JP6433656B2 - 電流値検出装置及び電流値検出方法 - Google Patents

電流値検出装置及び電流値検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電流値検出装置及び電流値検出方法に関するものである。
コンバータ回路とインバータ回路によってモータを制御するようなモータ制御装置において、インバータ回路の直流部に1つのシャント抵抗を挿入して電流検出が行われている(特許文献1)。
このような電流検出では、検出した電流波形からノイズを除去するためにフィルタ回路が設けられる場合がある。フィルタ回路は、抵抗とコンデンサとで形成され、これらによる時定数を長くすることで、ノイズ除去の効果を高くできる。
特開2013−66340号公報
しかしながら、時定数が長い場合、電流検出のタイミングでも電流波形が時定数の影響を受け、電流波形が歪む可能性がある。特にパルス幅の狭い電流波形において、検出される電流値の精度が低くなる可能性がある。その結果、電流値を誤って判定し、装置に電流振動が発生したり、過電流が生じる可能性がある。このような状態となると、モータ等の制御対象が停止される場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、一つのシャント抵抗を用いて検出された電流波形のノイズを除去すると共に、ノイズ除去の影響による精度の低下を抑制して電流値を検出できる、電流値検出装置及び電流値検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電流値検出装置及び電流値検出方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る電流値検出装置は、一つのシャント抵抗によって、PWM制御されたインバータから出力される電流を検出する電流検出手段と、各々異なる時定数とされた複数のフィルタが並列に接続され、前記電流検出手段により検出された電流が複数の前記フィルタを通過し、複数の前記フィルタ毎に電流波形を出力するフィルタ手段と、前記フィルタ手段から出力された複数の前記電流波形のうち、前記PWM制御の制御信号に基づいて決定される一相のみの電流を検出可能な電流検出幅の立ち上がりから前記電流検出幅の中央近辺に設定された電流値の検出タイミングまでの時間と前記時定数との比較結果に基づいて選択した前記電流波形から電流値を判定する電流値判定手段と、を備える。
本構成によれば、電流検出手段は、一つのシャント抵抗によって電流を検出する。電流検出手段は、例えば、コンバータとインバータを備えるモータの制御装置に備えられ、モータに流れる電流を検出する。
フィルタ手段は、各々異なる時定数とされた複数のフィルタが並列に接続されて形成される。フィルタは、電流波形のノイズを除去するために設けられる。電流検出手段によって検出された電流は、複数のフィルタを通過し、複数のフィルタ毎に電流波形が出力される。時定数が長いフィルタほど、電流波形からノイズを除去し易い。しかし、時定数が長いフィルタを通過した電流波形から得られる電流値の精度が良くない場合がある。
そこで、電流値判定手段によって、フィルタ手段から出力された複数の電流のうち、電流値の検出タイミングと時定数との比較結果に基づいて選択した電流波形から電流値が判定される。すなわち、ノイズが除去され、電流値の検出に適した電流波形が、電流波形の幅とフィルタの時定数との関係から選択される。このため、電流値の検出に影響を及ぼし難い時定数のフィルタを通過した電流波形が選択される。従って、本構成は、より精度良く電流値を検出できる。
従って、本構成は、一つのシャント抵抗を用いて検出された電流波形のノイズを除去すると共に、ノイズ除去の影響による精度の低下を抑制して電流値を検出できる。
上記第一態様では、前記電流値判定手段は、最も長い前記時定数よりも前記時間が長い場合、最も長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定することとしてもよい。
最も長い時定数のフィルタを通過した電流波形は、ノイズ除去の効果が高い。このため、本構成によれば、最も長い時定数よりも検出タイミングが長い場合、検出タイミングにおけるノイズ除去による電流波形の歪みの影響は小さい。そこで、最も長い時定数のフィルタを通過した電流波形から電流値が判定される。
従って、本構成は、より精度良く電流値を検出できる。
上記第一態様では、前記電流値判定手段は、前記時間よりも長い前記時定数がある場合、前記時間よりも長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形の電流値と、前記時間よりも短い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形の電流値との差分を算出し、前記差分がノイズの発生を示す所定値よりも小さい場合、前記時間よりも短い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定し、前記差分が前記所定値よりも大きい場合、前記時間よりも長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定することとしてもよい。
