JP6438736B2 - 梅干し成分浸出液濃縮物及び梅干しエキス - Google Patents

梅干し成分浸出液濃縮物及び梅干しエキス Download PDF

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Description

本発明は梅干しのエキスに関し、特に梅干しのエキスを含有する飲食品素材に関する。エキスは抽出物を意味し、動植物の成分を水等の媒体で浸出させた液体を濃縮したものをいう。エキスという文言の意味には液体も固体も含まれる。
梅干し風味の食品としては、梅干しの果肉(即ち、梅肉)、梅酢及び梅果汁等が加えられたキャンデー、シロップ等が存在する。梅干し風味の飲料として、特許文献1には、含有させるクエン酸量とナトリウム量を調節することで、梅干し感を再現したアルコール飲料が記載されている。特許文献2には、飲料の容器内に梅干しを丸ごと封入することで梅干し風味を付与した飲料が記載されている。
特許文献1の飲料は、梅干しを使用していない。そのため、アルコール分を含まない飲料では自然な梅干し感が得られない問題がある。また、特許文献2の飲料には、梅干しの品質、寸法によって付与される梅干し風味がばらつくため、飲料に付与する梅干し風味を最適化することが困難であり、梅干し風味を一定に維持することも困難という問題がある。また、従来の梅干し由来の抽出液は濁るため、透明な飲料に添加した場合に飲料の外観が悪くなる問題がある。
特開2014−158460号公報 特開2003−310159号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、透明性に優れた梅干し成分浸出液濃縮物を提供することである。
本発明は、果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を浸出させた液を濃縮して得られる、梅干し成分浸出液濃縮物を提供する。
ある一形態においては、前記白干し梅の成分を浸出させた液はBrix値が0.1〜18%である。
ある一形態においては、前記白干し梅の成分を浸出させた液は、水を含む液に白干し梅を浸漬して得たものである。
ある一形態においては、前記濃縮は減圧下30〜50℃の温度で行われる。
ある一形態においては、上記いずれかの梅干し成分浸出液濃縮物は、Brix値が20〜90%である。
また、本発明は、果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を液に浸出させる工程;及び
得られる液を濃縮する工程;
を包含する、梅干し成分浸出液濃縮物の製造方法を提供する。
また、本発明は、果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を浸出させた液を濃縮して得られる梅干しエキスを提供する。
また、本発明は、上記いずれかに記載の梅干し成分浸出液濃縮物又は上記梅干しエキスを含有する飲食品素材を提供する。
ある一形態においては、上記飲食品素材を添加する対象が飲料又は調味料である。
また、本発明は、上記いずれかに記載の梅干し成分浸出液濃縮物又は上記梅干しエキスを含有する飲料又は調味料を提供する。
本発明の梅干し成分浸出液濃縮物は透明性に優れ、透明な飲料に添加した場合にも飲料の外観が悪くなることがない。本発明の梅干し成分浸出液濃縮物は飲食品に含有させて、自然な梅干し風味を実現することができる。
本発明の梅干し成分浸出液濃縮物は、梅干しの成分を浸出させた液を濃縮したものである。原料の梅干しとしては、白干し梅を使用することが好ましい。白干し梅とは、梅の果実を塩漬けにし、その後天日に干した状態の梅干しをいう。白干し梅は、塩分濃度が15〜25%である。
白干し梅の製造方法の一例は次の通りである。
(1)熟した梅の果実を水洗いし、水気をとる。
(2)容器に梅と塩を入れ、重しを乗せ、1ヶ月程度放置する。塩の量は梅に対する重量比で15〜25%である。
(3)天気の良い日に3〜4日、天日干しにする。
調味された梅干しを使用した場合、梅干しエキスを飲食品に含有させた際に自然な梅干し感が得られない可能性がある。即ち、調味された梅干し由来の梅干しエキスの場合は、糖類やアミノ酸類、ビタミンB1などの日持ち向上剤が使用されており、梅干し以外の風味が出てしまい、自然な梅干し感が得られない可能性がある。
白干し梅の成分を浸出させる媒体は主成分として水を含む液である。白干し梅の成分を浸出させる媒体は水のみであってもよい。この媒体には雑菌の繁殖を防止するために、防腐剤を適量添加してよい。防腐剤の具体例としては、酢酸、オゾン水、さらし粉、次亜塩素酸ソーダ等が挙げられる。
媒体に含有させる防腐剤の濃度は0.01〜2重量%である。防腐剤の濃度が0.01%未満であると殺菌効果が不十分になり、2重量%を超えると風味に影響する。媒体に含有させる防腐剤の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.3重量%である。例えば、防腐剤として酢酸を使用する場合は、濃度0.1〜0.3重量%になる量で使用することが好ましい。また、例えば、防腐剤としてさらし粉を使用する場合は、濃度0.05〜0.1重量%になる量で使用することが好ましい。防腐剤は2種類以上の材料を併用してもよい。
