JP6432985B2 - 吸着装置及び分析装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、吸着装置及び分析装置に関する。
現在、代謝反応及び生化学的病態メカニズム等を、呼気中に含まれる揮発性物質の濃度とその変動とから明らかにする研究が進んでいる。
例えば、呼気中のエタン、ペンタン及び過酸化水素(H22)は、酸化ストレスとの相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、脂質酸化、喘息又は気管支炎という症状が現れてくる。
また、呼気中の一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)及びH22は、肺疾患との相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、喘息又は慢性閉塞性肺炎の症状が見られる。
呼気中の水素(H2)及び炭素同位体(13C)は、胃腸疾患との相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、消化不良、胃炎又は十二指腸潰瘍の症状が見られる。
また、呼気中のアセトンは、代謝異常との相関が高い。呼気中のアセトン濃度が高くなると、糖尿病の症状が見られる。他方、健康なヒトと比較して呼気中のアセトン濃度が低いヒトは、メタボリック症候群の傾向が見られる。
上述した関係は、痛みを伴わない簡便的な早期病床診断への応用が期待されている。しかしながら、呼気中に含まれる揮発性物質の濃度は、ppm(parts per million)からppb(parts per billion)レベルである。それ故、呼気成分を定量分析するためには、高い分解能を持つ分析装置が必要となる。
この分析手法の一つとして、金属錯体が特定の分子を選択的に吸着する性質を利用した技術が知られている。例えば、或るマンガンフタロシアニンは、アセトンに対する吸着能が高い。カーボンナノチューブからなる導電性基体は、このマンガンフタロシアニンで表面修飾すると、マンガンフタロシアニンのアセトン吸着量に応じて電気伝導度が変化する。従って、このマンガンフタロシアニンで表面修飾した導電性基体を備えたセンサは、呼気中のアセトン濃度の測定に利用可能である。
しかしながら、金属錯体は、化学構造が類似した分子に対してほぼ等しい吸着能を示す。また、導電性基体の表面が平坦でない場合には、この表面を金属錯体により均一に修飾することは困難である。不均一な表面修飾は、正確な測定を困難にする。
他の分析手法として、金属酸化物からなる半導体を利用した技術が知られている。この技術では、金属酸化物を加熱した状態で、酸素を吸着させる。雰囲気中に一酸化炭素や炭化水素などの還元性物質が混入すると、金属酸化物に吸着した酸素と、還元性物質との間で反応が生じ、金属酸化物表面に吸着した酸素が減少する。これに伴い、金属酸化物の比抵抗が小さくなる。この手法は、このような現象を利用している。
この手法は、検知時間が短く、還元性物質が低濃度であったとしても高い感度を示す。しかしながら、この手法では、雰囲気中に複数の還元性物質が含まれる場合、複雑な構成が必要となる。
特開2010−107310号公報 特開2015−7625号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い精度で且つ短時間での分析が可能な分析装置を実現可能とすることにある。
実施形態によれば、基材と、前記基材に接合され、前記基材とともに中空構造を形成している封止部材とを含み、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられたセルと、前記内部空間において前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と、前記基材に設けられたヒータとを具備し、前記基材はシリコンからなり、前記封止部材はガラスからなる吸着装置が提供される。
他の実施形態によれば、前記吸着装置と、前記吸着装置を支持する支持体と、測定対象としての流体とパージガスとを前記第1貫通孔へと導く第1流路と、ガス中の1以上の物質を定量する測定装置と、前記第2貫通孔と前記測定装置又は外部とを連絡する第2流路と、前記第1流路に取り付けられた1以上の第1バルブと、前記第2流路に取り付けられた1以上の第2バルブとを具備した分析装置が提供される。
実施形態に係る分析装置を概略的に示す図。 分析時のヒータの温度変化を示すグラフ。 図1の分析装置が含んでいる吸着装置の平面図。 図3の吸着装置のIV−IV線に沿った断面図。 図3及び図4の吸着装置の分解斜視図。 図3乃至図5の吸着装置に含まれるヒータの平面図。 図3乃至図5の吸着装置が含んでいるカーボンナノチューブ束を概略的に示す斜視図。 カーボンナノチューブ束の配置と呼気の流れとの関係の一例を概略的に示す平面図。 比較例に係る分析装置の一部を概略的に示す図。 変形例に係る吸着装置を概略的に示す図。
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す分析装置1は、呼気に含まれる特定成分、例えば揮発性有機化合物の濃度を分析するための装置である。ここで、検体は、典型的にはヒトの呼気であるが、ヒトを除く動物の呼気であってもよい。また、揮発性有機化合物は、例えば、エタン、ペンタン又はアセトンである。
分析装置1は、吸着装置2と、支持体3と、導管5a乃至5dと、測定装置6と、第1バルブ7a及び7bと、第2バルブ8とを含んでいる。
吸着装置2は、中空構造を有しているセル20と、このセル20を加熱するヒータ23とを含んでいる。このセル20には、内部空間と外部空間とを連絡する一対の貫通孔が設けられている。このセル20の内部空間には、複数のカーボンナノチューブ束が収容されている。これらカーボンナノチューブ束は、呼気中の1以上の物質、即ち、上記成分を物理吸着する。吸着装置2の詳細な構造については、後で説明する。
