以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態のハイブリッドユニットボックス(バッテリユニットボックス)10は、ハイブリッド電気自動車である車両1に搭載される。車両1は、車体フレーム2と、前後2つのステー3とを有する。
車体フレーム2は、前後方向へ延びる左右1対のサイドメンバ4と、車幅方向へ延びて左右のサイドメンバ4同士を連結する第1クロスメンバ5と、第1クロスメンバ5の後方で車幅方向へ延びて左右のサイドメンバ4同士を連結する第2クロスメンバ6とを有する。
図2及び図3に示すように、ステー3は、略鉛直方向に延びる鉛直部3aと、鉛直部3aの下端から車幅方向外側へ曲折して略水平方向に延びる水平部3bとによって略L字状に一体形成される。鉛直部3aの上端部には、ボルト穴(図示省略)が形成される。前後のステー3は、車両1の前輪(図示省略)と後輪(図示省略)との間の車幅方向左側のサイドメンバ4の車幅方向外側面の前後2箇所に略同じ高さ位置で相互に前後に離間して配置されて、鉛直部3aがサイドメンバ4の下端縁よりも下方へ延びた状態で、ボルト穴を挿通するボルト7によってサイドメンバ4にそれぞれ固定される。前後のステー3の水平部3bの車幅方向内端部の下面には、両ステー3に亘って前後方向に延びるアングル37が固定される。アングル37には、後述するボックスカバー13を支持するカバー支持具38が、アングル37から下方へ延びるようにアングル37の前後方向の3箇所(図3には、2箇所のみを示す)に固定される。
図2に示すように、ハイブリッドユニットボックス10は、バッテリボックス12と、バッテリボックス12に固定されるボックスカバー13とを備え、バッテリボックス12が前後のステー3に固定されることにより車両1に固定される。バッテリボックス12の内部には、第1の収容空間14が区画される。また、ボックスカバー13がバッテリボックス12に固定された状態で、バッテリボックス12の下方には、第2の収容空間15が区画される。なお、図2では、ハイブリッドユニットボックス10の第1の収容空間14及び第2の収容空間15に収容されるバッテリ関連機器群の図示を省略している。
図3に示すように、第1の収容空間14には、第1のバッテリ関連機器群が収容される。本実施形態における第1のバッテリ関連機器群は、防水する必要性が高く、且つ自身が防水性を有さない機器群であり、ハイブリッドバッテリ(バッテリ)11、バッテリファン16、ファンダクト20、バッテリコントロールユニット17、ジャンクションパレット18、及びDC−DCコンバータ19等を含む。ハイブリッドバッテリ11は、例えば、リチウムイオン電池であって、車両1の発進時や加速時などに、インバータを介してモータジェネレータ(図示省略)に電力を供給する。また、ハイブリッドバッテリ11は、車両1の減速時などにモータジェネレータが発電した電力をインバータを介して蓄電する。バッテリファン16は、ハイブリッドバッテリ11等を冷却するための空気をバッテリボックス12の外部から第1の収容空間14に取り入れ、冷却後の空気を第1の収容空間14からファンダクト20を介してバッテリボックス12の外部へ排出する。バッテリコントロールユニット17は、主にハイブリッドバッテリ11を制御する。ジャンクションパレット18は、電気の流れを切り換える。DC−DCコンバータ19は、高電圧の直流電流を降圧する。
第2の収容空間15には、第2のバッテリ関連機器群が収容される。本実施形態における第2のバッテリ関連機器群は、防水する必要性が低く、または自身が防水性を有している機器群であり、インバータ21、ラジエータ22、ラジエータファン23及びウォーターポンプ24等を含む。インバータ21は、高電圧の直流電流と三相交流電流との変換を行う。ラジエータ22は、インバータ21等を冷却する冷却水と空気との間で熱交換を行う。ラジエータファン23は、ラジエータ22のコア22aに空気を流通させる。ウォーターポンプ24には、管路25が連結され、管路25内の冷却水を循環させる。
バッテリボックス12は、下方へ開口する箱体状の上ケース26と、上方へ開口する箱体状の下ケース27とを有し、両ケース16,17の開口側同士を固定して、後述する吸気口28及び排気口29以外が略密閉された箱体状に形成される。バッテリボックス12は、前後のステー3の水平部3bの上方に載置され、前後のステー3のそれぞれに設けられる前後のバンド30によってステー3に対して固定される。バンド30は、金属製の板状体であって、ステー3の鉛直部3aの上端部からバッテリボックス12の上面に沿って車幅方向外側へ延び、バッテリボックス12の車幅方向外端部で下方へ湾曲してバッテリボックス12の車幅方向外側面に沿って下方へ延び、ステー3の水平部3bの車幅方向外端部に固定される。
