JP6440944B2 - 光硬化性組成物および成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性組成物および成形品に関し、詳しくは、硬化性に優れる光硬化性組成物および該組成物から得られる成形品に関する。
光硬化性樹脂を含む光硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、電子機器や携帯電話の標識、視認性や美観を高める装飾、パネル部のボタン、スイッチ部材、クッション材等として利用されている。このような硬化物は、版体表面に形成された複数の凹部に充填した光硬化性組成物に対して光照射することにより硬化、成型できるため、一度に大量の成型物を簡易に作製することが可能であるという利点がある。
上記のような用途に用いられる樹脂組成物として、例えば2官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、イソボルニル(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
特開2008−24803号公報
近年、生産性の向上や省エネルギーの観点から、光硬化性組成物の硬化性の一層の改良が求められている。また、用途や目的によっては、硬化性を悪化させる着色剤等の成分を配合する必要があり、十分な硬化性が得られない場合があった。
そこで本発明の目的は、硬化性に優れる光硬化性組成物、および、該組成物から得られる成形品を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーと、少なくとも2つの紫外線吸収団とエーテル構造を有する化合物である光重合開始剤とを用いることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光硬化性組成物は、(A)光硬化性樹脂、(B)下記一般式(I)で表される光重合開始剤、および、(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含むことを特徴とするものである。
Figure 0006440944
(式中、RおよびR´はそれぞれ独立して紫外線吸収団を表し、lは2〜4の整数、mは1以上の整数を表す。)
本発明の光硬化性組成物は、前記(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーのうち、少なくとも1種が1官能の(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物は、さらに、(D)着色剤を含有することが好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物は、凹部に充填した状態で、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる成形法に用いられ、かつ、有機溶剤を含まないことが好ましい。
本発明の成形品は、上記の光硬化性樹脂組成物を成形してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、硬化性に優れる光硬化性組成物、および、該組成物から得られる成形品を提供することが可能となる。
本発明の成型品の作製に用いる凹部を備える版体を表す模式図である。 版体の凹部に本発明の光硬化性組成物を充填した状態を表す模式図である。 版体に基材を被せ、その上方に位置する光源から紫外線を照射する工程を表す模式図である。 版体から基材と成型品を離型した状態を表す模式図である。
本発明の光硬化性組成物は、(A)光硬化性樹脂、(B)下記一般式(I)で表される光重合開始剤、および、(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含むことを特徴とするものである。
Figure 0006440944
(式中、RおよびR´はそれぞれ独立して紫外線吸収団を表し、lは2〜4の整数、mは1以上の整数を表す。)
上記のような構成とすることにより、硬化性に優れる光硬化性組成物とすることができる。また、前記(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーのうち、少なくとも1種を1官能の(メタ)アクリレートモノマーとすることによって、硬化物の低反り性に優れる光硬化性組成物とすることができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)光硬化性樹脂]
本発明の光硬化性組成物が含有する光硬化性樹脂は、紫外線照射により硬化する樹脂であればよく、好ましくは分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するプレポリマー(オリゴマーまたはポリマー)である。また、(A)光硬化性樹脂は、(C)光反応性モノマーを除く成分とも言える。
上記プレポリマーの例として例えば、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記プレポリマーのうち、ウレタン(メタ)アクリレートとポリエステル(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上含み、ウレタン結合を複数含む。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートによりウレタンプレポリマーを合成し、そこに、水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加させることにより製造することができる。
ポリオールとしては、炭化水素ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの公知のポリオールを特に制限されず用いることができる。また、ポリイソシアネートとしては芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートなどの公知のポリイソシアネートを特に制限されず用いることができる。
