JP6446183B2 - ゲル状食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、15〜50℃で水に溶解させることができるゲル化剤製剤に関する。また、本発明は、水へのゲル化剤の溶解を15〜50℃で行って得られるゲル状食品及び水へのゲル化剤の溶解を15〜50℃で行うゲル状食品の製造方法に関する
従来より、ゼリー、ジュレ、ムース等のゲル状食品の製造には、カラギナンが、ゲル化剤として用いられていた。例えば、ゼリーの製造では、カラギナン及びその他のゼリー原料を水に添加し加熱して溶解又は分散させてから、得られるゼリー原料混合物を冷却して、ゼリーを得る。このとき、カラギナンは常温では溶解し難いので、水へ溶解させるためには、ゼリー原料混合物を60〜80℃に加熱する必要がある。
ゼリー原料混合物を60〜80℃に加熱する場合、加熱のときには、加熱のための熱エネルギーと時間が必要となり、また、60〜80℃と温度が高い混合物を冷却するため、冷却手段での冷却エネルギーが多くかかり、また、冷却時間も長くなる。
そのため、ゼリー、ジュレ、ムース等のゲル状食品の製造では、ゲル状食品原料の水への溶解又は分散を、15〜50℃の低温で行えることが望まれる。
そこで、特許文献1では、κカラギナンをナトリウム型の塩にして、低温での溶解性を持たせ、10〜30℃で溶解させている。
特開昭59−162847号公報(実施例)
しかし、本発明者らが検討したところ、ゲル化剤として、ナトリウム型のκカラギナンを用いたのでは、水への溶解時にダマになったり、ゲル化速度が速すぎるため、撹拌時にゲル化したゲルが撹拌によって壊されたりするという問題があることがわかった。更に、ナトリウム型のκカラギナンに代えて、カリウム型のκカラギナンを用いることについて、検討をしたところ、この場合には、ナトリウム塩を特定の範囲で加えることにより、ゲル化物が得られるものの、得られるゲル化物のゲル強度が高く、硬い食感となることがわかった。
ゲル状食品には、硬い食感が要求される場合も、反対に、柔らかい食感が要求される場合もある。そして、硬い食感のゲル状食品が要求されているのであれば、上記の手法を採用すればよい。それに対して、柔らかい食感のゲル状食品が要求されている場合には、新たな手法が必要である。
従って、本発明の目的は、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができるゲル化剤製剤を提供することにある。また、本発明の目的は、柔らかい食感のゲル状食品を提供することにある。
このような上記課題は、以下の本発明によって解決される。
すなわち、本発明()は、ゲル状食品原料を、水に混合し15〜50℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る溶解分散工程と、該ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃で冷却して、ゲル強度が1〜11g/cm 2 であるゲル状食品を得る冷却工程と、を有するゲル状食品の製造方法であり、
該溶解分散工程において、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)と、を水に混合し、
該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.20〜0.90質量%であり、
該タラガムの混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.05〜0.70質量%であり、
該カリウム型を主とするκカラギナンと該タラガムの合計混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.30〜0.95質量%であり、
該タラガムの混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、10〜300質量部であり、
該ナトリウム塩(A)の混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、25〜600質量部であること、
を特徴とするゲル状食品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができるゲル化剤製剤を提供することができる。また、本発明によれば、柔らかい食感のゲル状食品を提供することができる。
本発明のゲル化剤製剤は、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)と、を含有し、
該カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対する該タラガムの含有量が、10〜300質量部であり、該カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対する該ナトリウム塩(A)の含有量が、25〜600質量部であること、
を特徴とするゲル化剤製剤である。
