JP6442254B2 - 半割軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、半割軸受に供給する潤滑油量を低減させる技術に関する。
内燃機関のクランク軸(主軸)は、一対の半円筒形の軸受(半割軸受という)から成る主軸受により支持される。この主軸受を潤滑にするために、オイルポンプによって吐出された潤滑油が、主軸受の壁に形成された貫通口を通して、主軸受の内周面に沿って形成された油溝に供給される。
従来技術において主軸受の油溝は、一対の半割軸受のうちの少なくとも一方の内周面に、その周方向の全長にわたって形成されていた。この場合、油溝に供給された潤滑油は半割軸受の周方向端部まで流れ、その多くが、半割軸受の接合部で軸線方向に形成された溝を通して軸受外部に排出される。このように周方向の全長にわたって油溝を形成すると形成された油溝の体積分の潤滑油が必要となり、潤滑油の漏れ量(以下、漏れ油量という)も多くなる。
軸受に設けられた油溝からの漏れ油量を減少させるために様々な溝の形状が検討されている。
特許文献1には、端部において溝幅が開口部の細い溝幅へ切り替わるように段状に形成された給油溝が記載されている(段落84)。
特許文献2には、内周面側に一方の下端面から他方の下端面まで周方向に油溝が形成され、その油溝の深さは、内周に対し偏心しており、かつ、下端面では「0」である「偏心油溝型」のアッパーメタルが記載されている(段落26)。
特開2005−69284号公報 特開2011−179366号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、溝は半割軸受同士が接合する接合面に向かう途中で幅が非連続的に狭くなるので、漏れ油量が低減する効果はあるものの、幅が狭くなった箇所で油の流れが乱れることがある。その結果、狭くなったその箇所に異物が堆積し、キャビテーションの発生原因となる可能性がある。
また、特許文献2に記載の技術では、溝は接合面に近づくほど浅くなるものの、溝の幅は一定であるため、その幅に応じた一定量の油漏れが生じていた。
本発明の目的の1つは、従来技術に比べて漏れ油量を抑制するとともに異物排出性を向上させた半割軸受を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る半割軸受は、対をなす他の半割軸受と突合せて全体として内周面の側に軸を収容する円筒状の軸受を形成する半割軸受であって、前記他の半割軸受の接合面と突合せる2つの接合面と、前記内周面の周方向に沿って形成され、2つの前記接合面のいずれにも達していない、第1の幅を有する第1溝と、前記内周面の周方向に沿って前記第1溝に重ねて形成され、2つの前記接合面のいずれかに達している、前記第1の幅よりも細い第2の幅を有する第2溝と、を有し、前記第1溝および前記第2溝はいずれも、2つの前記接合面のいずれか近い方に近づくほど浅くなり、前記第2溝は、1本のみであって、前記第1溝よりも深いことを特徴とする。
好ましくは、前記第2溝は、前記第1溝よりも一定の深さだけ深いとよい。
また、上述の態様において、2つの前記接合面には、それぞれ前記内周面に沿ってクラッシュリリーフが設けられ、前記第1溝は、2つの前記接合面のクラッシュリリーフのいずれにも達していないことが望ましい。
また、上述の態様において、前記第2溝は、2つの前記接合面のうち、前記軸の回転方向の下流側の接合面に達しており、該回転方向の上流側の接合面に達していないことが望ましい。
本発明によれば、従来技術に比べて漏れ油量を抑制するとともに異物排出性を向上させることができる。
半割軸受の概要を示す図。 半割軸受における溝の深さを説明するための図。 従来の半割軸受の一例を示す図。 従来の半割軸受における溝の深さを説明するための図。 従来の半割軸受の別の一例を示す図。 従来の半割軸受における溝の深さを説明するための図。
1.実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る半割軸受1の構造を説明する。図において、半割軸受1の各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。図に示す座標記号のうち、白い円の中に互いに交差する2本の斜線を描いた記号は、紙面手前側から奥側へ向かう矢印を表す。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
