JP6436187B2 - タービン - Google Patents

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Description

本発明は、タービンに関する。
従来、発電プラントには、発電を行うためのタービンが設置される。そして、タービンには、発電機軸を回転させるためのタービン回転部に設けられている動翼と、静止部に設けられている静翼とがある。さらに、回転部と、静止部との間にできる隙間から流体が漏洩するのを少なくするために、翼の先端及び対向する面には、シュラウド(shroud)及びシールフィンを設置する方法が知られている。
具体的には、この方法では、まず、シュラウドの外周面に、外径寸法の異なる複数の平坦部が形成される。そして、この方法では、平坦部と、平坦部に対向する静止部の表面とに、突出するシールフィンが備えられる。このようにすると、漏洩する流体は、シールフィン部の側面に衝突する。このようにして、シール効果を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1等)。
また、ブレードと、ブレードに対して相対回転する構造体とを備えるタービンにおいて、流体が漏洩する量を少なくする方法が知られている。具体的には、この方法では、まず、ブレード及び構造体のうち、いずれか一方から他方へ向かってシールフィンが形成される。また、この方法では、シールフィンより上流側に、流体が衝突する流れ衝突面が備えられる。さらに、この方法では、この流れ衝突面の対向には、対向面が備えられる。そして、この方法では、シールフィン、流れ衝突面及び対向面等によってキャビティが形成される。続いて、この方法では、キャビティを区分けする凸部が備えられる。このようすると、この凸部及びブレード等に形成される段差を有するステップ部は、主渦と、第一の剥離渦と、第二の剥離渦とを発生させる。このようにして、蒸気の漏洩する量を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献2等)。
他にも、ブレードと、ブレードに対して相対的に回転する構造体とを備えるタービンにおいて、流体が漏洩する量を少なくする方法が知られている。具体的には、この方法では、ブレードの先端部又は構造体のうち、一方に、ステップ部が設けられる。次に、この方法では、他方に、シールフィンが設けられる。このシールフィンと、ステップ部との間には、微小隙間Hが形成される。そして、この方法では、シールフィンと、ステップ部の縁部との間が距離Lであるとし、0.7×微小隙間H≦Lとする。又は、1.25×微小隙間H≦L≦2.75×微小隙間Hとする。このようにして、漏洩する量を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献3等)。
特開2006−291967号公報 特許第5518032号公報 特開2013−64370号公報
しかしながら、従来の方法では、タービンが有する回転部と、静止部との間にできる間隙から漏洩する流体の漏洩量が多く、漏洩量の低減が不十分の場合がある。
本発明の1つの側面は、このような問題に鑑みてなされたものであり、タービンが有する回転部と、静止部との間にできる間隙から漏洩する流体の漏洩量を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一実施形態における、回転部又は静止部にフィンを有し、かつ、前記フィンと対向する回転部又は静止部にシュラウドを有するタービンでは、
回転軸を回転中心とした断面形状で構成される前記シュラウドは、
前記タービンに流入する流体が接触する接触面部と、
前記接触面部のうち、前記タービンの軸方向において上流側を向く接触面部に深さdで形成され、かつ、前記タービンの軸方向において上流側を向く接触面部の一部となる前記断面形状を有する窪み部と、
を有し、
前記フィンのうち前記接触面部に最も近いフィンは、前記軸方向において前記窪み部よりも下流側に設置され、
前記窪み部は、前記接触面部の上流側かつ翼側の端部よりも下流側に窪む。
本発明によれば、タービンが有する回転部と、静止部との間にできる間隙から漏洩する流体の漏洩量を低減できる。
本発明の一実施形態におけるタービンの一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるシュラウドの一例を示す拡大図である。 本発明の一実施形態における効果の一例を示す拡大図である。 本発明の一実施形態における窪み部の一例を示す拡大図である。 本発明の一実施形態における段差型シュラウドの(A)第1比d/sと流体の漏れ量(%)、(B)第2比w/sと流体の漏れ量(%)の解析結果例を示す図である。 本発明の一実施形態における凹凸型シュラウドの(A)第1比d/sと流体の漏れ量(%)、(B)第2比w/sと流体の漏れ量(%)の解析結果例を示す図である。 第1比較例を示す拡大図である。 第1比較例における渦を示す拡大図である。 第2比較例を示す拡大図である。 第3比較例を示す拡大図である。 本発明の一実施形態におけるタービンの変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複した説明を省く。
