JP6431777B2 - 電力変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換器に関し、特に電力系統で停電などの電圧低下が発生した際、交流励磁型発電機等の発電機の回転子に発生する過大な電流を吸収し、回転子に接続される電力変換器を保護する技術に関する。
発電装置に用いられる交流励磁型発電機(「二次励磁型発電機」とも呼ばれる)は、電力変換器で回転子巻線をすべり周波数(系統周波数と回転周波数の差)で交流励磁することで、回転子の励磁により固定子側に発生する電圧を系統周波数と同じ周波数にすることができる。回転子の励磁周波数(すべり周波数)を可変にすることで、風車の回転数を可変にすることができるとともに、電力変換器の容量を発電機の容量に比べて小さくすることが出来るなどの利点がある。
しかしながら、電力系統で地絡事故などの電圧低下が発生すると、交流励磁型発電機は事故点に電流を供給しようと動作する。このとき、回転子巻線に過大な電流が誘起され、回転子側に接続した励磁用コンバータに過大な電流が流れるため、クローバー(Crow-bar)と呼ばれる回転子回路をサイリスタで短絡する装置を設置する等の方法が用いられている。
ところで、系統事故時に、風力発電システムを系統から解列せずに、運転を継続しなければならないという規格が、欧州などで定められている。そのため、短時間の電圧低下時に風力発電システムが電力系統から解列せずに、事故後に発電運転を再開することで、電力系統に与える影響を小さくするような運用が求められてきている。
例えば、風力発電システムの電力系統で停電などの電圧低下が発生した際、交流励磁型発電機の回転子に発生する過大な電流を吸収し、回転子に接続されるコンバータを保護する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された風力発電システムは、系統電圧低下と励磁用コンバータ直流電圧上昇を検出して系統事故時過電流消費装置を動作させるようにしている。この風力発電システムでは、系統事故時過電流消費装置の交流入力を発電機回転子と励磁用コンバータの間に接続し、系統電圧低下と励磁用コンバータ直流電圧上昇を検出して、系統事故時過電流消費装置を動作させる。
特開2009−273281号公報
特許文献1に記載の系統事故時過電流消費装置は、直流電圧放電機能を持つ回路である。しかし、系統事故時過電流消費装置は、系統事故に対応する回路であって、系統事故時過電流消費装置を制御するための制御電源が喪失した場合には、半導体のスイッチング素子が制御不能となり、直流電圧を確実に放電することができない。直流電圧の放電が不十分であると感電の恐れがあるので、感電などを避けるためには、確実に放電する回路が必要である。
このように、発電システムに用いられる電力変換器において、電力変換器に異常が発生すると電力変換器に直流電圧が充電されたまま放電されないことがある。そのため、特許文献1に記載の系統事故時過電流消費装置とは別に、直流電圧を確実に放電する回路が求められている。
本発明は、上記の状況を考慮してなされたものであり、発電機と電力系統との間の電力変換器を制御するための制御電源が喪失した場合でも、発電機と電力系統との間の電力変換器において安全が確保されることを目的とする。
本発明の一態様の電力変換器は、発電機の回転子と接続され、該発電機から電力系統へ出力される電力を制御する回転子側コンバータと、回転子側コンバータの直流回路及び電力系統に接続された系統側コンバータとを備える。また、直流回路の直流電圧の放電を行う第1の直流電圧放電回路と、直流回路の直流電圧の放電を行う第2の直流電圧放電回路と、直流回路の直流電圧が上昇したときに第1の直流電圧放電回路に該直流電圧の放電を行わせる制御部と、を備える。第2の直流電圧放電回路は、一端が直流回路のプラス側に接続された第1の抵抗器と、一端が直流回路のマイナス側に接続された第2の抵抗器と、b接点を有する電磁接触器とから構成され、第1の抵抗器及び第2の抵抗器の他端が電磁接触器のb接点の一端に接続されるとともに、電磁接触器のb接点の他端が接地される。
