JP6428461B2 - 種結晶の温度測定方法、および単結晶の製造方法 - Google Patents

種結晶の温度測定方法、および単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単結晶の育成に用いる種結晶の温度測定方法、およびこの方法により温度が測定された種結晶を用いて単結晶を製造する方法に関する。
シリコン単結晶の製造方法として、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という。)がある。CZ法では、坩堝に収容された、原料となるシリコン融液の上方に、シリコン単結晶からなる種結晶(シード)を配置し、シリコン融液と種結晶とを接近させ、種結晶がシリコン融液に接触した後、坩堝または種結晶を移動させて、種結晶の下にシリコン単結晶を成長させる。種結晶をシリコン融液に接触させる際に、シリコン融液表面と種結晶下端との温度差が大きいと、種結晶には、熱応力により高密度の転位が発生する。
転位は、ダッシュネック法により、低減することができる。しかし、低い頻度ではあるが一定の頻度で、転位が結晶中心部に残留する(以下、この残留転位を、「軸状転位」という)。この軸状転位の発生頻度を低減するには、ダッシュネックを行う前の結晶の転位密度を低下させる必要があり、そのためには、種結晶がシリコン融液に接触した際に発生する転位の密度を低下させることが有効である。
CZ法では、育成中のシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面の温度勾配を制御するために、単結晶を囲繞するように配置された水冷体と、この水冷体の外周面および下端面を包囲するように配置された熱遮蔽体とを用いることがある。シリコン融液液面と熱遮蔽体との間隔を大きくすると、シリコン融液液面と種結晶下端との温度差が小さくなる傾向がある。種結晶をシリコン融液に接触させる際に種結晶に生じる熱応力を低減するために、従来は、熱遮蔽体とシリコン融液液面との間隔を広くすることで、種結晶とシリコン融液との温度差を低減することがあった。
特開2012−148938号公報
しかし、シリコン融液液面と熱遮蔽体との間隔を大きくするだけでは、シリコン融液液面と種結晶下端との温度差を十分に小さくすることができない。
種結晶がシリコン融液の上方に配置されているとき、種結晶はシリコン融液からの放射熱によって加熱される。このため、種結晶の温度は、種結晶がシリコン融液の近くにあるほど高くなる。したがって、種結晶下端とシリコン融液液面との温度差を小さくするためには、種結晶をシリコン融液液面に対して、できるだけ近くに配置して予熱することが有効である。
予熱後の種結晶の温度は、予熱時の種結晶下端とシリコン融液液面との間隔等に依存して変化する。この間隔は、予熱時に、毎回正確には同じになるわけではないので、種結晶をシリコン融液に接触させる際の種結晶下端の温度には、ばらつきが生じ得る。シリコン融液との接触時に種結晶に転位が生じないようにするには、種結晶をシリコン融液に接触させる直前の種結晶下端部の温度を正確に知り、この温度とシリコン融液液面の温度との差が十分小さいことを確認してから、種結晶をシリコン融液に接触させる必要がある。
特許文献1では、放射温度計を用いて、シリコン融液からの放射光の強度を測定することによって、シリコン融液液面の温度を測定し、シリコン融液液面の温度が所定の温度となったときに、種結晶をシリコン融液に接触させることが提案されている。しかし、特許文献1では、種結晶下端部の正確な温度は測定されておらず、種結晶下端部の温度とシリコン融液液面の温度との差は、正確に把握されていない。このため、この温度差が大きい場合には、熱衝撃により、種結晶に転位が生じ得る。
そこで、本発明は、種結晶の温度を正確に測定する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、転位の導入を抑制することができる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(I)および(II)の種結晶の温度測定方法と、下記(III)の単結晶の製造方法とを要旨とする。
(I)単結晶の育成にあたって原料融液の上方に配置された種結晶の温度を測定する方法であって、
前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記原料融液の前記液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltとの差から、前記種結晶の温度を求める種結晶の温度測定方法。
