以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るシート折畳接着装置100を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るシート折畳接着装置100の外観を示す斜視図、図2は、前記シート折畳接着装置100の縦断面図、図3は、前記シート折畳接着装置100の平面図、図4は、前記シート折畳接着装置100のカバー8を外した状態の右側面図である。各図に示すシート折畳接着装置100は、給紙部1、折部2、押圧接着部3、スタッカ部4、封緘部5を備える。
シート折畳接着装置100には、シート折畳接着経路91及び封緘経路92が形成されている。シート折畳接着経路91の途中位置には、折部2及び押圧接着部3が設けられている。また、封緘経路92には、封緘部5が設けられている。封緘経路92及びシート折畳接着経路91は、押圧接着部3のシート押圧ローラを軸支する一の側板10を挟んで両側に設けられる。
給紙部1は、給紙台11、幅ガイド14、給紙ローラ12及び捌き部材13を備える。給紙台11にはシートSが載置される。給紙台11は、給紙による搬送方向F上流側端部から給紙台11の長さの3分1程度の位置に設けられた揺動軸15を軸心とし、図2において矢印Yで示す方向に揺動自在に軸支される。揺動軸15には、装置本体7を構成する一対の側板9,10のうち図3において左側に示す一方の側板9の外側で、図2に示すアーム19の一端部が固定されており、該アーム19の他端部は、付勢手段17としてのばねの下端部が接続される。付勢手段17の上端部は、側板9の揺動軸15より前方の上部に固定され、これより給紙台11の下流側端部は上方に向けて付勢され、この給紙台11の下流側端部の上方に設置された給紙ローラ12に圧接される。そして、給紙台11上に載置されたシートSは、付勢手段17の付勢力により給紙ローラ12に圧接される。
幅ガイド14は、給紙台11上に載置されるシートSの幅方向W両端縁に接触し、シートSの幅方向Wにおける位置を決定するために設けられている。幅ガイド14は、案内溝16に案内されつつ手動により幅方向Wに移動可能となっている。幅ガイド14は、シートSの幅方向W長さに応じて所定位置に調整されるとともに、折部2による折り畳み、及び押圧接着部3による接着処理により得られる接着体Eの接着状態に応じて所望する位置に位置合わせされる。
給紙ローラ12は、給紙台11の下流側端部近傍及び捌き部材13の上方位置にこれらに対向して配設される。図1,3に示すように、給紙ローラ12は、装置本体7の幅方向W中央に設置された1個のゴムローラ121により構成される。ゴムローラ121の左右両側には、所定量離間して樹脂製のガイドローラ122が設置される。ゴムローラ121及びガイドローラ122は、一対の側板9、10間に架設された1本の回転軸18に固定される。回転軸18は、電磁クラッチ(図示省略)及び図示しない連結機構を介してモータ36に接続される。電磁クラッチは図示しない電磁クラッチ制御器によりオン、オフされる。モータ36が駆動し、電磁クラッチがオン(接)のときには、連結機構に回転軸18が連結されて回転され、これよりゴムローラ121及びガイドローラ122が回転される。逆に、電磁クラッチがオフ(離)のときには、回転軸18が連結機構に連結されず、ゴムローラ121及びガイドローラ122は回転せず、給紙は行われない。
捌き部材13は、シートSの搬送面を介したゴムローラ121の下方位置に対向して設置される。捌き部材13は、給紙ローラ12が給紙台11上のシートSのうち最上位のシートSを1枚ずつ下流側へ送り出す際、給紙台11からシートSが重なった状態で送り出されたときに下側のシートSに接触し、下側のシートSが送り出されないようシートSを捌く。
折部2は、搬送されるシートSを折り畳む。折部2は、第1、第2の2つの折トレイ27、28と、折ローラとしての第1〜4の4つのローラ21、22、23、24とを備える。図2に示すように、第1折トレイ27は、給紙部1から続く水平方向よりやや上向きのシートSの搬送経路から前上方に傾斜して突出し、設置される。また、第2折トレイ28は、第2、第3ローラ22、23のニップ部32より略鉛直方向下向きに伸びるシートSの搬送経路から後下方に傾斜して設置される。
第1折りトレイ27及び第2折トレイ28は、ともに所定量離間して対向配置された一対の平板状部材38を備えている。一対の平板状部材38の間には、シートSが挿入されるシート挿入空間39が形成されている。シート挿入空間39は、第1、第2ローラ21、22及び第2,3ローラ22、23によるシートSの搬送方向に対し、シートSを所定角度傾斜させつつシートSを挿入させるために設けられる。そして、第1折トレイ27及び第2折トレイ28には、シート挿入空間39に挿入されたシートSの先端が突き当たる突き当て部材64が平板状部材38のシートSの挿入方向に位置変更自在にそれぞれ設けられている。
また、第1折トレイ27の下端に形成された開口部62は、第1、第2、第3ローラ21、22、23で囲まれた空間に向けて開かれている。そして、第2折トレイ28の上端に形成された開口部63は、第2、第3、第4ローラ22、23、24で囲まれた空間に向けて開かれている。
第1〜第4ローラ21〜24は、シートSを搬送する搬送部を構成する。第1〜第4ローラ21〜24は、一対の側板9、10間に架設され、両側板9、10により回転自在に軸支される。また、第1〜第4ローラ21〜24は、隣り合うローラ同士が当接して、それぞれニップ部31、32、33を形成する。第3、第4ローラ23、24は、第1、第2ローラ21、22よりも直径が大きく形成されている。第1〜第4ローラ21〜24は、連動機構を介してモータ36に接続され、該モータ36の駆動により回転される。