少なくとも本発明の一態様によれば、電力変換器を制御するための制御電源が喪失した場合に、第2の直流電圧の放電回路の電磁接触器のb接点が閉状態となる。そのため、直流回路のプラス側から接地点まで及びプラス側から接地点まで導通し、直流回路のプラス側の直流電圧が第1の抵抗器を通じて放電され、直流回路のマイナス側がの直流電圧が第2の抵抗器を通じて放電される。それゆえ、単純な構造の第2の直流電圧放電回路を設けるだけで、電力変換器を制御するための制御電源が喪失した場合でも、発電機と電力系統との間の電力変換器において安全が確保される。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る電力変換器を適用した風力発電システムの回路構成を示す説明図である。 P側抵抗器の抵抗値とN側抵抗器の抵抗値の組み合わせ例を示す表である。 P側抵抗器の抵抗値とN側抵抗器の抵抗値との差分による検出電圧値の変化例を示すグラフである。 P側抵抗器とN側抵抗器の組み合わせ毎の測定結果を示す表である。 本発明の第2の実施の形態に係る電力変換器を適用した風力発電システムの回路構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.第1の実施の形態>
[風力発電システムの概要]
本発明の第1の実施の形態に係る電力変換器について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換器を適用した風力発電システムの回路構成(単線結線図)を示す。図1に示す風力発電システム1は、発電機に交流励磁型発電機を適用した例であるが、この例に限られないことは勿論である。
風力発電システム1は、送電線を介して電力系統10に接続される。風力発電システム1は主に、発電機120、翼121、電力変換器(励磁装置)3から構成される。
翼121は、発電機120の回転子に不図示のギアを介して機械的に接続される。
発電機120の回転子巻線は、回転子配線124を介して電力変換器3と電気的に接続される。また、発電機120の固定子は、固定子配線122を介して電力変換器3と電気的に接続される。そして、電力変換器3の固定子配線122は、遮断器123、系統配線104、遮断器102、システム配線101、及び系統連系用トランス4などを介して電力系統10に電気的に接続される。
[電力変換器の構成]
次に、電力変換器3の構成について説明する。
発電機120の固定子側の3相出力は、外部信号によって開閉可能な例えば遮断器123と、遮断器102と、系統連系用トランス4を介して電力系統10に接続される。システム配線101、固定子配線122、系統配線104、及び回転子配線124にはそれぞれ、電流センサ103,110,112,126が設置され、これらの電流センサは制御装置113に接続される。また、系統配線104と固定子配線122には、電圧センサ105,111が設置され、これらの電圧センサについても制御装置113に接続される。遮断器102の固定子側の回路は、系統配線104を介して、初充電回路106に接続される。そして、初充電回路106は、交流フィルタ回路114を介して、系統側コンバータ115(第1の電力変換器)に接続される。
系統側コンバータ115の交流出力端子に、リアクトルやコンデンサで構成された、高調波電流、高調波電圧を減衰させる交流フィルタ回路114が設置される。
初充電回路106は、例えばa接点の電磁接触器107及び抵抗器108と、a接点の電磁接触器109との並列接続により構成される。発電開始直後は、発電機120を励磁するための電力が電力変換器3のコンデンサ128に充電されていない。また、発電機120に発電をさせるためには、電力系統10側と発電機120側の電圧を同レベルに合わせる必要がある。そのため、電磁接触器107,109のオン/オフを制御し、電力変換器3に充電する。なお、抵抗器108は、大電流が流れることを防止するためのものである。
電力変換器3は、直流回路116を有しており、この直流回路116に系統側コンバータ115と、回転子側コンバータ127が接続されている。系統側コンバータ115は、3相出力の交流信号と直流信号の変換を行う。系統側コンバータ115の直流回路116は、回転子側コンバータ127の直流回路にも接続され、回転子側コンバータ127の交流出力側は、dV/dt抑制用のリアクトル125を介して、回転子配線124(発電機120の回転子巻線)に接続される。直流回路116には、例えば1.1kVの直流電圧が印加される。