カラギナンは、含硫黄多糖類である。カラギナンには、κカラギナン、ιカラギナン、λカラギナンがあるが、本発明のゲル化剤製剤に用いられるカラギナンは、カリウム型を主とするκカラギナンである。そして、本発明のゲル化剤製剤に係るカリウム型を主とするκカラギナンは、κカラギナンのカウンターカチオンのうち、主なカウンターカチオンがカリウムイオンであり、全カウンターカチオンに占めるカリウムイオンの割合が、50質量%以上、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは85〜100質量%であるκカラギナンである。カリウム型を主とするκカラギナンのカリウム含有量は、3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。カリウム型を主とするκカラギナン中のカウンターカチオンは、カリウムイオンが主であるが、カリウム型を主とするκカラギナン中には、カウンターカチオンがナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウム、鉄等である部分が存在していてもよい。つまり、上記カリウム量を満たすのであれば、カリウム型を主とするκカラギナンは、カリウム以外に、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄等を含有していてもよい。
本発明のゲル化剤製剤に係るタラガムは、多糖類であり、食品添加物として用いられるものであれば、特に制限されない。本発明のゲル化剤製剤では、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナンだけでなく、タラガムも用いることにより、ゲル化剤としてカリウム型を主とするκカラギナンのみを用いる場合に比べて、弾力があるため柔らかい食感にすることができる。
本発明のゲル化剤製剤に係るナトリウム塩(A)としては、塩化ナトリウム、ナトリウムの酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩が挙げられる。すなわち、ナトリウム塩(A)は、塩化ナトリウム(食塩)、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムである。そして、本発明のゲル化剤製剤に係るナトリウム塩(A)としては、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムが好ましい。
本発明のゲル化剤製剤において、カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するタラガムの含有量は、10〜300質量部、好ましくは10〜200質量部である。カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するタラガムの含有量が上記範囲にあることにより、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができる。一方、カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するタラガムの含有量が、上記範囲未満だと、ゲル状食品の食感が硬くもろく崩れるような食感なり、また、上記範囲を超えると、ゲル状食品原料混合物がゲル化しなくなるか、ゲル強度が低くなり過ぎる。
本発明のゲル化剤製剤において、カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するナトリウム塩(A)の含有量は、25〜600質量部、好ましくは50〜200質量部である。カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するナトリウム塩(A)の含有量が上記範囲にあることにより、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができる。一方、カリウム型を主とするκカラギナン100質量部に対するナトリウム塩(A)の含有量が、上記範囲未満だと、ゲル状食品原料混合物がゲル化しなくなり、また、上記範囲を超えると、ゲル状食品原料混合物がゲル化しないか、ゲル強度が低くなり過ぎる。
なお、本発明において、ナトリウム塩(A)が水和水を有する等の理由で、水分を含む場合、ナトリウム塩(A)の含有量又は混合量の算出に当たっては、ナトリウム塩(A)中の水の量を除外して、ナトリウム塩(A)の含有量又は混合量を計算する。
本発明のゲル化剤製剤は、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)以外に、必要に応じて、種々の添加剤成分を含有することができる。
例えば、本発明のゲル化剤製剤は、pHの調節を目的として、酸を含有することができる。本発明のゲル化剤製剤に含有される酸としては、食品添加物として用いられるものであれば、特に制限されず、クエン酸、乳酸、酢酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、アジピン酸、イタコン酸、グルコノデルタラクトン、酒石酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられ、これらのうち、クエン酸が好ましい。本発明のゲル化剤製剤が酸を含有する場合、酸の含有量は、ゲル状食品原料混合物のpHをいくつに調節するかにより、適宜選択される。