(II)単結晶の育成に用いる種結晶の温度測定方法であって、
原料融液の上方に種結晶を配置する工程と、
前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirror、および前記原料融液の前記液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltを測定する工程と、
前記種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記融液液面輝度Imeltとに基づいて、下記(A)式により、前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedを算出する種結晶放射輝度算出工程と、
放射輝度εsolid×Lseedと温度とについて予め求められた関係に基づいて、前記種結晶放射輝度算出工程で算出された前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedから、前記種結晶の温度を求める温度決定工程と、
を含む、種結晶の温度測定方法。
εsolid×Lseed=(Imirror−Imelt)/γmelt (A)
ただし、
εsolid:種結晶の放射率
seed:種結晶の本来の放射光成分
γmelt:原料融液の反射率
である。
(III)単結晶の製造方法であって、
上記(I)または(II)の温度測定方法により、種結晶の温度を測定する工程と、
前記種結晶および前記坩堝の少なくとも一方を移動させて、前記種結晶を前記坩堝内に収容された前記原料融液に接触させる工程と、
前記接触させる工程の後、前記種結晶および前記坩堝の少なくとも一方を移動させて、前記種結晶の前記下端に単結晶を成長させる工程と、を含む単結晶の製造方法。
この種結晶の温度測定方法により、種結晶の温度を正確に測定することができる。
また、この単結晶の製造方法により、転位の導入を抑制することができる。
図1は、本発明の実施に用いることができる引き上げ装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、原料融液および種結晶を斜め上方から撮影した画像を模式的に示す図である。 図3は、種結晶および原料融液のそれぞれから得られる光の輝度成分について説明するための図である。 図4は、原料融液の液面と種結晶の下端との間隔と、本発明の方法に従って測定した種結晶の温度との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施に用いることができる引き上げ装置の構成を模式的に示す図である。
原料融液1は、引き上げ装置に備えられた坩堝4に収容されている。原料融液1の上方には、種結晶2が配置されている。たとえば、シリコン単結晶を育成する場合、原料融液1はシリコンの融液からなり、種結晶2はシリコンの単結晶からなる。
引き上げ装置には、カメラ7が備えられている。図2は、原料融液および種結晶を斜め上方から撮影した画像を模式的に示す図である。カメラ7により、原料融液1および種結晶2を斜め上方から撮影した画像3を得ることができる。撮影は、画像3に種結晶2の実像2Rと原料融液1の液面1aに映った種結晶2の鏡像2Mとが含まれるように行う。また、カメラ7を介して、この画像3の特定の点(微小領域)の輝度を測定することができる。
種結晶2は、ワイア等の引き上げ軸6に連結されている。引き上げ軸6には、引き上げ装置に備えられた駆動装置5が接続されている。駆動装置5により、引き上げ軸6を介して種結晶2を上下方向に移動させることができ、したがって、坩堝4に対して、種結晶2を近接および離間させることができる。また、駆動装置5の駆動量により、引き上げ装置の基準位置に対する種結晶2の高さ位置を検知することができる。
図3は、種結晶および原料融液のそれぞれから得られる光の輝度成分について説明するための図である。
原料融液1の液面1aの上方に、液面1aに近接して(たとえば、数mmの間隔をあけて)、柱状の種結晶2が配置されている。種結晶2の表面は、エッチングにより鏡面仕上げされている。種結晶2近傍の液面1aを斜め上方から見ると、種結晶2の実像2Rとともに、種結晶2からの放射光が液面1aに反射することにより、液面1aに種結晶2の鏡像2Mが観察される。