押圧接着部3は、シートSを押圧し、シートSの所定箇所に予め塗布された接着剤Gによって、シートSの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体Eを形成する。押圧接着部3は、一対のシート押圧ローラを備える。シート押圧ローラは、折部2の折ローラを構成する第3、第4ローラ23、24により兼ねて構成される。
第3、第4ローラ23、24は、シートSを所定以上の圧力(以下、プレス圧という)で押圧し、シートSの所定箇所に予め塗布された接着剤GによってシートSの重ね合わせ面の周縁を接着する。第3、第4ローラ23、24は、第1、第2ローラ21、22より直径が大きく形成されることで、シートSを押圧する際の所定以上の大きな圧力に耐えられるようにしている。そして、シート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24は、シートSの最終の折り畳みと押圧による折り畳まれたシートSの接着を同時に行う。第3、第4ローラ23、24は、十分なプレス圧を発生させるため、金属により形成されることが好ましい。
シート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24は、押圧部54と非押圧部55の双方を備える(図5参照)。押圧部54は、シートSを搬送しながら該シートSの重ね合わせ面を所定以上のプレス圧で押圧する。そして、非押圧部55は、シートSの重ね合わせ面の周縁の一部を所定以上のプレス圧で押圧しないことで、接着体Eに開口部59を形成する。
図5は、側板9、10、第3、第4ローラ23、24及び封緘部5を前方から、即ち図1の矢印H方向に見た図である。図5においては、押圧部54は、一対のシート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24の大部分を占める場合を示し、軸方向Wに所定長さL2に亘り設けられている。また、非押圧部55は、押圧部54に隣接して形成され、図5において、第3、第4ローラ23、24の左側に幅方向Wに所定長さL3に亘り設けられている。
非押圧部55は、直径D2が押圧部54の直径D1よりも僅かに小さく形成されている。これにより、非押圧部55では、第3、第4ローラ23、24の外周面が互いに当接せず、非接触となっている。そして、シートSを第3、第4ローラ23、24の間で挟持搬送する際、シートSの非押圧部55を通過する部分は、所定以上のプレス圧で押圧しないことで、シートSの接着剤塗布領域Gの一部を非接着とする。
第3、第4ローラ23、24の非押圧部55における隙間Jの大きさは、折り畳まれ、両シート押圧ローラの間を通過するシートSを所定以上のプレス圧で押圧しない値、例えば0.5mm〜2.5mm程度とすることが好ましく、1.0mm〜2.0mmとすることがより好ましい。
また、非押圧部55の幅方向W(軸方向)の長さL3は、シートSの周縁に予め塗布され、接着体Eの開口部59を形成する部分となる接着剤Gの塗布位置の接着体Eの端からの距離Kより所定量長い距離Kの2倍〜3倍程度の長さ、例えば、15mm〜30mm程度とすることができる。一方、押圧部54の幅方向長さL2はシートSの幅方向長さより長くなるよう設定されている。そして、非押圧部55と押圧部54とを合わせたシート押圧ローラ全体の軸方向長さL1は、シートSの横幅よりも長く設定されている。
図5において、第3ローラ23の左側の回転軸231は、左側の側板10に回転自在に支持され、側板10から左外方に突出し、左端部に、把手40が着脱自在に接続される接続部37が設けられる。把手40は、第3ローラ23を手動で正逆両方向に回転させる。また、第3ローラ23の右側の回転軸231は、右側の側板9に回転自在に支持されている。また、第4ローラの両側の回転軸241は、左右の側板9,10にそれぞれ回転自在に支持されている。
ところで、側板9、10は、シートSに対して所定以上のプレス圧で押圧する第3、第4ローラ23、24を軸支しているので、軸支するのに十分な強度を有している必要があり、例えば、カバー8を形成する板の厚みなどに比べると、5〜20倍程度の厚みを有することが好ましい。
スタッカ部4は、羽根車42、横ガイド板45、縦ガイド板43及び受け板44を備える。図3に示すように、羽根車42は、幅方向Wに所定量離間して2個設置される。この2個の羽根車42は、一対の側板9、10に回転可能に軸支された回転軸46に固定されている。羽根車42は、外周面に多数の羽根421が設けられ、羽根421は、周方向に等間隔をおいて配置されると共に湾曲状に径方向の外方に延びている。横ガイド板45は、2個の羽根車42の間、該羽根車42と左右双方の側板9、10の間に設置される。横ガイド板45は、第3、第4ローラ23、24のニップ部33と略同程度乃至やや低い高さ位置に横設される。縦ガイド板43は、羽根車42の下方に立設される。受け板44は、縦ガイド板43の下端より前方に前上がり状に傾斜配置される。
給紙部1から折部2、押圧接着部3を経てスタッカー部4に至るシートSの搬送経路は、シート折畳接着経路91を構成する。
封緘部5は、後述するように、接着体E2の開口部59が形成された周縁(図9参照)を所定以上の圧力(以下、封緘圧という)で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤Gにより開口部59を閉じる封緘処理を行う。封緘部5は、図3において右側に示す一方の側板10の外側に設けられる。封緘部5は、押圧部材としての封緘ローラ51、案内部材52、及び封緘圧調整機構53を備える。図4に示すように、封緘ローラ51は、側板10の上部に上下に配設された上封緘ローラ512及び下封緘ローラ511により構成される。下封緘ローラ511は、第3ローラ23の回転軸231の一部により構成される。即ち、図5に示すように、下封緘ローラ511は、第3ローラ23の回転軸231が側板10から外側に突出した部分であって、回転軸231端部の、直径が更に小さく形成された把手40への接続部37と、側板10との間となる位置に設けられる。
