JP2018158365A - 熱間圧延方法及び熱間圧延装置 - Google Patents

熱間圧延方法及び熱間圧延装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粗圧延機での通板不良を最小限に抑えることによりタンデム圧延全体、特に仕上げ圧延機での通板トラブルを確実に防止することのできる熱間圧延方法及び熱間圧延装置を提供すること。【解決手段】スラブを、粗圧延機と仕上げ圧延機とに順に通板して圧延を行う熱間圧延方法において、圧延予定材の通板前に予め前記粗圧延機のワークロール両端の開度差を調節するレベリング制御を行い、前記レベリング制御は、過去に鋼板を直線状に通板した理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較して、前記圧延予定材を通板する際におけるワークロール両端の適正開度差を求めることにより行われ、前記適正開度差は圧延予定材の通板時の予測圧延荷重、前記理想状態における実績圧延荷重、圧延予定材の通板時の平行剛性、前記理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いて求められる熱間圧延方法。【選択図】図2

Description

本発明は、粗圧延機における通板不良を防止することにより、熱間圧延ライン全体での通板不良を効果的に防止することのできる熱間圧延方法及び熱間圧延装置に関する。
熱間圧延ラインにおいては、複数のミル(圧延機)を直列に配置し、スラブを連続的にミルに通板し、圧延を行うタンデム圧延が行われる。タンデム圧延では、後段側に配置されて鋼板の最終的な形状の作りこみを行う仕上げミル(仕上げ圧延機)と、前段側に配置されて鋼板の大まかな形状の作りこみを行う粗ミル(粗圧延機)と、が用いられる。
タンデム圧延の途中では、鋼板のウェッジ(幅方向の板厚の非対称性)、キャンバー(横曲がり)、及び蛇行(鋼板の横ずれ及び/又は回転)等の通板不良が生じることがある。これらの通板不良は、特に仕上げミルにおいて問題となることが知られている。通板不良が顕著である場合には、仕上げミル近傍のガイド部材等と鋼板とが接触し、通板を停止せざるを得ないこともある。
従来、仕上げミルにおける通板不良を防止するための技術として、以下の特許文献1〜3が知られている。特許文献1には、熱間タンデム圧延機(仕上げ圧延機)に関し、鋼板が(i−1)スタンドを通過してからiスタンドを通過するまでの間に、iスタンドの圧延機において荷重差を打ち消すように圧延機の圧下レベリング制御を行う方法が開示されている。特許文献2には、被圧延材の圧延中に、任意の圧延機の出側における蛇行量を検出し、該蛇行量に基づいて圧延機のレベリング制御を行う方法が開示されている。特許文献3には、圧延機の入側に設けた蛇行計により鋼板の蛇行量を検出し、該蛇行量に基づいてフィードフォワードの蛇行制御を行う圧延方法が開示されている。
特開平09−262615号公報 特開平10−265335号公報 特開2004−306125号公報
特許文献1のように、タンデム型の仕上げ圧延機にて発生した差荷重を打ち消すようにレベリング制御を行う場合は、前段の粗圧延機で既に発生したウェッジ等の通板不良に対して事後的に処置を行うこととなる。よって、仕上げ圧延機での圧延時における通板不良を完全に解消することはできない。また、仕上げ圧延機で発生した差荷重と実際の板の挙動とが異なった場合に、特許文献1のように自動でレベリング制御を行うと、通板トラブルを引き起こすこともある。
特許文献2及び3のように、スタンド間の蛇行量の測定値に基づいて仕上げ圧延機のレベリング制御を行う場合、前段の粗圧延機で既に形状不良が発生した状態でレベリング制御を行うことになる。よって、レベリング制御を行うことにより形状不良がより増幅され、ガイド外れ等の通板トラブルへ発展する可能性がある。
上記の特許文献1〜3で開示されているように、仕上げ圧延機においてレベリング制御を行うことによっては、粗圧延機で既に生じた形状不良を解消することはできず、通板トラブルの問題を完全に解決することは難しいという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて想到されたものであり、粗圧延機での通板不良を最小限に抑えることにより熱間圧延全体、特に仕上げ圧延機での通板トラブルを確実に防止することのできる熱間圧延方法及び熱間圧延装置を提供することを課題とする。