直流回路116のプラス側であるP相130とマイナス側であるN相131との間に、電圧センサ118が接続される。電圧センサ118は、例えばP相130とN相131との間に抵抗器118aと抵抗器118bとが直列に接続され、その接続中点が接地されている。
また、直流回路116のP相130とN相131との間に、平滑用のコンデンサ128が接続される。
また、直流回路116のP相130とN相131との間に、系統事故時過電流消費装置119(第1の直流電圧放電回路)が接続される。系統事故時過電流消費装置119は、抵抗器119aと、半導体のスイッチング素子119b(サイリスタ,GTO,IGBT,MOS,Sicなど)を用いて構成されている。
半導体のスイッチング素子119bは高速に動作する。そのため、系統事故時過電流消費装置119は、系統事故などの異常発生時(直流電圧上昇時)に、瞬時にスイッチング素子119bをオンして電力変換器3の直流電圧の放電を行うことができる。これにより、系統事故時に、短時間で放電が行われ、風力発電システムを系統から解列せずに、運転を継続することができる。この系統事故時過電流消費装置119として、周知の回路(例えば特開2009−273281号公報に記載の系統故障対応装置)を適用できる。
また、直流回路116のP相130及びN相131に、直流電圧放電回路140(第2の直流電圧放電回路)が接続される。この直流電圧放電回路140は、P側抵抗器141(第1の抵抗器)と、N側抵抗器142(第2の抵抗器)と、2つのb接点を有する電磁接触器143とから構成される。b接点は、電磁接触器に制御電源が供給されているときは開状態であり、制御電源が喪失すると閉状態となる。a接点はその逆の動作である。P側抵抗器141の一端が直流回路116のP相130に接続され、N側抵抗器142の一端が直流回路116のN相131に接続される。そして、P側抵抗器141及びN側抵抗器142の他端が電磁接触器143のb接点の一端に接続されるとともに、電磁接触器143のb接点の他端が接地される。
電磁接触器143の動作速度は、数10ms〜100ms程度である。したがって、瞬時的な事故には対応しない。また、P側抵抗器141及びN側抵抗器142は、系統事故時過電流消費装置119の抵抗器119aの抵抗値よりも大きな抵抗値が選定されている。したがって、直流電圧放電回路140は、系統事故などの異常(直流電圧上昇)が比較的長い時間継続している時(例えば制御電源が喪失したとき)に、系統事故時過電流消費装置119よりも時間をかけて、電力変換器3の直流電圧の放電を行う。なお、P側抵抗器141及びN側抵抗器142の抵抗値の組み合わせの選定については、後に図2〜図4を用いて詳述する。
系統事故時過電流消費装置119及び直流電圧放電回路140は、電源装置6から電力の供給を受ける。電源装置6には、制御電源用トランス5によって電力系統10の電圧を低電圧に変換した電圧が供給される。
風力発電システム1は、発電機120と接続する不図示の風車制御装置を備える。風車制御装置は、風速検出や翼121の角度制御、発電電力指令値の作成や、運転/停止などの指令値の出力、無効電力指令値の作成などの運転指令信号を演算する。風車制御装置で作成された無効電力指令値や、発電電力指令値、運転/停止指令値、翼角度指令値などの各種運転信号は、電力変換器3の制御装置113等に伝送される。
電力変換器3の制御装置113は、制御部の一例であり、上記指令値に従うように電力変換器3が出力する電圧を調整し、発電機120と電力系統10との間の電力(発電電力、無効電力)を制御する。制御装置113は、例えばプロセッサとメモリを有するマイクロコンピュータにより構成される。
また、制御装置113は、系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127と接続しており、系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127の制御を行う。制御装置113には、電流センサ103,110,112、電圧センサ105,111が接続され、電力変換器3内の固定子配線122、系統配線104及び直流回路116の各部の電流及び電圧を監視し、系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127へ指令値を出力する。
