JP6428364B2 - 温水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一方の循環路に循環される流体が、他方の循環路において循環供給される熱媒を熱源として液−液熱交換により間接加熱される温水装置に関し、特に、流量センサ等の流量を直接に検出する検出手段を用いずに、前記一方の循環路内に循環される流体の循環流量を制御上の処理により検出し得る制御技術に係る。
流量センサを用いずに流体の循環流量を検出するために、本願の出願人は下記の特許文献1で制御上の処理により検出し得る技術を提案した。これは、追い焚き循環路に循環される浴槽内の湯水が缶体内の熱交換器を通過する間に燃焼バーナにより直接加熱されるという1缶2水路式の給湯器付き風呂釜において、追い焚き循環路に循環される前記湯水の循環流量を検出し得るようにしたものである。具体的には、浴槽内の湯水を、燃焼バーナにより加熱される追い焚き用熱交換器との間に循環させ、追い焚き用熱交換器での追い焚き加熱により昇温した湯水を浴槽に供給させるという追い焚き循環加熱を行った後に、循環流量の検出のため処理を開始させる。すなわち、前記の燃焼バーナによる追い焚き加熱を停止するものの、追い焚き循環路内の循環自体は中断させずに継続させる。そして、追い焚き加熱停止後に追い焚き熱交換器を通過して浴槽に供給される湯水の温度が所定の設定温度差だけ降下するのに要した降下時間値を検出し、所定の関係テーブルからその降下時間値に対応する循環流量値を割り出すというものである。このような関係テーブルは、前記の降下時間と、循環流量との間の関係を予め試験等により求めて予め表や関係式として設定しておいたものである。
特許第5326650号公報
ところで、給湯機能や追い焚き機能に加えて温水循環式の暖房機能を備えた複合型に構成された温水装置が知られている。このような温水装置では、給湯用熱交換器と暖房用熱交換器とを燃焼バーナで加熱するようにし、暖房用熱交換器で加熱された熱媒を外部の暖房用端末に対し熱源として循環供給すると同時に、追い焚き加熱のための液−液熱交換式の追い焚き用熱交換器に対し熱源として循環供給するように2缶3水路式に構成されている。つまり、追い焚き用熱交換器が、燃焼バーナにより直接に加熱されるのではなくて、その燃焼バーナにより加熱されて循環供給される暖房用循環熱媒を熱源として間接加熱されるという構成となっている。
このような2缶3水路式に構成された温水装置を対象にして、追い焚き用熱交換器を通る浴槽内の循環湯水の循環流量を検出するために、前記特許文献1で提案した技術を適用しようとしても、迅速かつ正確な循環流量を検出することができないという不都合が生じる。その理由は、燃焼バーナによる直接的な追い焚き加熱であれば、その燃焼バーナの燃焼作動を停止させれば追い焚き加熱は即座に停止し、追い焚き用熱交換器内を通過する循環湯水の温度は例えば図7に示すように急激に降下することになる。前記の特許文献1で提案の技術は、このような昇温から降下に急変する急激な温度降下を利用して、所定の温度差ΔT分だけ降下するために要した降下時間値(例えばΔτ1又はΔτ2)を検出することで循環流量の値を迅速かつ正確に得るようにしたものである。しかしながら、前記の2缶3水路式の場合の追い焚き用熱交換器は、暖房用熱源として循環供給される熱媒を熱源とした液−液熱交換による間接加熱であるため、その暖房用熱源を加熱するための燃焼バーナを燃焼停止にしたとしても、既に加熱された熱媒が配管を通して追い焚き用熱交換器に循環供給されるため、追い焚き用熱交換器に対する熱供給は停止されず、又、その供給される熱入力も暖房側の循環流量に依存するため、未知のものとなる。さらに、追い焚き用熱交換器に対する熱媒の循環供給をたとえ遮断することができたとしても、その遮断時点からしばらくは、追い焚き用熱交換器内は熱源である熱媒が充満した状態に維持され、その熱媒から循環湯水への熱伝達が継続されることになる。このため、前記の1缶2水路式の如き昇温から降下への変換点自体も明確には表れず、又、急激な温度降下も生じず、前記特許文献1で提案の技術をそのまま適用しても循環流量の迅速かつ正確な検出を得ることはできない。
なお、前記の浴槽内の湯水を追い焚き加熱するための追い焚き循環路において、例えば通常の水車式の流量センサ等の循環流量を直接に検出し得る機器を設置するのではなくて、制御により把握・検出しようとしているのは、単なるコスト上の事情ではなくて、次のような背景事情があるからである。すなわち、追い焚き循環路に循環される流体は浴槽湯水であり、その浴槽湯水には毛髪等の混入が予想されるため、このような毛髪等による詰まり発生のおそれにより、流量センサを設置して循環流量を直接に検出することは現実にはできない。又、追い焚き循環回路に設置されている循環ポンプの定格の吐出流量が既知であったとしても、開放水面をもつ浴槽と、熱交換器とを結ぶ追い焚き循環回路における循環流量は循環ポンプの吐出流量とは合致せず、循環ポンプの吐出流量によって循環流量を把握することもできない。さらに、追い焚き循環路の循環流量を把握する意義としては、特に浴槽内に残り湯がある場合にはその残り湯量の把握処理のために時間を要し、その結果、自動湯張り完了までの時間が長くなってしまうという問題があり、この問題解決のためにも、追い焚き循環回路の循環流量の迅速かつ正確な検出(把握)が特に重要な課題となっている、という事情がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、循環流体に対する加熱が間接加熱によるものであっても、循環路における循環流量の検出を、流量センサ等の直接的な検出手段を用いずに行うことができ、しかも、その循環流量の検出を迅速かつ正確に行うことができる温水装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、加熱源により加熱される熱媒が熱源として循環される第1の循環路と、流体が循環される第2の循環路と、この第2の循環路内の前記流体を熱交換加熱するための熱交換器とを備え、前記熱交換器は前記熱媒が熱源として循環供給可能に前記第1の循環路と接続されて前記流体を前記熱媒によって間接加熱するように構成されている温水装置を対象にして次の技術的手段を講じた。