白干し梅の成分を浸出させた液は、上記媒体に白干し梅を所定の時間浸漬して得ることができる。媒体に白干し梅を浸漬する時間は、使用する媒体の種類又は温度に依存して適宜調節されるが、一般に10分〜150時間である。白干し梅の浸漬時間が10分未満では梅干し成分の浸出が不十分になり、150時間を超えて浸漬しても風味の向上が得られない。白干し梅の浸漬時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜66時間である。
白干し梅を媒体に浸漬して成分を浸出させる際に、白干し梅を粉砕した梅肉にしない。梅肉を粉砕すると梅に含まれている濁り成分が媒体に混入する。好ましい一形態では、白干し梅は分解せず、一部に皮が破れた梅干しの混入が有っても良いが、好ましくは完全な形態のまま媒体に浸漬する。
白干し梅の成分を浸出させる際に、媒体は温度を調節してもよい。その場合、媒体の温度は5〜80℃に調節される。媒体の温度が5℃未満では梅干し成分の浸出が不十分になり、80℃を超えると梅干しに割れが生じる。白干し梅の成分を浸出させる際の媒体の温度は、好ましくは20〜70℃である。媒体に防腐剤を含有させない場合は、上記媒体の温度は50〜80℃、特に60〜80℃に調節することが好ましい。温度を高くすることで媒体の腐敗防止効果が得られる。
白干し梅の成分を浸出させた液は、必要に応じて不純物又は混入物を除去する。不純物又は混入物を除去する方法は、特に限定されないが、例えば、濾過法や遠心分離法等で行うことができる。これらの方法は操作が簡便であり、分離効率も高い。
フィルタによる濾過法で分離を行う場合は、フィルタの孔径は0.001〜100μm、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmとする。フィルタの孔径が0.001μm未満であると濾過効率が悪くなり、濾過作業が煩雑となる。フィルタの孔径が100μmを超えると不純物又は混入物の分離が不完全になることがある。フィルタとしては、プレフィルタ、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノフィルタ膜、逆浸透膜などを使用することができる。
遠心分離法で分離を行う場合は、必要に応じて、希釈した濃縮液の液を連続的にローターに導入し、非水溶性成分がローターの壁面に沈着し、非水溶性成分がなくなった上澄み液は溢れてローターの外に出るように配管した特殊な遠心分離器を用いることができる。遠心分離にかける荷重は、一般に1000〜5000G、好ましくは2000〜3000Gである。
白干し梅の成分を浸出させた液はBrix値が0.1〜18%である。白干し梅の成分を浸出させた液のBrix値が0.1%未満であると十分な風味が溶出しておらず、高濃度に濃縮する必要がある。18%を超えると梅干しの果皮が破れ清澄な液が得られない。白干し梅の成分を浸出させた液のBrix値は、好ましくは0.8〜15%であり、より好ましくは1.9〜12%である。
白干し梅の成分を浸出させた液は酸度が0.05〜10%である。白干し梅の成分を浸出させた液の酸度が0.05%未満であると十分な風味が溶出しておらず、高濃度に濃縮する必要がある。10%を超えると20%を超えると梅干しの果皮が破れ清澄な液が得られない。白干し梅の成分を浸出させた液の酸度は、好ましくは0.1〜5%であり、より好ましくは0.2〜1.9%である。
白干し梅の成分を浸出させた液は塩度が0.1〜16%である。白干し梅の成分を浸出させた液の塩度が0.1%未満であると十分な風味が溶出しておらず、高濃度に濃縮する必要がある。16%を超えると梅干しの果皮が破れ清澄な液が得られない。白干し梅の成分を浸出させた液の塩度は、好ましくは0.8〜13%であり、より好ましくは1.3〜8.3%である。
白干し梅の成分を浸出させた液は必要に応じて脱塩してよい。脱塩は、濃縮の途中で適宜行ってもよい。脱塩には、イオン交換膜電気透析処理法(特開2002−272432号公報)など、周知の手法を採用できる。また、特開2001−17116号公報、特開2002−186444号公報、特開2002−51752号公報に記載されている方法を用いてもよい。
白干し梅の成分を浸出させた液は、所定の水分量になるまで濃縮される。濃縮とは、白干し梅の成分を浸出させた液から上記媒体を蒸発させることをいう。濃縮は、効率の向上とコントロールの便利さを考えて低温・減圧の条件下で行うことが好ましい。濃縮の際の温度は、一般に15〜80℃に調節される。濃縮温度が15℃未満では工程に長時間を要するために効率が低下し、80℃を超えると濁りが発生する。濃縮温度は、好ましくは20〜70℃、より好ましくは30〜60℃である。工程を促進するために、減圧条件下で濃縮を行うほうが良い。その際には、圧力は11〜360Torr、好ましくは17〜230Torr、より好ましくは23〜190Torr程度に減圧される。
