JP6429774B2 - 糖タンパク質ホルモン長期作用性スーパーアゴニスト - Google Patents

糖タンパク質ホルモン長期作用性スーパーアゴニスト Download PDF

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Description

[0001]本発明は、一般的に、スーパーアゴニスト活性を有する修飾糖タンパク質ホルモン、および糖タンパク質ホルモン活性と関連する状態の治療におけるその使用に関する。より具体的には、本発明は、野生型アルファサブユニットに比較した際、アルファサブユニットにおいて、アミノ酸置換および1またはそれより多い挿入されたペプチドを含有する、修飾糖タンパク質分子であって、野生型糖タンパク質に比較した際、増進された薬理学的特性を示す、前記修飾分子を指す。
[0002]ゴナドトロピンであるフォリトロピン(卵胞刺激ホルモン、FSH)および絨毛性ゴナドトロピン(CG)、ルトロピン(黄体ホルモン、LH)、およびチロトロピン(甲状腺刺激ホルモン、TSH)は、糖タンパク質ホルモンファミリーを構成する。各ホルモンは、2つの非共有結合サブユニット:アルファおよびベータのヘテロ二量体である。同じ種内で、アルファサブユニットのアミノ酸配列は、すべてのホルモンにおいて同一であり、一方、ベータサブユニットの配列はホルモン特異的である(Pierce, Ann. Rev. Biochem. 50:465−495(1981))。サブユニットの配列が、魚類から哺乳動物まで非常に保存されているという事実は、これらのホルモンが、共通の祖先タンパク質から発展してきたことを暗示する(Fontaine, Gen. Comp. Endocrinol. 32:341−347(1977))。
[0003]修飾糖タンパク質ホルモンを用いた以前の研究は、有望なデータを明らかにしてきた。例えば、活性が増加した修飾糖タンパク質ホルモンを提供することに加えて、さらなる突然変異は、受容体アフィニティ結合の増加を示してきている(例えば、WO 2005/089445およびWO 2005/101000を参照されたい)。しかし、アフィニティが増加する一方、研究によって、修飾糖タンパク質ホルモンが野生型対応物よりも速くはないとしても同程度に迅速に一掃されることが立証された。活性が増進した臨床的に有用なスーパーアゴニストを生成するため、修飾糖タンパク質スーパーアゴニストは、改善された受容体結合アフィニティに加えて、改善された生物学的半減期を持たなければならない。しかし、糖タンパク質ホルモンをさらに修飾して、半減期を増加させ、そして生物学的利用能を増加させようとする以前の試みは、満足のいくものではなく、そしてその代わり、修飾糖タンパク質ホルモンは、減弱された反応しか示さなかった。
WO 2005/089445 WO 2005/101000
Pierce, Ann. Rev. Biochem. 50:465−495(1981) Fontaine, Gen. Comp. Endocrinol. 32:341−347(1977)
[0004]本発明は、糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのQ13、E14、P16またはQ20での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにD3およびQ5の間のVNVTINVT(配列番号20)の挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモンを提供する。
[0005]いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、Q13、P16およびQ20での少なくとも2つまたは少なくとも3つの塩基性アミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、E14での塩基性アミノ酸置換をさらに含む。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンである。
[0006]いくつかの態様において、アルファサブユニットは、配列番号11に少なくとも85%同一性を持つアミノ酸配列を含み、そして黄体ホルモン(LH)、絨毛性ゴナドトロピン(CG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)または甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む。いくつかの態様において、アルファサブユニットはヒトアルファサブユニット(配列番号6)に由来する。
[0007]本発明は、糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのK15、K17、K20またはK24での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモンを含む。
[0008]いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、K15、K17、K20およびK24での少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つの塩基性アミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、E18での塩基性アミノ酸置換をさらに含む。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンである。
[0009]いくつかの態様において、アルファサブユニットは、配列番号7に少なくとも85%同一性を持つアミノ酸配列を含み、そして黄体ホルモン(LH)、絨毛性ゴナドトロピン(CG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)または甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む。いくつかの態様において、アルファサブユニットはウシ、ブタ、またはヒツジアルファサブユニット(それぞれ、配列番号2、配列番号5、配列番号3)に由来する。
[0010]本発明は、糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのK15、E18、K20またはK24での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入、またはF6およびT7の間のNVの挿入に加えてT7およびT8の間のINVの挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモンを含む。
[0011]いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、K15、E18、K20およびK24での少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つの塩基性アミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンには、アルファサブユニットのF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入が含まれる。いくつかの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンには、アルファサブユニットのF6およびT7の間のNVの挿入に加えてT7およびT8の間のINVの挿入が含まれる。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンまたはヒスチジンである。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンである。
[0012]いくつかの態様において、アルファサブユニットは、配列番号4に少なくとも85%同一性を持つアミノ酸配列を含み、そして黄体ホルモン(LH)、絨毛性ゴナドトロピン(CG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)または甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む。いくつかの態様において、アルファサブユニットはウマアルファサブユニット(配列番号4)に由来する。
[0013]本発明はまた、上述の修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法も含む。本発明はまた、上述のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において***を刺激するための方法も含む。いくつかの態様において、動物は、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタまたはウマである。
[0014]図1は、一過性トランスフェクションによって産生される選択されたbFSH類似体でのCHO−FSHR細胞におけるcAMP刺激を示す。図1Aは、Folltropin(登録商標)−V(pFSH)、bFSH−WT(野生型)とbFSH−5R類似体の比較を示す。図1Bは、2つのN末端伸長(ANITV、NITV)および1つの内部ネオグリコシル化(V78N)によるhFSH−TR4402類似体(一過性4402)のin vitro生物活性の減弱を示す(SPA cAMPアッセイ)。図1Cは、bFSH−5R類似体と挿入物1(5R+挿入物1)および挿入物2(5R+挿入物2)の比較を示す。 [0014]図1は、一過性トランスフェクションによって産生される選択されたbFSH類似体でのCHO−FSHR細胞におけるcAMP刺激を示す。図1Aは、Folltropin(登録商標)−V(pFSH)、bFSH−WT(野生型)とbFSH−5R類似体の比較を示す。図1Bは、2つのN末端伸長(ANITV、NITV)および1つの内部ネオグリコシル化(V78N)によるhFSH−TR4402類似体(一過性4402)のin vitro生物活性の減弱を示す(SPA cAMPアッセイ)。図1Cは、bFSH−5R類似体と挿入物1(5R+挿入物1)および挿入物2(5R+挿入物2)の比較を示す。 [0015]図2Aおよび2Bは、マウスにおける単回皮下注射後の多様なbFSH類似体のPKスクリーニングアッセイを示す。各実験において、各調製に5匹のマウスを用いた。注射24時間後、32時間後および48時間後、血液試料を採取し、血漿レベルを推論し、そしてデータを注射用量の%(%ID)として表した。FSH ELISA(Endodrine Technologies)を用いて血漿試料中のFSHレベルをアッセイした。 [0016]図3A〜Dは、TR55601産生の異なるロットの分析を示す。図3Aは、IEF後、ウェスタンブロットを用いた、電荷不均一性分析を例示する。ロット3(レーン2および3)の準最適なシアル化は、ロット4(レーン5および6)において検出される最適な非常に酸性のアイソフォームとの明確な対照を示した。レーン1、IEF 3〜10マーカー;レーン2、TR55601/ロット3(8μg);レーン3、TR55601/ロット3(4μg);レーン4および8、TR4401(1μg);レーン5、TR55601/ロット4(8μg);レーン6、TR55601/ロット4(4μg);レーン8、IEF 3〜10マーカー。図3Bは、ノイラミニダーゼ(コレラ菌(Vibrio cholerae))、IEFおよびウェスタンブロットを用いた荷電アイソフォームの分析を例示する。未処理TR55601/ロット4試料(レーン2および3)および3〜10 IEFゲルに適用する前にノイラミニダーゼで処理したTR55601/ロット4試料(レーン4〜6)。レーン1、IEF 3〜10マーカー;レーン2、未処理TR55601/ロット4(8μg);レーン3、未処理TR55601/ロット4(4μg);レーン4、処理TR55601/ロット4(4μg);レーン5、処理TR55601/ロット4(2μg);レーン6、処理TR55601/ロット4(1μg)。ノイラミニダーゼで消化したアイソフォームのIEFプロファイルは、7.8から10.0のpI範囲にシフトした。pIの平均シフトは約5 pH単位であり、そして多数のバンド(10バンドに近い)が1つの主要なバンド(pI〜9.5)および3つの微量のバンド(pI 7.8〜10.0)に変換され、観察された電荷不均一性の大部分(図3A−ロット4)が、脱アミド化および/またはタンパク質分解的分解などの他の修飾の微量の構成要素とともに、末端シアル酸残基に依存することが示される。3Bに示す残った塩基性バンド(pI 4.8〜5.5)は非特異的であり、ノイラミニダーゼ調製に由来する。図3Cは、pI勾配ゲル中のIEF 3〜10(IEF 3〜10)後のウェスタンブロッティングによって、TR55601−ロット5の荷電アイソフォームの分析を示す。レーン1、IEF 3〜10マーカー;レーン2、TR55601−ロット5(4μg);レーン3、TR55601−ロット5(4μg);レーン4、TR55601−ロット4(4μg);レーン5、TR55601−ロット4(8μg);レーン6、TR55601−ロット3(4μg);レーン7、TR55601−ロット3(8μg)。図3Dは、TR55601、ロット4およびFol−Vに比較した、TR55601、ロット5のSDS−ウェスタンブロット分析を例示する。レーン1、タンパク質マーカー;レーン2:ロット4、500ng;レーン3:ロット5、1μl;レーン4:空レーン;レーン5:ロット4、4μg;レーン6:ロット5、15μl;レーン7:Fol−V、673ng;レーン8:タンパク質マーカー。 [0017]図4は、未成熟(22日齢)スプレーグ・ドーリー雌ラットにおける卵巣重量のhCG増大を伴う古典的Steelman−Pohleyバイオアッセイ由来の結果を示す。投薬72時間後に卵巣重量を測定した。データを2つの卵巣の平均総卵巣重量+SEM(群あたり用量あたりn=5)として提示する。