例えば、本発明の実施形態に係るタービンは、火力発電等によって発電を行うプラントで用いられる。そして、プラントでは、タービンの内部に、蒸気等の流体が流される。このように、タービンの内部に流体が流されると、タービンが有する動翼等の回転部が回転し、回転エネルギーが発生する。このようにして用いられるタービンは、例えば、以下のような構造である。
図1は、本発明の一実施形態におけるタービンの一例を示す断面図である。図示するように、まず、タービン10には、回転軸AXを中心にして回転するロータがある。なお、ロータの大きさ、すなわち、径は、あらかじめ設定される。
図示する例では、タービン10の内部において、タービン10に流入した流体は、第1方向DR1に流れる。なお、第1方向DR1は、図示する例では、左から右方向とする。また、第1方向DR1に対して直交する方向を第2方向DR2とする。一方で、第2方向DR2は、図では、上下方向である。
なお、図では、軸方向は、左右方向となり、上流は、図における左側となる。
そして、ロータは、回転部の例となる動翼を有する。以下、図示するように、第1動翼RB1と、第2動翼RB2とがある例で説明する。また、タービン10は、ロータに対して、静止部の例となる静翼を有する。なお、回転部及び静止部は、図示するような数、大きさ、位置及び配置に限られない。
また、第1動翼RB1、第2動翼RB2及び静翼には、例えば、図示するように、第1シュラウドSHD1、第2シュラウドSHD2、第3シュラウドSHD3及び第4シュラウドSHD4が設置される。以下、第1シュラウドSHD1、第2シュラウドSHD2、第3シュラウドSHD3及び第4シュラウドSHD4が異なる形状である例で説明する。なお、第1シュラウドSHD1、第2シュラウドSHD2、第3シュラウドSHD3及び第4シュラウドSHD4は、同じ形状の組み合わせがあってもよい。また、シュラウドは、図示する順序とは異なる順序で設置されてもよい。
図示する例では、第1シュラウドSHD1及び第2シュラウドSHD2は、第1方向DR1に向かって凹凸が形成されたシュラウド(以下「凹凸型シュラウド」という。)の例である。一方で、第3シュラウドSHD3及び第4シュラウドSHD4は、第1方向DR1に向かって段差が形成されたシュラウド(以下「段差型シュラウド」という。)の例である。なお、凹凸型シュラウド及び段差型シュラウドは、図示する形状に限られない。
以下、図示する第2シュラウドSHD2の一部及び静翼の一部を含む部分(以下「部分A」という。)を拡大して説明する。
図2は、本発明の一実施形態におけるシュラウドの一例を示す拡大図である。図2は、図1における部分Aを拡大した図である。なお、図1と同様の構成には、同一の符号を付して以下説明する。
まず、静止部には、フィンFINが形成される。なお、図示するフィンFINは、静止部に設置され、かつ、窪み部DEより漏洩流れ方向(図では、左右方向である。)において下流側(図では、右側である。)に設置されるフィンのうち、窪み部DEに最も近いフィンの例である。
フィンFINは、流体の漏洩量を少なくするために形成される。一方で、フィンFINは、回転部が回転するのを阻害しないようにするため、フィンFINは、フィンFINと、シュラウドとの間に、一定の間隙ができる位置及び大きさに形成される。図示する例では、第2シュラウドSHD2の外周OURと、フィンFINの先端との間に、間隙が形成される。また、間隙の幅、すなわち、第2シュラウドSHD2の外周OURと、フィンFINの先端との距離(以下「第1距離」という。)を「s」とする。
図示する例では、流入する流体のうち、間隙の間を通過する流体が漏洩する流体となる。
一方で、第2シュラウドSHD2は、接触面部TAを有する。図示する例では、接触面部TAは、第1方向DR1に流れる流体を受け、流体が接触する面である。そして、接触面部TAには、例えば、図示するように、タービンの軸方向における上流側を向く窪み部DEが形成される。また、窪み部DEの深さを「d」とする。さらに、窪み部DEの深さdと、第1距離sとの比(以下「第1比」という。)を「d/s」とする。
窪み部DEは、第1比d/sが0.0より大きく、かつ、1.0未満となるように形成される。すなわち、第1比d/sについて、下記(1)式のような条件となる。

