JP6447119B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、グランドとして機能する金属板と、当該金属板に対向するように配置された他の金属板を備えるアンテナ装置に関する。
特許文献1に開示されているように、グランドとして機能する金属板(地板とする)と、その地板に対向するように配置されるとともに任意の位置に給電点が設けられた他の金属板(対向導体板とする)と、地板と対向導体板とを電気的に接続する短絡部(30)と、を備えるアンテナ装置がある。
この種のアンテナ装置では、地板と対向導体板との間に形成される静電容量と、短絡部が備えるインダクタンスとによって、その静電容量とインダクタンスに応じた周波数において並列共振を生じさせる。そして、並列共振に伴って対向導体板と地板との間に生じる電界によって、所望の周波数の電波を放射したり受信したりする。
なお、地板と対向導体板との間に形成される静電容量は、対向導体板の面積に応じて定まるため、対向導体板の面積を調整することで、当該アンテナ装置において送受信の対象とする周波数(動作周波数とする)を、所望の周波数に設定することができる。
また、特許文献1では、地板と対向導体板を、絶縁体からなる層を複数備えるプリント基板の内層部に配置した構成が開示されている。より具体的には、特許文献1のアンテナ装置は、地板と対向導体板とが絶縁体からなる板状部材(絶縁板とする)を挟んで積層された構成となっている。
特開2014−107746号公報
特許文献1に開示されるアンテナ装置では、地板と対向導体板とが絶縁板を挟むように構成されている。このため、対向導体板と地板との間に生じる電界のエネルギーが絶縁板で熱エネルギーとなって失われてしまい(いわゆる誘電損失)、アンテナの利得を低下させてしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、誘電損失による利得低下を抑制可能なアンテナ装置を提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、地板(10)と、地板と所定の間隔をおいて平行に設置された平板状の導体部材である対向導体板(20)と、対向導体板と地板との間に設けられ、対向導体板に対して対向導体板が間隔をおいて対向するように対向導体板を支持する、誘電体からなる支持部(50)と、対向導体板の中央部に設けられ、対向導体板と地板とを電気的に接続する短絡部(30)と、対向導体板に給電する給電部(40)と、を備え、対向導体板の面積は、所定の周波数において短絡部が備えるインダクタンスと並列共振を生じさせる静電容量を形成する面積となっており、対向導体板と地板との間の一部は、中空である中空部、又は支持部よりも誘電率が小さい誘電体が充填された低誘電体部となっており、支持部は、平板状の部材であって、厚さ方向に垂直な断面における誘電体部分の形状が格子状又はハニカム構造となるように形成されており、その平面部の面積は対向導体板の面積よりも大きいことを特徴とする。
以上の構成では、対向導体板と地板との間に中空部が形成される。したがって、特許文献1のように、対向導体板と地板との間に誘電体が充填されている構成に比べて、並列共振に伴って対向導体板と地板との間に生じる電界が、誘電体による影響を受けにくい。すなわち、以上の構成によれば、誘電体損失による利得低下を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1の実施形態におけるアンテナ装置100の上面図である。 図1に示す2−2線におけるアンテナ装置100の断面の拡大図である。 比較構成のアンテナ装置100Xの概略的な構成を示す図である。 本実施形態のアンテナ装置100と比較構成のアンテナ装置100Xの指向性を示すレーダーチャートである。 第2の実施形態におけるアンテナ装置100Aの概略的な構成の一例を説明するための図である。 変形例1におけるアンテナ装置100Bの概略的な構成の一例を説明するための図である。 支持部50Bの形状と水平面における指向性の関係を示す図である。 変形例3における支持部50Cの概略的な構成の一例を示す、厚さ方向に垂直な断面の模式図である。 変形例4における支持部50Cの概略的な構成の一例を示す、厚さ方向に垂直な断面の模式図である。 変形例5におけるアンテナ装置100Eを含むプリント基板200の概略的な構成の一例を説明するための図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態(以降、実施形態1とも記載する)について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るアンテナ装置100の概略的な構成の一例を示す上面図である。また、図2は、図1に示す2−2線におけるアンテナ装置100の断面の拡大図である。アンテナ装置100は、図1〜2に示すように、地板10、対向導体板20、短絡部30、給電部40、及び支持部50を備える。