支持体3は、吸着装置2を着脱可能に支持している。支持体3は、支持体本体31と、これに内蔵された電源(図示せず)とを含んでいる。支持体3は、この電源に電気的に接続された一対の電極32a及び32bを更に含んでいる。これら電極32a及び32bは、ヒータ23に電気的に接続されている。
導管5a及び5c並びに第1バルブ7a及び7bは、測定対象である流体とパージガスとを第1貫通孔へと導く第1流路を構成している。パージガスとしては、例えば、ヘリウム、水素又は窒素ガスを用いることができる。
第1バルブ7aは、2つの流入口と1つの流出口とを備え、一方の流入口と流出口とが連絡した状態と、他方の流入口と流出口とが連絡した状態との間での切り替えを、電気的制御のもとで行うことが可能な電動バルブである。また、第1バルブ7bは、1つの流入口と1つの流出口とを備え、流入口と流出口とが連絡した状態と、その連絡が遮断された状態との間での切り替えを、電気的制御のもとで行うことが可能な電動バルブである。
第1貫通孔には、導管5aの一端が接続されている。導管5aの他端には、第1バルブ7bの流出口が接続されている。第1バルブ7bの流入口には、導管5cの一端が接続されている。導管5cの他端には、第1バルブ7aの流出口が接続されている。第1バルブ7aの第1流入口には、導管5eの一端が接続されている。導管5eの他端には、測定対象の供給源9が接続されている。第1バルブ7aの第2流入口には、導管5fの一端が接続されている。導管5fの他端には、パージガス源10が接続されている。
導管5b及び5d並びに第2バルブ8は、第2貫通孔と測定装置6又は測定装置6の外部とを連絡する第2流路を構成している。
第2バルブ8は、1つの流入口と2つの流出口とを備え、流入口と一方の流出口とが連絡した状態と、流入口と他方の流出口とが連絡した状態と、流入口が2つの流出口のどちらとも連絡していない状態との間での切り替えを、電気的制御のもとで行うことが可能な電動バルブである。
第2貫通孔には、導管5bの一端が接続されている。導管5bの他端には、第2バルブ8の流入口が接続されている。第2バルブ8の第1流出口には、導管5dの一端が接続されている。導管5dの他端には、測定装置6が接続されている。第2バルブ8の第2流出口には、導管5gの一端が接続されている。導管5gの他端は、測定装置6の外部に通じている。
測定装置6は、カーボンナノチューブ束から脱着させた上記1以上の物質を定量する。測定装置6は、例えば、水素炎イオン化型検出器、熱伝導度型検出器、レーザー式ガス分析計、ガスクロマトグラフ、ガスクロマトグラフ質量分析計又はフーリエ変換赤外分光光度計である。
コントローラ11は、後述する第1乃至第5動作を順次行うように、ヒータ23の稼働状態と、第1バルブ7a及び7b並びに第2バルブ8の状態とを制御する。また、コントローラ11は、支持体本体31に内蔵される電源に接続されている。コントローラ11は、一対の電極32a及び32bへの電力の供給を更に制御する。
以下、この分析装置1による分析を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図2は、図1の吸着装置2に含まれるヒータ23の温度変化を示すグラフである。横軸は時間を示し、縦軸は温度(℃)を示している。ここで説明する方法では、第1乃至第5動作を順次行う。図2のT1乃至T5は、第1乃至第5動作を行う期間を表している。
第1動作は、ヒータ23を稼働させず、測定対象である流体及びパージガスのうち測定対象である流体のみを第1貫通孔へ導くき、第2貫通孔を介してセル20中のガスを測定装置6の外部に排出することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第1流入口と測定対象の供給源9とを連絡させ、第1バルブ7bを開く。これにより、測定対象の供給源9から導管5e、第1バルブ7a、導管5c、第1バルブ7b及び導管5aを介して、セル20の内部空間へ呼気を供給する。これとともに、第2バルブ8において、第2流出口と測定装置6の外部とを連絡させる。これにより、セル20の内部空間から導管5b、第2バルブ8、導管5gを介してセル20中のガスを測定装置6の外部へと排出する。
呼気がセル20の内部空間を流通すると、カーボンナノチューブ束は、呼気中に含まれる物質の一部を吸着する。カーボンナノチューブ束が十分な量の物質を吸着した後、第2動作を行う。
第2動作は、測定対象である流体及びパージガスの何れもセル20の内部空間へ供給せず、第2貫通孔と測定装置6及びその外部との連絡を遮断し、ヒータ23を稼働させて、セル20を第1温度まで昇温することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第2流入口とパージガス源10とを連絡させ、第1バルブ7bを閉じる。そして、第2バルブ8において、第1流出口と測定装置6とを連絡させず、第2流出口と測定装置6の外部とも連絡させない。これにより、セル20の内部空間への呼気の供給及びセル20の内部空間からのガスの排出を停止する。
呼気が含んでいる成分の多くは、窒素、酸素、二酸化炭素及び水蒸気である。測定対象である揮発性有機化合物の濃度は、呼気全体の1%以下に過ぎない。測定する際に、ガスが測定対象外の物質を多量に含んでいると、検出対象について得られる信号に対してノイズが大きくなり、高精度の測定が妨げられる。特に、この分析装置1では、水が測定精度に及ぼす影響が大きい。
セル20の内部空間を第1温度まで昇温させると、水分子同士を結び付けている力が弱まる。その結果、水分子がカーボンナノチューブ束から脱着し易くなる。第1温度は、例えば、100℃である。