上封緘ローラ512は、側板10の外側に設けられている。また、下封緘ローラ511は、モータ36の駆動による図示しない連動機構を介した回転軸231の回転により回転し、上封緘ローラ512は、接着体Eを下封緘ローラ511との間で挟持した際、下封緘ローラ511の回転により接着体Eを介し従動回転する。
案内部材52は、一対の封緘ローラ51の前方に略水平方向に沿って設けられる。案内部材52は、1枚の薄板が略直角に2回屈曲されることで、所定量離間して対向した上案内部材522及び下案内部材521を備える。上下案内部材522,521の間の空間523は、一対の封緘ローラ51の対向部に位置合わせされている。下案内部材521は、略水平面に沿って設置される。一方、上案内部材522は、側板10に固定された奥側から所定長さとなる箇所で、上向きに屈曲される。よって、上下案内部材522、521は、奥側が狭く閉じて側板10に固定され、手前側が広く開口している。
図1において右側に示すカバー8には、封緘部5の設置位置に対応する箇所に、前後方向に長い窓部57が形成されている。この窓部57に沿って、図9(b)に示す開口部59が形成された接着体E2を通過させ、開口部59を閉じるための封緘経路92が形成されている。
また、シート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24と羽根車42の間に、第3、第4ローラ23、24から送出されたシートSを検出する第1検出手段40が設けられ、一対の封緘ローラ51の後方に、一対の封緘ローラ51から送出された接着体Eを検出する第2検出手段50が設けられている。押圧接着部3で接着して形成された接着体Eの数は、第1検出手段40の検出信号に基づいてカウントされる。封緘部5で封緘した接着体Eの数は、第2検出手段50の検出信号に基づいてカウントされる。第1検出手段及び第2検出手段でそれぞれカウントした接着体Eの数は、操作パネル6(図1参照)の表示部に表示できるようになっている。
図6は、封緘圧調整機構53及びその周辺の側面図である。図6に示すように、封緘圧調整機構53は、側板10の設置部101に設けられている。設置部101は、側板10の上端から下方に向けて側面視横長矩形状に所定長さ切欠かれた広幅部102と、広幅部102よりも狭い幅で広幅部102の下端から下方に向けて側面視縦長矩形状に所定長さ切欠かれた狭幅部103とを備える。
封緘圧調整機構53は、以下の構成を備えている。上封緘ローラ512を回転自在に軸支する支持軸530が設けられている。支持軸530は、軸支ブロック531に固定されている。軸支ブロック531は、狭幅部103の両側縁に摺動し上下動自在に嵌合している。軸支ブロック531の上面には、上下方向に複数枚重ねたの皿バネ532が載置されており、最下の皿バネ532の下端が、軸支ブロック531の上面に接触している。最上の皿バネ532の上端には、押え部材533が載置されており、押え部材533の下面が、最上の皿バネ532の上端に接触している。広幅部102の下端には、保持ブロック534が固定されている。保持ブロック534には、雌ねじが形成されたねじ穴が設けられている。保持ブロック534のねじ穴に螺合する、押えねじ535が設けられている。押えねじ535は、雄ねじが形成されたねじ部535aと、ねじ部535aの上端に一体的に形成された頭部535bとを備え、ねじ部535aが、保持ブロック534のねじ穴に螺合する。押えねじ535の頭部535bには、スプライン孔536が穿設されている。押えねじ535の頭部535bには、上方から回転ノブ537が係合している。回転ノブ537は、カバー8の上方に突出し回転ノブ537を手回しするための取っ手部538と、取っ手部538から下方に突出し、スプライン孔536にスプライン係合するスプライン軸を有する軸部539とを備える。スプライン孔536とスプライン軸とは、回転ノブ537の軸部539をカバー8の貫通孔8aに差し込むことで係合し、軸部539を貫通孔8aから抜脱することで係合を解除される。すなわち回転ノブ537は、スプライン孔539及びカバー8の貫通孔8aに挿抜自在に設けられている。
よって、回転ノブ537を回転させると、押えねじ535が回転して螺進または螺退し、押えねじ535が上下方向に移動する。このとき、回転ノブ537を押えねじ535が螺進する方向に回転させると、押えねじ535は下方に移動する。押えねじ535は、下方へ移動することにより、押え部材533を介して、皿バネ532の圧縮を強める。皿バネ532の圧縮が強くなると、上封緘ローラ512を下方に付勢する力が大きくなり、封緘圧が高くなる。また、逆に回転ノブ537を押えねじ535が螺退する方向に回転させると、押えねじ535は上方に移動するので、皿バネ532の圧縮を弱める。皿バネ532の圧縮が弱くなると、上封緘ローラ512を下方に付勢する力が小さくなり、封緘圧が低くなる。
次に、本実施形態に係るシート折畳接着装置100の作用について説明する。シート折畳接着装置100により、折り畳み及び接着の加工処理がなされるシートSには、所定箇所に予め接着剤G1〜G6が塗布されている。図7(a),(b)は、このような所定箇所にあらかじめ接着剤G1〜G6が塗布されたシートSの表面及び裏面を示す図、図8は図7に示すシートSを折り畳む途中の状態を示す斜視図である。
