JP6436092B2 - 鉛蓄電池用セパレータ及び鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池用セパレータ及び鉛蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、鉛蓄電池用セパレータ及び鉛蓄電池に関する。
密閉型鉛蓄電池は、密閉容器内にセパレータと電極板とが積層配置された構成を備えるものであり、密閉容器を使用しているため、耐漏液性に優れ、補水を必要としないといった特徴を有している。密閉型鉛蓄電池内の電解液は、セパレータの孔内に流動することがないように保持されている。そのため、密閉型鉛蓄電池用セパレータには、電解液の保液性が良好なガラス繊維主体の不織布セパレータが使用されている(特許文献1参照)。
近年、密閉型鉛蓄電池の高出力化に伴い、ハイレート特性を向上させるために薄型のセパレータが要求されている。しかしながら、ガラス繊維主体の不織布セパレータは引張強度、貫通強度等の機械的強度が低く、薄膜化した場合、電池組立時の負荷でセパレータが断裂すること、又は、極板の突起物等がセパレータを貫通して正極板と負極板が電気的に短絡(ショート)することがある。
そこで、機械的強度を高めた密閉型鉛蓄電池用セパレータとして、ガラス繊維に有機繊維を混抄したセパレータが提案されている(特許文献2及び3参照)。
特開平4−106869号公報 特開昭56−99968号公報 特開2002−313305号公報
機械的強度を十分に向上させるためには、有機繊維の割合を多くする必要がある。一方、表面が疎水性である有機繊維は、電解液(硫酸水溶液)に対する濡れ性が悪く、電解液の保液性を低下させる傾向にある。そのため、密閉型鉛蓄電池用セパレータには、電解液の保液性と機械的強度とを両立することが求められている。
本発明は、機械的強度が高く、電解液の保液性にも優れる鉛蓄電池用セパレータ、及び、該鉛蓄電池用セパレータを備える鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス繊維及び熱可塑性樹脂を含む鉛蓄電池用セパレータであって、該セパレータの全質量を基準として、熱可塑性樹脂の含有量が0.1〜15質量%である鉛蓄電池用セパレータに関する。
上記鉛蓄電池用セパレータでは、ガラス繊維が、熱可塑性樹脂で結着されていることが好ましい。該鉛蓄電池用セパレータは、ガラス繊維からなる多孔質シートに熱可塑性樹脂を含有する溶液を含浸又は塗布する工程により得ることができる。
ガラス繊維の平均繊維径は、0.5〜5μmであるとよい。熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びスチレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することができる。
本発明はまた、上記鉛蓄電池用セパレータを備える密閉型鉛蓄電池に関する。
本発明によれば、機械的強度が高く、電解液の保液性にも優れる鉛蓄電池用セパレータ、及び、該鉛蓄電池用セパレータを備える密閉型鉛蓄電池を提供することができる。
上記鉛蓄電池用セパレータは、機械的強度が高いため組立作業性に優れ、薄型化が可能となり、電解液の保液性に優れることから、電池容量及び電池寿命に優れる鉛蓄電池を作製することできる。また、このような鉛蓄電池用セパレータを用いることにより、ハイレート特性の向上、長寿命化、大容量化を可能とした鉛蓄電池を提供することができる。
多孔質シート1の電子顕微鏡写真である。 実施例1で作製した鉛蓄電池用セパレータの電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータは、ガラス繊維及び熱可塑性樹脂を含み、該セパレータの全質量を基準として、熱可塑性樹脂の含有量が0.1〜15質量%であることを特徴とする。
本実施形態に係るガラス繊維としては、鉛蓄電池の電解液である硫酸と接触することから、耐酸性ガラス繊維が好ましく、含アルカリガラス繊維がより好ましい。
ガラス繊維の平均繊維径は、0.5〜5μmであることが好ましく、0.8〜4.5μmであることがより好ましく、1.0〜3.5μmであることが更に好ましく、1.0〜2.0μmであることが特に好ましい。繊維径が細いガラス繊維ほど、セパレータの孔を微細化できるため、耐浸透短絡性に優れたセパレータとなる。そのため、ガラス繊維の平均繊維径は5μm以下であるとよく、4.5μm以下であってもよく、3.5μm以下であってもよく、2.0μm以下であってもよい。繊維径が太いガラス繊維ほど、抄造時の濾水性に優れるため、生産効率を向上できる。そのため、ガラス繊維の平均繊維径は0.5μm以上であるとよく、0.8μm以上であってもよく、1.0μm以上であってもよい。ガラス繊維としては、平均繊維径の等しいものを単独で用いてもよく、平均繊維径の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
ガラス繊維は、多孔質シートとして使用する。ガラス繊維からなる多孔質シートの作製方法は、特に限定されず、常法に従って抄造等により得ることができる。
