JP6451696B2 - ロールレベラによる鋼板矯正方法およびロールレベラ - Google Patents

ロールレベラによる鋼板矯正方法およびロールレベラ Download PDF

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Description

本発明は、ロールレベラによる鋼板矯正方法およびロールレベラに関する。特に、本発明は、横撓み補正が可能なウェッジ式クラウニング機能を有し、かつ油圧圧下機能を有するロールレベラにて矯正する際に、矯正荷重に応じて油圧圧下にてロールギャップ変動量を変化させる矯正方法に関する。
ロールレベラは、通板される鋼板に対して、ロールの軸方向(鋼板の幅方向)に繰り返し曲げを付与することにより、鋼板の残留応力を低減し、鋼板の反り等の形状不良を矯正する。
このロールレベラには、矯正時の板の反力(矯正荷重)により、縦撓みと横撓みの2種類の撓みが生じる。縦撓みとは、ハウジングが伸びることにより生じる撓みであり、横撓みとは、ロールやロールの上下フレーム(サイドフレーム)が変形することにより生じる撓みである。
近年のロールレベラは、これらの撓みを補正する機能を有している。具体的に、縦撓みについては、矯正荷重に対して油圧圧下を変化させることにより、ダイナミックに補正可能である。そして、横撓みについては、ウェッジ式クラウニング機能を有するロールレベラでは、幅方向に設けられた複数のウェッジの長手方向への押し込み量を調整することによって、ロールをクラウニングさせて補正する機能を有する。しかしながら、横撓みについては、矯正中にダイナミックにウェッジを変化させることができないことから、鋼板の定常部(レベラ内での矯正中、ロール全てに接していることが可能な鋼板の中央部)での予測荷重から横撓み量を算出し、補正量を決定してプリセットするため、矯正荷重が低くなる鋼板の噛抜部(レベラ内での矯正中、ロールの一部にのみ接していることが可能な鋼板の尾端部)の矯正中では必要以上に横撓み補正を行い、鋼板に設定以上の過剰な圧下を与えてしまう。さらに、必要以上に横撓み補正がかかっている状態になると、矯正前のロールクラウニング形状に近づく。特に、幅端部より幅中央部の圧下が過剰となるため、矯正荷重が低くなるに伴い、これが強調されてしまう。
このような撓みの発生に対し、例えば、特許文献1では、大きな塑性変形率を与える入側のローラと反り形状を修正する出側のローラにおいて、ウェッジを分割することで個々に撓みを調整する方法が述べられている。
また、特許文献2では、ウェッジ式ではなく、油圧シリンダを用いてロールをクラウニングさせる機能と、撓み量を算出する撓みセンサーを設置することで、噛込部(レベラ内での矯正中、ロールの一部にのみ接していることが可能な鋼板の先端部)、噛抜部での横撓み補正をダイナミックに制御することが可能となっている。
特開昭54−65155号公報 国際公開2013/038837号
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、矯正荷重が低下する噛抜部を矯正する際に横撓み補正を変動させることはできない。また、特許文献2に記載の技術では、投資規模が大きく、ウェッジ式クラウニング制御のロールレベラにこの技術を適用しようとすることは現実的に難しい。また、従来、荷重が低くなったときのロール自身の撓み分を考慮に入れていなかったため、噛抜部での矯正における撓み補正量は正確でなく、噛抜部に幅反りのような変形が発生してしまうことがあった。
このように、ウェッジ式クラウニング制御を採用し、鋼板の噛抜部での矯正における撓み補正の精度を簡便に向上させる技術はまだ確立されていなかった。
そこで、本発明は、ウェッジ式クラウニング制御を採用する際、鋼板の噛抜部での矯正における撓み補正の精度を簡便に向上させることができるロールレベラによる鋼板の矯正方法およびロールレベラを提供することを目的とする。
[1]鋼板の搬送方向に沿って上下交互に千鳥状に配置された複数のロールに鋼板を噛み込ませ、ウェッジ制御によりロールおよび/またはロールフレーム由来の横撓みの補正が可能であると共に、油圧圧下制御をしてロールギャップ調整をすることによりハウジング由来の縦撓みの補正が可能であるロールレベラによる鋼板のレベリング矯正を行う方法であって、
鋼板の噛込部、定常部および噛抜部のうち、前記定常部について、縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する定常部矯正工程と、