ラットを、40IUのhCGを補った、試験物品またはビヒクルの1回の単回注射で刺激した。以下の投薬群を用いた:群1は、hCGのみを投与され(FSHなし)、群2〜5はTR55601、ロット4(左から右に、それぞれ、0.33μg、1.0μg、3.33μg、および10μg)を投与され、群6〜8は、Folltropin−V(登録商標)(左から右に、それぞれ、3,333μg、10,000μg、および30,000μg)を投与され、そして群9〜10はTR4401(1.0μgおよび3.33μg)を投与された。 [0018]図5は、過***、***の誘導および固定時間人工的***注入のための卵胞波同調プロトコルを示す。Folltropin−VR(Bioniche)の8回の注射をTR55601の単回または二重注射に置き換える。 [0019]図6は、単回I.M.注射によって投与される60μgのrFSHまたは4日間に渡って1日2回のI.M.注射で投与される300mgのFolltropin−V(対照)で治療された肉用牛における超刺激(superstimulation)治療中の卵胞(直径3〜5mm)の平均数を示す(3つの実験を併せたもの)。 [0020]図7は、単回I.M.注射によって投与される60μgのrFSHまたは4日間に渡って1日2回のI.M.注射で投与される300mgのFolltropin−V(対照)で治療された肉用牛における超刺激治療中の直径6〜8mmの卵胞の平均数を示す(3つの実験を併せたもの)。 [0021]図8は、単回I.M.注射によって投与される60μgのrFSHまたは4日間に渡って1日2回のI.M.注射で投与される300mgのFolltropin−V(対照)で治療された肉用牛における超刺激治療中の直径>9mmの卵胞の平均数を示す(3つの実験を併せたもの)。 [0022]図9は、単回I.M.注射によって投与される60μgのrFSHまたは4日間に渡って1日2回のI.M.注射で投与される300mgのFolltropin−V(対照)で治療された肉用牛における超刺激治療中の直径≧3mmのすべての卵胞の平均直径プロファイルを示す(3つの実験を併せたもの)。 [0023]図10Aは、ヒトアルファサブユニットにおける挿入物(A2)、アミノ末端バリンを含まない挿入物(挿入物2)、挿入物を含まない5アルギニン置換のみ(5R)および培地のみの対照に関するcAMP産生の比較を示す。図10Bは、試験した3つの構築物に関するEC50を示す。 [0024]図11Aは、配列番号1の挿入物を含むヒト修飾アルファサブユニットおよび挿入物を欠くウシ修飾アルファサブユニットに反応したcAMP産生の比較を示す。図11Bは、多様な挿入物を含みそして含まないヒト修飾アルファサブユニットおよびウシサブユニットに反応したcAMP産生の比較を示す。
[0025]本発明は、野生型対応物に比較した際、驚くほど増進された強度および増加した生物学的半減期を示す、修飾超活性糖タンパク質ホルモン分子を提供する。「修飾される」は、タンパク質が野生型糖タンパク質ホルモンと異なるアミノ酸配列を含有する一方、配列は別の種の既知の糖タンパク質ホルモン配列に同一ではないように変化していることを意味する。超活性は、強度および有効性を含む、多様なパラメータにしたがって評価可能である。強度(potency)は、最大半量反応を測定することによって決定される生物活性のパラメータである。強度の相違は、野生型糖タンパク質ホルモンのものに対するベースラインおよび最大の間の半分である類似体の糖タンパク質ホルモン反応の値(EC50)を比較することによって、決定される。糖タンパク質ホルモン反応を、精製タンパク質を用いてin vitroで測定してもよいし、または修飾タンパク質をコードする核酸を一過性にトランスフェクションした後、概算してもよい。糖タンパク質ホルモン反応はまた、in vivoでも、すなわち前記糖タンパク質ホルモン類似体に反応性である動物においても測定可能である。こうした反応は、受容体に対する糖タンパク質ホルモン結合の、任意の既知の細胞性または生物学的および定量的または定性的反応、例えばcAMP産生、プロゲステロンなどのタンパク質の合成、受精率、胚盤胞形成率、受精卵母細胞あたりの胚発生などを含む。有効性(Vmax)または最大反応は生物活性の別のパラメータである。本明細書で論じるように、生物活性のパラメータは、アッセイ細胞株における受容体数および受容体カップリングに応じて多様でありうる。より少ない受容体数または損なわれたカップリングを持つ系においては、Vmax(有効性)に関して相違はより認識されうる。受容体が過剰発現されている系においては、強度の相違はより可視化される。
[0026]例えば、修飾糖タンパク質ホルモンが、修飾FSHまたはCG分子である例において、in vivo定量的および定性的パラメータ、例えば卵母細胞の量、受精率、ならびに胚盤胞および胚形成率を、卵母細胞数に関する最大有効用量で測定してもよい。卵母細胞数に関する最大有効用量は、卵母細胞品質および量の両方に関する、超活性FSHの最適量である。卵母細胞数に関する最大有効用量は、動物の体重および代謝速度に応じる。例えば、代謝速度がより緩慢であるより大きい動物に関する最大有効用量は、より高い代謝速度を持つより小さい動物に関する最大有効用量よりも大きい。最大有効用量は、各動物に関して経験的に決定される。
[0027]しかし、本発明の修飾超活性糖タンパク質ホルモンタンパク質は、用いる系に関わらず、野生型対応物に比較して、強度の少なくとも約2〜10倍の増加、または強度の少なくとも約20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍もしくはさらに100倍の増加、あるいは野生型対応物に比較して、最大有効性の約2〜10%の増加、または少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくはさらに100%の増加を示すことも可能である。本発明の超活性類似体はまた、野生型FSHに比較した際、強度の約5〜10倍の増加、または最大有効性の5%〜10%の増加を提供することも可能である。本発明の修飾タンパク質のいくつかは、野生型に比較した際、強度の30〜50倍の増加または最大有効性の30%〜50%の増加を示すことも可能である。したがって、本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質は、受容体数が少ないかまたは受容体反応に欠損を有する被験体を治療するために有用である可能性もあり、これは、本発明の修飾タンパク質が、少ない受容体数または反応を有する系においてさえ、強度の少なくとも10倍の増加または最大有効性の10%の増加を維持しうるためである。
[0028]修飾超活性糖タンパク質ホルモンの吸収速度は、作用の期間増加を生じうる。吸収速度が減少し、そして作用期間が増加した修飾糖タンパク質ホルモン類似体は、低感受性被験体、例えば受胎障害を患う被験体にとって有益でありうる。吸収速度は、Kによって測定される。排出速度は、Kによって測定される。
[0029]本発明の修飾糖タンパク質ホルモン分子には、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネズミ、ラット、ウサギ、霊長類等からなる群より選択される種の修飾タンパク質が含まれる。魚類糖タンパク質ホルモン(GTH−1としてもまた知られる)を水産養殖において用いてもよく、すなわち絶滅が危惧される魚種または他の捕獲されている魚種の成長を補助するために用いてもよい。修飾糖タンパク質ホルモンの他の種を、農業育種において、そしてさらに多様な雄および雌糖タンパク質ホルモン関連状態に対する異なる併合突然変異の影響を試験するための実験室設定において、用いてもよい。
[0030]他の種の修飾糖タンパク質ホルモン分子は、本明細書に開示する修飾ヒト(例えば表1)、ウシ(表2を参照されたい)、ヒツジ、ウマおよびブタ糖タンパク質ホルモン分子におけるものに対応する位で置換を有し、こうした置換は、限定されるわけではないが、DNASIS、ALIONment、SIMおよびGCGプログラム、例えばGap、BestFit、FrameAlignおよびCompareを含む、任意の整列プログラムを用いて同定可能である。
[0031]本発明の修飾糖タンパク質ホルモン分子は、少なくとも1つの修飾アルファサブユニットを含み、ここでアルファサブユニットは、リジン残基などの少なくとも2つの塩基性アミノ酸を含む。ヒトアルファサブユニットにおいて、塩基性アミノ酸は、野生型ヒトアルファサブユニットの13、14、16および20位に導入されてもよい(配列番号6)。他の種において、塩基性アミノ酸は、野生型ウシアルファ(配列番号2)、野生型ブタアルファ(配列番号5)および野生型ヒツジアルファ(配列番号3)の15、17、20および24位、そして野生型ウマアルファ(配列番号4)の15、20および24位に対応する位に導入されてもよい。18位のグルタミン酸残基(ウシ、ブタ、ヒツジおよびウマ)もまた、塩基性アミノ酸で置換されてもよい。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸は、アルギニンまたはヒスチジンであってもよい。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンであってもよい。
[0032]配列NVTINV(配列番号1)またはTNVTINV(配列番号12)またはVNVTINVT(配列番号20)を持つペプチドを、ヒトアルファサブユニット(配列番号6)のアミノ酸D3およびQ5の間に、そしてウシ、ブタ、ヒツジおよびウマアルファサブユニットのF6およびT7の間に、挿入してもよい。あるいはウシ、ブタ、ヒツジまたはウマの修飾糖タンパク質ホルモンアルファサブユニットには、F6およびT7の間のNVの挿入に加えて、T7およびT8の間のINVの挿入が含まれることも可能である。本発明の修飾タンパク質はまた、さらなる置換、特にタンパク質の増進された特性を改変しない保存的置換を含有してもよい。しかし、典型的には、こうした修飾タンパク質は、上に列挙したもの以外の位では、5未満の置換しか含有せず、そして上に列挙した位以外の位においては、対応する野生型糖タンパク質ホルモンアルファと完全なアミノ酸配列同一性を示すことも可能である。
[0033]塩基性アミノ酸は、アミノ酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジン、ならびにこれらの3つのアミノ酸いずれかに対する修飾であってもよい任意の他の塩基性アミノ酸、天然には通常見られない合成塩基性アミノ酸、または中性pHで正に荷電する任意の他のアミノ酸を含む。塩基性アミノ酸は、とりわけ、リジンおよびアルギニンからなる群より選択される。
[0034]塩基性アミノ酸置換およびペプチド挿入物を有する例示的な修飾アルファ分子を配列番号11(ヒト)、配列番号7(ウシ)、配列番号8(ヒツジ)、配列番号10(ブタ)、および配列番号9(ウマ)に示す。本発明は、配列番号7〜11のいずれかと、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を持つアミノ酸配列を持つ修飾糖タンパク質を提供する。
[0035]本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質の修飾アルファサブユニットはまた、2、3、4または5の塩基性アミノ酸置換を含むアルファサブユニットを有することも可能である。置換アミノ酸は、リジン残基、グルタミン酸残基、プロリン残基またはグルタミン残基であってもよい。例えば、野生型ウシアルファサブユニットにおいて、15、17、20および24位のリジンの1またはそれより多く、ならびに18位のグルタミン酸が、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびヒスチジンで置換されていてもよい。野生型ヒトアルファサブユニットにおいて、13および20位の1またはそれより多くのグルタミン、ならびに14位のグルタミン酸および16位のプロリンが、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびヒスチジンで置換されていてもよい。野生型ブタアルファサブユニットにおいて、15、17、20および24位のリジンの1またはそれより多く、ならびに18位のグルタミン酸が、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびヒスチジンで置換されていてもよい。野生型ヒツジアルファサブユニットにおいて、15、17、20および24位のリジンの1またはそれより多く、ならびに18位のグルタミン酸が、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびヒスチジンで置換されていてもよい。野生型ウマアルファサブユニットにおいて、15、20および24位のリジンの1またはそれより多く、ならびに18位のグルタミン酸が、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびヒスチジンで置換されていてもよい。
[0036]例えば、さらなる修飾ウシアルファサブユニットが、配列番号13〜19および22に示すような配列中に提示される。本発明は、配列番号13〜19および22のいずれかと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を持つアミノ酸配列を持つ修飾糖タンパク質を提供する。
[0037]例えば、さらなる修飾ウマアルファサブユニットが、配列番号38〜42に示すような配列中に提示される。本発明は、配列番号43〜45のいずれかと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を持つアミノ酸配列を持つ修飾糖タンパク質を提供する。