第3動作は、ヒータ23を稼働させてセル20の内部空間の温度を第1温度に保ったまま、測定対象である流体及びパージガスのうちパージガスのみを第1貫通孔へ導き、第2貫通孔を介してセル20中のガスを測定装置6の外部に排出することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第2流入口とパージガス源10とを連絡させ、第1バルブ7bを開く。これにより、パージガス源10から導管5f、第1バルブ7a、導管5c、第1バルブ7b及び導管5aを介してセル20の内部空間へパージガスを供給する。これとともに、第2バルブ8において、第2流出口と測定装置6の外部とを連絡する。その結果、測定対象外の物質を含有したガスが、セル20の内部空間から導管5b、第2バルブ8、導管5gを介して測定装置6の外部へと排出される。これにより、カーボンナノチューブ束が吸着している測定対象外の物質、特に水を、セル20の内部空間から除去する。
第4動作は、測定対象である流体及びパージガスのうち何れもセル20の内部空間へ供給せず、第2貫通孔と測定装置6及びその外部との連絡を遮断し、ヒータ23を稼働させて、セル20の温度を第1温度から第2温度へと昇温することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第2流入口とパージガス源10とを連絡させ、第1バルブ7bを閉じる。また、第2バルブ8において、第1流出口と測定装置6とを連絡させず、第2流出口と測定装置6の外部とも連絡させない。そして、セル20の内部空間の温度を第1温度から第2温度へ昇温する。第2温度は、例えば、300℃である。なお、セル20の内部空間には、パージガスが残留している。この残留ガスは、セル20の内部空間内の熱伝導を助ける。
カーボンナノチューブ束は、上記物質を化学吸着している訳ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、カーボンナノチューブ束を第2温度まで加熱すると、カーボンナノチューブ束は、吸着している測定対象物質のほぼ全量を脱着する。この脱着を生じさせると、セル20の内部空間内のガス中での測定対象物質の濃度は、呼気中の測定対象物質の濃度と比較して高くなる。
第5動作は、ヒータ23を稼働させてセル20の温度を第2温度に保ったまま、測定対象である流体及びパージガスのうちパージガスのみを第1貫通孔へ導き、第2貫通孔を介してセル20中のガスを測定装置6に排出することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第2流入口とパージガス源10とを連絡させ、第1バルブ7bを開く。これにより、パージガス源10から導管5f、第1バルブ7a、導管5c、第1バルブ7b及び導管5aを介してセル20の内部空間へパージガスを供給する。これとともに、第2バルブ8において、第1流出口と測定装置6とを連絡させる。このようにして、上記測定対象物質を高濃度で含有したガスを、セル20の内部空間から導管5b、第2バルブ8及び導管5dを介して測定装置6へと送り出す。測定装置6は、上記ガスが含んでいる上記物質を定量する。
このようにして、この分析装置1では、上記物質の濃度を高めたガスを測定装置6へ供給する。そのため、例えば、測定装置6の分析精度が低くても、十分に高い精度で定量分析することができる。また、測定装置6は、精度が低くてもよいので、寸法が小さく、安価なものを使用することができる。
また、カーボンナノチューブ束は、上記物質を化学吸着している訳ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、吸着装置2は、繰り返し使用することができる。なお、吸着装置2は、1回の分析毎に新品に交換してもよい。
更に、吸着装置2では、金属錯体などによる化学吸着ではなく、カーボンナノチューブ束による物理吸着を利用するので、金属錯体による表面修飾などに起因した不均一を生じない。それ故、分析精度がこの不均一性の影響を受けることはない。
なお、第4及び第5動作を行う代わりに、上述した第4動作を以下のように変更し、第5動作を省略してもよい。
具体的には、第4動作において、測定対象である流体及びパージガスのうちパージガスのみを第1貫通孔へ導くとともに、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記測定装置に排出しながら、ヒータ23を稼働させて、セル20の温度を第1温度から第2温度へと昇温することを含んでいる。即ち、第1バルブ7aにおいて、第2流入口とパージガス源10とを連絡させ、第1バルブ7bを開く。これにより、パージガス源10から導管5f、第1バルブ7a、導管5c、第1バルブ7b及び導管5aを介してセル20の内部空間へパージガスを供給する。これとともに、第2バルブ8において、第1流出口と測定装置6とを連絡させる。そして、この状態でヒータ23を稼働させて、セル20の温度を第1温度から第2温度へと昇温する。このようにして、上記測定対象物質を高濃度で含有したガスを、セル20の内部空間から導管5b、第2バルブ8及び導管5dを介して測定装置6へと送り出す。測定装置6は、上記ガスが含んでいる上記物質を定量する。
この変形例では、カーボンナノチューブ束が吸着した全成分を測定装置6へと同時に供給する代わりに、これら成分を、脱着し易さに応じて測定装置6へと順次供給する。従って、例えば、測定装置6としてカラムを含んでいるものを使用することなしに、個々の成分について定性及び定量が可能である。このように、この変形例によれば、簡単な構成で定性及び定量分析を行うことができる。
図1では、第1バルブ7a及び7b並びに第2バルブ8として、モータを用いて制御を行う電動バルブを用いたが、これらのバルブは、電磁バルブであってもよい。
また、第1バルブとして第1バルブ7a及び7bの2つのバルブを用いたが、第1バルブは、第1バルブ7a及び7bの機能を併せ持つ1つのバルブであってもよい。
更に、第2バルブ8として、1つの流入口と2つの流出口とを備えたバルブを用いたが、第2バルブは、1つの流入口と1つの流出口とを備えたバルブを用いてもよい。この場合、第2バルブの流出口は、導管5dへと接続する。また、第2バルブ8は、第1バルブ7a及び7bと同様に、2つのバルブであってもよい。
