JP6444860B2 - 金属コーティングを作製するための方法 - Google Patents

金属コーティングを作製するための方法

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Description

本発明は、イオン液体が電解質として使用される、金属の基材上への電着に関する。
イオン液体からの金属層の電着が、当技術分野において知られている。文献欧州特許第1322591号明細書には、たとえばCrCl.6HO−塩化コリン(2:1)の電解質組成物からの、クロムの鋼上への付着について記載されている。文献欧州特許第1322591号明細書で言及されているように、Cr層の接着は、不満足なものとなる場合がある。
電着によって金属コーティングを被着させる前に、基材を前処理することが当技術分野では知られている。前処理は、たとえば酸、たとえば希釈硫酸中でエッチングすることによって、またはイオン液体中で電気化学エッチングすることによって行うことができる。
米国特許出願公開第2011/0000793号明細書には、付着工程の前に、電気化学エッチングによって基材表面を洗浄することが開示されている。この洗浄は、基材表面から微視的な***、汚染物、および/または酸化物層を除去するために実施される。米国特許出願公開第2011/0000793号明細書によれば、この電気化学エッチングは、コーティングに使用されるものと同じイオン液体中で実施することができる。この前処理は、金属層の付着が行われる槽とは別個の槽中でも、同じ槽中でも実施することができる。しかし、米国特許出願公開第2011/0000793号明細書によれば、付着が行われる槽が、基材から除去された物質によって汚染されることを回避しなければならない。
欧州特許第1322591号明細書 米国特許出願公開第2011/0000793号明細書 国際公開第2007/093574号 国際公開第2009/016189号
本発明は、添付の特許請求の範囲に開示の、イオン液体から電着層を設ける方法、および特許請求の範囲の少なくとも一項に記載の方法に従って作製された金属コーティングを備える金属基材に関する。
本発明は、特に、イオン液体を電解質として用いて、金属コーティングを金属基材上に電気化学的に付着させるための方法であって、
− 適切なエッチング液体の槽(1)中で基材にエッチングを施すことによって、基材の表面を前処理するステップと、
− 前記コーティングを、前記イオン液体槽中で電気化学的な付着によって付着させるステップと
を含む、方法に関する。
本発明は、金属コーティングを作製するための方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の方法を使用すると、一般にコーティングの基材に対する良好な接着が得られる。本発明による工程によって得られる、コーティングの基材に対するこの良好な接着は、基材と金属コーティングとの間に形成された遷移層が存在するためであると考えられる。この遷移層は、共付着層(co−deposited layer)である。この遷移層は、基材材料に由来する化学元素(特に第1の金属元素)、ならびにコーティング材料の元素(特に第2の金属元素)を含む。遷移層の形成は、主に、エッチングによる前処理中に、エッチングによる前処理が行われるイオン液体中に放出された、基材の第1の金属元素の金属イオンによるものと考えられる。本発明によれば、第1の金属元素の金属イオンは、エッチングによる前処理ステップ後もこのイオン液体中に、好ましくは基材の近傍に残留する。次いで、(たとえば、電流を逆転させることによって)遷移層の付着が開始し、第1の金属元素の金属イオンが、イオン液体に由来する第2の元素の金属イオンとともに遷移層に組み込まれる。
したがって、従来技術による教示とは異なり、本発明による方法では、エッチングによる前処理中に基材から除去された第1の金属元素の金属イオンによって、エッチングによる前処理が行われたイオン液体が汚染されることはなく、むしろこのイオン液体が、遷移層を付着させるために使用されると、遷移層の有用な部分が形成されることになる。
既知の方法では、いかなる層の電着も開始する前に、前処理中に基材から除去された金属イオンを基材から遠ざけるための方策がとられることが多い。そのような方策とは、たとえば、前処理とは異なるイオン液体槽中でそのような層の電着を実施すること、エッチングによる前処理後に基材を洗い流すこと、エッチングによる前処理後、イオン液体中で基材表面にわたって強い流動を発生させること、かつ/またはエッチングによる前処理後、イオン液体中に乱流を生じることによるものである。しかし、本発明による方法では、エッチングによる前処理中に基材から除去された第1の金属元素の金属イオンは、エッチングによる前処理に使用され、かつその後の遷移層の付着のために使用されるイオン液体中に、好ましくは基材の近傍に残留し、したがって第1の金属元素のこれらの金属イオンは、コーティング材料で作成される実際のコーティングを付着させる前に付着させた遷移層に組み込まれる。
したがって、本発明による方法では、第1の金属元素の金属イオンが基材表面からエッチングによって除去される前処理と、第2の金属元素を含むコーティング材料で主に構成される実際のコーティングの電着との間に、ある方法ステップが存在する。このステップは、第1の金属元素と第2の金属元素との両方を含有した遷移層を付着させるステップである。
任意選択で、第2の金属元素は、コーティング材料の主成分であり、このことは第2の金属元素がコーティング材料の少なくとも40wt%までを構成することを意味する。
本発明によれば、エッチングによる前処理と、遷移層の付着とは、同じイオン液体中で行われ、したがってエッチングによる前処理中に基材から除去された第1の金属元素の金属イオンを受け取ったイオン液体中で行われ、この液体から第1の金属元素のこれらのイオンが、遷移層の付着に使用される。エッチングによる前処理中に第1の元素の金属イオンが基材から除去された後、これらの第1の元素の金属イオンの少なくとも幾分かが基材の近傍に残留すると有利であり、その理由は、それによって(少なくとも第1の金属元素と第2の金属元素との両方を含有した)遷移層が確実に形成され、かつ優れた品質を有することになるからである。