また、本発明のゲル化剤製剤は、香料、着色料、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、甘味料、蛋白、脂質、アルコールを、添加剤成分として含有することができる。なお、添加剤成分には、ゲル化に影響を与えるナトリウムイオン、カリウムイオン等を含むものものある。本発明のゲル化剤製剤が、そのようなゲル化に影響を与える添加剤成分を含有する場合には、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜、そのような添加剤成分を含有することができる。
本発明のゲル化剤製剤が用いられるゲル状食品は、水にゲル化剤及びその他のゲル状食品原料を混合し、溶解又は分散させた後、ゲル化させることにより得られるゲル化物であれば、特に制限されず、例えば、ゼリー、ジュレ、ムース等が挙げられる。
本発明のゲル化剤製剤の使用方法について説明する。先ず、15〜20℃程度の水に、本発明のゲル化剤製剤及びそれ以外のゲル状食品原料を混合する。このとき、カリウム型を主とするκカラギナン塩の混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.20〜0.90質量%、好ましくは0.30〜0.80質量%、且つ、タラガムの混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.05〜0.70質量%、好ましくは0.10〜0.60質量%、且つ、カリウム型を主とするκカラギナン塩とタラガムの合計混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.30〜0.95質量%、好ましくは0.40〜0.90質量%となるように、本発明のゲル化剤製剤の混合量を調節する。なお、本発明において、ゲル状食品原料とは、水以外のゲル状食品を製造するための原料成分を指し、砂糖、果汁、アルコール、香料、着色料、ゲル化剤、酸、金属塩、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、甘味料、蛋白、脂質等が挙げられ、ゲル状食品原料には、本発明のゲル化剤製剤も含まれる。
次いで、ゲル状食品原料が水に混合されたものを、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜30℃に加熱して、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)を水に溶解させると共に、それら以外のゲル状食品原料を水に溶解又は分散させて、ゲル状食品原料混合物を得る。次いで、ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃、好ましくは0〜12℃、特に好ましくは0〜10℃で冷却して、ゲル状食品原料混合物をゲル化させて、ゲル状食品を得る。
本発明のゲル化剤製剤は、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃と低温でも、水に溶解し、その後の冷却により、ゲル状食品原料混合物をゲル化させることができる。一方、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃の低温では溶解しない又は溶解量が低いゲル化剤を用いて、ゲル状食品製造のための原料混合物の調製を15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃で行った場合は、冷却後に良好にゲル化せずに良好なゲル状食品が得られないか、あるいは、ゲル状食品中にゲル化剤が粉状のままのこり、ざらついた食感となってしまう。
そして、本発明のゲル化剤製剤は、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)の含有量の割合を、上記特定の範囲とすることにより、ゲル状食品のゲル強度を、1〜11g/cm、好ましくは1〜8g/cmとすることができるので、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができる。なお、ゲル強度は、測定器のプランジャー直径、測定温度、プランジャー速度により、異なる値となるため、本発明におけるゲル強度とは、プランジャー直径が26mmの測定器を用いて、5℃、プランジャー速度60mm/分の条件で測定したときの値である。
また、本発明のゲル化剤製剤を用いることにより、透明なゲル状食品として許容される程度に透明なゲル状食品を得ることができる。
本発明のゲル状食品の製造方法は、ゲル状食品原料を、水に混合し15〜50℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る溶解分散工程と、該ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃で冷却して、ゲル状食品を得る冷却工程と、を有するゲル状食品の製造方法であり、
該溶解分散工程において、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)と、を水に混合し、
該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.20〜0.90質量%であり、
該タラガムの混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.05〜0.70質量%であり、