前記噛抜部について、前記縦撓み補正量から、横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する噛抜部矯正工程と、
を含むロールレベラによる鋼板の矯正方法。
[2]前記定常部ロールギャップ変動量を下記式(1)で算出される縦撓み補正量Xとし、
前記Xおよび下記式(2)で算出されるYに基づいて前記噛抜部ロールギャップ変動量をX−Yとする前記[1]に記載のロールレベラによる鋼板の矯正方法。
X=F/x ・・・式(1)
ただし、前記式(1)中、
X:縦撓み補正量(mm)、
F:矯正和荷重(ton)、
x:縦撓み剛性(ton/mm)である。
Y=(F−F)・Gy/y ・・・式(2)
ただし、前記式(2)中、
Y:横撓み補正緩和量(mm)
:定常部の矯正和荷重(ton)
y:横撓み剛性(ton/mm)、
Gy:横撓みゲイン値(%)である。
ここで、上記の定数は、下記の通り算出する。
Fはロードセルや圧力計等により検出する。xは、設備毎に特有の値であり、FEM解析や鋼板を挟み込んだ際のミル伸び量から算出する。Fは、鋼板の噛込部がレベラを抜けてから、鋼板の噛抜部がレベラに進入するまでの間の所定の時間の平均荷重とする。噛込部、噛抜部は、材有センサー(光電管やレーザ距離計等によりレベラ内に材料があることを検知するシステム)、またはPLGカウントによるトラッキングにより検出する。yは、設備毎に特有の値であり、FEM解析や鋼板を挟み込んだ際のミル伸び量から算出する。
[3]前記定常部矯正工程から前記噛抜部矯正工程への移行タイミングを、ロールレベラ内で搬送される鋼板が最初に接するロールを噛抜部が通過するタイミングとする前記[1]または[2]に記載のロールレベラによる鋼板の矯正方法。
ここで、ロールレベラ内で搬送される鋼板が最初に接するロールを噛抜部が通過するタイミングは、材有センサー、またはPLGカウントによるトラッキングにより検出する。
[4]鋼板の搬送方向に沿って上下交互に千鳥状に配置された複数のロールに鋼板を噛み込ませてレベリング矯正を行い、
ウェッジ制御によりロールおよび/またはロールフレーム由来の横撓みの補正が可能であると共に、油圧圧下制御をしてロールギャップ調整をすることによりハウジング由来の縦撓みの補正が可能であるロールレベラであって、
ハウジングと、
鋼板の長さ方向に沿って上下方向に千鳥状に配置された複数のロールと、
前記複数のロールを上下方向から支持する一対のロールフレームと、
前記ロールの幅方向の横撓み量を調整可能なウェッジと、
油圧圧下によりロールギャップを調整可能な油圧シリンダと、
縦撓みおよび横撓みを検出する検出部と、
縦撓み剛性および横撓み剛性を算出し、鋼板の噛込部、定常部および噛抜部のうち、前記定常部について、前記縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正し、前記噛抜部について、前記縦撓み補正量から、前記横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正させる制御部と、
を備えることを特徴とするロールレベラ。
本発明によれば、ウェッジ式クラウニング制御を採用する際、鋼板の噛抜部での矯正における撓み補正の精度を簡便に向上させることができるロールレベラによる鋼板の矯正方法およびロールレベラが提供される。
本発明のロールレベラの側面模式図である。 本発明のロールレベラの正面模式図である。 ロールレベラによる鋼板の矯正前および矯正中の状態を説明するための模式図である。 ロールギャップおよび圧下量の概念を説明するための模式図である。 ロールレベラにおいて噛抜部の矯正時の矯正方法を説明するための模式図である。 本発明のロールレベラによる油圧圧下の制御方法を説明するための荷重と油圧圧下のグラフである。
以下、本発明の実施形態に係るロールレベラおよびこれを用いた鋼板の矯正方法について説明する。
[ロールレベラ1]
図1は、本発明のロールレベラ1の模式図(側面図)であり、図2は、本発明のロールレベラ1の模式図(正面図)である。
本発明のロールレベラ1は、ウェッジ式クラウニング制御を採用し、鋼板Sの搬送方向に沿って上下交互に千鳥状に配置された複数のロール2U、2D(以下、上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dとも記す。)に鋼板Sを噛み込ませてレベリング矯正を行う。このロールレベラ1は、ウェッジ制御によりロール2U、2Dおよび/またはロールフレーム4U、4D(以下、上ロールフレーム4U、下ロールフレーム4Dとも記す。)由来の横撓みの補正が可能であると共に、油圧圧下制御をしてロールギャップ調整をすることによりハウジング8由来の縦撓みの補正が可能である。
