本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、ネットワークシステム100の構成の例を示す図である。ネットワークシステム100は(伝送システム)、OLT11(伝送装置)と、光スプリッタ12と、ONU13−1〜13−4(Optical Network Unit)と、移動無線端末21−1〜21−2と、RRH22−1〜22−2(無線通信システム)と、BBU23と、モバイルNW24(モバイルネットワーク)と、他通信システム31と、他通信システム32と、L2SW33(レイヤ2スイッチ)と、他サービスNW34(他サービスネットワーク)と、光ファイバ41と、光ファイバ42−1〜52−4とを備える。
以下、ONU13−1〜13−4に共通する事項については、符号の一部を省略して、「ONU13」と表記する。以下、移動無線端末21−1〜21−2に共通する事項については、符号の一部を省略して、「移動無線端末21」と表記する。以下、RRH22−1〜22−2に共通する事項については、符号の一部を省略して、「RRH22」と表記する。以下、光ファイバ42−1〜52−4に共通する事項については、符号の一部を省略して、「光ファイバ42」と表記する。
ネットワークシステム100は、更に多くのONU13を備えてもよい。ネットワークシステム100は、更に多くの移動無線端末21を備えてもよい。ネットワークシステム100は、更に多くのRRH22を備えてもよい。
以下、OLT11からONU13に向かう方向を「下り」という。以下、ONU13からOLT11に向かう方向を「上り」という。図1では、光区間は、OLT11からONU13までの区間である。光区間は、例えば、PON(Passive Optical network)である。ネットワークシステム100のネットワークトポロジは、どのような構成でもよく、特定のトポロジに限定されない。以下では、一例として、ネットワークシステム100がPONを備える場合について説明する。
OLT11は、光加入者線終端装置である。OLT11は、ONU13と比較して上位の装置である。OLT11は、例えば、通信事業者によって管理される。OLT11は、RRH22のデータ信号を中継することによって、RRH22を収容する。OLT11は、RRH22−1のデータ信号を、ONU13−1と光ファイバ42−1と光スプリッタ12と光ファイバ41とを介して、BBU23に中継する。OLT11は、RRH22−2のデータ信号を、ONU13−2と光ファイバ42−2と光スプリッタ12と光ファイバ41とを介して、BBU23に中継する。
OLT11は、他通信システム31のデータ信号を中継することによって、他通信システム31を収容する。OLT11は、他通信システム31のデータ信号を、ONU13−3と光ファイバ42−3と光スプリッタ12と光ファイバ41とを介して、他サービスNW34に中継する。OLT11は、他通信システム32のデータ信号を、ONU13−4と光ファイバ42−4と光スプリッタ12と光ファイバ41とを介して、他サービスNW34に中継する。
OLT11は、光区間の上りリンクと下りリンクとに、TDD未送信区間を定める。すなわち、OLT11は、光区間の上りリンクと下りリンクとに、TDD方式による通信の時間軸上の空き区間を定める。OLT11は、RRH22のTDD未送信区間において、他通信システム31のデータ信号を送信する。すなわち、OLT11は、光区間の上りリンクのTDD未送信区間において、他通信システム31から取得した上りリンクのデータ信号を中継する。OLT11は、光区間の下りリンクのTDD未送信区間において、他通信システム31に下りリンクのデータ信号を中継する。
OLT11は、周波数分割複信(FDD)方式によってデータ信号を伝送する。FDD方式では、上りリンクと下りリンクとで異なる周波数帯が用いられる。OLT11は、上りリンクと下りリンクとで異なる波長の光信号を、光波長多重伝送方式(WDM)によって伝送する。WDM方式は、光伝送におけるFDD方式の一種である。WDM方式では、光信号の第1波長λ1と第2波長λ2とが定められている。
OLT11は、予め定められた第1波長λ1の光信号を用いて、モバイルNW24の下りリンクのデータ信号をONU13−1に中継する。OLT11は、第1波長λ1の光信号を用いて、モバイルNW24の下りリンクのデータ信号をONU13−2に中継する。OLT11は、第1波長λ1の光信号を用いて、他サービスNW34の下りリンクのデータ信号をONU13−3に中継する。OLT11は、第1波長λ1の光信号を用いて、他サービスNW34の下りリンクのデータ信号をONU13−4に中継する。