第1の金属元素の金属イオンが基材の近傍に確実に残留することになるおそらくは最も簡単な手法は、イオン液体を槽中に収容し、エッチングによる前処理と、遷移層の付着とをこのイオン液体槽中で実施することである。イオン液体は、好ましくはエッチングによる前処理と、遷移層の付着との間でこの槽から除去しない。好ましくは、基材は、エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間でこのイオン液体槽中に保持される。あるいは、エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間で、基材をイオン液体槽から取り出す場合、好ましくは、この基材は、エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間で洗い流さない。
任意選択で、基材は、エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間で、イオン液体槽の内部の同じ位置に保持する。
好ましくは、遷移層の付着中、かつコーティングの付着中に、基材表面にわたってイオン液体を僅かに流動させる。基材表面にわたるイオン液体の流量は、基材表面から第1の金属元素のイオンが洗い流されることが阻止されるほど十分小さくなるように選択され、したがって十分な量の第1の金属元素のイオンが、遷移層に組み込まれるように、基材表面の近傍に確実に残留することになる。しかし、この流量は、基材の加熱が望ましくないレベルとなるのを阻止するほどには十分大きく、かつ十分な量の第2の金属元素のイオンが、遷移層またはコーティングに組み込まれるように基材表面に確実に供給されるほどには十分大きい。このことは、一般に、流量が、イオン液体からの電着に通常使用される流量の範囲のうち最も低い部分から選択されることになることを意味し、さらには値が、イオン液体からの電着に通常使用される流量の範囲のうち最も低い部分よりも低い値から選択されることになることを意味する。たとえば、流量の、基材の表面に対する速度は、1m/秒未満となる。
エッチングによる前処理は、好ましくは電気化学エッチングによって行われる。電気化学エッチングには、無電解エッチングと、基材と対向電極との間で電圧差が生じるエッチングとの両方が含まれる。あるいは、またはさらに、エッチングによる前処理は、化学エッチングによって実施される。その場合、たとえばイオン液体自体が化学エッチング液として機能し、または化学エッチングを生じさせる添加剤がイオン液体に添加されている。
任意選択で、基材は、エッチングによる前処理の前に、脱脂および/または洗浄される。
遷移層の付着後、コーティングを、電気化学的な付着によって遷移層上に付着させる。コーティングの付着は、イオン液体槽中で行われ、このイオン液体は、第2の金属元素の金属イオンを含有している。
コーティング層の付着は、前処理、および遷移層の付着と同じイオン液体槽中で行っても、異なる槽中で行ってもよい。
コーティングの付着を異なるイオン液体槽中で行う場合、好ましくは、コーティングの付着には、エッチングによる前処理、および遷移層の付着と同じ種類のイオン液体が使用される。エッチングによる前処理、および遷移層の付着に使用されたイオン液体を、コーティングの付着が行われる槽に移すことも考えられる。このように移すことによって、イオン液体中に幾分かの流動および/または乱流が導入されやすくなり、コーティング材料のイオン以外のいかなるイオンもイオン液体中でより一様に分散することになり、それによって基材付近のイオン濃度が低減することになり、そのようなイオンによる、コーティングの組成に対する影響が最小限に抑えられる。
コーティングの付着が、エッチングによる前処理、および遷移層の付着が行われた槽と同じ槽中で行われる場合、コーティングを付着させる前に、エッチングによる前処理、および遷移層の付着のために使用されたイオン液体を槽から除去し、新しいイオン液体と交換することができる。新しいイオン液体は、エッチングによる前処理、および遷移層の付着に使用されたイオン液体と同じ種類のものでも、異なる種類のものでもよい。しかし、異なる種類のイオン液体が使用される場合、エッチングによる前処理、および遷移層の付着のために使用されるイオン液体と、コーティングを付着させるために使用されるイオン液体とはどちらも、第2の金属元素の金属イオンを含有することに留意されたい。
コーティングの付着が、エッチングによる前処理、および遷移層の付着が行われた槽と同じ槽中で行われる場合、エッチングによる前処理、および遷移層の付着のために使用されたイオン液体を、コーティングの付着にも同様に使用することができる。任意選択で、コーティングの付着中、コーティング材料のイオン以外のいかなるイオンもイオン液体中でより一様に分散するように、遷移層の付着後、基材表面にわたるイオン液体の流量を増大させ、それによって基材付近のイオン濃度を低減させる。こうすることによって、そのようなイオンによる、コーティングの組成に対する影響が最小限に抑えられる。
本発明による方法は、Feが第1の金属元素であり、コーティング材料として、たとえば粒子の形のクロムおよび/またはクロム合金および/またはクロムとさらに他の元素(たとえばシリカまたは黒鉛)との組合せのコーティングを有し、このコーティング材料が、第2の金属元素としてクロム(Cr)を有する、鋼基材を設けるのに適していることが、実験によって示された。任意選択で、コーティングは、クロム(III)のイオンを含有したイオン液体から付着させる。任意選択で、コーティングは、クロム(Cr)を少なくとも40wt%含む。
任意選択で、コーティングを付着させるイオン液体は、第2の金属元素の金属イオンだけでなく、1種または複数種のさらに他の元素も含有する。さらに他の元素は、たとえば粒子の形でも、イオンの形でも存在し得る。さらに他の元素の例は、シリカ、たとえば非晶質シリカ、黒鉛、またはたとえば第3の金属元素である。そのような第3の金属元素は、任意選択で、第1の金属元素とは異なる元素である。任意選択で、1種または複数種のさらに他の元素が、コーティングに組み込まれる。たとえば、第3の金属元素は、コーティング材料である合金の組成の一部である。または、別の例では、さらに他の元素の粒子が、コーティングに組み込まれる(たとえばクロムコーティング中のシリカ粒子、またはクロムコーティング中の黒鉛粒子)。