官能基数があまり大きいと架橋密度が高くなって硬化物の反りが大きくなり、強靱性も悪くなる傾向があることから、2官能、3官能のものが好ましい。また、(A)光硬化性樹脂として、構造の異なる少なくとも2種類のウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、ダイセル・サイテック社製EBECRYL8402等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、ポリエステルの末端(メタ)アクリル酸エステルであり、例えば、ポリオール(多価アルコール)と多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールに、(メタ)アクリル酸や、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体を反応させたものが挙げられる。ポリオールとしては、上記したものが挙げられる。多価カルボン酸としては、アジピン酸、マレイン酸などの脂肪族多価カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸、フタル酸、トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸などの公知の多価カルボン酸を特に制限されずに用いることができる。
官能基数があまり大きいと架橋密度が高くなって硬化物の反りが大きくなり、強靱性も悪くなる傾向があることから、2官能、3官能のものが好ましい。ポリエステルアクリレートの市販品としては、例えば、ダイセルサイテック社製EBECRYL860、EBECRYL1870が挙げられる。
(A)光硬化性樹脂の重量平均分子量は好ましくは1000〜20000である。重量平均分子量が1000以上であると、複数のエチレン性不飽和基を有する光硬化性樹脂によってもたらされる架橋密度が高くなりすぎず、樹脂の硬化収縮も少なくなって硬化物の反りを低減することができる。一方、重量平均分子量が20000以下であると、組成物の粘度が高くなりすぎず、取扱性が良好となる。
[(B)光重合開始剤]
本発明の光硬化性組成物は、(B)成分として、下記一般式(I)で表わされる光重合開始剤を含有する。
Figure 0006440944
(式中、RおよびR´はそれぞれ独立して紫外線吸収団を表し、lは2〜4の整数、mは1以上の整数を表す。)
上記一般式(I)において、RおよびR´で表される紫外線吸収団とは、光重合開始剤が有する、紫外線の照射に伴ってフリーラジカル(又はフリーカチオン)を発生する分子構造を意味し、公知の紫外線吸収団であれば特に限定されない。ここで紫外線とは、波長が10〜400nmの電磁波である。紫外線吸収団の例としては、α−アミノケトン等のアミノケトン系、アントラキノン系、チオキサントン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、キサントン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、ベンゾエート系等が挙げられる。
上記紫外線吸収団は、下記式(II)〜(VII)の何れかに示される構造であることが好ましい。
Figure 0006440944
Figure 0006440944
Figure 0006440944
上記一般式(I)中のlは2または4であることが好ましく、mは1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
上記一般式(I)で表される光重合開始剤は、室温で液状であることが好ましい。ここで室温で液状とは、10〜40℃のいずれかの温度において、内径30mmの試験管に高さ55mmまでサンプルを入れ試験管を水平にした場合、底から85mmの部分を通過するまで90秒以内である状態をいう。
上記一般式(I)で表される光重合開始剤の例としては、カルボキシメトキシ−ベンゾフェノンとポリテトラメチレングリコール250のジエステル、重合体ベンゾフェノン誘導体、カルボキシメトキシチオキサントンとポリテトラメチレングリコール250のジエステル、ポリエチレングリコール(200)ジ(β−(4−(アセチルフェニル)ピペラジン))プロピオネート、ポリ(エチレングリコール)ビスジメチルアミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(200)ジ(β−4−[4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノイルフェニル]ピペラジン)プロピオネート、カルボキシメトキシベンゾフェノンとポリエチレングリコール200のジエステル等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される光重合開始剤としては、例えば、下記式で表される化合物No.1〜7が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Figure 0006440944
(式中、nは1以上の整数を表す。)
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。)
上記一般式(I)で表される光重合開始剤の市販品の例としては、IHT社製のOmnipol BP、Omnipol 2702、Omnipol TX、Omnipol SZ、Omnipol ASA、Omnipol 910、Omnipol 9210、Omnipol 9220、Omnipol 682等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の光重合開始剤を混ぜてもよい。上記一般式(I)で表される光重合開始剤は、(A)光硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜9質量部、更に好ましくは2〜8質量部の割合で含まれる。上記一般式(I)で表される光重合開始剤が0.5質量部以上の場合、硬化性が向上する。一方、上記一般式(I)で表される光重合開始剤が10質量部以下の場合、密着性等が向上する。
[(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマー]
