JP6442638B1 - 2液混合常温硬化型舗装材及び弾性舗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定化学物質障害予防規則が適用されることなく、優れた硬化物物性と作業性を発揮し、硬化中の発泡が十分に抑制される2液混合常温硬化型舗装材を提供する。
【解決手段】本発明の2液混合常温硬化型舗装材は、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得たイソシアネート基末端プレポリマーを含み、未反応のジフェニルメタンジイソシアネートが1.0質量%未満である主剤と、90質量%以上のジメチルチオトルエンジアミンを含み、残部としてポリオール化合物は含まず、該残部は3,3’-ジクロロ-4-4’-ジアミノジフェニルアミン以外のポリアミン化合物である活性水素含有化合物からなる硬化剤と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、2液混合常温硬化型舗装材と、これを用いた弾性舗装方法に関する。
競技場、グラウンド、走路または歩行路などの舗装面を弾性舗装するために用いる2液混合常温硬化型舗装材として、従来、トリレンジイソシアネートとポリオールとを反応させて得たイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、3,3’-ジクロロ-4-4’-ジアミノジフェニルアミン(MOCA)とポリオールとの混合物を主成分とする硬化剤とを含む舗装材が知られている。上記主剤と上記硬化剤とを施工現場において混合して2液混合常温硬化型舗装材を作製し、当該舗装材を舗装面に塗布し、硬化させていた。
しかしながら、硬化剤中の主成分として使用するMOCAは、ヒトに対して恐らく発ガン性がある(International Agency for Research on Cancer)とされ、MOCAを含有する硬化剤の生産及び現場施工に際しては、健康に対する万全の防護措置が要求されている。
そこで特許文献1では、ヒトに対する発ガン性が無く、優れた機械的特性を有し、かつ適度な可使時間と硬化時間を示す2液混合常温硬化型舗装材として、トリレンジイソシアネート(TDI)とポリオールを反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含んでなる主剤と、硬化剤として塩素を含まない常温液状の芳香族ジアミンであるジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)とポリオキシアルキレンポリオールを所定の割合で用いた混合物からなる硬化剤と、を含む舗装材を開示している。
特開2001−139654号公報
特許文献1に記載の舗装材では、硬化剤の主成分とするポリアミン化合物に関して、MOCAに代えてDMTDAを用いることによって、ヒトに対する発ガン性が無く、優れた機械的特性を有し、かつ適度な可使時間と硬化時間を示すとされている。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1の舗装材には以下の問題があることが判明した。
特許文献1の舗装材では、トリレンジイソシアネート(TDI)の65質量%以上が2,4-トリレンジイソシアネートであるとされており、実施例においては、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)と2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)の80:20の混合物が用いられている。しかしながら、このようなトリレンジイソシアネートとポリオールとを反応させると、未反応のTDIが1質量%以上残ってしまうことがわかった。未反応のTDIは、アレルギーを引き起こす原因となるばかりでなく、1質量%以上含有する舗装材は、特定化学物質対象製品となり、特定化学物質障害予防規則が適用される。当該規則は、近年の改正によって室内のみならず屋外での舗装施工にも適用されることとなった。
また、特許文献1の舗装材では適度な可使時間と硬化時間を示すとされているものの、本発明者らの検討によると、この舗装材では主剤と硬化剤との混合後の粘度上昇が速く、実際の施工に際する作業性という観点では十分ではないことが判明した。さらに、特許文献1の舗装材では、作業環境によっては硬化の過程で発泡が認められ、舗装材として適切ではないと考えられる。
本発明は上記課題に鑑み、特定化学物質障害予防規則が適用されることなく、優れた硬化物物性と作業性を発揮し、硬化中の発泡が十分に抑制される2液混合常温硬化型舗装材と、これを用いた弾性舗装方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討したところ、以下の知見を得た。
まず、主剤に関しては、イソシアネート基末端プレポリマーを合成するための原料として使用するポリイソシアネート化合物として、特定化学物質であるTDIに代えて、特定化学物質ではないジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることとした。また、硬化剤となる活性水素基含有化合物としては、特許文献1と同様に、MOCAに代えてDMTDAを用いることとした。
しかしながら、単に主剤側のポリイソシアネート化合物としてMDIを用いて、硬化剤としてDMTDAを用いるのみでは、優れた硬化物物性と作業性を得ることはできなかったところ、それに加えて、主剤中の未反応のMDIを1.0質量%未満とすることによって、優れた硬化物物性と作業性を得ることができることがわかった。すなわち、MDIはそもそも特定化学物質ではないため、特定化学物質障害予防規則の適用を回避する観点からは、必ずしも未反応のMDIを1.0質量%未満とする必要がないものである。しかし、主剤中の未反応のMDIを1.0質量%未満とすることと、硬化剤となる活性水素基含有化合物としてDMTDAを用いることの組み合わせによって、主剤と硬化剤との混合後の粘度上昇のスピードを顕著に抑えることができ、実際の施工に際して作業性を顕著に向上することができることがわかった。
また、硬化剤となる活性水素基含有化合物としてポリオール化合物を用いないことによって、硬化中の発泡が十分に抑制されることがわかった。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)ジフェニルメタンジイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得たイソシアネート基末端プレポリマーを含み、未反応のジフェニルメタンジイソシアネートが1.0質量%未満である主剤と、