実像2Rの側面2Raから観測位置(たとえば、カメラ7が配置されている位置)に直接到達する放射光の輝度(以下、「種結晶実像輝度」という)Irealは、下記(i)および(ii)の成分からなるものとみなすことができる。
(i) 種結晶2の側面2Raからの放射光成分εsolid×Lseed
(ii) 種結晶2の側面2Raでの反射光成分γsolid×L’real
すなわち、
real=εsolid×Lseed+γsolid×L’real
とすることができる。ここで、
εsolid:種結晶2の放射率
γsolid:種結晶2の反射率
seed:種結晶2の本来の放射光成分
L’real:種結晶2による本来の反射光成分
であり、εsolid+γsolid=1の関係がある。
ここで、ある物体について、「本来の射光成分」とは、その物体の放射による輝度を、その物体の放射率で除したものであり、同温の黒体が放射する光のエネルギーである。また、ある物体について、「本来の反射光成分」とは、その物体の反射による輝度を、その物体の反射率で除したものである。
種結晶実像輝度Irealが上記(ii)の成分を含むことにより、種結晶実像輝度Irealを温度に対応付けても、種結晶2の正確な温度にはならない。
見かけ上、鏡像2Mにおいて種結晶2の側面2Maから観測位置に到達する放射光の輝度(以下、「種結晶鏡像輝度」という)Imirrorは、下記(iii)〜(v)の成分からなるものとみなすことができる。
(iii) 見かけ上鏡像2Mの側面2Maからの放射される放射光成分(実像2Rの側面2Raからの放射光成分εsolid×Lseedに比例する成分)
(iv) 見かけ上鏡像2Mの側面2Maで反射される反射光成分(実像2Rの側面2Maでの反射光成分γsolid×L’mirrorに比例する成分)
(v) 液面1aからの放射光の輝度(以下、「融液液面輝度」という。)εmelt×Lmelt
すなわち、
mirror=γmelt×(εsolid×Lseed+γsolid×L’mirror)+εmelt×Lmelt (1)
とすることができる。ここで、
εmelt:原料融液1の放射率
γmelt:原料融液1の反射率
L’mirror:原料融液1による本来の反射光成分
melt:原料融液1の本来の放射光成分
である。
種結晶鏡像輝度Imirrorのうち、上記(iii)の成分は、種結晶2の温度に対応付けることができるが、上記(iv)および(v)の成分は、種結晶2の温度とは、直接的な関係はない。しかし、種結晶2の表面が鏡面仕上げされていることにより、種結晶2の表面で反射する放射光の大部分は正反射するのに対して、上記(iv)の成分は、正反射によらない成分であるので、無視することができる。すなわち、上記(1)式において、
γsolid×L’mirror=0
とすることができる。
この場合、融液液面輝度εmelt×LmeltをImeltとおくと、上記(1)式は、以下のように変形することができる。
εsolid×Lseed=(Imirror−Imelt)/γmelt (2)
γmeltの値は材料固有のものであり、たとえば、シリコンの場合は、およそ0.75である。このため、上記(2)式より、実像2Rにおいて種結晶2の側面2Raからの放射光成分εsolid×Lseedは、種結晶鏡像輝度Imirrorと、融液液面輝度Imeltとを実測することにより求めることができる。そして、得られた放射光成分εsolid×Lseedを種結晶2の温度に対応付けることにより、(2)式から、種結晶2の正確な温度を測定することができる。
ここで、鏡像2Mにおいて種結晶2の上面2Mb(底面2Rbの鏡像)から観測位置に到達する放射光の輝度(以下、「種結晶鏡像中心輝度」という。)Icenterは、上記(iii)および(v)の成分に加え、見かけ上上面2Mbで反射される成分(底面2Rbで反射される成分γsolid×L’center(L’centerは、上面2Mbによる本来の反射光成分)に比例する成分)を含んでおり、この反射光成分に比例する成分の大部分は、正反射によるものであるので、無視することはできない。したがって、種結晶鏡像輝度Imirror、および融液液面輝度Imeltを測定して種結晶2の温度を求める上述の方法で、種結晶鏡像輝度Imirrorの代わりに、種結晶鏡像中心輝度Icenterを測定しても、種結晶2の正確な温度は得られない。
図2に、画像3上において、種結晶実像輝度Irealの測定点Preal、種結晶鏡像輝度Imirrorの測定点Pmirror、種結晶鏡像中心輝度Icenterの測定点Pcenter、および融液液面輝度Imeltの測定点Pmeltの例を示す。