コーティングの接着効果の向上は、遷移層がある厚さを有するときに最も顕著となる。たとえば、基材が鋼で作成され、コーティング材料がクロムまたはクロム合金またはさらに他の元素を有するクロムである、またはそれらを含む状況では、遷移層の厚さは、好ましくは少なくとも約0.15μmである。一般に、好ましくは、遷移層の厚さは、約0.15μm〜5μmの間であり、より好ましくは、遷移層の厚さは、約0.3μm〜約2.5μmの間である。より厚い遷移層もやはり、可能である。そのような厚さの遷移層は、コーティングの基材に対する良好な接着を示した。
本発明による方法によって、好ましくは厚さにわたって組成が変動し、好ましくは組成が次第に変動する遷移層を得ることができる。その場合、基材付近では、遷移層の組成のうち第1の金属元素の百分率はかなり高くなり得、一方遷移層の組成のうち第2の金属元素の百分率はかなり低くなる。たとえば、基材付近では、第1の元素は組成の約80%となり、第2の元素は組成の約20%となり得る。コーティングの付着後、その実際のコーティングが存在することになる箇所付近の遷移層外側では、百分率はその逆となり、すなわち遷移層の組成のうち第1の金属元素の百分率はかなり低くなり得、一方遷移層の組成のうち第2の金属元素の百分率はかなり高くなる。たとえば、第1の元素は組成の約20%となり、第2の元素は組成の約80%となり得る。第1の金属元素の百分率と、第2の金属元素の百分率との比率は、好ましくは遷移層の厚さにわたって次第に変動する。
一般に、エッチング前処理のために、基材と対向電極との間で電圧差が生じる電気化学エッチングが使用される場合、前処理の少なくとも2つの工程パラメータが、遷移層の厚さに影響を及ぼすことが判明している。これら2つのパラメータとは、この種の電気化学エッチングによる前処理中に適用されるエッチング時間および電流密度である。それらの2つのパラメータの他に、遷移層、および/または遷移層とコーティング層とを合わせた付着時間が、本発明による方法で得られる結果に影響を及ぼし得る。エッチング時間とは、エッチングによる前処理の持続時間である。遷移層の付着時間とは、遷移層の電気化学的な付着ステップの持続時間である。遷移層とコーティング層とを合わせた付着時間とは、遷移層を電気化学的に付着させる方法ステップと、コーティングを電気化学的に付着させる方法ステップとを合わせた持続時間である。
一般に、遷移層の厚さは、エッチング時間が増加すると増大することが判明している。エッチング時間が長くなるほど、より多くの第1の金属元素の金属イオンが基材から放出されることになり、したがってそれらのイオンのより多くが遷移層に組み込まれるのに利用可能となる。
5〜240秒のエッチング時間で、コーティングが良好に接着する遷移層が得られることが実験により示された。
一般に、最初は、電気化学エッチングによる前処理中に印加される電流密度のレベルが増大すると、遷移層の厚さも増大する。しかし、エッチング電流密度がある値を超えると、遷移層の厚さは、再度低減するように思われる。
一般に、遷移層の厚さはまた、付着時間とともに増大するが、実際には、たとえば遷移層に組み込むのに利用可能な第1の金属元素の金属イオンの量に依存して、最大値が存在することになる。
一般に、遷移層とコーティングとを合わせた厚さは、遷移層とコーティング層とを合わせた付着時間が増加すると増大する。コーティングの厚さは、コーティングのための付着時間を増加させることによって、増大させることができる。
エッチングによる前処理、および遷移層の付着の工程パラメータは、得られるコーティングの品質に影響を及ぼし得る。エッチングによる前処理、および遷移層の付着の工程パラメータは、たとえばコーティングのピットの量(コーティング表面のピットの寸法および数)に影響を及ぼし得る。
基材と対向電極との間で電圧差が生じる種類の電気化学エッチングによる前処理、および遷移層の付着の工程パラメータ、特にエッチング時間、およびエッチング電流密度の工程パラメータには最適値があるようであることが、実験によって示された。エッチング時間、および電流密度は、十分な厚さの遷移層が得られるように、第1の金属元素の金属イオンが基材表面からイオン液体中に十分に放出されることが確実となり、かつ、基材表面上のいかなる金属酸化物皮膜も十分な程度に除去されることが確実となるように、十分高くなければならない(基材表面全体にわたって、または局所的に、金属酸化物が多く残りすぎると、コーティングの良好な接着が阻止されることがある)。一方、エッチング時間、およびエッチング電流密度は、たとえば、基材表面のエッチングが局所的に増大したため、コーティングのピットが許容可能なレベルを超えて発生するほど高くてはならない。
たとえば、エッチング時間が5〜240秒で、一般にコーティング層の良好な接着が得られることが観察されたが、電気化学エッチングによる基材の前処理に、60秒以上のエッチング時間が使用されると、コーティング表面のピットがすでに発生し始めた。しかし、60秒から少なくとも90秒までのエッチング時間では、ピットはなおも許容可能なレベルであった。
基材と対向電極との間で電圧差が生じる種類の電気化学エッチングによる前処理中のエッチング時間および電流密度はともに、エッチング強度に影響を及ぼす。エッチング時間が長いほど、エッチング工程はより強くなる。また、電気化学エッチングによる前処理中の電流密度が高いほど、エッチング工程はより強くなる。電気化学エッチングによる前処理が強すぎた場合、コーティングにピットが発生し得ることが実験によって示された。したがって、コーティングのピットを防止するために、エッチングによる前処理中、エッチング時間または電流密度のいずれかを制限する必要がある。
下記の表は、実験中に判明した、本発明の一実施形態における、エッチング時間と、電流密度の適切な範囲との関係を示す。
