JP6455336B2 - 熱伝導シートおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱伝導シートおよび熱伝導シートの製造方法に関するものである。
近年、導電性、熱伝導性および機械的特性に優れる材料として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)が注目されている。そして、このようなカーボンナノチューブをシート状に集合させてなる不織布を用いた技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、カーボンナノチューブを含む不織布よりなる複数のシートと、前記シート間の接触を低減しうる複数のスペーサーとが積層されてなる絶縁体を提供する技術が提案されている。そして、特許文献1によれば、不織布よりなるシートの面方向の熱伝導率を向上させつつ厚み方向の熱伝導率を最小限にまで低下させるように構成することで、不織布の厚み方向の断熱性能を高め、この絶縁体を断熱材等として良好に機能させることができる。
特開2014−508054号公報
ここで、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素ナノ構造体を含む不織布に他の層を積層させてなるシートは、様々な技術分野での使用が考えられる。具体的には、プラズマディスプレイパネル(PDP)や集積回路(IC)チップ等の電子部品を用いた電子機器の分野においては、電子部品等の発熱体で発生する熱を受け取り、例えば金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体へ効率的に熱を伝えることで放熱させる熱伝導シートの用途が想定される。このような熱伝導シートには、その使用環境の多様化に伴い、高い熱伝導性を有するのみならず、設置対象に良好に密着しつつ優れた耐屈曲性を発揮することが求められる。しかし、特許文献1等の従来の技術を用いても、設置対照に良好に密着しつつ優れた耐屈曲性を発揮する熱伝導シートを作製することは困難であった。
そこで、本発明は、設置対象と良好に密着しつつ、優れた耐屈曲性を発揮する熱伝導シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、繊維状炭素ナノ構造体を含み、且つ厚み方向の熱伝導率(λZ)に対する面方向の熱伝導率(λXY)の比(λXY/λZ)が所定の値以下である不織布の表面に樹脂層を設ければ、設置対象に良好に密着し得り、そして意外なことに耐屈曲性に優れる熱伝導シートが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱伝導シートは、繊維状炭素ナノ構造体を含む不織布と、前記不織布の少なくとも一方の面に樹脂層とを備えてなり、前記不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比が70以下であることを特徴とする。このように、繊維状炭素ナノ構造体を含み且つλXY/λZが70以下である不織布と、樹脂層とを備える熱伝導シートは、設置対象に良好に密着することができ、また耐屈曲性に優れる。
なお、本発明において、「繊維状炭素ナノ構造体」とは、外径(繊維径)が1μm未満の繊維状の炭素構造体を指す。
また、本発明において、「厚み方向の熱伝導率」は、不織布の厚み方向の熱拡散率αZ(m2/s)、定圧比熱Cp(J/g・K)および比重ρ(g/m3)を用いて、下記式(I):
厚み方向の熱伝導率λZ(W/m・K)=αZ×Cp×ρ ・・・(I)
より求めることができる。
同様に、本発明において、「面方向の熱伝導率」は、不織布の面方向の熱拡散率αXY(m2/s)、定圧比熱Cp(J/g・K)および比重ρ(g/m3)を用いて、下記式(II):
面方向の熱伝導率λXY(W/m・K)=αXY×Cp×ρ ・・・(II)
より求めることができる。
ここで、「熱拡散率」は熱物性測定装置を用いて測定することができ、「定圧比熱」は示差走査熱量計を用いて測定することができ、「比重」は自動比重計を用いて測定することができる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が400m2/g以上であることが好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が400m2/g以上であれば、熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させることができるからである。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
更に、本発明の熱伝導シートは、前記樹脂層が熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。樹脂層が熱可塑性樹脂を含めば、熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させつつ、熱伝導シートを容易に設置対象に密着させることができるからである。
加えて、本発明の熱伝導シートは、前記不織布の厚み方向の熱伝導率が0.4W/m・K以上であることが好ましい。厚み方向の熱伝導率が0.4W/m・K以上である不織布は、λXY/λZが過剰に高まることが抑制され得るため、熱伝導シートの耐屈曲性が確保され、また当該熱伝導シートを発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用した場合に、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えることができるからである。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比が1.0以上であることが好ましい。λXY/λZが1.0以上である不織布を用いれば、熱伝導シートの面方向の熱伝導率を十分に確保することができるからである。
更に、本発明の熱伝導シートは、前記不織布の引張強度が10N/mm以上であることが好ましい。不織布の引張強度が10N/mm以上の場合、熱伝導シートが一層優れた耐屈曲性を発揮しうるからである。
なお、本発明において、不織布の「引張強度」は、引張試験機を用いて30mm/分の引張速度で引張試験を行った際の破断点の荷重(N)を、不織布(試験片)の厚み(mm)で除することで算出することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱伝導シートの製造方法は、上述した熱伝導シートの何れかを製造する方法であって、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを含む分散液を調製する工程と、前記分散液から前記分散媒を除去して不織布を形成する工程と、前記不織布の少なくとも一方の面に樹脂層を形成する工程と、を含むことが好ましい。このように、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを含む分散液から前記分散媒を除去して不織布を形成し、当該不織布の片面または両面に樹脂層を設ければ、設置対象との密着性および耐屈曲性に優れる熱伝導シートが容易に得られる。