なお、この分析装置1には、セル20の内部空間の温度を測定する温度センサを含んでいてもよい。この場合、コントローラ11は、温度センサの出力に基づいて、電極32a及び32bに供給する電力を制御することができる。
次に、吸着装置2について、図3乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
図3乃至図5に示すように、吸着装置2は、吸着装置本体21及び封止部材22を含むセル20と、ヒータ23とを含んでいる。
吸着装置本体21は、図7に示すように、基材211と、複数のカーボンナノチューブ束212a乃至212dとを含んでいる。
基材211は、例えば薄板状である。基材211は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。基材211の材料としては、例えば、シリコン、ガラス、酸化マグネシウム、サファイア、又は酸化アルミニウムを使用することができる。ここでは、一例として、基材211はシリコン基板であるとする。基材211としてシリコン基板を使用した場合、吸着装置本体21の製造に、例えば、半導体プロセスで利用されている技術及び装置を利用することができる。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211の一方の主面から伸びている。ここでは、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211の一方の主面に対して略垂直な方向に延びている。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、真っ直ぐに伸びていてもよく、撓んでいてもよい。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、その長さ方向に各々が伸びた多数のカーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブは、例えば、シングルウォールチューブである。カーボンナノチューブは、アームチェアチューブ、ジグザグチューブ、及びカイラルチューブの何れであってもよい。
カーボンナノチューブの長さは、例えば、50μm乃至100μmの範囲内にある。カーボンナノチューブの直径は、例えば、10nm乃至100nmの範囲内にある。また、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々において、カーボンナノチューブ間の距離は、例えば、10nm乃至100nmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々の径は、例えば、1μm乃至100μmの範囲内にある。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの高さは、例えば、50μm乃至100μmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、互いから離れて位置している。カーボンナノチューブ束212a乃至212d間の距離は、例えば、1μm乃至100μmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211上の複数の単位領域から伸びている。これら単位領域の各々は、放射状に配置された複数のサブ領域からなる。具体的には、単位領域の各々は、複数のサブ領域からなり、典型的には回転対称性を有している。各サブ領域は、回転軸から外側へ向けて伸びた形状を有している。
ここでは、図8に示すように、単位領域2110の各々は、放射状に配置された複数のサブ領域2110a乃至2110dからなる。サブ領域2110a乃至2110dの各々は、単位領域2110の中心から外側へ向けて伸びた形状、具体的には、単位領域2110の中心側の端が反対側の端と比較して曲率半径がより小さい液滴形状を有している。サブ領域2210aの長さ方向Daは、サブ領域2110cの長さ方向Dcに対して平行である。サブ領域2210bの長さ方向Dbは、サブ領域2110dの長さ方向Ddに対して平行である。方向Da及びDcは、方向Db及びDdに対して垂直である。
方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いている。この場合、方向Daが直線Lに対して成す角度θaは、例えば、0°より大きく且つ90°未満の範囲内とする。また、この場合、方向Dbが直線Lに対して成す角度θbは、例えば、90°より大きく且つ180°未満の範囲内とする。更に、この場合、方向Dcが直線Lに対して成す角度θcは、例えば、180°より大きく且つ270°未満の範囲内とする。そして、この場合、方向Ddが直線Lに対して成す角度θdは、例えば、270°より大きく且つ360°未満の範囲内とする。ここでは、角度θa、θb、θc及びθdは、それぞれ、45°、135°、225°及び315°である。
なお、直線Lは、図3乃至図5に示す貫通孔TH1及びTH2の開口のうち、吸着装置2の内部空間側に位置した開口の中心を通る直線である。方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いていなくてもよい。また、サブ領域2110a乃至2110dは、単位領域2110の中心から外側へ向けて伸びた形状を有していなくてもよい。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、それらの高さ全体に亘り、高さ方向に垂直な断面の形状が、サブ領域2110a乃至2110dの形状とそれぞれほぼ等しい。図8に示す単位領域2110は、基材211上で縦横に配列している。図3乃至図5に示すように、カーボンナノチューブ束212a乃至212dから各々がなる単位構造212も、単位領域2110の配列に対応して基材211上で縦横に配列している。
ここでは、単位領域2110の各々を4つのサブ領域2110a乃至2110dで構成しているが、単位領域2110の各々は、2つ、3つ、又は5つ以上のサブ領域で構成してもよい。或いは、単位領域2110の各々は、連続した1つの領域であってもよい。