多孔質シートにおけるガラス繊維の目付量は、30〜400g/mであることが好ましく、60〜350g/mであることがより好ましく、100〜300g/mであることが更に好ましい。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータでは、多孔質シートを構成しているガラス繊維が、熱可塑性樹脂で結着されていることが好ましい。該鉛蓄電池用セパレータは、熱可塑性樹脂を含有する溶液を、ガラス繊維からなる多孔質シートに含浸又は塗布し、熱可塑性樹脂でガラス繊維を結着させることにより作製することができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂としては、耐酸性及び耐水性に優れるものが好ましく、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。セパレータの親水性を向上させる観点から、スルホ基、カルボキシル基等の親水基を導入した熱可塑性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂として、機械的強度及び電解液の保液性を両立し易い観点からは、オレフィン系樹脂又はスチレン系樹脂が好ましく、耐酸性及び耐水性の観点からは、ポリプロピレン又はポリエチレンが好ましい。熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、鉛蓄電池用セパレータの全量を基準として0.1〜15質量%であるが、電解液の保液性と機械的強度との両立の観点からは、0.2〜12質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。鉛蓄電池用セパレータ中の熱可塑性樹脂の割合が多い程、機械的強度が高くなるが、割合が増えすぎると保液量が低下する傾向にある。そのため、熱可塑性樹脂の含有量は15質量%以下であるが、12質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。また、多孔質シートを構成するガラス繊維の平均繊維径が細い程、目的の機械的強度を達成するために必要な熱可塑性樹脂の割合が増加する傾向にある。そのため、熱可塑性樹脂の含有量は0.1質量%以上であるが、0.2質量%以上であってもよく、0.5質量%以上であってもよく、3質量%以上であってもよい。
熱可塑性樹脂を多孔質シートに均一に付着させるためには、多孔質シートに、熱可塑性樹脂を含有する溶液を含浸又は塗布した後、乾燥する方法を用いるとよい。熱可塑性樹脂を含有する溶液は、熱可塑性樹脂が分散媒に分散した分散系溶液であってもよく、熱可塑性樹脂が溶媒に均一に溶解した均一溶液であってもよい。熱可塑性樹脂の分散媒及び溶媒は特に限定されないが、抄造工程に適用するためには、水系であることが好ましい。
熱可塑性樹脂を分散系溶液又は均一溶液の状態で、多孔質シートに接触させることで、固形の熱可塑性樹脂からなる有機繊維とガラス繊維とを用いて鉛蓄電池用セパレータを作製する場合よりも、熱可塑性樹脂を多孔質シート中に均一に付着させることができる。多孔質シート中に均一に付着された熱可塑性樹脂は、乾燥後にガラス繊維の接点を均一に結着するため、少量の熱可塑性樹脂で、機械的強度を向上でき、保液量の低下を抑制できる。
熱可塑性樹脂を含有する溶液を多孔質シートに含浸又は塗布する方法は特に限定されず、常用の方法を適用できる。
熱可塑性樹脂を含有する溶液が含浸又は塗布された多孔質シートを、加熱により、乾燥する。乾燥方法には特に制限はなく、常用の乾燥方法を適用できる。乾燥時間を短縮するためには、分散媒又は溶媒の沸点以上の温度で加熱することが好ましく、作製される鉛蓄電池用セパレータの機械的強度をより向上させる観点からは、熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱することが好ましい。この加熱は、一定の温度で行ってもよく、分散媒又は溶媒の沸点及び熱可塑性樹脂の融点に合わせて段階的に行ってもよい。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータの厚さは、0.1〜3.0mmであることが好ましく、0.3〜2.5mmであることがより好ましく、0.5〜2.0mmであることが更に好ましく、1.0〜1.5mmであることが特に好ましい。セパレータの膜厚が薄い程、ハイレート特性に優れた鉛蓄電池となり易い。そのため、セパレータの厚さは3.0mm以下であるとよく、2.5mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよい。セパレータの膜厚が厚い程、耐浸透短絡性に優れた鉛蓄電池となり易い。そのため、セパレータの厚さは0.1mm以上であるとよく、0.3mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよく、1.0mm以上であってもよい。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータの保液量は、鉛蓄電池の特性をより向上できる観点から、6g/g以上が好ましく、7g/g以上がより好ましく、10g/g以上が更に好ましい。保液量の上限に特に制限はないが、実用的な観点からは、20g/g以下が好ましい。
上記保液量は、例えば、以下のようにして測定することができる。