OLT11は、予め定められた第2波長λ2の光信号を用いて、ONU13−1の上りリンクの信号をモバイルNW24に中継する。OLT11は、第2波長λ2の光信号を用いて、ONU13−2の上りリンクのデータ信号をモバイルNW24に中継する。OLT11は、第2波長λ2の光信号を用いて、ONU13−3の上りリンクのデータ信号を他サービスNW34に中継する。OLT11は、第2波長λ2の光信号を用いて、ONU13−4の上りリンクのデータ信号を他サービスNW34に中継する。なお、OLT11は、光信号と光信号以外の無線信号とを用いてデータ信号を中継してもよい。
光スプリッタ12は、光ファイバ41を介して伝送されたTDM(時分割多重)方式の光信号を、ONU13−1〜13−4に分配する。光スプリッタ12は、光ファイバ42から伝送されたTDMA(時分割多元接続)方式の光信号を合波する。光スプリッタ12は、合波された光信号を、光ファイバ41を介してOLT11に送信する。
ONU13は、通信装置である。ONU13は、例えば、光加入者線ネットワーク装置である。ONU13は、例えば、加入者宅に設置される。ONU13−1は、RRH22−1に接続された場合、光スプリッタ12とRRH22−1との間の通信を中継する。ONU13−2は、RRH22−2に接続された場合、光スプリッタ12とRRH22−2との間の通信を中継する。ONU13−3は、他通信システム31に接続された場合、光スプリッタ12と他通信システム31との間の通信を中継する。ONU13−4は、他通信システム32に接続された場合、光スプリッタ12と他通信システム32との間の通信を中継する。
移動無線端末21は、RRH22との間の無線区間において周波数f1の無線信号を用いて、TDD方式により通信してもよい。
RRH22は、ONU13との間の上りリンク及び下りリンクの通信を、TDD方式によって実行する。TDD方式では、上りリンクと下りリンクとで同じ周波数帯が用いられる。TDD方式では、データ信号は時間軸上で直交する。RRH22は、移動無線端末21との間の無線区間において周波数f1の無線信号を用いて、TDD方式により通信してもよい。
以下、ONU13−1と、移動無線端末21−1と、RRH22−1とをまとめて「無線通信システム」という。無線通信システムは、ONU13−2と、移動無線端末21−2と、RRH22−2とを更に備えてもよい。
BBU23は、無線基地局の信号処理部である。BBU23は、L2SW33から取得したデータ信号を、モバイルNW24に送信する。BBU23は、モバイルNW24から取得したデータ信号を、L2SW33に送信する。
モバイルNW24は、移動体通信のネットワークである。モバイルNW24は、無線通信システムに対する上位のネットワークである。モバイルNW24は、通信装置を備える。モバイルNW24は、BBU23と通信する。
他通信システム31は、RRH22と比較して、高速性や低遅延性等の要求条件に寛容な通信システムである。
他通信システム32は、他通信システム31とは異なる通信システムである。他通信システム32は、RRH22と比較して、高速性や低遅延性等の要求条件に寛容な通信システムである。以下、他通信システム31と他通信システム32とに共通する事項については、符号を省略して、「他通信システム」という。
L2SW33は、BBU23又は他サービスNW34から取得したデータ信号をOLT11に送信する。L2SW33は、OLT11から取得したデータ信号をBBU23又は他サービスNW34に送信する。L2SW33は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスに基づいて中継先を決定する。
他サービスNW34は、通信装置である他通信システム上位装置を備える。他サービスNW34は、他通信システムに対する上位のネットワークである。他サービスNW34は、L2SW33を介して、他通信システムと通信する。
図2は、OLT110aの構成の例を示す図である。OLT110aは、図1に示すOLT11である。なお、OLT110aは、OLT11と接続される外部装置でもよい。OLT110aは、L2SW111と、トラヒックモニタ112と、時分割複信情報推定部113と、帯域割当て部114と、インタフェース115とを備える。OLT110aは、メモリを更に備えてもよい。メモリは、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の不揮発性メモリ(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置を用いて構成される。
以下、L2SW111と、トラヒックモニタ112と、インタフェース115とをまとめて「中継部」という。
L2SW111と、トラヒックモニタ112と、時分割複信情報推定部113と、帯域割当て部114と、インタフェース115との一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部(回路)であってもよい。
L2SW112は、下りリンクのデータ信号及び制御信号をトラヒックモニタ112に送信する。L2SW112は、上りリンクのデータ信号及び制御信号を、宛先に応じてBBU23又は他通信システム上位装置35に送信してもよい。