0.0<d/s<1.0 (1)

上記(1)式のように、第1比d/sが0.0より大きく、かつ、1.0未満であると、以下のような効果を奏する。
図3は、本発明の一実施形態における効果の一例を示す図である。本図は、渦WH1、漏洩流れFL及び渦WH2が形成される例を示す。図示するように、窪み部DEがあると、漏洩流れFLには、図の左上向きの慣性が生じる。これにより、従来型のように窪み部DEが無い、すなわち、第1比d/s=0の場合と比べて、窪み部DEがあると、円形に近く、かつ、渦度の高い渦WH2を作ることができる。渦度とは、流れの回転する状態を示す量である。また、窪み部DEによって、渦WH2が形成されると、渦WH2は、漏洩流れFLの流路を狭め、漏洩流れFLを減らす効果がある。
一方、第1比d/sが1.0以上になると、慣性が更に大きくなる。そのため、漏洩流れFLは、渦WH1の占めていた空間を貫いて左上へ向かった後、静止部及びフィンFINに沿って時計回りに流れるように大きく蛇行するため、漏洩流れの右上の空間には、時計回りの大きな渦が励起され、渦WH2は、消失する。
渦WH2は、フィンと、シュラウドとの間にある間隙に生じる漏洩流れFLの流路を縮める効果がある。そして、渦度が高い渦WH2が生じると、漏洩流れFLによって、漏洩する量が減少する。また、渦WH2の渦度は、第1比d/sによって影響を受ける。そこで、上記(1)式に示す第1比d/sとすると、図示するように、より渦度の高い渦WH2が形成され、流体が漏洩する量を少なくできる。
また、段差型シュラウドである場合には、第1比d/sは、上記(1)式のように、0.0より大きく、かつ、1.0未満となるのが望ましい。

0.0<d/s<1.0 (1)

さらに、より望ましくは、段差型シュラウドである場合には、下記(2)式のように、第1比d/sは、0.0より大きくて0.5未満となるのが望ましい。

0.0<d/s<0.5 (2)

又は、より望ましくは、段差型シュラウドである場合には、下記(3)式のように、第1比d/sは、0.0より大きくて1.0未満であり、かつ、フィンFINから接触面部TAの端部EG(図2参照)までの距離w(以下「第2距離」という。)と、第1距離sとの比(以下「第2比」という。)w/sが、0.8より大きくて3.0未満となるのが望ましい。

0.0<d/s<1.0 かつ 0.8<w/s<3.0 (3)

一方で、凹凸型シュラウドである場合には、第1比d/sは、下記(4)式のように、0.8以下となるのが望ましい。

0.0<d/s≦0.8 (4)

さらに、より望ましくは、凹凸型シュラウドである場合には、下記(5)式のように、第1比d/sは、0.0より大きくて0.3未満となるのが望ましい。

0.0<d/s<0.3 (5)

又は、より望ましくは、凹凸型シュラウドである場合には、下記(6)式のように、第1比d/sは、0.0より大きくて0.4未満であり、かつ、第2比w/sが1.0以上2.0未満となるのが望ましい。

0.0<d/s<0.4 かつ 1.0≦w/s<2.0 (6)

なお、上記(6)式では、「w」(図2参照)は、第2距離を示す。また、「w/s」は、第2比を示す。以下、同様に記載する。
又は、より望ましくは、凹凸型シュラウドである場合には、下記(7)式のように、第1比d/sは、0.0より大きくて0.7未満であり、かつ、第2比w/sが0.8以上1.5以下となるのが望ましい。

0.0<d/s<0.7 かつ 0.8≦w/s≦1.5 (7)