そして、本発明の熱伝導シートの製造方法は、前記分散液を調製する工程において、前記分散媒中に前記繊維状炭素ナノ構造体を添加してなる粗分散液を60MPa以上200MPa以下の圧力で細管流路へと圧送し、前記粗分散液にせん断力を与えて平均粒子径が60μm以下とする処理を行うことが好ましい。このように、粗分散液にせん断力を与えて分散液を調製すれば、繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散した分散液が得られる。従って、当該分散液を使用して不織布を形成すれば、熱伝導シートに、全面に亘ってムラなく良好な耐屈曲性を発揮させることができるからである。
なお、本発明において、繊維状炭素ナノ構造体分散液の「平均粒子径」とは、繊維状炭素ナノ構造体分散液中に含まれている固形物のメジアン径(体積換算値)を指し、粒度分布計を用いて測定することができる。
本発明によれば、設置対象と良好に密着しつつ、優れた耐屈曲性を発揮する熱伝導シートを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の熱伝導シートは、繊維状炭素ナノ構造体を含む不織布と、樹脂層とを備えてなる。そして、本発明の熱伝導シートは、例えば本発明の熱伝導シートの製造方法を用いて製造することができる。
(熱伝導シート)
本発明の熱伝導シートは、繊維状炭素ナノ構造体を含む不織布と、前記不織布の少なくとも一方の面に樹脂層とを備えてなり、不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比が70以下であることを特徴とする。
<不織布>
本発明において使用する不織布は、通常、複数本の繊維状炭素ナノ構造体をシート状に集合させて形成した不織布である。なお、不織布には、繊維状炭素ナノ構造体以外に、複数本の繊維(繊維状炭素ナノ構造体に該当するものを除く)や、不織布の製造時に使用した添加物等のその他の成分が含まれていてもよい。
そして、不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比(λXY/λZ)が70以下であるため、本発明の熱伝導シートは、優れた耐屈曲性を発揮する。
ここで、λXY/λZが70以下の不織布を使用することで耐屈曲性に優れる熱伝導シートが得られる理由は明らかではないが、以下の理由によるものと推察される。即ち、λXY/λZが70超である、つまり面方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率に比して極めて大きい場合は、繊維状炭素ナノ構造体が面方向に過度に配向しており、不織布中で繊維状炭素ナノ構造体同士が良好に絡み合えていないと考えられる一方で、λXY/λZが70以下であると、不織布中の繊維状炭素ナノ構造体同士が良好に絡み合うことで耐屈曲性に優れる緻密なネットワークが形成されるためと推察される。
[繊維状炭素ナノ構造体]
不織布を構成する繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)等の円筒形状の炭素ナノ構造体や、炭素の六員環ネットワークが扁平筒状に形成されてなる炭素ナノ構造体等の非円筒形状の炭素ナノ構造体を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、上述した中でも、繊維状炭素ナノ構造体としては、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、不織布を備える熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させることができるからである。
ここで、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
そして、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させる観点から、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、特に限定されることなく、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(CVD法)などの既知のCNTの合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に原料化合物およびキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
そして、スーパーグロース法により製造したCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
また、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の平均直径が0.5nm以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体の過度な凝集を抑制して均質な不織布を形成することができ、熱伝導シートが全面に亘ってムラなく良好な耐屈曲性を発揮することができる。また、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径が15nm以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体同士が良好に絡み合うことができ、熱伝導シートの耐屈曲性を一層高めることができる。
なお、本発明において、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。また、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られた繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
更に、繊維状炭素ナノ構造体は、合成時における構造体の平均長さが、1μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、5000μm以下であることが好ましい。平均長さが1μm以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体同士が良好に絡み合うことができ、熱伝導シートの耐屈曲性を一層高めることができる。なお、合成時の構造体の長さが長いほど、不織布を形成する過程で繊維状炭素ナノ構造体に破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時の構造体の平均長さは5000μm以下であることが好ましい。