[0038]さらなる修飾アルファサブユニットは、関心対象のアルファサブユニットのアミノ酸配列を他の種のものに比較して、他の種のタンパク質中の対応する塩基性残基を同定することによって、設計可能である。こうした方法は、その全体が本明細書に援用される、米国特許6,361,992に開示される。比較および置換のためにどの種を選択するべきかに関して、多様な種由来の糖タンパク質ホルモンの相対的生物学的活性に関してもまた、考慮してもよい。さらに、関連糖タンパク質ホルモンの構造に基づく相同性モデリングは、表面曝露アミノ酸残基を同定するために有用である。さらなるアミノ酸位を修飾するため、標準コンピュータソフトウェアプログラム、例えばDNASIS(日立ソフトウェアエンジニアリング)、または限定されるわけではないが、ALIONment、SIMおよびGCGプログラム、例えばGap、BestFit、FrameAlignおよびCompareを含む、上に列挙する任意の他の整列プログラムを用いて、ヒトおよび非ヒト由来の糖タンパク質ホルモン配列を整列させてもよい。次いで、上述の技術の1つを用いて、ヒトおよび非ヒト糖タンパク質ホルモン間で異なるアミノ酸残基を置換し、そして本明細書に言及するアッセイの1つを用いて、その強度に関して、生じた糖タンパク質ホルモンをアッセイしてもよい。
[0039]したがって、本発明はまた、本明細書に記載する修飾アルファサブユニットを含む、同じ種由来の野生型FSHよりも増加した強度を有する修飾FSHタンパク質も提供する。
[0040]本発明はまた、本明細書に記載する修飾アルファサブユニットを含む、同じ種由来の野生型LHよりも増加した強度を有する修飾LHタンパク質も提供する。
[0041]本発明はまた、本明細書に記載する修飾アルファサブユニットを含む、同じ種由来の野生型TSHよりも増加した強度を有する修飾TSHタンパク質も提供する。
[0042]本発明はまた、本明細書に記載する修飾アルファサブユニットを含む、同じ種由来の野生型CGよりも増加した強度を有する修飾CGタンパク質も提供する。
[0043]本発明はまた、スーパーアゴニストまたはアンタゴニスト活性のいずれかを有する、本明細書記載の類似体の断片も含む。例えば、本発明の修飾アルファ鎖の断片を、単独で、あるいは断片または全長ベータ鎖のいずれかと組み合わせて用いて、スーパーアゴニスト化合物を生成してもよい。いくつかの場合、本発明の修飾アルファサブユニット分子の断片をアンタゴニストとして用いて、例えば投与された後、糖タンパク質ホルモン療法剤の活性期間を限定してもよい。
[0044]本発明はまた、本明細書記載の修飾タンパク質ホルモンをコードする核酸配列も提供する。本発明はまた、保存的アミノ酸置換を持つポリペプチドをコードする核酸も提供する。本発明の核酸は、糖を輸送するポリペプチドをコードしてもよい。単離核酸は、上に同定する配列と、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有してもよい。単離核酸は、上に同定する寄託番号によってコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしてもよい。輸送因子をコードする、単離された核酸は、上に同定する核酸配列にハイブリダイズ可能である。
[0045]修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質をコードする核酸を、発現のため、発現調節配列に遺伝子融合させてもよい。適切な発現調節配列には、ターゲット宿主生物に適用可能なプロモーターが含まれる。こうしたプロモーターは、原核および真核生物由来の多様な宿主に関して、当業者に周知であり、そして文献に記載される。例えば、こうしたプロモーターを天然存在遺伝子から単離してもよいし、あるいはこうしたプロモーターは、合成またはキメラプロモーターであってもよい。
[0046]本発明はまた、ターゲット核酸分子内に修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質をコードする核酸を挿入するための発現カセット、例えばベクターも提供する。この目的のため、発現カセットは、5’および3’隣接領域に、特定の配列位からの除去および特定の配列位内への挿入を容易にするヌクレオチド配列、例えば制限酵素認識部位、または例えばレコンビナーゼによって触媒されるような相同組換えのためのターゲット配列とともに提供される。本発明の核酸分子または発現カセットに加えて、ベクターは、適切な宿主細胞において、そして適切な条件下で、前記ベクターの選択を可能にするマーカー遺伝子などのさらなる遺伝子を含有してもよい。一般的に、ベクターはまた、1またはそれより多い複製起点を含有する。ベクターはまた、本発明の輸送因子をコードする核酸を超えた長さの転写を制限するターミネーター配列も含んでもよい。
[0047]都合よくは、ベクター中に含有される核酸分子は、原核または真核細胞において、発現を可能にする、すなわち翻訳可能なRNAの転写および合成を確実にする、発現調節配列に、機能可能であるように連結されている。
[0048]用語「単離された」は、巨大分子の天然供給源中に存在する、他の細胞/組織構成要素(例えばDNAまたはRNA)から分離された分子を指す。用語「単離された」は、本明細書において、また、組換えDNA技術によって産生された際には細胞性物質、ウイルス物質、および培地を実質的に含まないか、あるいは化学的に合成された際には、化学的前駆体または他の化学薬品を実質的に含まない、核酸またはペプチドも指す。さらに、単離された核酸またはペプチドには、断片として天然には存在せず、そして天然状態では見出されないであろう核酸またはペプチド断片も含まれてもよい。
[0049]プラスミドは、ベクターの最も一般的に用いられる型であるため、用語「プラスミド」および「ベクター」は交換可能に用いられる。しかし、本発明は、同等の機能を提供し、そして続いて当該技術分野に知られるようになる、発現ベクターのこうした他の型も含むと意図される。ベクターは、異なる遺伝的環境間の輸送のため、または宿主細胞における発現のため、制限および連結によって、所望の配列を挿入可能な、多くの核酸のいずれであってもよい。ベクターは、典型的には、DNAで構成されるが、RNAベクターもまた利用可能である。ベクターには、限定されるわけではないが、プラスミドおよびファージミドが含まれる。クローニングベクターは、宿主細胞において複製可能なものであり、そして1またはそれより多いエンドヌクレアーゼ制限部位によってさらに特徴付けられ、こうした制限部位でベクターは決定可能な様式で切断され、そして新規組換えベクターが宿主細胞中で複製する能力を保持するように、該ベクターの中に、所望のDNA配列を連結することも可能である。プラスミドの場合、所望の配列の複製は、プラスミドが宿主細菌内のコピー数を増加させるにつれて何度も起こることも可能であるし、または有糸***によって宿主が複製する前に、宿主あたり1回だけ起こることも可能である。ファージの場合、複製は、溶菌期中に能動的に、または溶原期中に受動的に起こることも可能である。
[0050]ベクターはさらに、プロモーター配列を含有してもよい。プロモーターには、核酸転写を開始するための部位を含有する、コード領域の上流に通常位置する非翻訳核酸配列が含まれてもよい。プロモーター領域にはまた、遺伝子発現の制御因子として働く他の要素も含まれてもよい。本発明のさらなる態様において、発現ベクターは、発現ベクターが取り込まれている細胞の選択を補助する、さらなる領域を含有する。プロモーター配列には、しばしば、3’末端に転写開始因子が結合して(包括的に)おり、そして上流(5’方向)に伸長して、バックグラウンドを超えて検出可能なレベルで、転写を開始するのに必要な最小限の数の塩基または要素が含まれる。プロモーター配列内で、転写開始部位、ならびにRNAポリメラーゼの結合に関与するタンパク質結合ドメインが見出されるであろう。真核プロモーターは、常にではないがしばしば、TATAボックスおよびCATボックスを含有するであろう。プロモーターの活性化は、特定の細胞または組織に特異的である可能性もあり、例えばこれは特定の組織においてのみ発現される転写因子により、あるいはプロモーターは普遍的であり、そして大部分の細胞または組織において発現が可能であることも可能である。
[0051]ベクターは、該ベクターで形質転換またはトランスフェクションされている細胞の同定および選択において使用するために適した1またはそれより多くのマーカー配列をさらに含有してもよい。マーカーには、例えば、抗生物質または他の化合物に対する耐性または感受性のいずれかを増加させるかまたは減少させるタンパク質をコードする遺伝子、当該技術分野に知られる標準的アッセイによってその活性が検出可能である酵素(例えばβ−ガラクトシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)をコードする遺伝子、および形質転換またはトランスフェクション細胞、宿主、コロニーまたはプラークの表現型に目に見える影響を及ぼす遺伝子が含まれる。ベクターは、機能可能であるように連結されたDNAセグメント中に存在する構造遺伝子産物の自律性複製および発現を可能にするものであってもよい。発現ベクターは、制御配列に機能可能であるように連結されるかまたは機能可能であるように関連し、そしてmRNA転写物として発現されうるように、制限および連結によって、所望の核酸配列が挿入されてもよいものである。発現は、細胞における、内因性遺伝子、導入遺伝子またはコード領域の転写および/または翻訳を指す。
[0052]コード配列および制御配列は、これらが、制御配列の影響下または調節下で、コード配列の発現または転写が行われるような方式で、共有結合されている場合、機能可能なように連結されている。コード配列を、機能するタンパク質に翻訳することが望ましい場合には、5’制御配列中のプロモーターの誘導が、コード配列の転写を生じる場合、そして2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)フレームシフト突然変異の導入を生じないか、(2)プロモーター領域が、コード配列の転写を指示する能力に干渉しないか、または(3)対応するRNA転写物がタンパク質へと翻訳される能力に干渉しない場合、2つのDNA配列は、機能可能であるように連結されているという。したがって、プロモーター領域は、生じる転写物が所望のタンパク質またはポリペプチドへと翻訳可能であるように、そのDNA配列の転写を達成可能である場合、コード配列に機能可能であるように連結されているであろう。
[0053]本発明のいくつかの側面には、核酸の形質転換および/またはトランスフェクションが含まれる。形質転換は、原核細胞内部への外因性または異種核酸の導入である。トランスフェクションは、真核細胞内部への外因性または異種核酸の導入である。形質転換またはトランスフェクション核酸は、染色体DNA内に組み込まれて(共有結合されて)、細胞ゲノムを構成してもよいし、組み込まれなくてもよい。原核生物において、例えば、形質転換核酸は、プラスミドまたはウイルスベクターなどのエピソーム要素上に維持されてもよい。真核細胞に関しては、安定トランスフェクション細胞は、トランスフェクション核酸が、染色体複製を通じて娘細胞に遺伝するように、染色体内にトランスフェクション核酸が組み込まれるようになったものである。この安定性は、細胞株、またはトランスフェクションされた核酸を含有する娘細胞集団で構成されるクローンを、真核細胞が樹立する能力によって立証される。
[0054]核酸挿入物の発現に有用であることが一般の当業者に知られる、多くの大腸菌(Escherichia coli)発現ベクターがある。使用に適した他の微生物宿主には、バチルス、例えば枯草菌(Bacillus subtilis)、および他の腸内細菌科、例えばサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、および多様なシュードモナス属(Pseudomonas)種が含まれる。これらの原核宿主において、典型的には、宿主細胞と適合する発現調節配列(例えば複製起点)を含有するであろう発現ベクターを作製することも可能である。さらに、任意の数の多様な周知のプロモーター、例えばラクトースプロモーター系、トリプトファン(Trp)プロモーター系、ベータ−ラクタマーゼ・プロモーター系、またはファージ・ラムダ由来のプロモーター系が存在するであろう。プロモーターは、場合によってオペレーター配列とともに、典型的には発現を調節し、そして例えば転写および翻訳を開始し、そして完了するために、リボソーム結合部位配列を有するであろう。必要な場合、Metコドンを、5’に、そして下流核酸挿入物とインフレームで挿入することによって、アミノ末端メチオニンを提供してもよい。また、標準的オリゴヌクレオチド突然変異誘発法を用いて、核酸挿入物のカルボキシル末端伸長を除去してもよい。
[0055]さらに、酵母発現を用いてもよい。酵母発現系にはいくつかの利点がある。第一に、酵母分泌系で産生されるタンパク質は、正しいジスルフィド対形成を示すという証拠が存在する。第二に、酵母分泌系によって、翻訳後グリコシル化が効率的に行われる。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)プレプロアルファ因子リーダー配列(MF”−1遺伝子によってコードされる)は、酵母からのタンパク質分泌を指示するためにルーチンに用いられる(Brake, Proc. Nat. Acad. Sci., 81:4642−4646(1984))。プレプロアルファ因子のリーダー領域は、シグナルペプチド、およびKEX2遺伝子にコードされる酵母プロテアーゼの認識配列を含むプロセグメントを含有する:この酵素は、Lys−Argジペプチド切断シグナル配列のカルボキシル側で、前駆体タンパク質を切断する。FSHコード配列を、インフレームで、プレプロアルファ因子リーダー領域に融合させてもよい。次いで、この構築物を強い転写プロモーター、例えばアルコールデヒドロゲナーゼIプロモーターまたは解糖プロモーターの調節下に置く。核酸コード配列の後に、翻訳終結コドンが続き、その後に、転写終結シグナルが続く。あるいは、核酸コード配列を、第二のタンパク質コード配列、例えばSj26またはベータ−ガラクトシダーゼに融合させてもよく、こうしたタンパク質は、アフィニティクロマトグラフィによる融合タンパク質の精製を容易にするために使用可能である。融合タンパク質の構成要素を分離する、プロテアーゼ切断部位の挿入は、酵母における発現に用いられる構築物に適用可能である。効率的な翻訳後グリコシル化および組換えタンパク質の発現はまた、バキュロウイルス系においても達成可能である。