90質量%以上のジメチルチオトルエンジアミンを含み、残部としてポリオール化合物は含まず、該残部は3,3’-ジクロロ-4-4’-ジアミノジフェニルアミン以外のポリアミン化合物である活性水素基含有化合物からなる硬化剤と、
を含み、前記主剤におけるイソシアネート基と前記硬化剤におけるアミノ基との当量比が0.8〜1.5であることを特徴とする2液混合常温硬化型舗装材。
(2)有機酸を含む硬化促進剤を、前記主剤及び前記硬化剤の合計量に対して0.01〜3質量%含む、上記(1)に記載の2液混合常温硬化型舗装材。
(3)前記主剤及び前記硬化剤の合計量に対して10〜50質量%の充填材をさらに含む、上記(1)又は(2)に記載の2液混合常温硬化型舗装材。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の2液混合常温硬化型舗装材を舗装面に敷き均して、前記舗装材からなる塗布層を形成し、
該塗布層を硬化させて、前記舗装面上に樹脂硬化層を形成する
ことを特徴とする弾性舗装方法。
(5)前記2液混合常温硬化型舗装材に対して予め弾性チップを混合しておき、その後、前記舗装面に敷き均す、上記(4)に記載の弾性舗装方法。
(6)前記塗布層の硬化前に、前記塗布層に過剰量の弾性チップを散布し、
前記塗布層の硬化後に、前記塗布層に固定されなかった余剰弾性チップを回収する、上記(4)に記載の弾性塗装方法。
本発明の2液混合常温硬化型舗装材及び弾性舗装方法によれば、特定化学物質障害予防規則が適用されることなく、優れた硬化物物性と作業性を発揮し、硬化中の発泡が十分に抑制される。
本発明の一実施形態による弾性舗装方法によって得られる弾性舗装構造体100の模式断面図である。 本発明の他の実施形態による弾性舗装方法によって得られる弾性舗装構造体100の模式断面図である。 実験例2における舗装材の粘度上昇曲線を示すグラフである。
(2液混合常温硬化型舗装材)
本発明の一実施形態による2液混合常温硬化型舗装材は、主剤及び硬化剤を主たる成分として含み、さらに充填材(フィラー)と、可塑剤と、その他の添加剤とを含有してもよい。
[主剤]
本実施形態における主剤は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得たイソシアネート基末端プレポリマーを、主成分として含む。
<ポリイソシアネート化合物>
本実施形態では、イソシアネート基末端プレポリマーを合成するための原料として使用するポリイソシアネート化合物として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いる。
MDIには、2,2’-MDIと、2,4’-MDIと、4,4’-MDIの3種類の異性体が存在する。MDIの既存製品としては、99質量%以上が4,4’-MDIで構成された製品(製品例、三井化学SKCポリウレタン株式会社製 コスモネートPH)や、50質量%の2,4’-MDIと50質量%の4,4’-MDIからなる製品(製品例、BASF INOACポリウレタン株式会社製 Lupranate MI)を挙げることができる。
本実施形態においてイソシアネート基末端プレポリマーを合成するための原料として使用するMDI中の異性体の比率は特に限定されない。MDIではなくトリレンジイソシアネート(TDI)を用いる場合には、2,4体と2,6体の異性体比率は、主剤中の未反応のTDIの質量比率に影響を与える。しかしながら、MDIはTDIに比べて活性が高いため、主剤中の未反応のMDIの質量比率には大きな影響を与えることがなく、後述する所定の反応条件を採用することによって、異性体比率に依存せずに未反応のMDIを1.0質量%未満とすることができる。
<ポリオール化合物>
一般的に、イソシアネート基末端プレポリマーを合成するための原料として使用する活性水素基含有化合物としては、任意又は公知のポリオール化合物、ポリチオール化合物、及びポリアミン化合物を挙げることができるが、本実施形態では、ポリオール化合物を用いることとする。
ポリオール化合物としては、ヒドロキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、これらの混合ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよびペンタエリスリトールからなる群から選択される少なくとも1種に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびポリオキシテトラメチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。具体的には、ポリプロピレンエーテルジオール、ポリプロピレンエーテルトリオールが好適に例示される。
ポリエステルポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンおよびその他の低分子ポリオールからなる群から選択される少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸およびその他の脂肪族カルボン酸、ひまし油およびその他のヒドロキシカルボン酸ならびにオリゴマー酸からなる群から選択される少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体;等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子量のポリオール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;等が挙げられる。
このようなポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<主剤中の未反応のMDI>
本実施形態における主剤は、未反応のMDIが1.0質量%未満であることが肝要である。未反応のMDIが1.0質量%未満であることと、後述する硬化剤の特徴との組み合わせによって、主剤と硬化剤との混合後の粘度上昇のスピードを顕著に抑えることができ、実際の施工に際して作業性を顕著に向上することができる。
<ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との配合比及び反応条件>
ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との配合比は特に限定されないが、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO基)とポリオール化合物中の活性水素(H)との当量比(NCO/H)は、ポリオール化合物の分子量に応じて、未反応のMDIが1.0質量%以下になり得るように適切に設定することが好ましい。一実施形態として、当量比(NCO/H)は、イソシアネート基が理論上余らない2.0/1.0以下とすることができるが、2.0/1.0を多少超えた値でも、ポリオール化合物の分子量に応じて適切な上限値とすることによって、未反応のMDIを1.0質量%未満とすることができる。当量比(NCO/H)の好適な下限に関しては、ポリオール化合物に対して重合が過度に進み、作業性を害する製品粘度となることを回避する観点から、当量比(NCO/H)は1.7/1.0以上とすることが好ましい。
本実施形態では、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応条件のうち、特に反応温度が重要である。具体的には、反応温度を60℃以下とすることが好ましい。一般的にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応温度は100℃以上としていた。これに対して、本実施形態では、MDIとポリオール化合物とを反応温度60℃以下で反応させることによって、未反応のMDIを1.0質量%未満とすることができる。なお、MDIとポリオール化合物との反応を確実に進める観点から、反応温度は50℃以上とする必要がある。
なお、本実施形態における主剤は、上記の反応により得たイソシアネート基末端プレポリマーを主成分として含むが、主剤中の残部として、その他のイソシアネート基末端プレポリマーを含んでもよい。ただし、本発明の効果を十分に得る観点から、上記の反応により得たイソシアネート基末端プレポリマーは、主剤中の90質量%以上とすることが好ましい。また、その他のイソシアネート基末端プレポリマーとしては、特に限定されず、MDIよりも反応性の低い、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等を用いたウレタンプレポリマーを用いることができる。
[硬化剤]
一般的な2液混合常温硬化型舗装材において、硬化剤を構成する活性水素基含有化合物は、ヒドロキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選択される置換基を分子内に2個以上有する化合物である。このような化合物としては、例えば、ヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物、メルカプト基を2個以上有するポリチオール化合物、アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物等が挙げられる。
ただし、本実施形態においては、硬化剤を構成する活性水素基含有化合物は、ポリアミン化合物の一種であるジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)を90質量%以上含むものとし、一方で、同じくポリアミン化合物の一種である3,3’-ジクロロ-4-4’-ジアミノジフェニルアミン(MOCA)は含有しないものとする。MOCAも特定化学物質であることから、MOCAを含有しないことにより特定化学物質障害予防規則が適用されることがない。そして、MOCAに代えてDMTDAを用いることにより、MOCAを使用した硬化剤と同等の硬化物物性を得ることができる。さらに、硬化剤となる活性水素基含有化合物としてDMTDAを用いることと、前述した主剤中の未反応のMDIを1.0質量%未満とすることとを組み合わせることによって、主剤と硬化剤との混合後の粘度上昇のスピードを顕著に抑えることができ、実際の施工に際して作業性を顕著に向上することができる。
なお、本実施形態では、活性水素基含有化合物は実質的にDMTDAからなるものとするが、残部(すなわち10質量%以下)は、MOCA以外のポリアミン化合物であってもよい。MOCA以外のポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの脂肪族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミンなどの芳香族ポリアミン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、活性水素基含有化合物の残部としては、ポリオール化合物は含まないものとする。これにより、主剤と硬化剤の混合物の硬化過程において水分による発泡が大幅に軽減される。これは、主剤に含まれるイソシアネートに対する求核性が、ヒドロキシル基にくらべアミンの方が非常に高く、主剤と硬化剤を混合した系内でイソシアネートとアミンの反応が選択的に行われ、ほとんど水を反応しないからであると考えられる。
[主剤と硬化剤との混合比]
主剤と硬化剤との混合比に関しては、主剤におけるイソシアネート基と硬化剤におけるアミノ基との当量比が0.8〜1.5となるようにする。当量比が0.8未満の場合、イソシアネートが不足するため、硬化不良が発生し、目標の硬化物物性が出なくなり、当量比が1.5超えの場合、混合後のイソシアネートが過剰となり、空気中の水分との反応によって発泡する可能性が高くなる。より好適な当量比は、1.0〜1.3である。
[充填材]
本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材には、主剤と硬化剤に加えて、充填材(フィラー)を含んでもよい。充填材は、硬化剤中に添加することが好ましく、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレー、生石灰、カオリン、ゼオライト、けいそう土、微粉末シリカ、疎水性シリカ、カーボンブラック等の粉末の1種以上を用いることができる。充填材は、主剤と硬化剤の合計量に対して10〜50質量%の範囲で添加することが好ましい。
[可塑剤]
本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材には、主剤と硬化剤に加えて、可塑剤を含んでもよい。可塑剤は、主剤および/または硬化剤に添加することができる。可塑剤としては、二液硬化型ポリウレタン組成物に用いられる任意のものとすればよく、例えば、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリス(クロロエチル)フォスフェート(TCEP)、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート(TDCPP)、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられ、これらをそれぞれ単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。可塑剤は、その添加効果を得る観点から、主剤と硬化剤の合計量に対して5質量%以上添加することが好ましく、また、過剰添加によって可塑剤がブリードアウドを起こさないようにする観点から、主剤と硬化剤の合計量に対して30質量%以下の範囲で添加することが好ましく、20質量%以下がより好ましい。