図1および図2に示すように、本発明のロールレベラ1は、ハウジング8と、複数の上レベリングロール2Uおよび下レベリングロール2Dと、上レベリングロール2Uを上方向から支持する上フレーム4Uと、下レベリングロール2Dを下方向から支持する下フレーム4Dと、上レベリングロール2U、下レベリングロール2D、上フレーム4Uおよび下フレーム4Dの幅方向の横撓み量を調整可能なウェッジ5と、油圧圧下によりロールギャップを調整可能な油圧シリンダ7とを有する。
また、このロールレベラ1は、縦撓みおよび横撓みを検出する検出部、縦撓み剛性および横撓み剛性を算出し、鋼板Sの噛込部、定常部および噛抜部のうち、定常部については、縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正し、噛抜部については、縦撓み補正量から、横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する制御部10を有することを特徴とする。本発明のロールレベラ1では、噛抜部の矯正について、縦撓み補正量から、横撓み剛性に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量としてロールギャップ調整を行うため、撓み補正の精度を簡便に向上させることができる。
本発明において、縦撓みとは、ハウジング8が伸びることにより生じる撓みのことを指す。また、横撓みとは、上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dや上フレーム4U、下フレーム4Dが鋼板の幅方向に変形することにより生じる撓みのことを指す。
また、本発明において、矯正和荷重とは、上ユニットまたは下ユニットが矯正反力によってうける合計荷重のことを指す(特に限定されないが、上ユニットとは、例えば上側のロール5本、バックアップロール数本およびこれらを移動させる上側の矯正装置の単位を指す。)。例えば、矯正和荷重とは、ロールレベラを構成する4軸の油圧シリンダ7で測定した荷重を合計したものとすることができる。
上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dは、夫々、鋼板Sに接しレベリング矯正を行う。鋼板Sの矯正を行うために、下レベリングロール2Dが鋼板Sの入側から出側に向けて、No.1、3、5、7、9の順に、下方に位置していくように、下フレーム4Dのロール2Dと接する表面が入側から出側に向けて傾斜する構造とすることが好ましい。
上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dは、上バックアップロール3U、下バックアップロール3Dによって支持されていてよい。上バックアップロール3U、下バックアップロール3Dについては、一体の上下フレーム4U、4Dに支持されていてよい。また、上フレーム4Uの上部には、上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dの幅方向に沿って複数のウェッジ5が設けられている。
ウェッジ5は、上レベリングロール2U、下レベリングロール2Dの幅方向の圧下量を調整して、矯正反力によって上レベリングロール2U、下レベリングロール2D、上フレーム4U、下フレーム4Dの幅方向に生じる横撓みを調整することができる。
油圧シリンダ7は、ウェッジ5の上方のフレーム上で四隅に配置されていてよい。油圧シリンダ7は、ウェッジ5毎、上レベリングロール2Uを下方に押し下げて、鋼板Sを圧下および矯正することができる。油圧シリンダ7による油圧圧下により、ロールギャップを調整し、ハウジング8由来の縦撓みを調整することができる。
本発明のロールレベラ1においては、検出部9が、これらの縦撓みおよび横撓みを検出してから、制御部10が、縦撓み剛性および横撓み剛性を算出し、さらに、これらの剛性および矯正和荷重に基づいた縦撓み補正量から横撓み補正緩和量を引いて噛抜部ロールギャップ変動量を得る。制御部10は、この噛抜部ロールギャップ変動量に基づいて、鋼板Sの噛抜部を矯正させる。
検出部9は、縦撓みおよび横撓みを検出することができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、縦撓み補正量は、4軸の油圧シリンダ7に設置した圧力計から得られた実績荷重と縦撓み剛性から求めることができる。横撓み補正緩和量は、矯正条件から予測することで求めることができる。
