JP6433305B2 - 非接地電源の絶縁検出装置及び絶縁検出方法 - Google Patents

非接地電源の絶縁検出装置及び絶縁検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、非接地電源の絶縁検出装置及び絶縁検出方法に関し、特に、電気による推進力を利用する車両に搭載された非接地の直流電源と昇圧回路との絶縁状態を検出する絶縁検出装置及び絶縁検出方法に関する。
近年の電気自動車やハイブリッドカーには、高電力、高出力で、且つ、コンパクトな直流電源としてバッテリー集合体(以下、直流電源と略記する。)が搭載され、その出力電圧は200V(ボルト)以上となっている。また、負荷の駆動効率を高めるために、直流電源の正電位を昇圧し負荷に供給するために、昇圧回路を備える車両がある。この昇圧回路を備える車両においては、直流電源の出力すなわち昇圧回路の一次側と共に、昇圧回路の出力すなわち二次側も車両から電気的に絶縁された非接地の構成となっており、車両は直流電源及び昇圧回路のアースとして使用されない構成となっている。このため、昇圧回路を有する車両では、直流電源の絶縁状態を監視するために直流電源とアースとの間の地絡抵抗と共に、昇圧回路の二次側とアースとの間の地絡抵抗も検出する必要があった。
直流電源とアースとの間の地絡抵抗、及び昇圧回路の二次側とアースとの間の地絡抵抗とを検出する絶縁検出装置として、例えば、特許文献1に記載の絶縁状態検出装置がある。この特許文献1に記載の絶縁状態検出装置では、直流電源と接地電位との間の地絡抵抗と昇圧回路の二次側とアースとの間の地絡抵抗とによって形成される合成された地絡抵抗を計測する構成となっている。
特開2011−17586号公報
特許文献1に記載の絶縁状態検出装置では、昇圧回路の二次側の正極とアースとの間に形成される地絡抵抗(二次側+地絡抵抗)と、直流電源の負極(昇圧回路の二次側の負極に相当する)とアースとの間に形成される地絡抵抗(二次側−地絡抵抗)とがアースを介して、昇圧回路の二次側の正極と負極との間に直列に接続される構成となっている。また、二次側+地絡抵抗と二次側−地絡抵抗との分圧に応じた電位が、直流電源の正極電位よりも高い場合には、昇圧回路の二次側+地絡抵抗からフライングキャパシタを介して直流電源の正極に至る回り込み電流が生じる構成としている。さらには、回り込み電流によるフライングキャパシタに対する逆極性での充電電圧を計測するために、フライングキャパシタを計測手段とアースとに逆極性で接続するための逆極性計測回路を備える構成となっている。
このため、フライングキャパシタに直流電源の正極による充電がなされた場合の充電電圧を計測する正極性時の計測手段と、フライングキャパシタに昇圧回路の二次側の正極による逆極性の充電がなされた場合の充電電圧を計測する逆極性時の計測手段とを有している。すなわち、回り込み電流が発生することなく充電された充電電圧を計測する計測手段と、回り込み電流によって充電された逆極性の充電電圧を計測する計測手段との2系統の計測手段が必要である。さらには、少なくともダイオード、抵抗、及びスイッチからなる逆極性計測回路の追加が必要であると共に、追加のスイッチのON/OFF制御及び該ON/OFF制御に対応した計測手段の切り替えも必要であり、回路規模が増大してしまうと共に、制御ソフトの負担も増大してしまうという問題があった。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、追加の回路を必要としない簡易な構成で、直流電源及び昇圧回路とアースとの間の地絡抵抗を計測することが可能な絶縁検出装置及び絶縁検出方法を提供することである。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、充電電圧を保持するフライングキャパシタと、前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する計測回路とを備え、アースから電気的に絶縁される直流電源に接続され、前記計測回路で計測された前記フライングキャパシタの充電電圧に基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出装置であって、
前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第1の経路と、前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記アースに至る第2の経路と、前記アースから前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第3の経路と、前記フライングキャパシタと前記直流電源との接続を解除し、当該フライングキャパシタと前記計測回路とを接続する第4の経路とを切り替える複数のスイッチを備え、
前記第2の経路で充電された前記フライングキャパシタの計測電圧を監視し、該計測電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、
前記スイッチの切り替えを制御し、前記第3の経路での前記フライングキャパシタの充電と、前記第3の経路で充電された前記フライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、前記第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する制御手段と、
前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する演算手段を備えることを特徴とする絶縁検出装置である。
前記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、充電電圧を保持するフライングキャパシタと、前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する計測回路とを備え、アースから電気的にそれぞれ絶縁される直流電源と該直流電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路との前記直流電源側に接続され、前記計測回路で計測された前記フライングキャパシタの充電電圧に基づいて、前記直流電源及び前記昇圧回路の二次側と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出装置であって、
前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第1の経路と、前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記アースに至る第2の経路と、前記アースから前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第3の経路と、前記フライングキャパシタと前記直流電源との接続を解除し、当該フライングキャパシタと前記計測回路とを接続する第4の経路とを切り替える複数のスイッチを備え、
前記昇圧回路の昇圧動作による二次側の出力電圧の上昇により、前記アース電位が前記直流電源の正極側の電位よりも高くなった場合に、
前記スイッチの切り替えを制御し、前記第3の経路での前記フライングキャパシタの充電と、前記第3の経路で充電された前記フライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、前記第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する制御手段と、
前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源及び前記昇圧回路の二次側と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する演算手段を備えることを特徴とする絶縁検出装置である。
前記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、アースから電気的に絶縁される直流電源と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出方法であって、
前記直流電源の正極と前記アースとの間にフライングキャパシタを接続し、前記フライングキャパシタを充電する工程と、
前記フライングキャパシタから前記直流電源の正極を切り離した後に、前記フライングキャパシタに計測回路を接続し、前記フライングキャパシタに充電された電圧を計測する工程と、
前記計測された電圧を監視し、該計測された電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、
前記アースと前記直流電源の負極との間に前記フライングキャパシタを接続して前記フライングキャパシタを充電し、前記フライングキャパシタの接続後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する工程と、
前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する工程とを備えることを特徴とする絶縁検出方法である。
前記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、前記複数のスイッチは、前記フライングキャパシタの一端と前記直流電源の正極との間に配置される第1のスイッチと、前記フライングキャパシタの他端と前記直流電源の負極との間に配置される第2のスイッチと、前記フライングキャパシタの一端とアースとの間に配置される第3のスイッチと、前記フライングキャパシタの他端と前記アースとの間に配置される第4のスイッチとからなり、
前記第2のスイッチ及び前記第4のスイッチはそれぞれに並列接続され、当該第2のスイッチ及び前記第4のスイッチに掛かる電圧を所定電圧以下に保つ保護素子を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁検出装置である。
前記課題を解決するための請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記第1及び第2の計測電圧と、少なくとも前記第4のスイッチに並列接続される前記保護素子の特性とに基づいて、前記第1の経路時における、前記第2のスイッチの前記直流電源の負極側と、前記第4のスイッチの前記アース側との間に掛かる電圧を推定する手段と、
前記第2のスイッチの前記直流電源の負極側と前記第4のスイッチの前記アース側との間に掛かる電圧と、前記第4のスイッチに並列接続される前記保護素子の特性とに基づいて、前記第1の経路で充電された前記フライングキャパシタの計測電圧から演算される前記直流電源の出力電圧を補正する手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の絶縁検出装置である。