上ケース26は、前板部26a(図2参照)と後板部26bと左右の側板部26c,26d(図2参照)と上板部26eとによって下方へ開口する箱体状に一体形成される。上板部26eの車幅方向外端部には、ボックスカバー13を固定するためのボルト穴31をそれぞれ有する複数(本実施形態では、5つ)の板状の取付金具32が固定される。上ケース26の下端縁には、前板部26a、後板部26b、及び左右の側板部26c,26dのそれぞれの下端縁から上ケース26の外側へ向かって略水平方向に拡がる板状のフランジ部33が一体形成される。フランジ部33には、複数のボルト穴34が形成される。上ケース26の左側の側板部26cには、バッテリファン16によって第1の収容空間14へ空気を吸入するための吸気口(ボックス通気口)28と、第1の収容空間14から空気を排出するための排気口(ボックス通気口)29とが形成される(図4参照)。
吸気口28は、矩形状の開口であって、上ケース26の左側の側板部26cのうち前後のバンド30の間に配置され、左側の側板部26cを車幅方向に貫通して第1の収容空間14と外部とを連通する。排気口29は、矩形状の開口であって、上ケース26の左側の側板部26cのうち前側のバンド30よりも前方、且つ吸気口28と略同じ高さ位置に配置され、左側の側板部26cを車幅方向に貫通して第1の収容空間14と外部とを連通する。排気口29の内側には、ハイブリッドバッテリ11等を冷却した空気を排気口29へ案内するためのファンダクト20の開口(図3参照)が配置される。
下ケース27は、前板部27a(図2参照)と後板部27bと左右の側板部27c,27d(図2参照)と下板部27e(図2参照)とによって上方へ開口する箱体状に一体形成される。下ケース27の上端縁には、前板部27a、後板部27b、及び左右の側板部27c,27dのそれぞれの上端縁から下ケース27の外側へ向かって略水平方向に拡がる板状のフランジ部35が一体形成される。フランジ部35には、複数のボルト穴36が形成される。
バッテリボックス12は、上ケース26のフランジ部33の下面と、下ケース27のフランジ部35の上面とを密着させた状態で、上ケース26と下ケース27とが複数のボルト穴34,36を挿通するボルト(図示省略)によって固定され、吸気口28及び排気口29以外が略密閉された箱体状に形成される。バッテリボックス12の内側の第1の収容空間14の車幅方向左側(一側)は、バッテリボックス12の左側の側板部(ボックス外壁部)39(図2参照)に区画される。バッテリボックス12の左側の側板部36は、上ケース26の左側の側板部26cと下ケース27の左側の側板部27cによって構成される。バッテリボックス12の左側の側板部39からは、上ケース26及び下ケース27のフランジ部33,35が前後方向に延びて車幅方向外側へ突出している。
図3及び図4に示すように、バッテリボックス12の上ケース26には、金属製の吸気口カバー(通気口カバー)40と、金属製の排気口カバー(通気口カバー)41とが固定される。吸気口カバー40は、上ケース26の左側の側板部26cの吸気口28の外側に配置され、車幅方向外側から吸気口28を覆うように左側の側板部26cの吸気口28の周縁部に前後1対のボルト42によって固定される。左側の側板部26cと吸気口カバー40との間には、図示しないフィルターが設けられ、フィルターは、第1の収容空間14の内部へ吸入される空気の通過を許容するとともに、空気から埃等の不純物を除去する。フィルターは、バッテリボックス12に対して交換可能に設けられ、定期的に交換される。排気口カバー41は、上ケース26の左側の側板部26cの排気口29の外側に配置され、車幅方向外側から排気口29を覆うように左側の側板部26cの排気口29の周縁部に前後1対のボルト43によって固定される。
図4、図5(a)、及び図5(b)に示すように、吸気口カバー40は、上ケース26の左側の側板部26cに沿って前後方向に延びる板状のフィルター支持板部45と、フィルター支持板部45の前後の両端縁から曲折して車幅方向外側へ突出する前後1対の突出板部46a,46bと、フィルター支持板部45から車幅方向外側へ突出する吸気ダクト部(ダクト部)47とによって一体形成される。