トラヒックモニタ112は、上りリンクのデータ信号をモニタリングする。例えば、トラヒックモニタ112は、上りリンクのデータ信号のデータ量をモニタリングする。トラヒックモニタ112は、下りリンクのデータ信号をモニタリングしてもよい。トラヒックモニタ112は、L2SW111から取得した下りリンクのデータ信号及び制御信号を、インタフェース115に送信する。トラヒックモニタ112は、インタフェース115から取得した上りリンクのデータ信号及び制御信号を、L2SW111に送信する。
時分割複信情報推定部113は、上りリンクのデータ信号をモニタリングした結果を、トラヒックモニタ112から取得する。時分割複信情報推定部113は、下りリンクのデータ信号をモニタリングした結果を、トラヒックモニタ112から取得してもよい。TDDサブフレームの構成を推定する。時分割複信情報推定部122の時分割複信情報推定部は、TDDサブフレームの構成を推定した結果に基づいて、TDD未送信区間のタイミングを推定する。
図3は、上りリンクのデータ信号のデータ量の例を示す図である。横軸は時間を示す。縦軸は、ONU13がTDD方式によって送信した上りリンクのデータ信号のデータ量(推定値)を示す。時分割複信情報推定部113は、上りリンクのデータ信号のデータ量に基づいて、TDD未送信区間のタイミングを推定してもよい。時分割複信情報推定部113は、上りリンクのデータ信号のデータ量が閾値未満である時間軸上の区間を、TDD未送信区間と推定してもよい。
帯域割当て部114は、TDD未送信区間の推定結果に基づいて、上りリンクのデータ信号の伝送に使用するタイミングを定める。すなわち、帯域割当て部114は、TDD未送信区間の推定結果に基づいて、帯域割当て情報を決定する。帯域割当て部114は、初期状態では、無線通信システムの上りリンクのデータ信号にFBAによって固定的に帯域を割り当てる。帯域割当て部114は、初期状態では、他通信システムのデータ信号を送信停止にする。
帯域割当て部114は、正常状態では、TDD送信区間について、無線通信システムの上りリンクのデータ信号にFBAによって帯域を割り当てる。正常状態とは、例えば、トラヒックに周期的な輻輳が発生していない状態である。帯域割当て部114は、正常状態では、TDD未送信区間について、他通信システムのデータ信号に帯域を、FBA又は動的帯域割当て(DBA)によって割り当てる。
インタフェース115は、帯域割当て部114から、帯域割当て情報を取得する。インタフェース115は、L2SW111から取得した下りリンクのデータ信号及び制御信号を、PONで用いられるフレームに変換する。例えば、インタフェース115は、帯域割当て情報を含むGATEフレームを生成してもよい。
インタフェース115は、フレームに変換した下りリンクのデータ信号(電気信号)を、波長λ1の光信号に変換する。インタフェース115(送信部)は、第1波長λ1の光信号を、光カプラを介して光ファイバ41に送信する。光信号は、光ファイバ41及び光ファイバ42を介して、ONU13に送信される。
インタフェース115(取得部)は、光ファイバ42及び光ファイバ41を介して、第2波長λ2の光信号を、ONU13から取得する。インタフェース115は、受信した光信号を電気信号に変換する。インタフェース115は、変換された上りリンクのデータ信号及び制御信号をトラヒックモニタ112に送信する。
図4は、トラヒックの第1例を示すタイムチャートである。横軸は時間を示す。上から1段目は、TDDサブフレームの構成の区切りを示す。上から2段目は、OLTがデータ信号等を取得する区間を示す。上から3段目は、他通信システムに接続されたONU13−3及び13−4がデータ信号等を送信する区間を示す。上から4段目は、無線通信システムに接続されたONU13−1及び13−2がデータ信号等を送信する区間を示す。
図4では、DBA周期は1ミリ秒である。LTEに基づく無線通信システムにおけるTDDサブフレームの周期は1ミリ秒である。すなわち、図4では、DBA周期とTDDサブフレームの時間長とは同じである。周期Aが割り当てられたTDD送信区間の一部は、ONU13−3及び13−4の送信停止区間である。すなわち、TDD送信区間では、ONU13−3及び13−4は、上りリンクのデータ信号の送信を停止する。
以下、データ信号に割り当てることが可能である帯域のうち、データ信号に割り当てられない帯域を「余剰帯域」という。例えば、10Gbpsの伝送速度を有するネットワークシステム100において、各3Gbpsの伝送速度を有するRRH22−1及び22−2をOLT110aが収容した場合、無線通信システムの伝送速度の合計値は、6(=3+3)Gbpsである。ネットワークシステム100の伝送速度10Gbpsと無線通信システムの伝送速度の合計値6Gbpsとの差である4(=10−6)Gbpsは、無線通信システムの上りリンクのデータ信号の余剰帯域である。