単位領域2110と単位構造212との間には、図7に示す下地層213が介在している。下地層213は、バリア層213aと触媒層213bとを含んでいる。
バリア層213aは、触媒層213bを構成している材料が基材211へと拡散するのを抑制する。バリア層213aは、例えば、アルミナ、二酸化シリコン、五酸化タンタル、又は酸化ハフニウムからなる。バリア層213aは、単位領域2110と単位構造212との間にのみ存在しているが、基材211の主面全体を覆うように設けてもよい。バリア層213aは省略することができる。
触媒層213bは、カーボンナノチューブ生成のシード及びその成長を促進する触媒としての役割を果たす。触媒層213bは、単位領域2110と単位構造212との間にのみ存在している。触媒層213bは、例えば、鉄、ニッケル及びコバルトなどの金属からなる。
封止部材22は、例えば薄板状である。封止部材22は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。ここでは、一例として、封止部材22はガラス板であるとする。封止部材22としてガラス板を使用した場合、後述する凹部や貫通孔の形成が容易である。また、基材211としてシリコン基板を使用し、封止部材22としてガラス板を使用した場合、接着剤なしでそれらを接合することができる。
図5に示すように、封止部材22は、その一方の主面に、凹部RS1乃至RS3と、溝GR1及びGR2とを有している。凹部RS3は、凹部RS1と凹部RS2との間に位置している。溝GR1は、凹部RS1と凹部RS3とを連絡している。溝GR2は、凹部RS1と凹部RS2とを連絡している。
ここでは、2つの溝GR1で凹部RS1と凹部RS3とを連絡しているが、凹部RS1と凹部RS3とを連絡する溝GR1の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。また、ここでは、2つの溝GR2で凹部RS2と凹部RS3とを連絡しているが、凹部RS2と凹部RS3とを連絡する溝GR2の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
封止部材22は、凹部RS3の底面が単位構造212と向き合うように基材211に接合されている。封止部材22は、図4に示すように、基材211とともに中空構造を形成している。具体的には、この中空構造において、図5に示す凹部RS1乃至RS3は、それぞれ、図3及び図4に示すチャンバCH1乃至CH3を形成している。図5に示す溝GR1及びGR2は、それぞれ、図3に示すように、チャンバCH1及びCH3を連絡する流路FP1、及び、チャンバCH2及びCH3を連絡する流路FP2を構成している。なお、単位構造212は、チャンバCH3内に位置している。
図5に示すように、封止部材22は、凹部RS1及びRS2の底部に対応した位置に、第1貫通孔TH1及び第2貫通孔TH2を有している。貫通孔TH1は、チャンバCH1を吸着装置2の外部空間と連絡している。貫通孔TH2は、チャンバCH2を吸着装置2の外部空間と連絡している。貫通孔TH1の数は2以上であってもよい。また、貫通孔TH2の数も2以上であってもよい。
封止部材22には、凹部RS1乃至RS3並びに溝GR1及びGR2を設けなくてもよい。即ち、封止部材22の基材211と向き合う面は、平坦であってもよい。この場合、例えば、基材211の封止部材22と向き合う面に、凹部RS1乃至RS3並びに溝GR1及びGR2を設ける。そして、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、凹部RS3の底面に配置する。
ヒータ23は、基材211の主面のうち、セル20の外面に相当する面に設けられている。ヒータ23は、基材211の主面のうち、セル20の内面に相当する面に設けてもよい。或いは、ヒータ23は、封止部材22の主面のうち、セル20の内面又は外面に相当する面に設けてもよい。
ヒータ23は、図4に示すように、発熱体231を含んでいる。発熱体231は、例えば、抵抗発熱体である。発熱体231としては、例えば、パターニングされた金属層を使用することができる。発熱体231は、例えば、図6に示すように、基材211上にパルス波状に形成する。発熱体231の材料としては、例えば、銅などの金属又は合金を使用することができる。発熱体231は、一端が電極32aと接触し、他端が電極32bと接触している。
この吸着装置2は、例えば、以下の方法によって製造する。
先ず、基材211上に、発熱体231を形成する。発熱体231は、例えば、マスクを用いたスパッタリング法により形成する。或いは、発熱体231は、スパッタリング法により形成し、これをパターニングして形成する。或いは、発熱体231は、印刷により形成してもよい。次いで、必要に応じて、発熱体231を保護する絶縁層を形成する。ヒータ23は、このように基材211上に形成してもよく、基材211とは別に形成しておき、基材211に貼り付けてもよい。
次に、基材211の他方の主面に、図7に示すバリア層213a及び触媒層213bをこの順に形成する。バリア層213a及び触媒層213bの各々は、例えば、マスクを用いたスパッタリング法により形成する。次いで、例えば、化学気相堆積(CVD)法により、カーボンナノチューブを生成及び成長させる。触媒層213bの存在により、カーボンナノチューブの生成及び成長は、触媒層213bの位置で選択的に生じる。その結果、カーボンナノチューブ束212a乃至212dが得られる。
次に、このようにして得られた吸着装置本体21及びヒータ23の複合体と、別途用意した封止部材22とを、図4に示すように接合する。これにより、セル20とその一方の主面にヒータ23とを含んだ構造を得る。基材211がシリコンからなり、封止部材22がナトリウムイオンなどのアルカリイオンを含まないガラスからなる場合、吸着装置本体21と封止部材22とは、例えば、表面活性接合によって接合することができる。吸着装置本体21と封止部材22との接合には接着剤を使用することもできるが、それらを直接接合した場合、接着剤に含まれる成分が測定に影響を及ぼすことがない。