また、繊維状炭素ナノ構造体は、BET比表面積が、400m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が400m2/g以上であれば、熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させることができる。また、繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が2500m2/g以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体の過度な凝集を抑制して均質な不織布を形成することができ、熱伝導シートが全面に亘ってムラなく良好な耐屈曲性を発揮することができる。
[繊維]
本発明に用いる不織布は、上述した繊維状炭素ナノ構造体に加えて繊維を含んでいてもよい。ここで、本発明において、「繊維」とは、繊維径が1μm以上の繊維状物質を指し、「繊維」には「繊維状炭素ナノ構造体」は含まれない。
繊維状炭素ナノ構造体と繊維を併用することで、繊維状炭素ナノ構造体同士が良好に絡み難い場合(例えば、繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が小さい場合)であっても、繊維を支柱として繊維状炭素ナノ構造体同士が絡みあうことで成膜性が高まり、自立性に優れる不織布を容易に形成することができる。
また、繊維状炭素ナノ構造体と繊維を併用することで、不織布および熱伝導シートの面方向の熱伝導率を高めることもできる。この理由は明らかではないが、繊維は繊維状炭素ナノ構造体に比して繊維径が大きく、長大かつ剛直となり易いため、不織布の調製の際に繊維状炭素ナノ構造体に比して面方向に配向し易いためと推察される。
不織布を構成しうる繊維としては、特に限定されることなく、例えば、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、およびポリパラフェニレンベンズオキサゾールなどの合成繊維、セルロース、キチン、およびキトサンなどの不溶性食物繊維、ガラス繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、および黒鉛繊維などの炭素繊維、並びに、炭素繊維、樹脂繊維およびガラス繊維等の繊維状材料の表面を金属で被覆してなる金属被覆繊維が挙げられる。なお、金属被覆繊維の調製の際に繊維状材料の表面を被覆する金属としては、例えば、ニッケル、イッテルビウム、金、銀、銅などが挙げられる。また、繊維状材料の表面に金属を被覆する方法としては、例えば、メッキ法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、蒸着法などを用いることができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、上述した中でも、不織布の成膜性を高めつつ面方向の熱伝導率を十分に確保する観点から、繊維としては、炭素繊維を用いることが好ましく、ピッチ系炭素繊維または黒鉛繊維を用いることがより好ましく、ピッチ系炭素繊維を用いることが更に好ましい。
ここで、繊維の平均繊維径は、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。繊維の平均繊維径が上記範囲内であれば、不織布の成膜性を高めつつ熱伝導シートの耐屈曲性を十分に確保することができる。
なお、本発明において、繊維の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維100本の繊維径を測定して求めることができる。
また、繊維の平均繊維径は、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径の100倍以上1000倍以下であることが好ましい。繊維の平均繊維径が繊維状炭素ナノ構造体の平均直径の100倍以上1000倍以下であれば、不織布の成膜性を高めつつ熱伝導シートの耐屈曲性を十分に確保することができる。
また、繊維の平均繊維長は、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが更に好ましく、1000μm以上であることが特に好ましい。このような長さを有する繊維を使用すれば、不織布の成膜性を高めつつ、熱伝導シートの耐屈曲性および面方向の熱伝導率を十分に確保することができる。
なお、本発明において、繊維の平均繊維長は、走査型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維100本の繊維長を測定して求めることができる。
そして、繊維の添加による成膜性および面方向の熱伝導率向上効果を十分に確保する観点からは、不織布に含まれている繊維の量は、繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり、5質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましく、200質量部以上であることが更に好ましく、300質量部以上であることが特に好ましく、4000質量部以下であることが好ましく、1600質量部以下であることがより好ましく、800質量部以下であることが更に好ましく、600質量部以下であることが特に好ましい。
一方で、上述のように繊維は不織布中で面方向に配向し易く、繊維を添加することにより不織布のλXY/λZが過剰に高まり耐屈曲性が十分に確保できなくなる虞がある。従って、熱伝導シートの耐屈曲性を十分に確保する観点からは、不織布に含まれている繊維の量は、繊維状炭素ナノ構造体100質量部当たり、400質量部以下であることが好ましく、300質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることが更に好ましく、50質量部以下であることが特に好ましく、0質量部であることが最も好ましい。
即ち、本発明においては、熱伝導シートに求める効果(不織布の成膜性、熱伝導シートの耐屈曲性、および面方向の熱伝導率など)に応じて、不織布に含まれている繊維の量を適宜設定すればよい。
[その他の成分]
また、不織布に任意に含有され得るその他の成分としては、特に限定されることなく、不織布の調製時に使用した分散剤などの既知の添加剤が挙げられる。これらは、製法上の理由により不織布中に不可避的に残留するものである。
[不織布の性状]