帯域割当て部114は、REPORT信号を余剰帯域に割り当てる。図4では、周期Aが割り当てられたTDD送信区間の一部は、余剰帯域に割り当てられた信号送信区間(余剰期間)である。ONU13−3及び13−4は、TDDサブフレームが上りリンクに割り当てられている場合、余剰帯域に割り当てられた信号送信区間に、REPORT信号(制御信号)を送信する。帯域を割り当てる処理は、各無線通信システムの信号送信区間(周期Aが割り当てられたTDD送信区間)で完了している。
ONU13−3及び13−4は、TDDサブフレームが下りリンクに割り当てられている場合、他通信システムの信号送信区間(周期Bが割り当てられたTDD未送信区間)に、REPORT信号を送信する。ONU13−3及び13−4は、他通信システムの信号送信区間に、上りリンクのデータ信号を送信する。これによって、OLT110aは、伝送遅延を低減することができる。OLT110aは、帯域の利用効率を向上させることが可能となる。
ONU13−3及び13−4は、周期Bが割り当てられたTDD未送信区間でも、REPORT信号を送信する。帯域割当て部114は、次の区間がTDD未送信区間である場合、REPORT信号に基づいて次の区間の帯域の動的帯域割当てを実行する。帯域割当て部114は、次の区間がTDD送信区間である場合、REPORT信号を廃棄する。帯域割当て部114が次回取得するREPORT信号には、破棄されたREPORT信号を用いて通知された上りリンクのデータ信号のデータ量と、ONUONU13−3又は13−4がバッファリングしている上りリンクのデータ信号のデータ量とが含まれている。したがって、帯域割当て部114がREPORT信号を廃棄した場合でも、上りリンクのデータ信号の損失は発生しない。
図5は、トラヒックの第2例を示すタイムチャートである。横軸は時間を示す。上から1段目は、TDDサブフレームの構成の区切りを示す。上から2段目は、OLTがデータ信号等を取得する区間を示す。上から3段目は、他通信システムに接続されたONU13−3及び13−4がデータ信号等を送信する区間を示す。上から4段目は、無線通信システムに接続されたONU13−1及び13−2がデータ信号等を送信する区間を示す。
図5では、DBA周期は0.5ミリ秒である。LTEに基づく無線通信システムにおけるTDDサブフレームの周期は1ミリ秒である。すなわち、図5では、DBA周期は、TDDサブフレームの時間長の半分である。TDD送信区間の一部は、ONU13−3及び13−4の送信停止区間である。すなわち、TDD送信区間では、ONU13−3及び13−4は、上りリンクのデータ信号の送信を停止する。
ONU13−3及び13−4は、TDDサブフレームが上りリンクに割り当てられている場合、余剰帯域に割り当てられた信号送信区間において、REPORT信号を送信し、OLT110aからGATE信号を取得する。
ONU13−3及び13−4は、TDDサブフレームが下りリンクに割り当てられている場合、他通信システムの信号送信区間(周期Bが割り当てられたTDD未送信区間)に、REPORT信号を2回送信し、OLT110aからGATE信号をフレームごとに取得する。ONU13−3及び13−4は、TDDサブフレームが上りリンクに割り当てられている場合に取得したGATE信号と、TDDサブフレームが下りリンクに割り当てられている場合にフレームごとに取得したGATE信号とによって、他通信システムの信号送信区間の全てのDBA周期における送信許可を取得する。ONU13−3及び13−4は、GATE信号を取得することによって、上りリンクのデータ信号を送信することが可能となる。OLT110aは、TDDフレームの推定直後も他通信システムの信号送信区間の全てのDBA周期において上りリンクのデータ信号の送信が可能となるので、帯域の利用効率を向上させることができる。
図6は、OLTの動作の第1例を示すフローチャートである。帯域割当て部114は、REPORT信号又は上りリンクのデータ信号を取得する(ステップS101)。帯域割当て部114は、次の区間がTDD送信区間であるか否かを判定する(ステップS102)。
次の区間がTDD送信区間である場合(ステップS102:YES)、帯域割当て部114は、REPORT信号を廃棄する(ステップS103)。
帯域割当て部114は、GATE信号によって無線通信システムの上りリンクの信号にFBAで帯域を割り当てるが、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、他通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てないが、GATE信号によってREPORT信号の送信を他通信システムに対して指示する。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を無線通信システム及び他通信システムに送信する(ステップS104)。