すなわち、前記熱交換器よりも循環方向上流側位置の前記第2の循環路内における戻り側流体の温度を検出する戻り温度検出手段と、前記熱交換器よりも循環方向下流側位置の前記第2の循環路内における往き側流体の温度を検出する往き温度検出手段と、前記第2の循環路に循環される流体の循環流量を制御上の処理により検出する循環流量検出処理部とを備える。前記循環流量検出処理部として、経過時間の値を計測するタイマ手段と、所定の関係テーブルを記憶するテーブル記憶部とを備えたものとする。そして、前記関係テーブルとして、前記第2の循環路内の流体の循環流量と、前記熱媒の前記熱交換器への循環供給が遮断された時点から前記往き温度検出手段により検出される往き側流体の温度が設定温度値まで降下するのに要する降下時間値との関係について予め設定したものとする。又、前記循環流量検出処理部として、前記第2の循環路を前記流体が循環している状態に維持したまま、前記熱交換器に対する前記熱媒の循環供給を遮断して、前記往き温度検出手段により検出される往き側流体の温度変化を監視し、この往き側流体の温度が前記熱媒の循環供給の遮断時点から設定温度値まで温度降下するのに要する降下時間値を前記タイマ手段により計測し、計測された降下時間値に基づいて前記関係テーブルから対応する循環流量の値を割り出して検出する構成とする。加えて、前記設定温度値として、前記熱媒の循環供給の遮断時点における前記戻り温度検出手段により検出される戻り温度に対し、前記往き温度検出手段により検出される往き温度から前記戻り温度を減じた往き・戻り温度差に対し所定の比率を乗じて得た値を加えたものを設定することとした(請求項1)。
本発明の場合、第2の循環路に循環される流体が第1の循環路から循環供給される熱媒を熱源として熱交換器において間接加熱されるため、その熱媒の循環供給を遮断したとしても、熱交換器内にそれまでに供給されて充満している熱媒により前記流体は即座には温度降下せずに緩やかに温度降下することになる。このような温度降下特性に対し、前記の熱媒の循環供給遮断時点の往き温度から、この往き温度と戻り温度との中間の温度値であって所定の比率を用いて設定した設定温度値まで温度降下するのに要した降下時間値の計測と、計測した降下時間値に基づき関係テーブルからの割り出しによって、循環流量の値を得るようにしているため、前記の如く間接加熱される第2の循環路の流体であっても、その循環流量値を正確に得られることになる。しかも、その第2の循環路の流体が設定温度値まで温度降下するまでの降下時間値の計測が検出処理に必要な主な時間であるため、循環流量の値を迅速に得られるようになる。以上より、流量センサ等の循環流量を直接的に計測する検出手段を用いることなく、降下時間値を計測するだけで、間接加熱を受ける流体の循環流量値を、迅速かつ正確に検出することができるようになる。
本発明の温水装置において、前記第1の循環路として、熱媒として温水を暖房端末との間で循環供給させて暖房機能を実現させるための温水循環路により構成し、前記第2の循環路として、前記熱交換器と浴槽との間で流体として浴槽内の湯水が循環される追い焚き循環路により構成し、前記熱交換器として、前記温水が熱源として循環供給されて前記浴槽内の湯水を液−液熱交換により加熱する追い焚き用熱交換器により構成することができる(請求項2)。このようにすることにより、温水装置の構造が例えば給湯機能を加えて2缶3水路式に構成された温水暖房機能付き風呂給湯装置というように、具体的に特定され、本発明の適用対象をより明確化し得ることになる。そして、毛髪等の混入により流量センサ等の直接的な流量検出手段を設置し得ない追い焚き循環路において、その追い焚きのための循環流量を正確にかつ迅速に把握することが可能となる。
又、本発明の温水装置において、循環流量検出処理部として、循環流量値の検出処理を浴槽に対する湯張り制御において浴槽内に残り湯が存在することを検知した状態で実行する構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、残り湯を利用して循環流量の値の検出処理が可能となるばかりでなく、この段階で循環流量の値が得られるため、以後の湯張り制御を単純化させることも可能になる。例えば、循環流量の値が循環流量検出処理部による検出処理によって把握されているため、その循環流量の値を用いて残り湯量の演算が容易になり、その結果、湯張り制御完了までの所要時間を従来の場合よりも大幅に短縮することが可能になる。
以上、説明したように、本発明の温水装置によれば、第1の循環路からの熱媒の循環供給遮断時点の往き温度から、この往き温度と戻り温度との中間の温度値であって所定の比率を用いて設定した設定温度値まで温度降下するのに要した降下時間値の計測と、計測した降下時間値に基づき関係テーブルからの割り出しによって、循環流量の値を得るようにしているため、前記熱媒により間接加熱される第2の循環路の流体であっても、その循環流量値を正確に得ることができるようになる。しかも、その第2の循環路の流体が設定温度値まで温度降下するまでの降下時間値の計測が検出処理に必要な主な時間であるため、循環流量の値を迅速に得ることができる。以上より、流量センサ等の循環流量を直接的に計測する検出手段を用いることなく、降下時間値を計測するだけで、間接加熱を受ける流体の循環流量値を、迅速かつ正確に検出することができるようになる。