図1は、半割軸受1の概要を示す図である。半割軸受1は、対をなす下方側の半割軸受(図示せず)と突合せて全体として内周面13の側に軸を収容する円筒状のすべり軸受を形成する上方側の半割軸受である。この半割軸受1が内周面13の側に収容する軸は、クランク軸(主軸)である。図1において、半割軸受1は、内周面13の側に収容する軸がx軸方向に沿うように配置されている。なお、図1において+z方向が上方であり、−z方向が下方である。
半割軸受1を下方から上方へ向かう方向(+z方向)に見た形状を図1(a)に示す。図1(a)に示すように半割軸受1の内周面13には幅方向(x軸方向)の中央を周方向に沿って幅がw11の第1溝11が形成されている。第1溝11のうち所定の位置には外周面19に向けて貫通した油孔H11,H12が設けられている。半割軸受1を外周面19の側から支持するケーシング(図示略)には、潤滑油の給油口が設けられており、この給油口から油孔H11,H12に潤滑油が供給される。なお、油孔の数は2に限られず1でも3以上でもよい。
半割軸受1を幅方向(x軸方向)の中心(図1(a)の矢視Ib−Ib)で切断した断面図を図1(b)に示す。内周面13に収容される軸は、矢印Dに沿って回転する。この矢印
Dが示す回転方向により上流側および下流側を定義する。
接合面14は上流側の接合面であり、接合面15は下流側の接合面である。接合面14,15は、いずれも下方側(−z方向)の半割軸受の接合面と突合せる接合面である。油孔H11は、油孔H12よりも上流側に位置している。
内周面13に形成された上述の第1溝11は、図1(b)に示すように、周方向の両端が接合面14および接合面15のいずれにも達していない。内周面13のうち、第1溝11が形成された領域を第1領域A1という。内周面13のうち、第1領域A1よりも下流側の領域を第2領域A2とし、第1領域A1よりも上流側の領域を第3領域A3とする。第1領域A1の上流側の端部は、接合面15よりも接合面14に近い位置にあり、第1領域A1の下流側の端部は、接合面14よりも接合面15に近い位置にある。
なお、図1(b)に示した中間点Cが、内周面13の周方向における接合面14,15の中間の位置であるとすると、第1領域A1の上流側の端部は、内周面13の周方向において中間点Cよりも上流側にあり、第1領域A1の下流側の端部は、内周面13の周方向において中間点Cよりも下流側にあるといえる。
第1溝11は、第1領域A1の中間点Cから両端に近づくほど浅くなる。すなわち、第1溝11は、接合面14,15のいずれか近い方に近づくほど浅くなるように形成されている。
第2溝12は、半割軸受1の内周面13において、周方向の全面、つまり周方向の一端から他端までにわたって、内周面13の幅方向における中央を周方向に沿って、第1溝11に重ねて形成されている。
第2溝12は、第1溝11よりも細く、かつ長い溝である。すなわち、第2溝12の幅であるw12は、第1溝11の幅であるw11との間で、w12<w11という関係がある。また、第2溝12が周方向に形成された範囲は、第1領域A1に加えて、第1領域A1よりも下流側にある第2領域A2を含み、かつ、第1領域A1よりも上流側にある第3領域A3を含むので、第2溝12は、第1領域A1に形成された第1溝11よりも長い。
また、第2溝12は、第1溝11よりも深い。図2は、半割軸受1における溝の深さを説明するための図である。半割軸受1を図1(b)の矢視IIa−IIaで切断した断面図を図2(a)に示し、矢視IIb−IIbで切断した断面図を図2(b)に示す。矢視IIa−IIaで切断した断面は、中間点Cを含む断面であり、矢視IIb−IIbで切断した断面図は、第1領域A1と第2領域A2との境界を含む断面である。
図2(a)に示すように、第2溝12が第1溝11の幅方向の中央に重ねて形成されており、第2溝12の幅であるw12が第1溝11の幅であるw11よりも細く、第2溝12の深さであるt12が第1溝11の深さであるt11よりも深いため、断面において溝の底は2段になる。そして、図2(b)に示すように、第1領域A1と第2領域A2との境界で第1溝11が切り上がるため、断面では、第1溝11の底が内周面13と繋がり、溝の底は第2溝12の底のみになる。