このアンテナ装置100は、例えば車両で用いられ、所定の周波数(例えば750MHz)の電波を送受信、又は、送信と受信の何れか一方に利用される。アンテナ装置100は、例えば同軸ケーブルを介して無線機(何れも図示略)と接続されており、アンテナ装置100が受信した信号は逐次無線機に出力される。
無線機は、アンテナ装置100が受信した信号を利用するとともに、当該アンテナ装置100に対して送信信号に応じた高周波電力を供給するものである。なお、本実施形態ではアンテナ装置100への給電線として同軸ケーブルを採用する場合を想定して説明するが、フィーダ線など、その他の周知の給電線を用いても良い。
なお、アンテナ装置100は、例えば車両の屋根部において、地板10が略水平であって、地板10から対向導体板20に向かう方向が天頂方向と略一致するように設置されることが好ましい。その場合、当該アンテナ装置100は後述するように、水平方向の全方位に対して同程度の指向性を形成する。以下、アンテナ装置100の具体的な構成について述べる。
地板10は、銅などの導体を素材とする正方形状の板(箔を含む)である。この地板10は、同軸ケーブルの外部導体と電気的に接続されて、アンテナ装置100におけるグランド電位(接地電位)を形成する。なお、地板10は、対向導体板20よりも大きければよく、その形状は正方形状に限らない。例えば、地板10は長方形状であってもよいし、その他の多角形状であってもよいし、円形(楕円を含む)状であってもよい。もちろん、直線部分と曲線部分とを組み合わせた形状であってもよい。
対向導体板20は、銅などの導体を素材とする正方形状の板(箔を含む)である。対向導体板20は、支持部50を介して地板10と所定の間隔h(図2参照)をおいて、互いの面が平行(略平行を含む)となるように対向配置されている。間隔hは適宜設計されればよく、例えば0.8mmや、1.0mmなどとすれば良い。なお、ここでは、対向導体板20の形状は、正方形状とするが、その他の構成として長方形状であってもよいし、長方形以外の形状(例えば円形や六角形等)であってもよい。また、部分的な切り欠きやスロットなどが設けられていてもよい。
対向導体板20と地板10とは互いに対向することで、その対向導体板20の面積に応じた静電容量を形成するコンデンサと見なすことができる。地板10と対向導体板20との間に形成される静電容量は、対向導体板20の面積に応じて定まる。
この対向導体板20の面積は、後述する短絡部30が備えるインダクタンスと、送受信の対象とする周波数(対象周波数とする)において並列共振する静電容量を形成する面積とする。対象周波数は、適宜設計されればよく、ここでは冒頭で例示した750MHzとする。
短絡部30は、この対向導体板20と地板10と電気的に接続する部分であって、対向導体板20の中央部に設けられる。ここでの中央部とは、対向導体板20の対角線の交点(すなわち中心)、及びその近傍を指す。短絡部30は、導電性のピン(ショートピンとする)で実現されれば良い。このショートピンの太さによって、短絡部30が備えるインダクタンスを調整することができる。
なお、ここでの対向導体板20の中心の近傍(つまり中央部)とは、対向導体板20の中心と短絡部30が設けられている位置とのずれに起因して生じる指向性の偏りが、所定の許容範囲に収まる領域を指す。
また、中央部が示す領域は、中心からの距離によって適宜定義されてもよく、例えば対向導体板20の中心から一定距離以内の領域としてもよい。ここでの一定距離とは、例えば対向導体板20の1辺の長さの5分の1程度の長さとすれば良い。
給電部40は、アンテナ装置100と同軸ケーブルとを電気的に接続する部分であって、図2に示すように、同軸ケーブルの内部導体と対向導体板20とが電気的に接続する給電点41と、同軸ケーブルの外部導体と地板10とを電気的に接続する接地点42を備える。給電点41は、例えば、後述する支持部50を貫通するように設けられた導電性のピン(給電ピンとする)の一端と対向導体板20との接続点である。当該給電ピンの他端は、同軸ケーブルの内部導体と電気的に接続されている。なお、給電ピンは、地板10とは電気的に接続しないように設けられていればよく、例えば地板10に、給電ピンとの非接触を保つための孔部を設け、この孔部を介して給電ピンの他端と内部導体が接続される構成とすれば良い。