請求項2の温水装置によれば、第1の循環路として、熱媒として温水を暖房端末との間で循環供給させて暖房機能を実現させるための温水循環路により構成し、第2の循環路として、熱交換器と浴槽との間で流体として浴槽内の湯水が循環される追い焚き循環路により構成し、熱交換器として、温水が熱源として循環供給されて浴槽内の湯水を液−液熱交換により加熱する追い焚き用熱交換器により構成することにより、温水装置の構造として例えば給湯機能を加えて2缶3水路式に構成された温水暖房機能付き風呂給湯装置というように、具体的に特定することができ、本発明の適用対象をより明確化することができる。そして、毛髪等の混入により流量センサ等の直接的な流量検出手段を設置し得ない追い焚き循環路においても、その追い焚きのための循環流量を正確にかつ迅速に把握することができるようになる。
又、請求項3の温水装置によれば、循環流量検出処理部として、循環流量値の検出処理を浴槽に対する湯張り制御において浴槽内に残り湯が存在することを検知した状態で実行する構成とすることにより、残り湯を利用して循環流量の値の検出処理が可能となるばかりでなく、この段階で循環流量の値が得られるため、以後の湯張り制御を単純化させることができるようになる。例えば、循環流量の値が循環流量検出処理部による検出処理によって把握されているため、その循環流量の値を用いて残り湯量の演算を容易に行うことができ、その結果、湯張り制御完了までの所要時間を従来の場合よりも大幅に短縮することができるようになる。
本発明の実施形態が適用される温水装置として2缶3水路式給湯器付き風呂釜を示す模式図である。 本温水装置の湯張り制御及び湯水の循環流量検出処理に係る制御構成のブロック図である。 主として循環流量検出処理の手順を示すフローチャートである。 循環流量が大の場合と小の場合とにおける、暖房循環路から追い焚き用熱交換器に対する熱媒循環供給を停止した後の往き温度の変化特性を示す温度と時間との関係図である。 種々の循環流量でかつ種々の温度条件での組み合わせでの湯水の追い焚き循環流を対象にして、その追い焚き循環を継続させつつ、暖房循環路から追い焚き用熱交換器に対する熱媒循環供給を停止した後における往き温度の変化と時間との関係を計測し、往き温度の経時変化を所定の比率λで表して、その比率λと経過時間との関係を示す実験データに基づく関係図である。 図5の関係図からλ=0.5の場合について、循環流量と降下時間との関係を表した関係図である。 特許文献1で提案の技術の前提となる関係図であって、循環流量が大の場合と小の場合とにおける、燃焼バーナによる燃焼加熱停止後の往き温度の変化特性を示す温度と時間との関係図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る温水装置の模式図である。この温水装置は、給湯機能、温水循環式の温水暖房機能、フロの追い焚き機能、注湯機能の各機能を併有する複合型に構成されたものであり、構造的に特に2缶3水路式に構成されたものである。すなわち、給湯回路2と、追い焚き循環回路3と、注湯回路4と、温水式の暖房循環回路5とを備え、追い焚き循環回路3として、液−液熱交換式に構成された追い焚き用熱交換器31により浴槽B内の湯水を追い焚き加熱し、この追い焚き用熱交換器31に対し追い焚き加熱用の熱源として暖房循環回路5から暖房端末61に供給するための高温水(熱媒)が循環供給されるようになっている。なお、図1に例示の温水装置は、燃焼加熱部において顕熱に加え燃焼排ガスから潜熱回収を行うことにより高効率化を図る潜熱回収型のものを例示しているが、本発明は、潜熱回収機能を付加した高効率型ではないものでも、実施することができ、本発明による作用効果を得ることができる。又、以下の説明では、暖房循環回路5として、低温用・高温用の複数種類の暖房端末に低温水や高温水を循環供給するもの、等の具体構成を備えた例を示すが、一方の循環路(例えば追い焚き循環回路)に循環される流体(例えば浴槽湯水)に対する加熱が、他方の循環路(例えば暖房循環回路)から循環供給される熱媒(例えば高温水)を熱源として液−液熱交換式の間接加熱により行われるものであれば、これら以外の構成を備えたものでもよく、本発明の適用上、限定されるものではない。
給湯回路2は、給湯用熱源機21と、この給湯用熱源機21に対し水道水等の給水を入水させる入水路22と、給湯用熱源機21で熱交換加熱された湯が出湯される出湯路23とを備えている。給湯用熱源機21は燃焼バーナ24の燃焼に伴う顕熱により主加熱する一次熱交換器25と、燃焼排ガスから潜熱を回収して予熱する二次熱交換器26とを備え、入水をまず二次熱交換器26に通して予熱した上で、一次熱交換器25に通すようになっている。出湯路23の途中には入水路22から分岐された混水用のバイパス路27が合流されており、一次熱交換器25からの出湯に対し混水弁27aの開度調整により入水路22からの水を所定量混水して設定給湯温度に温調した上で給湯栓28等に給湯されるようになっている。入水路22には入水流量を検出する入水流量センサ22aと、入水温度を検出する入水温度センサ22bとが設けられ、バイパス路27の合流点よりも下流側位置の出湯路23には給湯栓28への給湯流量を調整する流量調整弁23aと、出湯温度を検出する出湯温度センサ23bとが設けられている。そして、出湯路23から注湯回路4の注湯路41の上流端が分岐され、下流端が前記追い焚き循環回路3の戻り流路32aに対し合流点Mで接続され、出湯路23の湯が注湯路41及び戻り流路32aを通して浴槽Bに注湯可能とされている。