なお、第2溝12の接合面における深さは「0」であってもよいし、「0」でなくてもよい。例えば、図1(a)に示す第2溝12は、下流側の接合面15において「0」ではない深さt10を有する。これにより、第2溝12は、接合面15の開口部となるため、接合面15において深さが「0」である場合に比べて異物排出性が向上する。また、第1溝11および第2溝12の断面は矩形であってもよいが、図2に示したように台形であっ
てもよい。この場合、これら溝の幅とは台形の長辺である。
2.従来技術との比較
(1)幅が一定の溝を有する半割軸受との比較
図3は、従来の半割軸受の一例を示す図である。半割軸受7は、従来の半割軸受の一例であり、例えば特許文献2に記載された偏心油溝型のアッパーメタルなどである。
半割軸受7は、対をなす下方側の半割軸受(図示せず)と突合せて全体として内周面73の側に軸を収容する円筒状のすべり軸受を形成する上方側の半割軸受である。この半割軸受7が内周面73の側に収容する軸は、クランク軸(主軸)である。図3において、半割軸受7は、内周面73の側に収容する軸がx軸方向に沿うように配置されている。なお、図3において+z方向が上方であり、−z方向が下方である。
半割軸受7を下方から上方へ向かう方向(+z方向)に見た形状を図3(a)に示す。また、半割軸受7を幅方向(x軸方向)の中心(図3(a)の矢視IIIb−IIIb)で切断した断面図を図3(b)に示す。
半割軸受7は、一定の幅w71を有する溝71が、軸の回転方向における上流側の接合面74から、下流側の接合面75にわたって形成されている。溝71のうち所定の位置には外周面79に向けて貫通した油孔H71,H72が設けられている。この溝71の深さは、中間点Cで最も深くなり、両端に近づくほど浅くなる。つまり、溝71は、接合面74,75のいずれか近い方に近づくほど浅くなるように形成されている。
図4は、半割軸受7における溝の深さを説明するための図である。半割軸受7を図3(b)の矢視IV−IVで切断した断面図を図4に示す。矢視IV−IVで切断した断面は、内周面73の周方向における接合面74,75の中間の位置である中間点Cを含む断面である。この場合、溝71の中間点Cにおける断面は、幅(台形の場合は長辺)がw71で深さがt71の矩形または台形である。一方、半割軸受1では、溝の断面が、幅がw11で深さがt11の第1溝11と、幅がw12で深さがt12の第2溝12とが重なった部分であり、その底は2段になっている。ここで幅w71が第1幅w11と等しく、深さt71が深さt12と等しい場合、第1溝11の底が溝71の底よりも浅い分だけ半割軸受1の方が半割軸受7よりも中間点Cにおける溝の断面積が抑えられる。その結果、半割軸受1は半割軸受7に比べて給油量を少なくすることができる。
また、溝71の底は、接合面74,75のいずれかに近づくほど浅くなるが、溝71の幅w71は接合面74,75に至るまで変わらない。一方、半割軸受1では、図2(b)に示したように、第1領域A1の両端で第1溝11が切り上がるので、第2領域A2および第3領域A3において溝は第2溝12のみとなり、その幅である第2幅w12は、中間点Cにおける太い方の第1幅w11よりも細くなる。溝に蓄えられた油は主に接合面で外部に漏れ出すため、接合面における幅が細くなると漏れ油量が低減される。したがって、幅w71が第1幅w11と等しい場合、漏れ油量は、半割軸受1の方が半割軸受7よりも少なくなる。
(2)幅が段状に変化する溝を有する半割軸受との比較
図5は、従来の半割軸受の別の一例を示す図である。半割軸受8は、従来の半割軸受の一例であり、例えば特許文献1に記載された、端部で溝幅が切り替わるように段状に形成された給油溝を有するクランクベアリングなどである。
半割軸受8は、対をなす下方側の半割軸受(図示せず)と突合せて全体として内周面83の側に軸を収容する円筒状のすべり軸受を形成する上方側の半割軸受である。この半割
軸受8が内周面83の側に収容する軸は、クランク軸(主軸)である。図5において、半割軸受8は、内周面83の側に収容する軸がx軸方向に沿うように配置されている。なお、図5において+z方向が上方であり、−z方向が下方である。
半割軸受8を下方から上方へ向かう方向(+z方向)に見た形状を図5(a)に示す。また、半割軸受8を幅方向(x軸方向)の中心(図5(a)の矢視Vb−Vb)で切断した断面図を図5(b)に示す。