請求項1に記載の本発明によれば、第2の経路で充電されたフライングキャパシタの計測電圧を監視し、該計測電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、制御手段がスイッチの切り替えを制御し、第3の経路でのフライングキャパシタの充電と、この第3の経路で充電されたフライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する。次に、演算手段が第1の計測電圧と第2の計測電圧とに基づいて、直流電源とアースとの間に形成される地絡抵抗を演算する構成となっており、制御手段及び演算手段はマイコンで動作するプログラムによって構成できるので、追加の回路を必要としない簡易な構成で、直流電源及び昇圧回路とアースとの間の地絡抵抗を計測することができる絶縁検出装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、昇圧回路の昇圧動作による二次側の出力電圧の上昇により、アース電位が直流電源の正極側の電位よりも高くなった場合に、制御手段がスイッチの切り替えを制御し、第3の経路でのフライングキャパシタの充電と、この第3の経路で充電されたフライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する。次に、演算手段が第1の計測電圧と第2の計測電圧とに基づいて、直流電源とアースとの間に形成される地絡抵抗を演算する構成となっており、制御手段及び演算手段はマイコンで動作するプログラムによって構成できるので、追加の回路を必要としない簡易な構成で、直流電源及び昇圧回路とアースとの間の地絡抵抗を計測することができる絶縁検出装置を提供することができる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、前記直流電源の正極と前記アースとの間にフライングキャパシタを接続してフライングキャパシタを充電し、この充電後にフライングキャパシタから直流電源の正極を切り離し、この後にフライングキャパシタに計測回路を接続し、フライングキャパシタに充電された電圧を計測し、計測された電圧を監視し、該計測された電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、アースと前記直流電源の負極との間にフライングキャパシタを接続してフライングキャパシタを充電し、フライングキャパシタの接続後の第1の時間における第1の計測電圧と、第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測し、第1の計測電圧と第2の計測電圧とに基づいて、直流電源とアースとの間に形成される地絡抵抗を演算するので、マイコンで動作するプログラムによって実現することができ、追加の回路を必要としない簡易な構成で、直流電源及び昇圧回路とアースとの間の地絡抵抗を計測することができる。
さらには、第2の経路で充電されたフライングキャパシタの計測電圧を監視し、該計測電圧が略0V(ゼロボルト)となった場合の検出、及び昇圧回路の昇圧動作による二次側の出力電圧の上昇により、アース電位が直流電源の正極側の電位よりも高くなった場合の検出も、マイコンで動作するプログラムによって構成できる。従って、追加の回路を必要としない簡易な構成で、監視及び検出することができる。
請求項4に記載の本発明によれば、フライングキャパシタの他端と直流電源の負極との間に配置される第2のスイッチと、フライングキャパシタの他端とアースとの間に配置される第4のスイッチは、それぞれに並列接続される保護素子を備え、該保護素子が第2のスイッチ及び第4のスイッチに掛かる電圧を所定電圧以下に保つ構成となっているので、正極側の前記地絡抵抗が低下した場合であって、第2及び第4のスイッチに耐圧以上の電圧が印加されしまうことを防止し、当該第2及び第4のスイッチを破損から保護することができる。
請求項5に記載の本発明によれば、第1及び第2の計測電圧と、第4のスイッチに並列接続される保護素子の特性とに基づいて、第1の経路時における、第2のスイッチの直流電源の負極側と、第4のスイッチのアース側との間に掛かる電圧を推定し、該推定された電圧と、第4のスイッチに並列接続される保護素子の特性とに基づいて、第1の経路で充電されたフライングキャパシタの計測電圧から演算される直流電源の出力電圧を補正するとなっているので、地絡抵抗が低下して保護素子の制限電圧以上の電圧が第2のスイッチの直流電源の負極側と第4のスイッチのアース側との間に掛かった場合であって、第1の経路で計測したコンデンサの計測電圧から正確な直流電源の出力電圧を検出することができる。
本発明の実施形態1の絶縁検出装置の概略構成を説明するための図である。 本発明の実施形態1の絶縁検出装置のマイコンで動作するプログラムによって実現される地絡抵抗計測部の概略構成を説明するための図である。 本発明の実施形態1の絶縁検出装置における計測動作のフローを示す図である。 発明の実施形態1の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図である。 本発明の実施形態1の絶縁検出装置のVc1p計測時における充電電圧の変化を説明するための図である。 昇圧回路による二次側電圧を変化させた場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時での各計測電圧−時間特性のシミュレーション結果を示す図である。 アースの電位が直流電源の正極の電位よりも高い場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時の計測電圧を説明するための拡大図である。 アースの電位が直流電源の正極の電位よりも高い場合におけるVc1p計測での計測電圧から地絡抵抗を演算するための原理を説明する図である。 本発明の実施形態2の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図である。 本発明の実施形態2の絶縁検出装置におけるVc1pta計測時、及びVc1ptb計測時の計測電圧を説明するための図である。 本発明の実施形態3の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図である。 本発明の実施形態4の絶縁検出装置の概略構成を説明するための図である。 昇圧回路の二次側電圧が高い場合に二次側の正極の地絡抵抗RLp2が低下した場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時での各計測電圧−時間特性のシミュレーション結果を示す図である。 昇圧回路の二次側電圧が高い場合に二次側の正極の地絡抵抗RLp2が低下した場合におけるVc1p計測での計測電圧の変化を説明するための図である。 本発明の実施形態4の絶縁検出装置におけるV0計測の計測値を補正するためのテーブルデータの一例を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
〈実施形態1〉
(絶縁検出装置の全体構成)
図1は本発明の実施形態1の絶縁検出装置の概略構成を説明するための図であり、特に、直流電源BATの正極側の電位を昇圧する昇圧回路4の一次側に絶縁検出装置1が配置される回路である。ただし、実施形態1の絶縁検出装置1は、マイコン3で動作するプログラムによって実現される図示しない地絡抵抗計測部を除く他の構成は従来の絶縁検出装置と同様の構成となる。また、スイッチS1〜S4は、例えば、周知の光MOSFETで構成されており、直流電源BATから絶縁されたマイコン3によりON/OFF制御される構成となっている。メインリレーR+,R−よりも直流電源BAT側に絶縁検出装置1が接続される構成である。
図1に示すように、例えば、200V(ボルト)以上の高圧の直流電源BATの正極に接続される電源線5は分岐され、この分岐後の電源線5の一方が絶縁検出装置1を構成するスイッチS1の一端に接続され、分岐後の他方がメインリレーR+に接続されている。一方、直流電源BATの負極に接続される電源線6も分岐され、分岐後の電源線6の一方が絶縁検出装置1を構成するスイッチS2の一端に接続され、他方がメインリレーR−に接続されている。
また、スイッチS1の他端はダイオードD1及び該ダイオードD1に直列接続される抵抗R1並びに該抵抗R1に電気的に接続される分岐された配線(分岐配線)9を介して、コンデンサ(フライングキャパシタ)C1の一端(図中上側の端子)に電気的に接続されている。さらには、スイッチS2の他端は抵抗R2及び分岐配線10を介してコンデンサC1の他端(図中下側の端子)に電気的に接続されている。この構成により、2つのスイッチS1,S2のON/OFF制御(開閉制御)によって、直流電源BATの正極とコンデンサC1の一端との電気的な接続、及び直流電源BATの負極とコンデンサC1の他端との電気的な接続をそれぞれ独立して制御可能な構成としている。ただし、ダイオードD1は、直流電源BATの正極からコンデンサC1に至る方向が順方向となるように配置されている。
このコンデンサC1の一端は、分岐配線9に電気的に接続されるダイオードD2及び該ダイオードD2の他端に接続される分岐配線1を介して、スイッチS3の一端に接続されている。さらには、コンデンサC1の一端は、分岐配線9に電気的に接続されるダイオードD3及び該ダイオードD3に直列接続される抵抗R3並びに抵抗R3の他端に接続される分岐配線1を介して、スイッチS3の一端に接続されている。ただし、ダイオードD2はスイッチS3からコンデンサC1に至る方向が順方向となり、ダイオードD3はコンデンサC1からスイッチS3(抵抗R3)に至る方向が順方向となるように、それぞれ配置されている。
一方、コンデンサC1の他端は、分岐配線10を介してスイッチS4の一端に接続されている。このスイッチS4の他端は抵抗R4を介してアース(接地電位)に接続される分岐配線13に接続されている、すなわち、スイッチS4の他端は抵抗R4を介してアースに接続されている。さらには、前述するように、コンデンサC1の他端は、分岐配線10に接続される抵抗R2を介してスイッチS2の他端に接続されている。なお、コンデンサC1としては、極性を有しない周知のセラミックコンデンサが好適であるが、極性を有する電解コンデンサ等を用いる構成であってもよい。
スイッチS3の他端は、分岐配線12を介して周知のサンプルアンドホールド回路2の入力端子に電気的に接続されると共に、該分岐配線12に接続される抵抗R5及び該抵抗R5の他端に接続する分岐配線13を介して、アースに接続されている。このとき、サンプルアンドホールド回路2の出力端子は、マイコン3が有するA/D変換器(A/D変換部)の入力端子に接続されている。この構成により、コンデンサC1に充電された電圧は抵抗R3と抵抗R5とで分圧され、該分圧された電圧がコンデンサC1の計測電圧として、A/D変換部により計測される構成となっている。なお、A/D変換部及びマイコン3で動作する地絡抵抗計測部の構成については、後に詳述する。
また、直流電源BATの正極側の電源線5とアースとの間には、数百(MΩ)程度の仮想的な地絡抵抗(正極側の地絡抵抗)RLp1が形成されている。さらには、直流電源BATの負極側の電源線6とアースとの間にも、数百(MΩ)程度の仮想的な地絡抵抗(負極側の地絡抵抗)RLn1が形成されている。
さらには、メインリレーR+の他端には電源線7を介して昇圧回路4が接続され、メインリレーR+を介して直流電源BATから供給される正極側の電位を昇圧し、昇圧回路4の二次側の電源線14に供給する構成となっている。一方、メインリレーR−の他端には電源線8が接続され、該電源線8が昇圧回路4の二次側に延在される構成となっており、電源線14と電源線8を介して図示しない負荷に昇圧した電力を供給する構成となっている。
(地絡抵抗計測部の詳細構成)
図2は本発明の実施形態1の絶縁検出装置のマイコンで動作するプログラムによって実現される地絡抵抗計測部の概略構成を説明するための図、図3は本発明の実施形態1の絶縁検出装置における計測動作のフローを示す図、図4は発明の実施形態1の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図、図5は本発明の実施形態1の絶縁検出装置のVc1p計測時における充電電圧の変化を説明するための図である。ただし、図4(a)は実施形態1の第1計測による地絡抵抗RLの計測動作を示す図であり、図4(b)は実施形態1の第2計測による地絡抵抗RLの計測動作を示す図である。
まず、図1,図2に基づいて、本発明の実施形態1の絶縁検出装置が備えるマイコン3で動作するプログラムによって実現される地絡抵抗の計測を行う地絡抵抗計測部の構成及び動作について説明する。
図2に示すように、実施形態1の地絡抵抗計測部はマイコン3が備える周知のA/D変換器(A/D変換部)15と、マイコン3で動作するプログラムによって実現される計測判定部16、スイッチ制御部17、演算部18、及び地絡判定部19とにより構成されている