本発明の光硬化性組成物は、(C)成分として、官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含む。光反応性モノマーは、1つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーであり、反応性希釈剤として用いられるものである。光反応性モノマーとしては公知のものをいずれも用いることができる。例えば、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリジノンなどの環状骨格を有する単官能感光性モノマー類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;およびメラミンアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレートおよび上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。
本発明においては、(C)成分のうち少なくとも一種が、低反り性に優れた硬化物を得られることから、1官能の(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。また、(C)成分のうち少なくとも一種が、硬化性の観点から、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
また、(C)成分のうち少なくとも1種として、リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを含有することができる。リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合には、硬化物の密着性に優れるため好ましい。中でも、室温で液状のものが取り扱いやすくが好ましい。
(C)成分の配合量は、(C)成分に該当する光反応性モノマーの総量で、(A)光硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部の割合で含まれる。
[(D)着色剤]
本発明の光硬化性組成物は、着色剤を含有することができる。着色剤、例えば黒色の着色剤は、光を吸収するために光硬化性組成物の硬化性が低下し得る。しかしながら、本発明によれば、そのような着色剤を含有していても、硬化性に優れた光硬化性組成物を得ることができる。着色剤としては、黒、赤、青、緑、黄、白などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体的には、カラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
(D)着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D)着色剤は、(A)光硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部、更に好ましくは0.08〜0.3質量部の割合で含まれる。着色剤が0.01質量部以上の場合、鮮明な色調が得られやすい。一方、着色剤が1質量部以下の場合、着色剤が紫外線を遮断しにくく光ラジカル重合反応を阻害しにくい。
[その他の成分]
本発明の光硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記成分以外の公知の添加剤を配合してもよい。添加剤としては熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、フィラー、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤等が挙げられる。また、後述するように、本発明の光硬化性組成物を凹部に充填したまま硬化する場合は、乾燥工程を経ないことが多いため、溶剤を配合しない方が好ましい。上記の、配合しない方が好ましいというのは、組成物中に微量の該当成分が含まれることを排除するものではない。
[組成物を硬化して成型品を作る方法]
本発明にかかる光硬化性組成物は、下記の塗工方法で基材などに塗工後、紫外線、好ましくは波長200〜400nmの紫外線を照射し、硬化する。
紫外線の照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ、レーザー、UV−LEDなどが挙げられる。
塗布方法は、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等の任意の方法を適用することができる。
ここで、表面に凹部を有する版体を用いて、本発明の光硬化性組成物を凹部に充填し、充填した光硬化性組成物を紫外線により硬化させ、その硬化物を凹部から取り出すことにより成型品を得る方法について図面を用いて例示する。
図1は、表面に凹部(2)を有した版体(1)を示している。一般的には、ステンレスなどの金属製のものが用いられる。
図2は、この版体に本発明の光硬化性組成物を充填した状態(3)を示している。一般的には、ドクターナイフなどを用いて光硬化性組成物を版体の凹部へ充填する。
図3は、その上部から基材(4)を被せ、さらにその上部の光源(5)から紫外線を照射して本発明の光硬化性組成物を硬化させる工程を示している。一般的に、基材(4)には紫外線を透過する透明なポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート製のフィルムが用いられる。
図4には、硬化物を版体(1)から離型し硬化成型体(6)を得る状態を示している。図1から図4の一連の工程は、専用の装置を用いることで、連続的に成型品を製造することができる。
本発明の光硬化性組成物は、25℃で、好ましくは1〜80dPa・s、より好ましくは10〜50dPa・sの粘度を有する。このような粘度範囲により硬化性と反りのバランスに優れる。
本発明の成型品は、上記本発明の光硬化性組成物を成型してなることを特徴とするものである。凹部に充填したままの光硬化による成型方法では、酸素による硬化阻害がないため、厚みを増すことができ、最厚部で厚さ5mmとすることも可能である。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例により何ら制限されるものではない。
下記表1,2記載の各成分を混合、攪拌し、光硬化性組成物を調製した。
(成型性)
得られた各組成物について、東機産業社製コーンプレート型粘度計TVE−33H(コーンローター3°R9.7、5rpm)により25℃での粘度を測定した。低粘度の光硬化性組成物は、例えば成型用版体の凹部に充填する際に取扱性が良好であるため、成形性に優れる。
(反り及び鉛筆硬度評価用試験片作製条件)
各透明性光硬化性組成物を硬化後の膜厚が約70μmとなるように東洋紡社製易接着PETフィルム上にバーコーターで塗布し、さらに上から未処理PETフィルムで覆い、UVコンベア炉(高圧水銀灯、80W、3灯)を用いて露光量2000mJ/cmで露光し、未処理PETフィルムを剥がし、さらに熱風循環式乾燥炉で120℃1時間加熱して試験片を得た。