系統側コンバータ115は、制御装置113により制御され、直流回路116の電圧が一定となるように動作する。
回転子側コンバータ127は、制御装置113により制御され、発電機120の回転数に応じて、固定子配線122に出力される出力電圧周波数が系統周波数と一致するように、回転子配線124へ電流を流す。
系統配線104もしくは回転子配線124から過電流が流れ込み、直流回路116の電圧が動作可能な範囲を超える場合、制御装置113は、系統事故時過電流消費装置119を動作させ放電を行うことで、電力変換器の保護を行う。
なお、制御装置113は、不図示の無停電電源装置の機能を備えた電源装置によりバックアップされており、系統電圧が低下した際には無停電電源装置に蓄積されている電力が供給される。また、系統事故時過電流消費装置119及び直流電圧放電回路140も、無停電電源装置によりバックアップされており、系統電圧が低下した際には無停電電源装置に蓄積されている電力が供給される。電源装置6が無停電電源装置の機能を有していてもよい。
遮断器102は、例えば、風力発電システム1を保護するため、電流過大が継続する時に接点部を開放して電流を遮断したり、風力発電システム1を完全停止させて電力系統10から電力変換器3を電気的に切り離したりするために使用される。
系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127は、例えば半導体のスイッチング素子(サイリスタ,GTO,IGBT,MOS,SiCなど)を用いて構成されており、交流を直流に変換又は直流を交流に変換する機能を備える。
次に、発電電力を制御するための配線および装置について説明する。
遮断器102の二次側の三相電圧および三相電流は、それぞれ電圧センサ105、電流センサ219aによりその値を低電圧の電圧検出信号、低電圧の電流検出信号に変換され、低電圧の電圧検出信号および電流検出信号は制御装置113に入力される。
系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127の直流回路116に接続されたコンデンサ128の電圧は、電圧センサにより低電圧の直流電圧信号に変換され、直流電圧信号は制御装置113に入力される。
また、回転子側コンバータ127の出力電流は電流センサ126により検出され、系統側コンバータ115の出力電流は電流センサ112により検出され、各電流検出値は制御装置113に伝送される。
また、制御装置113は、遮断器102,123をそれぞれ制御する。また、半導体のスイッチング素子で構成される系統側コンバータ115と回転子側コンバータ127のそれぞれを駆動制御するパルス信号を出力する。また、制御装置113は、系統事故時過電流消費装置119に動作指令を伝送する。
[過電流発生時の電力変換器の動作]
上述したとおり、電力系統で電圧低下や電圧の揺らぎ等が発生すると、発電機120は事故点に電流を供給しようと動作する。このとき、回転子巻線(回転子配線124)に過大な電流が誘起され、回転子側に接続した回転子側コンバータ127に過大な電流が流れる。
制御装置113は、電流センサ及び電圧センサの監視結果を元に、直流回路116に過電流が流れていることを検出すると、まず下記の(1)、もしくは(1)及び(2)の制御を行う。
(1)系統事故時過電流消費装置119を動作させて直流電圧の放電
(2)系統側コンバータ115及び回転子側コンバータ127の停止
そして、電源装置6の故障により、制御装置113や系統事故時過電流消費装置119、直流電圧放電回路140に供給されている制御電源が喪失した場合には、
(3)直流電圧放電回路140による直流電圧の放電
が行われる。
直流電圧放電回路140の制御電源が喪失した場合には、電磁接触器143の励磁が停止し、b接点が閉状態となる。そのため、直流回路116のP相130から接地点まで及びN相131から接地点まで導通し、直流回路116のP相130の直流電圧がP側抵抗器141を通じて放電され、直流回路116のN相131の直流電圧がN側抵抗器142を通じて放電される。