[0056]哺乳動物細胞は、フォールディングおよびシステイン対形成、複合糖質構造の付加、および活性タンパク質の分泌などの重要な翻訳後修飾を支持する環境において、タンパク質の発現を可能にする。哺乳動物細胞における活性タンパク質の発現に有用なベクターは、強いウイルスプロモーターおよびポリアデニル化シグナルの間にタンパク質コード配列を挿入することによって特徴付けられる。ベクターは、ハイグロマイシン耐性、ゲンタマイシン耐性、あるいは選択可能マーカーとして使用するのに適した他の遺伝子または表現型、あるいは遺伝子増幅のためのメトトレキセート耐性を与える遺伝子を含有してもよい。メトトレキセート耐性コードベクターを用いるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、または適切な選択マーカーを用いる他の細胞株に、キメラタンパク質コード配列を導入してもよい。形質転換細胞におけるベクターDNAの存在をサザンブロット分析によって確認してもよい。挿入物コード配列に対応するRNAの産生をノーザンブロット分析によって確認してもよい。損なわれていない(intact)ヒトタンパク質を分泌することが可能な、多くの他の適切な宿主細胞株が当該技術分野において開発されてきており、そしてこれには、CHO細胞株、HeLa細胞、骨髄腫細胞株、Jurkat細胞などが含まれる。これらの細胞用の発現ベクターには、発現調節配列、例えば複製起点、プロモーター、エンハンサー、および必要な情報をプロセシングする部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター配列が含まれてもよい。例示的な発現調節配列は、免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルスなどに由来するプロモーターである。関心対象の核酸セグメントを含有するベクターを、細胞宿主のタイプに応じて多様である、周知の方法によって、宿主細胞内にトランスファーしてもよい。例えば、塩化カルシウム形質転換は、原核細胞のために一般的に利用され、一方、リン酸カルシウム、DEAEデキストラン、またはリポフェクチン仲介性トランスフェクションまたはエレクトロポレーションは、他の細胞宿主のために使用可能である。
[0057]哺乳動物細胞における遺伝子発現のための別のベクター、ヒト・ガンマ−インターフェロン、組織プラスミノーゲン活性化因子、凝固因子VIII、B型肝炎ウイルス表面抗原、プロテアーゼNexinl、および好酸球主要塩基性タンパク質の発現のために開発されたものと同様のものを使用してもよい。さらに、ベクターには、哺乳動物細胞(例えばCOS−7)において挿入された核酸の発現のために利用可能な、CMVプロモーター配列およびポリアデニル化シグナルが含まれていてもよい。
[0058]遺伝子またはハイブリッド遺伝子の発現は、in vivoまたはin vitroのいずれによってもよい。in vivo合成は、ベクターの宿主細胞として働きうる原核または真核細胞を形質転換する工程を含む。あるいは、遺伝子の発現は、in vitro発現系で生じてもよい。例えば、in vitro転写系は、商業的に入手可能であり、これをルーチンに用いて、比較的多量のmRNAを合成する。こうしたin vitro転写系において、糖タンパク質ホルモンをコードする核酸を、転写プロモーターに隣接して、発現ベクター内にクローニングする。例えば、Bluescript IIクローニングおよび発現ベクターは、強い原核転写プロモーターが隣接する、多数のクローニング部位を含有する(Stratagene)。DNAテンプレートからRNAをin vitro合成するために必要な試薬をすべて含有するキット、例えばBluescriptベクター(Stratagene)が入手可能である。このような系によってin vitroで産生されたRNAを、次いで、in vitroで翻訳して、望ましい糖タンパク質ホルモン(Stratagene)を産生してもよい。
[0059]糖タンパク質ホルモンを産生する別の方法は、タンパク質化学技術によって、2つのペプチドまたはポリペプチドを連結することである。例えば、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)またはBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)化学反応(Applied Biosystems)のいずれかを用いて、現在利用可能な実験室装置を用い、ペプチドまたはポリペプチドを化学的に合成することも可能である。当業者は、ハイブリッド糖タンパク質ホルモンに対応するペプチドまたはポリペプチドを、標準的化学反応によって合成可能であることを容易に認識しうる。例えば、ペプチドまたはポリペプチドを合成して、そして合成樹脂から切断しなくてもよく、一方、ハイブリッドペプチドのもう一方の断片を合成し、そして続いて樹脂から切断し、それによって、もう一方の断片上に官能的にブロッキングされる末端基を曝露してもよい。ペプチド縮合反応によって、これらの2つの断片を、それぞれそのカルボキシル末端およびアミノ末端で、ペプチド結合を通じて、共有結合させて、ハイブリッドペプチドを形成してもよい(Grant, Synthetic Peptides: A User Guide, W.H. Freeman (1992) and Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer−Verlag(1993))。あるいは、ペプチドまたはポリペプチドを、上述のように、in vivoで独立に合成してもよい。ひとたび単離されたら、類似のペプチド縮合反応を通じて、これらの独立のペプチドまたはポリペプチドを連結して、糖タンパク質ホルモンを形成してもよい。例えば、クローニングまたは合成ペプチドセグメントの酵素的または化学的連結は、比較的短いペプチド断片が連結されて、より長いペプチド断片、ポリペプチドまたは全タンパク質ドメインが産生されることを可能にする(Abrahmsen, Biochemistry, 30:4151(1991); Dawson, Science, 266:776−779(1994))。
[0060]本発明の修飾糖タンパク質ホルモンは、ポリペプチド断片を産生することが可能な発現系において、ポリペプチドをコードする核酸をクローニングすることによって得られる、組換えタンパク質であってもよい。例えば、ベータサブユニットと一緒に、糖タンパク質ホルモン受容体と相互作用し、そして糖タンパク質ホルモンと関連して生物学的効果を引き起こすことが可能な、修飾アルファサブユニットの活性ドメインを決定することも可能である。1つの例において、糖タンパク質ホルモンの活性または結合特異性またはアフィニティのいずれにも寄与しないことが見出されたアミノ酸は、それぞれの活性の喪失を伴うことなく欠失させることも可能である。
[0061]例えば、アミノまたはカルボキシル末端アミノ酸を、天然または修飾糖タンパク質ホルモンのいずれかから連続して除去して、そして上述の多くの利用可能なアッセイの1つにおいて、それぞれの活性を試験することも可能である。別の例において、本発明の修飾タンパク質では、アミノ末端またはカルボキシル末端アミノ酸のいずれかの部分、あるいはさらにホルモンの内部領域が、修飾糖タンパク質ホルモンの精製を容易にしうるポリペプチド断片または他の部分、例えばビオチンで置換されていてもよい。例えば、ペプチド化学反応を行うか、またはコード領域の発現がハイブリッドポリペプチドを生じるような、2つのポリペプチド断片をコードするそれぞれの核酸を発現ベクター内にクローニングするか、いずれかを通じて、修飾糖タンパク質を、マルトース結合タンパク質に融合させてもよい。アミロースアフィニティカラム上を通過させることによって、ハイブリッドポリペプチドをアフィニティ精製してもよく、そして次いで、特異的プロテアーゼ因子Xaでハイブリッドポリペプチドを切断することによって、修飾糖タンパク質をマルトース結合領域から分離してもよい。
[0062]また、本発明の修飾糖タンパク質ホルモン分子の活性断片を直接合成してもよいし、あるいはより大きい糖タンパク質ホルモンの化学的または機械的破壊によって得ることも可能である。活性断片は、天然存在アミノ酸配列由来の少なくとも約5つの連続アミノ酸のアミノ酸配列であって、適切な活性、例えば結合または制御活性を有する前記アミノ酸配列と定義される。他の配列に付着していてもまたはいなくても、断片にはまた、修飾糖タンパク質ホルモンに比較して、ペプチドの活性が有意に改変されるか損なわれない限り、特定の領域または特定のアミノ酸残基の、挿入、欠失、置換、または他の選択された修飾が含まれていてもよい。これらの修飾は、いくつかのさらなる特性を提供してもよく、例えばジスルフィド結合が可能なアミノ酸を除去/付加する、生物学的寿命を増加させるなどが可能である。いかなる場合においても、ペプチドは、生物活性特性、例えば結合活性、結合ドメインでの結合の制御等を所持しなければならない。ホルモンの特異的領域の突然変異誘発の後、発現させ、そして発現されたポリペプチドを試験することによって、糖タンパク質ホルモンの機能的領域または活性領域を同定することも可能である。
[0063]本発明はまた、例えば、FSH糖タンパク質への融合を含む、本明細書記載の突然変異を含む、融合タンパク質およびキメラタンパク質も含む。当該技術分野に知られる方法によって、適切なコードフレームで、所望のアミノ酸配列をコードする適切な核酸配列を、互いに連結し、そして上述の任意の手段によって、融合タンパク質を発現させることによって、こうした融合タンパク質を作製することも可能である。あるいは、例えばペプチド合成装置を用いて、タンパク質合成技術によって、こうした融合タンパク質を作製してもよい。本発明の一本鎖類似体およびキメラタンパク質は、アルファおよびベータサブユニット間に、またはキメラタンパク質の異なる部分間に、ペプチドリンカーを取り込んでもよい。
糖タンパク質ホルモンスーパーアゴニストの特徴付け
[0064]本明細書記載の野生型糖タンパク質ホルモンに対する単数または複数の修飾の影響は、任意のいくつかの方法で確認可能である。例えば、修飾糖タンパク質ホルモンをコードする核酸でトランスフェクションされた細胞内での二次メッセンジャー系に対する変化を測定して、そしてこれを野生型糖タンパク質ホルモンをコードする核酸でトランスフェクションされた類似の細胞に比較してもよい。あるいは、修飾糖タンパク質ホルモンの活性を受容体結合アッセイから、チミジン取り込みアッセイから、プロゲステロン産生アッセイから、またはT4分泌アッセイから決定してもよい。当業者は、野生型または修飾糖タンパク質ホルモンのいずれかの活性を決定するために使用するのに適した任意のアッセイを容易に決定可能である。
[0065]本発明の1つの態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、野生型糖タンパク質ホルモンの強度より増加した強度を有する。上述の技術のいずれかによって、または当業者に容易に決定されるような任意の他の適切なアッセイによって、この増加した強度を評価してもよい。増加した強度は、アッセイ間、または細胞株間で一貫している必要はなく、これはこれらがもちろん、多様であろうためである。
[0066]本発明の別の態様において、修飾糖タンパク質ホルモンは、野生型糖タンパク質ホルモンの最大有効性よりも増加した最大有効性を有する。上述の技術のいずれかによって、または当業者に容易に決定されるような任意の他の適切なアッセイによって、この増加した最大有効性を評価してもよい。増加した最大有効性は、アッセイ間、または細胞株間で一貫している必要はなく、これはこれらがもちろん、多様であろうためである。
[0067]本明細書記載の類似体を特徴付けるために適した他のアッセイが、本明細書にその全体が援用されるPCT/US99/05908に記載される。例えば、限定されるわけではないが、ラジオイムノアッセイ、ELISA、等電点電気泳動(IEF)アッセイ、サンドイッチイムノアッセイ、免疫放射線測定アッセイ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、in situイムノアッセイ、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集反応、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイ等などの技術を用いた、競合的および非競合的アッセイ系を含む、多様なイムノアッセイを用いてもよい。