フィルター支持板部45には、2つの矩形状の開口44が前後方向に並んで形成される。フィルター支持板部45の2つの開口44が吸気口28に対応する位置に配置され、フィルター支持板部45が上ケース26の吸気口28の周辺を車幅方向外側から覆う。前後の開口44の上端縁は、吸気口28の上端縁と略同じ高さ位置にそれぞれ配置され、前後の開口44の下端縁は、吸気口28の下端縁と略同じ高さ位置にそれぞれ配置される。前側の開口44の前端縁は、吸気口28の前端縁と前後方向の略同じ位置に配置され、後側の開口44の後端縁は、吸気口28の後端縁と前後方向の略同じ位置に配置される。
吸気ダクト部47は、上板部47aと側板部(板部)47bと前板部47cと後板部47dとを一体的に有し、吸気口28から連続して下方へ延びて、下方へ向かって開口する吸気路(通気路)48を内部に区画し、バッテリボックス12の左側の側板部39から車幅方向外側へ突出する。すなわち、吸気路48は、吸気口28から連続して、後述する車幅方向外側のボックスカバー13のサイドカバー部13cへ向かう方向と交叉する方向(下方)へ延びて、サイドカバー部13cへ向かう方向と交叉する方向(下方)へ開口する。吸気ダクト部47の上板部47aは、フィルター支持板部45の車幅方向外側面のうち前後の開口44の上端縁よりも上方に溶接等によって固定され、車幅方向外側の下方へ向かって延びる。上板部47aは、上方へ膨出するように湾曲する。側板部47bは、上板部47aの先端縁から連続して下方へ延び、吸気口28から車幅方向外側へ離間した位置で吸気口28と対向する。前板部47cは、フィルター支持板部45の車幅方向外側面のうち前側の開口44の前端縁よりも前方、且つ前側の突出板部46aよりも後方に溶接等によって固定されて車幅方向外側へ延び、その先端が上板部47a及び側板部47bの前端縁に連続する。後板部47dは、フィルター支持板部45の車幅方向外側面のうち後側の開口44の後端縁よりも後方、且つ後側の突出板部46bよりも前方に溶接等によって固定されて車幅方向外側へ延び、その先端が上板部47a及び側板部47bの後端縁に連続する。吸気ダクト部47の上板部47aが吸気路48の上方を、側板部47bが吸気路48の車幅方向外側を、前板部47cが吸気路48の前方を、後板部47dが吸気路48の後方をそれぞれ区画する。
前後の突出板部46a,46bは、吸気ダクト部47の外部(フィルター支持板部45の前後の両端縁)で上下方向に延びて、バッテリボックス12の左側の側板部39から車幅方向外側へそれぞれ突出する。前後の突出板部46a,46bの先端は、吸気ダクト部47の側板部47bと車幅方向の略同じ位置にそれぞれ配置される。
フィルター支持板部45には、吸気ダクト部47の前板部47cと前側の突出板部46aとの間、及び吸気ダクト部47の後板部47dと後側の突出板部46bとの間にボルト穴49が形成される。吸気口カバー40は、フィルター支持板部45と上ケース26の左側の側板部26cとの間にフィルターを挟んだ状態で、上ケース26の左側の側板部26cにボルト穴49を挿通するボルト42(図4参照)によって固定される。
図4、図6(a)、及び図6(b)に示すように、排気口カバー41は、上ケース26の左側の側板部26cに沿って前後方向に延びる平板部50と、平板部50の前後の両端縁から曲折して車幅方向外側へ突出する前後1対の突出板部51a,51bと、平板部50から車幅方向外側へ突出する排気ダクト部(ダクト部)52とによって一体形成される。
平板部50には、排気口29と略同じ大きさの矩形状の開口53が形成される。開口53の前後方向の中央部は、平板部50の前後方向の中央部よりも前方に配置される。平板部50の開口53が排気口29に対応する位置に配置され、平板部50が上ケース26の排気口29の周辺を車幅方向外側から覆う。
排気ダクト部52は、上板部52aと側板部(板部)52bと前板部52cと後板部52dとを一体的に有し、排気口29から連続して延びて下方(車幅方向と交叉する方向)へ延びて、下方へ向かって開口する排気路(通気路)54を内部に区画し、バッテリボックス12の左側の側板部39から車幅方向外側へ突出する。すなわち、排気路54は、排気口29から連続して、後述する車幅方向外側のボックスカバー13のサイドカバー部13cへ向かう方向と交叉する方向(下方)へ延びて、サイドカバー部13cへ向かう方向と交叉する方向(下方)へ開口する。排気ダクト部52の上板部52aは、平板部50の車幅方向外側面のうち開口53の上端縁よりも上方に溶接等によって固定され、車幅方向外側の下方へ向かって延びる。上板部52aは、上方へ膨出するように湾曲する。側板部52bは、上板部52aの先端縁から連続して下方へ延び、排気口29から車幅方向外側へ離間した位置で排気口29と対向する。前板部52cは、平板部50の車幅方向外側面のうち開口53の前端縁よりも前方、且つ前側の突出板部51aよりも後方に溶接等によって固定されて車幅方向外側へ延び、その先端が上板部52a及び側板部52bの前端縁に連続する。後板部52dは、平板部50の車幅方向外側面のうち開口53の後端縁よりも後方、且つ後側の突出板部51bよりも前方に溶接等によって固定されて車幅方向外側へ延び、その先端が上板部52a及び側板部52bの後端縁に連続する。排気ダクト部52の上板部52aが排気路54の上方を、側板部52bが排気路54の車幅方向外側を、前板部52cが排気路54の前方を、後板部52dが排気路54の後方をそれぞれ区画する。