以上のような条件になる窪み部であると、より渦度の高い渦WH2を作ることができる。すなわち、窪み部DEによって、強い縮流効果を発生させることができる。
また、図示するように、窪み部DEによって、流体が漏洩する量を少なくできる円状又は楕円状の渦WH2を作ることができる。
なお、窪み部DEは、図示するような形状に限られず、例えば、以下のような形状でもよい。
図4は、本発明の一実施形態における窪み部の一例を示す拡大図である。図2に示す窪み部DEは、例えば、図4(A)乃至(F)に示す形状でもよい。
図4(A)、(B)、(E)及び(F)に示すように、窪み部は、曲率(図では「r」で示す。)を有してもよい。また、図4(F)に示すように、窪み部は、曲率に加えて、直線部STを更に有してもよい。一方で、窪み部は、図4(C)に示すように、斜面を有してもよい。さらに、窪み部は、図4(D)に示すように、直角を有してもよい。また、図4(E)及び図4(F)に示すように、円弧と直線が正接している形状を有してもよい。特に、図4(B)、(C)、(E)及び(F)は、渦度の高い渦WH2を生じやすい形状である。
すなわち、窪み部は、図3に示すように、より流体の漏洩量を低減する効果の大きな渦度の高い渦WH2を作ることができる形状であれば、図示する形状に限られない。
(実験結果)
図5は、本発明の一実施形態における段差型シュラウドの(A)第1比d/sと流体の漏れ量(%)、(B)第2比w/sと流体の漏れ量(%)の解析結果例を示す図である。
図5(A)から、0<d/s<0.5の範囲であれば、流体の漏れ量は、3.9%以下である。ここで、流体の漏れ量の3.9%という基準値は、シュラウドの設計条件から設定した値で、シュラウド形状により、流体の漏れ量の基準値も変化する。
図示するように、第1比d/sが0.0より大きく、かつ、1.0未満となると、第1点D1のような第1比d/sが1.0以上となる場合と比較して、流体の漏洩する量が少なくなる。一方で、第1比d/sが0.0、すなわち、窪み部がないと、第2点D2のように、流体の漏洩する量が多くなる。
また、図5(B)から、0.8<w/s<3.0の範囲であれば、流体の漏れ量は、3.9%以下である。
図6は、本発明の一実施形態における凹凸型シュラウドの(A)第1比d/sと流体の漏れ量(%)、(B)第2比w/sと流体の漏れ量(%)の解析結果例を示す図である。
図6(A)から、0<d/s<0.3の範囲であれば、流体の漏れ量は、3.9%以下である。
また、図6(B)から、0<d/s<0.4 かつ 1.0≦w/s<2.0、又は、0<d/s<0.7 かつ 0.8≦w/s≦1.5の範囲であれば、流体の漏れ量は3.9%以下である。
以上のような窪み部があると、図3に示すように、シュラウドは、より渦度の高い渦WH2を作ることができる。渦WH2があると、フィンFINと、シュラウドとの間隙において、流体が流れる流路が縮められる。すなわち、渦WH2があると、漏洩する流体の流路を狭くして、漏洩流れFLによって流体が漏洩する量を少なくすることができる。
したがって、以上のような構成であると、タービンが有する回転部と、静止部との間にできる間隙から漏洩する流体の漏洩量を低減することができる。また、漏洩する流体の漏洩量を低減すると、タービンの効率を向上させることができる。
<第1比較例>
図7は、第1比較例を示す拡大図である。第1比較例は、図3に示す構成と比較すると、窪み部DEがない構成である。また、第1比較例は、図5における第2点D2(すなわち、第1比d/sが「0.0」である。)に相当する。
第1比較例のように窪み部がない構成であると、図3に示すように窪み部DEがある構成とでは、作られる渦が異なる。図示するように、第1比較例では、渦WH11及び渦WH12のような渦が作られる。特に、図3に示す渦WH2と、図7に示す渦WH12とは、以下のように形状が異なる。
図8は、第1比較例における渦を示す拡大図である。図3に示す渦WH2は、いわゆる「円」又は「楕円」といえる形状である。一方で、渦WH12は、いわゆる「かまぼこ」又は「半円」といえる形状である。
図示するように、渦WH12のような形状では、特にコーナ部C1及びC2で渦WH12の流れが大きく変化する。したがって、コーナ部C1及びC2では、渦WH12の運動エネルギーの一部が熱エネルギーに消散する。そのため、渦WH12のような形状の渦は、図3に示す渦WH2のような形状より、回転が弱く、縮流効果が弱まる。すなわち、渦と、フィンFINとの距離(漏洩流れFLの流路)が広がり、漏洩量が増える。
また、図7に示すように、第1比較例では、漏洩流れFLの流路が幅WDとなる。一方で、図3に示す構成、すなわち、渦WH2は、漏洩流れFLの流路の幅WDを狭くすることができる。ゆえに、図3に示す構成であると、漏洩する流体の漏洩量を少なくできる。
このように、窪み部DEがあると、図3に示す渦WH2のような「円」又は「楕円」等の形状の渦を作ることができ、漏洩する流体の漏洩量を少なくすることができる。
<第2比較例>
第2比較例は、図5に示す第1点D1のように、第1比d/sが所定値以上の窪み部がある場合である。すなわち、図5に示す例では、第1比d/sが「1.0」以上の構成に相当する。図5に示すように、第1比d/sが「1.0」以上となると、漏洩する流体の漏洩量が多くなる。
図9は、第2比較例を示す拡大図である。図示する例は、図3に示す構成と比較すると、第1比d/sが「1.0」以上となる窪み部DE2がある接触面部DECである点が異なる。