[0068]例えば、ベータサブユニットがFSHのものである場合に、in vitroおよびin vivoアッセイによって、卵母細胞の品質および量の改善を評価することも可能である。超活性FSHを用いて、限定されるわけではないが、ヒト、マウス、ラット、霊長類、ウサギ、ブタ、ウマ、ヒツジ、およびイヌを含む動物由来の卵母細胞の品質および量を改善することも可能である。好ましくは、超活性FSHをヒトまたは任意の動物に投与する。卵母細胞形成、卵母細胞受精、および胚盤胞形成などのin vitro受精プロセスの異なる終点を用いて、卵母細胞量および品質の改善を決定することが一般的である。in vitro受精実験は、「過***プロトコル」にしたがうことも可能であり、該プロトコルにおいて、被験体を本発明記載の超活性FSH類似体で治療し、これによって多数の卵母細胞の放出および成熟が導かれる。in vitro受精実験において、FSH(超活性FSHおよび組換え野生型FSH)をhCGとともに投与して、***を誘発してもよい。hCGまたは妊娠雌馬血清ゴナドトロピン(PMSG)のみを投与される対照動物を用いてもよい。動物において、卵母細胞の受精率を増加させることによって、卵母細胞の品質を改善することも可能である。超活性FSHで達成された受精率を、同じ量の組換え野生型FSHで達成された受精率に比較することによって、in vivoまたはin vitroで、超活性卵胞刺激ホルモンの受精率を決定することも可能である。hCGを投与される対照動物もまた用いてもよい。卵母細胞総数あたりに発生する2細胞胚の割合によって、受精率を測定してもよい。受精がin vitroで行われる場合、2細胞胚を受精プレート中で計数してもよい。マウスにおいて、2細胞胚は、受精のおよそ24時間後に発生する。受精率は、投与した超活性FSHの量に基づいて多様である。動物は、多数の用量の超活性FSHを投与されてもよい。受精率は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性FSHの投与の結果として、少なくとも約10パーセント増加する。受精率は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性FSHの投与の結果として、少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加することも可能である。超活性卵胞刺激ホルモンは、受精卵母細胞あたりの胚盤胞形成率を改善することによって、卵母細胞の品質を改善することも可能である。胚盤胞を形成する2細胞胚の割合を決定することによって、胚盤胞形成率を測定することも可能である。胚盤胞形成率は、胚盤胞がin vivoまたはin vitroのいずれで形成されても増加する。胚盤胞形成率は、投与した超活性卵胞刺激ホルモンの量に応じる。胚盤胞形成率は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性卵胞刺激ホルモンの投与の結果として、少なくとも約10パーセント増加する。胚盤胞形成率は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性FSHの投与の結果として、少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加することも可能である。
[0069]超活性卵胞刺激ホルモンは、受精卵母細胞あたりの胚総数を増加させることによって、卵母細胞の品質を改善することも可能である。受精卵母細胞あたりの胚総数は、受精がin vivoまたはin vitroのいずれで行われても増加する。受精卵母細胞あたりの胚総数の増加は、投与した超活性卵胞刺激ホルモンの量に応じる。受精卵母細胞あたりの胚総数は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性卵胞刺激ホルモンの投与の結果として、少なくとも約10パーセント増加する。受精卵母細胞あたりの胚総数は、卵母細胞数に関して、最大有効用量で、超活性FSHの投与の結果として、少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加することも可能である。
[0070]例えば、ベータサブユニットがCGのものである場合に、in vitroおよびin vivoバイオアッセイによって、強力な黄体ホルモン(LH)様活性を評価することも可能である。超活性CGは、***を誘導し、黄体の寿命を延長させ、プロゲステロン合成を増加させ、そして特定の種において、付属黄体(accessory corpora lutea)の形成を促進する。こうした作用は、より有効な卵母細胞収集、特定の種における卵母細胞品質の増加、妊娠および妊娠維持率の増加を生じる。
増加した血清半減期を持つ糖タンパク質ホルモン類似体
[0071]本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質はまた、野生型対応物に比較した際、血漿半減期が増加するようにさらに修飾されていることも可能である。本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質は、N−グリコシル化および/またはO−グリコシル化部位を含む配列を含む、潜在的なグリコシル化部位をさらに含んでもよい。例えば、アルファサブユニットにペプチドNVTINV(配列番号1)またはVNVTINVT(配列番号20)を配置すると、アルファサブユニットの潜在的なグリコシル化部位が提供される。配列番号20または配列番号1のペプチドを、ヒト野生型配列において、D3およびQ5の間に配置してもよい。配列番号20または配列番号1のペプチドを、ウシ、ウマ、ブタおよびヒツジ野生型配列において、F6およびT7の間に配置してもよい。挿入されるペプチドは、アミノ末端にさらなるスレオニン残基をさらに含んでもよい。グリコシル化を改変するために挿入されるべきさらなるペプチドには、NV、INV、およびTNVペプチド、ならびにTNVTINV(配列番号12)が含まれる。例えば、糖ホルモンの修飾アルファサブユニットには、F6およびT7の間のNVの挿入に加えて、T7およびT8の間のINVの挿入が含まれてもよい。また、PEG化または他の適切な化学基のコンジュゲート化によって、あるいは増加した半減期を有する融合タンパク質を構築するかまたは任意の他の方法によっても、増加した半減期が提供されうる。こうした方法は当該技術分野に知られ、例えば、米国特許5,612,034、米国特許6,225,449、および米国特許6,555,660に記載される通りであり、これらの特許は各々、その全体が本明細書に援用される。
[0072]分子内の負に荷電した残基数、例えばグルタミン酸および/またはアスパラギン酸残基数を増加させることによってもまた、半減期を増加させることが可能である。こうした改変は、部位特異的突然変異誘発によって達成可能である。こうした改変はまた、修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質内に1またはそれより多い負に荷電した残基を含有するアミノ酸配列を挿入することを通じてもまた達成可能である。
[0073]タンパク質の半減期は、タンパク質安定性の測定値であり、そしてタンパク質濃度の1/2の減少に必要な時間を示す。長期に渡って被験体由来の試料中のホルモンレベルを測定するのに適した任意の方法によって、例えば、限定されるわけではないが、抗体を用いて、修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質の投与後の期間に渡って採取される血清試料中のレベルを測定する、イムノアッセイによって、または標識糖タンパク質ホルモンの投与後に被験体から採取される試料中の標識ホルモン分子、すなわち放射標識分子の検出によって、本明細書記載の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質の血清半減期を決定してもよい。
治療法
[0074]本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質を用いて、糖タンパク質ホルモン活性に関連する任意の状態を治療することも可能である。本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質を用いて、治療が必要な被験体を治療することも可能である。被験体は、動物、例えば哺乳動物、爬虫類、魚類、鳥類および両生類であってもよい。被験体は、哺乳動物、例えばヒト、ウシ、ヒツジ、ブタまたはウマであってもよい。動物には、家畜および家庭飼育ペット、例えばイヌおよびネコが含まれる。被験体は、糖タンパク質ホルモン活性の改善が必要な、ヒト患者または動物であってもよい。糖タンパク質ホルモン活性に関連する状態は、改変された糖タンパク質ホルモン反応性によって完全にまたは部分的にのいずれかで引き起こされるもの、あるいは糖タンパク質ホルモンの投与から利益を受けるものである。例えば、こうした状態には、限定されるわけではないが、***機能不全、黄体期欠損、未解明の不妊、男性要因不妊、時間限定受胎、低FSH受容体発現、低FSH受容体感受性、FSH受容体結合不全、FSH受容体カップリング不全、低テストステロン産生、男性型脱毛症、および下垂体不全または傷害が含まれる。
[0075]例えば、動物に、本明細書に記載するような超活性FSH類似体を投与することによって、卵母細胞の量および品質を改善することも可能である。例えば、出願者らは、驚くべきことに、修飾アルファサブユニットを含有する超活性FSHを投与することによって、卵母細胞量および品質に劇的な増加が得られることを見出した。卵母細胞量および品質に対する超活性FSHの効果は、超活性FSHのFSH血清半減期を増加させることによって、さらに増進可能である。超活性FSHをさらに修飾することによって、FSH血清半減期を増加させることも可能である。限定されるわけではないが、先に記載するものを含むさらなる修飾を用いて、FSH血清半減期を増加させることも可能である。
[0076]本発明の修飾FSH、CG、LH、またはTSH糖タンパク質ホルモンタンパク質はまた、男性または女性被験体のいずれかにおいて、補助生殖医療の療法措置(therapeutic bregimen)において用いてもよく、該措置は、被験体に修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質の補助量を投与する工程を含む。こうした方法において、類似体を、単独で、または例えば限定されるわけではないが、クエン酸クロミフェンおよびGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)を含む他の療法剤と組み合わせて投与してもよい。本発明の修飾糖タンパク質ホルモンタンパク質を、1またはそれより多い糖タンパク質の組み合わせとして投与してもよい。例えば、修飾アルファサブユニットをFSHベータサブユニット、CGベータサブユニット、TSHベータサブユニット、および/またはLHベータサブユニットと、一緒に、または別個に、組み合わせてもよく、そして次いで、修飾糖タンパク質を被験体に投与する。例えば、孤立性ゴナドトロピン不全(IGD)を持つ被験体において、修飾FSH、CG、TSH、およびLHを被験体に投与して、正常性腺機能を回復することも可能である。当該技術分野において、糖タンパク質ホルモン、例えばFSH、CG、TSH、LHは、女性生殖生理において不可欠であり、そしてこれらの糖タンパク質ホルモンを被験体に投与して、多くの生殖障害を克服し、そしてそれによって生殖を補助することも可能である。
[0077]単回および多数回注射投薬措置を、修飾ウマCG糖タンパク質に関して試験する。ウマ、ウシ、またはブタにおけるeCG類似体を用いた超刺激のため、単回または2:1スプリットeCG類似体注射を用いる。eCG類似体のための用量範囲決定研究には、30、45、60、75、90、105および120mcgの単回im.注射が含まれる。最適用量を2:1比で試験して、そして場合による第二のスプリット用量は、第6日または別の日付のPEG2アルファ治療と同時に行われるであろう。修飾eCGでの治療は、ウマ、ウシ、およびブタにおいて、過***を生じる。
[0078]当業者は、投与すべき糖タンパク質ホルモンの有効量を容易に決定可能であり、そしてこれは、体重、大きさ、特定の状態の重症度および被験体自身のタイプなどの要因に応じるであろう。療法的有効量は、ルーチンの最適化法によって容易に決定可能である。本発明は、野生型糖タンパク質ホルモンに比較して増加した強度を持つ糖タンパク質ホルモンを提供する。これらの修飾糖タンパク質ホルモンは、当業者が、野生型糖タンパク質ホルモンに比較して、より少ない用量の修飾糖タンパク質ホルモンを投与して、類似の療法的効果を達成することを可能にするか、あるいは、野生型糖タンパク質ホルモンの用量と類似の用量の修飾糖タンパク質ホルモンを投与して、増加した療法効果を達成することを可能にするであろう。
[0079]糖タンパク質ホルモンを経口、非経口、または別の方式で投与するかに応じて、プロスタグランジンの投与は、固形、半固形、または液体投薬型であってもよく、例えば錠剤、丸剤、カプセル、粉末、液体、クリーム、および懸濁物等であってもよく、好ましくは、正確な投薬量の送達に適した単位投薬型である。糖タンパク質ホルモンには、薬学的に許容されうるキャリアーと組み合わせた、有効量の選択された糖タンパク質ホルモンが含まれてもよく、そしてさらに、他の薬剤、薬学的剤、キャリアー、アジュバント、希釈剤等も含まれてもよい。「薬学的に許容されうる」によって、生物学的にまたは別の意味で望ましくないものではない物質を意味し、すなわち物質は、許容しえない生物学的影響を引き起こすか、または糖タンパク質ホルモンと許容しえない方式で相互作用することなく、選択された糖タンパク質ホルモンと一緒に個体に投与可能である。こうした投薬型を調製する実際の方法が知られているか、または当業者には明らかになるであろう;例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences、最新版(Mack Publishing)を参照されたい。
[0100]本発明を説明し、そして例示するため、以下の実施例を提供する。こうしたものとして、これらは、本発明の範囲を限定すると見なされてはならない。当業者は、多くの他の態様もまた、上記に、そして請求項に記載されるため、本発明の範囲内に属することを認識するであろう。
アルファサブユニット類似体の設計
[0101]野生型β−サブユニットを伴う、Q13R+E14R+P16R+Q20Rでα−サブユニットに修飾を含む、ヒトFSHスーパーアゴニスト糖タンパク質(ヒト4R)は、その野生型対応物に勝る有意な結合優位性を示した。
[0102]表1は、ヒトアルファ野生型(WT)および選択されたhFSHスーパーアゴニスト一次アミノ酸構造の比較を示す。ヒトアルファ野生型および突然変異型のN末端部分(92総残基のアミノ酸残基1〜28)を示す。アルギニン(R)への4つのスーパーアゴニスト置換の位置は、影の領域に示される。1または2のさらなるN連結炭水化物鎖を導入する選択された4つの異なる挿入物は、野生型配列のアミノ酸D3およびQ5の間に示される。
[0103]表1.