本発明の実施可能な実施形態では、電気化学エッチングによる前処理のエッチング電流密度は、5A/dm〜22A/dmの間であり、電気化学エッチングによる前処理のエッチング時間は、20秒〜80秒の間、好ましくは40秒〜60秒の間である。一実験では、本実施形態は、遷移層とコーティングとをともに電気化学的に付着させるための付着時間を8〜12分の間、任意選択で10分で実施した。しかし、この付着時間は、所望されるコーティングの厚さに依存する。
本発明によれば、前処理ステップは、好ましくは電気化学エッチングであり、エッチング液体は、イオン液体である。
本発明の一実施形態では、エッチングによる前処理のために使用されるイオン液体は、コーティングの付着のために使用されるイオン液体と同じ種類のものでよい。後者の場合、エッチングによる前記前処理と、コーティングの付着とは、前記イオン液体の同じ槽中で実施することができ、基材は、エッチングによる前処理と、コーティングの付着との間で前記槽から取り出さない。エッチングによる前処理と、遷移層の付着とは、同じイオン液体中で行われる。
別の実施形態によれば、エッチングによる前処理は、コーティングの付着とは異なる別のイオン液体槽中で実施される。
本発明の一実施形態では、基材と対向電極との間で電圧差が生じる種類の電気化学エッチングの場合、この電気化学エッチングによる前処理中に印加されるエッチング電流密度は5A/dm〜150A/dmの間であり、エッチング時間は5秒〜500秒の間である。
より具体的な実施形態によれば、エッチング電流密度は5A/dm〜100A/dmの間であり、かつ/またはエッチング時間は5秒〜400秒の間である。さらなる実施形態によれば、エッチング電流密度は5A/dm〜50A/dmの間であり、かつ/またはエッチング時間は5秒〜250秒の間である。さらなる実施形態によれば、エッチング電流密度は5A/dm〜40A/dmの間、任意選択で5A/dm〜35A/dmの間である。
一実施形態によれば、エッチング時間の範囲の少なくとも一部分において、エッチング電流密度は、5A/dmから、エッチング時間の増大の関数として低減し、任意選択で線形に低減した、ある値までの間である。
一実施形態によれば、基材は、エッチングステップと付着ステップとの間で洗い流さない。
本発明の一実施形態によれば、本発明の方法で被着させる金属コーティングは、クロムコーティングまたはクロム合金コーティングまたはクロムと少なくとも1種のさらに他の元素とを含むコーティングでよい。特に、コーティング材料は、クロム(III)のイオンを含有したイオン液体から付着させることができる。本実施形態では、使用される前記イオン液体は、塩化コリンとCrCl.6HOとからなる、またはそれらを含む混合物であり、このイオン液体を、エッチングおよびコーティングの付着のために使用することができる。任意選択で、そのようなイオン液体は、添加剤をさらに含有する。
あるいは、国際公開第2007/093574号または国際公開第2009/016189号に記載のようなイオン液体、たとえば塩化コリンとコリンサッカリネート(choline saccharinate)との混合物の形のイオン液体を、本発明の実施形態に使用してもよい。
本発明の方法では、コーティングをその上に被着させる基材は、鋼基材でよい。
本発明は、本発明による方法に従って作製された金属コーティングを備える金属基材にも等しく関し、この基材は、前記基材の主成分である第1の金属元素を含み、このコーティングは、第2の金属元素を含み、前記第2の金属元素は、好ましくはこのコーティングの主成分であり、遷移層が、基材とコーティングとの間に存在し、前記遷移層は、ある厚さを有し、第1の金属元素の濃度は、高値から低値へと、好ましくは基材からコーティングの方へと次第に減少するプロファイルに従って変動し、第2の金属元素の濃度は、高値から低値へと、好ましくはコーティングから基材の方へと次第に減少するプロファイルに従って変動する。
本発明の方法で必要となる器具の概略図である。 クロムコーティングを付着させるために適用された本発明の方法において形成された遷移層を、いくつかの元素(Fe、Cr、Oなど)の定量分析を示すEDX(Energy−dispersive X−ray spectroscopy、エネルギー分散型X線分析法)プロファイルとの組合せで示す、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)画像である。 クロムコーティングを付着させるために適用された本発明の方法において、様々なエッチング電流密度について、遷移層の厚さをエッチング時間の関数として表すグラフである。 クロムコーティングを付着させるために適用された本発明の方法において、様々なエッチング時間値について、遷移層の厚さをエッチング電流密度の関数として表すグラフである。 エッチング時間およびエッチング電流密度に関して、本発明の方法によって得られるCrコーティングの良好な接着が、優れた表面品質と併せて得られる適切なパラメータの組合せを示す図である。
本発明によれば、金属コーティングを基材に付着させる前に、コーティングすべき金属基材上での前処理としてエッチングステップが実施される。少なくともこの付着ステップは、イオン液体槽中に基材を浸漬させることによって実行され、前記イオン液体は、コーティングを形成する金属源または金属源の少なくとも1種である。エッチングステップは、基材を液体中に浸漬させ、それによって基材に含有される少なくとも1種の金属元素の一部分を溶解させることによって実施される。この液体は、化学エッチング液でも、電解質液でもよく、電解質液の場合、エッチングは電気化学エッチングである。前記電気化学エッチングは、無電解エッチングでもよく、その場合、このエッチングは、外部電圧を基材に印加せずに行われる。異なる実施形態によれば、電気化学エッチングは、基材と対向電極との間で電圧差を印加することによって行われ、この対向電極は、基材とともに電解質の槽中に浸漬される。
基材をイオン液体中に浸漬させることによる電気化学的な付着は、無電解めっきによって行うこともでき、その場合外部電圧が基材に印加されない。