対向導体板20上における給電点41の位置は、対象周波数において、同軸ケーブルとアンテナ装置100とのインピーダンスの整合が取れる位置とすればよい。本実施形態では、短絡部30の近傍、すなわち、対向導体板20の中央部に設ける態様とする。なお、インピーダンスの整合が取れている状態とは、完全な整合状態に限らず、インピーダンスの不整合による損失が所定の許容範囲内となっている状態を含む。また、給電点41は、特許文献1と同様に、対向導体板20の端部に設けられていても良い。
無線機は、給電部40からアンテナ装置100に電力エネルギーを供給することによって、アンテナ装置100に対象周波数の電波を放射させるとともに、対象周波数の電波に基づく信号を取得する。なお、給電部40は、周知の整合回路やフィルタ回路などを介して同軸ケーブルとアンテナ装置100とを接続する構成であっても良い。
支持部50は、樹脂などの電気絶縁材料(つまり誘電体)を素材とし、対向導体板20を、地板10に対して所定の間隔hをおいて互いの平面部分が対向するように保持するための部材である。本実施形態において支持部50は、少なくとも短絡部30と給電部40が露出しないように(つまり、内包するように)設ける。
より具体的には、支持部50は、短絡部30と中心とする半径Rの円柱状に形成されているものとする。半径Rは、短絡部30から給電点41までの距離よりも大きければよく、適宜設計されればよい。なお、半径Rが大きいほど、対向導体板20と地板10との間において誘電体が存在する量が大きくなるため、それに伴って、後述する誘電体損失の増大が懸念される。したがって、半径Rは、対向導体板20の保持強度が適宜設計される条件を満たす範囲において、できるだけ小さいことが好ましい。ここでは対向導体板20と地板10とに挟まれる空間のうち、支持部50が専有する体積が15%となるように半径Rを設定する。
以降では、対向導体板20と地板10とに挟まれる部分の体積のうち、中空部となる部分の割合を中空部比率と称する。本実施形態における中空部比率は85%であるが、この目標値は適宜設計されれば良い。
この支持部50は、例えば対向導体板20の中央部と地板10との間に、所定の電気絶縁材料を注入することで形成されればよい。或いは、地板10上に支持部50を形成した後に、当該支持部50を貫通するようにショートピンや給電ピンを設けることで、短絡部30及び給電部40を形成してもよい。つまり、アンテナ装置100の製造工程における順序はどちらでもよい。
そして、以上の構成によれば図2に示すように、対向導体板20と地板10に挟まれる領域のうち、短絡部30からの距離が半径R以上となる部分は、中空部Spとなる。ここでの遠心方向とは、短絡部30から対向導体板20の外縁部に向かう方向を指し、中空部Spとは、物体が存在せず、真空又は所定の気体が存在する部分を指す。
なお、ここでは支持部50の形状を円柱状とするが、これに限らない。他の態様として支持部50は、多角形(例えば四角形など)の柱上であっても良い。さらに、対向導体板20は、その中央部に設けられた支持部50を含む、複数の支持部50によって支持されてもよい。例えば、中央部に設けられた円柱状の支持部50の周囲に、相対的に小さい柱状の支持部を複数設けても良い。
ただし、支持部50は、地板10に平行な平面における断面形状が、短絡部30に対して対称性を有する形状となっているほうが好ましい。これは、支持部50の形状が短絡部30に対して非対称な形状だと、短絡部30から対向導体板20の外縁部に向かう電界に対して支持部50が与える影響(詳細は後述)もまた、短絡部30に対して非対称となってしまい、指向性に偏りを生じさせる恐れがあるためである。
(アンテナ装置100の動作について)
次に、当該アンテナ装置100の動作について説明する。アンテナ装置100が電波を送信(放射)する際の動作と、電波を受信する際の動作は、互いに可逆性を有する。したがって、ここでは一例として、電波を放射する際の動作について説明し、電波を受信する際の動作についての説明は省略する。
前述の通り、対向導体板20はその中央部に設けられた短絡部30によって地板10に短絡されており、かつ、対向導体板20の面積は、短絡部30が備えるインダクタンスと対象周波数において並列共振する静電容量を形成する面積となっている。