計測判定部16は計測制御部(計測回路)16aと判定部(判定手段)16bとからなり、計測制御部16aはサンプルアンドホールド回路2及びA/D変換部15を制御して、抵抗R3,R5で分配されたコンデンサC1の充電電圧を計測電圧として計測する構成となっている。判定部16bはA/D変換部15で計測されたVc1n計測時におけるコンデンサC1の計測電圧Vc1nに基づいて、Vc1n計測時における直流電源BATの正極の電位が絶縁検出装置1のアースの電位よりも高いか否か、すなわちVc1n計測時においてコンデンサC1に印加される電圧が逆極性であるか否かを判定する構成となっている。また、判定部16bは、判定結果をスイッチ制御部17及び演算部18に出力する構成となっている。このとき、後述する地絡抵抗の計測原理の説明の項に詳述するように、判定部16bは、Vc1n計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧Vc1nのみに基づいて判定を行う構成となっており、Vc1n計測での計測電圧Vc1nが略0V(ゼロボルト)(具体的には、ノイズ等を考慮して数10mV程度が好適である)であるかを判定している。なお、V0計測,Vc1n計測,Vc1p計測における全ての計測電圧に対して判定を行う構成であってもよいが、後述する地絡抵抗の計測原理の説明の項に詳述するように、Vc1n計測での計測電圧Vc1nを除くV0計測,Vc1p計測での計測電圧は略0Vとならない。従って、Vc1n計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧Vc1nのみに基づいて、判定する構成が好適である。また、判定部16bによる判定方法については、後に詳述する。
スイッチ制御部17はスイッチS1〜S4のON/OFFを制御し、コンデンサC1への充電と該充電された電圧の計測とを切り替える制御部であり、第1スイッチ制御部17aと第2スイッチ制御部(制御手段)17bとから構成され、スイッチS1〜S4をそれぞれ独立に制御可能な構成となっている。また、実施形態1のスイッチ制御部17は、判定部16bからの判定出力がVc1n計測での計測電圧が略0Vであった場合、Vc1p計測及びVc1p計測に続く計測放電のスイッチS1〜S4の制御を、第1スイッチ制御部17aに代わって第2スイッチ制御部17bに行わせる構成となっている。
よって、実施形態1の第1スイッチ制御部17aは、従来と同様に、V計測,Vc1n計測,Vc1p計測の各期間を数100ms程度に制御すると共に、各計測に続く計測放電の期間を上記数100msの1/2〜1/4程度に制御する構成となっている。一方、実施形態1の第2スイッチ制御部17bは、Vc1p計測及びVc1p計測に続く計測放電のスイッチS1〜S4の制御のみを行う構成となっている。なお、第1及び第2スイッチ制御部17a,17bによるスイッチS1〜S4の制御については、後に詳述する。
演算部18は第1演算部18aと第2演算部(演算手段)18bを備えると共に、該第1演算部18aと第2演算部18bの演算結果とにそれぞれ対応する図示しないテーブルデータを備える構成となっている。実施形態1の第1演算部18aは、V0計測で計測された電圧V0、Vc1n計測で計測された電圧Vc1n、及びVc1p計測で計測された電圧Vc1pに基づいて、(Vc1n+Vc1p)/V0を演算し、得られた演算値に基づいてテーブルデータを参照して地絡抵抗RLを算出する構成となっている。一方、第2演算部18bは、後述する地絡抵抗の計測原理の説明の項に説明するように、第2スイッチ制御部17bで計測制御されたVc1p計測で計測された電圧Vta,Vtbに基づいて計測電圧の比率(例えば、Vtb/Vta)を演算し、得られた比率に基づいてテーブルデータを参照して地絡抵抗RLを算出する構成となっている。
地絡判定部19は演算部18で算出された地絡抵抗RLに基づいて、地絡の判定(絶縁状態の監視)を行う手段であり、例えば、予め設定された地絡判定用の基準となる抵抗値と地絡抵抗RLとを比較することによって、地絡の有無の判定及び絶縁状態の監視を行う構成となっている。地絡判定部19が地絡を検出した場合は、例えば、上位の制御装置に地絡の発生を通知する構成となっている。
次に、図3〜図5に基づいて実施形態1の絶縁検出装置1における地絡抵抗RLの算出動作すなわち絶縁状態の検出動作を説明する。なお、以下の説明においては、判定部16bによる計測電圧の判定は、Vc1n計測後の計測放電期間に行う構成とすることが好ましいが、Vc1n計測後の計測放電期間に限定されることはない。
図3に示すように、実施形態1の絶縁検出装置1におけるコンデンサC1の充電と該コンデンサC1に充電された充電電圧の計測とは、ステップS1での判定部16bによるVc1n計測での計測電圧が略0Vか(例えば、数10mVよりも小さいかすなわち数10mV以上か)の判定によって、異なることとなる。すなわち、ステップS1において、Vc1n計測での計測電圧が略0Vでない(例えば、数10mVよりも小さくない)と判定された場合には、ステップS2の第1計測として、従来と同様のV0計測,Vc1n計測,Vc1p計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧V0,Vc1n,Vc1pに基づいて、地絡抵抗RLが算出されることとなる。
このステップS2の第1計測では、第1スイッチ制御部17aによって、コンデンサC1の充放電が制御される。さらには、第1演算部18aによって、計測電圧V0,Vc1n,Vc1pに基づいた(Vc1n+Vc1p)/V0の演算と、該演算結果に基づいたテーブルデータの参照とが実行され、地絡抵抗RLが算出される。
一方、ステップS1において、Vc1n計測での計測電圧が略0V(例えば、数10mVよりも小さい)と判定された場合には、ステップS3の第2計測として、地絡抵抗の計測原理の説明の項に示すVc1p計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧Vta,Vtbに基づいて、地絡抵抗RLが算出されることとなる。
このステップS3の第2計測では、第2スイッチ制御部17bによって、Vc1p計測におけるコンデンサC1の充放電が制御される。さらには、第2演算部18bによって、計測電圧Vta,Vtbに基づいたVtb/Vtaの演算と、該演算結果に基づいたテーブルデータの参照とが実行され、地絡抵抗RLが算出される。
以下、図4(a)に基づいて、第1計測による地絡抵抗RLの算出動作すなわち絶縁状態の検出動作について説明する。
まず、第1スイッチ制御部17aがスイッチS1〜S4の切り替えを制御し、V0計測5のために、スイッチS1,S2をONさせる。これにより、直流電源BATの正極からダイオードD1、抵抗R1、コンデンサC1、及び抵抗R2を介して当該直流電源BATの負極に至る経路(第1の経路)を形成し、コンデンサC1を直流電源BATの電圧と略同じ電圧に充電する。このとき、スイッチS3,S4はOFFである。また、V0計測の期間は、従来と同様に、コンデンサC1を直流電源BATと同じ電圧に充電させるために必要な時間である。このV0計測の期間は、コンデンサC1の容量及び抵抗R1,R2の抵抗値に応じて、適宜選択され、実施形態1においては、例えば、0.4sとして説明する。
V0計測20の期間経過後に、該V0計測20で充電されたコンデンサC1の充電電圧の計測と該充電電圧の放電のために、第1スイッチ制御部17aはスイッチS1,S2をOFFした後に、スイッチS3,S4をONさせる。これにより、コンデンサC1の一端からダイオードD3、抵抗R3、及び抵抗R5を介してアースに至ると共に、コンデンサC1の他端から抵抗R4を介してアースに至る経路(第4の経路)を形成する。ここで、計測制御部16aがサンプルアンドホールド回路2及びA/D変換部15を制御して、コンデンサC1の充電電圧を計測電圧(抵抗R3,R5で分圧された電圧)として計測する。なお、計測放電期間21に形成される第4の経路はコンデンサC1に充電された電圧を放電する経路となるので、第4の経路の形成後に速やかにコンデンサC1の電圧計測を行うことが好ましい。
次に、第1スイッチ制御部17aは計測放電21の期間経過後に、Vc1n計測22のために、スイッチS3をOFFした後に、スイッチS1をONさせる。これにより、直流電源BATの正極に接続される電源線5からダイオードD1、抵抗R1、コンデンサC1、及び抵抗R4を介してアースに至る経路(第2の経路)を形成し、コンデンサC1を充電する。このとき、スイッチS2,S3はOFFである。この第2の経路では、仮想的に形成される地絡抵抗RLn1,RLn2がアースで共通に接続されるので、このアースを介して直流電源BATの負極側の電位もコンデンサC1の充電に影響することとなる。さらには、昇圧回路4の昇圧出力接続される二次側の電源線14とアースとの間に仮想的に形成される地絡抵抗RLp2もアースに接続されるので、昇圧回路4が昇圧動作している場合には、昇圧回路4の昇圧電圧もコンデンサC1の充電に影響することとなる。
Vc1n計測22の期間経過後に、該Vc1n計測22で充電されたコンデンサC1の充電電圧の計測と該充電電圧の放電のために、第1スイッチ制御部17aはスイッチS1をOFFした後に、スイッチS3をONさせて計測放電23の期間、第4の経路を形成する。第4の経路の形成後に、計測制御部16aがコンデンサC1の充電電圧を計測電圧として計測する。ここで、判定部16bは、計測制御部16aによるコンデンサC1の計測電圧が略0V(例えば、数10mVよりも小さい)かの判定を行う。
次に、第1スイッチ制御部17aは計測放電23の期間経過後に、V0計測24のために、スイッチS3,S4をOFFした後に、スイッチS1,S2をONさせて、再度、第1の経路を形成することにより、コンデンサC1を直流電源BATの電圧と略同じ電圧に充電する。
V0計測24の期間経過後に、第1スイッチ制御部17aはスイッチS1,S2をOFFした後に、スイッチS3,S4をONさせて計測放電25の期間、第4の経路を形成する。該第4の経路の形成後に、計測制御部16aがコンデンサC1の充電電圧を計測電圧として計測する。
次に、第1スイッチ制御部17aは計測放電25の期間経過後に、Vc1p計測26のために、スイッチS4をOFFした後に、スイッチS2をONさせる。これにより、アースから抵抗R5、ダイオードD2、コンデンサC1、及び抵抗R2を介して直流電源BATの負極に至る経路(第3の経路)を形成し、コンデンサC1を充電する。このとき、スイッチS1,S4はOFFである。この第3の経路では、仮想的に形成される地絡抵抗RLp1がアースに接続されるので、このアースを介して直流電源BATの正極側の電位もコンデンサC1の充電に影響することとなる。さらには、昇圧回路4の昇圧出力の接続される二次側の電源線14電圧とアースとの間に仮想的に形成される地絡抵抗RLp2もアースに接続されるので、昇圧回路4が昇圧動作している場合には、昇圧回路4の昇圧電圧もコンデンサC1の充電に影響することとなる。
Vc1p計測26の期間経過後に、該Vc1p計測26で充電されたコンデンサC1の充電電圧を計測するために、第1スイッチ制御部17aはスイッチS2をOFFした後に、スイッチS4をONさせて計測放電27の期間、第4の経路を形成する。該第4の経路の形成後に、計測制御部16aがコンデンサC1の充電電圧を計測電圧として計測し、第1演算部18aが計測放電期間25での計測電圧V0と計測放電期間27での計測電圧Vc1pとに基づいて、地絡抵抗RLを算出する。この算出では、まず、前述する各計測で得られた2つの計測電圧V0、計測電圧Vc1n、及び計測電圧Vc1pに基づいて、第1演算部18aは(Vc1n+Vc1p)/V0を演算する。次に、第1演算部18aは得られた演算値に基づいてテーブルデータを参照し、地絡抵抗RLを算出する。
この算出された地絡抵抗RLに基づいて、地絡判定部19が地絡の発生及び絶縁の状態を上位の制御装置に出力する。