本発明の手段は、次の通りである。
[1]スラブを、粗圧延機と仕上げ圧延機とに順に通板して圧延を行う熱間圧延方法において、圧延予定材の通板前に、予め前記粗圧延機のワークロール両端の開度差を調節するレベリング制御を行い、前記レベリング制御は、過去に鋼板を直線状に通板した理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較して、前記圧延予定材を通板する際におけるワークロール両端の適正開度差を求めることにより行われ、前記適正開度差は、圧延予定材の通板時の予測圧延荷重、前記理想状態における実績圧延荷重、圧延予定材の通板時の平行剛性、前記理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いて求められる熱間圧延方法。
[2]前記平行剛性は、粗圧延機のミル定数に基づき求められ、前記ミル定数は、同一鋼種の校正用スラブ2枚の外観形状を予め測定し、次いで該校正用スラブを1枚ずつ前記粗圧延機に通板し、2枚の校正用スラブの圧延前後の外観形状の変化量、及び通板時に測定された圧延荷重に基づいて求められる[1]に記載の熱間圧延方法。
[3]粗圧延機の入側でスラブの幅方向の両端側に、荷重を加えられた際にスラブの幅方向の外側方向へ変位可能な可動ガイド部材を設け、スラブが前記可動ガイド部材を押圧することにより、前記可動ガイド部材が所定の閾値以上に変位した場合に、通板不良が発生したと判定して前記レベリング制御を再度実施する[1]又は[2]に記載の熱間圧延方法。
[4]前記閾値は、50mmである[3]に記載の熱間圧延方法。
[5]粗圧延機と、仕上げ圧延機と、前記仕上げ圧延機のワークロール両端の開度差を調節するレベリング制御を行う演算装置と、を有する熱間圧延装置であって、前記演算装置は、圧延予定材の通板前に、過去に鋼板を直線状に通板した理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較して、圧延予定材の通板時の予測圧延荷重、前記理想状態における実績圧延荷重、圧延予定材の通板時の平行剛性、前記理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いて、前記圧延予定材を通板する際におけるワークロール両端の適正開度差を求める熱間圧延装置。
[6]前記演算装置は、粗圧延機のミル定数に基づき前記平行剛性を求めるとともに、同一鋼種の校正用スラブ2枚の外観形状を予め測定し、次いで該校正用スラブを1本ずつ前記粗圧延機に通板し、2枚の校正用スラブの圧延前後の外観形状の変化量、及び通板時に測定された圧延荷重に基づいて前記ミル定数を求める[5]に記載の熱間圧延装置。
[7]粗圧延機の入側でスラブの幅方向の両端側に、荷重を加えられた際にスラブの幅方向の外側に向かって変位する可動ガイド部材を備え、スラブが前記可動ガイド部材を押圧することにより、前記可動ガイド部材が所定の閾値以上に変位した場合に通板不良が発生したと判定して、前記演算装置が前記レベリング制御を再度実施する[5]又は[6]に記載の熱間圧延装置。
[8]前記閾値は、50mmである[7]に記載の熱間圧延装置。
本発明では、通板前に粗圧延機の適正レベリング量を算出することにより、粗圧延段階での通板不良を最小限に抑え、これにより熱間圧延ライン全体での通板トラブルを確実に防止することができる。
図1は、本発明が適用される熱間圧延ラインの概略図である。 図2は、2枚の校正用スラブを通板してミル定数を求める際のモデル図を示す。 図3は、可動ガイド部材が変位する態様を示す模式図である。 図4は、通板不良の発生を判定する際に行われる演算処理のフロー図である。 図5は、種々のスラブを粗圧延機に通板した際の、スラブの長手方向長さと可動ガイド部材の変位量との関係を示すグラフである。
まず、図1を用いて本発明を適用可能な熱間圧延ラインについて説明する。