[直流回路の地絡等の検出]
電力変換器3では、直流回路116の地絡を、電圧センサ118と電流センサ126を用いて検出する。電圧センサ118は、電力変換器3の接地点G−P相130間と、接地点G−N相131間の電圧バランスを監視し、この電圧バランスが崩れることにより地絡や直流電圧の揺らぎを検出する。
電流センサ126は、回転子配線124もしくは系統配線104に零相電流を監視し、零相電流が流れることにより地絡や直流電圧の揺らぎを検出する。
ここで、電圧センサ118を用いた地絡検出についてさらに説明する。
P相とN相間に接続した抵抗器118aと抵抗器118bの抵抗値が同じであるとき、P相−N相間の電圧をVPN、P相−接地点G間の電圧をVPGとすると、地絡が発生していない電圧バランスがとれた状態のとき次式(1)の関係を満たす。逆に式(1)の関係を満たさない場合には、地絡が発生していると判定できる。
|VPN−2*VPG|≦しきい値 ・・・・(1)
従来のように抵抗器118aと抵抗器118bの抵抗値が等しい場合には、P相−N相間とP相−接地点G間に、通常時も地絡発生時も同じ直流電流の流れ方をする。そのため、少しずつ放電が行われ、地絡が検出されにくい。仮に、しきい値を小さくした場合には、直流電圧の放電中の揺らぎにより地絡と誤検出する。この対策として、従来は、直流電圧の放電中には、地絡検出を停止していた。
しかしながら、後述するように直流電圧放電回路140のP側抵抗器141とN側抵抗器142の抵抗値を異なる値とすることにより、揺らぎの影響を受けにくく、従来の地絡検出よりも小さいしきい値で地絡を検出することが可能である。また、直流電圧の放電中における地絡検出が可能となる。
本実施の形態では、直流電圧放電回路140のP側抵抗器141及びN側抵抗器142の保護は、電圧センサ118を使用した地絡検出によって行う。ここで、本実施の形態では、P側抵抗器141とN側抵抗器142の抵抗値を異なる値としている。P側抵抗器141及びN側抵抗器142の抵抗値を適切に選定することで、系統事故や直流電圧の揺らぎにより発生する過電流から、P側抵抗器141及びN側抵抗器142を的確に保護することができる。また、直流電圧放電回路140による直流回路116の直流電圧の放電時間を調整することができる。以下、系統事故の例として地絡検出の測定結果について説明する。
[P側抵抗器とN側抵抗器の抵抗値の差分を利用した地絡検出の測定結果]
図2は、P側抵抗器141の抵抗値とN側抵抗器142の抵抗値の組み合わせ例を示す表である。
本測定では、図2に示すように、P側抵抗器141の抵抗値を100Ωに固定し、複数のP側抵抗器141の抵抗値を組み合わせて測定を行った。
図3は、P側抵抗器141の抵抗値とN側抵抗器142の抵抗値との差分による検出電圧値の変化例を示すグラフである。図3の横軸は時間[s]、縦軸は検出電圧値(2*VPG)[V]である。
図4は、P側抵抗器141とN側抵抗器142の組み合わせ毎の測定結果を示す表である。検出電圧値(MAX)[V]は、2*VPGの最大値(飽和電圧値)である。また検出時間[s]は、検出電圧値が図3の地絡検出しきい値を超えるまでの時間である。
図3に示すように、N側抵抗器142の抵抗値が25Ω以上である場合に、検出電圧値(2*VPG)[V]が地絡検出しきい値を超えている。P側抵抗器141及びN側抵抗器142の抵抗値は、電力系統10に地絡が発生した場合に、|VPN−2*VPG|の値が所定のしきい値を超えるような値を選定することが望ましい。したがって、本測定結果では、P側抵抗器141が100[Ω]のときには、25Ω以上のN側抵抗器142を選定する。
また、地絡等の系統事故時に、風力発電システムを系統から解列せずに、運転を継続しなければならない時間が、例えば5秒である場合には、少なくともP側抵抗器141及びN側抵抗器142は過電流に5秒間耐えられるものが選定される。逆に、直流電圧の放電が完了するまでに5秒以上かかる場合には、抵抗器が損傷する可能性がある。したがって、放電完了までの時間、即ち検出電圧値が地絡検出しきい値に到達するまでの時間が、規格で定められた時間(例えば5秒)であることが望ましい。すなわち、P側抵抗器141及びN側抵抗器142の抵抗値は、電力系統10に地絡が発生した場合に、|VPN−2*VPG|の値が地絡検出しきい値を超える時間が、放電時間を考慮した所定の放電時間内となるような値であることが望ましい。したがって、本測定結果では、P側抵抗器141が100[Ω]のときには、25Ω以上のN側抵抗器142を選定する。