追い焚き循環回路3は、液−液熱交換式の追い焚き用熱交換器31が追い焚き循環路32に介装されたものであり、第2の循環路を構成する追い焚き循環路32は戻り流路32a及び往き流路32bにより構成されたものである。そして、追い焚き用の循環ポンプ33の作動により浴槽Bからふろ戻り流路32aを通して取り出された浴槽の湯水(循環路内に循環される流体)が追い焚き用熱交換器31に流入され、この追い焚き用熱交換器31内において熱源との液−液熱交換により追い焚き加熱され、追い焚き加熱後の湯水が往き流路32bを通して浴槽Bに送られるようになっている。戻り流路32aには循環ポンプ33の他に浴槽B内の水位を検出する圧力式の水位検出センサ30と、循環流の通過によりフラップが開いて循環判定のON指令を出力する水流スイッチ34と、浴槽Bからの湯水の温度(浴槽B内の湯水温度と同等;戻り温度)を検出する戻り温度センサ35とが設けられ、往き流路32bには追い焚き用熱交換器31の下流側位置に追い焚き加熱後の湯水の温度(往き温度)を検出する往き温度センサ36が設けられている。追い焚き用熱交換器31には熱源を循環供給するための熱源循環路37が接続され、この熱源循環路37に介装された追い焚き用のフロ熱動弁38を開閉切換することで、熱源を循環供給させたりその循環供給を停止させたりと切換して、追い焚き加熱のON・OFF切換が行われるようになっている。熱源循環路37やフロ熱動弁38は、後述の暖房循環回路5の温水循環路55の一部を構成している。
注湯回路4は、前記の注湯路41と、この注湯路41に介装された注湯弁42とを備えたものである。注湯路41には、注湯弁42の他に、注湯流量を検出する注湯量センサ43や、一対の逆止弁44等が介装されている。前記注湯弁42がコントローラ7により開閉制御され、注湯の実行により出湯路23の湯が注湯路41,追い焚き循環路32(戻り路32a)を経て浴槽Bに注湯されて所定量の湯張りが行われるようになっている。
暖房循環回路5の暖房用熱源機51は、給湯用熱源機21と同様に、燃焼バーナ52の燃焼に伴う顕熱により主加熱する一次熱交換器53と、燃焼排ガスから潜熱を回収して予熱する二次熱交換器54とを備えている。そして、暖房循環回路5は、第1の循環路を構成する暖房機能用の温水循環路55と、暖房用循環ポンプ56とを備え、熱媒として低温水と高温水との2種類の温度の温水を低温用・高温用の複数種類の暖房端末に対し熱源として循環供給するようになっている。
すなわち、前記の温水循環路55は、膨張タンク57に戻されて貯留される低温水を暖房用循環ポンプ56の作動により一次熱交換器53に送り、ここで燃焼バーナ52により加熱した後の高温水を熱源循環路37を通して追い焚き用熱交換器31に熱源として供給したり、高温水供給路59及び高温往きヘッダー60を介して例えば浴室乾燥機等の高温用暖房端末61に供給したりされるようになっている。又、循環ポンプ56の作動により、膨張タンク57内の低温水を低温往きヘッダー62を介して例えば床暖房機等の低温用暖房端末63に供給し、全ての暖房端末61,63から放熱により低温になった低温水を戻りヘッダー64及び低温水供給路65を介して潜熱回収用の二次熱交換器54に通し、予熱した上で膨張タンク57に戻すというように、循環させるようになっている。以上の作動制御が、例えば暖房リモコンの暖房スイッチのON操作により、後述の暖房制御部73の暖房運転制御によって実行される。
なお、図示を省略するが、二次熱交換器26,54において燃焼排ガスが潜熱回収のための熱交換により冷やされて凝縮することにより生じたドレン水を導出し、導出したドレン水を中和処理等した上で排水等させるために、ドレン水処理回路も付設されている。 又、前記燃焼バーナ24,52は、元ガス弁やガス比例弁を介装した燃料供給系からの燃料ガスの供給と、送風ファンからの燃焼用空気の供給とを受けて燃焼作動するようになっており、図例のものは複数の能力切換弁の開閉切換制御により、燃焼能力が複数段階に切換可能となっている。
前記の温水装置は、コントローラ7によって、給湯運転、注湯・注水による湯張り運転、追い焚き運転及び暖房運転等の各種の運転制御がリモコン8からの出力及び前記の各種センサからの出力等に基づいて行われる他、後述の如く追い焚き循環回路3の循環流量の検出を流量センサ等の直接的な検出手段を用いることなく制御上の処理によって行うようになっている。前記コントローラ7は、給湯回路2により給湯栓28に対する給湯運転を行う給湯制御部と、追い焚き循環回路3により浴槽B内の湯水を所定温度まで焚き上げる追い焚き運転を行う追い焚き制御部と、注湯路41を通して浴槽Bに注湯・注水して湯張り運転を行う湯張り制御部71(図2参照)と、循環流量を検出するための制御手段を構成する循環流量検出処理部72とを備えている。かかるコントローラ7は、CPUや書き換え可能メモリを備えるマイコンによって主構成されており、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の各種運転制御などを行うようになっている。
給湯制御部による給湯運転制御の概略を説明すると、給湯要求(例えばユーザーによる給湯栓28の開操作)により入水路22への入水流量が最低作動流量(MOQ;例えば3リットル/分)以上になったことが入水流量センサ22aにより検出されれば、燃焼バーナ24等の燃焼系を作動制御することにより、出湯路23に出湯される出湯温度が所定温度になるように所定の燃焼量で燃焼バーナ24を燃焼させるようになっている。そして、出湯路23に出湯させた湯と、バイパス路27を通して出湯路23に分岐入水させた水とを混合させて温調させることにより、給湯栓28等に給湯される湯の温度がリモコン8に設定された設定給湯温度(設定注湯温度)になるように作動制御するようになっている。