熱間圧延ラインでは、ラインの入側から出側にかけて複数基の圧延機が設けられる。仕上げ圧延機1はラインの後段側に配置され、粗圧延機2はラインの前段側に配置される。スラブ3が粗圧延機2及び仕上げ圧延機1に順に通板されることで、鋼板の圧延が行われる。仕上げ圧延機1は鋼板の形状を精緻に作りこみ、最終板厚になるまで鋼板を圧延する機能を有し、粗圧延機2は鋼板の形状を大まかに作りこむ機能を有する。尚、粗圧延機2及び仕上げ圧延機1は、それぞれ複数基ずつ配列されていてもよい。
圧延の過程では、様々な通板不良が生じうる。具体的には、鋼板(又はスラブ)のウェッジ、キャンバー、及び蛇行等が挙げられる。鋼板のウェッジは、鋼板の板幅方向において板厚が不均一となる変形をいう。鋼板のキャンバーは、鋼板が板幅方向に曲がる変形をいう。鋼板の蛇行は、鋼板の回転や平行ずれ等により、鋼板のセンター位置が通板ラインのセンター位置からずれること(オフセンター)をいう。
本発明では、スラブの圧延を開始する前(圧延予定材の通板前)に、予め粗圧延機におけるレベリング制御を行うことによって、熱間圧延ライン全体における通板トラブルの発生を有効に防ぐことができる。具体的には、粗圧延機のワークロールの長手方向一端側(op側)と他端側(dr側)との開度差(ギャップ量)を調節する。レベリング制御を行う際には、まず粗圧延機に特有のミル定数(ミル剛性ともいう。)を求めることが望ましい。
ミル剛性は、実際に圧延するスラブを通板する前に予め、同一鋼種の校正用スラブを2枚、粗圧延機に通板することにより測定することが好ましい。校正用スラブを通板する前には、予め校正用スラブの外観形状のパラメータ、例えば、板厚及び板幅等を測定する。次に校正用スラブを粗圧延機によって圧延し、圧延時の圧延荷重を測定する。最後に、圧延後の校正用スラブの外観形状のパラメータを同様に測定する。このように本発明では、圧延前後の外観形状を示すパラメータの変化量、及び通板時に測定された圧延荷重に基づいて、圧延機に特有のミル剛性を算出することができる。尚、ミル剛性とは、圧延機において実機測定されたロールバネ定数及びハウジングミル定数等を考慮した剛性をいう。
具体的には、図2の模式図を用いて説明する。図2の上段で示すように1枚目の校正用スラブを通板する前に、校正用スラブの(入側)板厚H IN、校正用スラブの板幅Wを測定する。また通板時には、粗圧延機における圧延荷重(P)を測定する。通板が終わった後には、スラブの(出側)板厚H1 OUTを測定する。図2の下段で示すように、2枚目の校正用スラブを通板する際にも同様に、H IN、W、圧延荷重(P)、及びH OUTを測定する。
本発明では、2枚目の校正用スラブの通板時における圧延荷重と1枚目の校正用スラブの通板時における圧延荷重との差分、及び2枚目の校正用スラブの出側板厚と1枚目の校正用スラブの出側板厚との差分に基づいてミル剛性を算出することが好ましい。このように、それぞれの差分を用いることで、圧延機に内在する機械的誤差をキャンセルし、正確にミル剛性を算出することができる。
具体的に、ミル剛性は、以下の式(1)を用いて算出することができる。

但し、各記号の意味は以下の通りである。
Kh:ミル剛性(ミル定数)[tonf/mm]
OUT:1枚目の校正用スラブの圧延後の板厚[mm]
OUT:2枚目の校正用スラブの圧延後の板厚[mm]
:1枚目の校正用スラブの圧延前の板幅[mm]
:2枚目の校正用スラブの圧延前の板幅[mm]
:1枚目の校正用スラブの圧延時の圧延荷重[tonf]
:2枚目の校正用スラブの圧延時の圧延荷重[tonf]
Roll−Strip:ハウジングミル定数[tonf/mm2]
δ:ロール間ギャップ設定差[mm]
上記の方法により、ミル剛性の測定が終わった後に、該ミル剛性を用いて粗ミルのレベリング制御を行い、次いで実際に圧延すべきスラブ(圧延予定材)を通板する。以下において、仕上げミルのレベリング制御について詳しく説明する。
まず、ミル剛性を用いて、圧延機の平行剛性を算出することができる。平行剛性を算出する方法は、特に制限されず従来公知の方法を用いることができる。例えば2Hi型の圧延機であれば以下の式(2)を用いて、4Hi型の圧延機であれば以下の式(3)を用いて、平行剛性の算出が可能である。