繊維状炭素ナノ構造体、並びに必要に応じて繊維およびその他の成分から構成される不織布は、厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比(λXY/λZ)が70以下であることが必要であり、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましく、10以下であることが特に好ましく、そして1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることが好ましく、3.0以上であることが更に好ましい。λXY/λZが70超であると、不織布中で繊維状炭素ナノ構造体同士が良好なネットワークを形成できないためと推察されるが、熱伝導シートの耐屈曲性を確保することができない。一方、λXY/λZが1.0以上である不織布を備える熱伝導シートは、面方向の熱伝導率を十分に確保することができる。
不織布の面方向の熱伝導率(λXY)は、λXY/λZが所定の範囲内となれば特に限定されないが、1.0W/m・K以上であることが好ましく、2.0W/m・K以上であることがより好ましく、4.0W/m・K以上であることが更に好ましい。不織布のλXYが1.0W/m・K以上であれば、不織布を含んでなる熱伝導シートの面方向の熱伝導率を高めることができる。このような熱伝導シートは、面方向に熱を伝導させる用途に好適に用いることができる。なお、不織布の面方向の熱伝導率(λXY)は、λXY/λZが過剰に高まることを抑制して熱伝導シートの耐屈曲性を確保する観点からは10W/m・K以下が好ましい。
不織布の厚み方向の熱伝導率(λZ)は、λXY/λZが所定の範囲内となれば特に限定されないが、0.4W/m・K以上であることが好ましく、0.5W/m・K以上であることがより好ましく、0.6W/m・K以上であることが更に好ましい。不織布のλZが0.4W/m・K以上であれば、不織布のλXY/λZが過剰に高まることを抑制して熱伝導シートの耐屈曲性を確保することができる。また不織布を含んでなる熱伝導シートの厚み方向の熱伝導を高めることができ、このような熱伝導シートは、厚み方向に熱を伝導させる用途(例えば、熱伝導シートを発熱体と放熱体との間に挟みこんで使用する場合)に好適に用いることができる。なお、不織布の厚み方向の熱伝導率(λZ)は、特に限定されないが、例えば1.0W/m・K以下の値とすることができる。
なお、不織布のλXY/λZは、不織布の厚みや、繊維状炭素ナノ構造体と繊維の量比や、不織布の調製方法を変更することにより調整することができる。例えば、不織布の厚みを厚くすれば、λXY/λZの値を低下させることができるし、薄くすれば、λXY/λZの値を向上させることができる。また、例えば、繊維状炭素ナノ構造体に対する繊維の量比を大きくすれば、λXY/λZの値を向上させることができるし、同比を小さくすればλXY/λZの値を低下させることができる。そして、例えば繊維状炭素ナノ構造体および任意の繊維を含む原料を、ローラーを平面方向に動かしながらプレスして不織布を形成すれば、繊維状炭素ナノ構造体等が面方向に配向するためと推察されるが、λXY/λZの値を向上させることができる。一方、例えば後述する熱伝導シートの製造方法のように、分散媒に繊維状炭素ナノ構造体および任意の繊維を分散させてから、分散媒を除去することで不織布を形成すれば、繊維状炭素ナノ構造体等が特定の方向に配向し難いためと推察されるが、λXY/λZの値を低下させることができる。
不織布の引張強度は、10N/mm以上であることが好ましく、20N/mm以上であることがより好ましく、30N/mm以上であることが更に好ましく、40/mm以上であることが特に好ましい。不織布の引張強度が10N/mm以上の場合、不織布中で繊維状炭素ナノ構造体同士が良好にネットワークを形成しているためと推察されるが、熱伝導シートの耐屈曲性が更に高まる。なお、不織布の引張強度の上限は特に限定されないが、通常120N/mm以下である。
不織布は、厚さが10nm〜3μm、面積が1mm2〜100cm2のサイズにおいて支持体無しで不織布としての形状を保つことが好ましい。また不織布は、繊維状炭素ナノ構造体、および任意に繊維が絡み合うことで形成されており、通常、密度が1.0g/cm3以下、好ましくは0.5g/cm3以下、より好ましくは0.3g/cm3以下と軽量である。
<樹脂層>
本発明の熱伝導シートは、上述した不織布の片面または両面に樹脂層を備える。そして熱伝導シートは、当該シートの少なくとも一方の面に形成された樹脂層を介して、設置対象と密着することができる。
ここで、樹脂層を構成する樹脂は、特に限定されず既知の樹脂を用いることができる。具体的には、樹脂としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。なお、本発明において、ゴムおよびエラストマーは、「樹脂」に含まれるものとする。また、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂とは併用してもよい。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、ポリメタクリル酸またはそのエステル、ポリアクリル酸またはそのエステルなどのアクリル樹脂;シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−プロピレン共重合体;ポリメチルペンテン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルアルコール;ポリアセタール;ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;スチレン−アクリロニトリル共重合体;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物;スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物;ポリフェニレンエーテル;変性ポリフェニレンエーテル;脂肪族ポリアミド類;芳香族ポリアミド類;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;ポリウレタン;液晶ポリマー;アイオノマー;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[熱硬化性樹脂]
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、天然ゴム;ブタジエンゴム;イソプレンゴム;ニトリルゴム;水素化ニトリルゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン;ブチルゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;フェノール樹脂;不飽和ポリエステル;ジアリルフタレート樹脂;ポリイミドシリコーン樹脂;ポリウレタン;熱硬化型ポリフェニレンエーテル;熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述した中でも、熱伝導シートの樹脂層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いれば、熱伝導シートの耐屈曲性を更に向上させつつ、熱伝導シートを容易に設置対象に密着させることができるからである。