又、リモコン8のフロ自動スイッチがON操作されると、フロ制御部による注湯運転制御及び注湯後の追い焚き運転制御が自動処理により実行され、又は、リモコン8の注湯スイッチがON操作されると、注湯運転制御が実行されることになる。注湯運転制御は、熱動弁38がそれ以前に閉作動されていればそのまま、熱動弁38が開状態であれば熱動弁38を閉作動させた後に、注湯弁42を開作動させることで開始される。この開作動により機外からの給水圧を受けて入水路22に対し入水され、入水路22への入水流量が最低作動流量(MOQ)以上になったことが入水流量センサ22aにより検出されれば燃焼バーナ24が燃焼作動され、出湯路23から設定注湯温度の湯が注湯路41に供給された後、戻り流路32aの合流点Mに供給されることになる。そして、合流点Mから戻り流路32aを通して浴槽Bに所定量が注湯されて、浴槽Bが湯張りされることになる。
前記追い焚き制御部による追い焚き制御は次のようにして行われる。すなわち、リモコン8の追い焚きスイッチをユーザがON操作するか、あるいは、前段階に風呂自動スイッチをユーザがON操作して湯張り制御により浴槽B内に所定水位までの湯張りが終了すると追い焚き指令が出力され、この追い焚き指令を受けて循環ポンプ33を作動させる。この作動開始により水流スイッチ34がONすると、前記暖房用熱源機51の燃焼作動制御が開始されて燃焼バーナ52が燃焼作動される。この燃焼作動は戻り温度センサ35により検出される戻り温度が設定風呂温度を維持するように行われる。つまり、戻り温度センサ35の検出戻り温度が風呂設定温度よりも低ければ燃焼作動され、風呂設定温度以上であれば燃焼作動が停止される。
前記湯張り制御部71は、まず、循環判定により浴槽B内の残り湯(残り水を含め「残り湯」と表記する)が有るか否かを判定し、残り湯無しと判定されれば例えば所定の段階に分けて注湯回路4により所定水位まで注湯し、残り湯有りと判定されれば、その残り湯を用いて循環流量検出処理を行った上で残り湯量を演算し、演算結果に基づき前記の所定水位まで湯張りするのに不足分を注湯回路4により注湯する。循環判定は、図3に示すように追い焚き用の循環ポンプ33を作動させ(ステップS1)、水流スイッチ34がONするか否かを判定し(ステップS2)、水流スイッチ3がONしなければ残り湯無し(又は所定量未満)と判定して注湯する一方(ステップS2でNO)、水流スイッチ3がONすれば残り湯有りと判定する(ステップS2でYES)。なお、注湯は、注湯弁42を開変換させて給湯用の燃焼バーナ24の燃焼作動により所定温度の湯を注湯路41及び追い焚き循環路32を通して浴槽Bに落とし込む。
残り湯有りと判定された場合(ステップS2でYES)には、その残り湯を利用して循環流量検出処理部72による追い焚き循環回路3の循環流量の検出を行う。なお、図2は湯張りと循環流量検出処理に係るもののみの制御構成を示し、図3は循環流量検出処理を中心にした湯張り制御に係るフローチャートである。又、前記のステップS1では、循環ポンプ33の作動を一定時間継続して浴槽B内の残り湯を撹拌し、均一温度にしておくことが望ましい。
循環流量の検出処理として、まず追い焚き処理を行う(ステップS3)。
すなわち、追い焚き用の循環ポンプ33の作動をそのまま維持する一方、熱動弁38の開切換,暖房用の循環ポンプ56の作動及び暖房用の燃焼バーナ52の燃焼開始により、暖房用の一次熱交換器53で加熱した高温水を熱源として追い焚き用熱交換器31に循環供給させる。これにより、追い焚き循環路32の戻り流路32aを通して追い焚き用熱交換器31に送られた浴槽Bの湯水が、追い焚き用熱交換器31で前記高温水との液−液熱交換により加熱され、加熱後の湯水が往き流路32bを通して浴槽Bに送られることになる。つまり、浴槽B内の湯水の追い焚きが行われる。なお、このときに暖房回路5による暖房運転が行われている場合には、ステップS3の追い焚き処理としては熱動弁38の開切換のみを行う。そして、この追い焚きの間に、戻り温度センサ35により検出される戻り温度と、往き温度センサ36により検出される往き温度とを記録する。ここで、追い焚き期間中に戻り温度及び往き温度の両者を検出して記録するのは後の残り湯量の演算(ステップ9)で利用するためである。
検出戻り温度により得られる浴槽B内の湯水温度が所定の目標温度まで上昇したら(ステップS4でYES)、次に、循環流量を検出するための処理(ステップS5)に移行する。
すなわち、少なくとも暖房用循環ポンプ56の作動を停止する一方、追い焚き循環ポンプ33の作動は継続させる。この際、暖房用循環ポンプ56の作動停止に伴い、暖房用燃焼バーナ52の燃焼を停止させてもよい。又、追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給(高温水の供給)を遮断するために、熱動弁38の閉切換ではなくて暖房用循環ポンプ56の作動停止を行うようにしているのは、即応性を担保するためである。つまり、熱動弁38はその開閉切換に一定の時間を要するため、熱動弁38の閉切換に代えて暖房用循環ポンプ56の作動停止により追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給を即時に遮断するようにしている。加えて、前記の暖房用循環ポンプ56の作動停止(追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給の遮断)と同時に、この熱源供給遮断時点(t=0)に検出された戻り温度(Tl(0);括弧内は経過時間t=0を表す)、及び、往き温度(Th(0);括弧内は経過時間t=0を表す)を記録すると共に、タイマ手段721をスタートさせる。併せて、前記の熱源供給遮断時点(t=0)の戻り温度Tl(0)及び往き温度Th(0)に基づいて、降下時間値Δτgを計測する設定温度値T(g)の設定を行う。