図5に示す第1点D1、すなわち、第1比d/sが「1.0」以上となると、図示するように、タービンに流入した気体の流れは、図3に示す場合と異なる向きとなる。具体的には、図示するように、第2比較例では、漏洩流れFLは、窪み部DE2によって左上へ導かれた後、静止部及びフィンFINに沿って時計回りに大きく流れる。そして、渦WH21は、漏洩流れFLに励起されて生じるため、漏洩流れFLに囲まれた、フィンFIN入口までの広い空間を占めた渦となる。そのため、図3に示すようなフィンFIN入口の第2シュラウドSHD2の近傍に生じる、縮流効果をもたらす渦WH2の存在領域が失われ、渦WH2が形成されないため、縮流効果が損なわれる。ゆえに、漏洩する流体の漏洩量が図5に示す第1点D1のように多くなる。
一方で、図3に示すように、第1比d/sが所定の範囲となる窪み部DEの構成は、渦WH2によって、漏洩する流体の漏洩量を少なくすることができる。
<第3比較例>
図10は、第3比較例を示す拡大図である。
第3比較例は、特開2000−073702号公報における図3のように、周方向に複数箇所設けられる溝に対して、特開2012−137006号のように溝の断面形状を工夫する目的の構成である。すなわち、周方向に複数設けられている溝は、外径部に向かうにつれてその深さを浅くし、最外径部で溝の深さが「0」、すなわち、溝がない状態に揃えることで剥離渦を安定して発生するようにするための構成である。
第3比較例は、強い周方向の流速成分を持つ漏洩流れに対して、周方向に複数設けられる溝によって押し戻し、軸方向に向けることにより効果を奏するため、d/s<1.0の範囲の小さな溝ではない、大きな溝が必要である。
<まとめ>
以上の通り、本発明の窪み部DEがある構成では、漏洩流れFLが、第1比d/sの値によって、異なった流れとなる。図3に示すように、第1比d/sが「0.0」より大きく、「1.0」未満であると、漏洩流れFLの慣性は、比較的小さいので、漏洩流れFLは、第2シュラウドSHD2の接触面部TAに沿って、左上向きに向かった後、速やかに時計回りに転向する。このような流れでは、漏洩流れFLと、第2シュラウドSHD2の上面とが成す角度は、直角よりも鈍角となる。そのため、図3に示すような構成では、漏洩流れFLの内側に励起される渦は、図8に示すような渦WH12と異なり、「円」に近い形状の渦となりやすい。
漏洩流れは、フィンFINと渦WH2との間を流れるため、フィンFINと、渦WH2との距離が、フィンFINと、シュラウド外周との距離sよりも狭くなると、漏洩量は、フィンFINと、渦WH2との距離によって規定されるが、このような形状の渦が形成されると、渦WH12より運動エネルギーが損失しにくい、かつ、渦が強いため、渦が、漏洩流れFLに押し戻されにくい。そのため、渦WH2と、フィンFINとの距離は、渦WH12が形成される場合の幅WDよりも、狭くなり、漏洩量を効果的に低減することができる。
これに対して、第1比d/sが大きくなると、第2比較例のようになる。第2比較例では、図9に示すように、漏洩流れFLは、まず、窪み部DEによって、窪み部DEから左上への向きとなる。漏洩流れFLの慣性は、大きいため、図において左上向きに静止部に当たるまでそのまま進み、その後、静止部及びフィンFINに沿って時計回りに流れた後、フィンFINと、第2シュラウドSHD2との間にできる隙間から流体を漏洩させる。
第2比較例では、漏洩流れFLによって、左上向きの流れに対して右上の空間に、フィン入口までを占める大きな弱い渦が励起される。したがって、図3に示すような構成と異なり、第2比較例では、フィンFINと、第2シュラウドSHD2との間にできる隙間に近い位置に縮流効果をもたらす渦が発生しにくい。そのため、第2比較例の漏洩量は、フィンFINと、シュラウドとの距離によって規定され、図3に示すような構成より、漏洩流れFLの流路が広いため、漏洩する流体の漏洩量が多くなる。
したがって、図3に示すような構成のように、第1比d/sを「0.0」より大きく「1.0」未満の範囲にすると、縮流効果を高め、漏洩する流体の漏洩量を少なくすることができる。さらに、第2比w/sが0.8より大きくて3.0未満であるのが望ましい。図5(A)に示すように、第2比w/sが0.8より大きくて3.0未満の範囲であると、より漏洩する流体の漏洩量を少なくすることができる。
<変形例>
図11は、本発明の一実施形態におけるタービンの変形例を示す断面図である。図示するように、タービン10は、窪み部DEとなる形状が複数ある段差部分11を有するシュラウドを有するのが望ましい。
ただし、シュラウドには、図示するように、凹凸部分12があってもよい。
図示するように、複数の箇所に窪み部DEがあると、各箇所で図3に示す効果が生じる。したがって、図示するようなシュラウドであると、漏洩する流体の漏洩量を少なくすることができる。
また、図示するようなシュラウドは、凹凸型シュラウドと比較して、切削に用いるバイト等の工具が入れやすく、製造しやすい形状である。
なお、シュラウドは、図1に示す第3シュラウドSHD3及び第4シュラウドSHD4のように、段差型シュラウドであるのがより望ましい。段差型シュラウドは、他の形状より製造しやすい効果を奏する。
また、シュラウドは、図2及び図3等で説明した形状を複数有するのが望ましい。具体的には、上流から2番目以降の段差及び凹凸も、図2及び図3等で説明した形状であるのがより望ましい。
なお、タービンは、蒸気タービンの他に、ガスタービンなど、液体以外の流体を扱うタービンでもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
10 タービン
TA 接触面部
DE 窪み部
DR1 第1方向
DR2 第2方向
EG 端部
OUR 外周