上述のように、本発明の、種結晶の第1の温度測定方法は、単結晶の育成にあたって原料融液の上方に配置された種結晶の温度を測定する方法である。この方法は、前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記原料融液の前記液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltとの差から、前記種結晶の温度を求める種結晶の温度測定方法である。
また、本発明の、種結晶の第2の温度測定方法は、原料融液の上方に種結晶を配置する工程と、前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirror、および前記原料融液の液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltを測定する工程と、前記種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記融液液面輝度Imeltとに基づいて、上記(A)式により、前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedを算出する種結晶放射輝度算出工程と、放射輝度εsolid×Lseedと温度とについて予め求められた関係に基づいて、前記種結晶放射輝度算出工程で算出された前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedから、前記種結晶の温度を求める温度決定工程と、を含む。
本発明の、種結晶の温度測定方法では、種結晶実像輝度Ireal、および種結晶鏡像中心輝度Icenterを測定する必要はない。種結晶鏡像輝度Imirrorと、融液液面輝度Imeltとは、同じカメラ7を用いて同じ条件で測定することが好ましい。
融液液面輝度Imeltは、液面1aで高温の部材の鏡像が存在しない部分の輝度として測定することができる。ここで、高温の部材とは、たとえば、種結晶2、坩堝4、坩堝4の上方に配置された熱遮蔽体等である。液面1aで高温の部材の鏡像が存在する部分の輝度は、当該部材からの放射光であって液面1aで反射されたものによる成分を含む。このため、このような部分で測定された輝度は、融液液面輝度Imeltからのずれが大きい。
種結晶2の放射輝度εsolid×Lseedとこの種結晶2の温度との関係は、たとえば、黒体炉を用いて求めることができる。具体的には、種結晶鏡像輝度Imirror、および融液液面輝度Imeltの測定に用いるカメラ7で、黒体炉の放射輝度を測定し、この放射輝度とそのときの黒体炉の設定温度とを対応付けることを、複数の温度水準で行うこととすることができる。
「黒体」とは、外部から入射する光を全波長域において完全に吸収し、熱放射する物体である。「黒体炉」とは、黒体とみなすことができる物体で炉内を構成した炉である。ある温度に設定した黒体炉は、その温度に対応した放射エネルギーを放出するので、その放射輝度と温度との関係を調べておくことにより、測定された放射輝度から温度への換算が可能となる。この換算には、たとえば、温度とその温度に対応する放射輝度とについての複数組のデータである換算テーブルを用いる。
この方法により、種結晶2の温度を正確に測定することができる。また、原料融液1の液面1aの温度も、その原料融液1の放射輝度と温度との関係から正確に測定することができる。したがって、原料融液1液面1aの温度と種結晶2(特に、下部)の温度との差が十分に小さいことを確認したうえで、種結晶2を原料融液1に接触させることができる。これにより、種結晶2に生ずる熱応力を低減して、種結晶2に転位が生じることを抑制できる。
図4は、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lと、本発明の方法に従って測定した種結晶の温度との関係を示す図であって、原料融液1および種結晶2がシリコンからなる場合についての測定結果の一例である。種結晶2の温度を求めるに際して、種結晶鏡像輝度Imirrorの測定は、種結晶2の鏡像2Mにおいて、種結晶2の実像2Rの下端2Rb近傍に対応する部分について行った。各間隔Lに対応する位置に種結晶2を5〜10分間静止させ、種結晶2が熱平衡に達したとみなせるようになってから、種結晶2の温度を測定した。