図7(a),(b)に示すように、シートSの重ね合わせ面の周縁には、接着剤塗布領域Gが形成されている。接着剤塗布領域Gは、図8に示すように、シートSが折り畳まれた際、シートSの重ね合わせ面の周縁の相互に接着される位置に形成される。より詳しくは、図7(a)に示すシートS1の表面の第1折り片P1と第2折り片P2の内側面の幅方向Wの両端位置に、シートS1の搬送方向Fに沿って筋状に延びる接着剤G1、G2が塗布されている。更に、第1折片P1のシートS1の搬送方向F前端部分及び第2折片P2のシートS1の搬送方向F後端部分に、幅方向Wに沿って筋状に接着剤G3が塗布されている。また、図7(b)に示すように、シートS1の裏面の第2折片P2と第3折片P3の重ね合わせ面の幅方向Wの両端位置及び搬送方向F前後端部分からなる周縁に、接着剤塗布領域G4,G5,G6が形成される。
そして、シートSは、図8に示すように折部2において接着剤G1〜G6の塗布面が内側となるように外側三つ折される。即ち、シートSは、互いに平行な二つの折り線q1、q2により、第1、第2及び第3の折り片P1、P2、P3に区画される。第3折り片P3は、第2折り線q2により、第2折り片P2の上側に折り畳まれ、第1折り片P1は、第1折り線q1により、第2折り片P2の下側に折り畳まれる。
そして、図8に示すように折り畳まれる状態においては、第2折り片P2上面の接着剤G4〜G6とこれに対向する第3の折片P3下面の接着剤G4〜G6が三辺で接着される。また、第2折り片P2の下面の接着剤G1〜G3とこれに対向する第1折片P1上面の接着剤G1〜G3により三辺で接着される。
この接着剤G1〜G6は、圧着葉書などに用いられ、所定以上の圧力で押圧されたときに限って、シートSを接着する。よって、接着剤G1〜G6により、給紙台11上にシートSが積載された状態では、上下のシートSが相互に接着されることはない。一方、シート押圧ローラの押圧部54で所定以上のプレス圧で押圧されることで、折り畳まれるシートSの重ね合わせ面が接着される。更に、シートSの大部分が押圧部54を通過するとともに、シートSの周縁のうち一部についてはシート押圧ローラの非押圧部55を通過する場合には、該非押圧部55を通過した箇所のシートSは所定以上のプレス圧で押圧されず、非接着となる。
従って、本実施形態にかかるシート折畳接着装置100は、幅方向WにおけるシートSの搬送位置を、シートS全体を押圧部54を通過させる位置とするか、または、シートSの周縁の一部を非押圧部55を通過させる位置とするかによって、折り畳み及び接着処理により得られる接着体Eを、図9(a)に示すような矩形状の周縁のうち接着剤G1〜G6の塗布された重ねあわせ面の三辺全てを接着することで、接着体Eの四辺が全て閉じられた接着体E1とするか、または同図(b)に示すように、矩形状の周縁のうち接着剤G1〜G6の塗布された重ね合わせ面の二辺のみ接着し、残りの接着剤G2、G5の塗布された一辺を非接着として開口部59を設けるかの選択が可能である。
幅方向WにおけるシートSの搬送位置の調整は、幅ガイド14を用いてユーザーが手動で行うことができる。図10は、幅ガイド14とシート押圧ローラとしての第3ローラ23との位置関係を説明するための平面図である。ユーザーが、シートSの重ね合わせ面の周縁全てを接着し、図9(a)に示すような矩形状の周縁四辺が全て接着された接着体E1を得たい場合には、シートS3全体が押圧部54を通過するよう実線で示す位置に幅ガイド14を位置合わせする。
図10でシート押圧ローラの右端部に示す非押圧部55は、直径D2が、長さL3に渡って、押圧部54の直径D1よりも小さく形成されている。また、第3、第4ローラ23,24の押圧部54の幅方向Wの長さL2は、シートSの横幅LSよりも長く設定されている。よって、シートS3全体が押圧部54を通過する実線で示す位置にあるときには、その横幅LS全体が、シート押圧ローラの押圧部54の長さL2内に納まる。従って、折り畳まれたシートS3が、回転する第3、第4ローラ23,24のニップ部33を通過すると、シートS3上に塗布された接着剤G1〜G6全てに第3、第4ローラ23,24により所定以上のプレス圧が付与されるため、接着体Eの周縁は、重ね合わせ面の三辺が接着され、矩形状の接着体Eの四辺全て閉じられる。
一方、図9(b)に示す接着体E2のように、矩形状の周縁のうち接着剤G1、G3、G4、G6の塗布された領域を接着し、接着剤G2、G5の塗布された一辺を接着せず開口部59が形成された袋状の接着体E2を得たい場合には、ユーザーは、接着剤G2、G5が塗布された領域を除いたシートSの大部分が押圧部54を通過するとともに、シートSの接着剤G2、G5が塗布された領域が非押圧部55を通過するよう図10において右側へ所定量ずらせた破線で示す位置に幅ガイド14を位置合わせする。
これより、シートS4の重ね合わせ面の接着剤G1、G3、G4、G6が塗布された領域には、押圧部54により所定以上のプレス圧が付与され接着されるが、接着剤G2、G5の塗布領域には所定以上のプレス圧が付与されない。よって、この領域においては、あらかじめ接着剤G2、G5が塗布されていてもシートS4の重ね合わせ面が接着されないため、接着体Eの三辺が接着された袋状の接着体E2が作製される。
このようにユーザーは手動により幅ガイド14を適正な位置に調整した後、該一対の幅ガイド14の間に複数のシートSを載置する。積載された複数のシートSは、付勢手段17の付勢力により給紙ローラ12に圧接される。ユーザーが操作パネル6のスタートボタンを押下すると、モータ36が駆動される。モータ36の駆動により第1〜第4ローラ21〜24及び羽根車42が回転される。また、クラッチ制御器が電磁クラッチをオンしているときに 回転軸18が回転され、給紙用ローラ12及びガイドローラ122が回転される。