短い時定数のフィルタを通過した電流波形は、ノイズが十分に除去されていない可能性がある。
そこで、本構成によれば、電流波形の立ち上がりから電流波形の幅の中央近辺に設定された電流値の検出タイミングまでの時間よりも長い時定数のフィルタを通過した電流波形の電流値と、該時間よりも短い時定数のフィルタを通過した電流波形の電流値との差分が算出される。
そして、差分がノイズの発生を示す所定値よりも小さい場合、電流値の検出タイミングよりも短い時定数のフィルタを通過した電流波形から電流値が判定される。差分が所定値よりも小さい場合とは、電流波形からノイズが除去されている場合である。この場合、長い時定数のフィルタを通過した電流波形では、電流検出の精度が低い可能性があるため、短い時定数のフィルタを通過した電流波形から電流値が判定される。
一方、差分が所定値よりも大きい場合、電流値の検出タイミングよりも長い時定数のフィルタを通過した電流波形が選択される。差分が所定値よりも大きい場合とは、短い時定数のフィルタを通過した電流波形のノイズが除去されていない場合である。そこで、長い時定数のフィルタを通過した電流波形から電流値が判定される。
従って、本構成は、より精度良く電流値を検出できる。
本発明の第二態様に係る電流値検出方法は、一つのシャント抵抗によって、PWM制御されたインバータから出力される電流を検出する電流検出手段と、各々異なる時定数とされた複数のフィルタが並列に接続され、前記電流検出手段により検出された電流が複数の前記フィルタを通過するフィルタ手段と、を備える電流値検出装置の電流値検出方法であって、前記電流検出手段によって電流を検出し、前記フィルタ手段から複数の前記フィルタ毎に電流波形を出力し、出力された複数の前記電流波形のうち、前記PWM制御の信号に基づいて決定される一相のみの電流を検出可能な電流検出幅の立ち上がりから前記電流検出幅の中央近辺に設定された電流値の検出タイミングまでの時間と前記時定数との比較結果に基づいて選択した前記電流波形から電流値を判定する。
本発明によれば、一つのシャント抵抗を用いて検出された電流波形のノイズを除去すると共に、ノイズ除去の影響による精度の低下を抑制して電流値を検出できる、という優れた効果を有する。
本発明の第1実施形態に係る電源装置の構成図である。 本発明の第1実施形態に係るフィルタ部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るPWM波形のパルス幅を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る電流値判定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。 本発明の第2実施形態に係るフィルタ部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る電流値判定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。 本発明の第2実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。 本発明の第2実施形態に係る実電流波形における電流検出タイミングとフィルタを通過した電流波形を示した模式図である。
以下に、本発明に係る電流値検出装置及び電流値検出方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1を参照して、モータ10へ電力を供給するための電源装置12について説明する。
モータ10は、例えば、空気調和機の圧縮機の駆動源として用いられる永久磁石型同期モータである。
電源装置12は、コンバータ14、インバータ16、インバータ制御装置18、モータ電流検出部20、及びフィルタ部22を備える。
コンバータ14は、一端が交流電源24に接続され、他端がインバータ16に接続される。そして、コンバータ14は、交流電源24から供給される交流電力(3相交流電力)を直流電力に変換し、インバータ16へ送る。
インバータ16は、一端がコンバータ14に接続され、他端にモータ10が接続される、そして、インバータ16は、コンバータ14から出力される直流電力を三相交流電力に変換して、モータ10へ供給する。インバータ16とコンバータ14との間には、直流電圧を平滑化するコンデンサ30が設けられる。
インバータ16は、スイッチング素子32A〜32Fを備える。
スイッチング素子32A,32Bは、直列接続され、スイッチング素子32Aのエミッタとスイッチング素子32Bのコレクタがモータ10に接続され、モータ10にモータ電流Iuを流す。スイッチング素子32C,32Dは、直列接続され、スイッチング素子32Cのエミッタとスイッチング素子32Dのコレクタがモータ10に接続され、モータ10にモータ電流Ivを流す。スイッチング素子32E,32Fは、直列接続され、スイッチング素子32Eのエミッタとスイッチング素子32Fのコレクタがモータ10に接続され、モータ10にモータ電流Iwを流す。さらに、コンデンサ30、直列接続されるスイッチング素子32A,32B、直列接続されるスイッチング素子32C,32D、及び直列接続されるスイッチング素子32E,32Fが並列接続される。