該カリウム型を主とするκカラギナンと該タラガムの合計混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.30〜0.95質量%であり、
該タラガムの混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、10〜300質量部であり、
該ナトリウム塩(A)の混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、25〜600質量部であること、
を特徴とするゲル状食品の製造方法である。
本発明のゲル状食品の製造方法は、溶解分散工程と、冷却工程と、を有する。
本発明のゲル状食品の製造方法に係る溶解分散工程は、ゲル状食品原料を、水に混合し15〜50℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る工程である。
溶解分散工程に係るゲル状食品原料は、水以外のゲル状食品を製造するための原料成分である。ゲル状食品原料としては、砂糖、果汁、アルコール、香料、着色料、ゲル化剤、酸、金属塩、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、甘味料、蛋白、脂質等が挙げられ、ゲル状食品の種類により適宜選択される。
溶解分散工程に係る水は、食品製造用の水であれば特に制限されない。また、溶解分散工程で、ゲル状食品原料を水に混合するときの水の温度は、特に制限はないが、好ましくは15〜20℃である。
溶解分散工程では、ゲル状食品原料を水に混合して、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る。この溶解分散工程では、ゲル化剤であるカリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)を、水に溶解させると共に、それら以外のゲル状食品原料を水に溶解又は分散させる。なお、本発明において、ゲル状食品原料混合物とは、ゲル状食品原料を水に混合し撹拌して、溶解又は分散させることにより得られる混合物のことである。溶解分散工程で、ゲル状食品原料を水に溶解又は分散させるための撹拌時間は、特に制限はないが、好ましくは30秒〜60分である。
溶解分散工程では、ゲル状食品原料として、少なくとも、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)を混合する。つまり、溶解分散工程では、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)を、必ず、ゲル状食品原料として用いる。なお、溶解分散工程では、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)以外に、ゲル状食品原料として、砂糖、果汁、アルコール、香料、着色料、酸、金属塩、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、甘味料、蛋白、脂質等を、ゲル状食品の種類に応じて、適宜、水に混合させることができる。これらの原料成分には、ゲル化に影響を与えるナトリウムイオン、カリウムイオン等を含むものものある。溶解分散工程において、そのようなゲル化に影響を与える原料成分を混合する場合には、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜、そのような原料成分を混合することができる。
溶解分散工程に係るカリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)は、本発明のゲル化剤製剤に係るカリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)と同様である。
溶解分散工程において、カリウム型を主とするκカラギナンの混合量は、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.20〜0.90質量%、好ましくは0.30〜0.80質量%、且つ、タラガムの混合量は、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.05〜0.70質量%、好ましくは0.10〜0.60質量%、且つ、カリウム型を主とするκカラギナンとタラガムの合計混合量は、ゲル状食品原料及び水の合計に対して、0.30〜0.95質量%、好ましくは0.40〜0.90質量%、且つ、タラガムの混合量は、カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、10〜300質量部、好ましくは30〜200質量部であり、且つ、ナトリウム塩(A)の混合量は、カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、25〜600質量部、好ましくは50〜200質量部である。カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)の混合量が、上記範囲にあることにより、柔らかい食感のゲル状食品が得られる。