給紙台11上の複数のシートSのうち最上位のシートSは、回転する給紙ローラ12及びガイドローラ122により下流側へ送られ、下方の捌き部材13によって他のシートSから分離され折部2へ送出される。
折部2では、たとえば図11(a)〜(c)に示すように動作することによって、シートSを、図8の外側三つ折り状態に折り畳むことができるようになっている。すなわち、図11(a)に示すように、給紙部1から送られてくる未折り状態のシートSは、まず、第1、第2ローラ21、22間のニップ部31に送られ、更に上側の第1トレイ27のシート挿入空間39に送り込まれる。第1折トレイ27の突き当て部材64の位置は、第1の折り片P1の長さに相当する位置に設定されている。したがって、第1折トレイ27の突き当て部材64にシートSの先端が当接した後、さらに第1、第2ローラ21、22でシートSが送り込まれると、シートSは第1の折り線q1で折られ、第2ローラ22と第3ローラ23のニップ部32で前記折り線q1部分が挟持され、図11(b)のように、下側の第2折トレイ28のシート挿入空間39に送り込まれる。
下側の第2折トレイ28の突き当て部材64は、第1折り片P1又は第2折り片P2の長さに相当する位置に設定されているので、第1の折り線q1部分が突き当て部材64に当接した後、さらに第2、第3ローラ22、23により送り込まれると、今度は、第2折り線q2部分で折り畳まれ、該折れ線q2部分は、第3、第4ローラ23、24のニップ部33で挟持され、図11(c)に示すように、外側三つ折り状態となって、スタッカー部4へと搬送される。すなわち、第1及び第2の折り線q1、q2でそれぞれ折り畳まれることにより、外側三つ折り状態となり、スタッカー部4に供給されるのである。
第3、第4ローラ23、24とのニップ部33で挟持される際、シートSは、第3、第4ローラ23、24とによって所定以上のプレス圧で押圧される。これより、シートSは折り畳みと接着の両方の処理が一度に行われる。そして、シートSの周縁に予め塗布された接着剤G1〜G6によりシートSの重ね合わせ面が相互に接着される。
その際、第3、第4ローラ23、24の間を通過するシートS全体が、幅方向Wにおいて押圧部54により挟持搬送される場合、接着剤G1〜G6の塗布された矩形状の周縁四辺が全て所定以上のプレス圧で押圧され、接着された接着体E1を得る。一方、シートSの周縁の一部が非押圧部55を通過する場合、矩形状の周縁の三辺が所定以上のプレス圧で押圧され、接着され、残る一辺に開口部59が形成された接着体E2を得ることができる。
第3、第4ローラ23,24を通過し折り畳み及び接着処理がなされた接着体E1,E2は、横ガイド板45に案内され、羽根421の間に1枚或いは数枚ずつ挿通される。そして、回転する羽根車42により接着体E1,E2の上下が反転され、前方に送り出され、受け板44上に順次積載される。
周縁の一部に開口部59が形成された袋状の接着体E2は、ユーザーにより添付資料等の内容物が挿入される。そして、開口部59を閉じるため、ユーザーは封緘部5により封緘処理を行う。その際、接着体E2の開口部59が形成された部分は、ユーザーの手により窓部57からカバー8内へ挿通され、上下の案内部材52の間に収められ、更に接着体E2が、上下の案内部材52により案内されつつ後方の封緘ローラ51へ移動されると、上下封緘ローラ512、511の間に挟まれる。
接着体E2が上下封緘ローラ512,511の間に挟まれると、回転する下封緘ローラ511の回転により接着体E2が後方へ送られるとともに上封緘ローラ512が従動回転し、接着体E2を押圧しつつ送出する。これより、上下封緘ローラ512,511は、接着体E2の開口部59が形成された周縁を所定以上の封緘圧で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤G2、G5により該開口部59を閉じる。
上下封緘ローラ512,511が押圧する接着体E2の幅方向Wの長さは、非押圧部55の幅方向長さL3と略同程度であり、シートSの周縁に予め塗布され、接着体E2の開口部59を形成する部分となる接着剤G2、G5の塗布位置の接着体Eの端からの距離K(図7参照)より少し長い程度の長さ、例えば、15mm〜30mm程度とすることができる。
このように上下封緘ローラ512,511が押圧する接着体E2の幅方向Wの長さは、シートSの端から図6に示す距離Kより少し長い程度なので、シート押圧ローラの押圧部54の幅方向W長さL2よりかなり短く5%〜15%となる。よって、この上下封緘ローラ512,511によって接着体E2が挟持され押圧される面積は、シート押圧ローラの押圧部54によりシートSが挟持され、押圧される面積よりかなり小さい。また、上下封緘ローラ512,511の直径D3、D4は、押圧部54の直径D1より小さくされている。
以上より、本実施形態のシート折畳接着装置100によれば、折部2及び押圧接着部3が設けられたシート折畳接着経路91と、封緘部5が設けられた封緘経路92の双方を備えるので、シートSが折り畳まれ袋状に形成された接着体E2の開口部59を容易かつ確実に接着可能であり、シートSの折り畳み及び接着を効率よく行うことができる。また、シート折畳接着装置100は、袋状の接着体E2を作成するための封緘装置と、開口部59が形成された一辺のみを封緘可能な専用の封緘装置の2つの封緘装置を設置する場合に比較して、より小さい空間に設置することができる。
更に、袋状の接着体E2の内部に収容する内容物が厚いときや破損しやすいものであっても、開口部59が形成された周縁を押圧することが可能であり、内容物の破損の問題を解消できる。