以上述べた本実施の形態では、第2の直流電圧放電回路140を、b接点の電磁接触器140と、P側抵抗器141及びN側抵抗器142で構成している。このような単純な構造の第2の直流電圧放電回路140を設けるだけで、電力変換器3を制御するための制御電源が喪失した場合でも、発電機120と電力系統10との間の電力変換器3が確実に放電され、安全が確保される。
また、電力変換器3の故障を防止するため、電圧センサ118による地絡検出により、第2の直流電圧放電回路140のP側抵抗器141及びN側抵抗器142を保護できるようにしている。
これにより、新たに第2の直流電圧放電回路140の誤動作を検出する保護回路を追加することなく、第2の直流電圧放電回路140のP側抵抗器141とN側抵抗器142の保護を行うことができる。
従来は、直流回路の電力を放電中には、主回路部分(固定子配線122、系統配線104及び直流回路116)又は直流回路116の地絡検出を停止する運用も行われていた。本実施の形態によれば、直流電圧放電回路140のP側抵抗器141とN側抵抗器142の抵抗値を異なる値とすることにより、揺らぎの影響を受けにくく、従来の地絡検出よりも小さいしきい値で地絡を検出することが可能である。また、揺らぎの影響を受けにくいことから、直流電圧の放電中における地絡検出が可能となる。
<2.第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換器について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換器を適用した風力発電システムの回路構成を示す説明図である。
図5に示す電力変換器3Aが第1の実施の形態に係る電力変換器3(図1参照)と異なるところは、直流電圧放電回路140(図1参照)に代えて、半導体のスイッチング素子を有する直流電圧放電回路150を設けた点である。直流電圧放電回路150は、図1の系統事故時過電流消費装置119と直流電圧放電回路140の機能を併せ持ったような回路である。図5について、図1と異なる箇所を中心に説明する。
図5に示すように、直流電圧放電回路150においては、直流回路116のP相130が、P側抵抗器151、半導体のスイッチング素子155、及びN側抵抗器152を介して、N相131に接続している。そして、P側抵抗器151とスイッチング素子155の接続中点と、スイッチング素子155とN側抵抗器152の接続中点がそれぞれ、電磁接触器153のb接点を介して接地される。
直流電圧放電回路150の動作を簡単に説明する。
まず、電磁接触器153に制御電源が供給されている場合を想定する。この場合には、地絡等の系統事故が発生すると、制御装置113はスイッチング素子155をオンし、P相130が、P側抵抗器151、半導体のスイッチング素子155、及びN側抵抗器152を介してN相131に導通し、瞬時に直流電圧が放電される。
一方、電磁接触器153に制御電源が喪失した場合には、スイッチング素子155がオフし、電磁接触器153のb接点が閉状態となる。そのため、直流回路116のP相130から接地点まで及びN相131から接地点まで導通し、直流回路116のP相130の直流電圧がP側抵抗器151を通じて放電され、直流回路116のN相131の直流電圧がN側抵抗器152を通じて放電される。
このように、直流回路116に直流電圧放電回路150を設けることにより、第1の実施の形態と同様に、比較的簡単な構造で第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、系統事故が発生したときに、まず制御装置113がスイッチング素子155をオンして瞬時に直流電圧の放電動作を行い、その後、制御装置113が電磁接触器153のb接点を閉状態としてもよい。このようにすることで、時間の経過に応じて放電の経路が切り替えられ、より確実に直流電圧の放電を行うことができる。
<3.変形例>