濃縮を完全に行うことで白干し梅の成分を浸出させた液から上記媒体を完全に蒸発させたものは、梅干しエキスである。しかしながら、本発明においては濃縮を完全に行う必要は無い。濃縮の程度は、濃縮物を使用する際の有用性及び利便性を考慮して調節してよい。例えば、食塩が析出しない程度の濃度まで濃縮することで、濃縮物は梅干し本来の酸味と塩味のバランスが維持されたものになる。
梅干し成分浸出液濃縮物はBrix値が20〜90%である。梅干し成分浸出液濃縮物のBrix値が20%未満であると常温で腐敗の危険性が高まり、輸送コストも増大する。90%を超えると粘性が高くなり作業性が低下する。梅干し成分浸出液濃縮物のBrix値は、好ましくは25〜60%であり、より好ましくは30〜36%である。
梅干し成分浸出液濃縮物は酸度が1〜50%である。梅干し成分浸出液濃縮物の酸度が1%未満であると常温で腐敗の危険性が高まり、輸送コストも増大する。50%を超えると粘性が高くなり作業性が低下する。梅干し成分浸出液濃縮物の酸度は、好ましくは2〜20%であり、より好ましくは2.9〜7.5%である。
梅干し成分浸出液濃縮物は塩度が26%以下である。梅干しエキスはイオン交換膜電気透析法や晶析法などの処理により脱塩することが可能であり、26%を超えると過飽和となり析出する。梅干し成分浸出液濃縮物の塩度は、好ましくは22〜26%、より好ましくは22〜24%である。
得られた梅干し成分浸出液濃縮物は乾燥して粉末化してもよい。粉末化した濃縮物は梅干しエキスの一形態である。
本発明の梅干し成分浸出液濃縮物又は梅干しエキスは飲食品素材として使用することができる。飲食品素材とは飲食品の成分として使用する材料をいう。本発明の梅干し成分浸出液濃縮物又は梅干しエキスが飲食品素材として使用される飲食品は、自然な梅干し風味を付与することで嗜好性が向上し、又は梅干しの成分を含有させることで機能が向上する飲食品である。そのような飲食品の例は、飲料、調味料、液体調味料、菓子、パン及び健康食品等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の梅干し成分浸出液濃縮物は薄い琥珀色で透明及び清澄な液体である。そのため、この梅干し成分浸出液濃縮物を飲食品素材として使用しても製品の外観に影響を与えない。この梅干し成分浸出液濃縮物は、透明であるため着色力が弱く、飲食品用着色剤を加えて製品の色を調節することが容易である。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1 N1
水槽に濃度0.3%の酢酸水溶液1600リットルを入れ、温度を20℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を20℃に維持し、3時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmのバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値2.84%、酸度0.60%、塩度2.07%を有していた。
孔径10μのバグフィルターを使用して濾液を濾過し、濾液2.72kgをエバポレーターに仕込み、バス温度を60℃に設定し、圧力を30Torrに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は200gであり、Brix値32.27%、酸度3.14%、塩度25.61%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例2 N2
水槽に水1600リットルを入れ、温度を70℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を60から70℃に維持し、3時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。同じ浸出水を用いこれを3回繰り返し、浸出液を得た。孔径10μmのバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値4.61%、酸度0.48%、塩度3.42%を有していた。
孔径10μのバグフィルターを使用して濾液を濾過し、濾液2.69kgをエバポレーターに仕込み、バス温度を60℃に設定し、圧力を30Torrに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は297gであり、Brix値33.35%、酸度3.91%、塩度24.75%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例3 N4