原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lは、以下の方法により求めた。
まず、駆動装置5により、種結晶2を上下方向に移動させながら、種結晶2の複数の高さ位置の各々について、実像2Rと鏡像2Mとを含む画像3を、カメラ7により得た。
そして、得られた画像3のそれぞれについて、種結晶2の下端2Rbにおける特定の点である実像下端点P1の位置と、鏡像2Mにおいて実像下端点P1に対応する点である鏡像点P2の位置とを求めた。画像3上で、実像下端点P1の位置、および鏡像点P2の位置は、上下(鉛直)方向に対応する方向の位置のみを測定するものとした。画像3はデジタル形式のものであり、実像下端点P1の位置、および鏡像点P2の位置は、画素単位で特定した。図1に示すように、種結晶2の実像2Rと種結晶2の鏡像2Mとは、原料融液1の液面1aに対して、実質的に対称に位置する。
そして、得られたデータに基づき、種結晶2の高さ位置zと、画像3上の実像下端点P1の位置zP1との回帰式(以下、「実像回帰式」という。)、および種結晶2の高さ位置zと、画像3上の鏡像点P2の位置zP2との回帰式(以下、「鏡像回帰式」という。)を求めた。具体的には、一次回帰により、実像回帰式は、zP1=a1×z+b1と表すことができ、鏡像回帰式は、zP2=a2×z+b2と表すことができる(a1、b1、a2、およびb2は定数)。
鏡像2Mには、液面1aの波立ちにより、ゆらぎが生じるので、画像3上の鏡像点P2の位置は、このゆらぎの影響を含んだものとなる。異なる高さ位置または同じ高さ位置にある種結晶2の撮影回数を多くし、得られた画像3の各々について画像3上における鏡像点P2の位置を測定して、測定数を多くすることにより、鏡像回帰式を、ゆらぎの影響が低減されたものとすることができる。このため、当該測定数は、数十点、たとえば、40点以上とすることが好ましい。
次に、種結晶2が任意の高さ位置zにあるとき、画像3上の実像下端点P1と鏡像点P2との距離ΔLPを、ΔLP=(Preal−Pmirror)として求めた。
real:実像回帰式に高さ位置zを代入したときの実像下端点P1の画像3上の位置。すなわち、Preal=zP1=a1×z+b1である。
mirror:鏡像回帰式に高さ位置zを代入したときの鏡像点P2の画像3上の位置。すなわち、Pmirror=zP2=a2×z+b2である。
したがって、
ΔLP=(a1−a2)×z+(b1−b2) (a)
と表すことができる。距離ΔLPは、光学的手法により得た位置情報に基づく、鏡像2Mの位置を基準とした実像2Rの相対的な位置ということができる。
種結晶2の高さ位置zの変位量Δzが画像3上の距離ΔLPに対応するならば、上記(a)式より、
ΔLP=(a1−a2)×Δz
である。したがって、
Δz=ΔLP/(a1−a2
である。
すなわち、実像下端点P1と鏡像点P2との距離がΔLPのとき、種結晶2の高さ位置をΔzだけ低くすれば、実像下端点P1と鏡像点P2との距離がΔLP分小さくなり(ΔLP=0)、種結晶2の下端2Rbは、原料融液1の液面1aに接触することになる。したがって、種結晶2を移動する前には、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lは、ΔLP/(a1−a2)であるということができる。これは、実像回帰式、および鏡像回帰式に基づき、実像下端点P1の位置と鏡像点P2の位置とが一致する点、すなわち、種結晶2がzP1=zP2を満たす高さ位置zにあるとき、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔が0であるとして、間隔Lを求めたことになる。
また、通常、実像の動きと鏡像の動きとは対称性を有しているため、a1=−a2とすることができる。そのため、液面の波立ちの影響を受けやすい鏡像回帰式を用いずに、間隔LをΔLP/(2a1)とすることも可能である。
以上の方法によれば、オペレータの主観を排して、種結晶2の下端2Rbが原料融液1の液面1aに接触する前に、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lを正確に測定することができる。
以上のように、図4は、原料融液1の上方に配置された種結晶2について、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔L、および種結晶2の温度の双方について正確に測定されたものとなっている。これにより、間隔Lと種結晶2の温度との関係を正確に把握することができ、この関係に基づき、種結晶2を原料融液1の上方で予熱する際の適切な間隔Lを設定することができる。