半割軸受8は、内周面83の周方向に沿って形成された溝80を有する。溝80のうち所定の位置には外周面89に向けて貫通した油孔H81,H82が設けられている。溝80は、中央の第1溝81と、その両側の第2溝82と、の3箇所の部分を含む。第1溝81は、第1幅w81を有する溝であり、中間点Cを含む第1領域A1に形成されている。第1領域A1は、内周面83の周方向における両端を含んでおらず、その下流側には第2領域A2が、上流側には第3領域A3が接している。第1領域A1と第2領域A2との境界、および第1領域A1と第3領域A3との境界では、第1溝81が第2溝82に切り替わる。第2溝82は、第1幅w81よりも細い第2幅w82を有する溝である。上記した2箇所の境界で、溝80の幅は第1幅w81から第2幅w82に段状に切り替わる。
溝80の深さt81は、中間点Cにおいて最も深い。そして、この深さt81が接合面84,85に近づくほど浅くなるように、溝80は形成されている。溝80の深さは、第1溝81から第2溝82へ切り替わる箇所においても連続的に変化する。
図6は、半割軸受8における溝の深さを説明するための図である。半割軸受8を図5(b)の矢視VIa−VIaで切断した断面図を図6(a)に示し、半割軸受8を図5(b)の矢視VIb−VIbで切断した断面図を図6(b)に示す。矢視VIa−VIaで切断した断面は、内周面83の周方向における接合面84,85の中間の位置である中間点Cを含む断面であり、矢視VIb−VIbで切断した断面図は、第1領域A1と第2領域A2との境界を含む断面である。
図6(a)に示したように、溝80の中間点Cにおける断面は、幅(台形の場合は長辺)がw81で深さがt81の矩形ないし台形である。一方、半割軸受1では、溝の断面が、第1幅w11で深さt11の第1溝11と、第2幅w12で深さt12の第2溝12とが重なった部分であり、その底は2段になっている。ここで第1幅w81が第1幅w11と等しく、深さt81が深さt12と等しい場合、第1溝11の底が第1溝81の底よりも浅い分だけ半割軸受1の方が半割軸受8よりも中間点Cにおける溝の断面積が抑えられる。その結果、半割軸受1は半割軸受8に比べて給油量を少なくすることができる。
また、図6(b)に示したように、第1領域A1とその両側の領域(ここでは第2領域A2)との境界では、溝80の幅が非連続的に第1幅w81から第2幅w82に切り替わる。このため、溝80に保持された油の流れは、この切り替わりの箇所で乱れる場合があり、油に異物が混入している場合に、その異物がこの箇所で堆積し、キャビテーションを発生させる原因となる可能性がある。また、半割軸受8では、油に混入した異物が上記の箇所に堆積するため、異物の排出性が下がる可能性がある。
一方、半割軸受1では、図2(b)に示したように、第1領域A1からその両側の領域に近づくにつれて第1溝11が徐々に浅くなり、第1領域A1とその両側の領域との境界に至ると深さが「0」になるから、溝の断面積が急に変化することがない。したがって、第1溝11および第2溝12に保持された油の流れは、半割軸受8の溝80に保持された油に比べて乱れる可能性が低く、異物の堆積やキャビテーションの発生の可能性は、半割軸受1の方が半割軸受8よりも少なくなる。
3.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
3−1.深さの差
第2溝12は、第1溝11よりも一定の深さだけ深くなるように構成されていてもよい。例えば、軸方向(x軸方向)に平行な所定の軸を中心とする円弧状に溝を形成する場合、第1溝11および第2溝12の各中心軸を内周面13の中心軸から偏心させ、かつ、これら各中心軸を一致させることにより、第1溝11と第2溝12の深さの差は一定となる。これにより、油に異物が含まれていた場合に、第2溝12がその異物の通路として一定の断面積を確保するため、上述した深さの差が変動する場合に比べて異物の排出性が向上する。
3−2.クラッシュリリーフとの位置関係