Claims (4)

  1. 回転部又は静止部にフィンを有し、かつ、前記フィンと対向する回転部又は静止部にシュラウドを有するタービンであって、
    回転軸を回転中心とした断面形状で構成される前記シュラウドは、
    前記タービンに流入する流体が接触する接触面部と、
    前記接触面部のうち、前記タービンの軸方向において上流側を向く接触面部に深さdで形成され、かつ、前記タービンの軸方向において上流側を向く接触面部の一部となる前記断面形状を有する窪み部と、を有し、
    前記フィンのうち前記接触面部に最も近いフィンは、前記軸方向において前記窪み部よりも下流側に設置され、
    前記窪み部は、前記接触面部の上流側かつ翼側の端部よりも下流側に窪む、
    タービン。
  2. 前記深さdは、前記タービンの軸中心から前記シュラウドの外周に向かって増え、その後、前記シュラウドの外周に向かって減る請求項1に記載のタービン。
  3. 前記流体が流れる方向に向かって、前記シュラウドの外周に、前記窪み部となる形状が複数ある段差部分が形成される請求項1又は2に記載のタービン。
  4. 前記シュラウドを複数有する請求項1から3のいずれかに記載のタービン。
JP2017109570A 2016-12-26 2017-06-01 タービン Active JP6436187B2 (ja)

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