(低反り性)
得られた試験片を、5cm角に切り出し、反りを生じた辺が上を向くように平らな台に置き、反りのある一辺を指で台に押さえつけて、反対側の浮き上がった辺の台からの高さを読み取り、反りの大きさを測定した。
◎:試験片の反り量が3mm未満
○:試験片の反り量が3mm以上5mm未満
△:試験片の反り量が5mm以上10mm未満
×:試験片の反り量が10mm以上
(硬化性)
各試験片に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を、約45°の角度で押し付けて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
Figure 0006440944
Figure 0006440944
Figure 0006440944
Figure 0006440944
※1:ダイセル・サイテック社製EBECRYL8402、2官能ウレタンアクリレート、光硬化性樹脂
※2:ダイセル・サイテック社製EBECRYL860、2官能ポリエステルアクリレート、光硬化性樹脂
※3:ダイセル・サイテック社製EBECRYL1870、6官能ポリエステルアクリレート、光硬化性樹脂
※4:IHT社製Omnipol9210、PPTTAで希釈したポリエチレングリコール(200)ジ(β−4−[4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノイルフェニル]ピペラジン)プロピオネート、紫外線吸収団を2つ有する液状光重合開始剤(上記化合物No.6)
※5:IHT社製Omnipol9220、50%TMP3EOTA(エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート)で希釈したポリエチレングリコール(200)ジ(β−4−[4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノイルフェニル]ピペラジン)プロピオネート、紫外線吸収団を2つ有する液状光重合開始剤(上記化合物No.6)
※6:BASFジャパン社製イルガキュア184、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、紫外線吸収団を1つ有する固形光重合開始剤
※7:BASFジャパン社製ダロキュア1173、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン、紫外線吸収団を1つ有する液状光重合開始剤
※8:三菱レイヨン社製ダイヤビームUK−4101、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、2官能光反応性モノマー
※9:新中村化学工業社製NKエステルA−NPG、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2官能光反応性モノマー
※10:共栄社化学社製ライトエステルHO−250(N)、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、1官能光反応性モノマー
※11:日本化薬社製カヤラッドTMPTA、トリメチロールプロパントリアクリレート、3官能光反応性モノマー
※12:日本化薬社製カヤラッドDPHA、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能光反応性モノマー
※13:石原産業社製タイペークCR−97、着色剤
表3、4に示すように、実施例1〜11は、光硬化性樹脂、上記一般式(I)で表される光重合開始剤、及び官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含むため、硬化性に優れていた。また、光硬化性樹脂が2官能アクリレートである実施例1〜10は、低反り性にも優れていた。さらに、実施例5〜10は、官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーのうち1種が1官能の(メタ)アクリレートモノマーであるため、硬化性、低反り性に加えて、成型性にも優れていた。一方、比較例1、3は、光硬化性樹脂及び官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含んでいるが、上記一般式(I)で表される光重合開始剤を含んでいないため、硬化性が劣っていた。また、比較例2は、光硬化性樹脂及び上記一般式(I)で表される光重合開始剤は含んでいるが、1官能の(メタ)アクリレートモノマー以外の(メタ)アクリレートモノマーを含んでいないため、硬化性が劣っていた。
1・・・版体
2・・・凹部
3・・・光硬化性組成物
4・・・基材
5・・・光源
6・・・成型品

Claims (5)

  1. (A)光硬化性樹脂、
    (B)下記一般式(I)で表される光重合開始剤、および、
    (C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーを含むことを特徴とする光硬化性組成物。
    Figure 0006440944
    (式中、RおよびR´はそれぞれ独立して紫外線吸収団を表し、lは2〜4の整数、mは1以上の整数を表し、前記紫外線吸収団は、下記式(III)〜(V)、(VII)の何れかで示される構造である。)
    Figure 0006440944
  2. 前記(C)官能基数が異なる少なくとも2種の光反応性モノマーのうち、少なくとも1種が1官能の(メタ)アクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. さらに、(D)着色剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
  4. 凹部に充填した状態で、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる成形法に用いられ、かつ、有機溶剤を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  5. 請求項4に記載の光硬化性組成物を成形してなる成形品。
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