あるいは、基材を、対向電極とともに前記イオン液体中に浸漬させ、基材と対向電極との間で外部電圧を印加し、それによって金属コーティングの電着を生じさせ、前記コーティングの主組成元素および/または他の元素は、イオン液体中に存在する金属イオンに由来する(またはおそらくは、イオン液体ではなく、またはイオン液体に加えて、可溶性の対向電極に由来する)。
好ましい実施形態によれば、一方のエッチングによる前処理および遷移層の付着と、他方のコーティングの付着とが、同じ種類のイオン液体中で行われる。このことは、たとえば次の選択肢の1つを意味する。
− エッチングによる前処理および遷移層の付着、ならびにコーティングの付着を、同じイオン液体槽中で実施し、基材は、エッチングと遷移層の付着との間で槽から取り出さず、また、遷移層の付着とコーティングの付着との間でも取り出さない。
− エッチングによる前処理および遷移層の付着を、コーティングの付着とは異なるイオン液体槽中で実施し、第1の槽中のイオン液体と、第2の槽中のイオン液体とを同じにする。
− エッチングによる前処理および遷移層の付着を、コーティングの付着とは異なるイオン液体槽中で実施し、第1の槽中のイオン液体の主成分(すなわち不純物レベルを超えて存在する成分)と、第2の槽中のイオン液体の主成分とを同じにするが、前記主成分の濃度を異ならせる。
たとえば、イオン液体は、塩化コリンとCrCl.6HOとの混合物、または国際公開第2007/093574号もしくは国際公開第2009/016189号に開示のイオン液体からなる、またはそれらを含むことができ、基材は、鋼シートもしくは鋼ストリップ、または鋼ロールなどの他のいかなる基材でもよい。次の目的は、クロムコーティングを、前記混合物の槽から電着(無電解または電解)によって鋼基材上に形成することである。本明細書では、「クロムコーティング」という用語は、純粋なCrコーティング、ならびにCr合金コーティング、およびCrをさらに他の元素とともに含むコーティング、たとえばCrとシリカ、および/またはCrと黒鉛を含むコーティングを含めて、Crを、任意選択で主成分として含むコーティングとして理解されたい。
図1は、本発明による電気化学エッチングおよび付着を実施するために必要となる要素の概略図を示す。イオン液体2が充填された槽1が設けられる。コーティングすべき基材3が、この液体槽中に挿入され、対向電極4がこの槽中に同じく挿入される。Crを鋼上に付着させる場合、対向電極は、クロムもしくはクロム合金電極、または当技術分野で既知のいわゆる寸法安定性陽極(DSA:Dimensionally Stable Anode)などの非活性アノードでも、それら両方の組合せでもよい。電源5が、基材と対向電極とに接続され、それら2つの間で正または負の電圧差を印加することが可能となるように構成されている。コーティングを金属基材上に付着させるには、基材を電源の負極端子に接続し、対向電極を正極端子に接続する。鋼をエッチングする、すなわち鋼基材表面からFeおよび/または酸化物を除去するには、それらの接続を反転させる。これらの現象の基礎となる電気化学反応は、当業者であれば既知であり、本明細書では詳細には説明しないこととする。エッチングステップと、付着ステップとはどちらも、好ましくは同じ種類のイオン液体中で、任意選択で同じ槽中で行われ、好ましくはそれらの方法ステップ間で基材を槽から取り出さない。それらのステップ間で基材を取り出す場合には、好ましくは前記ステップ間で、基材を洗い流さない。本発明による方法を用いると、コーティングの良好な接着を得ることが可能となることが判明した。
電流密度、およびエッチング時間は、基材と対向電極との間で電圧差が生じる種類の電気化学エッチングによる前処理における関連パラメータである。エッチング電流密度は、好ましくは5〜150A/dmの間である。別の実施形態によれば、電流密度は5〜100A/dmの間である。さらなる実施形態によれば、電流密度は5〜50A/dmの間、5〜40A/dmの間であり、任意選択で5〜35A/dmの間である。エッチング時間は、好ましくは5秒〜500秒の間であり、またはさらなる実施形態によれば、5秒〜400秒の間、もしくは5秒〜250秒の間である。
本発明の方法によって、一般に良好な接着性を有する金属コーティングが得られ、このことは、ストリップ状の基材に曲げ試験を施したときに、コーティングがその基材に接着したまま維持されるか否かの試験(本明細書においてさらに詳細に説明する)によって実証することができる。電流密度に関する上述の範囲はまた、基材と対向電極との間の電圧差の範囲としても同様に表すことができることが当業者には明白である。電流密度に関する好ましい条件はまた、定電位構成(電圧差が一定)によって、ならびに定電流構成(電流が一定)によって適用することができることもやはり明白である。第1のケースでは、エッチングまたは付着中に電流密度を変動させることができるように、定電位で維持される。しかし、電流密度は、一定に維持されないものの、上記の範囲内には確かに留まっているか否かについては容易に検証することができる。
接着性の向上は、遷移層が存在するためと思われ、この遷移層は、基材と金属コーティングとの間に形成される共付着層である。この遷移層は、Crコーティングを鋼基材上に付着させた場合の図2のSEM画像からわかるように、基材材料に由来する化学元素(第1の金属元素)、ならびにコーティング材料の元素(第2の金属元素)を含み、このSEM画像では、Feシグナルが基材からCr層へと徐々に減少し、一方Crシグナルは増大している。図2では、Cr層は、遷移層の付着後に付着させたコーティングである。本発明者らが試験したように、塩化コリンとCrCl.6HOとを含む混合物から、Crを電着によって鋼基材上に付着させる場合、前処理後、基材を電解槽から取り出し、別のイオン液体槽中で付着を実施する前に、基材を完全に洗い流すと、遷移層は形成されない。エッチング後、基材を洗い流さずに、別の液体中で付着を再度実施すると、遷移層は確かに形成される。遷移層の形成は、主に、エッチングによる前処理が行われたイオン液体中に残留した基材の金属イオンによって、特にエッチングによる前処理後に基材の近傍に残留した金属イオンによるものと考えられる。したがって、基材をエッチング槽から取り出し、付着ステップのために同じ、または別の槽に再度導入する場合、基材は、エッチングステップと、付着ステップとの間で洗い流さないことが好ましい。