(熱伝導シートの製造方法)
本発明の熱伝導シートの製造方法は、上述した熱伝導シートの製造に用いることができる。そして、本発明の熱伝導シートの製造方法は、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを含有し、任意に、繊維と、分散剤などの添加剤とを更に含有する分散液を調製する工程(分散液調製工程)、分散液調製工程で得られた分散液から分散媒を除去して不織布を形成する工程(不織布形成工程)、および不織布の少なくとも一方の面に樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)を含むことを特徴とする。
そして、本発明の熱伝導シートの製造方法を用いて得られる熱伝導シートは、設置対象に良好に密着することができ、また耐屈曲性に優れる。
<分散液調製工程>
分散液調製工程では、上述した繊維状炭素ナノ構造体と、任意に繊維および添加剤とを分散媒に分散または溶解させて分散液を調製する。なお、分散媒に分散させる繊維状炭素ナノ構造体および繊維の量の比率は、通常、分散液を用いて形成される不織布に含有させる繊維状炭素ナノ構造体および繊維の量の比率と同じにする。
ここで、繊維状炭素ナノ構造体と任意の添加剤とを分散媒に添加して得た粗分散液を分散液として使用することも可能であるが、この粗分散液に対して分散処理を施し、得られた繊維状炭素ナノ構造体分散液を、分散液として使用することが好ましい。凝集し易くて分散し難い繊維状炭素ナノ構造体を分散処理により十分に分散させれば、繊維状炭素ナノ構造体が良好に分散した分散液を得ることができるからである。
また、不織布に繊維を含める場合は、繊繊維状炭素ナノ構造体と任意の添加剤とを分散媒に添加して得た粗分散液に対して分散処理を施して繊維状炭素ナノ構造体分散液を得た後、繊維状炭素ナノ構造体分散液に繊維を混合することにより分散液を調製することが好ましい。凝集し易くて分散し難い繊維状炭素ナノ構造体を予め分散させた後に繊維と混合すれば、繊維状炭素ナノ構造体および繊維が良好に分散した分散液を得ることができるからである。
このように、繊維状炭素ナノ構造体および任意に繊維が良好に分散した分散液を使用すれば、不織布の均一性が高まり、熱伝導シートが全面に亘ってムラなく良好な耐屈曲性を発揮することができる。
そこで、以下では、分散液調製工程において分散液を調製する方法の一例として、繊維状炭素ナノ構造体と任意の添加剤とを分散媒に添加して得た粗分散液に分散処理を施して分散液を調製する方法について詳細に説明する。
[粗分散液の調製]
繊維状炭素ナノ構造体と任意の添加剤とを含む粗分散液は、分散媒に対して繊維状炭素ナノ構造体および任意の添加剤を添加した後、任意にホモジナイザーなどの混合器を用いて混合することにより調製することができる。
[[分散剤]]
ここで、分散剤としては、繊維状炭素ナノ構造体を分散可能であり、後述する分散媒に溶解可能であれば、特に限定されないが、界面活性剤、合成高分子または天然高分子を用いることができる。
具体的には、界面活性剤としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、合成高分子としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
更に、天然高分子としては、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロース、並びに、その塩または誘導体が挙げられる。なお、「誘導体」とは、エステルやエーテルなどの従来公知の化合物を意味する。
これらの分散剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
[[分散媒]]
また、分散媒としては、特に限定されることなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[繊維状炭素ナノ構造体分散液の調製]
粗分散液に対して分散処理を施して繊維状炭素ナノ構造体分散液を調製する際の分散処理としては、特に限定されることなく、既知の分散処理を用いることができる。具体的には、分散処理としては、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理を用いることができる。なお、キャビテーション効果が得られる分散処理は、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。そして、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波ホモジナイザーによる分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌装置による分散処理が挙げられる。また、解砕効果が得られる分散処理は、粗分散液にせん断力を与えて繊維状炭素ナノ構造体の凝集体を解砕・分散させ、さらに粗分散液に背圧を負荷することで、気泡の発生を抑制しつつ、繊維状炭素ナノ構造体を分散媒中に均一に分散させる分散方法である。そして、解砕効果が得られる分散処理は、市販の分散システム(例えば、製品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)など)を用いて行うことができる。
中でも、繊維状炭素ナノ構造体分散液を調製する際の分散処理としては、細管流路を備える分散処理装置を使用し、粗分散液を細管流路に圧送して粗分散液にせん断力を与えることで繊維状炭素ナノ構造体を分散させる分散処理が好ましい。粗分散液を細管流路に圧送して粗分散液にせん断力を与えることで繊維状炭素ナノ構造体を分散させれば、繊維状炭素ナノ構造体の損傷の発生を抑制しつつ、繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。
ここで、細管流路を備える分散処理装置としては、例えば、湿式ジェットミル(例えば、製品名「JN5」、「JN10」、「JN20」、「JN100」、「JN1000」(いずれも株式会社常光製)など)および上述した分散システム(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)などが挙げられる。
そして、上記分散処理装置が備える細管流路は、単一の細管流路であってもよいし、下流側の任意の位置に合流部を有する複数の細管流路であってもよい。但し、粗分散液同士をより効果的に衝突させてせん断力を付与する観点からは、分散処理装置が備える細管流路は、下流側の任意の位置に合流部を有する複数の細管流路であることが好ましい。