種結晶2を予熱する際は、まず、上記の方法により、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lを測定する。そして、駆動装置5により、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔について、測定された間隔Lと目標とする間隔との差に相当する量だけ、この差が解消される方向に、種結晶2を移動させる。これにより、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔は、実質的に目標とする間隔になる。
そして、この状態を、たとえば、数分間保持する。これにより、種結晶2は、原料融液1からの放射熱を受けて予熱される。種結晶2を、毎回、原料融液1の液面1aから所定の間隔をおいて予熱できることにより、予熱後の種結晶2の温度の再現性を高くすることができる。予熱後の種結晶2の温度は、本発明の温度測定方法により実測して確認することができる。
目標とする間隔を十分に小さく設定すれば、種結晶2の下端2Rbの温度と原料融液1の液面1aの温度との差を十分小さくすることができ、下端2Rbが液面1aに接触したときの熱衝撃を小さくすることができる。これにより、種結晶2に転位が導入されることを抑制できる。
以上の方法により種結晶2を予熱した後、種結晶2を下降させて、種結晶2を坩堝4内に収容された原料融液1に接触させ、その後、種結晶2を上昇させて、種結晶2の下端2Rbに単結晶を成長させることにより、単結晶を製造することができる。
以上の実施形態では、引き上げ装置の基準位置に対して、坩堝4は、上下方向に移動しないものとしたが、坩堝4は、駆動装置により、上下方向に移動可能に構成されていてもよい。この場合、この駆動装置により引き上げ装置の基準位置に対する坩堝4の高さ位置が検知可能であるものとし、坩堝4の高さ位置を基準とした種結晶2の高さ位置は、たとえば、駆動装置により検知された坩堝4の高さ位置と、駆動装置5により検知された種結晶2の高さ位置との差とすることができる。
また、種結晶2は、引き上げ装置の基準位置に対して、上下方向には移動しないように構成されていてもよい。この場合は、坩堝4の高さ位置を基準とした種結晶2の高さ位置は、たとえば、駆動装置により検知された坩堝4の高さ位置とすることができる。
坩堝4が上下方向に移動可能である場合に種結晶2の予熱をする際は、測定された間隔Lと目標とする間隔との差を解消するために、種結晶2を上下方向に移動させることに加えて、または種結晶2を上下方向に移動させることに代えて、坩堝4を上下方向に移動させてもよい。
また、坩堝4が上下方向に移動可能である場合に単結晶を製造する際は、種結晶2を上下方向に移動させることに加えて、または種結晶2を上下方向に移動させることに代えて、坩堝4を上下方向に移動させることにより、種結晶2を原料融液1に接触させ、種結晶2の下に単結晶を成長させてもよい。
以上の実施形態では、種結晶2の温度と、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lとの双方を求めているが、本発明の種結晶の温度測定方法は、間隔Lを測定せずに種結晶2の温度を測定する場合に適用してもよい。また、以上の実施形態では、種結晶鏡像輝度Imirror、および融液液面輝度Imeltは、画像3に基づいて求めているが、画像3を得ずに、たとえば、微小領域の輝度を測定可能なセンサにより測定してもよい。
本発明で対象とする原料融液1、および種結晶2は、シリコンからなるものには限られず、種結晶2の側面2Raが正反射するとみなせるのであれば、他の材料からなるものであってもよい。ただし、上記方法により、原料融液1の液面1aと種結晶2の下端2Rbとの間隔Lを測定する場合は、原料融液1の液面1aに種結晶2の鏡像2Mが映る必要がある。この場合、原料融液1、および種結晶2は、たとえば、ゲルマニウム、Al23(サファイア)、化合物半導体からなるものであってもよい。
1:原料融液、 1a:原料融液の液面、 2:種結晶、 2M:鏡像、
2R:実像、 2Ra:種結晶の側面、 2Rb:種結晶の下端、
3:画像、 4:坩堝、 P1:実像下端点、 P2:鏡像上端点

Claims (7)

  1. 単結晶の育成にあたって、坩堝内に収容された原料融液の上方に配置され、下端を有する種結晶の温度を測定する方法であって、