但し、各記号の意味は以下の通りである。
Kl:粗圧延機の平行剛性[tonf/mm]
Kh:粗圧延機のミル剛性(ミル定数)[tonf/mm]
i:板幅[mm]
CHOCK:チョック間距離[mm]
RollB:バックアップロールバレル幅[mm]
Roll−Strip:ロール扁平単位幅バネ定数[tonf/mm2]
RollB−RollW:ロール間単位幅バネ定数[tonf/mm2]
粗圧延機のレベリング制御では、これから圧延を予定している鋼板(圧延予定材)を通板するより前に、粗圧延機出側でキャンバー等の通板不良が生じないように、ワークロール両端の開度差(ギャップ量)を調節する。具体的には、過去の操業時において、キャンバーが生じることなくスラブが直線状に通板された理想状態の圧延条件を記録しておく。より具体的には、理想状態におけるギャップ量、圧延荷重、及び平行剛性等を記録することが望ましい。レベリング制御を行う際には、理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較することで、圧延予定材を直線状に通板することのできるワークロール両端の適正開度差を求める。尚、予定圧延時と理想状態とのスラブの鋼種は同一とすることが望ましい。
具体的には、圧延予定材の通板時(予定圧延時)の予測圧延荷重、理想状態における実績圧延荷重、予定圧延時の平行剛性、理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いることで、適正開度差を算出することができる。より具体的には、以下の式4により、理想状態のワークロール両端の実績開度差に基づき、圧延予定材を圧延する際のワークロール両端の適正開度差を求めることができる。圧延予定材を通板する前に、予め適正開度差となるように、粗圧延機のワークロールのギャップ量を調節する。

但し、各記号の意味は以下の通りである。
ΔS:適正開度差[mm]
Kl:予定圧延時の平行剛性[tonf/mm]
Kl :理想状態の平行剛性[tonf/mm]
OP:OP側のミル定数[tonf/mm]
DR:DR側のミル定数[tonf/mm]
CHOCK:チョック間距離[mm]
:予定圧延時のオフセンター量[mm]
:予定圧延時の予測圧延荷重[tonf]
:理想状態の実績圧延荷重[tonf]
ΔS :理想状態の実績開度差[mm]
尚、オフセンター量は、圧延機のワークロールの軸線方向中心部と、通板時の鋼板の幅方向中心部との、ワークロールの軸線方向(鋼板の幅方向)におけるずれ量をいう。
上記の方法によりレベリング制御を行った後に、圧延予定材であるスラブを通板し、熱間圧延を行う。熱間圧延の間にも、鋼板にはキャンバー、蛇行等の通板不良が生じうる。このような通板不良が生じた場合には、鋼板が圧延機の出側の幅方向両端に設けられたガイド部材に接触し、通板を一時停止せざるをえない場合があるほか、設備破損を招くこともある。よって、圧延機における通板不良を早期に検知し、解消することが求められている。以下においては、熱間圧延を開始した後の圧延機における通板不良の検知方法について説明する。
スラブの通板不良の具体例について、上面図である図3を用いて説明する。図中の符号31が粗圧延機を示し、図中を右側(入側)から左側(出側)に向かってスラブ32が通板される。粗圧延機31においてスラブ32が噛み込まれる際に、スラブ32には種々の通板不良が生じうる。図3の例では、(1)から(2)に到る際に、粗圧延機31における上下のロール間のスキュー等が原因となり、スラブ32が蛇行する。スラブ32の蛇行が顕著であると図3の(3)に示すように、粗圧延機31の出側へと送られたスラブ32の先端部が、粗圧延機31の出側の幅方向両端部に設けられたガイド部材33と接触し、設備破損等のトラブルが生じうる。尚、スラブ32のキャンバーが生じる場合にも、図3の(3)と同様に、スラブ32の先端部がガイド部材33に接触する問題が生じうる。