次の区間がTDD未送信区間である場合(ステップS102:NO)、帯域割当て部114は、REPORT信号に基づいて、上りリンクのデータ信号に帯域を割り当てる(ステップS105)。
帯域割当て部114は、無線通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てず、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号にDBAで帯域を割り当てると共に、GATE信号によってREPORT信号の送信を他通信システムに対して指示する。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を他通信システムに送信する(ステップS106)。
以上のように、第1の実施形態のネットワークシステム100(伝送システム)では、帯域割当て部114は、他通信システムが余剰帯域を使用して送信した第1信号に基づいて、他通信システムのデータ信号に帯域を割り当てる。インタフェース115は、他通信システムのデータ信号に割り当てられた帯域を使用して他通信システムが送信したデータ信号を取得する。第1の実施形態の第1信号は、他通信システムがバッファリングしているデータ信号のデータ量を通知するための信号、すなわち、REPORT信号(送信要求信号)である。
これによって、第1の実施形態のネットワークシステム100は、時分割複信によって通信する通信システムと他通信システムとを収容するネットワークシステム100において、帯域の利用効率を向上させることが可能である。
第1の実施形態のONU13−3及び13−4は、TDD未送信区間において、上りリンクのデータ信号を短い遅延時間で送信することができる。第1の実施形態のONU13−3及び13−4は、TDD未送信区間において、上りリンクのデータ信号を効率よく送信することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、上りリンクのデータ信号の一部が余剰帯域に割り当てられる点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7は、OLT110bの構成の第2例を示す図である。OLT110bは、図1に示すOLT11である。なお、OLT110bは、OLT11と接続される外部装置でもよい。OLT110bは、L2SW111と、トラヒックモニタ112と、時分割複信情報推定部113と、帯域割当て部114と、インタフェース115と、リポート量推定部116とを備える。OLT110bは、メモリを更に備えてもよい。メモリは、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の不揮発性メモリ(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置を用いて構成される。
帯域割当て部114は、他通信システムの上りリンクのデータ信号の帯域に、余剰帯域を割り当てる。例えば、余剰帯域が1Gbpsである場合、帯域割当て部114は、ONU13−3の上りリンクのデータ信号とONU13−4の上りリンクのデータ信号とに、各500Mbpsの帯域をFBAによって割り当てる。この余剰帯域内において、ONU13は、ONU13が本来送信すべきデータ量Xバイトの一部である予め定められたY[%]のデータ量のデータ信号を送信する。本来送信すべきデータ量とは、通常においてONU13がREPORT信号を用いて送信の許可を要求するデータ量である。
OLT110bがTDD未送信区間で取得すべき残りのデータ量(リポート量)(=X×(100−Y)/100)は、Y[%]の値が予め定められているので、余剰帯域を使用してONU13が送信したデータ量(=X×Y/100)に基づく比例計算(Y:(100−Y))によって推定することが可能となる。これにより、ONU13が余剰帯域を使用してREPORT信号(送信要求信号)を送信することは不要となる。また、ONU13は、余剰帯域を使用してデータ信号の一部を送信することが可能となるため、第1の実施形態と比較して上りリンクのデータ信号を効率よく送信することが可能となる。
図7では、ONU13は、余剰帯域が割り当てられた時間軸上の区間(TDD送信区間の一部)に、XバイトのY[%](=X×(Y/100))のデータ量のデータ信号を、OLT110bに送信する。
インタフェース115は、余剰帯域に割り当てられた時間軸上の区間において、ONU13がバッファリングしている上りリンクのデータ信号の一部(Y[%]のデータ量)をONU13から取得する。リポート量推定部116は、余剰帯域に割り当てられた時間軸上の区間において、上りリンクのデータ信号の一部をインタフェース115から取得する。