また、下封緘ローラ511が、シート押圧ローラとしての第3ローラ23と同一の回転軸231により回転されるので、第3ローラ23と封緘ローラ51とをそれぞれ回転させるための機構を2個設ける場合に比較して、占有スペースを小さくすることできる。また、部品点数を減少させ、製造コストを抑制可能であるとともに、1つのモータ36により第3ローラ23下封緘ローラ511双方を駆動できるので、効率よく封緘することができる。
そして、シート折畳接着経路91及び封緘経路92は、シート押圧ローラとしての第3ローラ23を軸支する一方の側板10を挟んで両側に設けられるので、シート折畳接着装置100の占有スペースをより小さくすることができる。
更に、折ローラとしての第3、第4ローラ23,24は、シート押圧ローラを兼ねて構成されるので、シート折畳接着装置100の占有スペースを更に小さくすることができる。
また、三辺を封緘した接着体E2の開口部59の重ね合わせ面に塗布されている接着剤G2、G5は、内容物を挿入して開口部を封緘するまでの間、空気に触れたり、光を受けたりすることにより少しずつ劣化し、接着不足となる場合があり、そのような場合であっても、シート押圧ローラにおけるプレス圧よりも、封緘ローラ51における封緘圧の方が高くなるように設定されるので、確実に接着体E2の開口部59を接着して封緘できる。
また、接着体E2の開口部59の封緘時において、接着体E2の内部に収容する内容物が厚いときや、室温及び湿度などの環境によって、接着剤G2、G5の接着強度が低くなる場合であっても、シート押圧ローラにおけるプレス圧よりも、封緘ローラ51における封緘圧の方が高くなるように設定されるので、確実に接着体E2の開口部59を接着して封緘できる。
また、封緘圧調整機構53により接着体E2の開口部59が形成された周縁を押圧する封緘圧を調整することができ、封緘圧調整機構53は、シート押圧ローラにおけるプレス圧よりも、封緘ローラ51における封緘圧の方が高くなるように封緘圧を調整することができる。したがって、三辺を封緘した接着体E2の開口部59の重ね合わせ面に塗布されている接着剤G2、G5は、内容物を挿入して開口部を封緘するまでの間、空気に触れたり、光を受けたりすることにより少しずつ劣化し、接着不足となる場合があり、そのような場合であっても、接着体E2を形成した時のプレス圧よりも、封緘圧の方が高くなるように、封緘圧調整機構53により封緘圧を高くすることで、より確実に開口部59を接着することができる。
また、封緘圧調整機構53により接着体E2の開口部59が形成された周縁を押圧する封緘圧を調整することができる。したがって、接着体E2の開口部59の封緘時において、接着体E2の内部に収容する内容物が厚いときや、室温及び湿度などの環境によって、接着剤G2、G5の接着強度が低くなるときには、封緘圧調整機構53により封緘圧を高くすることで、より確実に開口部59を接着することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るシート折畳接着装置100aを説明する。本実施形態のシート折畳接着装置100aは、上記第1実施形態のシート折畳接着装置100の構成に、更に、プレス圧調整機構70を備えている。図12は、本実施形態に係るシート折畳接着装置100aの封緘圧調整機構53a、プレス圧調整機構70及びその周辺の側面図である。図13は、図12の封緘圧調整機構53a及びプレス圧調整機構70を矢印R方向に見た図であって、プレス圧調整機構70の構成を分かり易く示すために、後述する保持板705を非表示とするとともに、回転ノブ537の取っ手部538を仮想線にて表示している。本実施形態の封緘圧調整機構53aは、上記第1実施形態のプレス圧調整機構53とほぼ同じ構成、同じ作用であるため、詳細な説明は省略することとし、以下、図12,13を参照してプレス圧調整機構70について詳細に説明する。
プレス圧調整機構70は、一部で封緘圧調整機構53aと係合し、側板10の設置部101a、設置部104及び各設置部101a、104から側板10の外側にかけて設けられている。設置部104は、側板10の下端から上方に向けて側面視横長矩形状に所定長さ切欠かれた広幅部105と、広幅部105よりも狭い幅で広幅部105の上端から上方に向けて側面視縦長矩形状に所定長さ切欠かれた狭幅部106とを備える。
プレス圧調整機構70は、以下の構成を備えている。第4ローラ24の回転軸241を回転自在に軸支する軸支ブロック700が設けられている。軸支ブロック700は、狭幅部106の両側縁に摺動し上下動自在に嵌合している。軸支ブロック700の下方には、上下方向に複数枚重ねた皿バネ701が設けられており、最上の皿バネ701の上端が、軸支ブロック700の下面に接触している。最下の皿バネ701の下方には、押えブロック702が設けられている。押えブロック702は、中央部分が上方に突出しており、該突出した部分の上面が、最下の皿バネ701の下端に接触している。更に押えブロック702は、図12において、押えブロック702の右部分と左部分に、雌ねじが形成されたねじ穴がそれぞれ設けられている。広幅部105の上端には、図12において、右側に保持ブロック703、左側に保持ブロック704がそれぞれ固定されている。各保持ブロック703,704には、それぞれ貫通孔703a,704aが設けられている。また、封緘圧調整機構53aの保持ブロック534aには、上記第1実施形態と同様に雌ねじが形成されたねじ穴が設けられている。更に、図12において保持ブロック534aの右部分と左部分には、最右方と最左方に位置する一対の外貫通孔534bと、外貫通孔534bよりもねじ穴寄りに位置する一対の内貫通孔534cとが設けられている。広幅部102の上端には、保持板705が固定されている。保持板705には、保持ブロック534aのねじ穴、外貫通孔534b及び内貫通孔534cに対応した位置に、それぞれ中央貫通孔705a、外貫通孔705b及び内貫通孔705cが設けられている。