本発明では、粗圧延機31の入側に、可動ガイド部材34を取り付ける。可動ガイド部材34は、スラブ32の幅方向の両端側に設けられる。可動ガイド部材34に幅方向の内側から荷重が加えられると、両端の可動ガイド部材34は、共に幅方向の外側に向かって広がるように変位する。例えば、図3の(3)のようにスラブ32が蛇行やキャンバー等を起こした場合には、スラブ32の尾端部が可動ガイド部材34を内側から押圧する。これにより、両側の可動ガイド部材34がそれぞれ幅方向の外側へ向かって変位する。尚、この際に、一方の可動ガイド部材34の変位量と他方の可動ガイド部材34の変位量とは、略同一となるようにすればよい。
スラブ32の蛇行が顕著であると、スラブ32の尾端部が可動ガイド部材34を押圧する荷重も大きくなり、可動ガイド部材34の変位量Xも大きくなる。本発明では、可動ガイド部材34が所定の閾値以上に変位した場合(変位量Xが閾値以上となった場合)に、スラブの通板不良が発生したと判定し、通板不良を解消する措置をとる。
具体的には、図4のフロー図を用いて説明する。粗圧延機にて圧延を開始し、スラブが粗圧延機の入側の可動ガイド部材に接触した後、可動ガイド部材の変位量が閾値以上か否かを判定する。可動ガイド部材の変位量が閾値以上の場合には、圧延不良が発生したと判定し、圧延不良を解消するための各種措置を行う。例えば、運転台へ警報(アナウンス)を発して、警報を受けたオペレータがミルの圧下開放を行い、レベリング量等を再度セットアップすることが行われる。
上記変位量の閾値は、それ以上可動ガイド部材が変位すると鋼板の先端部が圧延機出側のガイド部材と接触する可能性の高い値とすることができる。閾値の値は、通板するスラブの大きさ、鋼種、ミルの圧下率、両端のガイド部材の間隔及び可動ガイド部材の間隔等に応じて適宜決定することができる。尚、可動ガイド部材の変位量としては両側の可動ガイド部材の変位量の合計値(2X)を採用することもできるし、いずれか一方側のみの可動ガイド部材の変位量(X)を採用することもできる。以下では、一方側の可動ガイド部材のみの変位量Xを、可動ガイド部材の変位量として説明を行う。
上述した変位量の閾値の一例として、50mmを挙げることができる。即ち、一方の可動ガイド部材が50mm以上広がった際に、通板不良が生じる蓋然性が高いとして、警報等を発することが好ましい。具体的な実験例として、様々な長手方向長さを有するスラブを熱間圧延した際の、粗圧延機入側の可動ガイド部材の変位量を測定した結果を図5に示す。図中の(A)群では、可動ガイド部材の変位量がいずれも50mm以上であり、圧延機の出側においてスラブとガイド部材との接触が発生した。一方で、図中の(B)群は、いずれも可動ガイド部材の変位量が小さく、ミルの出側においてスラブとガイド部材との接触が発生しなかった。当該結果より、変位量の閾値を50mmとすることで、通板異常を確実に補足できることが確認された。尚、圧延材の圧延条件等により、前記した閾値を50mm超とすることで、適正に通板不良を検知しうることもある。
尚、図示していないものの、可動ガイド部材の変位量を測定する測定器、及び該測定器における測定データを処理する演算装置等を適宜設けてもよい。例えば、図1に示すように、粗圧延機2の入側に設けられた可動ガイド部材4の変位量に関する信号が演算装置5へと入力され、変位量に応じて粗圧延機2や仕上げ圧延機1へと圧延条件を制御する制御信号を演算装置5から出力する構成とすることもできる。
最後に、本発明の作用について説明する。
熱間圧延ラインの定期修理の直後、及び粗圧延機のロール交換直後等、一旦熱間圧延ラインを停止させた状態から再度運転を開始する際には、通板状態を確認し、問題がなければ粗圧延機のレベリング制御を行う。レベリング制御を行った後に、実際にスラブ(圧延予定材)を通板して圧延を開始する。
レベリング制御を行う際には、まず、同一鋼種の校正用スラブを2枚粗圧延機に通板する。通板時の校正用スラブの外形、及び圧延荷重等を用いてミル剛性を算出する。
上記で求めたミル剛性を用いて、理想状態の実績開度差と比較することにより適正開度差を算出し、ワークロールのOP側とDR側とのギャップ量が該適正開度差となるように、粗圧延機の運転条件を調節する。その後、実際にスラブの圧延を開始する。