更に、分散処理装置が備える細管流路の直径は、特に限定されないが、粗分散液が目詰まりすることなく粗分散液に高速流せん断を効果的に付与する観点から、50μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上600μm以下であることがより好ましい。
また、細管流路に粗分散液を圧送する手段としては、特に限定されることなく、高圧ポンプやピストン構造を有するシリンダを用いることができる。
そして、細管流路に粗分散液を圧送する際の圧力は、特に限定されることなく、60MPa以上200MPa以下とすることが好ましい。粗分散液を圧送する際の圧力を上記範囲内とすれば、繊維状炭素ナノ構造体の損傷の発生を十分に抑制しつつ、繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。
また、細管流路を用いた分散処理の条件(圧力、処理回数など)は、得られる繊維状炭素ナノ構造体分散液中に1mm以上の凝集体が目視で確認されない条件とすることが好ましく、粒度分布計で測定した際のメジアン径(体積換算の平均粒子径)の値が60μm以下となるレベルで繊維状炭素ナノ構造体が分散する条件とすることがより好ましい。繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させれば、繊維状炭素ナノ構造体分散液を用いて形成した不織布の均一性が高まり、熱伝導シートが全面に亘ってムラなく良好な耐屈曲性を発揮することができる。
このようにして得られた繊維状炭素ナノ構造体分散液を、そのまま分散液として使用することもできるが、繊維状炭素ナノ構造体に加えて繊維を含んでなる不織布を形成する場合は、以下のようにして繊維状炭素ナノ構造体分散液と繊維を混合して、分散液とすればよい。
[繊維の混合]
繊維状炭素ナノ構造体分散液と繊維との混合は、特に限定されることなく、例えばホモジナイザーなどの混合器を用いて行うことができる。
<不織布形成工程>
不織布形成工程では、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒と、任意に繊維および添加剤とを含有する上記分散液から分散媒を除去して、不織布を形成する。具体的には、不織布形成工程では、例えば多孔質基材を用いて分散液をろ過し、得られたろ過物を乾燥させることにより、不織布を形成する。
なお、分散液をろ過して得られたろ過物は、乾燥させる前に、水やアルコールなどを用いて洗浄してもよい。
ここで、多孔質基材としては、特に限定されることなく、ろ紙や、セルロース、ニトロセルロース、アルミナ等よりなる多孔質シートを挙げることができる。
また、ろ過方法としては、自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過などの既知のろ過方法を用いることができる。
更に、ろ過物を乾燥する方法としては、公知の乾燥方法を採用できる。具体的には、乾燥方法としては、熱風乾燥法、真空乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。
このようにして、上記不織布形成工程を経て得られた不織布は、自立性に優れ、また、λXY/λZが過度に高くなることもない。
<樹脂層形成工程>
樹脂層形成工程では、上記不織布の片面または両面に樹脂層を形成する。具体的には、例えば、樹脂層形成工程では、樹脂を溶媒に溶解させてなる樹脂溶液を不織布表面に塗布し、不織布表面の塗膜を乾燥して溶媒を除去することにより、不織布上に樹脂層を備える熱伝導シートを形成する。
なお、溶媒は樹脂の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば「分散液調製工程」で分散媒として挙げられたものを使用することができる。
また、樹脂溶液の塗布量は特に限定されないが、片面当たり10〜200g/m2程度が好ましい。樹脂溶液を不織布表面に塗布する方法は既知ものを使用することができる。
そして、不織布表面の塗膜を乾燥する際の乾燥温度は、特に限定されないが、10〜150℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常1〜12時間である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例および比較例において、不織布および熱伝導シートの熱伝導率(厚み方向、面方向)、不織布の引張強度、熱伝導シートの耐屈曲性、並びに熱伝導シートの設置対象への密着性は、以下の方法を使用して評価した。
<厚み方向の熱伝導率>
不織布および熱伝導シートについて、厚み方向の熱拡散率αZ(m2/s)、定圧比熱Cp(J/g・K)および密度(比重)ρ(g/m3)を以下の方法で測定した。
[熱拡散率αZ
熱物性測定装置(株式会社ベテル製、製品名「サーモウェーブアナライザTA35」)を使用して測定した。
[定圧比熱]
示差走査熱量計(Rigaku製、製品名「DSC8230」)を使用し、10℃/分の昇温条件下、温度25℃における比熱を測定した。
[密度(比重)]
自動比重計(東洋精機社製、商品名「DENSIMETER−H」)を用いて測定した。
そして、得られた測定値を用いて下記式(I):
λZ=αZ×Cp×ρ ・・・(I)
より25℃における不織布および熱伝導シートの厚み方向の熱伝導率λZ(W/m・K)を求めた。
<面方向の熱伝導率>
不織布および熱伝導シートについて、面方向の熱拡散率αXY(m2/s)、定圧比熱Cp(J/g・K)および密度(比重)ρ(g/m3)を以下の方法で測定した。
[熱拡散率αXY
熱物性測定装置(株式会社ベテル製、製品名「サーモウェーブアナライザTA35」)を使用して測定した。
[定圧比熱および密度(比重)]
「厚み方向の熱伝導率」と同様にして測定した。
そして、得られた測定値を用いて下記式(II):
λXY=αXY×Cp×ρ ・・・(II)
より25℃における不織布および熱伝導シートの面方向の熱伝導率λXY(W/m・K)を求めた。
<不織布の引張強度>
4cm×1cmの矩形不織布を試験片とした。小型卓上引張試験機(日本電産シンポ株式会社製、製品名「FGS−TV」)を用いて、試験片の長辺方向の端から1cmをチャックで掴み、30mm/分の引張速度で引張試験を行い、試験片の破断点における荷重(N)を測定した。この荷重(N)を試験片の厚み(mm)で除して得られた値を、不織布の引張強度(N/mm)とした。
<熱伝導シートの耐屈曲性>