設定温度値T(g)の設定は、次のようにして行う。すなわち、戻り温度Tl(0)に対し、往き温度Th(0)から戻り温度Tl(0)を減じた往き・戻り温度差に対し所定の比率λ(0<λ<1.0)を乗じて得た値を加えたものを設定温度値T(g)として設定する。これを演算式により表すと次のようになる。
T(g)=Tl(0)+λ・[Th(0)−Tl(0)] …(1)
式(1)をλについて変形すると、式(2)となる。
λ=[T(g)−Tl(0)]/[Th(0)−Tl(0)] …(2)
比率λとしては、後述の降下時間値に基づく循環流量の検出をより正確に行うという見地から定めることができ、例えば、往き・戻り温度差の1/2(λ=0.5)又は2/3(λ=0.67)を採用することができる。本実施形態においては、比率λ(0<λ<1.0)の値として、いわゆる半減期に相当する0.5を採用している。
比率λの設定についてさらに詳細に説明する。図4に、追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給を遮断する一方、追い焚き循環路32の循環作動は継続させた場合の、往き温度Th(t)の変化と、経過時間tとの関係を特性図として示す。熱源供給が遮断されても追い焚き用熱交換器31内にはそれまでに供給された高温水が充満しているため、往き温度Th(t)は熱源供給停止時点(t=0)から即座に降下はせずに一定時間はTh(0)を維持した後に緩やかに降下し始める。その際、循環流量が大であるほど温度降下は早期に始まりその降下度合も急になり、循環流量が小であるほど温度降下は遅れて始まりその降下度合いも緩やかになる。そして、往き温度Th(t)は降下を続けて、終局的には、熱源供給停止時点の戻り温度Tl(0)に収束していく。ここで、λ=0.5を設定した場合の設定温度差に対応する温度値まで降下するのに要する降下時間値は、循環流量が大の場合はΔτ2、循環流量が小の場合はΔτ1ということになる。ここで、λの値を大きくしていけば、循環流量が大の場合と小の場合との降下時間値の差が小さくなり、λの値を小さくしていけば、前記の降下時間値の差が大になる。つまり、λの値を余りに大きく設定してしまうと、計測した降下時間値から求める循環流量の値についての正確性が損なわれるおそれがある一方、逆に、λの値を余りに小さく設定してしまうと、降下時間値の計測にかなりの経過時間を要することになりかねず、迅速性に欠けるおそれが生じることになる。
さらに、図5を参照しつつ詳細に説明する。図5には、各種の循環流量で追い焚き循環路32に流れる各種戻り温度・往き温度の組み合わせの循環流を対象にして、前記の熱源供給遮断時点からの検出往き温度の変化について計測し、計測結果を前記の比率λに換算した値と、経過時間との関係を実験により求めたものを示している。前記循環流としては、循環流量として4L/min,6L/min,8L/min,10L/minに設定し、又、浴槽B内の湯水温度(戻り温度)が33℃,40℃,48℃の3種類の湯水をそれぞれ準備し、これら各種温度の湯水について前記の4種類の循環流量により循環させた。そして、経過時間t毎に計測した往き温度Th(t)の変化を前記の式(2)に相当する次の式(3)に基づいて比率λに換算し、この比率λと経過時間との関係を示したものが図5である。なお、実験に際し、実際の循環流量値については電磁流量計を用いて確認した。
λ=[T(t)−Tl(0)]/[Th(0)−Tl(0)] …(3)
図5によると、まず、戻り温度が33℃,40℃,48℃というように互いに異なる温度条件であったとしても、比率λと経過時間との関係は4種類の循環流量値の違いのみによって一義的に定まることが分かる。この点について、図6に、図5の試験データを用いて浴槽B内の湯水温度が33℃,40℃,48℃の3種類の循環流について循環流量と経過時間との関係を示した。この図6によると、いずれの温度条件(33℃,40℃,48℃の3種類)の循環流であっても、循環流量と経過時間との関係はほぼ同じとみなし得る程度に互いに同じであることが分かる。要するに、湯水温度33℃,40℃,48℃の違い、つまり追い焚き用熱交換器31による加熱度合の違いがあっても、循環流量と降下時間値との関係はほぼ一定の関係曲線により表すことが可能であり、ある温度値まで降下するのに要した降下時間値と循環流量との関係はほぼ一定の関係を示すことが分かる。このため、降下時間値と循環流量との関係テーブル(関係曲線又は数値表)を予め試験により求め、この関係テーブルを循環流量検出処理部72のテーブル記憶部722に記憶させておけば、前記の降下時間値に相当するタイマ値(図3のステップS7参照)を計測することにより、前記関係テーブルから循環流量の値を割り出して検出することができることになる。
図5に戻り、4種類の循環流量においてλ=0.9における各経過時間(ラインL1と変化曲線との各交点における経過時間)は近接しているのに対し、λ=0.3における各経過時間(ラインL4と変化曲線との各交点における経過時間)は互いに大きく離れかつ各経過時間値も長期化している。これに対し、λ=0.5やλ=0.67における各経過時間(ラインL3,L2と変化曲線との各交点における経過時間)は適度な間隔を有しかつ全てが僅か5秒以内という極めて短時間の範囲となっている、つまり極めて短時間で循環流量の値の検出が可能であることが分かる。