このため、インダクタンスと静電容量との間のエネルギー交換によって並列共振が生じ、地板10と対向導体板20との間には、地板10(及び対向導体板20)に対して垂直な電界が発生する。この垂直電界は、短絡部30から対向導体板20の外縁部に向かって伝搬していき、対向導体板20の外縁部において、垂直電界は垂直偏波電界になって空間を伝搬していく。つまり、アンテナ装置100は、対向導体板20の外縁部において、遠心方向に垂直偏波を放射する。
より具体的には、並列共振によって対向導体板20に生じる電流は、対向導体板20の縁部から短絡部30が設けられている中央部に向かう方向に流れる。つまり、電流は対向導体板20の中央部に集中し、電流定在波の振幅は、対向導体板20の中央部で最大、両端部で0となる。
また、短絡部30が対向導体板20の中央部に設けられていることから、電圧定在波は対向導体板20の両端部で振幅が最大、中央部付近で振幅が0となり、電圧の符号は、いずれの領域でも垂直方向において同じ符号(図では正の状態)となる。
対向導体板20と地板10との間に生じる垂直電界は、電圧の分布に比例するため、その進行方向は、短絡部30から見て何れの領域においても同一方向(例えば短絡部30から対向導体板20の縁部に向かう方向)となる。また、その強度は、中央部付近で0、対向導体板20の外縁部で最大となる。つまり、短絡部30から対向導体板20の外縁部に向かうに連れて電界強度は大きくなり、外縁部において垂直偏波となって放射される。
このためアンテナ装置100は対象周波数において、対向導体板20の中央部(つまり短絡部30)から外縁部に向かう全方向に、垂直偏波の指向性を有する。特に、地板10が水平となるように配置されている場合、アンテナ装置100は水平方向に対して指向性を有する。また、電界の伝搬方向は短絡部30を中心として対称であるため、水平面における全方位に対して同程度の利得を有する。
(本実施形態の効果について)
ここで、比較構成としてのアンテナ装置100Xを導入し、本実施形態の効果について述べる。図3は、比較構成としてのアンテナ装置100Xの概略的な構成を示す、図1に対応する図である。ただし、アンテナ装置100Xと本実施形態との違いを明示するため、図3においては対向導体板20を透過させた上面図としている。図中の破線は、対向導体板20の外縁部を示している。なお、本実施形態の構成の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、比較構成としてのアンテナ装置100Xは、短絡部30付近(すなわち対向導体板20の中央部)を中空部とする、誘電体からなる支持部50Xによって対向導体板20を支持する。より具体的に支持部50Xは、その内縁形状が短絡部30を中心とする円形状であって、その外縁形状を対向導体板20の外縁に平行な形状とする部材である。
ただし、支持部50Xの寸法は、アンテナ装置100Xにおける中空部比率が、実施形態におけるアンテナ装置100の中空部比率(85%)と略一致するように設計されているものとする。また、アンテナ装置100Xとアンテナ装置100との構造上の相違点は、支持部の形状のみにあるものとする。
以上で述べたアンテナ装置100Xとアンテナ装置100のそれぞれを、地板10が水平となるように配置した場合の、それぞれの水平方向に対する指向性のシミュレーション結果を図4に示す。図4に示す実線が本実施形態におけるアンテナ装置100の利得特性を表し、一点鎖線が比較構成におけるアンテナ装置100Xの利得特性を表している。
図4に示すように、アンテナ装置100とアンテナ装置100Xは、互いに相似する指向性を備える。つまり、アンテナ装置100もアンテナ装置100Xも、それぞれ水平面における指向性の偏りは生じさせず、水平面における指向性は略円形状となる。
しかしながら、比較構成に比べて本実施形態のアンテナ装置100の方が、いずれの方位においても、その利得は大きくなる。より具体的には、比較構成の平均利得が−7dBiとなったのに対し、本実施形態のアンテナ装置100の平均利得は、−0.2dBiとなった。
これは、本実施形態のほうが比較構成よりも、地板10と対向導体板20との間に生じる垂直電界が、対向導体板20と地板10との間に設けられた誘電体(つまり支持部)の影響を受けにくいためである。より具体的には、次の通りである。
前述の通り、インダクタンスと静電容量との間のエネルギー交換によって地板10と対向導体板20との間に生じる垂直電界は、短絡部30から対向導体板20の外縁部に向かって伝搬していく。そして、対向導体板20の外縁部において、垂直電界は垂直偏波電界になって空間に放射される。つまり、垂直電界は、対向導体板20に外縁部に近づくほどその強度は大きくなる。