制御部10は、検出された縦撓みおよび横撓みから、縦撓み剛性および横撓み剛性を算出し、定常部矯正工程および噛抜部矯正工程を制御することができれば特に限定されず、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むコンピュータを有するシステムとすることができる。制御部10は、コンピュータが有していてよい。制御部10は、検出部9等で得られた荷重から撓み量を算出して、この撓み量を補正することができる。縦撓み剛性および横撓み剛性を算出する方法としては、特に限定されないが、予め測定された剛性と4軸の油圧シリンダ7の圧力計から求めた荷重とから算出する。
本発明は、制御部10による鋼板の噛抜部での油圧圧下によるロールギャップ変動量(圧下量)を特定量にすることで、撓み補正の精度を大幅に改良し、鋼板Sのレベリング矯正の精度を向上できることが見出され、完成したものであり、この制御部10のより詳細な機能については、以下のロールレベラ1による鋼板の矯正方法の説明において詳述する。
[ロールレベラ1による鋼板の矯正方法]
次に、本発明のロールレベラ1による鋼板Sの矯正方法について説明する。本発明のロールレベラ1による鋼板Sの矯正方法は、鋼板Sの噛込部、定常部および噛抜部のうち、定常部について、縦撓み剛性に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する定常部矯正工程と、噛抜部について、縦撓み補正量から、横撓み剛性に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する噛抜部矯正工程と、を含む。
縦撓み剛性と横撓み剛性の算出、および定常部ロールギャップ変動量と噛抜部ロールギャップ変動量に基づくロールレベラ1の圧下量の調整の指令については、制御部10が行う。
ここでまず、図3を参照しながら、鋼板Sの噛抜部等のロールレベラによる矯正について、従来の方法を説明する。
図3は、ロールレベラによる鋼板の矯正前および矯正中の状態を説明するための模式図である。図3に示すように、ロールレベラによる矯正方法では、鋼板Sの定常部を矯正しているとき(図3中、(2)参照)に比べ、鋼板Sの噛抜部を矯正しているとき(図3中、(3)参照)には、矯正荷重が低下して、撓み量が低下する。そのため、従来、噛抜部の矯正では、圧下量が過剰になっていた。これに対し、本発明では、従来のウェッジ式クラウニング制御のロールレベラで生じていた噛抜部の過剰圧下という問題点に対して、噛抜部において油圧圧下でのロールギャップ変動量(圧下量)を制御することで、鋼板Sの形状不良やロールレベラ1の設備破損を防止する。
ここで、定常部とは、ロールレベラ1内での矯正中、上レベリングロール2U、下レベリング2D全てに接していることが可能な鋼板Sの中央部のことを指す。
また、噛抜部とは、ロールレベラ1内での矯正中、ロール2U、2Dの一部にのみ接していることが可能な鋼板Sの尾端部のことを指す。
なお、図3中、(1)の矯正前から(2)の定常部矯正に至る間に、噛込部矯正が行われる。噛込部とは、ロールレベラ1内での矯正中、ロール2U、2Dの一部にのみ接していることが可能な鋼板Sの先端部のことを指す。本発明では、噛込部の矯正については、従前と同様の方法で、まず、噛込部の噛込が失敗しないように、予め設定されたロールギャップより開いた状態で確実に鋼板が噛み込むようにする。その後、噛込が成功した後にロールギャップを設定位置まで締めることで、噛込部を矯正することができる。
図4は、ロールギャップおよび圧下量の概念を説明するための模式図である。図4に示すように、ロールギャップとは、複数の上レベリングロール2Uの下方の第1接線と、複数の下レベリングロール2Dの上方の第2接線とにおいて、複数のロール2Uのうち鋼板Sの入側(ロール噛込側)に位置するロール2U(図中、No.2)の接点を始点として、上記第1接線に垂直な方向に、上記第2接線まで引かれる線の長さのことを指す。このロールギャップを大きくする程、圧下量を小さくすることができる。
図5(a)は、鋼板の定常部の矯正状態の概念図であり、図5(b)は、鋼板の噛抜部の矯正状態の概念図である。図5(a)に示す定常部の矯正状態に比し、図5(b)に示す噛抜部の矯正状態では、矯正荷重が低下するため、油圧を調整し圧下量を低下させる。
以上の従来技術の噛抜部の過剰圧下という問題点を踏まえ、本発明者らは、噛抜部での矯正方法について鋭意検討し、油圧圧下によるロールギャップ変動量を制御する方法を確立した。