[その他の添加剤]
本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材には、主剤と硬化剤に加えて、その他の添加剤を加えてもよい。その他の添加剤としては、硬化促進剤、分散剤、溶剤、酸化防止剤、着色剤、消泡剤が挙げられ、主剤および/または硬化剤に添加することができる。その他の添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で添加され、通常、主剤と硬化剤の合計量に対して5質量%以下で添加される。
硬化促進剤としては、例えば、有機金属触媒やアミン系触媒を使用することができる。有機金属触媒としては、ジブチルチンジラウリレート、ジオクチルチンジラウリレート、ジブチルチンジオクテートなどの鈴触媒;オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛触媒;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどのビスマス触媒;などを挙げることができる。環境や人体への安全性の点で錫や鉛触媒を使用しないことが好ましい。アミン系触媒としては、トリエチレンジアミンなどの三級アミン化合物などがあげられる。しかしアミン系触媒は、人によりかぶれ等のアレルギーを引きおこす可能性がある。これらは単独でまたは組み合わせて使用される。
さらに、本実施形態では、有機酸を触媒として使用することができる。一般に、イソシアネートとポリオールとの反応には、有機酸は効果がない。しかし、本実施形態では、硬化剤中にポリオールを含まず、DMTDAのみを含むため、有機酸を硬化触媒として使用でき、金属フリーとすることができる。有機酸としては、ステアリン酸、フタル酸、カプリル酸、ラウリル酸、オレイン酸、ナフテン酸、オクチル酸等が挙げられる。本実施形態では、主剤及び硬化剤との相溶性が良好でかつ液状で作業性に優れるという観点から、オクチル酸が好ましい。
本実施形態において、硬化促進剤は、主剤と硬化剤の合計量に対して0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
分散剤は、固体を液中に分散させうるものであれば特に限定されない。
溶剤としては、例えば、ヘキサンのような炭化水素化合物;テトラクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル;酢酸エチル、炭酸ジメチルのようなエステル;ミネラルスピリット;等が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシトルエンアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニル等を挙げることができる。
着色剤および消泡剤は、当該機能を有するものであれば特に限定されない。
(弾性塗装方法)
本実施形態の弾性塗装方法は、競技場、グラウンド、走路または歩行路などの基盤を弾性舗装する方法であり、上記で説明した2液混合常温硬化型舗装材を舗装面に敷き均して、前記舗装材からなる塗布層を形成し、該塗布層を硬化させて、前記舗装面上に樹脂硬化層を形成することを特徴とするものである。この方法においては、特定化学物質障害予防規則が適用されることなく、優れた硬化物物性と作業性を発揮し、硬化中の発泡が十分に抑制される。
具体的な施工方法の例を以下に2つ示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態による弾性舗装方法の工程を説明する。図1のアスファルトコンクリート層(以下、単に「アスコン層」をいう。)10の表面の清掃等を行う。次に、セメント、セメント系固化剤および水を高速ミキサーにて混合し、この混合物をゴムレーキにて均一に敷き均し、塗布することができる。混合物が固化した下地処理層12により、アスコン層10の表面強化と平滑化ができ、アスコン層10からの上昇水分が遮断でき、また、防湿効果が高められる。次に、下地処理層12上にプライマー塗料を均一に塗布し、接着層14を形成する。なお、これらの工程は本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されることはない。
次に、本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材に対して予め弾性チップを混合しておく。弾性チップは、粒径が1〜3mm程度の寸法を有するものとすることができる。弾性チップを構成する材料は特に限定されず、加硫ゴム(天然ゴム、合成ゴムを含む)および熱硬化性樹脂系エラストマー等の熱硬化性エラストマーや、熱可塑性エラストマーの中から任意の一種以上を用いることができる。弾性チップは、非発泡性であっても発泡弾性チップであってもよく、両者の併用であってもよい。非発泡性の弾性チップとしては、既設ウレタン舗装の改修工事で発生する撤去ウレタン舗装材を粉砕したチップ、廃タイヤを粉砕したチップ、加硫ゴムチップ等を挙げることができる。発泡弾性チップは、比重が1未満であり、空隙率が20〜50%程度のものを用いることができる。発泡弾性チップとしては、例えば、車の窓枠、ハンドル、シートのクッション材などを成形した際の余り部分のような、発泡EPDMゴムを粉砕して得ることができる。
そして、プライマー塗料の塗布から所定時間内に、舗装面としての接着層14表面に、予め弾性チップを混合した本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材を敷き均して、前記舗装材からなる塗布層を形成し、この塗布層を硬化させて、舗装面上に樹脂硬化層20を形成する。樹脂硬化層20は、弾性チップ22が含まれたものとなる。このようにして、弾性舗装構造体100を得ることができる。
次に、図2を参照しつつ、本発明の他の実施形態による弾性舗装方法の工程を説明する。本実施形態に関しても、アスコン層10上に下地処理層12および接着層14を形成することは、図1に示す実施形態と同様である。