インバータ制御装置18は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」ともいう。)であり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成される。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
インバータ制御装置18は、モータ10の回転数を上位の制御装置(図示略)から与えられるモータ回転数指令に一致させるようなゲート駆動信号(PWM信号)を相毎に生成する。そして、ゲート駆動信号が、インバータ16の各相に対応するスイッチング素子32A〜32Fに与えられることで、インバータ16が制御され、所望の3相交流電圧がモータ10に供給される。
具体的には、インバータ制御装置18は、検出した3相(u,v,w)のモータ電流Iu,Iv,IwをA/D変換し、3相のモータ電流を2相電流、すなわちq軸電流及びd軸電流に変換する。そして、インバータ制御装置18は、モータ回転数指令と2相電流とに基づいて、q軸電圧指令及びd軸電圧指令を生成し、これらを3相電圧指令vu,vv,vwに変換し、PWM制御に用いる。
PWM制御は、所定のキャリア周波数の三角波を生成し、この三角波と3相電圧指令vu,vv,vwとをそれぞれ比較し、さらに入力直流電圧Vdcを用いて、PWMパルスのデューティ幅を補正することで、各相に対応するゲート駆動信号を生成し、インバータ16に出力する。
モータ電流検出部20は、モータ電流Iu,Iv,Iwを検出するために、一つのシャント抵抗36及び非反転増幅回路38を備える。
シャント抵抗36は、スイッチング素子32Bとコンデンサ30との間に接続される。
非反転増幅回路38は、シャント抵抗36における電圧降下として現れる電圧を増幅してフィルタ部22へ出力する。
フィルタ部22は、モータ電流検出部20で検出された電流波形のノイズを除去するために設けられる。
図2は、フィルタ部22の構成図である。
本第1実施形態に係るフィルタ部22は、各々異なる時定数τ,τとされたフィルタ40A,40Bが並列に接続される。フィルタ40A,40Bは、抵抗42及びコンデンサ44によって時定数τ,τが決定される。なお、フィルタ40Aの時定数τが、フィルタ40Bの時定数τよりも長い。
フィルタ部22は、フィルタ40A,40B毎に電流波形を、インバータ制御装置18が備える電流値判定部50へ出力する。なお、フィルタ40A,40Bを通過した電流波形は、A/D変換されたのちにインバータ制御装置18へ入力される。
電流値判定部50は、フィルタ部22から出力された複数の電流波形のうち、電流波形の幅とフィルタ40A,40Bの時定数に基づいて選択した電流波形から電流値を判定する。
図3は、PWM波形の3相(u,v,w)の各パルス幅を示した模式図である。
図3に示されるように、キャリア周波数の三角波において、三角波とタイマ値tuとが交差する範囲がU相のパルス幅puである。三角波とタイマ値tvとが交差する範囲がv相のパルス幅pvである。三角波とタイマ値twとが交差する範囲がw相のパルス幅pwである。
タイマ値の大小関係はtu>tv>twであり、パルス幅の大小関係はpw>pv>puである。このように、モータ電流Iu,Iv,Iwはパルス幅が各々異なる。
モータ電流検出部20で検出可能なモータ電流は、上記に示したタイマ値及びパルス幅の大小関係の場合において、モータ電流Iu及びモータ電流−Iwである。モータ電流Ivはモータ電流Iu及びモータ電流Iwから算出される。
そして、タイマ値の大小関係に基づいて、モードの割り付けがされ、表1に示されるように、モータ電流は、割り付けられたモードに応じて検出される。
Figure 0006433656
表1に示される関係から、モータ電流Iu及びモータ電流−Iwを検出可能なパルス幅は、図3に示されるパルス幅pu’,pv’となる。本第1実施形態では、一例として、パルス幅pu’,pv’の略中央近辺でモータ電流Iu及びモータ電流−Iwが検出される。
モータ電流Iu,−Iwを検出可能なパルス幅pu’,pv’は各々異なる。また、フィルタ40A,40Bは、電流波形のノイズを除去するために設けられる。ノイズは、スイッチング素子32のオン、オフに伴い生じやすく、時定数が長いフィルタ40ほど、電流波形からノイズを除去し易い。しかし、時定数が長いフィルタ40を通過するほど電力波形は歪みやすい。このため、時定数が長いフィルタ40を通過した電流波形から得られる電流値の精度が良くない場合がある。特に、パルス幅pu’,pv’が短い電流波形は、電流値の検出タイミングにおいて、電流波形が歪んでいる可能性がある。
そこで、電流値判定部50で実行される電流値判定処理は、ノイズが除去され、電流値の検出に適した電流波形を、電流波形の幅とフィルタ40の時定数との関係から選択し、選択した電流波形から電流値を判定(検出)する。
図4は、電流値判定部50によって実行される電流値判定処理の流れを示すフローチャートである。電流値判定処理に関するプログラムはインバータ制御装置18の所定領域に予め記憶される。電流値判定処理は、インバータ制御装置18がゲート駆動信号を生成する毎に実行される。