以下、本発明のロールレベラ1による鋼板Sの矯正方法における定常部での矯正時および噛抜部の矯正時でのロールギャップ変動量について、具体的な制御方法について説明する。
<定常部矯正工程>
まず、定常部矯正工程では、縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する。
なお、定常部から噛抜部矯正へ移行するタイミングは、ロールレベラ内で搬送される鋼板が最初に接するロールを噛抜部が通過するタイミングとすることが好ましい。すなわち、このタイミングは、矯正荷重の低下が始まるNo.1ロール(図4中の符号No.1再参照)を噛抜部が通過するタイミングとする。
ここで、縦撓み補正量については、下記式(1)で算出される縦撓み補正量Xとすることが好ましい。
X=F/x ・・・式(1)
ただし、式(1)中、
X:縦撓み補正量(mm)、
F:矯正和荷重(ton)、
x:縦撓み剛性(ton/mm)である。
上記の矯正和荷重Fは、4軸の油圧シリンダ7の圧力を測定し、荷重換算することで求めることが出来る。また、縦撓み剛性xは、設備毎に特有の値であり、FEM解析や鋼板を挟み込んだ際のミル伸び量から算出する。
<噛抜部矯正工程>
一方で、噛抜部矯正工程では、上記縦撓み補正量Xから、横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量Yを引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する。
ここで、噛抜部ロールギャップ変動量については、本発明者らは下記式(2)で算出されるYと上記のXとを用い、X−Yとすることが好ましいことを見出した。
Y=(F−F)・Gy/y ・・・式(2)
ただし、前記式(2)中、
Y:横撓み補正緩和量(mm)、
:定常部の矯正和荷重(ロックオン)(ton)、
F:矯正和荷重(ton)、
y:横撓み剛性(ton/mm)、
Gy:横撓みゲイン値(%)である。
このようにして、噛抜部矯正工程において、定常部からの矯正荷重減少量に応じて、横撓み補正をダイナミックに緩和できる。
上記のロックオンとは、定常部の荷重を固定し、この荷重に基づいて、噛抜部で補正するということを指す。
上記のF:定常部の矯正和荷重(ロックオン)は、鋼板の噛込部がレベラを抜けてから、鋼板の噛抜部側がレベラに進入するまでの間の所定の時間の平均荷重とする。噛込部、噛抜部は、材有センサー(光電管やレーザ距離計等によりレベラ内に材料があることを検知するシステム)、またはPLGカウントによるトラッキングにより検出する。矯正和荷重Fは、ロードセルや圧力計等により検出する。横撓み剛性yは、設備毎に特有の値であり、FEM解析や鋼板を挟み込んだ際のミル伸び量から算出する。
ここで、横撓み剛性値は幅中央部の値とする。横撓みは定常部から矯正荷重が減少すると、幅方向の圧下分布が変わり、幅中央部強圧下となる。そのため、横撓み剛性値により得られた補正量をそのままの値で適用すると、幅端部の圧下量不足を招き矯正能力不足になり得るため、横撓み補正緩和式には横撓みゲイン値を設ける。横撓みゲイン値Gyは、予め設定した特定量としてもよいし、鋼板Sの幅形状に基づいて設定される特定のパラメータとしてもよい。
上記の定常部ロールギャップ変動量および噛抜部ロールギャップ変動量について、図6を参照しながらより詳細に説明する。図6は、本発明のロールレベラ1による油圧圧下の制御方法を説明するための荷重と油圧圧下のグラフである。
図6に示すように、従来の油圧圧下では縦撓み補正のみを対象としている。そのため、噛抜部矯正において、荷重がゼロになると油圧圧下もゼロになる(図中、符号X参照)。従来の方法では、油圧圧下を有するロールレベラは、矯正荷重に応じて縦撓み補正によりロールギャップを一定に保つように補正する。
これに対して、本発明では、矯正荷重の低下が発生する噛抜部矯正において、縦撓み補正量Xから横撓み補正緩和量Yを引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量とすることで、噛抜部矯正時の荷重の低下に遅れなく追随して精度良く油圧圧下を緩めることが可能となる(図中、符号X−Y参照)。特に、Yとしては、上記の式(2)で算出される横撓み補正緩和量を用いることが好ましいことが本発明者らの鋭意検討により見出され、これにより、鋼板の噛抜部での撓み補正の精度をより向上させることができる。
上記Yについては、まず、本発明者らが、鋼板の噛抜部に反りが発生していたことから、鋼板の噛抜部の圧下が定常部より大きいと考えられることに着目した。そして、矯正中に噛抜部の圧下を緩和する方法は、従来は縦撓み補正の制御のみであったが、横撓み補正も緩和する必要があると考え、縦撓み補正制御で横撓みを緩和させる方法を考え、式(2)を導き出した。