以上のようにして、図3乃至図5に示す吸着装置2を得る。
次に、この吸着装置2における呼気の流れ等について説明する。
吸着時には、図3などに示す貫通孔TH1を介して、セル20の内部空間へ呼気を供給する。
貫通孔TH1を通過した呼気は、先ず、チャンバCH1に到達する。チャンバCH1とチャンバCH3とは複数の流路FP1によって接続しているので、呼気の流れは、流路FP1によって複数の流れへと分けられる。チャンバCH3には複数個所から呼気を供給するので、チャンバCH3のうちチャンバCH1近傍の領域において、流速に大きなばらつきを生じることはない。
これら流れは、チャンバCH3において合流する。呼気がチャンバCH3を通過する過程で、単位構造212を構成しているカーボンナノチューブ束は、呼気が含んでいる1以上の物質を吸着する。
その後、この呼気の流れは、流路FP2によって複数の流れへと分けられ、チャンバCH2において合流する。チャンバCH3からは複数個所から呼気を排出するので、チャンバCH3のうちチャンバCH2近傍の領域において、流速に大きなばらつきを生じることはない。
チャンバCH2に到達した呼気は、貫通孔TH2を介して、セル20の外部へと排出する。
脱着時には、図1などに示すヒータ23を作動させる。図8に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dは、上記物質を化学吸着ではなく、物理吸着しているだけであるので、図1などに示すヒータ23を作動させ、カーボンナノチューブ束212a乃至212dを温度まで加熱すると、図8に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dは、吸着している上記物質のほぼ全量を脱着する。この脱着を生じさせると、図1などに示すセル20の内部空間内のガス中での上記物質の濃度は、呼気中の上記物質の濃度と比較して高くなる。
その後、例えば、貫通孔TH1を介してセル20の内部空間へパージガスを供給することにより、上記物質を高い濃度で含んだガスを、貫通孔TH2を介して吸着装置2の外部へと排出する。なお、吸着時と同様に、チャンバCH3内では流速に大きなばらつきを生じることはない。従って、比較的少量の不活性ガスを流通させるだけで、上記物質を高い濃度で含んだガスを排出することができる。
上記の通り、図7に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、多数のカーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々において、カーボンナノチューブ間には隙間がある。それ故、呼気の一部は、チャンバCH3を通過する際に、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの何れかの内部を通過する。従って、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、その表面だけでなく、内部においても、呼気中の1以上の物質を吸着する。そして、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々の内部では、その表面と比較して、吸着した物質の脱着は生じ難い。従って、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、高い吸着効率を示す。
また、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、互いから離れて位置させている。即ち、カーボンナノチューブ束212a乃至212d間に隙間を設けている。それ故、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、呼気の流れを過剰に妨げることがない。
また、上記の通り、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、それらの高さ方向に垂直な断面の形状が、それぞれ、図8に示すサブ領域2110a乃至2110dの形状とほぼ等しい。図8の方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いている。そして、図3のチャンバCH3における呼気の平均的な流れの方向は、図8の直線Lに対して平行である。このような構造を採用すると、呼気の流れが最適化され、高い吸着効率を達成できる。
そして、上記の通り、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、上記物質を化学吸着ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、それらが吸着している上記物質のほぼ全量を脱着させることは容易である。
従って、この吸着装置2を使用すると、上記物質の濃度を十分に高めたガスを得ることができる。そのため、例えば、測定装置の分析精度が低くても、十分に高い精度で定量分析することができる。また、測定装置は、精度が低くてもよいので、寸法が小さく、安価なものを使用することができる。
更に、この吸着装置2を使用すると、以下に説明するように、短時間での分析が可能である。
図9は、比較例に係る分析装置1の一部を概略的に示す図である。この分析装置1では、吸着装置2ではなく、支持体3がヒータ23を内蔵している。このような構造を採用した場合、カーボンナノチューブ束だけではなく、支持体本体31自体も昇温させなければならない。加えて、吸着装置2と支持体3との間に微小な隙間が生じるのは避けられない。その結果、カーボンナノチューブ束を昇温するために、長い時間が必要になる。一例によれば、カーボンナノチューブ束を100℃から300℃へと昇温するために、約3時間の時間を必要とした。