リポート量推定部116(推定部)は、OLT110bがTDD未送信区間で取得すべき残りのデータ量(リポート量)を、上りリンクのデータ信号の一部に基づいて推定する。すなわち、リポート量推定部116は、Xバイトの(100−Y)[%](=X×(100−Y)/100)のデータ量を推定する。リポート量推定部116は、OLT110bがTDD未送信区間で取得すべき残りのデータ量の推定結果を、帯域割当て部114に送信する。帯域割当て部114は、推定結果に基づく帯域割当て情報を含むGATE信号を、インタフェース115を介してONU13に送信する。
ONU13−1は、GATE信号を取得した場合、TDD送信区間に、Xバイトの(100−Y)[%]のデータ量のデータ信号を、OLT110bに送信する。ONU13−2についても同様である。GATE信号は、TDD送信区間であることを通知するための情報を含んでもよい。ONU13−3は、GATE信号を取得した場合、TDD未送信区間に、Xバイトの(100−Y)[%]のデータ量のデータ信号を、OLT110bに送信する。ONU13−4についても同様である。
図8は、OLTの動作の第2例を示すフローチャートである。帯域割当て部114は、REPORT信号、上りリンクのデータ信号、又は上りリンクのデータ信号の一部を取得する(ステップS201)。帯域割当て部114は、次の区間がTDD送信区間であるか否かを判定する(ステップS202)。
次の区間がTDD送信区間である場合(ステップS202:YES)、帯域割当て部114は、REPORT信号を廃棄する(ステップS203)。
帯域割当て部114は、GATE信号によって無線通信システムの上りリンクの信号にFBAで帯域を割り当てるが、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号の一部にDBAで帯域を割り当てるが、REPORT信号の送信を他通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を無線通信システム及び他通信システムに送信する(ステップS204)。
次の区間がTDD未送信区間である場合(ステップS202:NO)、帯域割当て部114は、REPORT信号に基づいて、上りリンクのデータ信号に帯域を割り当てる。帯域割当て部114は、上りリンクのデータ信号の一部に基づいて、上りリンクのデータ信号に帯域を割り当ててもよい。例えば、帯域割当て部114は、上りリンクのデータ信号の一部のデータ量に基づいて、上りリンクのデータ信号に帯域を割り当ててもよい(ステップS205)。
帯域割当て部114は、無線通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てず、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号にDBAで帯域を割り当てると共に、GATE信号によってREPORT信号の送信を他通信システムに対して指示する。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を他通信システムに送信する(ステップS206)。
以上のように、第2の実施形態のネットワークシステム100(伝送システム)では、帯域割当て部114は、他通信システムが余剰帯域を使用して送信した第1信号に基づいて、他通信システムのデータ信号に帯域を割り当てる。インタフェース115は、他通信システムのデータ信号に割り当てられた帯域を使用して他通信システムが送信したデータ信号を取得する。第2の実施形態の第1信号は、他通信システムがバッファリングしているデータ信号の一部である。
これによって、第2の実施形態のネットワークシステム100は、時分割複信によって通信する通信システムと他通信システムとを収容するネットワークシステム100において、帯域の利用効率を向上させることが可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、TDDサブフレームが下りリンクに割り当てられている区間(TDD未送信区間)では、ONU13がバッファリングしているデータ信号を全て送信するために必要とされる時間がTDDサブフレームの時間長以上である場合でも、ONU13がデータ信号を全て送信するまでREPORT信号を送信しない点が、第1の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
ONU13は、余剰帯域に割り当てられた信号送信区間で、REPORT信号を送信する。ONU13は、TDD未送信区間では、REPORT信号を送信しない。
図9は、トラヒックの第3例を示すタイムチャートである。横軸は時間を示す。上から1段目は、TDDサブフレームの構成の区切りを示す。上から2段目は、OLTがデータ信号等を取得する区間を示す。上から3段目は、他通信システムに接続されたONU13−3及び13−4がデータ信号等を送信する区間を示す。上から4段目は、無線通信システムに接続されたONU13−1及び13−2がデータ信号等を送信する区間を示す。