次に、プライマー塗料の塗布から所定時間内に、舗装面としての接着層14表面に、本実施形態の2液混合常温硬化型舗装材を敷き均して、該舗装材からなる塗布層を形成し(第1工程)、引き続き、前記塗布層の硬化前に、前記塗布層に過剰量の弾性チップを散布する(第2工程)。前記塗布層の硬化後に、前記塗布層に固定されなかった余剰弾性チップを回収する(第3工程)。このようにして、図2に示すように、弾性チップ22を含むベース層16を形成する。
次に、本実施形態では、第1〜第3工程を2回以上繰り返して、弾性チップを含む第1の樹脂硬化層20を形成する。図2に示す例では、前段落の工程を2回繰り返して、ベース層16上に同様のベース層18を形成し、ベース層16,18が第1の樹脂硬化層20を構成する。なお、各ベース層は、既述のようなプライマー塗料を均一に塗布してなる接着層を介して接着させてもよい。
第1の樹脂硬化層20の厚さは、6.0mm以上とすることが好ましく、9.0mm以上とすることがより好ましい。6.0mm未満の場合、弾性層としての第1の樹脂硬化層が薄すぎて優れた衝撃吸収性が得にくいからである。第1の硬化性樹脂組成物を1回塗布しただけでこの厚さを実現しようとすると、第1の樹脂硬化層20中の発泡弾性チップの混入量が場所によって不均一になりやすく、平坦性を損ないやすい傾向にある。そこで本実施形態では、第1の硬化性樹脂組成物を2回以上に分けて塗布することが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されず、1回の塗布で適切な樹脂硬化層が形成できる場合には、それでもよい。第1〜第3工程を2回以上繰り返す場合、各ベース層の厚さは4〜7mmとすることが好ましい。なお、第1の樹脂硬化層20の厚さの上限は特に限定されないが、13mm程度とすればよい。
図1を参照して、本実施形態では、第1の樹脂硬化層20上に、第2の硬化性樹脂組成物を敷き均し、硬化させて第2の樹脂硬化層24を形成する工程と、第2の樹脂硬化層24上に、第3の硬化性樹脂組成物と弾性チップ28とを混合してなる混合物により最上層26を形成する工程と、をさらに有することが好ましい。
第2及び第3の硬化性樹脂組成物は、従来のまたは任意の一液硬化型ポリウレタン組成物または二液硬化型ポリウレタン組成物を用いればよい。第2の樹脂硬化層24の厚さは2〜7mm程度とすることができ、最上層26の厚さは0.5〜1.5mm程度とすることができる。
最上層に含ませる弾性チップ28としては、EPDMチップまたはウレタンチップを挙げることができ、粒径が5.0mm以下の寸法を有するものとすることができる。
なお、第1の樹脂硬化層20と第2の樹脂硬化層24とは、既述のようなプライマー塗料を均一に塗布してなる接着層を介して接着させてもよい。第2の樹脂硬化層24と最上層26との間も同様である。
最上層26の形成手法としては、前記混合物を吹き付け機で吹き付けてスプレーエンボス層を形成する方法がある。また、前記混合物をスクイジーで敷き均した後、混合物層がレベリングしたところで砂骨ローラーで加圧して、エンボス形状を形成する(すなわち、ローラーエンボス層を得る)方法でもよい。
<主剤の作製>
以下の手順で主剤を作製した。なお、以下の主剤には、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニルも加えている。また、各主剤における未反応ジフェニルメタンジイソシアネートの含有率は、ガスクロマトグラフ質量分析計GC-MS(株式会社島津製作所製)により測定した。
[主剤A−1]
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 756g(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.5(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.5%であった。
[主剤A−2]
数平均分子量5,000のポリプロピレンエーテルトリオール 822g(アクトコールT-5000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 2.3(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.3%であった。
[主剤A−3]
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 749g(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.8(当量比(NCO/H)=2.15)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は1.4%であった。
[主剤A−4]
数平均分子量5,000のポリプロピレンエーテルトリオール 814g(アクトコールT-5000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 2.6(当量比(NCO/H)=2.20)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は1.2%であった。
[主剤A−5]
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 756g(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.5(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下100℃で3時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は1.8%であった。
[主剤A−6]
数平均分子量2,000のポリエステルポリオール(ジオール) 756g(クラレポリオールP-2010 株式会社クラレ製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.5(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.5%であった。
[主剤A−7]
数平均分子量2,400のポリブタジエンポリオール(ジオール) 783g(poly bd R-45HT 出光興産株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(コスモネートPH 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.0(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.4%であった。
[主剤A−8]