前後の突出板部51a,51bは、排気ダクト部52の外部(平板部50の前後の両端縁)で上下方向に延びて、バッテリボックス12の左側の側板部39から車幅方向外側へそれぞれ突出する。前後の突出板部51a,51bの先端は、排気ダクト部52の側板部52bと車幅方向の略同じ位置にそれぞれ配置される。
平板部50には、排気ダクト部52の前板部52cと前側の突出板部51aとの間、及び排気ダクト部52の後板部52dと後側の突出板部51bとの間にボルト穴55が形成される。排気口カバー41は、上ケース26の左側の側板部26cにボルト穴55を挿通するボルト43(図4参照)によって固定される。
図2及び図7に示すように、ボックスカバー13は、板状の前カバー部13aと、板状の後カバー部13bと、車幅方向外側の板状のサイドカバー部(カバーパネル)13cと、板状の下カバー部13dとによって一体形成される樹脂製のカバーであって、車幅方向内側及び上方へ開放し、バッテリボックス12の複数の取付金具32及びカバー支持具38に固定される。ボックスカバー13の各板部13a〜13dは、後述するように、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の前側、後側、車幅方向外側(左側)、及び下側を区画する。なお、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の上側は、バッテリボックス12の下ケース27の下板部27eによって区画され、第2の収容空間15は、車幅方向内側(右側)へ開放している。
前カバー部13aは、バッテリボックス12の下ケース27の前板部27aの前方で起立し、前板部27aを前方から覆う略矩形状の上側領域58と、上側領域58の下端縁から斜め後下方へ延びる下側領域59とを有する。前カバー部13aの下側領域59には、斜め後上方へ凹むように曲折形成される左右1対のビード60が、下側領域59に沿って斜め前後方向に延びる。前カバー部13aの下側領域59は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の前側を区画する。
下カバー部13dは、略矩形状に形成され、前カバー部13aの下側領域59の下端縁から後方へ略水平に延び、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の下側を区画する。下カバー部13dには、上方へ凹むように曲折形成される左右1対のビード61が、前カバー部13aの下側領域59の左右のビード60から連続して後方へ延びる。下カバー部13dの車幅方向内端部には、複数のカバー支持具38に対応する位置に、複数(本実施形態では、3箇所)のボルト穴62が形成され、下カバー部13dは、複数のボルト穴62を挿通するボルト(図示省略)によって複数のカバー支持具38に固定される。
後カバー部13bは、略矩形状に形成され、下カバー部13dの後端縁から起立し、下ケース27のフランジ部35の近傍まで延び、下ケース27の後板部27bを後方から覆う。後カバー部13bのうち下ケース27の後板部27bと対向する領域よりも下方の領域は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の後側を区画する。
サイドカバー部13cは、前後方向に延びるビード63と、複数(本実施形態では、24個)の開口によって構成されるラジエータファン吸気口64と、上下方向に延びる複数(本実施形態では、6本)のリブ65a〜65fとを有し、バッテリボックス12の左側の側板部39よりも車幅方向外側に配置され、下カバー部13dの車幅方向外端縁に沿って起立する。サイドカバー部13cの前端縁は、前カバー部13aの車幅方向外端縁に連続し、サイドカバー部13cの後端縁は、後カバー部13bの車幅方向外端縁に連続する。サイドカバー部13cの上端縁は、バッテリボックス12の左側の側板部39よりも上方に配置される。すなわち、ボックスカバー13のサイドカバー部13cは、バッテリボックス12の左側の側板部39の全域を車幅方向外側から覆う。