冷却工程は、ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃、好ましくは0〜12℃、特に好ましくは0〜10℃で冷却して、ゲル状食品を得る工程である。冷却工程で、ゲル状食品原料混合物を冷却するときの冷却時間は、ゲル状食品原料の種類及び組み合わせにより、適宜選択されるが、通常、10分〜12時間、好ましくは30分〜12時間である。
溶解分散工程においてゲル食品原料を水に溶解又は分散させるときの温度と、冷却工程においてゲル食品原料混合物を冷却するときの冷却温度との差は、5℃以上、好ましくは10℃以上である。
本発明ゲル状食品の製造方法を行い得られるゲル状食品は、水にゲル化剤及びその他のゲル状食品原料を混合し、溶解又は分散させた後、ゲル化させることにより得られるゲル化物であれば、特に制限されず、例えば、ゼリー、ジュレ、ムース等が挙げられる。
本発明のゲル状食品の製造方法を行い得られるゲル状食品のゲル強度は、1〜11g/cm、好ましくは1〜8g/cmである。
本発明のゲル状食品の製造方法は、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナン及びタラガムを用いることにより、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃と低温でも、水にゲル化剤を溶解させることができ、その後の冷却により、ゲル状食品原料混合物をゲル化させて、ゲル状食品を得ることができる。そして、本発明のゲル状食品の製造方法では、カリウム型を主とするκカラギナン、タラガム及びナトリウム塩(A)の混合量の割合を、上記特定の範囲とすることにより、ゲル状食品のゲル強度を、1〜11g/cm、好ましくは1〜8g/cmとすることができるので、柔らかい食感のゲル状食品を得ることができる。また、本発明のゲル状食品の製造方法では、透明なゲル化食品として許容される程度に透明なゲル状食品を得ることができる。
本発明のゲル状食品は、ゲル状食品原料を、水に混合し15〜50℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る溶解分散工程と、該ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃で冷却して、ゲル状食品を得る冷却工程と、を行い得られるゲル状食品であり、
該溶解分散工程において、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)と、を水に混合し、
該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.20〜0.90質量%であり、
該タラガムの混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.05〜0.70質量%であり、
該カリウム型を主とするκカラギナンと該タラガムの合計混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.30〜0.95質量%であり、
該タラガムの混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、10〜300質量部であり、
該ナトリウム塩(A)の混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、25〜600質量部であること、
を特徴とするゲル状食品である。
本発明のゲル状食品に係る溶解分散工程、冷却工程及びゲル状食品は、本発明のゲル状食品の製造方法に係る溶解分散工程、冷却工程及びゲル状食品と同様である。
本発明のゲル状食品のゲル強度は、1〜11g/cm、好ましくは1〜8g/cmである。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1及び比較例1)
15〜20℃のイオン交換水に、カリウム型κカラギナン、タラガム、クエン酸三ナトリウムを、表1に示す混合割合となるように混合し、30℃まで加熱後、30℃で1分間撹拌を続け、原料溶液を調製した。次いで、調製した原料溶液を、ゼリーカップ(PP製70ml容器)に入れ、5℃の冷蔵庫内で、2時間静置冷却した。
次いで、冷却処理物を、冷蔵庫から取出し、外観を観察し、ゲル強度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1中の各ゲル状食品原料の混合量は、全ゲル状食品原料及びイオン交換水の合計量に対する各ゲル状食品原料の混合量の割合(質量%)である。
Figure 0006446183
1)カリウム型κカラギナン100質量部に対するタラガムの量(質量部)
2)カリウム型κカラギナン100質量部に対するクエン酸三ナトリウムの量(質量部)
3)液状又は柔らか過ぎたため、判定・測定せず。
Figure 0006446183
1)カリウム型κカラギナン100質量部に対するタラガムの量(質量部)
2)カリウム型κカラギナン100質量部に対するクエン酸三ナトリウムの量(質量部)
<原料>
・カリウム型κカラギナン:市販品、各種金属の含有量は表2に示す通り。
Figure 0006446183
・タラガム:市販品
・クエン酸三ナトリウム:純度99.0質量%以上
<ゲル強度の測定>
サン科学社製、型番CR200D、プランジャー直径が26mmの測定器を用いて、5℃、プランジャー速度60mm/分の条件で測定した。
<外観の評価>
外観を目視で観察し、透明なゲル状食品として許容される程度に透明な場合を「○」とした。