したがって、対向導体板20の中央部付近においては垂直電界に対する誘電体の影響は相対的に小さく、対向導体板の外縁部付近においては、垂直電界に対する誘電体の影響は相対的に大きくなる。垂直電界に対する誘電体の影響とは、誘電体損失であって、電磁界エネルギーが熱エネルギーとして失われることを意味する。
つまり、アンテナ装置100とアンテナ装置100Xを比較すると、それぞれ同程度の中空部比率であっても、その支持部の配置位置によって利得特性は異なり、支持部50としての誘電体が短絡部30付近(つまり対向導体板20の中央部)に形成され、かつ、対向導体板20の外縁部付近において中空部となっている方が、より高い利得を実現する。
本実施形態の構成では、地板10に対して対向導体板20を支持するための誘電体(つまり支持部50)を、短絡部30付近(つまり対向導体板20の中央部)に設け、対向導体板20の外縁部付近を中空部とする。つまり、対向導体板20と地板10と間に設ける誘電体は、対向導体板20の中央部と地板10との間に集中させ、対向導体板20の中央部以外の領域と地板10との間には、誘電体を設けない構成とした。これにより、当該誘電体による損失を抑制することができる。
なお、以上では、対向導体板20と地板10との間の領域のうち、支持部50以外の部分を中空部とする態様を例示したが、これに限らない。支持部50以外の部分は、支持部50よりも誘電率が小さい誘電体が充填されていても良い。そのような態様においても、上述した実施形態と同様の効果を奏する。なお、対向導体板20と地板10との間において、支持部50よりも誘電率が低い誘電体が充填されている部分を低誘電体部と称する。
以上、本発明の実施形態1について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態(以降、実施形態2とも記載する)について、図を用いて説明する。図5は、実施形態2にかかるアンテナ装置100Aの分解斜視図に相当する模式図である。アンテナ装置100Aも、実施形態1のアンテナ装置100と同様に、地板10、対向導体板20、短絡部30、給電部40,及び前述の支持部50に相当する支持部50Aを備える。
なお、以降において前述の実施形態1の構成の部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図5において、短絡部30及び給電部40は、対向導体板20及び地板10上での位置を示すに留め、支持部50Aを貫通する部分についての図示は省略している。
この実施形態2と、前述の実施形態1との主たる違いは、対向導体板20と地板10との間における中空部の設け方、すなわち、支持部50Aの形状にある。以降、この支持部50Aについて説明する。
実施形態2における支持部50Aは、対向導体板20と同程度、若しくは対向導体板20よりも大きい面積を有する、誘電体からなる平板上の部材である。より具体的に、支持部50Aは、地板10及び対向導体板20のそれぞれに対して直立する誘電体からなる仕切り壁を、直方体状の中空部を複数形成するように、格子状に配置して構成されている。すなわち、支持部50Aは、その厚さ方向に垂直(略垂直を含む)な断面において、誘電体が存在する部分(仕切り壁の部分)が格子状となるように形成されている。各仕切り壁の厚さは適宜設計されれば良い。なお、図5においては、便宜上、仕切り壁、地板10、対向導体板20を簡略化して表しており、その厚みは省略して図示している。もちろん、何れの部材も実際には所定の厚みを有するものである。
このような構成では、対向導体板20と地板10との間が、中空部を主として構成される。したがって、前述の実施形態1と同様に、対向導体板20を支持するための支持部50Aによる誘電体損失を抑制することができる。
なお、以上では、厚さ方向に垂直な断面において中空部の輪郭が四角形となるように、支持部50Aを形成した構成を例示したが、これに限らない。支持部50Aは、その断面形状が略六角形に形成された、ハニカム構造となるように形成されていても良い。また、支持部50Aは、複数の中空部を備えるように形成されていればよく、その断面形状は、四角形や六角形に限らず、その他の形状(例えば楕円など)となっていてもよい。
<変形例1>
なお、図5では支持部50Aが、対向導体板20の外縁部と直角に接触するように、対向導体板20の外縁部に沿う仕切り壁を備える態様を例示したが、これに限らない。図6に示すように、アンテナ装置100Bの支持部50Bは、対向導体板20の外縁部の沿う仕切り壁は備えなくても良い。例えば、支持部50Bは、地板10に平行(略平行を含む)な平面における断面形状が十字状となるように形成されていてもよい。
<変形例2>