[0104]表1中のセグメントは以下のように列挙される:配列番号43: hFSH WT;配列番号33、hFSHアルファ(4R);配列番号34、hFSHアルファ(4R+Ins1);配列番号35、hFSHアルファ(4R+Ins2);配列番号36、hFSHアルファ(4R+Ins3);配列番号37、hFSHアルファ(4R+Ins4)。
[0105]いくつかの態様におけるウシFSH(bFSH)置換は、ヒトFSHアルファサブユニットにおいて先に突然変異誘発された残基に非常に類似であり、そしてこれには「5R」と称される5つの突然変異の組み合わせ(K15R+K17R+E18R+K20R+K24R)が含まれる。例えば、配列番号7。導入されたグリコシル化認識配列(NXTまたはNXS)が、N連結炭水化物鎖の付着を導く可能性を増加させるため、18の異なるウシアルファサブユニット構築物を確立し、そして先に開発された発現ベクター内にクローニングした。12の構築物は、N末端伸長ペプチド配列、ANITV、ANTTA、ANTSA、ANITVNITY、ANTSANTTAおよびANTSANTSAを含有した。
[0106]表2は、ウシアルファ野生型(WT)および選択されたhFSHスーパーアゴニスト一次アミノ酸構造の比較を示す。ウシアルファ野生型および突然変異ウシアルファのN末端部分(96総残基のアミノ酸残基1〜32)を示す。アルギニン(R)またはリジン(K)への5つのスーパーアゴニスト置換の位置は、アミノ酸C14およびP25の間の影の領域に示され、5Rまたは4R+1Kとコードされる。1または2のさらなるN連結炭水化物鎖を導入する選択された4つの異なる挿入物は、野生型配列のアミノ酸F6およびT8の間に示される。
[0107]表2中のセグメントは以下のように列挙される:配列番号44、WT bFSH;配列番号23、bFSHアルファ(5R);配列番号24、bFSHアルファ(4R+1K);配列番号25、bFSHアルファ(5R+Insl);配列番号26、bFSHアルファ(5R+Ins2);配列番号27、bFSHアルファ(5R+Ins3);配列番号28、bFSHアルファ(5R+Ins4);配列番号29、bFSHアルファ(4R+1K+Insl);配列番号30、bFSHアルファ(4R+1K+Ins2);配列番号31、bFSHアルファ(4R+1K+Ins3);配列番号32、bFSHアルファ(4R+1K+Ins4)。
[0108]表2
[0109]突然変異を含むウマ糖タンパク質アルファサブユニットもまた産生し、そしていくつかの態様には、K15R、E18R、K20R、およびK24Rの置換が含まれる。例えば、配列番号9;配列番号38〜40。さらに、K15R、E18H、K20R、およびK24Rを有するウマ糖タンパク質アルファサブユニットもまた生成した(例えば配列番号41;配列番号42)。これらの突然変異アルファサブユニットはまた、サブユニットのF6およびT7の間にNVTINTの挿入(例えば配列番号9、40、および42)またはF6およびT7の間にNV挿入に加えて、T7およびT8の間にINV(例えば配列番号38、39、および41)を含有する。
[0110]ポリエチレンイミン(PEI)を用いたbFSH類似体の一過性トランスフェクションは、リポフェクタミンに基づく方法に比較した際、bFSH類似体発現の3.7〜4.5倍の増加を生じた(データ未提示)。ヘテロ二量体特異的ELISAに基づく多様なFSH類似体の発現レベルは、FSH二量体形成の大きな損失はまったく示さず、そして高レベル発現を達成するには、単一鎖構築物が必要であるという先の主張を支持しない。
[0111]一過性発現されたbFSH類似体の選択には、cAMPに基づくin vitroバイオアッセイおよびPKスクリーニングアッセイが含まれた(図1および2を参照されたい)。ブタFSH(pFSH−Folltropin(登録商標)−V)およびbFSH対照に比較した際、5R置換を持つbFSHの強度は有意に3〜4倍増加した(図1A)。顕著なことに、多くの先の研究とは対照的に(図1B)(Heikopp, Eur. J. Biochem 261:81−84, 1999; Trousdale, Fertil. Steril. 91:265−270, 2009)、新規ネオグリコシル化挿入物は、ウシFSH 5R類似体のin vitro生物活性を減少させないことが見出されてきている(図1C)。同一のネオグリコシル化部位をN末端に付加すると、bFSHのin vitro生物活性は減少し、これは、エリスロポエチンの生得的活性に対するネオグリコシル化の減弱効果(Elliott, Exp. Hematol. 32:1146−1155, 2004; Elliott, Nat. Biotechnol. 21:4144−421, 2003; Sinclair, J. Pharm. Sci. 94:1626−1635, 2005)、および部位特異的PEG化を含む半減期アプローチの多くの他の延長の影響(Fishburn, J. Pharm. Sci. 97:4167−4183, 2008; Uchiyama, Vet. J. 184:208−211, 2010)と同様であった。マウスにおける2日間のPKスクリーニング研究によって、すべてのネオグリコシル化ウシFSH「5R」類似体は、bFSH−WTおよびFolltropin(登録商標)−Vに比較した際、増加した最終半減期を有した(図2Aおよび2B)。PKスクリーニングアッセイ由来のデータによって、1つまたは2つの導入されたネオグリコシル化部位(挿入物1および2)でのグリコシル化のため、bFSH−WT、Folltropin(登録商標)−VおよびTR4401対照に比較した際、血漿半減期が非常に延長されたことが示された。観察されるレベルは、29アミノ酸リンカーおよび4−5 O連結炭水化物鎖を持つbFSH−一本鎖分子と匹敵した。組み合わせスーパーアゴニストおよびネオグリコシル化挿入物として作製された、「挿入物1および2」と称される、2つの最初に試験された類似体は、5Rスーパーアゴニスト対照単独に匹敵するin vitro生物活性を有し(図1C)、そしてなお、マウスにおいて、延長された半減期を有した(図2B)。スーパーアゴニスト活性の減少を伴わない、こうした長期作用性類似体は、前例がなく、そしてこれは、ウシにおいてin vivoで、期待される印象的な成績を収めた。
[0112]フラスコ、振盪装置、ローラーボトルおよびバイオリアクターを用いて、CHO細胞で、数百ミリグラムの多様なヒトFSHおよびTSHを組換え的に産生した(rFSHまたはrTSH)。最初の研究中、二シストロン性レトロウイルスベクター系を、CHO−DG44細胞におけるFSHおよびTSH類似体の高レベル発現のために最適化した。ヒトrFSH調製を試験した。単回60μg用量のrFSHは、卵胞発達を誘導し、多量の優れた品質の胚を生じ、先に最適化された、4日間に渡って1日2回投与されるFolltropin(登録商標)−V(300mg)の8回の注射に一致し、I.M注射後の吸収遅延、ならびに増進されたFSH受容体常住時間などのユニークな特性をさらに支持した。図3および5〜8を参照されたい。10μg用量のrFSHスーパーアゴニストは、12日間に渡って、成長中の卵胞、特にヒトにおいてはFSH受容体数が少ないこともまた知られる3〜5mmサイズの範囲の卵胞の増進されたプールを補充し、そして維持する例外的な能力を示した(データ未提示)。rFSHによる小さい卵胞のこの予期されぬ増進および補助は、対照Folltropin(登録商標)−Vの先に最適化された投薬では観察されず、これによって、周期のランダムな段階のFSH反応性卵胞を補充し、そしてFSH受容体数または機能の減少によって引き起こされる劣った反応者の多くにおいて、IVFおよび過***に成功する潜在的可能性を増進させる新規方法が提供される(Perez Mayorga, J. Clin. Endocrinology 152:3268−3369, 2000; Levallet, Arch. Med. Red. 30:486−494, 1999; Rannikko, Mol. Hum. Reprod. 8:311−317, 2002; Cai, Feril. Steril. 87:1350−1356, 2007)。しかし、4つのアルギニン置換を含むウシFSHおよびヒトFSHに基づくアルファサブユニットの間には、40アミノ酸の相違があるため、同じウシにおいて、rFSHでの以前の治療からのある程度の持ち越し効果があり、これはウサギおよびアカゲザル(Rhesus monkey)におけるヒトFSHの免疫原性特性を示す先のデータ研究とも一致した(Cai, Int. J. Toxicol. 30:153−161, 2011; De Castro, Theriogenology 72:655−662, 2009)。
[0113]アルギニン(R)またはリジン(K)残基を、共通のアルファサブユニットの選択された修飾許容性領域に導入すると、発展中の糖タンパク質ホルモンの活性が調節され(Szkudlinski, Nat. Biotechnol. 14:1257−1263, 1996; Szkudlinski, Physiol. Rev. 82:473−502, 2002)、そして糖タンパク質ホルモン受容体のヒンジ領域中に位置する負に荷電したクラスターとの静電相互作用において、重要な役割を果たす(Mueller, Trends Endocrinol. Metab. 21:111−122, 2010; Mueller, J. Biol. Chem. 284:16317−16324, 2009; Mueller, Endocrinol. 152:3268−3278, 2011)ことが以前示されてきている。特異的bFSHスーパーアゴニスト発展には、本明細書のデータ、ならびにhFSHおよび他の糖タンパク質ホルモン類似体に関する他の研究(Szkudlinski, Physiol. Rev. 82:473−502, 2002)に示されるように、より強力で、そして有効な分子であって、作用期間が増加するように、吸収遅延が伴うことも可能な分子を生じる、4〜5のRおよび/またはKへの最小限の置換が含まれる。増加したスーパーアゴニスト強度/有効性を減少させることなく、半減期を増加させて、単回注射類似体を産生する、1または2の炭水化物ネオグリコシル化部位を含有する最小限の長さのアミノ酸挿入物もまた、調べられてきている(図4を参照されたい)。さらなる分析のため、野生型配列のアミノ酸6および8の間に位置するペプチド挿入物NVTINV、NVTINVT、NVおよびNVTを含有する8つの構築物が使用可能である。本明細書のデータに示すように、そして先のネオグリコシル化およびPEG化研究(Trousdale, Feril. Steril. 91:265−270, 2009; Uchiyama, Vet J. 184:208−211, 2010; Perlman, J. Clin. Endocrinol. Metab. 88:3227−3235, 2003)とは対照的に、複合糖質を含有する最小限の長さのアミノ酸挿入物を操作して、増加したスーパーアゴニスト強度/有効性を減少させることなく、半減期を増加させることが可能である。PEIおよびローラーボトルを用いた最適化高発現系を用いて、CHO−K1細胞において、一過性トランスフェクションによって、これらの新規類似体を発現させることも可能である。
[0114]SP Sepharoseカラムを用いた捕捉工程の後、MonoQイオン交換クロマトグラフィで類似体を選択した後、ゲル濾過を用いた最終精錬を用いて、一過性トランスフェクションによって発現させた選択される4〜6の類似体の精製を行うことも可能である。bFSH類似体の純度は、98%より高い可能性もある。累積回収は、50%に到達する可能性もあり、総合すると50倍の精製になることも可能である。すべての類似体は、in vitroで、ELISAイムノアッセイ、CHO−FSHR細胞株を用いたロバストin vitro cAMPバイオアッセイ、SDS−PAGE電気泳動および等電点電気泳動(IEF)ゲル分析によって、特徴付け可能である。また、逆相HPLCによる厳密な定量化、炭水化物組成分析、ならびに安定性および凝集状態の評価によって、選択された精製類似体を分析してもよい。