以上に説明したV0計測20からVc1p計測26に対応する計測放電27までのコンデンサC1の充電と、該コンデンサC1に充電された電圧の計測及び放電とを繰り返すことによって、順次、リアルタイムに地絡抵抗RLの算出及び地絡の発生並びに絶縁の状態を上位の制御装置に出力する。
次に、図4(b)に基づいて、昇圧回路4の出力電圧が大きくなり、昇圧回路4の二次側の出力電圧と2つの地絡抵抗RLp2,RLn2との抵抗比で分圧される電位(点Aの電位)によって、絶縁検出装置1のアース電位が直流電源BATの正極の電位よりも高くなり、Vc1n計測での計測電圧が略0Vの場合(例えば、数10mVよりも小さかった場合)における地絡抵抗RLの算出動作(絶縁状態の検出動作を含む)について説明する。
図4(b)から明らかなように、絶縁検出装置1のアース電位が直流電源BATの正極の電位よりも高い場合にも、計測判定部16及び第1スイッチ制御部17a並びに第1演算部18aは、図4(a)に示す直流電源BATの正極の電位が絶縁検出装置1のアース電位よりも高い場合と同様に、V0計測20及び計測放電21の期間での充電電圧の計測と放電とが行われる。さらには、計測放電21の期間の経過後のVc1n計測22によるコンデンサC1の充電、及びV0計測24の後の計測放電25の期間におけるコンデンサC1の充電電圧の計測及び放電までは、図4(a)に示す動作と同じ動作となる。
一方、判定部16bは計測放電23の期間において、計測制御部16aによるコンデンサC1の計測電圧に基づいて、直流電源BATの正極の電位が絶縁検出装置1のアースの電位よりも高いか否を、Vc1n計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧が略0V(例えば、数10mVよりも小さい)か否かで判定する。ここで、図4(b)ではコンデンサC1の計測電圧が略0V(例えば、数10mVよりも小さい)の判定結果となり、この判定結果が演算部18に出力される。
この判定結果は判定部16bからスイッチ制御部17にも出力され、この判定結果に基づいて、Vc1p計測におけるスイッチ制御が第1スイッチ制御部17aから第2スイッチ制御部17bとなり、該第2スイッチ制御部17bがVc1pta計測28を行う。
すなわち、第2スイッチ制御部17bは、まず、計測放電25の期間経過後に、計測放電25のためにONされているスイッチS3,S4の内でスイッチS4をOFFした後に、スイッチS2をONさせ、Vc1pta計測として、第3の経路でコンデンサC1を充電する。次に、Vc1pta計測28での充電期間すなわち地絡抵抗の計測原理の説明の項に示す時間taに対応する期間の経過後に、Vc1pta計測28の第3の経路で充電されたコンデンサC1の充電電圧を計測するために、第2スイッチ制御部17bはスイッチS2をOFFした後に、スイッチS4をONさせ、第4の経路を形成する。このスイッチ切り替えにより、実施形態1の第2スイッチ制御部17bは、図5に示す時刻t0〜t1期間すなわち地絡抵抗の計測原理の説明の項に示す時間taでコンデンサC1を充電する。この時刻t1でのスイッチS2のOFFと、その後のスイッチS4のONによって、第4の経路を形成し、時刻t2に計測制御部16aが計測電圧Vtaを計測し、第2演算部18bが計測電圧Vtaとして保持する。この時刻t2での計測後、直ちに第2スイッチ制御部17bはスイッチS4をOFFした後に、スイッチS2をONさせ(時刻t3)、Vc1pb計測29として第3の経路によってコンデンサC1のさらなる充電を行う。このとき、図5のコンデンサC1の電圧波形31に示すように、コンデンサC1の充電電圧は時刻t1〜t3において僅かに減少することとなるが、この充電電圧の低下は非常に小さいので、後述する充電電圧の比率Vtb/Vta及び地絡抵抗RLの算出に対する影響は非常に小さいものである。さらには、時刻t1〜t3に要する時間は予め分かっているので、この充電電圧の低下分を考慮したテーブルデータを作成することにより、地絡抵抗RLに対する影響を低減させることができる。
次に、所定の期間(時刻t3〜t4の期間)経過後に、Vc1ptb計測29で追加充電されたコンデンサC1の充電電圧を計測するために、第2スイッチ制御部17bはスイッチS2をOFFした後に、スイッチS4をONさせ、第4の経路を形成する。このとき、時刻t0〜t1の期間と時刻t3〜t4の期間との合計期間は、地絡抵抗の計測原理の説明の項に示す期間tbに対応する期間である。
この第2の充電期間となるVc1ptb計測29に続く計測放電30のための第4の経路の形成後に、計測制御部16aがコンデンサC1の計測電圧Vtbを計測する。この後に、第2演算部18bが充電電圧の比率Vtb/Vtaを演算する。次に、第2演算部18bはテーブルデータを参照し、地絡抵抗RLを算出する。
この算出された地絡抵抗RLに基づいて、地絡判定部19が地絡の発生及び絶縁の状態を上位の制御装置に出力する。
以上に説明したV0計測20からVc1ptb計測29に対応する計測放電30までのコンデンサC1の充電と、該コンデンサC1に充電された電圧の計測及び放電とを繰り返すことによって、順次、リアルタイムに地絡抵抗RLの算出及び地絡の発生並びに絶縁の状態が算出され、その結果が上位の制御装置に出力される。
ただし、図4(b)に示すVc1pta計測28,Vc1ptb計測29は、コンデンサC1に充電された電圧Vc1nの判定結果に基づいて行う構成となっているので、電圧Vc1nが略0Vであるかの判定は、電圧Vc1nの計測後に直ちに行うことが好適である。また、前述する図4(b)に示す動作においては、コンデンサC1に充電された電圧Vc1nの判定結果に関わらずV0計測24及び計測放電25を行う構成としたが、これに限定されることはない。例えば、電圧Vc1nが略0Vであると判定された場合に、V0計測24及び計測放電25を行うことなく、Vc1n計測22及び計測放電23の後に、直ちに、Vc1pta計測28(Vc1ptb計測29及び計測放電30を含む)を行う構成であってもよい。なお、後述する実施形態2においても同様である。
以上説明したように、実施形態1の絶縁検出装置では、まず、Vc1n計測時において、直流電源BATの正極の電位よりも絶縁検出装置1のアースの電位が高くなってしまう、すなわちアースに接続されるコンデンサC1の他端の電位が、直流電源BATに接続されるコンデンサC1の一端の電位よりも高くなってしまう場合を、判定部16bがVc1n計測時によって得られる電圧Vc1nが略0Vであるかによって判定する。次に、スイッチ制御部17がスイッチS1〜S4の切り替えを制御し、第3の経路でのコンデンサC1の充電と、該充電されたコンデンサC1の充電電圧の第3の経路での計測とを制御する。ここで、計測判定部16が第1の経路への切り替え初期の時間taにおける計測電圧Vtaと、時間taよりも大きい所定時間の経過後の時間tbにおける計測電圧Vtbとをそれぞれ計測する。さらには、時間taでのコンデンサC1の計測電圧Vtaと、時間tb経過後のコンデンサC1の計測電圧Vtbとに基づいて、演算部18が直流電源BATの正極とアースとの間、及び昇圧回路4の二次側とアースとの間に形成される地絡抵抗RLn1,RLp1,RLn2,RLp2で形成される合成された地絡抵抗RLを演算する構成となっている。従って、実施形態1の絶縁検出装置では、追加の回路を必要としない簡易な構成であっても、直流電源BAT及び昇圧回路の二次側出力とアースとの間に形成される地絡抵抗RLを計測することができる。
特に、実施形態1の絶縁検出装置では、直流電源BATの正極とアースとの間にフライングキャパシタC1を接続する第2の経路で該フライングキャパシタC1を充電し、この充電後にフライングキャパシタC1から直流電源BATの正極を切り離す。この後に、フライングキャパシタC1に計測回路となる計測制御部16aを第4の経路で接続し、フライングキャパシタC1に充電された電圧を計測制御部16aが計測し、計測された電圧を判定部16bが監視する。該計測された電圧が略0V(ゼロボルト)であると判定部16bが判定した場合に、アースと直流電源BATの負極との間にフライングキャパシタC1を接続する第3の経路でフライングキャパシタC1を充電する。ここで、フライングキャパシタC1の接続後の第1の時間taにおける第1の計測電圧Vtaと、第1の時間と異なる第2の時間tbにおける第2の計測電圧Vtbとをそれぞれ計測する。次に、第1の計測電圧Vtaと第2の計測電圧Vtbとに基づいて、直流電源BATとアースとの間に形成される地絡抵抗RLを演算するので、マイコンで動作するプログラムによって実現することができる。その結果、追加の回路を必要としない簡易な構成で、直流電源及び昇圧回路とアースとの間の地絡抵抗を計測することができる。
なお、実施形態1の絶縁検出装置1においては、点Aにおける電位が直流電源BATの正極電位よりも高い場合であってもマイコン3によるスイッチS1〜S4のON/OFF制御を行う構成である。従って、マイコン3の電源(アースを含む)は、図示しないマイコン3専用の電源線を介して供給する構成が好ましい。
(地絡抵抗の計測原理の説明)
図6は昇圧回路による二次側電圧を変化させた場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時での各計測電圧−時間特性のシミュレーション結果を示す図、図7はアースの電位が直流電源の正極の電位よりも高い場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時の計測電圧を説明するための拡大図、図8はアースの電位が直流電源の正極の電位よりも高い場合におけるVc1p計測での計測電圧から地絡抵抗を演算するための原理を説明する図である。以下、図6〜8に基づいて地絡抵抗RLの演算原理について説明する。なお、説明を簡単にするために、図6,7に示すV0計測、Vc1p計測、及びVc1n計測の各計測期間は、コンデンサC1の充電期間と、該コンデンサC1に充電された電圧の計測及び充電された電圧を放電する放電期間とを分けない記載としている。
特に、図6に示すシミュレーション結果は、V0計測、Vc1p計測、及びVc1n計測における充電経路でのコンデンサC1への充電時と、スイッチS3,S4のONによる放電時とにおけるコンデンサC1の充電電圧を示すものである。このとき、2つのメインリレーR+,R−は、ON状態である。また、図6に示すシミュレーション結果は、地絡抵抗RLp1=RLn1=100MΩ、地絡抵抗RLp2=RLn2=2MΩ、直流電源BATの正極側のYコン容量Yp=負極側のYコン容量Yn=0.1μF、直流電源BATの出力電圧Vb=200Vとした場合の電圧変化を示す。
また、図6の期間ST1に示す電圧波形32は、昇圧回路4の昇圧動作が行われない場合における電圧変化である。期間ST2に示す電圧波形33は、昇圧回路4の昇圧動作が行われ、かつ、図1に示す点Aにおける電位が直流電源BATの正極電位よりも低い場合における電圧変化である。また、期間ST3に示す電圧波形34は、昇圧回路4の昇圧動作が行われ、かつ、図1に示す点Aにおける電位が直流電源BATの正極電位よりも高い場合における計測電圧である。
以下、期間ST1〜ST3におけるV0計測、Vc1p計測、及びVc1n計測で得られる計測電圧について説明する。
(a)期間ST1
期間ST1における電圧波形32のVc1p計測時及びVc1n計測時の値から明らかなように、昇圧回路4による二次側の出力の昇圧が行われない場合には、地絡抵抗RLp1,RLn1及び地絡抵抗RLp2,RLn2に対応した計測電圧が得られることが分かる。すなわち、地絡抵抗RLp1,RLn1がそれぞれ同じであり、地絡抵抗RLp2,RLn2もそれぞれ同じであり、さらには正極側のYコン容量Yp=負極側のYコン容量Ynもそれぞれ同じであるので、Vc1p計測時の充電電圧Vc1pとVc1n計測時の充電電圧Vc1nとが同じ電圧V1まで充電されることとなる。
(b)期間ST2