まず、鉛蓄電池用セパレータを20mm×20mmの大きさにカットした試験片の25℃、65.0%RHにおける重量(乾燥状態)を測定する。次いで、室温(25℃±2℃)の蒸留水に試験片を1〜3分間程度含水させた後、蒸留水中から引き上げて1〜2分間程度放置した後の試験片の重量(湿潤状態)を測定し、下記の式によって保液量を算出する。
保液量(g/g)=[湿潤状態の試験片の重量−乾燥状態の試験片の重量]/乾燥状態の試験片の重量
なお、上記保液量は、水を用いて測定した場合とする。保液量の測定に水を用いた場合は、保水量ということもある。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータの引張強度は、鉛蓄電池の特性をより向上できる観点から、0.1MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましく、0.5MPa以上が更に好ましい。引張強度の上限に特に制限はないが、実用的な観点からは、5MPa以下が好ましい。
上記引張強度は、例えば、以下のようにして測定することができる。
まず、鉛蓄電池用セパレータを10mm×40mmにカットした試験片を準備する。次に、精密万能試験機を用いて、チャック間距離20mmになるように試験片をセットし、引張速度5mm/分、25℃の条件で引張試験を行い、破断時の応力を引張強度とする。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータは、機械的強度が高く、電解液の保液性にも優れることから、鉛蓄電池に好適に用いることができる。
[鉛蓄電池]
本実施形態の鉛蓄電池は、上述の鉛蓄電池用セパレータを備えることを特徴とする。鉛蓄電池の作製方法は特に限定されず、常法に従って作製することができる。
鉛蓄電池としては、液式鉛蓄電池及び密閉型鉛蓄電池がある。密閉型鉛蓄電池の方式としては、電解液を鉛蓄電池用セパレータに保持する方式である制御弁式鉛蓄電池が挙げられる。制御弁式鉛蓄電池は、蓄電池内部では流動するフリーの電解液が存在せず、蓄電池を横置きしても電解液がこぼれることがないという利点がある。また、充電中に水の電気分解反応が起こっても、水素ガスの発生を抑え、発生する酸素ガスも負極板表面での化学反応により元の水に還元して電解液中に戻す作用があり、水分が失われることが無く液量の点検及び補水が不要であるという利点もある。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータは、機械的強度及び電解液の保液性を両立できる観点から、特に、制御弁式鉛蓄電池に好適に用いることができる。
制御弁式鉛蓄電池では、蓄電池内部の気密を保つため、ふた部分に内蔵されたゴム弁(排気弁)は閉じた状態になっているが、過大な充電電流が流れて蓄電池の内圧が上昇した時はゴム弁が開いて圧を逃がすような構造となっている。このほか、制御弁式鉛蓄電池は均等充電・電解液比重測定が不要であるなど、保守が極めて簡略化できるという特長がある。制御弁式鉛蓄電池の用途としては、例えば、無停電電源装置等が挙げられる。
制御弁式鉛蓄電池は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、活物質の原料である鉛粉に対して、硫酸バリウム、炭素材料、補強用短繊維等を添加して混練した混合物に、水及びリグニンスルホン酸を加えて混合し、希硫酸を更に加えて負極活物質ペーストを作製する。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの紛体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。
補強用短繊維としては、例えば、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等が挙げられる。負極活物質ペースト中の補強用短繊維の含有量は、0.05〜0.3質量%が好ましい。
炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
炭素材料の添加量は、鉛粉に対して0.2〜1.4質量%とすることが好ましい。硫酸バリウムの添加量は、鉛粉に対して0.01〜1.0質量%とすることが好ましい。
リグニンスルホン酸の添加量は、鉛粉に対して樹脂固形分で0.01〜2.0質量%とすることが好ましい。
次に、上記負極活物質ペーストを集電体格子に充填して、熟成した後に、乾燥させ、未化成の負極板を作製する。熟成条件は、温度35〜85℃、湿度50〜90RH%の雰囲気で40〜60時間とすることが好ましい。乾燥条件は、温度50〜80℃で15〜30時間とすることが好ましい。
集電体格子としては、鉛−カルシウム−錫合金、鉛−カルシウム合金、又は、これらに砒素、セレン、銀若しくはビスマスを微量添加した鉛−カルシウム−錫系合金、鉛−カルシウム系合金等からなるものを使用することができる。
正極板を作製する場合は、例えば、鉛粉に対して、補強用短繊維を加え、更に水と希硫酸を加え、これを混練して正極活物質ペーストを作製する。この正極活物質ペーストを集電体格子に充填して、熟成した後に、乾燥させ、未化成の正極板を作製する。集電体格子の種類、熟成条件、乾燥条件は、負極板の場合とほぼ同様である。
上記のように作製した負極板と正極板とを、本実施形態の鉛蓄電池用セパレータを介して積層し、同極性の極板同士をストラップで連結させて極板群とする。この極板群を電槽内に配置した未化成電池に希硫酸を入れ、化成して鉛蓄電池とする。硫酸の比重は1.25〜1.35とすることが好ましい。