サイドカバー部13cのうちバッテリボックス12の左側の側板部39と対向する領域よりも下方の領域は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の左側を区画する。サイドカバー部13cの上端縁部には、複数の取付金具32のボルト穴31に対応する位置に複数のボルト穴(図示省略)が形成され、該ボルト穴及び取付金具32のボルト穴31を挿通するボルト66(図1及び図2参照)によって、サイドカバー部13cがバッテリボックス12に対して固定される。サイドカバー部13cとバッテリボックス12の左側の側板部39との間には、空間(以下、カバー内側空間と称する)が区画される。バッテリボックス12のフランジ部33,35の先端(車幅方向外端)、吸気口カバー40の前後の突出板部46a,46bの先端、及び排気口カバー41の前後の突出板部51a,51bの先端と、サイドカバー部13cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。
サイドカバー部13cのビード63は、バッテリボックス12のフランジ部33,35よりも下方に配置され、下ケース27の左側の側板部27c側へ向かって凹むように曲折形成されてサイドカバー部13cの前後に亘って延び、サイドカバー部13cを補強する。ビード63の車幅方向内端部と、下ケース27の左側の側板部27cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。
図2及び図7に示すように、ラジエータファン吸気口64は、サイドカバー部13cのうちビード63よりも下方の領域に形成され、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15とサイドカバー部13cの外部とを連通する。
図4及び図7に示すように、複数のリブ65a〜65fの各々は、板状体であって、サイドカバー部13cと一体形成され、サイドカバー部13cから車幅方向内側(バッテリボックス12の左側の側板部39側)に向かって突出して上下方向に延び、サイドカバー部13cを補強する。複数のリブ65a〜65fの先端と、上ケース26の左側の側板部26cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。
リブ65aは、排気口カバー41の前側の突出板部51aよりも前方、且つ前側の突出板部51aの近傍に配置されて上下方向に延びる。リブ65aの先端は、排気口カバー41の前側の突出板部51aの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部39側に突出する。リブ65aの後面と排気口カバー41の前側の突出板部51aの前面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
リブ65bは、排気口カバー41の後側の突出板部51bよりも後方、且つ後側の突出板部51bの近傍に配置されて上下方向に延びる。リブ65bの先端は、排気口カバー41の後側の突出板部51bの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部39側に突出する。リブ65bの前面と排気口カバー41の後側の突出板部51bの後面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
リブ65cは、吸気口カバー40の前側の突出板部46aよりも前方、且つ前側の突出板部46aの近傍に配置されて上下方向に延びる。リブ65cの先端は、吸気口カバー40の前側の突出板部46aの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部39側に突出する。リブ65cの後面と吸気口カバー40の前側の突出板部46aの前面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
リブ65dは、吸気口カバー40の後側の突出板部46bよりも後方、且つ後側の突出板部46bの近傍に配置されて上下方向に延びる。リブ65dの先端は、吸気口カバー40の後側の突出板部46bの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部39側に突出する。リブ65dの後面と吸気口カバー40の後側の突出板部46bの前面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。リブ65eは、サイドカバー部13cのうちリブ65dよりも後方に配置されて上下方向に延びる。リブ65fは、サイドカバー部13cのうちリブ65eよりも後方に配置されて上下方向に延びる。