期間ST2における電圧波形33のV0計測時の値から明らかであるように、V0計測時においては、スイッチS1,S2はONされ、スイッチS3,S4はOFFとなる。従って、昇圧回路4による二次側の出力電圧がコンデンサC1への充電に影響を与えることはないので、期間ST2における電圧波形33のV0計測時の値は期間ST1における電圧波形32のV0計測時の値と同様となり、その電圧範囲も放電時の0Vと電圧計測の開始時の電圧V5との間の電圧変化となる。
一方、期間ST2のVc1p計測時及びVc1n計測時においては、電圧波形33から明らかであるように、Vc1p計測時の計測電圧とVc1n計測時の計測電圧とが異なることとなる。以下、詳細に説明する。
Vc1p計測時においては、スイッチS2とスイッチS3をONさせてコンデンサC1を充電することとなるので、コンデンサC1の一端側には抵抗R5及びダイオードD2を介してアースの電位が供給されることとなる。このとき、昇圧回路4の二次側の電源線14,8とアースとの間にそれぞれ形成される地絡抵抗RLp2,RLn2と、直流電源BATの負極側の電源線8とアースとの間に形成される地絡抵抗RLn1とが、アースを介して接続されることとなる。この場合、一般的に直流電源BATの正極電位と負極電位との中間の電位に設定されているアースの電位が、点Aの電位(地絡抵抗RLp2,RLn2の抵抗比に応じた分圧比と二次側の出力電圧とに応じた電位)によって高い電位となる。その結果、コンデンサC1に印加される電圧すなわちコンデンサC1の一端と他端との間に印加される電圧が期間ST1の電圧よりも大きくなる。
さらには、このコンデンサC1に充電された電圧の計測時においては、スイッチS2はOFFされ、スイッチS3,S4がONとなっているので、アースの電位の上昇の影響を受けない計測となる。その結果、期間ST2における電圧波形33のVc1p計測時の値は、期間ST1における電圧波形32のVc1p計測時の値よりも高い電圧V3に到達することとなる。従って、期間ST1でのアース電位に対する期間ST2におけるアース電位の上昇分をVupとした場合、期間ST1におけるVc1p計測での計測電圧Vc1pは電圧V1となるので、期間ST2におけるVc1p計測時の計測電圧Vc1pである電圧V3は、V3=V1+Vupとなる。
一方、Vc1n計測時においては、スイッチS1とスイッチS4をONさせてコンデンサC1を充電することとなるので、コンデンサC1の一端側にはダイオードD1及び抵抗R1を介して直流電源BATの正極電位が供給される。また、コンデンサC1の他端には抵抗R4を介してアースが供給される。このとき、前述する期間ST2のVc1p計測時と同様に、アースの電位は、点Aの電位によって本来のアースの電位よりも高い電位となり、コンデンサC1の他端に印加される電位も本来のアースの電位よりも高い電位となる。その結果、コンデンサC1に印加される電圧が期間ST1よりも小さい電圧となる。
ここで、コンデンサC1に充電された電圧の計測時においては、スイッチS1はOFFされ、スイッチS3,S4がONとなっているので、アースの電位の上昇の影響を受けない計測となる。その結果、期間ST2における電圧波形33のVc1n計測時の値は、期間ST1における電圧波形32のVc1n計測時の値よりも低い電圧V2が最高電圧となる電圧波形となる。従って、期間ST1に対する期間ST2におけるアース電位の上昇分をVupとした場合、期間ST1におけるVc1n計測での計測電圧Vc1nは電圧V1となるので、期間ST2におけるVc1n計測時の計測電圧Vc1nである電圧V2は、V2=V1−Vupとなる。
前述するように、地絡抵抗RLは、計測電圧V0,Vc1n,Vc1pに基づいた(Vc1n+Vc1p)/V0の演算と、該演算結果に基づいたテーブルデータの参照によって算出されることとなる。従って、前述する期間ST1のおける(Vc1n+Vc1p)/V0の演算は、下記の式1となる。
(Vc1n+Vc1p)/V0=(V1+V1)/V0
=2×V1/V0 ・・・(式1)
一方、前述する期間ST2のおける(Vc1n+Vc1p)/V0の演算は、下記の式2となる。
(Vc1n+Vc1p)/V0=(V2+V3)/V0
=((V1−Vup)+(V1+Vup))/V0
=(V1+V1)/V0
=2×V1/V0 ・・・(式2)
この式2から明らかなように、期間ST2におけるアース電位の上昇分Vupは測定及び演算に影響がなく、期間ST1と期間ST2における地絡抵抗RLの演算結果は同じとなる。従って、期間ST1と期間ST2においては、計測電圧V0,Vc1n,Vc1pに基づいた(Vc1n+Vc1p)/V0の演算と、該演算結果に基づいたテーブルデータの参照とによって、地絡抵抗RLが算出できる。
(c)期間ST3
図6及び図7に示す期間ST3における電圧波形34のV0計測時の値から明らかであるように、期間ST2におけるV0計測時と同様に、期間ST3における電圧波形34のV0計測時の値は期間ST1における電圧波形32のV0計測時の値と同様となり、その電圧範囲も放電時の0Vと電圧計測の開始時の電圧V5との間の電圧変化となる。
一方、期間ST3のVc1p計測時及びVc1n計測時においては、図6及び図7に示す期間ST3における電圧波形34から明らかであるように、Vc1p計測時の計測電圧とVc1n計測時の計測電圧とが異なることとなる。以下、詳細に説明する。
Vc1p計測時においては、スイッチS2とスイッチS3をONさせてコンデンサC1を充電することとなるので、点Aの電位が期間ST2のVc1p計測時よりもさらに高い電位となり、その結果、コンデンサC1に印加される電圧すなわちコンデンサC1の一端と他端との間に印加される電圧が期間ST2よりも大きくなる。このとき、コンデンサC1に充電された電圧の計測時においては、期間ST2と同様に、アースの電位の上昇の影響を受けない計測となる。その結果、期間ST3における電圧波形34のVc1p計測時の値は、期間ST2における電圧波形33のVc1p計測時の値よりもさらに高い電圧V4に到達することとなる。
一方、Vc1n計測時においては、点Aの電位が直流電源BATの正極電位よりも高くなるので、スイッチS1とスイッチS4をONさせてコンデンサC1を充電する際に、コンデンサC1の他端に印加される電位がコンデンサC1の一端に印加される電位よりも高くなる。すなわち、コンデンサC1の他端にコンデンサC1の一端に印加される電位(直流電源BATの正極電位)よりも高い電位が印加されることとなる。このとき、図1から明らかなように、直流電源BATの正極からスイッチS1を介してコンデンサC1の一端に至る方向が順方向となるダイオードD1が配置されている。その結果、Vc1n計測時においては、コンデンサC1は充電されないこととなる。
ここで、コンデンサC1に充電された電圧の計測時においては、スイッチS1はOFFされ、スイッチS3,S4がONとなっているので、期間ST2と同様に、アースの電位の上昇の影響を受けない計測となる。その結果、期間ST3におけるVc1n計測時にはマイコン3のA/D変換入力には、アースの電位と略同じ電圧すなわち略0Vが印加されることとなり、マイコン3のA/D変換器で計測される電圧は略0Vとなる。その結果、図6及び図7に示すように、期間ST3における電圧波形34のVc1n計測時の値は、期間ST1,ST2と異なり、期間ST3の全期間において略0Vとなる。
なお、図1に示すダイオードD1を設けない構成とすることも考えられるが、この場合には、コンデンサC1の充電期間において、点Aの電位が直流電源BATの正極電位よりも高いので、コンデンサC1は逆極性で充電されることとなる。一方、マイコン3のA/D変換器はアースよりも低い電位の計測が想定されていないので、充電電圧の計測時においてアースよりも低い電圧が入力されてコンデンサC1が逆極性で充電された場合、マイコン3のA/D変換器で計測される電圧は略0Vとなる。すなわち、ダイオードD1を設けない構成とした場合であっても、期間ST3における計測電圧は、期間ST3の全期間において略0Vとなる。
以上の結果から、昇圧回路4の昇圧動作が行われている場合において、地絡抵抗RLp2,RLn2の抵抗比に応じた分圧比と昇圧回路4の二次側の出力電圧とに応じた電位に起因する点Aからアースを介してのコンデンサC1への逆極性となる電圧印加は、Vc1n計測時の計測電圧が略0Vであるか否かにより判定可能である。ただし、Vc1n計測時の計測電圧の結果には外部からのノイズ等が混入しているので、ノイズ等を考慮して、例えば数10mV程度を判定の際の基準電圧とし、Vc1n計測時の計測電圧が数10mVよりも小さい場合にコンデンサC1への印加電圧が逆極性となり、前述する期間ST2と同様の演算では地絡抵抗が算出(計測)できないと判定することが好ましい。
図8はVc1p計測時におけるコンデンサの充電特性を説明するための図であり、以下、図8に基づいて、コンデンサC1への印加電圧が逆極性の場合における地絡抵抗の算出方法(演算方法)について説明する。ただし、図8に示す充電特性の電圧波形35,36は、図1に示す回路において、昇圧回路4の二次側の出力電圧と地絡抵抗RLp2,RLnを変化させた場合におけるVc1p計測時のコンデンサC1の充電特性を示すものである。特に、一点鎖線で示す電圧波形35は、昇圧回路4の二次側の出力電圧が550Vであり、地絡抵抗RLp2,RLn2がそれぞれ500kΩである場合の充電特性である。一方、実線で示す電圧波形36は、昇圧回路4の二次側の出力電圧が750Vであり、地絡抵抗RLp2,RLn2がそれぞれ1MΩである場合の充電特性である。
従来の絶縁検出装置では、Vc1p計測時での計測電圧として、図8に示す時刻tbのみで計測した電圧Vtbを計測電圧Vc1pとしていた。この場合、図8に示す電圧波形35,36から明らかなように、昇圧回路4の二次側の出力電圧及び地絡抵抗RLp2,RLn2がそれぞれ異なる場合であっても、時刻tbでの電圧Vtbは略同じである。このために、Vc1p計測時の時刻tbの計測電圧Vtbのみで地絡抵抗を算出することは不可能であった。
一方、図8から明らかなように、コンデンサC1の充電開始初期(例えば、時刻ta)における電圧は、電圧波形35では電圧Vta1(図中の点a1での電圧)となり、電圧波形36では電圧Vta2(図中の点a2での電圧)となる。すなわち、コンデンサC1の充電開始初期の時刻taにおけるコンデンサC1の充電電圧は、コンデンサC1に印加される電圧に依存しない地絡抵抗RLp2,RLn2の差に対応した電圧となる。
よって、コンデンサC1の充電開始初期の時刻taにおける電圧Vtaを計測すると共に、時刻taと異なる時刻tbにおける電圧Vtbを計測することにより、スイッチS1,S4をONさせてコンデンサC1を充電した場合(Vc1p計測時)の計測電圧のみで、一次側の地絡抵抗RLp1,RLn1と二次側の地絡抵抗RLp2,RLn2とに応じた合成された地絡抵抗RLを算出できる。
このとき、コンデンサC1に充電された電圧をVcとした場合、
Vc=Vs(1−exp(−t/C×(R+RL))) ・・・(式3)
となる。
ただし、式3において、VsはVc1p計測でコンデンサC1を充電する第3の経路にかかる電圧、CはコンデンサC1の容量、RはアースからコンデンサC1を介して直流電源BATの負極に至る経路中の抵抗値(抵抗R2と抵抗R5とを合計した抵抗値)、RLは一次側の地絡抵抗RLp1,RLn1と二次側の地絡抵抗RLp2,RLn2とが合成されて形成される地絡抵抗RLの抵抗値、tは充電時間である。
ここで、時刻taにおけるコンデンサC1の充電電圧Vtaと、時刻tbにおけるコンデンサC1の充電電圧Vtbとの比率として、Vtb/Vtaを考える。
この場合、式3から充電電圧の比率Vtb/Vtaは、
Vtb/Vta=(Vs(1−exp(−tb/C×(R+RL))))/(Vs(1−exp(−ta/C×(R+RL))))
=(exp(−tb/C×(R+RL)))/(exp(−ta/C×(R+RL))) ・・・(式4)
となる。
ここで、式4中のC(コンデンサC1の容量)及びR((抵抗R2と抵抗R5との合計抵抗値)は回路構成で決まる一定値となるので、充電電圧の比率Vtb/Vtaは二次側の出力電圧Vsに依存することなく、充電時間t(例えば、ta,tb)と地絡抵抗RLとに決まる値であることが明らかである。