まず、ステップ100では、電流値の検出タイミング(以下「電流検出タイミングT」という。)がフィルタ40Aの時定数τよりも長いか否かを判定する。肯定判定の場合はステップ102へ移行し、否定判定の場合はステップ104へ移行する。
ステップ102では、時定数の長いフィルタ40Aを通過した電流波形を選択して、該電流波形から電流値を判定(検出)する。
ステップ104では、電流波形にノイズが有るか否かを判定する。肯定判定の場合はステップ102へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
ステップ106では、時定数の短いフィルタ40Bを通過した電流波形を選択して、該電流波形から電流値を判定(検出)する。
電流値判定処理を図5〜7を参照して説明する。
図5〜7は、実際の電流波形(以下「実電流波形」という。)における電流検出タイミングTと時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形、時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形を示した模式図である。実電流波形は、一例として方形である。図5〜7における電流検出タイミングTは、一例として電流波形の幅の中央近辺とする。
図5は、実電流波形のパルス幅が長い場合を示す。図6は、実電流波形のパルス幅が短い場合を示す。フィルタ40A,40Bを通過した電流波形は、ノイズが除去されるために、時定数τ,τに応じた応答時間で立ち上がる。
電流値は、ノイズが除去されると共にフィルタ40A,40Bの影響がないタイミングで電流波形から検出されることが望ましい。
このため、電流値判定処理は、電流波形の幅に応じた電流検出タイミングTと時定数τ,τに基づいて、一つの電流波形を選択する。すなわち、電流値の検出に影響を及ぼし難い時定数のフィルタ40を通過した電流波形が選択される。
なお、時定数τ,τに所定の定数βを乗算した値と、電流検出タイミングTとに基づいて、電流波形が選択されてもよい。また、定数βは、各時定数τ,τ毎に応じて異なる定数β,βとされてもよい。
図5に示されるように時定数τよりも電流検出タイミングTが長い場合、電流検出タイミングTにおいて、ノイズ除去による電流波形の歪みの影響は小さい。このため、よりノイズ除去の効果が高い時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形がステップ100において選択され、ステップ102においてこの電流波形から電流値が検出される。
図6に示されるように時定数τよりも電流検出タイミングTが短い場合、電流検出タイミングTで検出される電流値は、時定数τの影響を受ける。このため、電流値判定処理は、電流検出タイミングTよりも長い時定数τがある場合、ステップ104へ移行する。
ここで、電流検出タイミングTよりも長い時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形は、波形が歪み、電流検出の精度が低くなる可能性がある。一方、短い時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形は、ノイズが十分に除去されていない可能性がある。
図7は、短い時定数τのフィルタ40Bでは、電流検出タイミングTにおいて、ノイズが除去できていない状態を示す。
そこで、ステップ104において、時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形の電流値と、時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形の電流値との差分(以下「電流差分」という。)が算出される。
そして、ノイズの発生を示す所定値(以下「ノイズ値」という。)αと電流差分dとが比較される。ノイズ値は、予め定められる値である。
電流差分dがノイズ値αよりも小さい場合、電流検出タイミングTよりも短い時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形から電流値が判定される。電流差分dがノイズ値αよりも小さい場合とは、電流波形からノイズが除去されている場合である。
一方、時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形では、電流検出タイミングTにおいて電流波形が歪み、電流検出の精度が低い可能性がある。
電流差分dがノイズ値αよりも大きい場合、電流検出タイミングTよりも長い時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形が選択される。差分がノイズ値αよりも大きい場合とは、短い時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形からノイズが除去されていない場合である。そこで、長い時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形から電流値が判定される。
このような電流値判定処理によって、より精度良く電流値が検出される。