そして、保持ブロック534aの右方の外貫通孔534b、保持ブロック703の貫通孔703a、及び保持板705の右方の外貫通孔705bには、雄ねじが形成されたねじ軸706aが挿通しており、ねじ軸706aは、各貫通孔に設けられた図示しない軸受けを介して回転自在に支持されている。保持ブロック534aの左方の外貫通孔534b、保持ブロック704の貫通孔704a、及び保持板705の左方の外貫通孔705bには、雄ねじが形成されたねじ軸706bが挿通しており、ねじ軸706aは、各貫通孔に設けられた図示しない軸受けを介して回転自在に支持されている。右側のねじ軸706aは、押えブロック702の右側のねじ穴に螺合し、左側のねじ軸706bは、押えブロック702の左側のねじ穴に螺合する。また、ねじ軸706a,706bの上部には、太軸部707が設けられている。太軸部707の軸径は、ねじ軸706a,706bが、保持ブロック534aの外貫通孔534b、保持ブロック703,704の貫通孔703a,704a、及び保持板705の外貫通孔705bに挿通する部分の軸径よりも太く形成されている。太軸部707の下方には、保持ブロック534aの上面に、スラストベアリング7071が載置されている。スラストベアリング7071の上面には、太軸部707の下端が接触しており、スラストベアリング7071は、太軸部707を介してねじ軸706a,706bを上向きに支持している。よって、ねじ軸706a,706bは、下方向きの荷重を受けた状態であっても、スムーズに回転可能である。また、太軸部707の上部には、ギヤ708が固設されている。
保持ブロック534aの一対の内貫通孔534cと、保持板705の一対の内貫通孔705cとにより、図示しない軸受けを介して従動軸709がそれぞれ回転自在に支持されている。各従動軸709の上部には、ギヤ708と噛合する中間ギヤ710がそれぞれ固設されている。また、回転ノブ537の軸部539には、中間ギヤ710と噛合する中心ギヤ711が固設されている。
よって、回転ノブ537を回転させると、中心ギヤ711が回転する。中心ギヤ711が回転すると、中心ギヤ711と噛合する中間ギヤ710を介して、中間ギヤ710に噛合するギヤ708が回転する。ギヤ708が回転すると、ギヤ708が固設されているねじ軸706a,706b(太軸部707)が回転し、ねじ軸706a,706bにねじ穴が螺合する押えブロック702が上下方向に移動する。このとき、回転ノブ537を、プレス圧調整機構53の押えねじ535が螺進する方向に回転させると、ねじ軸706a,706bは、押えブロック702のねじ穴に対して螺進する方向に回転し、押えブロック702が上方に移動する。押えブロック702は、上方へ移動することにより、皿バネ701の圧縮を強める。皿バネ701の圧縮が強くなると、第4ローラ24を上方に付勢する力が大きくなり、プレス圧が高くなる。また、逆に回転ノブ537を、プレス圧調整機構53の押えねじ535が螺退する方向に回転させると、ねじ軸706a,706bは、押えブロック702のねじ穴に対して螺退する方向に回転し、押えブロック702が下方に移動する。押えブロック702は、下方へ移動することにより皿バネ701の圧縮を弱める。皿バネ701の圧縮が弱くなると、第4ローラ24を上方に付勢する力が小さくなり、プレス圧が低くなる。また、封緘圧を調整するために回転ノブ537を回転させると、上記第1実施形態と同様に封緘圧を調整することができる。すなわち、プレス圧調整機構70によるプレス圧の調整動作に連動して、封緘圧調整機構53aが作動する。
また、プレス圧調整機構70は、側板9の設置部(図示省略)にも設けられており、第4ローラ24の側板9に近い側の回転軸241を回転自在に支持しており、ギヤ708、従動軸709、中間ギヤ710、中心ギヤ711を備えない他は、側板10の側(図2において右側)に設けられたプレス圧調整機構70と同様である。なお、回転ノブ537は、封緘圧調整機構53aの一部を兼ねているため、側板10の側にのみ設けられている。両プレス圧調整機構70のねじ軸706a,706bのそれぞれの下端には、プーリ712が設けられており、側板9の側(図2において左側)のプーリ712と側板10の側のプーリ712とを繋ぐタイミングベルト713が掛け渡されている。これにより、回転ノブ537を回転させると、側板10の側のプレス圧調整機構70が作動するとともに、タイミングベルト713で連結された側板9の側のプレス圧調整機構70も作動する。
以上のように、本実施形態のシート折畳接着装置100aによれば、上記第1実施形態のシート折畳接着装置100に比べて更に、プレス圧調整機構70を備えたので、折り畳まれたシートSを押圧するプレス圧を調整できる。よって、折り畳まれたシートSの重ね合わせ面に塗布された接着剤G1〜G6が劣化していた場合には、プレス圧が高くなるように調整することができ、シートSの周縁を確実に接着した接着体E1,E2を作製できる。