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 756g(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDI(Lupranate MI BASF INOACポリウレタン株式会社製)をNCO% 3.5(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.5%であった。
[主剤A−9]
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 756g(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)を反応器に入れ、減圧条件下、110℃に加熱し5時間脱水を行った。ここにモノメリックMDIとして、コスモネートPH(三井化学SKCポリウレタン株式会社製)と、Lupranate MI(BASF INOACポリウレタン株式会社製)を質量比が80:20になるように、NCO% 3.5(当量比(NCO/H)=2.05)になるように入れ、窒素雰囲気下60℃で48時間撹拌し、ウレタンプレポリマーを得た。こうして得たウレタンプレポリマー95質量部と、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル5質量部を混合して、主剤とした。未反応モノメリックMDI含有率は0.5%であった。
<硬化剤の作製>
以下の手順で硬化剤を作製した。なお、以下の硬化剤には、充填材(フィラー)としての炭酸カルシウム、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル、及びその他の添加剤も加えている。
[硬化剤B−1(DMTDA)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 6.8質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 29.4質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−1−1(DMTDA)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 4.5質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 31.7質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−1−2(DMTDA)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 7.4質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 23.8質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−1−3(DMTDA)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 5.1質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 31.1質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−1−4(DMTDA)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 5.9質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 30.3質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−2(DBADPM)]
N,N'-ジブチルアミノジフェニルメタン(DBADPM) 9.8質量部(ETHACURE420 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 26.4質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−2−1(DBADPM)]
N,N'-ジブチルアミノジフェニルメタン(DBADPM) 6.5質量部(ETHACURE420 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 29.7質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−2−2(DBADPM)]
N,N'-ジブチルアミノジフェニルメタン(DBADPM) 8.5質量部(ETHACURE420 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 27.7質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−3(MOCA+ポリオール)]
3,3'-ジクロロ-4,4'ジアミノジフェニルアミン(MOCA) 7.7質量部(ビスアミンA 和歌山精化工業株式会社製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.8質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 22.7質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−3−1(MOCA+ポリオール)]
3,3'-ジクロロ-4,4'ジアミノジフェニルアミン(MOCA) 4.8質量部(ビスアミンA 和歌山精化工業株式会社製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.8質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 25.6質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−3−2(MOCA+ポリオール)]