遷移層の厚さは、電気化学エッチングによる前処理のエッチング時間、およびエッチング電流密度に依存することが判明した。エッチング時間を固定した場合、遷移層の厚さはエッチング電流密度の関数として最大値に達し、この最大値を超えると、表面にピットが形成されることによって金属コーティングの品質が低下し得る。したがって、エッチング時間および電流密度に関する上述のより広い範囲内に、良好な接着、ならびに優れたコーティング表面品質が確実に得られることになる、これらのパラメータの好ましい範囲が存在し得る。
上記の発見について、クロムコーティングを、塩化コリンとCrCl.6HOとを(モル比率2:1で)含む混合物から鋼基材上に付着させた場合について以下で説明する。遷移層とコーティングとを合わせた付着時間は10分または5分であった。前処理中の温度は、40℃であった(一般に、前記温度は好ましくは30〜60℃の間である)。対向電極は、クロム電極であった。第1の実験では、エッチング中、電流密度をいくつかの値に固定し、エッチング時間を変動させた。基材は、エッチングステップと付着ステップとの間でイオン液体槽中に保持しておいた。結果として得られた層の接着性について、既知の0T曲げ試験(規格NBN EN13523−7による)に従って、コーティングした試料を180°まで曲げることによって試験した。曲げ後、その曲げた頂部の表面について、コーティングがなおも存在し、よく接着しているかを見るために検査した。また、コーティングの表面外観についても評価した。
図3からわかるように、遷移層の厚さは、エッチング時間の関数として増大している。前処理なしでは、コーティングは、90°の曲げ角度でも曲げ部で基材から剥がれることになるという点で、曲げ試験にうまく合格していない。したがって、このコーティングは接着性がない。約5秒〜約240秒の間のエッチング時間では、コーティングは基材によく接着しているが、60秒を超えると、コーティング表面にピットが形成され、コーティングの品質が低下し始める。ピットの寸法および/または量は、エッチング時間に伴って増大する。ピットは、試料の曲げ中には形成されないが、コーティング工程後の完成したコーティング表面にすでに存在しているものである。コーティングの接着性は、エッチングによる前処理のエッチング時間が60秒を超えても良好なまま維持されている。
いくつかの一定のエッチング時間について、電気化学エッチングによる前処理のエッチング電流密度を変動させるという実験をさらに実施した。その結果を図4にまとめている。
この実験では、遷移層の厚さは、エッチング時間および付着時間に依存したある電流密度値で最大値に達し、エッチング時間が60秒、かつ遷移層とコーティングともの付着時間が10分で、最大電流密度は約22A/dmであり、この最大値は、エッチング時間が低くなり、かつ付着時間が低くなるほど、より高い電流密度値にシフトしている(遷移層とコーティングともの付着時間が5分の場合に対応する曲線からわかる)。しかし、本発明による方法を使用する際、どのコーティング付着時間を選択するかは、実際には、所望されるコーティング層の厚さに依存することになる。所望されるコーティングの厚さは、そのコーティングを備えることになる部品の種類、およびその部品に想定される用途に依存することになる。ある部品では、数マイクロメートルのコーティング厚さで十分となり、一方他の部品では、たとえば約30μm、または約50μmのコーティング厚さが所望されることになる。一般に、コーティング付着時間が長いほど、コーティングはより厚くなる。
図5は、上述の実験のCrでコーティングした試料に関するコーティング品質データをまとめたグラフであり、ここでは遷移層とコーティングを合わせた付着時間は10分であった。コーティングの品質を、目視検査および顕微鏡検査によって評価した。観察されたピットの数を数え、それらのピットの平均寸法を測定した。これら2つの係数の積を、図5の丸の寸法で表し、すなわち丸が大きいほど、品質が悪くなることを表している。ピットまたは亀裂が観察されなかった試料にもやはり、このグラフでは小値が与えてあり、というのはそうでないと可視化できないからである。これらの値は、黒円(凡例「コーティング良」)として記されている。このグラフでは、曲げたコーティングの品質が、適用したエッチング時間およびエッチング電流密度の関数として示されている。
これらの実験では、許容可能な品質に達するプロセスウィンドウが存在していることが図5からわかる。このウィンドウによれば、エッチング時間は、約80秒〜90秒よりも低くしなければならず、電流密度が増大すると、最大エッチング時間は低くなっていく。エッチング時間およびエッチング電流密度が低すぎると、表面を十分に前処理することができず(たとえば、すべての酸化物が除去されることにならない)、かつ/または、第1の金属元素のイオンがイオン液体中に十分に放出されないことがあり、そのため接着性が低い箇所(たとえばピットまたは小さい亀裂として観察することができる)が生じ、かつ/または遷移層が薄くなりすぎる結果となる。エッチング時間および/またはエッチング電流密度がそれよりも高いと(すなわち許容可能な領域の外側)、基材が局所的にエッチングされ、その結果、接着性はなおも許容可能なまま維持されるが、ピットが形成されることになる。
各エッチング時間について、最小電流密度および最大電流密度があり、許容可能な領域は、数値的に次のように記載することができる。5秒〜20秒の間のエッチング時間では、最小電流密度は7A/dmであり、最大電流密度は40A/dmである。40秒では、最小電流密度は7A/dmであり、最大電流密度は30A/dmである。20秒〜40秒の間のエッチング時間では、最大電流密度は、40A/dmから30A/dmに減少する。40秒を超えて約90秒までのエッチング時間では、最小電流密度は、約5A/dmになる。エッチング時間が45秒では、最大電流密度は約27A/dmであり、エッチング時間が60秒では、最大電流密度は約22A/dmであり、75秒では、最大電流密度は約15A/dmである。40秒から、約80〜90秒までの間のエッチング時間では、最大電流密度の値は、上記で示した値間の線形補間によって推定することができる。