また、上述した変形例1では、支持部50Bを、対向導体板20と地板10に挟まれる空間を4等分する仕切り壁を備える形状としたが、対向導体板20と地板10に挟まれる空間の支持部50Bによる分割数は、これに限らない。例えば、対向導体板20と地板10に挟まれる空間は、支持部50Bによって16分割されていても良いし、9分割されていてもよい。
対向導体板20と地板10に挟まれる空間の支持部50Aによる分割数と、平均利得との関係を調べるシミュレーションの結果を図7に示す。より具体的には、図7は、分割数を16、9、4、1と変化させた場合の、支持部50Bの模式図と、水平面における指向性と、平均利得を示す図である。水平面における指向性を示すレーダーチャートの目盛りは、図4に示すレーダーチャートと同様である。
なお、分割数1とした場合とは、対向導体板20の中央部において支持部50を、短絡部30としてのショートピン、及び給電部40を形成する給電ピンを内包するために必要な最小限の体積で実現した場合を指す。言い換えれば、実施形態1の構成において半径Rを給電部40を収容する範囲において最小の値とした場合を指す。
図7より、何れの分割数においても水平面の全方位に対して同程度の指向性を有することがわかる。また、平均利得の最悪値は16分割とする構成とした場合であるが、その値は−1.1dBiである。
つまり、いずれの分割数を採用した場合であっても実用上の問題が生じないことが確認された。なお、分割数が多くなるほど平均利得が若干低下するのは、分割数が多いほど、対向導体板20の外縁部に近い位置に、誘電体の仕切り壁が配置されることになるためである。
<変形例3>
なお、実施形態2や変形例1の構成において、格子状の支持部が備える複数の中空部のうち、図8に示すように、短絡部30及び給電部40を内部に収容する部分を誘電体で充填してもよい。つまり、支持部50Cは、対向導体板20の中心近傍に、柱上の部分(支持柱)51Cを備える態様としてもよい。変形例2で言及した種々の構成においても同様である。なお、支持部50Cは、誘電体を素材とする板状部材に対して、支持柱51Cが残し、かつ、所望のパターンの中空部が形成されるように肉抜きを行うことで形成されても良い。
<変形例4>
また、図9に示すように、実施形態1と、実施形態2や他の種々の変形例の構成を組み合わせてもよい。例えば、実施形態2の構成のように、地板10に平行な断面における誘電体の形状が格子状となるように形成された支持部50Dが、中央部に円柱状の支持柱51Dを備えていても良い。
このような態様においても、支持部50Dは、対向導体板20の中央部付近に対して、外縁部付近では、誘電体が充填されている密度は小さい。したがって、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
<変形例5>
また、先に説明した実施形態2及びその種々の変形例のアンテナ装置は、図10に示すように、複数の層を備えるプリント基板200の内部に含まれるように実現されていてもよい。プリント基板200に内装されたアンテナ装置100E及びプリント基板200の構成の一例についてここで述べる。
図10は、プリント基板200の分解斜視図であって、地板10、対向導体板20、短絡部30、給電部40、第1誘電体層50E、第2誘電体層60、及び金属パターン70を備える。
第1誘電体層50E及び第2誘電体層60は何れも、少なくとも対向導体板20よりも大きい面積を有する、誘電体からなる板状の部材である。より具体的には、第1誘電体層50E及び第2誘電体層60はそれぞれ、厚さ方向に垂直な断面において、誘電体が存在する部分の形状が格子状となるように形成されている。すなわち、第1誘電体層50E及び第2誘電体層60は、格子状に配置された仕切り壁で囲まれた、複数の同一形状の中空部を有する部材である。第2誘電体層60が請求項に記載の誘電体板に相当する。
第1誘電体層50Eの片面には地板10が設けられ、他方の面には対向導体板20が設けられる。すなわち、第1誘電体層50Eは、地板10上に設けられるとともに、その第1誘電体層50Eの他方の面には、対向導体板20が積層される。第1誘電体層50Eは、地板10との間隔が所望の間隔となるように対向導体板20を支持する役割を担う。したがって、第1誘電体層50Eは、前述の支持部50Bなどに相当する。
第1誘電体層50Eにおいて対向導体板20が設けられている側の面には、さらに第2誘電体層60が積層される。そして、第2誘電体層60において、対向導体板20及び第1誘電体層50Eと対向しない側の面に、板状又は箔状の金属パターン70を積層する。