3,3'-ジクロロ-4,4'ジアミノジフェニルアミン(MOCA) 6.6質量部(ビスアミンA 和歌山精化工業株式会社製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.8質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 23.9質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−4(DMTDA+ポリオール)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 6.2質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.7質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 24.3質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−4−1(DMTDA+ポリオール)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 3.9質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.7質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 26.6質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−4−2(DMTDA+ポリオール)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 5.3質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール 5.7質量部(アクトコールD-2000 三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 25.2質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、KHネオケム株式会社製 オクチル酸(触媒)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−5(DMTDA、触媒未添加)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 6.8質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 29.4質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−5−1(DMTDA、触媒未添加)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 3.9質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 26.6質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[硬化剤B−5−2(DMTDA、触媒未添加)]
ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA) 5.3質量部(ETHACURE300 アルベマール日本製)、可塑剤としてのフタル酸ジイソノニル 25.2質量部(サンソサイザーDINP 新日本理化株式会社製)、フィラーとしての炭酸カルシウム 60.0質量部(LW-350 清水工業株式会社製)と、その他添加剤3.8質量部とを均一に混合して硬化剤とした。なお、その他添加剤としては、伊藤製油株式会社製 A-S-A DS525(湿潤分散剤)、日弘ビックス株式会社製 NBK-1202(着色剤)、楠本化成株式会社製DISPARLON P-450(消泡剤)を用いた。
[実験例1:作業性・硬化物物性の比較試験]
主剤と硬化剤を表1に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表1のように、主剤50質量部と硬化剤50質量部を混合した場合、イソシアネート基とアミノ基の当量比は1.25となる。得られた舗装材について、以下の方法で硬化物物性および作業性の評価を行った。評価結果を併せて表1に示す。
(1)硬化物物性の評価
(1−1)引張強さ及び伸びの評価
十分に硬化させた厚さ2mmのシートをダンベル状3号で打抜いて試験片を作製し、JISK6251に準拠した試験を行った。引張速度は500mm/minとした。引張強さと伸びは、以下の計算方法で算出した。
引張強さ(MPa)=引張強度(N)/幅(mm)×厚み(mm)
伸び(%)=伸び(cm)/標線間距離
(1−2)引裂強度の評価
十分に硬化させた厚さ2mmのシートをアングル型にて打抜いて試験片を作製し、JISK6252に準拠して試験を行い、以下の計算方法で引裂強度を算出した。
引裂強度(N/mm)=引裂強度(N)/厚み(mm)
(2)作業性の評価
(2−1)可使時間の評価
各舗装材について、主剤と硬化剤の混合後の粘度(25℃)を経時的に測定し、粘度上昇曲線を作成した。粘度が50000mPa・sを超えると作業性が十分ではなくなるので、2液混合後、粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を「可使時間」とした。
(2−2)翌日硬度の評価
各舗装材を容器に深さ1cmとなるように流し込み、18時間後に、JISK6253に準拠してショアA硬度を測定した。翌日硬度が30未満では、人が上に乗って作業することが困難なため、表1において「×」と表記した。
Figure 0006442638
表1から明らかなように、本発明範囲の主剤および硬化剤を用いた水準1〜6(発明例)においては、優れた硬化物物性と作業性を発揮できた。これに対して、硬化剤としてDBADPMを用いた水準7〜12(比較例)においては、硬化物物性に劣り、可使時間は問題ないが、硬化が遅すぎて翌日硬化性に劣るため、作業性が悪い。また、硬化剤としてMOCA+ポリオールを用いた水準13〜18(比較例)においては、硬化物物性については水準1〜6と同等であるが、特定化学物質障害予防規則が適用されることになるため好ましくない。なお、水準1,5,6から明らかなように、モノメリックMDIの異性体比率が変わっても、硬化剤が同じであれば、優れた硬化物物性と作業性は発揮できる。
[実験例2:作業性の比較試験]
主剤と硬化剤を表2に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表2のように、主剤50質量部と硬化剤50質量部を混合した場合、イソシアネート基とアミノ基の当量比は1.25となる。得られた舗装材について、実験例1と同様に、主剤と硬化剤の混合後の粘度(25℃)を経時的に測定した。得られた粘度上昇曲線を図3に示し、2液混合後、粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を「可使時間」として表2に示す。
Figure 0006442638