本発明の効果を実証するために、いくつかの実験を実施した。これらの実験の2つ、およびそれらの結果について以下で説明する。
この実験では、電気化学エッチングによる前処理中のエッチング時間の影響について調べた。
鋼基材に、本発明による方法を施し、第1の金属元素は、Fe(鉄)であった。クロムコーティングをこの鋼基材上にCr(III)イオンから付着させ、Crは第2の金属元素であった。
電気化学エッチングによる前処理のために使用した同じイオン液体を、遷移層の付着、およびコーティングの付着にも使用した。イオン液体は、塩化コリンとCrCl.6HOとを含む混合物であった。基材は、電気化学エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間で槽から取り出さず、また、遷移層の付着と、コーティングの付着との間でもやはり、槽から取り出さなかった。本発明による方法のいかなるステップ間でも、基材を洗い流さなかった。
コーティングの付着後、この基材に0T曲げ試験(規格NBN EN13523−7による)を施し、基材を180°まで曲げた。この曲げ後、コーティング、およびこのコーティングの基材に対する接着性について検査した。
この実験では、工程パラメータとして次の値を使用した。
− エッチング時間:0秒(エッチングなし)〜240秒の間で変動させた
− エッチング電流密度:11A/dm
− 遷移層とコーティングの付着中の電流密度:20A/dm
− 遷移層とコーティングとを合わせた付着時間:5分
次の結果が得られた。
この実験では、電気化学エッチングによる前処理中のエッチング電流密度の影響について調べた。
鋼基材に、本発明による方法を施し、第1の金属元素は、Fe(鉄)であった。クロムコーティングをこの鋼基材上にCr(III)イオンから付着させ、Crは第2の金属元素であった。
電気化学エッチングによる前処理のために使用した同じイオン液体を、遷移層の付着、およびコーティングの付着にも使用した。イオン液体は、塩化コリンとCrCl.6HOとを含む混合物であった。基材は、電気化学エッチングによる前処理と、遷移層の付着との間で槽から取り出さず、また、遷移層の付着と、コーティングの付着との間でもやはり、槽から取り出さなかった。本発明による方法のいかなるステップ間でも、基材を洗い流さなかった。
コーティングの付着後、この基材に0T曲げ試験(規格NBN EN13523−7による)を施し、基材を180°まで曲げた。この曲げ後、コーティング、およびこのコーティングの基材に対する接着性について検査した。
この実験では、工程パラメータとして次の値を使用した。
− エッチング時間:60秒
− エッチング電流密度:0A/dm(エッチングなし)〜33A/dmの間で変動させた
− 遷移層とコーティングの付着中の電流密度:20A/dm
− 遷移層とコーティングとを合わせた付着時間:5分
次の結果が得られた。
本発明は、次の条項に規定される方法および金属基材にさらに関する。
条項
1. イオン液体(2)を電解質として用いて、金属コーティングを金属基材(3)上に電気化学的に付着させるための方法であって、
− 適切なエッチング液体の槽(1)中で前記基材にエッチングを施すことによって、前記基材の表面を前処理するステップと、
− 前記コーティングを、前記イオン液体槽中で電気化学的な付着によって付着させるステップと
を含む、方法。
2. 前記エッチングステップが、電気化学エッチングステップであり、前記エッチング液体が、イオン液体である、条項1に記載の方法。
3. 前記エッチング液体が、前記付着ステップで使用されるイオン液体と同じ種類のイオン液体である、条項2に記載の方法。
4. 前記エッチングステップと、前記付着ステップとが、前記イオン液体の同じ槽中で実施され、前記基材が、前記エッチングステップと、前記付着ステップとの間で前記槽から取り出されない、条項3に記載の方法。
5. 前記エッチングステップが、前記付着ステップとは別のイオン液体槽中で実施される、条項2または3に記載の方法。
6. 前記前処理ステップ中に印加されるエッチング電流密度が5A/dm〜150A/dmの間であり、エッチング時間が5秒〜500秒の間である、条項2から5のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記エッチング電流密度が5A/dm〜100A/dmの間であり、かつ/または前記エッチング時間が5秒〜400秒の間である、条項6に記載の方法。
8. 前記エッチング電流密度が5A/dm〜50A/dmの間であり、かつ/または前記エッチング時間が5秒〜250秒の間である、条項6に記載の方法。
9. 前記エッチング電流密度が5A/dm〜35A/dmの間である、条項8に記載の方法。
10. 前記エッチング時間の範囲の少なくとも一部分において、前記エッチング電流密度が、5A/dmから、エッチング時間の増大の関数として線形に低減した、ある値までの間である、条項6から9のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記基材が、前記エッチングステップと、前記付着ステップとの間で洗い流されない、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記金属コーティングが、クロムコーティングまたはクロム合金コーティングである、条項1から11のいずれか一項に記載の方法。
13. 同じイオン液体が、エッチングおよび付着のために使用され、前記イオン液体が、塩化コリンとCrCl.6HOとからなる、またはそれらを含む混合物である、条項12に記載の方法。
14. 前記基材が、鋼基材である、条項1から13のいずれか一項に記載の方法。