なお、本第1実施形態に係る電流値判定処理によって判定(検出)された電流値は、3相のモータ電流Iu,−Iwであり、インバータ制御装置18に入力され、PWM制御に用いられる。
以上説明したように、本第1実施形態に係る電源装置12は、一つのシャント抵抗36によって電流を検出するモータ電流検出部20と、各々異なる時定数τ,τとされたフィルタ40A,40Bが並列に接続され、モータ電流検出部20により検出された電流が複数のフィルタ40A,40Bを通過し、複数のフィルタ40A,40B毎に電流波形を出力するフィルタ部22とを備える。そして、電源装置12は、フィルタ部22から出力された複数の電流波形のうち、電流波形のパルス幅pu’,pv’と時定数τ,τに基づいて選択した電流波形から電流値を判定する。
従って、本第1実施形態に係る電源装置12は、一つのシャント抵抗36を用いて検出された電流波形のノイズを除去すると共に、ノイズ除去の影響による精度の低下を抑制して電流値を検出できる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態に係る電源装置12の構成は、図1に示す第1実施形態に係る電源装置12の構成と同様であるので説明を省略する。
図8は、本第2実施形態に係るフィルタ部22の構成を示す。なお、図8における図2と同一の構成部分については図8と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第2実施形態に係るフィルタ部22は、時定数τのフィルタ40A、時定数τのフィルタ40B、時定数τのフィルタ40Cを備える。
各フィルタ40の時定数の長さ関係は、時定数τ>時定数τ>時定数τである。
図9は、本第2実施形態に係る電流値判定処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ200では、パルス幅の長さを判定する。すなわち、電流検出タイミングTがフィルタ40Aの時定数τ、フィルタ40Bの時定数τ、及びフィルタ40Cの時定数τよりも長いか否かを判定する。電流検出タイミングTが時定数τよりも長い場合(T>τ)は、ステップ202へ移行する。電流検出タイミングTが時定数τよりも長く時定数τ以下の場合(τ<T≦τ)は、ステップ204へ移行する。電流検出タイミングTが時定数τ以下の場合(T≦τ)は、ステップ208へ移行する。
ステップ202では、時定数の最も長いフィルタ40Aを通過した電流波形を選択して、該電流波形から電流値を判定(検出)する。
ステップ204では、電流波形にノイズが有るか否かを判定する。肯定判定の場合はステップ202へ移行し、否定判定の場合はステップ206へ移行する。
ステップ206では、フィルタ40Bを通過した電流波形を選択して、該電流波形から電流値を判定(検出)する。
ステップ208では、電流波形にノイズが有るか否かを判定する。肯定判定の場合はステップ206へ移行し、否定判定の場合はステップ210へ移行する。
ステップ210では、時定数の最も短いフィルタ40Cを通過した電流波形を選択して、該電流波形から電流値を判定(検出)する。
電流値判定処理を図10〜12を参照して説明する。
図10〜12は、実際の電流波形(以下「実電流波形」という。)における電流検出タイミングTと時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形、τのフィルタ40Bを通過した電流波形、時定数τのフィルタ40Cを通過した電流波形を示した模式図である。実電流波形は、一例として方形である。図10〜12における電流検出タイミングTは、一例として電流波形の幅の中央近辺とする。
図10は、実電流波形のパルス幅が長く、電流検出タイミングTが時定数τよりも長い場合(T>τ)を示す。図10で示される場合に、ステップ200からステップ202へ移行する。
図11は、電流検出タイミングTが時定数τよりも長く時定数τ以下の場合(τ<T≦τ)を示す。図11で示される場合に、ステップ200からステップ204へ移行する。
図12は、電流検出タイミングTが時定数τ以下の場合(T≦τ)を示す。図11で示される場合に、ステップ200からステップ208へ移行する。
なお、時定数τ,τ,τに所定の定数βを乗算した値と、電流検出タイミングTとに基づいて、電流波形が選択されてもよい。また、定数βは、各時定数τ,τ,τ毎に異なる定数β,β,βとされてもよい。
図10に示されるように電流検出タイミングTが時定数τよりも長い場合、電流検出タイミングTにおけるノイズ除去による電流波形の歪みの影響は小さい。このため、よりノイズ除去の効果が高い時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形が選択され、ステップ102においてこの電流波形から電流値が検出される。
図11に示されるように電流検出タイミングTが時定数τよりも長く時定数τ以下の場合、電流検出タイミングTで検出される電流値は、時定数τの影響を受ける。このため、電流値判定処理は、ステップ204へ移行する。
図12に示されるように電流検出タイミングTが時定数τ以下の場合、電流検出タイミングTで検出される電流値は、時定数τ,τの影響を受ける。このため、電流値判定処理は、ステップ208へ移行する。