以上より、往き温度が熱源供給遮断時点から所定の温度値まで降下するのに要した時間(降下時間値)と、循環流量との間には相関関係があり、かつ、熱源供給遮断時点の循環流(浴槽B内の湯水温度)の温度条件の如何に拘わらず、その降下時間値の検出だけで循環流量の値が一義的に得られることになる。このため、降下時間値と循環流量との間の関係テーブルを予め実験により定めておけば、前記の降下時間値を計測するだけで容易に、迅速かつ正確に循環流量の値を割り出すことができるようになる。これにより、浴槽内の湯水の循環流が液−液熱交換式の追い焚き用熱交換器31で間接加熱を受けるものであっても、その循環流量の値を検出し得るようになる。
図3のフローチャートに戻り、熱源供給遮断時点からの往き温度センサ36による往き温度T(t)の変化を監視する(ステップS6)。そして、検出された往き温度T(t)が設定温度値T(g)まで温度降下すれば(ステップS6でYES)、その時のタイマ手段721のタイマー値(降下時間値)を出力する(ステップS7)。つまり、追い焚き用熱交換器31を通過した後に検出される往き温度が、熱源供給遮断時点に検出される往き温度T(0)から設定温度値T(g)まで温度降下するのに要する時間値(降下時間値)を得る。出力された降下時間値に基づき、テーブル記憶部722に予め記憶された関係テーブルから対応する循環流量の値を割り出し、追い焚き循環路32における循環流量値としてこの割り出された循環流量値を設定する(ステップS8)。ここで、前記の関係テーブルとは、降下時間値と循環流量値との関係を実験等により予め定めて、テーブル記憶部722に記憶設定したものである。
このような関係テーブルとして、熱源供給遮断時点の循環流の温度(浴槽B内の湯水の温度;戻り温度)の高低如何によって異なる複数種類の関係テーブルを設定することができる。すなわち、循環流の温度として互いに異なる複数の温度毎に、その温度の循環流に適用する関係テーブルを設定し、これら複数種類の関係テーブルをテーブル記憶部722に記憶させておくことができる。そして、循環流量の検出処理の際に、戻り温度センサ35により検出される戻り温度に基づいてこの戻り温度に対応する関係テーブルを呼び出し、この関係テーブルから循環流量の値を割り出すようにする。なお、循環流の温度として、戻り温度の代わりに、リモコン8に設定された浴槽Bの沸き上がり設定温度を用いるようにしてもよい。要するに、ヒートマスの影響を無視して循環流量値の検出処理を行うようにしてもよいが、さらに、追い焚き用熱交換器31が有するヒートマス(熱容量)による影響を加味してより高精度な循環流量値の検出処理を図るために、前記ヒートマスを熱源供給遮断時点の循環流の温度により簡易に把握し、この熱源供給遮断時点の循環流の温度に基づき補正するようにすることができる。
又、テーブル記憶部722に、互いに異なる複数の外気温に対し適用するものとして予め設定した複数種類の関係テーブルを記憶させておき、温水装置に設けた外気温センサ(例えばF点サーミスタ;図示省略)により検出される外気温の高低の如何によって適用する関係テーブルを変更設定するようにすることができる。又、このような外気温に基づく補正を、前記の互いに異なる複数の循環流の温度毎にその温度の循環流に適用する関係テーブルに対し上乗せするようにすることもできる。
テーブル記憶部722に対する記憶設定は、工場出荷前に記憶させても、あるいは、使用現場に温水装置を設置した後にテーブル記憶部722に対し記憶させるようにしても、いずれでもよい。又、使用後に、その関係テーブルを新たなものに更新・記憶させるようにしてもよい。
以上で循環流量値の検出処理が終了し、流量センサ等の循環流量を直接的に計測する検出手段を用いることなく、循環流量値を検出(取得)することができるようになる。しかも、循環流量検出処理を開始してから僅か数秒間というように極めて迅速に循環流量値の検出処理を終了することができることになる。又、検出される降下時間値について、タイマ値の始期が暖房用循環ポンプ56の作動停止時点であるため、その始期を正確に把握することができる一方、タイマ値の終期も検出往き温度が設定温度値T(g)を検出した時点であるため、その終期をも正確に把握することができる。この結果、関係テーブルと照合すべき降下時間値として、制御上のタイムラグもなく、極めて正確な値を計測することができ、かかる正確な降下時間値に基づいて対応する循環流量値を導いているため、正確な循環流量値を得ることができることになる。
そして、ステップS8で循環流量値の検出が完了すれば、この循環流量値を用いて残り湯量の演算を湯張り制御部71により実行する(ステップ9)。この残り湯量の演算は、前記の追い焚き期間中(ステップS3)に記録した検出戻り温度、検出往き温度、及び、前記の循環流量値を用いて熱量演算により行う。すなわち、検出往き温度から検出戻り温度を差し引いた温度上昇幅に循環流量値を乗じ経過時間に従って積分することにより、追い焚き加熱により付与された積算熱量を得る。そして、この積算熱量と、同じ経過時間の間における戻り温度(浴槽湯水の温度)の温度上昇分とから残り湯量を演算すればよい。
ステップS9の演算で残り湯量が把握できれば、浴槽Bに対する湯張りの設定水位までに足すべき湯量(又は水量)を把握することができるため、この湯量に相当する量の注湯(又は注水)を湯張り制御部71により行って湯張りを終了させる(ステップS10)。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ステップS2で残り湯有りと判定された場合(ステップS2でYES)に、その残り湯を利用して循環流量検出処理部72による追い焚き循環回路3の循環流量の検出を行うために、一旦追い焚き制御を実行した上で、追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給を停止して往き温度の降下時間の計測を行うようにしているが、これに限らず、例えば通常の追い焚き制御が実行される場合には、その追い焚き制御の終了時点(追い焚き用熱交換器31に対する熱源供給の停止時点)から往き温度の降下時間を計測するというように循環流量の検出処理に移行するようにすることもできる。