    前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記原料融液の前記液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltとの差から、前記種結晶の温度を求める種結晶の温度測定方法。
  2. 単結晶の育成に用いる種結晶の温度測定方法であって、
    坩堝内に収容された原料融液の上方に、下端を有する種結晶を配置する工程と、
    前記原料融液の液面に映る前記種結晶の鏡像において前記種結晶の側面の輝度である種結晶鏡像輝度Imirror、および前記原料融液の前記液面からの放射光の輝度である融液液面輝度Imeltを測定する工程と、
    前記種結晶鏡像輝度Imirrorと、前記融液液面輝度Imeltとに基づいて、下記(A)式により、前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedを算出する種結晶放射輝度算出工程と、
    放射輝度εsolid×Lseedと温度とについて予め求められた関係に基づいて、前記種結晶放射輝度算出工程で算出された前記種結晶の放射輝度εsolid×Lseedから、前記種結晶の温度を求める温度決定工程と、
    を含む、種結晶の温度測定方法。
    εsolid×Lseed=(Imirror−Imelt)/γmelt (A)
    ただし、
    εsolid:種結晶の放射率
    seed:種結晶の本来の放射光成分
    γmelt:原料融液の反射率
    である。
  3. 請求項2に記載の温度測定方法であって、
    前記原料融液の前記液面と前記種結晶の前記下端との間隔を測定する間隔測定工程をさらに含み、
    前記間隔測定工程で、
    光学的手法により、前記種結晶の前記下端における特定の点である実像下端点の位置情報と、前記液面に映った前記種結晶の鏡像で前記実像下端点に対応する点である鏡像点の位置情報とを得て、
    前記実像下端点の位置と前記鏡像点の位置とが一致する点で前記原料融液の液面と前記種結晶の前記下端との間隔が0になるとして、前記原料融液の液面と前記種結晶の前記下端との間隔を求める、種結晶の温度測定方法。
  4. 請求項3に記載の温度測定方法であって、
    前記間隔測定工程で、
    前記種結晶および前記坩堝内の前記原料融液の前記液面の少なくとも一方が複数の高さ位置にあるときのそれぞれについて、光学的手法により前記実像下端点の位置情報と前記鏡像点の位置情報とを求め、
    (a)前記坩堝内の前記原料融液の前記液面の高さ位置を基準として求めた前記種結晶の高さ位置の変位量と、
    (b)前記(a)の変位量に対応して変化する、前記位置情報に基づく前記種結晶の前記鏡像の位置を基準とした前記実像の相対的な位置の変位量と、
    に基づいて、前記原料融液の前記液面と前記種結晶の前記下端との間隔を求める、種結晶の温度測定方法。
  5. 請求項4に記載の温度測定方法であって、
    前記原料融液を収容する前記坩堝の高さ位置を基準として前記種結晶が複数の高さ位置にあるときのそれぞれについて、前記種結晶および前記液面を撮影して、前記種結晶の前記実像および前記鏡像を含む画像を得て、前記種結晶の前記実像下端点の前記位置情報と前記鏡像点の前記位置情報とを、前記画像上で求めることを特徴とする、温度測定方法。
  6. 請求項4または5に記載の温度測定方法であって、
    前記(a)の変位量と前記(b)の変位量との関係を、前記種結晶の前記高さ位置と前記実像下端点の位置との回帰式である実像回帰式、および前記種結晶の前記高さ位置と前記鏡像点の位置との回帰式である鏡像回帰式から求めることを特徴とする、温度測定方法。
  7. 単結晶の製造方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載の温度測定方法により、種結晶の温度を測定する工程と、
    前記種結晶および前記坩堝の少なくとも一方を移動させて、前記種結晶を前記坩堝内に収容された前記原料融液に接触させる工程と、
    前記接触させる工程の後、前記種結晶および前記坩堝の少なくとも一方を移動させて、前記種結晶の前記下端に単結晶を成長させる工程と、
    を含むことを特徴とする、単結晶の製造方法。
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