一例として、直流電源BATの出力電圧VBATが200V、地絡抵抗RLp1,RLn1が100MΩ、地絡抵抗RLn2が2MΩ、計測時間taが0.1s、計測時間tbが0.3sの場合において、地絡抵抗RLp2を100MΩ,200MΩ,300MΩ,400MΩ,500MΩ,1000MΩと変化させた時のコンデンサC1の充電電圧の比率Vtb/Vtaをシミュレーションした結果を下記の表1に示す。なお、表1は、直流電源BATの出力電圧VBAT、地絡抵抗RLp1,RLn1,RLn2、計測時間ta,tbをそれぞれ一定とし、二次側の出力電圧Vsと地絡抵抗RLp2とを変化させた場合における充電電圧の比率Vtb/Vtaを示している。
この表1から明らかなように、二次側電圧Vsを変化させた場合においても、充電電圧の比率Vtb/Vtaは地絡抵抗RLp2毎に略一定となり、充電電圧の比率Vtb/Vtaに基づいて、地絡抵抗RLp2が算出できることが分かる。
一方、図1の回路図から明らかなように、Vc1p計測時にコンデンサC1に充電される電圧は、地絡抵抗RLp2と該地絡抵抗RLp2にアースを介して接続される他の地絡抵抗RLp1,RLn1,RLn2とによって変化することとなる。従って、一次側に接続される絶縁検出装置であっても、充電電圧の比率Vtb/Vtaに基づいて、地絡抵抗RLp1,RLn1,RLp2,RLn2が合成された地絡抵抗RLを算出できる。
Figure 0006433305
以上説明したように、充電時間ta,tbを予め設定した固定時間とすると共に、充電電圧の比率Vtb/Vtaに対応する地絡抵抗RLの抵抗値を予め算出しテーブルデータとして格納しておくことにより、式4に示す比較的簡易な演算によって地絡抵抗RLを算出することができる。この場合、式4によって比率Vtb/Vtaを演算し、得られた比率Vtb/Vtaに基づいてテーブルデータを参照することによって、地絡抵抗RLを算出することができるので、小さい演算負荷で地絡抵抗RLが算出できる。その結果、充電電圧Vta,Vtbの計測から地絡抵抗RLの算出まで高速に行うことができるので、地絡の発生から地絡の検出及び地絡に対応した処理までの時間を短縮することができるという格別の効果を得ることができる。なお、充電電圧の比率Vta/Vtbと、この比率Vta/Vtbに対応するテーブルデータを用いる構成であってもよい。
また、式3から明らかなように、算出された地絡抵抗RLに基づいて、式3を用いることにより、二次側の出力電圧Vsを演算することもできるという効果を得ることもできる。
〈実施形態2〉
図9は本発明の実施形態2の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図であり、特に、第2計測による地絡抵抗RLの計測動作を示す図である。また、図10は本発明の実施形態2の絶縁検出装置におけるVc1pta計測時、及びVc1ptb計測時の計測電圧を説明するための図である。ただし、実施形態2の絶縁検出装置は第2計測での地絡抵抗RLの計測動作を除く他の動作は、実施形態1の絶縁検出装置と同様である。より詳細には、第2スイッチ制御部17bによって制御されるVc1pta計測37及び該Vc1pta計測37に続く計測放電38、並びにVc1ptb計測39及び該Vc1ptb計測39に続く計測放電40が実施形態1の第2計測と異なる。従って、以下の説明では、実施形態2の第2スイッチ制御部17bによって制御されるVc1pta計測37、計測放電38、Vc1ptb計測39、及び計測放電40について詳細に説明する。
実施形態2の絶縁検出装置においても、実施形態1の絶縁検出装置と同様に、図3に示す絶縁検出装置の計測動作のフローに従って動作する構成となっているので、Vc1n計測での計測電圧が略0Vでない場合(例えば、数10mVよりも小さくない場合)の絶縁抵抗RLの計測動作は、実施形態1の第1計測と同じとなる。
一方、Vc1n計測での計測電圧が略0Vの場合(例えば、数10mVよりも小さい場合)の絶縁抵抗RLの計測動作すなわち第2計測は、図9から明らかなように、Vc1pta計測37とVc1ptb計測39との間に計測放電38の期間が形成される構成となっている。
すなわち、実施形態2の絶縁検出装置における第2計測では、図9に示すように、実施形態1と同様に、まず、V0計測20及び計測放電21の期間での充電電圧の計測と放電とが行われる。さらには、計測放電21の期間の経過後のVc1n計測22によるコンデンサC1の充電、及びV0計測24の後の計測放電25の期間におけるコンデンサC1の充電電圧の計測及び放電までが、実施形態1に示す動作と同じ動作となる。
ここで、判定部16bは計測放電23の期間において、計測制御部16aによるコンデンサC1の計測電圧に基づいて、Vc1n計測で充電されたコンデンサC1の計測電圧が基準電圧である数10mVよりも小さいか否かを判定する。第2計測ではこの判定により、コンデンサC1の計測電圧が数10mVよりも小さい判定となり、判定部16bが検出した判定結果が演算部18に出力される。
また、判定結果は判定部16bからスイッチ制御部17にも出力され、この判定結果に基づいて、Vc1p計測におけるスイッチ制御が第1スイッチ制御部17aから第2スイッチ制御部17bとなり、該第2スイッチ制御部17bがVc1pta計測37を行う。このVc1pta計測37では、計測放電25の期間経過後に、計測放電25のためにONされているスイッチS3,S4の内でスイッチS4をOFFした後に、スイッチS2をONさせ、Vc1pta計測37として、第3の経路でコンデンサC1を充電する。
Vc1pta計測37の期間すなわち時間taの経過後に、該Vc1pta計測37で充電されたコンデンサC1の充電電圧の計測と該充電電圧の放電のために、実施形態2の第2スイッチ制御部17bはスイッチS2をOFFした後に、スイッチS4をONさせて計測放電38の期間、第4の経路を形成する。この計測放電38でのコンデンサC1の計測電圧の計測によって、図10の時刻taで計測制御部16aが電圧波形41の計測電圧Vta(図10中の点a1における電圧)を計測し、第2演算部18bが計測電圧Vtaとして保持する。
次に、第2スイッチ制御部17bは計測放電38の期間経過後に、Vc1ptb計測39のために、スイッチS4をOFFした後に、スイッチS2をONさせる。これにより、再度、アースから抵抗R5、ダイオードD2、コンデンサC1、及び抵抗R2を介して直流電源BATの負極に至る第3の経路を形成し、コンデンサC1を充電する。このとき、スイッチS1,S4はOFFとなっているので、このVc1ptb計測39は第1計測のVc1pta計測と同様の計測となる。
次に、Vc1ptb計測39の期間経過後に、該Vc1ptb計測39で充電されたコンデンサC1の充電電圧を計測するために、第2スイッチ制御部17bはスイッチS2をOFFした後に、スイッチS4をONさせて計測放電40の期間、第4の経路を形成する。該第4の経路の形成後に、計測制御部16aがコンデンサC1の充電電圧を図10の時刻tbでの計測電圧Vtb(図10中の点b1における電圧)として計測する。この後に、第2演算部18bが充電電圧の比率Vtb/Vtaを演算し、得られた比率Vtb/Vtaに対応するテーブルデータを参照し、地絡抵抗RLを算出する。
この算出された地絡抵抗RLに基づいて、地絡判定部19が地絡の発生及び絶縁の状態を上位の制御装置に出力する。
以上に説明したV0計測20からVc1ptb計測39に対応する計測放電40までのコンデンサC1の充電と、該コンデンサC1に充電された電圧の計測及び放電とを繰り返すことによって、順次、リアルタイムに地絡抵抗RLの算出及び地絡の発生並びに絶縁の状態が算出され、その結果が上位の制御装置に出力されるので、前述する実施形態1の絶縁検出装置と同様の効果を得ることができる。
このとき、実施形態2の絶縁検出装置では、時間ta(充電期間ta)によるコンデンサC1の充電と充電されたコンデンサC1の計測電圧Vtaの計測、及び時間tb(充電期間tb)によるコンデンサC1の充電と充電されたコンデンサC1の計測電圧Vtbの計測とをそれぞれ別々に計測する構成となっている。従って、算出された地絡抵抗RLの精度を実施形態1よりも、さらに向上できるという効果を得ることができる。
〈実施形態3〉
図11は本発明の実施形態3の絶縁検出装置における計測動作を説明するための図であり、特に、第2計測による地絡抵抗RLの計測動作を示す図である。ただし、実施形態3の絶縁検出装置においても第2計測での地絡抵抗RLの計測動作を除く他の動作は、実施形態1の絶縁検出装置と同様である。より詳細には、第2スイッチ制御部17bによって制御されるVc1pta計測37及び該Vc1pta計測37に続く計測放電38、並びにVc1ptb計測39及び該Vc1ptb計測39に続く計測放電40は、実施形態1の第2計測と異なる。一方、実施形態2の第2計測とは、V0計測24及び計測放電25を行わない動作、すなわち計測放電23の後に、直ちに、Vc1pta計測37〜計測放電40が行われる動作が異なるのみで、他の動作は実施形態2の第2計測の動作と同様の動作である。従って、以下の説明では、計測放電23の期間経過後に、直ちに動作するVc1pta計測37、計測放電38、Vc1ptb計測39、及び計測放電40について、詳細に説明する。
実施形態3の絶縁検出装置においても、実施形態1,2の絶縁検出装置と同様に、図3に示す絶縁検出装置の計測動作のフローに従って動作する構成となっているので、Vc1n計測での計測電圧が略0Vでない場合(例えば、数10mVよりも小さくない場合)の絶縁抵抗RLの計測動作は、実施形態1,2の第1計測と同じとなる。
一方、Vc1n計測での計測電圧が数10mVよりも小さい場合の絶縁抵抗RLの計測動作すなわち第2計測は、図11から明らかなように、計測放電23の期間の経過後に、Vc1pta計測37が開始される構成となっている。
すなわち、実施形態3の絶縁検出装置における第2計測では、図11に示すように、Vc1n計測22の後の計測放電23で計測されるコンデンサC1の計測電圧Vc1nの計測後における判定部16bでの判定結果に基づいて、速やかに第2スイッチ制御部17bはVc1pta計測37〜計測放電40を実行る。このとき、計測放電38では時刻taでの計測電圧Vtaが計測され、計測放電40では時刻tbでの計測電圧Vtbが計測される。ここで、計測電圧Vtbの計測後に、第2演算部18bが充電電圧の比率Vtb/Vtaを演算し、得られた比率Vtb/Vtaに対応するテーブルデータを参照し、地絡抵抗RLを算出する。
この算出された地絡抵抗RLに基づいて、地絡判定部19が地絡の発生及び絶縁の状態を上位の制御装置に出力する。
以上に説明したV0計測20からVc1ptb計測39に対応する計測放電40までのコンデンサC1の充電と、該コンデンサC1に充電された電圧の計測及び放電とを繰り返すことによって、順次、リアルタイムに地絡抵抗RLの算出及び地絡の発生並びに絶縁の状態が算出され、その結果が上位の制御装置に出力されるので、前述する実施形態1,2の絶縁検出装置と同様の効果を得ることができる。
このとき、実施形態3の絶縁検出装置では、実施形態1,2のV0計測24及び計測放電25を行わない構成となっているので、第2計測での地絡抵抗RLの算出まで要する時間をさらに短縮することができるという効果を得ることができる。
〈実施形態4〉
図12は本発明の実施形態4の絶縁検出装置におけるスイッチS2,S4の概略構成を説明するための図である。ただし、本発明の実施形態4の絶縁検出装置は、スイッチS2,S4の構成、及びマイコン3で動作するプログラムによって実現される地絡抵抗計測部の演算部18の構成が異なるのみで、他の構成は実施形態1の絶縁検出装置と同様の構成となる。従って、以下の説明では、実施形態4のスイッチS2,S4の構成及びその効果について詳細に説明する。