スラブの圧延を行っている間に、スラブにキャンバーや蛇行等の通板不良が生じることがある。これらの通板不良が問題となる程度に顕著であるか否かは、粗圧延機の入側に設けられた可動ガイド部材の変位量により評価される。この変位量が予め定めた閾値以上となった場合、設備破損等のトラブルが起こる蓋然性が高いと判断し、圧延を一時停止する。そして、上述と同様の方法により、粗圧延機のレベリング制御を再度実施した後に、圧延を再開する。
上記のように、本発明では圧延の開始前に最適なレベリング制御を行ったうえで熱間圧延を行うので、粗圧延機における通板不良が生じることが防止され、通板不良が下流の仕上げ圧延機で増幅されて通板トラブルを引き起こすことを防止することができる。さらに、可動ガイド部材を用いることで、仮に粗圧延機で通板不良が生じた場合であっても、早期に不良を検知してその解消を行うことで、通板トラブルの発生を未然に防止することができる。
1 仕上げ圧延機
2、31 粗圧延機
3、32 スラブ
5 演算装置
33 ガイド部材
4、34 可動ガイド部材

Claims (8)

  1. スラブを、粗圧延機と仕上げ圧延機とに順に通板して圧延を行う熱間圧延方法において、
    圧延予定材の通板前に、予め前記粗圧延機のワークロール両端の開度差を調節するレベリング制御を行い、
    前記レベリング制御は、過去に鋼板を直線状に通板した理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較して、前記圧延予定材を通板する際におけるワークロール両端の適正開度差を求めることにより行われ、
    前記適正開度差は、圧延予定材の通板時の予測圧延荷重、前記理想状態における実績圧延荷重、圧延予定材の通板時の平行剛性、前記理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いて求められる熱間圧延方法。
  2. 前記平行剛性は、粗圧延機のミル定数に基づき求められ、
    前記ミル定数は、同一鋼種の校正用スラブ2枚の外観形状を予め測定し、次いで該校正用スラブを1枚ずつ前記粗圧延機に通板し、2枚の校正用スラブの圧延前後の外観形状の変化量、及び通板時に測定された圧延荷重に基づいて求められる請求項1に記載の熱間圧延方法。
  3. 粗圧延機の入側でスラブの幅方向の両端側に、荷重を加えられた際にスラブの幅方向の外側方向へ変位可能な可動ガイド部材を設け、
    スラブが前記可動ガイド部材を押圧することにより、前記可動ガイド部材が所定の閾値以上に変位した場合に、通板不良が発生したと判定して前記レベリング制御を再度実施する請求項1又は2に記載の熱間圧延方法。
  4. 前記閾値は、50mmである請求項3に記載の熱間圧延方法。
  5. 粗圧延機と、仕上げ圧延機と、前記仕上げ圧延機のワークロール両端の開度差を調節するレベリング制御を行う演算装置と、を有する熱間圧延装置であって、
    前記演算装置は、圧延予定材の通板前に、過去に鋼板を直線状に通板した理想状態におけるワークロール両端の実績開度差と比較して、圧延予定材の通板時の予測圧延荷重、前記理想状態における実績圧延荷重、圧延予定材の通板時の平行剛性、前記理想状態における平行剛性、及び圧延予定材のオフセンター量を用いて、前記圧延予定材を通板する際におけるワークロール両端の適正開度差を求める熱間圧延装置。
  6. 前記演算装置は、粗圧延機のミル定数に基づき前記平行剛性を求めるとともに、同一鋼種の校正用スラブ2枚の外観形状を予め測定し、次いで該校正用スラブを1本ずつ前記粗圧延機に通板し、2枚の校正用スラブの圧延前後の外観形状の変化量、及び通板時に測定された圧延荷重に基づいて前記ミル定数を求める請求項5に記載の熱間圧延装置。
  7. 粗圧延機の入側でスラブの幅方向の両端側に、荷重を加えられた際にスラブの幅方向の外側に向かって変位する可動ガイド部材を備え、
    スラブが前記可動ガイド部材を押圧することにより、前記可動ガイド部材が所定の閾値以上に変位した場合に通板不良が発生したと判定して、前記演算装置が前記レベリング制御を再度実施する請求項5又は6に記載の熱間圧延装置。
  8. 前記閾値は、50mmである請求項7に記載の熱間圧延装置。
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