前記実施形態では、比率λを乗じて得た1種類の設定温度値まで降下するのに要した降下時間値を検出し、この1種類の降下時間値に対応する循環流量値を関係テーブルから割り出すようにしているが、これに限らず、2種類のλ1(例えばλ1=0.5),λ2(例えばλ=0.67)を用いて得た2種類の設定温度値に基づき、これら2種類の設定温度値まで往き温度が降下した2種類の降下時間値を検出し、これら2種類の降下時間値に対応する2つの循環流量値を関係テーブルから割り出し、これらを平均化処理して最終の循環流量値を得るようにすることができる。平均化処理することで、より高精度な循環流量値の検出が可能になる。
前記実施形態で用いる関係テーブルとして外気温の高低の如何に対応した複数種類の関係テーブルをテーブル記憶部722に予め記憶設定する代わりに、計測された降下時間値に対し、あるいは、その降下時間値に基づき関係テーブルから割り出される循環流量値に対し、外気温の高低の如何に応じて補正を加えるようにしてもよい。例えば、外気温センサにより検出した外気温が基準温度範囲よりも低ければ温度降下の度合も大きく温度降下に要する時間も少なめになると考えられるため、タイマ手段721から出力されたタイマ値に対しプラス側の補正を加え、逆に外気温が基準温度範囲よりも高ければ前記タイマ値に対しマイナス側の補正を加えるようにする。補正幅としては、例えばプラス・マイナス0.05秒とすればよい。このような外気温に基づく補正を加えることで、検出処理により得られる循環流量値としてより一層精度(正確性)の高いものを得ることができるようになる。
なお、関係テーブルとしては、関係曲線又は関係曲線を直線近似にした線形の関係線を設定してもよいし、そのような関係曲線を規定する数式を設定してもよいし、数値表を設定してもよいし、いずれでもよい。数式を設定するには実験結果から例えば最小二乗法等を用いて近似式を定めることができ、この近似式に基づいて降下時間値と循環流量値との座標系で関係曲線を特定することもでき、あるいは、その近似式そのものを関係テーブルとして設定することができる。又、数値表を関係テーブルとして設定した場合には、ぴったり合致する循環流量の値がない場合には、隣接する循環流量の数値間で線形補間により、循環流量の値を割り出すようにすることができる。
31 追い焚き用熱交換器
32 追い焚き循環路(第2の循環路)
35 戻り温度センサ(戻り温度検出手段)
36 往き温度センサ(往き温度検出手段)
52 暖房用燃焼バーナ(加熱源)
55 温水循環路(第1の循環路)
72 循環流量検出処理部
721 タイマ手段
722 テーブル記憶部
B 浴槽

Claims (3)

  1. 加熱源により加熱される熱媒が熱源として循環される第1の循環路と、流体が循環される第2の循環路と、この第2の循環路内の前記流体を熱交換加熱するための熱交換器とを備え、前記熱交換器は前記熱媒が熱源として循環供給可能に前記第1の循環路と接続されて前記流体を前記熱媒によって間接加熱するように構成されている温水装置において、
    前記熱交換器よりも循環方向上流側位置の前記第2の循環路内における戻り側流体の温度を検出する戻り温度検出手段と、前記熱交換器よりも循環方向下流側位置の前記第2の循環路内における往き側流体の温度を検出する往き温度検出手段と、前記第2の循環路に循環される流体の循環流量を制御上の処理により検出する循環流量検出処理部とを備え、
    前記循環流量検出処理部は、経過時間の値を計測するタイマ手段と、所定の関係テーブルを記憶するテーブル記憶部とを備え、
    前記関係テーブルは、前記第2の循環路内の流体の循環流量と、前記熱媒の前記熱交換器への循環供給が遮断された時点から前記往き温度検出手段により検出される往き側流体の温度が設定温度値まで降下するのに要する降下時間値との関係について予め設定したものであり、
    前記循環流量検出処理部は、前記第2の循環路を前記流体が循環している状態に維持したまま、前記熱交換器に対する前記熱媒の循環供給を遮断して、前記往き温度検出手段により検出される往き側流体の温度変化を監視し、この往き側流体の温度が前記熱媒の循環供給の遮断時点から設定温度値まで温度降下するのに要する降下時間値を前記タイマ手段により計測し、計測された降下時間値に基づいて前記関係テーブルから対応する循環流量の値を割り出して検出するように構成され、かつ、
    前記設定温度値として、前記熱媒の循環供給の遮断時点における前記戻り温度検出手段により検出される戻り温度に対し、前記往き温度検出手段により検出される往き温度から前記戻り温度を減じた往き・戻り温度差に対し所定の比率を乗じて得た値を加えたものが設定されている、
    ことを特徴とする温水装置。
  2. 請求項1に記載の温水装置であって、
    前記第1の循環路は、熱媒として温水を暖房端末との間で循環供給させて暖房機能を実現させるための温水循環路により構成され、
    前記第2の循環路は、前記熱交換器と浴槽との間で流体として浴槽内の湯水が循環される追い焚き循環路により構成され、
    前記熱交換器は、前記温水が熱源として循環供給されて前記浴槽内の湯水を液−液熱交換により加熱する追い焚き用熱交換器により構成されている、温水装置。
  3. 請求項2に記載の温水装置であって、
    循環流量検出処理部は、循環流量値の検出処理を前記浴槽に対する湯張り制御において前記浴槽内に残り湯が存在することを検知した状態で実行するように構成されている、温水装置。
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