第1の収容空間14のハイブリッドバッテリ11等を冷却するための空気は、バッテリファン16によって、主にバッテリボックス12とボックスカバー13の縁(例えば、サイドカバー部13cの上端縁)との間からカバー内側空間へ流入し、吸気カバー40の吸気ダクト部47の吸気路48を流通してフィルターを介してバッテリボックス12の吸気口28から第1の収容空間14に吸入される。バッテリボックス12の排気口29から第1の収容空間14の外部へ排出された空気は、排気口カバー41の排気ダクト部52の排気路54を流通してカバー内側空間へ排出され、バッテリボックス12とボックスカバー13の縁との間からハイブリッドユニットボックス10の外部へ排出される。
第2の収容空間15のインバータ21等を冷却するための空気は、ラジエータファン23によって、主にボックスカバー13のラジエータファン吸気口64から第2の収容空間15へ流入し、第2の収容空間15の車幅方向内側の車両1の下方へ排出される。
上記のように構成されたハイブリッドユニットボックス10では、ハイブリッドバッテリ11がバッテリボックス12の第1収容空間14に収納され、バッテリボックス12は、吸気口28及び排気口29以外が略密閉されるので、降雨や洗車の際に、第1収容空間14への水の浸入を抑えることができる。
また、バッテリボックス12の左側の側板部39がボックスカバー13のサイドカバー部13cに車幅方向外側から覆われて外側へ露出しないので、降雨や洗車の際に、水がバッテリボックス12の左側の側板部39に直接かかってしまうことをサイドカバー部13cによって防止することができる。このため、バッテリボックス12の左側の側板部39の吸気口28や排気口29からの水の浸入を防止することができる。また、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口64は、バッテリボックス12よりも下方に設けられる。すなわち、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口64は、バッテリボックス12の左側の側板部39と対向しないので、ラジエータファン吸気口64からサイドカバー部13cの内側に浸入した水がバッテリボックス12の左側の側板部39にかかり難い。
また、吸気口カバー40の吸気ダクト部47は、吸気口28から車幅方向外側に離間して吸気口28と対向する側板部47bを有し、吸気口28を車幅方向外側から覆う。また、排気口カバー41の排気ダクト部52は、排気口29から車幅方向外側に離間して排気口29と対向する側板部52bを有し、排気口29を車幅方向外側から覆う。すなわち、吸気口28及び排気口29が、ボックスカバー13に加えてボックスカバー13よりも車幅方向内側で吸気ダクト部47及び排気ダクト部52(以下、両ダクト部47,52と称する)の側板部47b,52bにも車幅方向外側から覆われるので、降雨や洗車の際のハイブリッドバッテリ11の防水性を高めることができる。例えば、ボックスカバー13に対して車幅方向外側から衝突体が接触(衝突も含む)し、樹脂製のボックスカバー13のサイドカバー部13cに亀裂が生じ、カバー内側空間に水が浸入し易くなっても、吸気口28及び排気口29が両ダクト部47,52の側板部47b,52bに覆われて外部へ露出しないので、カバー内側空間に侵入した水が吸気口28及び排気口29に直接かかってしまうことを、両ダクト部47,52の側板部47b,52bによって防止することができる。
また、吸気ダクト部47の吸気路48及び排気ダクト部52の排気路54は、下方へ向かって開口する。すなわち、吸気路48及び排気路54がボックスカバー13のサイドカバー部13c側に開口しないので、ボックスカバー13のサイドカバー部13cに亀裂が生じても、サイドカバー部13c側から両ダクト部47,52の吸気路48及び排気路54内に水が侵入し難い。従って、ボックスカバー13のサイドカバー部13cが破損した場合であっても、吸気口28及び排気口29からバッテリボックス12内への水の浸入を防止することができる。