本実施形態の鉛蓄電池用セパレータを用いることで、ハイレート特性の向上、長寿命化、大容量化を可能とした鉛蓄電池を作製することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(多孔質シート1の作製)
平均繊維径3.5μmのガラス繊維(日本無機株式会社、製品名:FS19W−N)3g、精製水750g及び界面活性剤(明成化学株式会社、製品名:ラッコールAL)0.01gを1Lミキサー(株式会社TESCOM、製品名:TM837)に加え、30秒間攪拌した後、5Lビーカーに移し、精製水3250g及び上記界面活性剤0.04gを更に加え、ガラス繊維の凝集が目視で確認できなくなるまで回転速度1000rpmで攪拌し、ガラス繊維の分散液を得た。得られたガラス繊維の分散液を150meshのメッシュを設置した抄造装置(熊谷理機工業株式会社、製品名:スタンダードシートマシン抄紙装置)に投入し、全量10Lになるように精製水で希釈した後、濾水・乾燥して、目付量120g/mのガラス繊維からなる厚さ0.50mmの多孔質シート1を作製した。
多孔質シート1を5mm角にカットし、白金蒸着機(Vacuum Device Inc.、製品名:MAGNETRON SPUTTER)を用いて白金蒸着した後、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所、製品名:S−4800)で観察した電子顕微鏡写真を図1に示す。
(多孔質シート2の作製)
平均繊維径1.0μmのガラス繊維(日本無機株式会社、製品名:FM600)を用いた以外は、多孔質シート1の作製と同様にして、目付量120g/mのガラス繊維からなる厚さ0.51mmの多孔質シート2を作製した。
(実施例1)
多孔質シート1を、不揮発分を0.25質量%に調整したポリプロピレンエマルジョン(ユニチカ株式会社、製品名:アローベースTC−4010)に浸漬した後、吸水濾紙で余分なエマルジョンを除去し、105℃に設定した乾燥機で1時間乾燥して、ポリプロピレンを0.5質量%含有する厚さ0.51mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。図2は、実施例1で作製した鉛蓄電池用セパレータの電子顕微鏡写真である。図2から、ガラス繊維がポリプロピレンで結着されていることが確認できる。
(実施例2)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を0.75質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレンを3質量%含有する厚さ0.52mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例3)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を1.00質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレンを5質量%含有する厚さ0.53mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例4)
ポリプロピレンエマルジョンをポリエチレンエマルジョン(ユニチカ株式会社、製品名:アローベースSE1200)に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレンを0.5質量%含有する厚さ0.51mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例5)
ポリエチレンエマルジョンの不揮発分を0.75質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、ポリエチレンを3質量%含有する厚さ0.52mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例6)
ポリエチレンエマルジョンの不揮発分を1.00質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、ポリエチレンを5質量%含有する厚さ0.53mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例7)
ポリプロピレンエマルジョンをイソプレン−スチレン共重合体のスルホン化物エマルジョン(JSR株式会社、製品名:ダイナフローCS1201)に変更した以外は実施例1と同様にして、イソプレン−スチレン共重合体のスルホン化物を5質量%含有する厚さ0.53mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例8)
多孔質シート2を、不揮発分を0.50質量%に調整したポリプロピレンエマルジョンに浸漬した後、吸水濾紙で余分なエマルジョンを除去し、105℃に設定した乾燥機で1時間乾燥して、ポリプロピレンを3質量%含有する厚さ0.52mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例9)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を1.00質量%に変更した以外は実施例8と同様にして、ポリプロピレンを5質量%含有する厚さ0.53mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例10)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を1.75質量%に変更した以外は実施例8と同様に、ポリプロピレンを10質量%含有する厚さ0.54mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例11)