水槽に水1600リットルを入れ、温度を70℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を60から70℃に維持し、3時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmのバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値2.34%、酸度0.26%、塩度1.64%を有していた。
濾液15.82kgをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を−0.09Mpaに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は1.01kgであり、Brix値30.15%、酸度3.68%、塩度22.83%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例4 N3
水槽に濃度0.2%の酢酸水溶液1600リットルを入れ、温度を常温に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を常温に維持し、2時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmのバグフィルター使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値1.97%、酸度0.50%、塩度1.34%を有していた。
濾液17.12kgをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を−0.09Mpaに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は0.83kgであり、Brix値31.84%、酸度2.99%、塩度25.49%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例5 S1
水槽に濃度0.1%の酢酸水溶液1000リットルを入れ、温度を20℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅600kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を20℃に維持し、16時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmのバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値11.83%、酸度1.74%、塩度8.27%を有していた。
濾液5.03kgをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を−0.09Mpaに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は1.54kgであり、Brix値34.59%、酸度4.99%、塩度25.14%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例6 T1
水槽に濃度0.1%の酢酸及び濃度0.08%のさらし粉を含有する水溶液1600リットルを入れ、温度を20℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を20℃に維持し、66時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値8.54%、酸度1.09%、塩度5.93%を有していた。
濾液500gをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を30Torrに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は97.6gであり、Brix値33.69%、酸度4.46%、塩度24.53%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例7 T2
水槽に水1600リットルを入れ、温度を20℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を20℃に維持し、4時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmのバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値3.27%、酸度0.50%、塩度2.09%を有していた。
濾液500gをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を30Torrに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は17.2gであり、Brix値34.79、酸度7.1%、塩度22.80%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例8 T3