図12に示すように、実施形態4の絶縁検出装置は、前述する図1に示す構成に加えて、スイッチS2,S4のそれぞれに保護素子P1,P2が並列接続される構成となっている。スイッチS1〜S4は、例えば、550Vの耐圧を有する光MOSFETからなる半導体スイッチであり、保護素子P1,P2は、例えば、スイッチS2,S4の耐圧(例えば、550V)よりも小さい500Vの制限電圧(クランプ電圧)を有する周知のTVS(Transient Voltage Suppressor、過電圧抑制、TVSダイオード)である。この構成により、後に詳述するように、スイッチS2,S4のOFF時に、耐圧を超える電圧が当該スイッチS2,S4の端子間に印加されることを防止する構成となっている。その結果、実施形態4の絶縁検出装置においては、昇圧回路4の出力電圧よりも低い耐圧(例えば、スイッチS1,S3と同じ耐圧)の光MOSFETを用いることができるという効果が得られる。
なお、保護素子P1,P2はTVSに限定されることはなく、ツェナーダイオードやバリスタ等を用いる構成であってもよい。ただし、TVS(又は、ツェナーダイオード)を用いて保護素子P1,P2を形成する場合は、2つのTVS(又は、ツェナーダイオード)を逆向きに直列接続することにより、過電圧吸収用の保護素子を形成する。この構成により、スイッチS2,S4にそれぞれ印加される電圧方向すなわち流れる電流の方向が一方のTVSの順方向での電圧印加となった場合であっても他方のTVSが逆方向となり、保護素子を介して電流が流れてしまうことを防止しつつ、スイッチS2,S4に印加される電圧がTVS(又は、ツェナーダイオード)の降伏電圧以下に保持できる。なお、2つのTVS(又は、ツェナーダイオード)を逆向きに直列接続して保護素子P1,P2を形成するのは、TVS(又は、ツェナーダイオード)は順方向特性と逆方向特性が非対称となるからである。従って、バリスタ等に代表される正負対象のクランプ電圧特性(TVSの降伏電圧特性に相当する)を有する素子を保護素子P1,P2として用いる場合は、1つの素子で1つの保護素子P1,P2を形成することが可能である。
以下、図12及び図1に基づいて、保護素子P1,P2によるスイッチS2,S4の保護効果について説明する。ただし、直流電源BATの出力電圧(一次側高圧)は200Vであり、保護素子P1,P2の制限電圧は500V、スイッチS2,S4の耐圧は550Vの場合について説明するが、これに限定されることはない。
例えば、昇圧回路4の出力電圧が600Vの場合において、地絡抵抗RLp2が0(ゼロ)Ωとなるような地絡が生じた場合、図中の点Aの電圧は昇圧回路4の出力電圧である600Vとなる。この場合、点Aの電圧は仮想的なアースを介して抵抗R4に印加され、該抵抗R4を介してスイッチS4のアース側に印加される。また、点Aの電圧は仮想的なアースを介して抵抗R5に印加され、該抵抗R5を介してスイッチS3のアース側にも印加されることとなる。すなわち、スイッチS3,S4がそれぞれOFFとなるV0計測時には、昇圧回路4の出力電圧である600VがOFF状態のスイッチS3,S4のアース側に印加されることとなる。ただし、スイッチS4がONとなり、スイッチS2がOFFとなるVc1p計測でのコンデンサC1の充電時においては、点Aの電圧は仮想的なアース、抵抗R4、スイッチS4、及び抵抗R2を介して、スイッチS2に印加されることとなる。
このとき、図1から明らかなように、スイッチS3はコンデンサC1の一端側(図1中の上側端子)すなわち直流電源BATの正極側に配置される。このため、地絡抵抗RLp2が0(ゼロ)Ωとなるような地絡が生じた場合であっても、OFF時のスイッチS3に印加される電圧(OFF時のスイッチS3の端子間に印加される電圧)は、昇圧回路4の出力電圧である600Vから直流電源BATの出力電圧である200Vを減算した400Vとなる。なお、スイッチ3がONであり、スイッチS1がOFFの場合に当該スイッチS1の端子間に印加される電圧も同様の電圧(400V)となる。従って、スイッチS1,S3は、600V−200V=400V以上の耐圧の光MOSFETを用いることにより、保護素子が不要となる。
一方、スイッチS4はコンデンサC1の他端側(図1中の下側端子)すなわち直流電源BATの負極側に配置される。このために、地絡抵抗RLp2が0(ゼロ)Ωとなるような地絡が生じた場合、V0計測時のように、スイッチS2がONされ、スイッチS4がOFFされる場合には、OFF時のスイッチS4の端子間に印加される電圧は、昇圧回路4の出力電圧である600Vとなる。このために、スイッチS4には、600V以上の耐圧(実際には、マージンを見込んで耐圧700V程度以上)を有する光MOSFETを用いる必要がある。同様に、スイッチS2にも、600V以上の耐圧(実際には、マージンを見込んで耐圧700V程度以上)を有する光MOSFETを用いる必要がある。すなわち、コンデンサC1の一端側(図1中の上側端子)すなわち直流電源BATの正極側に配置されるスイッチS1,S3よりも高耐圧の光MOSFETを用いる必要がある。
しかしながら、耐圧700V以上等の高耐圧の光MOSFETは、種類も少なく、筐体の大きさも大きくなり、さらには単価も高くなってしまうので、スイッチS1,S3と同じ光MOSFETを使用することが好ましい。
従って、実施形態4の絶縁検出装置においては、スイッチS2,S4の耐圧よりも制限電圧が低い保護素子P1,P2を、スイッチS2,S4と並列接続させる構成とする。この構成により、OFF時のスイッチS2,S4に印加される電圧を各スイッチS2,S4の耐圧よりも小さい(低い)制限電圧とする構成とし、V0計測時のように、スイッチS2がONされ、スイッチS4がOFFの場合であっても、スイッチS4の端子間に印加される電圧を耐圧以下に制限することを可能としている。その結果、実施形態4の絶縁検出装置の筐体の小型化や安価に製造することが可能となる。
次に、図13に昇圧回路の二次側電圧が高い場合に二次側の正極の地絡抵抗RLp2が低下した場合におけるV0計測時、Vc1p計測時、及びVc1n計測時での各計測電圧−時間特性のシミュレーション結果を示す図、図14に昇圧回路の二次側電圧が高い場合に二次側の正極の地絡抵抗RLp2が低下した場合におけるVc1p計測での計測電圧の変化を説明するための図、図15に本発明の実施形態4の絶縁検出装置におけるV0計測の計測値を補正するためのテーブルデータの一例を示す図を示し、以下、図12〜15に基づいて、実施形態4の絶縁検出装置において地絡抵抗RLp2が低下した場合のV0計測の補正について説明する。なお、シミュレーションに用いた昇圧回路4の出力電圧や地絡抵抗RLp2,RLn2は異なるが、図13は図6に対応する図である。また、図14は図8に対応する図である。
図13の期間ST4に示すように、昇圧回路4の出力電圧が保護素子P1,P2の制限電圧である500Vを超える電圧(図13においては、750V)であっても、地絡抵抗RLp2,RLn2に低下が生じていない場合には、前述する実施形態1と同様に、V0計測においても、直流電源BATの出力電圧である200Vに対応した波形(計測電圧)が得られている。しかしながら、期間ST5,ST6に示すように、地絡抵抗RLp2に大きな低下が生じた場合、昇圧回路4や直流電源BATの出力電圧に変化がない場合であっても地絡抵抗RLp2の低下に伴い、V0計測での波形すなわちV0計測で得られる計測電圧が低下してしまう。
このV0計測で得られる計測電圧の低下は、保護素子P1,P2がスイッチS2,S4に並列接続される構成においては、地絡抵抗RLp2の低下による点Aの電圧が保護素子P1,P2(特に、保護素子P2)の制限電圧を超えることに起因するものである。例えば、地絡抵抗RLp2に0(ゼロ)Ωとなるような地絡が生じた場合、V0計測時のように、スイッチS4がOFFであっても、600V−500V=100Vの電圧がスイッチS4に配置した保護素子P2及び分岐配線10を介してコンデンサC1の他端に印加されることに起因するものである。すなわち、V0計測においては、スイッチS1,S2をONさせ、スイッチS3,S4をOFFさせて、コンデンサC1を充電した後に、該スイッチS1,S2をOFFさせると共に、スイッチS3,S4をONさせてコンデンサC1を直流電源BATで充電させる構成となるからである。
この場合、V0計測での計測電圧すなわちコンデンサC1を充電する電圧が実際の直流電源BATの出力電圧よりも小さい電圧となってしまうので、V0計測で演算される直流電源BATの出力電圧も実際の直流電源BATの出力電圧よりも小さくなってしまう。すなわち、V0計測で計測される直流電源BATの出力電圧が実際の直流電源BATの出力電圧とずれてしまう現象は、地絡抵抗RLp2の低下に伴って、点Aの電圧がスイッチS4に配置される保護素子P2の制限電圧を超える場合に、制限電圧を超えた電圧(超過電圧)がコンデンサC1の他端(負極側)に印加されることに起因するため、地絡抵抗RLp2の低下時においてもV0計測で得られる直流電源BATの出力電圧が必要な場合は、その補正が非常に重要となる。
例えば、直流電源BATの出力電圧を計測し監視するためのセルコントローラのバックアップ用として、絶縁検出装置で計測される直流電源BATの出力電圧を用いている場合がある。この場合、セルコントローラで計測される直流電源BATの出力電圧と、絶縁検出装置で計測される直流電源BATの出力電圧とが異なる結果となってしまうこととなり、問題が生じてしまうので、V0計測で得られる直流電源BATの出力電圧の補正が必要となる。なお、V0計測で得られる直流電源BATの出力電圧の補正が必要となるのは、地絡抵抗RLp2が地絡抵抗RLn2よりも大きく低下し、その結果、点Aの電圧すなわちアース及び抵抗R4を介してスイッチS4に印加される電圧が保護素子P2の制限電圧以上となる場合に限定される。
以下、図14に基づいて、地絡抵抗RLp2の低下に伴うV0計測での直流電源BATの出力電圧のずれ(検出誤差)を補正する方法について、詳細に説明する。ただし、図14は地絡抵抗RLp2が同じ場合(Vtb3/Vta3とVtb4/Vta4が同じ場合)において、昇圧回路4からの出力電圧が変化した場合のVc1p計測での計測電圧の変化を示している。特に、電圧波形42は図12に示す構成において、昇圧回路4からの出力電圧が600Vの場合におけるVc1n計測時のコンデンサC1の充電特性を示すものであり、電圧波形43は昇圧回路4からの出力電圧が400Vの場合におけるVc1n計測時のコンデンサC1の充電特性を示すものである。
前述するように、V0計測による直流電源BATの出力電圧の検出誤差の発生は、スイッチS1,S2を介して直流電源BATの正極及び負極とコンデンサC1と接続して当該コンデンサC1を充電する際に生じる直流電源BATの負極側の電位すなわち分岐配線10の電位が超過電圧分だけ押し上げられ、コンデンサC1の両端に印加される電圧差が減少することに起因する。従って、超過電圧が算出可能であれば、V0計測で検出される直流電源BATの出力電圧の検出誤差を補正することが可能となる。すなわち、図12中の点Bと点Cとの間の電圧(B−C間電圧,B−C間電圧差)と、保護素子P2の制限電圧特性とが把握可能であれば、V0計測で検出される直流電源BATの検出電圧の誤差が補正可能となる。ここで、保護素子P2の制限電圧特性は予め把握することが可能となるので、地絡抵抗RLp2の低下時におけるB−C間電圧を検出することによって、V0計測で検出される直流電源BATの検出電圧の誤差が補正可能となる。
また、実施形態4の絶縁検出装置では、点Aの電圧が直流電源BATの正極の電位よりも高くなった場合は、V0計測で得られた値を用いることなく、Vc1p計測での計測電圧から地絡抵抗を演算する構成となっている。すなわち、昇圧回路4の出力電圧が大きくなり、B−C間電圧が直流電源BATの出力電圧(例えば、200V)以上となった場合は、地絡抵抗RLp2,RLn2の低下に関わりなく、V0計測で得られた計測値を用いない構成となっている。