図9では、TDD送信区間におけるDBA周期は、0.5ミリ秒である。すなわち、図9では、TDD送信区間におけるDBA周期は、TDDサブフレームの時間長よりも短い。図9に示すOLT110a及びONU13の動作と、図5に示すOLT110a及びONU13の動作とは、TDD送信区間については同じである。ONU13−3及び13−4は、TDD未送信区間において、REPORT信号よりも上りリンクのデータ信号を優先して、上りリンクのデータ信号をOLT110aに送信する。
図10は、OLTの動作の第3例を示すフローチャートである。帯域割当て部114は、REPORT信号又は上りリンクのデータ信号を取得する(ステップS301)。帯域割当て部114は、次の区間がTDD送信区間であるか否かを判定する(ステップS302)。
次の区間がTDD送信区間である場合(ステップS302:YES)、帯域割当て部114は、REPORT信号を廃棄する(ステップS303)。
帯域割当て部114は、GATE信号によって無線通信システムの上りリンクの信号にFBAで帯域を割り当てるが、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、他通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てないが、GATE信号によってREPORT信号の送信を他通信システムに対して指示する。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を無線通信システム及び他通信システムに送信する(ステップS304)。
次の区間がTDD未送信区間である場合(ステップS302:NO)、帯域割当て部114は、REPORT信号を取得したか否かを判定する(ステップS305)。REPORT信号を取得した場合(ステップS305:YES)、帯域割当て部114は、REPORT信号に基づいて、上りリンクのデータ信号に帯域を割り当てる(ステップS306)。
帯域割当て部114は、無線通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てず、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号にDBAで帯域を割り当てるが、REPORT信号の送信を他通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を他通信システムに送信する(ステップS307)。
REPORT信号を取得していない場合(ステップS305:NO)、帯域割当て部114は、上りリンクのデータ信号を全て取得したか否かを判定する(ステップS308)。上りリンクのデータ信号を全て取得した場合(ステップS308:YES)、帯域割当て部114は、無線通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てず、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号にDBAで帯域を割り当てると共に、GATE信号によってREPORT信号の送信を他通信システムに対して指示する。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を他通信システムに送信する(ステップS309)。
未取得の上りリンクのデータ信号が残っている場合(ステップS308:NO)、帯域割当て部114は、無線通信システムの上りリンクの信号に帯域を割り当てず、REPORT信号の送信を無線通信システムに対して指示しない。帯域割当て部114は、GATE信号によって他通信システムの上りリンクの信号にDBAで帯域を割り当てる。帯域割当て部114は、インタフェース115を介して、GATE信号を他通信システムに送信する(ステップS310)。
以上のように、第3の実施形態のネットワークシステム100(伝送システム)は、TDD送信区間において、ONU13−3及び13−4からREPORT信号を取得する。第3の実施形態のネットワークシステム100は、次のTDD未送信区間において、上りリンクのデータ信号のみをONU13−3及び13−4に送信させる。
これによって、第3の実施形態のネットワークシステム100は、時分割複信によって通信する通信システムと他通信システムとを収容するネットワークシステム100において、帯域の利用効率をより向上させることが可能である。なお、第1〜第3の実施形態は組み合わされてもよい。
上述した実施形態における伝送システム及び伝送装置の少なくとも一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。