11の内にセラミックス製内筒12を焼嵌めしてなるダイカスト用スリーブである。このスリーブ1は、図1と同様のスリーブをダイカスト成形で使用した後に、損耗したセラミックス製内筒を交換したスリーブ(再生したスリーブと呼ぶ)に相当する。本発明に係るダイカスト用のスリーブを再生する方法は、前記金属製外筒から使用済みセラミックス製内筒を焼外す焼外工程と、前記焼外工程の後に前記金属製外筒内に新しいセラミックス製内筒を焼嵌めする焼嵌工程と、前記焼嵌工程の前又は後に前記金属製外筒の外周面に拡径層を形成する拡径層形成工程と、前記金属製外筒内に前記新しいセラミックス製内筒を焼嵌めして装着した後に前記拡径層を円筒状外形に加工する拡径層加工工程を有する。拡径層を形成する前には前記金属製外筒の外周に研削加工を施す研削工程を有する。なお、図4は、拡径層形成工程以前において金属製外筒11を新しいセラミックス製内筒12に焼嵌める際の関係を示す。図5は、拡径層加工工程以降においてスリーブに先端リング部材2及び後端リング部材3を設ける際の関係を示す。
30質量%のNi、20質量%のCo、4質量%のNb、0.5質量%のAl、1.5質量%のTi、0.05質量%のC、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度低熱膨張性の金属C(表1を参照)からなる金属製外筒11(外径300 mm、内径180 mm、長さ1000 mm)と、87質量%のSi3N4、6質量%のY2O3、4質量%のAl2O3、及び3質量%のAlNを原料配合して焼結してなるサイアロンからなるセラミックス製内筒12(外径180 mm、内径130 mm、長さ1000 mm)とを、焼嵌率0.001で焼嵌めし、熱間工具鋼からなる先端リング部材2を金属製外筒11の先端部11aに焼嵌め及びボルト止めし、さらに後端リング部材3をボルトで取り付けて、図1に示す構造のスリーブ1を構成した。
金属製外筒11を、表1に組成を示す金属Dで作製した以外は、実施例1と同様にしてスリーブ1を作製した。金属Dの室温から所定の温度Tまでの平均熱膨張係数を図2のDに示し、αM200、αM400及びαM600を表2に示す。また300℃、350℃及び400℃における引張強さ、並びに室温におけるヤング率を表3に示す。
焼嵌率を0.002に変更した以外は、実施例2と同様にしてスリーブ1を作製した。このスリーブ1をアルミニウム合金のダイカスト成形で、金属製外筒の下側の温度が350〜400℃に達するまで連続使用したが、射出を安定して行うことができ、湯じわや巣の成形不良は発生しなかった。また、セラミックス製内筒に割れは発生していなかった。
金属製外筒11を、表1に組成を示す金属Bで作製した以外は、実施例1と同様にしてスリーブ1を作製した。金属Bの室温から所定の温度Tまでの平均熱膨張係数を図2のBに示し、αM200、αM400及びαM600を表2に示す。また300℃、350℃及び400℃における引張強さ、並びに室温におけるヤング率を表3に示す。
金属製外筒11を、表1に組成を示す金属Eで作製した以外は、実施例1と同様にしてスリーブ1を作製した。金属Eの室温から所定の温度Tまでの平均熱膨張係数を図2のEに示し、αM200、αM400及びαM600を表2に示す。また300℃、350℃及び400℃における引張強さ、並びに室温におけるヤング率を表3に示す。
実施例1のスリーブ1をダイカスト成形に使用した後、セラミックス製内筒12が消耗したスリーブ1を再生するため、まず金属製外筒11から後端リング部材3を取り外した(工程S1)後、先端リング部材2だけを450℃の温度に加熱して金属製外筒11から先端リング部材2を焼外した(工程S2)。さらに、スリーブ1を700℃の温度に加熱して金属製外筒11からセラミックス製内筒12を焼外し(工程S3)、直ちに同じ温度で、金属製外筒11に新しいセラミックス製内筒12を焼嵌めした(工程S4)。なお、セラミックス製内筒12の両端部を研削して金属製外筒の面と合わせた。
11・・・金属製外筒
11a・・・先端部
11b・・・後端面
11c・・・鍔状凸部
11d・・・開口部
11e,11f・・・円環状保持面
12・・・セラミックス製内筒
12a・・・開口部
2・・・先端リング部材
3・・・後端リング部材
31,51・・・ボルト
7・・・溶湯の供給口
8・・・拡径層
30・・・ダイカストマシンの保持部材
Claims (7)
- 金属製外筒の内にセラミックス製内筒を焼嵌めしたダイカスト用スリーブであって、
前記金属製外筒が、29〜35質量%のNi、12〜23質量%のCo及び2〜5質量%のNbを含有し、0.8〜2のNi/Co比を有するFe-Ni-Co-Nb系合金で構成され、
前記金属製外筒の室温から200℃までの平均熱膨張係数αM200、室温から400℃までの平均熱膨張係数αM400、及び室温から600℃までの平均熱膨張係数αM600が、
αM400≦7.5×10-6/℃、
|αM400−αM200|≦1×10-6/℃、
αM600≧5×10-6/℃、及び
αM600>αM400
を満たし、
前記セラミックス製内筒は、室温から200℃までの平均熱膨張係数α C200 、室温から400℃までの平均熱膨張係数α C400 、及び室温から600℃までの平均熱膨張係数α C600 が4×10 -6 /℃以下であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。 - 請求項1に記載のダイカスト用スリーブにおいて、αM400が4.5×10-6/℃≦αM400≦7.5×10-6/℃を満たすことを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1又は2に記載のダイカスト用スリーブにおいて、αM400が5.0×10-6/℃≦αM400≦6.5×10-6/℃を満たすことを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、αM600がαM600≧7×10-6/℃を満たすことを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記金属製外筒の300℃及び400℃における引張強さが800 MPa以上であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記金属製外筒が、29〜35質量%のNi、12〜23質量%のCo、2〜5質量%のNb、0.4〜1.5質量%のAl、1.2〜3質量%のTi、0.1質量%以下のC、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記金属製外筒は1.1〜2のNi/Co比を有することを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記セラミックス製内筒の焼嵌め前の外径をd1、及び前記金属製外筒の焼嵌め前の内径をD2としたとき、焼嵌率:(d1−D2)/D2が0.001〜0.003の範囲内であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
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