[0115]さらなる実験は、アルファサブユニットの15K、17K、18K、20K、および24Kにおけるアルギニン(R)への置換、ならびにアルファサブユニットの6Fおよび7Tの間のNVTINV(配列番号1)挿入を含む、ウシFSH類似体TR55601(アルファサブユニット:配列番号7)を生じた。TR55601のいくつかのロットを生成し、そしてIEFおよびウェスタンブロット分析を用いて試験した。図3A〜Dは、分析の例示的な結果を示す。図3A〜3Dは、部分的に、TR55601/ロット4およびロット5が、最適な分布を示すことを立証し、そしてこのロットにおける突然変異の有効性を検証する。ロット4および5ならびに類似のスクリーニング結果を有するロットを動物治療に用いた。例えば、IEF−ウェスタンブロット分析は、図3A〜Cのロット4およびロット5のTR56001の最適化酸性アイソフォームを例示する。一方、図3Aおよび3Cに示すように、ロット3は、完全には検証されず、そして動物治療には用いられなかった。bFSH類似体、および特にTR55601の試料もまた、マウスにおけるPKスクリーニングアッセイで研究した。選択されたbFSH試料をマウスに皮下注射し、そして注射24時間後、32時間後、および48時間後に、血液試料を採取した。血漿を単離し、そしてbFSH ELISA(Endocrine Technologies, Inc.)で分析した。TR55601試料のロット4の延長された半減期を、PKスクリーニングアッセイで確認した。データ未提示。
[0116]選択された候補類似体の完全薬物動態学的プロファイルを、ラットあたり10μgの単回用量のsc投与、ならびに分布期および排出期の両方に渡る、10の異なる血液収集時間(1、5、15、30分、ならびに1、2、6、24および48時間)によって実行することも可能である。bFSH−ELISAを用いて、血漿において、ウシFSH血漿レベルを定量化することも可能である。全PK分析を行ってもよい。
[0117]大規模産生、精製およびウシにおける過***研究のため、二シストロン性発現ベクターを構築し、そして調製中のCHO−DG44細胞において類似体発現を選択し、そして増幅するため、類似体を選択した。CHO−DHFR(−)DG44細胞を発現ベクターで同時トランスフェクションし、そしてメトトレキセート(MTX)の段階的増分を含有する培地中、遺伝子増幅に供した。多角形形態を再獲得した後(2〜3週)、次の増幅工程のため、細胞を特定した。>2pg/細胞/日の分泌レベルを提示するクローンを、第二の処理に供し、GSマーカー遺伝子(MSX)を増幅するよう指示してもよい。最大10pg/細胞/日の分泌レベルに到達する、さらなる2〜5倍の増加を得ることも可能である。
調製およびアルファサブユニット類似体を用いた実験
[0118]rFSHが単回筋内(I.M.)注射後、過***反応を誘導し、そして60μgが最適用量に非常に近いようであるが、ウシをrFSHに3回またはそれより多く曝露した際、過***反応には有意な減少があった。したがって、「5R」置換、ならびにF6およびT7の間にNVTINTの挿入を有するアルファサブユニット(配列番号7)を含む、TR55601 rFSHと呼ばれる新規rFSH配合物を試験する実験を設計した。目的は、まず、肉用牛において、過***反応を誘導する、rFSHでの単回またはスプリット用量治療の効果を決定し、そして次いで、rFSHの単回注射の過***反応をさらに評価し、そしてウシをrFSHに2または3回曝露した際、過***反応が高いままであるかどうかを決定することであった。
[0119]TR55601 FSH試料を、in vivoで、ラットにおいて、古典的Steelman−Pohley FSHバイオアッセイで分析した(Steelmanら, Endocrinol. 53:604−616, 1953)。雌スプレーグ・ドーリーラット(200〜220g)に単回用量の試験物品(例えばbFSH)またはビヒクルを注射し、40IUのhCGを補った。投薬の72時間後、卵巣重量を測定した。図4を参照されたい。各群をhCGで治療して、ベースラインを提供した。TR55601 bFSHは、すべての濃度で、卵巣重量を有意に増加させる。
[0120]図5は、過***、***の誘導および固定時間人工的***注入のための卵胞波同調プロトコルを示し、ここでFolltropin−VR(Bioniche)の8回の注射をTR55601の単回または二重注射に置き換える。治療には、プロゲステロン(P4)放出膣内デバイスの挿入、および第0日の安息香酸エストラジオール(BE)の投与が含まれた。単回または二重注射として投与されるTR55601を用いて、過***治療を第4日に開始した。第二のスプリット用量注射は、第6日のPGF2α治療と同時であった。プロゲステロンデバイスを、第7日の最後のFSH注射とともに除去した。第8日、ドナーには、ブタLHを投与し、そして発情期検出なしに、12時間後および24時間後に、または第8日(pLHの16時間後)に1回、***注入した。卵子/胚を、非外科的に第15日に収集した(2、3)。Folltropin−V(登録商標)を対照として用いた;総量300mgを、4日間に渡って1日2回、8回の筋内(IM)注射で投与した(非常に不純なNIH−FSH−P1参照標準に基づいて、mg)。
[0121]特に、以前の胚産生歴に基づいて、30頭の非泌乳Red Angusウシを階層化し、そしてブロック化し、そして3つの治療群の1つにランダムに割り当てた。対照群のウシ(n=10)には、300mg Folltropin−Vを、4日間の期間に渡って投与される1日2回減少用量プロトコルで、I.M.投与した。具体的には:第4日、3.0mL(午前および午後);第5日、2.5mL(午前および午後);第6日、1.5mL(午前および午後)および第7日、0.5mL(午前および午後)。rFSH 60μg治療群にいるウシには、60μg rFSHの単回I.M.注射を投与し、そしてrFSH 40−20μg治療群のウシには、第4日に40μg rFSHのI.M.注射を投与し、その後、第6日に20μg rFSHの別のI.M.注射を投与した。
[0122]次いで、30頭のウシのうち25頭を、再び、Folltropin−V(対照)または60μgのrFSHの単回注射で、超刺激した。対照群の動物(n=10)は、対照群のままであり、そして実験1において、rFSH 60μgの10頭のウシのうち8頭を、rFSHの単回I.M.注射によって再び治療した。さらに、rFSHのスプリット−単回注射で先に治療した10頭のウシのうち7頭を、rFSHの単回I.M.注射で治療した。胚収集の間の間隔は、29日間であった。
[0123]第二の実験に用いた25頭のウシのうち24頭を、Folltropin−V(対照)または60μgのrFSHの単回注射で超刺激した。再び、対照ウシは、対照群のままであり、そしてrFSHウシはrFSH群のままであった。胚収集の間の間隔は、30日間であった。
[0124]第0日(実験開始)、すべての動物に、5mgエストラジオール17βに加えて、50mgのプロゲステロン、およびプロゲステロンに含浸させた膣内デバイス(Cue−Mate, Bioniche Animal Health)を投与した。第4日(卵胞波出現の予期される日)、上述の群にしたがって、すべてのウシを超刺激した。単回I.M.注射rFSHの60μg用量は、7.5mLを構成し、そしてFolltropin−Vを減少用量プロトコルで8回のI.M.注射で投与した。すべての動物には、500μgのクロプロステノール(Cyclase、Syntex、アルゼンチン)を、第6日、朝および夕方にI.M.注射した。Cue−mateを第6日の夕方に取り除いた。第8日の朝、ウシに、100μgのゴナドレリン(Gonasyn、Syntex Argentina)を投与し、そして12時間後および24時間後に***注入した。すべてのウシに、同じ雄ウシ由来の凍結***を***注入した。第15日、非外科的に、卵子/胚を収集し、そしてIETS推奨にしたがって評価した。
[0125]CLの存在ならびに卵胞サイズおよび数に関して、第0日、第4日、第6日および第8日に、すべてのウシを超音波検査し、そして卵胞成長プロファイルを決定した。第15日、超音波検査および直腸触診によって、CLおよび直径>10mmの卵胞の数を計数することによって、***反応を確認した。
[0126]各実験において、分散の正規性および均一性に関して、データポイントをまず評価した。分散は群間で異なるため、平方根によってデータを変換し、そして一方向ANOVAによって分析した。3回の実験を完了した後、全体の反応の分析を二方向ANOVAによって行い、実験番号および治療ならびにその相互作用の影響を検出するであろう。保護つきLSD検定によって平均を比較した。MIXED法によって卵胞データを分析して、治療の影響、日、ならびに卵胞数および成長プロファイルに対するその相互作用を検出した。Infostat分析ソフトウェア(コルドバ国立大学、アルゼンチン)を用いてすべての分析を行った。
[0127]過***反応および卵子/胚データを表3に要約する。CL平均数および卵子/胚収集の日に2≦CLであるウシは、群間で異ならなかったが、rFSHのスプリット注射は、より多数の非***卵胞(P<0.05)を生じた。総卵子/胚、受精卵およびトランスファー可能な胚(グレード1、2および3)の平均数もまた、異ならなかった。
[0128]表3は、TR55601(rFSH)の単回またはスプリット単回用量での過***を示す。
[0129]表3: rFSH(TR55601)の単回(60μg)またはスプリット単回(40−20μg)I.M.注射、あるいは1日2回4日間に渡ってIM注射によって投与される300mg Folltropin−V(登録商標)(対照)で治療した肉用牛における、黄体(CL)の平均(±SEM)数、直径>10mmの卵胞、卵子/胚収集時点で≦2 CLであるウシの数、卵子/胚の数、受精卵、ならびにグレード1、2、および3の胚(トランスファー可能な胚)。
[0130]第二の投薬に関する過***反応および卵子/胚データを表4および5に要約する。CLの平均数、>10mmの卵胞、および卵子/胚収集日に≦2 CLであるウシは、群間で異ならなかった。総卵子/胚、受精卵およびトランスファー可能な胚(グレード1、2および3)もまた、群間で異ならなかった。
[0131]表4および5は、TR55601(rFSH)の単回用量での過***を示す。
[0132]表4. CLの平均(±SEM)数、直径>10mmの卵胞、および卵子/胚収集時点で≦2 CLであるウシの数。ウシを、rFSHの単回(60μg)I.M.注射、または1日2回4日間に渡ってI.M.注射で投与される300mg Folltropin−V(対照)で治療した。
[0133]表5. rFSH(TR55601)の単回(60μg)I.M.注射、または1日2回4日間に渡ってIM注射で投与される300mg Folltropin−V(登録商標)(対照)で治療した肉用牛における、卵子/胚の平均(±SEM)数、受精卵、ならびにグレード1、2、および3の胚(トランスファー可能な胚)。
[0134]今回は、最終投薬実験に関して、卵胞データのみが入手可能である。卵胞成長プロファイル、および***注入前日の卵胞数には、rFSHおよびFolltropin−V群間で、有意な相違はなかった。***および卵子/胚データは、まもなく入手可能であろうし、そして実験3に関して別個に提示され、そして次いで実験1および2と組み合わせられるであろう。実験3の卵胞データが入手可能であり、そして実験1および2のものと組み合わされており、そして表6に提示される。
[0135]表6は、30日間隔のTR55601(rFSH)での3回の過***を示す。
[0136]表6. rFSH(TR55601)の単回(60μg)またはスプリット単回(40−20μg)I.M.注射、あるいは1日2回4日間に渡ってIM注射で投与される300mg Folltropin−V(登録商標)(対照)で治療した肉用牛における、CLの平均(±SEM)数、直径>10mmの卵胞、卵子/胚収集時点で≦2 CLであるウシの数、卵子/胚の数、受精卵、ならびにグレード1、2、および3の胚(トランスファー可能な胚)。〜30日間隔で、3回連続してウシを治療した(3つの実験を組み合わせる)。
[0137]治療開始時から、人工的***注入直前までの卵胞特性を表7および図6〜9に示す。
[0138]表7は、非泌乳ウシの過***モデルにおける卵胞数を示す。単回i.m.注射によって投与される60μgのrFSH、または1日2回4日間に渡ってi.m.注射で投与される300mg Folltropin(登録商標)−V(対照)で治療した肉用牛の超音波検査によって、卵胞発生(平均±SEM)を検出した。
[0139]表7.