また、吸気口カバー40の前後の突出板部46a,46bの先端は、吸気ダクト部47の側板部47bと車幅方向の略同じ位置にそれぞれ配置される。また、排気口カバー41の前後の突出板部51a,51bの先端は、排気ダクト部52の側板部52bと車幅方向の略同じ位置にそれぞれ配置される。このため、ボックスカバー13に対して車幅方向外側から衝突体が接触し、ボックスカバー13のサイドカバー部13cがバッテリボックス12の左側の側板部39側へ押圧されても、サイドカバー部13cが吸気口カバー40の前後の突出板部46a,46bや排気口カバー41の前後の突出板部51a,51bに当接することによって、バッテリボックス12の左側の側板部39側へのサイドカバー部13cの移動を抑えることができる。例えば、サイドカバー部13cが吸気ダクト部47(又は排気ダクト部52)よりも先に前後の突出板部46a,46b(又は前後の突出板部51a,51b)に当接した場合には、バッテリボックス12の左側の側板部39側へのサイドカバー部13cの移動が前後の突出板部46a,46bによって抑えられ、吸気ダクト部47を破損や変形から保護することができる。また、サイドカバー部13cが前後の突出板部46a,46b(又は前後の突出板部51a,51b)よりも先に吸気ダクト部47(又は排気ダクト部52)に当接した場合であっても、その後、サイドカバー部13cが前後の突出板部46a,46bに当接すると、バッテリボックス12の左側の側板部39側へのサイドカバー部13cの移動が前後の突出板部46a,46bによって抑えられ、吸気ダクト部47の破損や変形を小さく抑えることができる。従って、ボックスカバー13に対して車幅方向外側から衝突体が接触しても両ダクト部47,52が破損し難いので、ボックスカバー13のサイドカバー部13cが破損してカバー内側空間に水が浸入しても、両ダクト部47,52によって吸気口28や排気口29からバッテリボックス12内への水の浸入を防止することができる。
また、前後の突出板部46a,46b(又は前後の突出板部51a,51b)が吸気ダクト部47(又は排気ダクト部52)と一体形成されるので、前後の突出板部46a,46bによって吸気ダクト部47の剛性を高めることができる。このため、両ダクト部47,52の変形を突出板部46a,46b,51a,51bによって抑えることができるので、ボックスカバー13に対して車幅方向外側から衝突体が接触した際、両ダクト部47,52の破損が抑えられ、両ダクト部47,52によって吸気口28や排気口29からバッテリボックス12内への水の浸入を防止することができる。
従って、本実施形態によれば、ボックスカバー13に衝突体が衝突しても、吸気口28や排気口29からバッテリボックス12内への水の浸入を防止して、バッテリボックス12の内部のハイブリッドバッテリ11を防水することができる。
また、ハイブリッドユニットボックス10が樹脂製のボックスカバー13を有するので、金属製のボックスカバーを有する場合に比べて、ボックスカバー及びハイブリッドユニットボックス10の軽量化、及び製造コストの削減を図ることができる。
また、吸気口カバー40(又は排気口カバー41)は、吸気ダクト部47(又は排気ダクト部52)と前後の突出板部46a,46b(又は前後の突出板部51a,51b)とが一体形成されるので、吸気ダクト部47と前後の突出板部46a,46bとが別体である場合に比べて、バッテリボックス12への取付作業の作業工数を削減することができる。
また、吸気口28を覆う吸気ダクト部47の前方に前側の突出板部46aが配置され、後方に後側の突出板部46bが配置されるので、サイドカバー部13cの上方等から吸気口カバー40の前方や後方のカバー内側空間に水が侵入しても、バッテリボックス12の左側の側板部39の外側面上を流れて吸気口28側へ向かう水に対して、前後の突出板部46a,46b及び吸気ダクト部47が障壁となる。また、ボックスカバー13のサイドカバー部13cのリブ65cが吸気口カバー40の前側の突出板部46aよりも前方に配置され、リブ65d〜65fが吸気口カバー40の後側の突出板部46bよりも後方に配置されるので、吸気口カバー40の前方や後方のカバー内側空間に水が侵入しても、サイドカバー部13cの内側面上を流れて吸気口28側へ向かう水に対してリブ65c,65d〜65fが障壁となる。従って、カバー内側空間に侵入した水の吸気口28側への浸入を防止することができる。
また、排気口29を覆う排気ダクト部52の前方に前側の突出板部51aが配置され、後方に後側の突出板部51bが配置されるので、サイドカバー部13cの上方等から排気口カバー41の前方や後方のカバー内側空間に水が侵入しても、バッテリボックス12の左側の側板部39の外側面上を流れて排気口29側へ向かう水に対して、前後の突出板部51a,51b及び排気ダクト部52が障壁となる。また、ボックスカバー13のサイドカバー部13cのリブ65aが排気口カバー41の前側の突出板部46aよりも前方に配置され、リブ65bが後側の突出板部51bよりも後方に配置されるので、排気口カバー41の前方や後方のカバー内側空間に水が侵入しても、サイドカバー部13cの内側面上を流れて排気口29側へ向かう水に対してリブ65a,65bが障壁となる。従って、カバー内側空間に侵入した水の排気口29側への浸入を防止することができる。