表2及び図3から明らかなように、未反応MDIが1.0質量%未満の主剤と、本発明範囲の硬化剤を用いた水準1,2,6〜9(発明例)では、粘度の上昇が非常に緩やかであり、良好な作業性が得られる粘度50000mPa・s以下の状態を60〜70分程度保つことができた。これに対して、水準3〜5(比較例)に示すように、未反応MDIが1.0質量%以上の主剤を用いる場合には、本発明範囲の硬化剤を用いたとしても、混合直後に粘度が大幅に上昇し、良好な作業性が得られる粘度50000mPa・s以下の状態を5分から長くて20分程度しか維持することができず、作業性に劣る。
[実験例3:発泡試験]
主剤と硬化剤と水を表3に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表3のように、主剤50質量部と硬化剤50質量部を混合した場合、イソシアネート基とアミノ基の当量比は1.25となる。得られた舗装材について、硬化中の発泡性を目視で観察した。発泡が観察される場合を「×」、観察されない場合を「○」として、結果を表3に示す。
Figure 0006442638
表3から明らかなように、ポリオールを含む硬化剤を使用した水準7〜18(比較例)においては、硬化中に発泡が認められた。これに対して、ポリオールを含まない硬化剤を使用した水準1〜6(発明例)においては、硬化中に発泡は認められなかった。
[実験例4:触媒比較試験]
主剤と硬化剤と各種硬化触媒を表4に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表4のように、主剤50質量部と硬化剤50質量部を混合した場合、イソシアネート基とアミノ基の当量比は1.25となる。また、表4中の「鉛」としては、ニッカオクチックス鉛 24%(日本化学産業株式会社製)を用い、「錫」としては、ネオスタンU-100(日東化成株式会社製)を用い、「有機酸」としては、オクチル酸(KHネオケム株式会社製)を用いた。得られた舗装材について、実験例1に示したのと同じ硬化物物性および作業性の評価を行った。評価結果を併せて表4に示す。
Figure 0006442638
表4から明らかなように、触媒変更による作業性の悪化、硬化物性の低下は観察されなかった。すなわち、オクチル酸を硬化触媒として使用できた。
[実験例5:作業性の比較試験(当量比変更)]
主剤と硬化剤を表5に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表5中の硬化剤B−1−αは、各水準1〜9において、DMTDAの質量部を適宜変更し、イソシアネート基とアミノ基の当量比が0.90となるようにしたこと以外は、上記の硬化剤B−1と同様である。得られた舗装材について、実験例1と同様に、主剤と硬化剤の混合後の粘度(25℃)を経時的に測定した。2液混合後、粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を「可使時間」として表5に示す。
また、主剤と硬化剤を表6に示す質量比で混合して、種々の2液混合常温硬化型舗装材を得た。なお、表6中の硬化剤B−1−βは、各水準1〜9において、DMTDAの質量部を適宜変更し、イソシアネート基とアミノ基の当量比が1.50となるようにしたこと以外は、上記の硬化剤B−1と同様である。得られた舗装材について、実験例1と同様に、主剤と硬化剤の混合後の粘度(25℃)を経時的に測定した。2液混合後、粘度が50000mPa・sに到達するまでの時間を「可使時間」として表6に示す。
Figure 0006442638
Figure 0006442638
表5及び表6から明らかなように、イソシアネート基とアミノ基の当量比が0.90及び1.50の場合であっても、当量比が1.25である実験例2と同様の傾向を得ることができた。
本発明は、陸上競技場等の各種競技場、学校の校庭・運動場・テニスコート等の各種グラウンド、ジョギングコース等の走路、および遊歩道等の歩行路など、種々の舗装面を弾性舗装する際に好適に使用できる。
100,200 弾性舗装構造体
10 アスファルトコンクリート層
12 下地処理層
14 接着層
16 ベース層
18 ベース層
20 第1の樹脂硬化層
22 弾性チップ
24 第2の樹脂硬化層
26 最上層(スプレーエンボス層またはローラーエンボス層)
28 弾性チップ

Claims (6)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネートを含むポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得たイソシアネート基末端プレポリマーを含み、未反応のジフェニルメタンジイソシアネートが1.0質量%未満である主剤と、
    90質量%以上のジメチルチオトルエンジアミンを含み、残部としてポリオール化合物は含まず、該残部は3,3’-ジクロロ-4-4’-ジアミノジフェニルアミン以外のポリアミン化合物である活性水素基含有化合物からなる硬化剤と、
    を含み、前記主剤におけるイソシアネート基と前記硬化剤におけるアミノ基との当量比が0.8〜1.5であることを特徴とする2液混合常温硬化型舗装材。
  2. 有機酸を含む硬化促進剤を、前記主剤及び前記硬化剤の合計量に対して0.01〜3質量%含む、請求項1に記載の2液混合常温硬化型舗装材。
  3. 前記主剤及び前記硬化剤の合計量に対して10〜50質量%の充填材をさらに含む、請求項1又は2に記載の2液混合常温硬化型舗装材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の2液混合常温硬化型舗装材を舗装面に敷き均して、前記舗装材からなる塗布層を形成し、
    該塗布層を硬化させて、前記舗装面上に樹脂硬化層を形成する
    ことを特徴とする弾性舗装方法。
  5. 前記2液混合常温硬化型舗装材に対して予め弾性チップを混合しておき、その後、前記舗装面に敷き均す、請求項4に記載の弾性舗装方法。
  6. 前記塗布層の硬化前に、前記塗布層に過剰量の弾性チップを散布し、
    前記塗布層の硬化後に、前記塗布層に固定されなかった余剰弾性チップを回収する、請求項4に記載の弾性塗装方法。
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JP2005058918A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Asahi Glass Polyurethane Material Co Ltd ポリウレタン系塗膜の施工方法

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