[0140]直径3〜5mmの卵胞数は、治療群間で異ならなかった(図6)。直径6〜8mmの卵胞数(図7)、>9mmの卵胞数(図8)または治療日に渡る平均卵胞直径(図9)もまた異ならなかった。
[0141]この一連の実験で得た結果を解釈すると、rFSH産物が肉用牛において、Folltropin−Vのものと異ならない過***反応を誘導することが示唆されうる。ウシを連続3回治療した際、Folltropin−Vに比較して、過***反応の減少を示す証拠もまたない。最終投薬における過***反応は、最初の2回と同様であるようであり、そしてこれは、続く卵子/胚収集で確認されるであろう。rFSHで治療したウシにおいて、非***(>10mm)卵胞がより多数であることに関しては懸念があり(主に2頭のウシにおいて非***卵胞が多数であったことによる)、これはさらに調べる必要がある。肉牛および乳牛を過***させるためのrFSHの最適投薬量を決定するため、そして3回より多くrFSHで連続治療した長期影響を決定するためにもまた、より多くの研究が必要である。
半減期改善に関する挿入物の特異性
[0142]観察された半減期改善が、配列番号1の挿入物の配列に特異的であるかどうかを決定するため、挿入物を含むヒトアルファサブユニットを修飾して、アミノ末端バリンを取り除いた。次いで、2つを、挿入物を欠く類似体とともに、cAMPを産生する能力に関して試験した。研究によって、挿入物が配列特異的であり、そしてアルファサブユニットに対して優れた結合および半減期を与えることが示された(図9を参照されたい)。次いで、多様な増殖条件において、産生状態を調べて、最大産生に関して最適化した(表8を参照されたい)。
[0143]表8はヒトアルファサブユニット産生の最適化を示す。
[0144]次いで、ウシ対応物とともに挿入物を調べ、そして半減期増加が挿入物の配列に特異的であることが確認される(図11を参照されたい)。 本発明は非限定的に以下の態様を含む。
[態様1]
糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのQ13、E14、P16およびQ20での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにD3およびQ5の間のVNVTINVT(配列番号20)の挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様2]
Q13、P16およびQ20での少なくとも2つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様3]
Q13、P16およびQ20での3つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様4]
E14での塩基性アミノ酸置換をさらに含む、態様1〜3のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様5]
塩基性アミノ酸がアルギニンである、態様1〜4のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様6]
アルファサブユニットが、配列番号11に少なくとも85%の同一性を持つアミノ酸配列を含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様7]
黄体ホルモン(LH)のベータサブユニットをさらに含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様8]
絨毛性ゴナドトロピン(CG)のベータサブユニットをさらに含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様9]
卵胞刺激ホルモン(FSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様10]
甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様11]
アルファサブユニットがヒトアルファサブユニット(配列番号6)に由来する、態様1の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様12]
態様1〜11のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法。
[態様13]
態様1〜11のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において***を刺激するための方法。
[態様14]
動物がヒトである、態様12〜13のいずれかの方法。
[態様15]
糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのK15、K17、K20およびK24での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様16]
K15、K17、K20およびK24での少なくとも2つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様17]
K15、K17、K20およびK24での少なくとも3つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様18]
K15、K17、K20およびK24での4つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様19]
E18での塩基性アミノ酸置換をさらに含む、態様15〜18のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様20]
塩基性アミノ酸がアルギニンである、態様15〜19のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様21]
アルファサブユニットが、配列番号7に少なくとも85%同一性を持つアミノ酸配列を含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様22]
黄体ホルモン(LH)のベータサブユニットをさらに含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様23]
絨毛性ゴナドトロピン(CG)のベータサブユニットをさらに含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様24]
卵胞刺激ホルモン(FSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様25]
甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様26]
アルファサブユニットがウシアルファサブユニット(配列番号2)に由来する、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様27]
アルファサブユニットがブタアルファサブユニット(配列番号5)に由来する、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様28]
アルファサブユニットがヒツジアルファサブユニット(配列番号2)に由来する、態様15の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様29]
態様15〜28のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法。
[態様30]
態様15〜28のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において***を刺激するための方法。
[態様31]
動物がウシ、ヒツジ、またはブタである、態様29〜30のいずれかの方法。
[態様32]
糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのK15、E18、K20およびK24での少なくとも1つの保存的塩基性アミノ酸置換、ならびにF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入、またはF6およびT7の間のNVの挿入に加えてT7およびT8の間のINVの挿入を含むアミノ酸配列を含む、修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様33]
アミノ酸配列に、糖タンパク質ホルモンのアルファサブユニットのF6およびT7の間のNVTINV(配列番号1)の挿入が含まれる、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様34]
アミノ酸配列に、糖タンパク質ホルモンのF6およびT7の間のNVの挿入に加えてT7およびT8の間のINVの挿入が含まれる、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様35]
K15、E18、K20およびK24での少なくとも2つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様36]
K15、E18、K20およびK24での少なくとも3つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様37]
K15、E18、K20およびK24での4つの塩基性アミノ酸置換を含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様38]
塩基性アミノ酸がアルギニンまたはヒスチジンである、態様32〜37のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様39]
塩基性アミノ酸がアルギニンである、態様38の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様40]
アルファサブユニットが、配列番号4に少なくとも85%の同一性を持つアミノ酸配列を含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様41]
黄体ホルモン(LH)のベータサブユニットをさらに含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様42]
絨毛性ゴナドトロピン(CG)のベータサブユニットをさらに含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様43]
卵胞刺激ホルモン(FSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様44]
甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニットをさらに含む、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様45]
アルファサブユニットがウマアルファサブユニット(配列番号4)に由来する、態様32の修飾糖タンパク質ホルモン。
[態様46]
態様32〜45のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法。
[態様47]
態様32〜45のいずれかの修飾糖タンパク質ホルモンを動物に投与する工程を含む、動物において***を刺激するための方法。
[態様48]
動物がウマである、態様47〜48のいずれかの方法。

Claims (10)

  1. ウシ、ヒツジ、ブタ又はウマのアルファサブユニットポリペプチドであって、
    ここにおいて、挿入若しくは置換がない、ウシの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号2)、ヒツジの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号3)、ブタの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号5)、または、ウマの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号4)に対して、以下の:
    (A)15位の野生型のアミノ酸が、アルギニン(R)で置換されている、
    (B)17位の野生型のアミノ酸が、アルギニン(R)で置換されている、
    (C)18位の野生型のアミノ酸が、アルギニン(R)、リシン(K)、もしくは、ヒスチジン(H)で置換されている、
    (D)20位の野生型のアミノ酸が、アルギニン(R)で置換されている、および、
    (E)24位の野生型のアミノ酸が、アルギニン(R)で置換されている、
    1つまたはそれより多くの置換が生じている、そして、
    ここにおいて、挿入若しくは置換がない、ウシの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号2)、ヒツジの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号3)、ブタの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号5)、または、ウマの野生型アルファサブユニットポリペプチド(配列番号4)に対して、6位の位置の直後に、以下の:
    (a)アスパラギン−バリン−スレオニン−イソロイシン−アスパラギン−バリン(NVTINV)(配列番号1);
    (b)スレオニン−アスパラギン−バリン−スレオニン−イソロイシン−アスパラギン−バリン(TNVTINV)(配列番号12);
    (c)バリン−アスパラギン−バリン−スレオニン−イソロイシン−アスパラギン−バリン−スレオニン(VNVTINVT)(配列番号20);
    (d)アスパラギン−バリン(NV);および
    (e)スレオニン−アスパラギン−バリン(TNV)
    ポリオペプチドの1つが挿入されている、
    前記ウシ、ヒツジ、ブタ又はウマのアルファサブユニットポリペプチド。
  2. 請求項1のアルファサブユニットポリペプチド、および、黄体ホルモン(LH)、絨毛性ゴナドトロピン(CG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)もしくは甲状腺刺激ホルモン(TSH)のベータサブユニット、を含む、修飾糖タンパク質ホルモン。
  3. 請求項1のアルファサブユニットポリペプチド、および、卵胞刺激ホルモン(FSH)のベータサブユニット、を含む、修飾糖タンパク質ホルモン。
  4. 非ヒト動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法であって、請求項1のアルファサブユニットポリペプチドを含む修飾糖タンパク質ホルモンを、当該動物に投与する工程を含む、前記方法。
  5. 非ヒト動物において糖タンパク質受容体を刺激するための方法であって、請求項2又は請求項3の修飾糖タンパク質ホルモンを、当該動物に投与することを含む、前記方法。
  6. 非ヒト動物において***を刺激するための方法であって、請求項1のアルファサブユニットポリペプチドを含む修飾糖タンパク質ホルモンを、当該動物に投与する工程を含む、前記方法。
  7. 非ヒト動物において***を刺激するための方法であって、請求項2又は請求項3の修飾糖タンパク質ホルモンを、当該動物に投与することを含む、前記方法。
  8. 当該非ヒト動物が、ウシ、ヒツジ、ウマまたはブタである、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7の方法。
  9. 当該アミノ酸挿入がNVTINV(配列番号1)であり、そして、15位、17位、18位、20位及び24位の位置の野生型アミノ酸がアルギニン(R)でそれぞれ置換されている、請求項1のアルファサブユニットポリペプチド。
  10. 配列番号7のウシアルファサブユニットポリペプチド。
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