図14から明らかなように、Vc1p計測でのVtb3/Vta3とVtb4/Vta4とが同じとなり、地絡抵抗RLp2が同じ場合であっても、昇圧回路4の出力電圧が大きくなる場合、時刻ta,tbのそれぞれにおけるコンデンサC1の充電電圧は大きくなることとなる。従って、実施形態4の絶縁検出装置では、図15に示すように、Vtb/Vtaに対応する地絡抵抗のテーブルデータ(図15(a))の各Vtb/Vta毎に、Vtbに対応したB−C間電圧のテーブルデータ(図15(b))を作成しておき、Vc1p計測で得られたVtbと、Vtb/Vtaとに基づいて、テーブルデータを参照して、B−C間電圧を算出(推定)する。
ここで、前述するように、仮想的なアース線を介して点Cに印加される電圧(点Aの電圧)すなわちB−C間電圧が各保護素子P1,P2の制限電圧以下の場合には、点Aの電位がV0計測に対して影響を与えることはない。従って、Vc1p計測で得られたVtbとVtb/Vtaとに基づいて演算(推定)された電圧が各保護素子P1,P2の制限電圧以下の場合には、V0計測で得られた計測電圧に基づいて検出された直流電源BATの出力電圧と直流電源BATの出力電圧とには検出誤差がない(正常値)と判断し、該検出された直流電源BATの出力電圧を上位の制御装置等に出力する。
一方、Vc1p計測で得られたVtbとVtb/Vtaとに基づいて演算された電圧が保護素子P2の制限電圧以上の場合には、V0計測で得られた計測電圧に基づいて検出された直流電源BATの出力電圧は、保護素子P2の制限電圧を超えた電圧(超過電圧)分の計測電圧の誤差を含む出力電圧である判断する。よって、演算(推定)されたB−C間電圧と保護素子P2の制限電圧特性とに基づいて算出した出力電圧を、直流電源BATの出力電圧として上位の制御装置等に出力する。
なお、前述するVc1p計測で得られたVtbとVtb/VtaとによるB−C間電圧の演算、及び該B−C間電圧と保護素子P2の制限電圧との比較・判定、並びに判定結果に基づいてテーブルデータを参照して直流電源BATの出力電圧を算出する演算は、演算部18が備える。また、演算(推定)されたB−C間電圧と保護素子P2の制限電圧特性とに基づいた直流電源BATの出力電圧の算出法としては、例えば、B−C間電圧から保護素子P2の制限電圧(超過電圧)分を引いた電圧に、抵抗R3、R4の分圧比を掛けた値を、V0計測で得られた計測値に加算する算出法がある。この算出方法により、V0計測用のテーブルデータをそのまま使用することができるので、テーブルデータの格納領域の容量を低減できるという効果が得られる。ただし、予め演算(推定)されたB−C間電圧と保護素子2の保護電圧特性とを考量したV0計測で得られた計測値と直流電源BATの出力電圧との関係をテーブルデータとして格納しておき、V0計測で得られた計測値に基づいて、該テーブルデータを参照して直流電源BATの出力電圧を算出する構成であってもよい。
以上説明したように、実施形態4の絶縁検出装置では、スイッチS2,S4の耐圧に対応した保護素子P1,P2をスイッチS2,S4にそれぞれ配置する構成としているので、前述する実施形態1の絶縁検出装置の効果に加えて、昇圧回路4の出力電圧が高い場合に地絡抵抗RLp2の低下が発生した場合であって、スイッチS2,S4に耐圧以上の電圧が印加されしまうことを防止し、当該スイッチS2,S4を破損から保護することができるという効果を得ることができる。
また、このとき、スイッチS4がOFFされるV0計測において、当該スイッチS4に配置される保護素子P2を介してコンデンサC1の負極側に昇圧回路4の出力電圧の一部が印加されることとなるが、Vc1p計測で得られた電圧Vtb,Vtaに基づいてB−C間電圧を算出し、該B−C間電圧によりV0計測で得られた出力電圧を補正する構成となっている。従って、スイッチS2,S4に保護素子P1,P2を配置した構成において、昇圧時に地絡抵抗RLp2の低下が生じた場合であっても正確な直流電源BATの出力電圧を検出することが可能である。
なお、実施形態4の絶縁検出装置では、スイッチS2,S4のみに保護素子P1,P2を並列に接続する構成としたが、これに限定されることない。例えば、昇圧回路4の出力電圧及び地絡の発生時に点Cに印加される電圧等に応じて、スイッチS1,S3にも保護素子を接続する構成であってもよい。
また、実施形態4の絶縁検出装置では、実施形態1の絶縁検出装置に本願発明を適用した場合について説明したが、実施形態2,3の絶縁検出装置に本願発明を適用する構成であってもよく、この場合においても、実施形態2,3の絶縁検出装置の効果に加えて、実施形態4の絶縁検出装置と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
BAT 直流電源
R+,R− メインリレー
S1〜S4 スイッチ
D1〜D3 ダイオード
C1 コンデンサ(フライングキャパシタ)
R1〜R5 抵抗
RLp1,RLn1 一次側の地絡抵抗
RLp2,RLn2 二次側の地絡抵抗
P1,P2 保護素子
1 絶縁検出装置
2 サンプルアンドホールド回路
3 マイコン
4 昇圧器
5〜8 電源線
9〜13 分岐配線
14 二次側の電源線
15 A/D変換部(A/D変換器)
16 測定判定部
16a 計測制御部
16b 判定部
17 スイッチ制御部
17a 第1スイッチ制御部
17b 第2スイッチ制御部
18 演算部
18a 第1演算部
18b 第2演算部
19 地絡判断部

Claims (5)

  1. 充電電圧を保持するフライングキャパシタと、前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する計測回路とを備え、アースから電気的に絶縁される直流電源に接続され、前記計測回路で計測された前記フライングキャパシタの充電電圧に基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出装置であって、
    前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第1の経路と、前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記アースに至る第2の経路と、前記アースから前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第3の経路と、前記フライングキャパシタと前記直流電源との接続を解除し、当該フライングキャパシタと前記計測回路とを接続する第4の経路とを切り替える複数のスイッチを備え、
    前記第2の経路で充電された前記フライングキャパシタの計測電圧を監視し、該計測電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、
    前記スイッチの切り替えを制御し、前記第3の経路での前記フライングキャパシタの充電と、前記第3の経路で充電された前記フライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、前記第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する制御手段と、
    前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する演算手段を備えることを特徴とする絶縁検出装置。
  2. 充電電圧を保持するフライングキャパシタと、前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する計測回路とを備え、アースから電気的にそれぞれ絶縁される直流電源と該直流電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路との前記直流電源側に接続され、前記計測回路で計測された前記フライングキャパシタの充電電圧に基づいて、前記直流電源及び前記昇圧回路の二次側と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出装置であって、
    前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第1の経路と、前記直流電源の正極から前記フライングキャパシタを介して前記アースに至る第2の経路と、前記アースから前記フライングキャパシタを介して前記直流電源の負極に至る第3の経路と、前記フライングキャパシタと前記直流電源との接続を解除し、当該フライングキャパシタと前記計測回路とを接続する第4の経路とを切り替える複数のスイッチを備え、
    前記昇圧回路の昇圧動作による二次側の出力電圧の上昇により、前記アース電位が前記直流電源の正極側の電位よりも高くなった場合に、
    前記スイッチの切り替えを制御し、前記第3の経路での前記フライングキャパシタの充電と、前記第3の経路で充電された前記フライングキャパシタの充電電圧の計測とを制御し、前記第3の経路への切り替え後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する制御手段と、
    前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源及び前記昇圧回路の二次側と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する演算手段を備えることを特徴とする絶縁検出装置。
  3. アースから電気的に絶縁される直流電源と前記アースとの間に形成される地絡抵抗を計測する絶縁検出方法であって、
    前記直流電源の正極と前記アースとの間にフライングキャパシタを接続し、前記フライングキャパシタを充電する工程と、
    前記フライングキャパシタから前記直流電源の正極を切り離した後に、前記フライングキャパシタに計測回路を接続し、前記フライングキャパシタに充電された電圧を計測する工程と、
    前記計測された電圧を監視し、該計測された電圧が略0V(ゼロボルト)の場合に、
    前記アースと前記直流電源の負極との間に前記フライングキャパシタを接続して前記フライングキャパシタを充電し、前記フライングキャパシタの接続後の第1の時間における第1の計測電圧と、前記第1の時間と異なる第2の時間における第2の計測電圧とをそれぞれ計測する工程と、
    前記第1の計測電圧と前記第2の計測電圧とに基づいて、前記直流電源と前記アースとの間に形成される前記地絡抵抗を演算する工程とを備えることを特徴とする絶縁検出方法。
  4. 前記複数のスイッチは、前記フライングキャパシタの一端と前記直流電源の正極との間に配置される第1のスイッチと、前記フライングキャパシタの他端と前記直流電源の負極との間に配置される第2のスイッチと、前記フライングキャパシタの一端とアースとの間に配置される第3のスイッチと、前記フライングキャパシタの他端と前記アースとの間に配置される第4のスイッチとからなり、
    前記第2のスイッチ及び前記第4のスイッチはそれぞれに並列接続され、当該第2のスイッチ及び前記第4のスイッチに掛かる電圧をその耐圧以下に保つ保護素子を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁検出装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2の計測電圧と、少なくとも前記第4のスイッチに並列接続される前記保護素子の特性とに基づいて、前記第1の経路時における、前記第2のスイッチの前記直流電源の負極側と前記第4のスイッチの前記アース側との間に掛かる電圧を推定する手段と、
    前記第2のスイッチの前記直流電源の負極側と前記第4のスイッチの前記アース側との間に掛かる電圧と、前記第4のスイッチに並列接続される前記保護素子の特性とに基づいて、前記第1の経路で充電された前記フライングキャパシタの計測電圧から演算される前記直流電源の出力電圧を補正する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の絶縁検出装置。
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