また、油圧シリンダ7は、フレーム6の上方の四隅に設けられていることが好ましい。夫々の油圧シリンダ7については、現状4軸の油圧シリンダの圧力計で得られた和荷重に基づいて補正を行い、レベラが鋼板長手方向に長い場合は、撓み量が入側と出側で大きく異なる場合を考慮し、入側2軸と出側2軸を別々に制御できるように構成されていることが好ましい。
以上のような制御により、本発明では、油圧圧下によるロールギャップ変動量を調整して、鋼板のレベリング矯正を行う。そのため、本発明によれば、鋼板の噛抜部での撓み補正の精度を簡便に向上することができる。これにより、噛抜端の過剰な圧下を防止することで、噛抜端の形状不良や、噛抜端矯正中の矯正反力増加による設備破損を防止することができる。
S 鋼板
1 ロールレベラ
2U 上レベリングロール
2D 下レベリングロール
3U 上バックアップロール
3D 下バックアップロール
4U 上フレーム
4D 下フレーム
5 ウェッジ
6 油圧シリンダ
7 ハウジング
8 制御部

Claims (4)

  1. 鋼板の搬送方向に沿って上下交互に千鳥状に配置された複数のロールに鋼板を噛み込ませ、ウェッジ制御によりロールおよび/またはロールフレーム由来の横撓みの補正が可能であると共に、油圧圧下制御をしてロールギャップ調整をすることによりハウジング由来の縦撓みの補正が可能であるロールレベラによる鋼板のレベリング矯正を行う方法であって、
    鋼板の噛込部、定常部および噛抜部のうち、前記定常部について、縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する定常部矯正工程と、
    前記噛抜部について、前記縦撓み補正量から、横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正する噛抜部矯正工程と、
    を含むロールレベラによる鋼板の矯正方法。
  2. 前記定常部ロールギャップ変動量を下記式(1)で算出される縦撓み補正量Xとし、
    前記Xおよび下記式(2)で算出されるYに基づいて前記噛抜部ロールギャップ変動量をX−Yとする請求項1に記載のロールレベラによる鋼板の矯正方法。
    X=F/x ・・・式(1)
    ただし、前記式(1)中、
    X:縦撓み補正量(mm)、
    F:矯正和荷重(ton)、
    x:縦撓み剛性(ton/mm)である。
    Y=(F−F)・Gy/y ・・・式(2)
    ただし、前記式(2)中、
    Y:横撓み補正緩和量(mm)、
    :定常部の矯正和荷重(ton)、
    F:矯正和荷重(ton)、
    y:横撓み剛性(ton/mm)、
    Gy:横撓みゲイン値(%)である。
  3. 前記定常部矯正工程から前記噛抜部矯正工程への移行タイミングを、ロールレベラ内で搬送される鋼板が最初に接するロールを噛抜部が通過するタイミングとする請求項1または2に記載のロールレベラによる鋼板の矯正方法。
  4. 鋼板の搬送方向に沿って上下交互に千鳥状に配置された複数のロールに鋼板を噛み込ませ、ウェッジ制御によりロールおよび/またはロールフレーム由来の横撓みの補正が可能であると共に、油圧圧下制御をしてロールギャップ調整をすることによりハウジング由来の縦撓みの補正が可能である鋼板のレベリング矯正用のロールレベラであって、
    ハウジングと、
    鋼板の長さ方向に沿って上下方向に千鳥状に配置された複数のロールと、
    前記複数のロールを上下方向から支持する一対のロールフレームと、
    前記ロールの幅方向の横撓み量を調整可能なウェッジと、
    油圧圧下によりロールギャップを調整可能な油圧シリンダと、
    縦撓みおよび横撓みを検出する検出部と、
    縦撓み剛性および横撓み剛性を算出し、鋼板の噛込部、定常部および噛抜部のうち、前記定常部について、前記縦撓み剛性および矯正和荷重に基づく縦撓み補正量を定常部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正し、前記噛抜部について、前記縦撓み補正量から、前記横撓み剛性および矯正和荷重に基づく横撓み補正緩和量を引いた値を噛抜部ロールギャップ変動量として鋼板を矯正させる制御部と、
    を備えることを特徴とするロールレベラ。
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