接合面14,15には、それぞれ内周面13に沿ってクラッシュリリーフが設けられていてもよい。この場合、第1溝11は、2つの接合面14,15のクラッシュリリーフのいずれにも達していないように形成されていてもよい。クラッシュリリーフは、内周面13を例えば掘削することにより形成されるため、本来、内周面13があった位置よりも深い。このクラッシュリリーフと第1溝11が重なると、第1溝11に保持された油が、第2溝12ではなくクラッシュリリーフを介して接合面14,15から漏れるため漏れ油量が増加する場合がある。したがって、第1溝11を、クラッシュリリーフに達しないように形成することにより、漏れ油量が抑制される。
3−3.下流側接合面からの異物排出
第2溝12は、2つの接合面14,15のうち、軸の回転方向の下流側の接合面である接合面14に達しており、この回転方向の上流側の接合面である接合面15に達していないように形成されていてもよい。供給される油に異物が含まれている場合、この異物は油の流れに沿って排出されることが多い。つまり、異物は第2溝12の上流側から排出されることは少なく、下流側から排出される可能性が高い。したがって、第2溝12は、上流側の接合面15に達していなくても、下流側の接合面14に達していれば、異物の排出が可能である。また、上流側の接合面15に達しないように第2溝12を形成することにより、給油量は低減される。
3−4.コーティング
内周面13のうち、第1溝11および第2溝12が形成されていない部分にはコーティング(被覆層という)が施されていてもよい。この被覆層は、例えば、樹脂やメッキ、硬質膜、固体潤滑剤、軟質金属などであってもよい。また、薬剤処理や熱処理などにより内周面13の表面を改質して得られたものであってもよい。これにより、軸と内周面13との摩擦が低減される。
3−5.溝の形状
上述した実施形態において、溝の形状は軸を中心とした円弧状であったが、これに限られない。第1溝11および第2溝12は、例えば、軸方向からみて楕円形になるように形成されてもよいし、軸方向からみて放物線を描くように形成されてもよい。また、重ねて形成される溝の数は2に限られず、3以上であってもよい。この場合、3以上の溝のいずれかが、内周面13の周方向に沿って形成され、2つの接合面14,15のいずれにも達していない第1溝11であればよい。そして、3以上の溝のうち、上記の第1溝11を除く溝のいずれかが、内周面13の周方向に沿って第1溝11に重ねて形成され、2つの接合面14,15のいずれかに達していて、第1幅w11よりも細い第2幅w12を有し、
かつ、第1溝11よりも深い第2溝12であればよい。
1…半割軸受、11…第1溝、12…第2溝、13…内周面、14…接合面、15…接合面、19…外周面、7…半割軸受、71…溝、73…内周面、74…接合面、75…接合面、8…半割軸受、80…溝、81…第1溝、82…第2溝、83…内周面

Claims (4)

  1. 対をなす他の半割軸受と突合せて全体として内周面の側に軸を収容する円筒状の軸受を形成する半割軸受であって、
    前記他の半割軸受の接合面と突合せる2つの接合面と、
    前記内周面の周方向に沿って形成され、2つの前記接合面のいずれにも達していない、第1の幅を有する第1溝と、
    前記内周面の周方向に沿って前記第1溝に重ねて形成され、2つの前記接合面のいずれかに達している、前記第1の幅よりも細い第2の幅を有する第2溝と、を有し、
    前記第1溝および前記第2溝はいずれも、2つの前記接合面のいずれか近い方に近づくほど浅くなり、
    前記第2溝は、1本のみであって、前記第1溝よりも深い
    ことを特徴とする半割軸受。
  2. 前記第2溝は、前記第1溝よりも一定の深さだけ深い
    ことを特徴とする請求項1に記載の半割軸受。
  3. 2つの前記接合面には、それぞれ前記内周面に沿ってクラッシュリリーフが設けられ、
    前記第1溝は、2つの前記接合面のクラッシュリリーフのいずれにも達していない
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半割軸受。
  4. 前記第2溝は、2つの前記接合面のうち、前記軸の回転方向の下流側の接合面に達しており、該回転方向の上流側の接合面に達していない
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半割軸受。
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