水槽に濃度0.1%の酢酸及び濃度0.08%のさらし粉を含有する水溶液1600リットルを入れ、温度を20℃に調節した。ここに、塩分25%の白干し梅700kgを、果実を分解しないでそのまま浸漬し、水温を20℃に維持し、16時間放置した。水槽から白干し梅を除去した。孔径10μmバグフィルターを使用して得られた浸出液を濾過した。濾液はBrix値10.96%、酸度1.81%、塩度7.30%を有していた。
濾液500gをエバポレーターに仕込み、バス温度を80℃に設定し、圧力を30Torrに調節して、減圧濃縮した。
得られた濃縮液は112.2gであり、Brix値35.55、酸度6.75%、塩度23.85%を有していた。また、この濃縮液はほぼ無色であり、透明であった。
実施例9 S1(飲料試作)
実施例5で得られた濃縮液(濃縮液S1)を用いて、梅干し風味飲料を製造した。イオン交換水に果糖ぶどう糖液糖を4.50%、グラニュー糖を6.00%、クエン酸を1.20%、5倍濃縮梅果汁を0.3%の濃度になる量で添加し、梅飲料のベースを調製した。梅飲料のベースの外観は薄い鮮やかな琥珀色であった。この梅飲料のベースに、濃縮液S1を0.2%の濃度になる量で添加して、梅干し風味の飲料を得た。
梅干し風味飲料の外観は梅飲料のベースと同様であり、着色や濁りの発生は認められなかった。つまり、濃縮液S1を使用することにより、梅飲料のベースの外観を損なうことなく、自然な梅干しの風味を実現することができた。
実施例10 N4(飲料試作)
濃縮液S1の代わりに実施例3で得られた濃縮液(濃縮液N4)を使用すること以外は実施例9と同様にして梅干し風味飲料を製造した。
梅干し風味飲料の外観は梅飲料のベースと同様であり、着色や濁りの発生は認められなかった。つまり、濃縮液N4を使用することにより、梅飲料のベースの外観を損なうことなく、自然な梅干しの風味を実現することができた。

Claims (14)

  1. 果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を、水を含み、糖類、アミノ酸類及びビタミンB1を含まない媒体に浸出させた液、を濃縮して得られる、梅干し成分浸出液濃縮物であって、
    該白干し梅は塩分濃度が15〜25%であり、
    該媒体の温度が常温であり、
    白干し梅の成分を浸出させる時間が2〜66時間である、梅干し成分浸出液濃縮物
  2. 前記媒体は実質的に水のみである請求項1に記載の梅干し成分浸出液濃縮物。
  3. 前記白干し梅の成分を浸出させた液はBrix値が0.1〜18%である請求項1又は2に記載の梅干し成分浸出液濃縮物。
  4. 前記濃縮は減圧下30〜80℃の温度で行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の梅干し成分浸出液濃縮物。
  5. Brix値が10〜90%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の梅干し成分浸出液濃縮物。
  6. 果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を、水を含み、糖類、アミノ酸類及びビタミンB1を含まない媒体に浸出させる工程;及び
    得られる液を濃縮する工程;
    を包含する、梅干し成分浸出液濃縮物の製造方法であって、
    該白干し梅は塩分濃度が15〜25%であり、
    該媒体の温度が常温であり、
    白干し梅の成分を浸出させる時間が2〜66時間である、梅干し成分浸出液濃縮物の製造方法
  7. 前記媒体は実質的に水のみである請求項6に記載の梅干し成分浸出液濃縮物の製造方法。
  8. 果肉が粉砕されていない白干し梅から白干し梅の成分を、水を含み、糖類、アミノ酸類及びビタミンB1を含まない媒体に浸出させた液、を濃縮して得られる梅干しエキスであって、
    該白干し梅は塩分濃度が15〜25%であり、
    該媒体の温度が常温であり、
    白干し梅の成分を浸出させる時間が2〜66時間である、梅干しエキス
  9. 前記媒体は実質的に水のみである請求項8に記載の梅干しエキス。
  10. 請求項1に記載の梅干し成分浸出液濃縮物又は請求項8に記載の梅干しエキスを含有する飲食品素材。
  11. 添加する対象が飲料又は調味料である請求項10に記載の飲食品素材。
  12. 添加する対象がアルコール分を含まない飲料である請求項10に記載の飲食品素材。
  13. 請求項1に記載の梅干し成分浸出液濃縮物又は請求項8に記載の梅干しエキスを含有する飲料又は調味料。
  14. 請求項1に記載の梅干し成分浸出液濃縮物又は請求項8に記載の梅干しエキスを含有するアルコール分を含まない飲料。
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