この構造に対して、図1などを参照しながら説明した分析装置1では、吸着装置2自体にヒータ23を形成している。そのため、カーボンナノチューブ束を昇温するために要する時間を、大幅に短縮することができる。一例によれば、基材211にヒータ23を設置した場合、カーボンナノチューブ束を100℃から300℃へと昇温するために要した時間は、46.4秒であった。また、封止部材22にヒータ23を設置した場合、カーボンナノチューブ束を100℃から300℃へと昇温するために要した時間は、46.0秒であった。
このように、ヒータ23を吸着装置2に設けると、カーボンナノチューブ束を昇温するために要する時間を、大幅に短縮することができる。それ故、例えば、リアルタイムでの分析が可能になる。
なお、吸着装置2には、以下の構造を採用してもよい。
図10は、変形例に係る吸着装置2を概略的に示す図である。この構造では、図1などを参照しながら説明したセル20に、ヒータ23が接合されている。即ち、ヒータ23の発熱体231側の面と、セル20の基材211側の面とが接合されている。ヒータ23は、発熱体231と基板232とを含んでいる。
このような変形例の吸着装置2は、例えば、以下のようにして製造する。
先ず、基板232上に、上述した方法と同様の方法により発熱体231を形成し、ヒータ23を得る。
次いで、このヒータ23と、別途用意したセル20の基材211側とを、図10に示すように接合する。基材211がシリコンからなり、基板232がナトリウムイオンなどのアルカリイオンを含まないガラスからなる場合、吸着装置本体21とヒータ23とは、例えば、表面活性接合によって接合することができる。
このような構造を採用すると、発熱体231は、基板232によって保護されるため、ヒータ23の劣化を生じにくい。
なお、図10を参照しながら説明したヒータ23は、セル20の基材211側に接合する代わりに、セル20の封止部材22側に接合してもよい。封止部材22がナトリウムイオンなどのアルカリイオンを含まないガラスからなり、基板232がシリコンからなる場合、封止部材22とヒータ23とは、例えば、表面活性接合によって接合することができる。
以上、分析装置1及び吸着装置2を呼気の分析に利用することを説明したが、分析装置1及び吸着装置2は、呼気以外の気体の分析に利用することも可能である。例えば、分析装置1及び吸着装置2は、燃焼装置の排気ガスの分析にも利用することができる。
また、分析装置1及び吸着装置2は、液体の分析に利用することも可能である。上水及び下水などの水の分析に利用することもできる。
吸着装置2は、分析以外の目的で使用することも可能である。例えば、吸着装置2は、空気清浄器に利用して、空気中に存在するPM2.5又は浮遊カビなどの大きさが100μm以下の汚れを吸着させることもできる。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
基材と、前記基材に接合され、前記基材とともに中空構造を形成している封止部材とを含み、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられたセルと、
前記内部空間において前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と、
前記基材及び前記封止部材の少なくとも一方に設けられたヒータと
を具備した吸着装置。
[2]
前記ヒータは、パターニングされた金属層である[1]に記載の吸着装置。
[3]
[1]又[2]に記載の吸着装置を支持する支持体と、
測定対象としての流体とパージガスとを前記第1貫通孔へと導く第1流路と、
ガス中の1以上の物質を定量する測定装置と、
前記第2貫通孔と前記測定装置又は外部とを連絡する第2流路と、
前記第1流路に取り付けられた1以上の第1バルブと、
前記第2流路に取り付けられた1以上の第2バルブと
を具備した分析装置。
[4]
第1乃至第5動作を順次行うように、前記ヒータの稼働状態と前記1以上の第1バルブ及び前記1以上の第2バルブの状態とを制御するコントローラを更に具備し、
前記第1動作は、前記ヒータを稼働させず、前記流体及び前記パージガスのうち前記流体のみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
前記第2動作は、前記流体及び前記パージガスの何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルを第1温度まで昇温することを含み、
前記第3動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第1温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
前記第4動作は、前記流体及び前記パージガスのうち何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルの温度を前記第1温度から第2温度へと昇温することを含み、
前記第5動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第2温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記測定装置に排出することを含んだ[3]に記載の分析装置。
[5]
第1乃至第4動作を順次行うように、前記ヒータの稼働状態と前記1以上の第1バルブ及び前記1以上の第2バルブの状態とを制御するコントローラを更に具備し、
前記第1動作は、前記ヒータを稼働させず、前記流体及び前記パージガスのうち前記流体のみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
前記第2動作は、前記流体及び前記パージガスの何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルを第1温度まで昇温することを含み、
前記第3動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第1温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