また、本実施形態のシート折畳接着装置100aは、プレス圧の調整に連動して、封緘圧調整機構53aが作動する。よって、プレス圧調整機構70におけるプレス圧と封緘圧調整機構53aにおける封緘圧とを一度の動作で双方とも調整できる。特に、折り畳まれたシートSの重ね合わせ面に塗布された接着剤G1〜G6が劣化していた場合には、接着体E2の開口部59の封緘処理における封緘圧も高くする必要がある。本実施形態のシート折畳接着装置100aは、プレス圧を高くする調整に連動して、封緘圧が高くなるように調整することができ、接着体E2の開口部59を確実に接着可能である。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能であり、変形例の組み合わせも本発明に含まれる。以下、上記実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、シートSをZ型に外側三つ折りして定型郵便物大の接着体E1,E2にする例を示したが、他の折り方、例えば、C型に内側三つ折してもよく、V型に2つ折りしてもよい。このように、他の折り方に変更する際は、第1、第2折トレイの突き当て部材の位置を調整するか、またはシート挿入空間長さの異なったもの等他のトレイに交換する。
また、下封緘ローラ511は、シート押圧ローラとしての第3ローラ23と同一の回転軸231により回転されたが、下封緘ローラが、シート押圧ローラと異なる回転軸により回転されてもよく、下封緘ローラを回転させるための駆動機構を設け、該駆動機構の駆動により回転してもよい。また、上封緘ローラ512は、下封緘ローラ511の回転に伴って接着体E2を介し従動回転したが、上封緘ローラを回転させるための駆動機構を設け、該駆動機構の駆動により回転することとしてもよく、他のいずれかのローラ、即ち、給紙ローラ、折ローラまたはシート押圧ローラのうちいずれか回転軸と同一の回転軸の回転により上封緘ローラが回転されるよう構成してもよい。
また、シート折畳接着経路91及び封緘経路92は、シート押圧ローラを軸支する一の側板10を挟んで両側に設けられたが、両経路をこれとは異なる位置に配置してもよく、例えば、シート折畳接着経路と封緘経路が交差する方向に設置されてもよく、上下に設置されてもよい。
また、非押圧部55は、シート押圧ローラとしての第3ローラ23及び第4ローラ24に設けたが、第3ローラ23または第4ローラ24の何れか一方のみに設けてもよい。
また非押圧部55は、シート押圧ローラとしての第3、第4ローラの一方の端部に設けたが、シート押圧ローラの幅方向両端に設けてもよく、幅方向端部から所定量中央よりとなる位置等他の箇所であってもよい。
上記のシート折畳接着装置100、100aで折畳接着処理を行うシートSの接着剤塗布領域Gは、上記構成例に限定されず、シートの重ね合わせ面の周縁であって折畳接着処理により接着体が作成可能であれば他の箇所であってもよい。例えば、シートの重ね合わせ面の周縁全てに替えて周縁のうちの一部に接着剤が塗布されていてもよく、また、図14(a)に表面を例として示すシートS5のように、重ね合わされる2つの面のいずれか一方の面のみに、接着剤G7が塗布されていてもよく、同図(b)に示す表面を例として示すシートS6ように、折線q1、q2に沿って所定幅の接着剤G8塗布領域を設けてもよい。また、同図(c) に表面を例として示すシートS7のように、周縁を構成する各辺の一部に接着剤G9を塗布してもよい。また、シートの折線が形成される部分等といった所定箇所にあらかじめミシン目が配されていてもよい。
上記各実施形態では、矩形状の接着体の四辺の周縁のうち一辺を開口部としたが、袋状の接着体の内部に添付資料等の内容物を挿入可能であれば、開口部が一辺の半分や8割等といった一辺全てではなく一部を開口部としてもよい。図15は、接着体E3の四辺の周縁のうち、一辺の半分が開口部59aとされた場合を示す。このような矩形状の周縁の一辺の一部を開口部59aとして形成するには、例えば、図16に示すシート押圧ローラ83を用いることができる。同図では、一対のシート押圧ローラ83のうち上側のローラ83aの左端部に非押圧部55aが設けられている。非押圧部55aは、ローラ83a左端部の周面の右側約半分が切り欠かれた部分により構成される。
図16における非押圧部55aは上のローラ83aの周面の一部が切り欠かれることで、対向する下のローラ83bに当接しない。よって、非押圧部55aは、ローラ83bとの間でシート周縁の一辺のうちの一部を所定以上のプレス圧で押圧しないことで、矩形状の接着体の周縁の一辺の一部に開口部を形成する。
ローラ83aの左端部のうち残りの切り欠かれていない部分は、シートを所定以上のプレス圧で押圧可能な押圧部54aとして構成される。このシート押圧ローラ83によりシートを搬送しながら押圧することで、接着体の周縁の一辺に、接着部分60と開口部59aとの双方を形成することができる。
また、上記各実施形態では、給紙部1の幅ガイド14がユーザーの手動により所望する位置に移動されたが、幅ガイドの移動機構を設けることで、自動で移動することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、封緘圧調整機構53及びプレス圧調整機構70において、皿バネ532,701の圧縮量を変化させることにより、上封緘ローラ512及び第4ローラ24を付勢する圧力を変化させ、プレス圧及び封緘圧を調整していたが、皿バネ532,701を省略し、上封緘ローラ512の支持軸530及び第4ローラ24の回転軸241を上下方向に移動させることにより、上下封緘ローラ512,511の周面における隙間及び第3、第4ローラ23,24の押圧部54における隙間を変化させ、プレス圧及び封緘圧を調整することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、封緘圧調整機構53,53aを備えているが、封緘圧調整機構53,53aを備えないこととしてもよい。この場合、シート折畳接着装置100,100aが、プレス圧調整機構70を備えているか否かに係らず、シート押圧ローラにおけるプレス圧よりも、封緘ローラ51における封緘圧の方が高くなるように、封緘圧を設定しておけばよい。