また、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口64とバッテリボックス12の吸気口28との間には、サイドカバー部13cのビード63とバッテリボックス12のフランジ部33,35とが前後方向に延びる。サイドカバー部13cのビード63は、サイドカバー部13c側からカバー内側空間に突出し、バッテリボックス12のフランジ部33,35は、バッテリボックス12の左側の側板部39側からカバー内側空間に突出する。このため、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口64からサイドカバー部13cの内部に水が浸入した際に、サイドカバー部13cのビード63は、水勢などによってサイドカバー部13cの内側面上を上方へ流れてバッテリボックス12の吸気口28側へ向かう水に対して障壁となる。また、バッテリボックス12のフランジ部33,35は、水勢などによってバッテリボックス12の下ケース27の左側の側板部27cの外側面上を上方へ流れてバッテリボックス12の吸気口28側へ向かう水に対して障壁となる。従って、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口64からバッテリボックス12の吸気口28側への水の浸入を防止することができる。
また、バッテリボックス12を第2の収容空間15よりも上方に配置するので、例えば、車両1が冠水路を走行する場合など、第2の収容空間15よりもバッテリボックス12が冠水し難い。すなわち、第1の収容空間14に収容される第1のバッテリ関連機器群(ハイブリッドバッテリ11を含む)は、第2の収容空間15に収容される第2のバッテリ関連機器群よりも冠水し難いので、第2のバッテリ関連機器群よりもハイブリッドバッテリ11の防水性が高い。
また、サイドカバー部13cのリブ65a〜65f、及びビード63は、サイドカバー部13cから突出してサイドカバー部13cを補強するので、バッテリボックス12の左側の側板部39の全域を覆うために樹脂製のサイドカバー部13cを大きく形成しても、リブ65a〜65f、及びビード63によってサイドカバー部13cの剛性を確保することができる。
また、サイドカバー部13cを補強するための65a〜65f、及びビード63を、ラジエータファン吸気口64からバッテリボックス12の吸気口28側や排気口29側への水の浸入を防止するための防水手段として機能させるので、水の浸入を防止するための他の部材をボックスカバー13側に新たに設ける必要がない。
なお、本実施形態では、バッテリボックス12に2つの通気口カバー(吸気口カバー40及び排気口カバー41)を設けたが、これに限定されるものではなく、バッテリボックス12に1つの通気口カバーを設けてもよく、或いは3つ以上の通気口カバーを設けてもよい。
また、本実施形態では、吸気口カバー40の吸気路48及び排気口カバー41の排気路54が下方へ向かって開口したが、これに限定されるものではなく、例えば、前後方向や上下方向へ向かって開口してもよい。
また、吸気口カバー40(又は排気口カバー41)の前後の突出板部46a,46b(又は前後の突出板部51a,51b)は、フィルター支持板部45(又は平板部50)の前後の両端縁から曲折して車幅方向外側へ突出したが、これに限定されるものではなく、例えば、前側の突出板部46aがフィルター支持板部45の前端縁よりも後方から車幅方向外側へ突出したり、後側の突出板部46bがフィルター支持板部45の後端縁よりも前方から車幅方向外側へ突出したりしてもよい。また、本実施形態では、吸気口カバー40が前後1対の突出板部46a,46bを有し、排気口カバー41が前後1対の突出板部51a,51bを有したが、これに限定されるものではなく、吸気口カバー40及び排気口カバー41は、それぞれ1つの突出板部、或いは3つ以上の突出板部を有してもよい。
また、本実施形態では、樹脂製のボックスカバー13と、金属製の吸気口カバー40及び排気口カバー41を設けたが、ボックスカバー13は金属製であってもよく、また吸気口カバー40及び排気口カバー41は樹脂製であってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、吸気口カバー40や排気口カバー41などの通気口カバーを、ハイブリッド電気自動車のハイブリッドユニットボックス10のバッテリボックス12に設けたが、電気自動車のバッテリのバッテリボックス等に設けてもよい。