上述した第1及び第2の実施の形態では、電力変換器3を交流励磁型発電機(二次励磁型発電機)を用いた風力発電システム1に適用した例を示したが、永久磁石同期発電機を用いた発電システムに適用可能である。
さらに、本発明は上述した各実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1・・・風力発電システム、 3,3A・・・電力変換器、 4・・・系統連系用トランス、 5・・・制御電源用トランス、 6・・・電源装置、 10・・・電力系統、 101・・・システム配線、 102・・・遮断器、 103・・・電流センサ、 104・・・系統配線、 105・・・電圧センサ、 106・・・初充電回路、 107,109・・・電磁接触器、 108・・・抵抗器、 110・・・電流センサ、 111・・・電圧センサ、 112・・・電流センサ、 113・・・制御装置、 114・・・フィルタ回路、 115・・・系統側コンバータ(第2の電力変換器)、 116・・・直流回路、 118・・・電圧センサ、 118a,118b・・・抵抗器、 119・・・系統事故時過電流消費装置、 119a・・・抵抗器、 119b・・・スイッチング素子、 120・・・発電機、 121・・・翼、 122・・・固定子配線、 123・・・電磁接触器、 124・・・回転子配線、 125・・・リアクトル、 126・・・電流センサ、 127・・・回転子側コンバータ(第1の電力変換器)、 128・・・コンデンサ、 130・・・P相、 131・・・N相、 132・・・接地、 140・・・直流電圧放電回路(第1の直流電圧放電回路)、 141・・・P側抵抗器、 142・・・N側抵抗器、 143・・・電磁接触器、 150・・・直流電圧放電回路(第2の直流電圧放電回路)

Claims (5)

  1. 発電機の回転子と接続され、該発電機から電力系統へ出力される電力を制御する回転子側コンバータと、
    前記回転子側コンバータの直流回路及び前記電力系統に接続された系統側コンバータと、
    前記直流回路の直流電圧の放電を行う第1の直流電圧放電回路と、
    前記直流回路の直流電圧の放電を行う第2の直流電圧放電回路と、
    前記直流回路の直流電圧が上昇したときに前記第1の直流電圧放電回路に該直流電圧の放電を行わせる制御部と、を備え、
    前記第2の直流電圧放電回路は、一端が前記直流回路のプラス側に接続された第1の抵抗器と、一端が前記直流回路のマイナス側に接続された第2の抵抗器と、b接点を有する電磁接触器とから構成され、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の他端が前記電磁接触器のb接点の一端に接続されるとともに、前記電磁接触器のb接点の他端が接地される
    電力変換器。
  2. 前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の抵抗値が異なっている
    請求項1に記載の電力変換器。
  3. 前記直流回路のプラス側とマイナス側との間に、2つの抵抗器が直列に接続され、その接続中点が接地されている電圧センサ、を更に備え、
    前記制御部は、前記電圧センサで検出される前記プラス側とマイナス側間の電圧をVPN、プラス側と接地点間の電圧をVPGとしたとき、|VPN−2*VPG|の計算結果が所定のしきい値を超える場合には、前記電力系統に地絡が発生していると判定する
    請求項2に記載の電力変換器。
  4. 前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の抵抗値は、前記電力系統に地絡が発生した場合に、|VPN−2*VPG|の計算結果が前記所定のしきい値を超えるような値である
    請求項3に記載の電力変換器。
  5. 前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の抵抗値は、前記電力系統に地絡が発生した場合に、|VPN−2*VPG|の計算結果が前記所定のしきい値を超えるまでの時間が、所定の放電時間内となるような値である
    請求項4に記載の電力変換器。
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