(実施例2及び比較例2)
15〜20℃のイオン交換水に、表3に示すゲル化剤、クエン酸、クエン酸三ナトリウムを、表3に示す混合割合となるように混合し、30℃まで加熱後、30℃で1分間撹拌を続け、原料溶液を調製した。次いで、調製した原料溶液を、ゼリーカップ(PP製70ml容器)に入れ、5℃の冷蔵庫内で、2時間静置冷却した。
次いで、冷却処理物を、冷蔵庫から取出し、外観を観察し、ゲル強度を測定した。その結果を表3に示す。
なお、表3中の各ゲル状食品原料の混合量は、全ゲル状食品原料及びイオン交換水の合計量に対する各ゲル状食品原料の混合量の割合(質量%)である。
Figure 0006446183
1)カリウム型κカラギナン100質量部に対するタラガムの量(質量部)
2)カリウム型κカラギナン100質量部に対するクエン酸ナトリウムの量(質量部)
3)液状又は柔らか過ぎたため、判定・測定せず。
<原料>
・カリウム型κカラギナン:実施例1及び比較例1で用いたものと同じ。
・タラガム:実施例1及び比較例1で用いたものと同じ。
・グアガム:市販品
・ローカストガム:市販品
・クエン酸:純度99.5質量%以上
・クエン酸三ナトリウム:純度99.0質量%以上
(実施例3及び比較例3)
15〜20℃のイオン交換水に、カリウム型κカラギナン、クエン酸、クエン酸三ナトリウムを、表4に示す混合割合となるように混合し、30℃まで加熱後、30℃で1分間撹拌を続け、原料溶液を調製した。次いで、調製した原料溶液を、ゼリーカップ(PP製70ml容器)に入れ、5℃の冷蔵庫内で、2時間静置冷却した。
次いで、冷却処理物を、冷蔵庫から取出し、外観を観察し、ゲル強度を測定した。その結果を表4に示す。
なお、表4中の各ゲル状食品原料の混合量は、全ゲル状食品原料及びイオン交換水の合計量に対する各ゲル状食品原料の混合量の割合(質量%)である。
Figure 0006446183
1)カリウム型κカラギナン100質量部に対するタラガムの量(質量部)
2)カリウム型κカラギナン100質量部に対するクエン酸ナトリウムの量(質量部)
3)液状又は柔らか過ぎたため、判定・測定せず。
<原料>
・カリウム型κカラギナン:実施例1及び比較例1で用いたものと同じ。
・タラガム:実施例1及び比較例1で用いたものと同じ。
・クエン酸:純度99.5質量%以上
・クエン酸三ナトリウム:純度99.0質量%以上
(比較例4)
15〜20℃のイオン交換水に、ナトリウム型κカラギナン、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、塩化カリウムを、表5に示す混合割合となるように混合し、30℃まで加熱後、30℃で1分間撹拌を続け、原料溶液を調製した。次いで、調製した原料溶液を、ゼリーカップ(PP製70ml容器)に入れ、5℃の冷蔵庫内で、2時間静置冷却した。
次いで、冷却処理物を、冷蔵庫から取出し、外観を観察し、ゲル強度を測定した。その結果を表5に示す。
なお、表5中の各ゲル状食品原料の混合量は、全ゲル状食品原料及びイオン交換水の合計量に対する各ゲル状食品原料の混合量の割合(質量%)である。
Figure 0006446183
1)ナトリウム型κカラギナン100質量部に対するタラガムの量(質量部)
2)ナトリウム型κカラギナン100質量部に対するクエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウムの量(質量部)
3)液状又は柔らか過ぎたため、判定・測定せず。
<原料>
・ナトリウム型κカラギナン:市販品
・タラガム:実施例1及び比較例1で用いたものと同じ。
・クエン酸:純度99.5質量%以上
・クエン酸ナトリウム:純度99.0質量%以上
・塩化カリウム:純度99.0質量%以上

Claims (1)

  1. ゲル状食品原料を、水に混合し15〜50℃で撹拌して、ゲル状食品原料混合物を得る溶解分散工程と、該ゲル状食品原料混合物を、0〜15℃で冷却して、ゲル強度が1〜11g/cm 2 であるゲル状食品を得る冷却工程と、を有するゲル状食品の製造方法であり、
    該溶解分散工程において、ゲル化剤として、カリウム型を主とするκカラギナンと、タラガムと、ナトリウム塩(A)と、を水に混合し、
    該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量が、ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.20〜0.90質量%であり、
    該タラガムの混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.05〜0.70質量%であり、
    該カリウム型を主とするκカラギナンと該タラガムの合計混合量が、該ゲル状食品原料及び水の合計に対し、0.30〜0.95質量%であり、
    該タラガムの混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、10〜300質量部であり、
    該ナトリウム塩(A)の混合量が、該カリウム型を主とするκカラギナンの混合量100質量部に対し、25〜600質量部であること、
    を特徴とするゲル状食品の製造方法。
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