短絡部30及び給電部40は、例えば第1誘電体層50Eに対向導体板20及び地板10が設けられた状態において設けられればよい。なお、短絡部30としてのショートピン、及び給電部40が備える給電ピンは第1誘電体層50Eを構成する誘電体と同じ誘電体で封止されても良い。
もちろん、他の態様として、第1誘電体層50Eにおいて短絡部30及び給電部40が設けられる部分については予め中空部を設けずに、誘電体が充填されたままの構成としておいてもよい。そして、後の工程で所望の位置にショートピンや給電ピンを挿入することで、短絡部30及び給電部40を形成する態様としてもよい。
以上の構成によって、プリント基板200は、地板10、第1誘電体層50E、対向導体板20、第2誘電体層60、金属パターン70が順に積層された構造となる。
ここで、第1誘電体層50E及び第2誘電体層60はいずれも、厚さ方向に垂直な断面において、誘電体部分が格子状となるように形成されている。また、第1誘電体層50E及び第2誘電体層60はいずれも対向導体板20よりも大きい。
したがって、以上の構成によれば、地板10と対向導体板20の間だけでなく、対向導体板20の外縁部よりも外側の領域においても、中空部が存在することになる。すなわち、対向導体板20の外縁部よりも外側の領域においても、誘電体が存在する比率が抑制され、誘電体損失を抑制することができる。
つまり、以上の構成によればプリント基板200の内層を用いてアンテナ装置100Eを構成する場合であっても、誘電体による損失を抑制することができる。
100・100A・100B・100E アンテナ装置、10 地板、20 対向導体板、30 短絡部、40 給電部、50・50A〜D 支持部、50E 第1誘電体層(支持部)、60 第2誘電体層(誘電体板)、70 金属パターン、Sp 中空部、200 プリント基板

Claims (6)

  1. 導電性の地板(10)と、
    前記地板と所定の間隔をおいて平行に設置される平板状の導体部材である対向導体板(20)と、
    前記対向導体板と前記地板との間に設けられ、前記対向導体板に対して前記対向導体板が前記間隔をおいて対向するように前記対向導体板を支持する、誘電体からなる支持部(50)と、
    前記対向導体板の中央部に設けられ、前記対向導体板と前記地板とを電気的に接続する短絡部(30)と、
    前記対向導体板に給電する給電部(40)と、を備え、
    前記対向導体板の面積は、所定の周波数において前記短絡部が備えるインダクタンスと並列共振を生じさせる静電容量を形成する面積となっており、
    前記対向導体板と前記地板との間の一部は、中空である中空部、又は前記支持部よりも誘電率が小さい誘電体が充填された低誘電体部となっており、
    前記支持部は、平板状の部材であって、厚さ方向に垂直な断面における誘電体部分の形状が格子状又はハニカム構造となるように形成されており、その平面部の面積は前記対向導体板の面積よりも大きいことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1において、
    前記給電部は、前記対向導体板の中央部において、前記短絡部との距離が給電線とのインピーダンスが整合する距離となる位置に設けられてあって、
    前記支持部は、前記対向導体板の中央部において前記給電部と前記短絡部を内包するように設けられ、前記対向導体板における中央部以外の領域と前記地板との間の少なくとも一部が、前記中空部又は前記低誘電体部となっていることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項2において、
    前記支持部は、前記対向導体板における中央部以外の領域と前記地板との間が前記中空部となるように設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項2において、
    前記対向導体板における中央部以外の領域と前記地板との間は、前記低誘電体部となっていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記支持部は、前記地板と平行な平面における断面形状が前記短絡部に対して対称性を有する構造となっていることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項において、
    前記対向導体板において前記支持部と接しない側の面には、前記支持部と同様の形状の誘電体からなる誘電体板(60)が積層されていることを特徴とするアンテナ装置。
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