ポリプロピレンエマルジョンをポリエチレンエマルジョンに変更した以外は実施例8と同様にして、ポリエチレンを3質量%含有する厚さ0.52mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例12)
ポリエチレンエマルジョンの不揮発分を1.00質量%に変更した以外は実施例11と同様にして、ポリエチレンを5質量%含有する厚さ0.53mm鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(実施例13)
ポリエチレンエマルジョンの不揮発分を1.75質量%に変更した以外は実施例11と同様にして、ポリエチレンを10質量%含有する厚さ0.54mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(比較例1)
多孔質シート1をそのまま鉛蓄電池用セパレータとして用いた。
(比較例2)
多孔質シート2をそのまま鉛蓄電池用セパレータとして用いた。
(比較例3)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を3.25質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレンを16質量%含有する厚さ0.54mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(比較例4)
ポリプロピレンエマルジョンの不揮発分を2.75質量%に変更した以外は実施例8と同様にして、ポリプロピレンを16質量%含有する厚さ0.55mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(比較例5)
平均繊維径1.0μmのガラス繊維3.0gを、平均繊維径1.0μmのガラス繊維2.7g及び有機繊維(三井化学株式会社、製品名:SWP)0.3gに変更した以外は、多孔質シート2の作製と同様の手順で、厚さ0.46mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
(比較例6)
平均繊維径1.0μmのガラス繊維3.0gを、平均繊維径1.0μmのガラス繊維2.1g及び有機繊維(三井化学株式会社、製品名:SWP)0.9gに変更した以外は、多孔質シート2の作製と同様の手順で、厚さ0.36mmの鉛蓄電池用セパレータを作製した。
実施例及び比較例で作製した鉛蓄電池用セパレータの組成を表1に示す。表1中の数値の単位は、質量%である。
実施例1〜13及び比較例1〜6の各鉛蓄電池用セパレータについて、強度、保液性及び耐水性を以下の方法によって評価した。結果を表2に示す。
[強度]
セパレータを10mm×40mmにカットした試験片を準備し、精密万能試験機(株式会社島津製作所、製品名:AGS−X)を用い、チャック間距離20mm、引張速度5mm/分、25.0℃の条件で引張試験を行い、破断時の応力を引張強度とした。
[保液性]
セパレータを20mm×20mmの大きさにカットした試験片の25℃、65.0%RHにおける重量(乾燥状態)を1mgの単位まで測定した。次いで、室温(25℃±2℃)の蒸留水に試験片を浸漬して2分間含水させた後、水中から引き上げて1分間放置した後の試験片の重量(湿潤状態)を測定し、次の式によって保液量を算出した。
保液量(g/g)=[湿潤状態の試験片の重量−乾燥状態の試験片の重量]/乾燥状態の試験片の重量
[耐水性]
保液性を評価した試験片を105℃に設定した乾燥機で60分間乾燥させた重量を測定し、保液性を評価する前の試験片の重量よりも減少していない場合を「A」、保液性を評価する前の試験片中に含まれていた熱可塑性樹脂の含有量未満の重量減少があった場合を「B」、保液性を評価する前の試験片に含まれていた熱可塑性樹脂の含有量と同等以上の重量減少があった場合を「C」とした。
実施例の鉛蓄電池用セパレータは、所定量の熱可塑性樹脂を含有することで、機械的強度が高く、電解液の保液性にも優れることが確認できた。

Claims (3)

  1. ガラス繊維及び熱可塑性樹脂を含む鉛蓄電池用セパレータであって、
    前記ガラス繊維の平均繊維径が0.5〜5μmであり、
    前記熱可塑性樹脂が、オレフィン系樹脂又はスチレン系樹脂であり、
    該セパレータの全質量を基準として、前記熱可塑性樹脂の含有量が0.1〜15質量%である、鉛蓄電池用セパレータ。
  2. 前記ガラス繊維が、前記熱可塑性樹脂で結着されている、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  3. 請求項1又は2に記載の鉛蓄電池用セパレータを備える、密閉型鉛蓄電池。
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