ステップ204では、時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形と、時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形と電流差分dABを算出する。そして、電流差分dABとノイズ値αABとが比較される。
電流差分dABがノイズ値αAB以上の場合(dAB≧αAB)、ステップ202において時定数τのフィルタ40Aを通過した電流波形から電流値が判定される。
一方、電流差分dABがノイズ値αABよりも小さい場合(dAB<αAB)、ステップ206において時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形から電流値が判定される。
ステップ208では、時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形と、時定数τのフィルタ40Cを通過した電流波形と電流差分dBCを算出する。そして、電流差分dBCとノイズ値αBCとが比較される。なお、ノイズ値αABとノイズ値αBCとは同じ値であっても、異なる値であっても良い。
電流差分dBCがノイズ値αBC以上の場合(dBC≧αBC)、ステップ206において時定数τのフィルタ40Bを通過した電流波形から電流値が判定される。
一方、電流差分dBCがノイズ値αBCよりも小さい場合(dBC<αBC)、ステップ210において時定数τのフィルタ40Cを通過した電流波形から電流値が判定される。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記各実施形態では、フィルタ部22が2つ又は3つのフィルタ40を備える形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、フィルタ部22が4つのフィルタ40を備える形態としてもよい。
また、上記各実施形態で説明した電流値判定処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
12 電源装置
18 インバータ制御装置
20 モータ電流検出部
36 シャント抵抗
40 フィルタ
50 電流値判定部

Claims (4)

  1. 一つのシャント抵抗によって、PWM制御されたインバータから出力される電流を検出する電流検出手段と、
    各々異なる時定数とされた複数のフィルタが並列に接続され、前記電流検出手段により検出された電流が複数の前記フィルタを通過し、複数の前記フィルタ毎に電流波形を出力するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段から出力された複数の前記電流波形のうち、前記PWM制御の制御信号に基づいて決定される一相のみの電流を検出可能な電流検出幅の立ち上がりから前記電流検出幅の中央近辺に設定された電流値の検出タイミングまでの時間と前記時定数との比較結果に基づいて選択した前記電流波形から電流値を判定する電流値判定手段と、
    を備える電流値検出装置。
  2. 前記電流値判定手段は、最も長い前記時定数よりも前記時間が長い場合、最も長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定する請求項1記載の電流値検出装置。
  3. 前記電流値判定手段は、
    前記時間よりも長い前記時定数がある場合、前記時間よりも長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形の電流値と、前記時間よりも短い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形の電流値との差分を算出し、
    前記差分がノイズの発生を示す所定値よりも小さい場合、前記時間よりも短い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定し、
    前記差分が前記所定値よりも大きい場合、前記時間よりも長い前記時定数の前記フィルタを通過した前記電流波形から電流値を判定する請求項1又は請求項2記載の電流値検出装置。
  4. 一つのシャント抵抗によって、PWM制御されたインバータから出力される電流を検出する電流検出手段と、各々異なる時定数とされた複数のフィルタが並列に接続され、前記電流検出手段により検出された電流が複数の前記フィルタを通過するフィルタ手段と、を備える電流値検出装置の電流値検出方法であって、
    前記電流検出手段によって電流を検出し、
    前記フィルタ手段から複数の前記フィルタ毎に電流波形を出力し、
    出力された複数の前記電流波形のうち、前記PWM制御の信号に基づいて決定される一相のみの電流を検出可能な電流検出幅の立ち上がりから前記電流検出幅の中央近辺に設定された電流値の検出タイミングまでの時間と前記時定数との比較結果に基づいて選択した前記電流波形から電流値を判定する電流値検出方法。
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