前記第4動作は、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導くとともに、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記測定装置に排出しながら、前記ヒータを稼働させて、前記セルの温度を前記第1温度から第2温度へと昇温することを含んだ[3]に記載の分析装置。
1…分析装置、2…吸着装置、3…支持体、5a…導管、5b…導管、5c…導管、5d…導管、5e…導管、5f…導管、5g…導管、6…測定装置、7a…第1バルブ、7b…第1バルブ、8…第2バルブ、9…測定対象の供給源、10…パージガス源、11…コントローラ、20…セル、21…吸着装置本体、22…封止部材、23…ヒータ、31…支持体本体、32a…電極、32b…電極、211…基材、212…単位構造、212a…カーボンナノチューブ束、212b…カーボンナノチューブ束、212c…カーボンナノチューブ束、212d…カーボンナノチューブ束、213…下地層、213a…バリア層、213b…触媒層、231…発熱体、232…基板、2110…単位領域、2110a…サブ領域、2110b…サブ領域、2110c…サブ領域、2110d…サブ領域、CH1…チャンバ、CH2…チャンバ、CH3…チャンバ、Da…長さ方向、Db…長さ方向、Dc…長さ方向、Dd…長さ方向、FP1…流路、FP2…流路、GR1…溝、GR2…溝、L…直線、RS1…凹部、RS2…凹部、RS3…凹部、TH1…貫通孔、TH2…貫通孔、θa…角度、θb…角度、θc…角度、θd…角度。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材に接合され、前記基材とともに中空構造を形成している封止部材とを含み、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられたセルと、
    前記内部空間において前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と、
    前記基材に設けられたヒータと
    を具備し、前記基材はシリコンからなり、前記封止部材はガラスからなる吸着装置。
  2. 前記ヒータは、パターニングされた金属層である請求項1に記載の吸着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の吸着装置と、
    前記吸着装置を支持する支持体と、
    測定対象としての流体とパージガスとを前記第1貫通孔へと導く第1流路と、
    ガス中の1以上の物質を定量する測定装置と、
    前記第2貫通孔と前記測定装置又は外部とを連絡する第2流路と、
    前記第1流路に取り付けられた1以上の第1バルブと、
    前記第2流路に取り付けられた1以上の第2バルブと
    を具備した分析装置。
  4. 第1乃至第5動作を順次行うように、前記ヒータの稼働状態と前記1以上の第1バルブ及び前記1以上の第2バルブの状態とを制御するコントローラを更に具備し、
    前記第1動作は、前記ヒータを稼働させず、前記流体及び前記パージガスのうち前記流体のみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
    前記第2動作は、前記流体及び前記パージガスの何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルを第1温度まで昇温することを含み、
    前記第3動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第1温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
    前記第4動作は、前記流体及び前記パージガスのうち何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルの温度を前記第1温度から第2温度へと昇温することを含み、
    前記第5動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第2温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記測定装置に排出することを含んだ請求項3に記載の分析装置。
  5. 第1乃至第4動作を順次行うように、前記ヒータの稼働状態と前記1以上の第1バルブ及び前記1以上の第2バルブの状態とを制御するコントローラを更に具備し、
    前記第1動作は、前記ヒータを稼働させず、前記流体及び前記パージガスのうち前記流体のみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
    前記第2動作は、前記流体及び前記パージガスの何れも前記内部空間へ供給せず、前記第2貫通孔と前記測定装置及び前記外部との連絡を遮断し、前記ヒータを稼働させて、前記セルを第1温度まで昇温することを含み、
    前記第3動作は、前記ヒータを稼働させて前記セルの温度を前記第1温度に保ったまま、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導き、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記外部に排出することを含み、
    前記第4動作は、前記流体及び前記パージガスのうち前記パージガスのみを前記第1貫通孔へ導くとともに、前記第2貫通孔を介して前記セル中のガスを前記測定装置に排出しながら、前記ヒータを稼働させて、前記セルの温度を前記第1温度から第2温度へと昇温することを含んだ請求項3に記載の分析装置。
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