熱伝導シートを、180度折り曲げて元に戻し、次いで同じ折り目で逆の方向に180度折り曲げて元に戻す操作を10セット繰り返した。この折り曲げ操作後の熱伝導シートについて、面方向の熱伝播の挙動を熱伝播評価装置(株式会社ベテル製、製品名「サーマルイメージングスコープTSI」)を用いて検討した。まず、折り曲げ操作の際の折り目が、ステージ上のY軸方向に平行(即ち、X軸方向と垂直)となって且つレーザー照射点からX軸の正の方向に2mmずれた状態となるように、熱伝導シートを熱伝播評価装置内にセットした。次いで、レーザー照射点において熱伝導シートにレーザー(正弦波、レーザーパワー:0.75W、周波数:1Hz)を照射した。そしてレーザーの照射点からX軸の正の方向に4.4mm移動した地点の輝度、およびレーザーの照射点からX軸の負の方向に4.4mm移動した地点の輝度を、レーザー照射点の輝度が最大になった際に測定した。これらの輝度の差の絶対値を求めて、以下のように評価した。輝度の差の絶対値が小さいほど、折り目により熱伝導が影響を受け難く、即ち熱伝導シートが耐屈曲性に優れることを示す。
A1:輝度の差の絶対値が90以下
A2:輝度の差の絶対値が90超
B:折り曲げ操作の段階で熱伝導シートが破断する
<熱伝導シートの密着性>
4cm×2cmの矩形熱伝導シートを試験片とした。まず、試験片をアルミ板の上に置き、試験片の長辺方向の端から2cmの領域(2cm×2cm)を、80℃雰囲気下、0.5MPaで1時間プレスした。次いで、小型卓上引張試験機(日本電産シンポ株式会社製、製品名「FGS−TV」)を用いて、試験片のプレスされていない側の端から1cmをチャックで掴み、120mm/分の引張速度で引張試験を行い、試験片がアルミ板から剥がれた際の荷重(N)を測定した。この荷重(N)を試験片の幅(20mm)で除して得られた値を密着強度(N/mm)とし、以下のように評価した。
A:密着強度が0.01N/mm以上
B:密着強度が0.01N/mm未満
また、実施例および比較例で用いる繊維状炭素ナノ構造体、繊維、および樹脂溶液は、以下のようにして調製又は準備した。
<CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の調製>
スーパーグロース法(国際公開第2006/011655号参照)に準じてSGCNTを調製し、繊維状炭素ナノ構造体とした。
なお、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、H−7650)を用いて測定した繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、3nmであった。また、比表面積計(ベックマンコールター製、SA−3100)を用いて測定した繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積は800m2/gであった。更に、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−4300)を用いて測定した繊維状炭素ナノ構造体の平均長さは、10μmであった。
<繊維の準備>
繊維としてピッチ系炭素繊維(三菱樹脂株式会社製、ダイアリード(登録商標)K223HM)を準備した。
なお、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−4300)を用いて測定したピッチ系炭素繊維の平均繊維径は、10μmであった。また、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−4300)を用いて測定したピッチ系炭素繊維の平均繊維長は、500μmであった。
<フッ素樹脂を含む樹脂溶液Aの調製>
フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製、Daiel−G912)50gを、100gのメチルエチルケトンに溶解させて樹脂溶液Aを調製した。
<アクリル樹脂を含む樹脂溶液Bの調製>
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル94部とアクリル酸6部とからなる単量体混合物100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03部および酢酸エチル700部を入れて均一に溶解し、窒素置換した後、80℃で6時間重合反応を行った。なお、重合転化率は97%であった。そして、得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、粘性のある固体状のアクリル樹脂を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は270000であり、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は3.1であった。なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算で求めた。
得られたアクリル樹脂100部に対してメチルエチルケトンを100部加え、均一になるまで撹拌したものを樹脂溶液Bとした。
(実施例1)
<分散液の調製>
400mgの繊維状炭素ナノ構造体を2Lのメチルエチルケトン中に投入し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して粗分散液を調製した。
次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で2サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体をメチルエチルケトン中に分散させて濃度0.20%の繊維状炭素ナノ構造体分散液Aとし、これを分散液とした。なお、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA−960)にて繊維状炭素ナノ構造体分散液A中の繊維状炭素ナノ構造体のメジアン径(体積換算の平均粒子径)を測定したところ、メジアン径は60μmであった。
<不織布の製造>
得られた分散液32gをキリヤマろ紙(No.5A、直径3cm)を用いて減圧ろ過し、ろ物を温度80℃の雰囲気下で60分間乾燥させてシート状の不織布(厚み0.22mm、密度0.30g/cm3)を得た。そして、室温まで冷却した後、不織布をろ紙から剥がし、不織布の厚み方向および面方向の熱伝導率、引張強度を評価した。結果を表1に示す。
<熱伝導シートの製造>
得られた不織布の片面に対して、刷毛を用いて、樹脂溶液Aを塗布量50g/m2で塗布した。次いで、100℃雰囲気下で30分乾燥させて、不織布の片面に樹脂層を形成した。さらに、不織布のもう一方の面にも同様にして樹脂溶液Aを塗布し、乾燥させて樹脂層を形成し、そして室温まで冷却して両面に樹脂層を有する熱伝導シートを得た。この熱伝導シートの厚み方向および面方向の熱伝導率、耐屈曲性、並びに密着性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
樹脂溶液Aに替えて樹脂溶液Bを使用した以外は、実施例1と同様にして、分散液、不織布、および熱伝導シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