15. 条項1から14のいずれか一項に記載の方法に従って作製された金属コーティングを備える金属基材であって、前記基材が、前記基材の主成分である第1の金属元素を含み、前記コーティングが、前記コーティングの主成分である第2の金属元素を含み、遷移層が、前記基材と前記コーティングとの間に存在し、前記遷移層が、ある厚さを有し、前記第1の金属元素の濃度が、高値から低値へと前記基材から前記コーティングの方へと次第に減少するプロファイルに従って変動し、前記第2の金属元素の濃度が、高値から低値へと前記コーティングから前記基材の方へと次第に減少するプロファイルに従って変動する、金属コーティングを備える金属基材。
1 槽
2 イオン液体
3 基材
4 対向電極
5 電源

Claims (18)

  1. イオン液体(2)を電解質として用いて、金属コーティングを金属基材(3)上に電気化学的に付着させるための方法であって、基材が、前記基材の主成分である第1の金属元素を含み、前記コーティングが、主にコーティング材料から構成され、前記コーティング材料が、第2の金属元素を含み、
    − イオン液体中で基材にエッチングを施すことによって、基材の表面を前処理し、イオン液体が、第2の金属元素の金属イオンを含有し、前記エッチング中に基材から第1の金属元素の金属イオンが除去され、第1の金属元素の金属イオンが、イオン液体中に受け取られる、ステップと、
    − 遷移層を、前記イオン液体から電気化学的な付着によって基材上に付着させ、イオン液体が、エッチングステップ中に基材から除去された第1の金属元素の金属イオンと、第2の金属元素の金属イオンとを含有し、第1の金属元素からの金属イオンと、第2の金属元素の金属イオンとの両方が、基材上に付着させた遷移層に組み込まれる、ステップと、
    − コーティングを、第2の金属元素のイオンを含有したイオン液体からの電気化学的な付着によって遷移層上に付着させるステップと
    を含み、
    遷移層の付着中およびコーティングの付着中に、基材表面上でイオン液体が流動され、基材の表面上でのイオン液体の流速は1m/秒未満である、方法。
  2. 基材の表面を前処理するステップが、電気化学エッチングによって実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前処理および遷移層を付着させるために使用されるイオン液体が、槽(1)中に存在し、前処理ステップと、遷移層を付着させるステップとが、イオン液体の前記槽中で実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 基材が、前処理ステップと、遷移層を付着させるステップとの間で、前記槽(1)中に保持される、請求項3に記載の方法。
  5. 基材が、前処理ステップと、遷移層を付着させるステップとの間で洗い流されない、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. コーティングを付着させるステップが、前処理および遷移層の付着が実施された槽とは異なるイオン液体槽中で行われる、請求項3に記載の方法。
  7. コーティングを付着させるステップが、前処理および遷移層の付着が実施されたものと同じイオン液体中で行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第2の金属元素が、クロム(Cr)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. イオン液体が、塩化コリンとCrCl.6HOとからなる、またはそれらを含む混合物である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記基材が鋼基材であり、第1の金属元素が鉄(Fe)である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 付着させた遷移層が、0.15μm〜5μmの間の厚さを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. エッチングによる前処理の工程パラメータが、エッチング時間であり、エッチング時間が、5秒〜240秒の間である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 電気化学エッチングによる前処理の工程パラメータが、エッチング電流密度であり、エッチング電流密度が5A/dm〜22A/dmの間であり、電気化学エッチングによる前処理の他の工程パラメータが、エッチング時間であり、エッチング時間が、20秒〜80秒の間である、請求項2から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 電気化学エッチングによる前処理のエッチング電流密度が、5A/dm〜40A/dmの間である、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 電気化学エッチングによる前処理のエッチング時間の範囲の少なくとも一部分において、エッチング電流密度が、5A/dmから、エッチング時間の増大の関数として低減したある値までの間である、請求項2から14のいずれかに記載の方法。
  16. エッチング電流密度が、最小電流密度から最大電流密度までの間の範囲内のある値を有し、
    40秒超から90秒までのエッチング時間で、最小電流密度が5A/dmであり、
    5秒から40秒までのエッチング時間で、最小電流密度が7A/dmであり、
    5秒から20秒までのエッチング時間で、最大電流密度が40A/dmであり、
    40秒のエッチング時間で、最大電流密度が30A/dmであり、
    45秒のエッチング時間で、最大電流密度が27A/dmであり、
    60秒のエッチング時間で、最大電流密度が22A/dmであり、
    75秒のエッチング時間で、最大電流密度が15A/dmである、請求項2に記載の方法。
  17. 第2の金属元素が、イオン液体中にクロム(III)の形(Cr(III))で存在する、請求項8に記載の方法。
  18. 前記混合物が、添加剤を含む、請求項9に記載の方法。
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