<分散液の調製>
400mgの繊維状炭素ナノ構造体を2Lのメチルエチルケトン中に投入し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して粗分散液を調製した。
次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で2サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体をメチルエチルケトン中に分散させて濃度0.20%の繊維状炭素ナノ構造体分散液Aを得た。なお、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA−960)にて繊維状炭素ナノ構造体分散液A中の繊維状炭素ナノ構造体のメジアン径(体積換算の平均粒子径)を測定したところ、メジアン径は60μmであった。
その後、得られた繊維状炭素ナノ構造体分散液Aに対し、繊維(ピッチ系炭素繊維)を1600mg投入し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して分散液を得た。
<不織布の製造>
得られた分散液16gをキリヤマろ紙(No.5A、直径3cm)を用いて減圧ろ過し、ろ物を温度80℃の雰囲気下で60分間乾燥させてシート状の不織布(厚み0.43mm、密度0.23g/cm3)を得た。そして、室温まで冷却した後、不織布をろ紙から剥がし、不織布の厚み方向および面方向の熱伝導率、引張強度を評価した。結果を表1に示す。
<熱伝導シートの製造>
得られた不織布の片面に対して、刷毛を用いて樹脂溶液Aを塗布量50g/m2で塗布した。次いで、100℃雰囲気下で30分乾燥させて、不織布の片面に樹脂層を形成した。さらに、不織布のもう一方の面にも同様にして樹脂溶液Aを塗布し、乾燥させて樹脂層を形成し、そして室温まで冷却して両面に樹脂層を有する熱伝導シートを得た。この熱伝導シートの厚み方向および面方向の熱伝導率、耐屈曲性、並びに密着性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
熱伝導シートの製造の際、樹脂溶液Aの塗布量を100g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、分散液、不織布、および熱伝導シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
不織布の製造の際、分散液の量を16gから8gに変更した以外は、実施例3と同様にして、分散液、不織布、および熱伝導シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。尚、得られた不織布は厚みが0.21mm、密度が0.23g/cm3)であった。
(比較例1)
実施例1で得られた不織布をそのまま熱伝導シートとして、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例3で得られた不織布をそのまま熱伝導シートとして、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
<分散液の調製>
実施例3と同様にして、分散液を調製した。
<熱伝導シートの製造>
得られた分散液750重量部に対して、樹脂溶液Aを樹脂の固形分換算で100重量部となるように添加し、十分に混合した(なお、繊維状炭素ナノ構造体の量に対する樹脂(固形分換算)の使用量は、実施例3のそれよりも多い)。次いで得られた溶液をシャーレに流し込み、室温で12時間乾燥させ固化させ、更に80℃の真空乾燥炉内で24時間乾燥させた後、室温まで冷却して熱伝導シートを得た。この熱伝導シートの厚み方向および面方向の熱伝導率、耐屈曲性、並びに密着性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006455336
表1より、繊維状炭素ナノ構造体を含みかつ所定の値以下のλXY/λZを有する不織布と、樹脂層とを積層してなる実施例1〜5の熱伝導シートは、設置対象(アルミ板)と良好に密着しつつ、優れた耐屈曲性を発揮することが分かる。
また、表1より、樹脂層を形成せずに不織布のみで構成された比較例1および2の熱伝導シートは、設置対象に良好に密着することができないことが分かる。
そして、繊維状炭素ナノ構造体と、繊維と、樹脂とを混合して得られる比較例3の熱伝導シートは、耐屈曲性を十分に発揮することができないことが分かる。
本発明によれば、設置対象と良好に密着しつつ、優れた耐屈曲性を発揮する熱伝導シートを提供することができる。

Claims (8)

  1. 繊維状炭素ナノ構造体を含む不織布と、前記不織布の少なくとも一方の面に樹脂層とを備えてなり、
    前記不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比が70以下である、熱伝導シート。
  2. 前記繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が400m2/g以上である、請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記樹脂層が熱可塑性樹脂を含む、請求項1または2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記不織布の厚み方向の熱伝導率が0.4W/m・K以上である、請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導シート。
  5. 前記不織布の厚み方向の熱伝導率に対する面方向の熱伝導率の比が1.0以上である、請求項1〜4の何れかに記載の熱伝導シート。
  6. 前記不織布の引張強度が10N/mm以上である、請求項1〜5の何れかに記載の熱伝導シート。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の熱伝導シートの製造方法であって、
    繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを含む分散液を調製する工程と、
    前記分散液から前記分散媒を除去して不織布を形成する工程と、
    前記不織布の少なくとも一方の面に樹脂層を形成する工程と、
    を含む熱伝導シートの製造方法。
  8. 前記分散液を調製する工程において、
    前記分散媒中に前記繊維状炭素ナノ構造体を添加してなる粗分散液を60MPa以上200MPa以下の圧力で細管流路へと圧送し、前記粗分散液にせん断力を与えて平均粒子径が60μm以下とする分散処理を行う、請求項7に記載の熱伝導シートの製造方法。
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