JP6427329B2 - コムギ由来プロモーター - Google Patents
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Description
(1) 乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するコムギ由来のプロモーター。
(2) Triticum monococcum由来である、(1)に記載のプロモーター。
(3) 乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターと比較して1〜150倍である、(1)又は(2)に記載のプロモーター。
(4)乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上であり、根において0.7倍以上であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.2倍以上であり、根において20倍以上であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上であり、根において10倍以上である、(1)から(3)の何れかに記載のプロモーター。
(5)乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において4.0〜63.1倍であり、根において10.9〜41.8倍であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.5〜33.5倍であり、根において30.1〜190.5倍以下であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.8〜43.3倍であり、根において14.1〜881.5倍以下である、(1)から(4)の何れかに記載のプロモーター。
(6) MYCATRD22(塩基配列はCACATG)、MYCATERD1(塩基配列はCATGTG)、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)、MYB2AT(塩基配列はTAACTG)、CBFHV(塩基配列はRYCGAC)、ABRELATERD1 (塩基配列はACGTG)、ABREATRD22(塩基配列はRYACGTGGYR)、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)、LTRECOREATCOR15(塩基配列は CCGAC)、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)からなる群から選択される少なくとも1種以上のモチーフを少なくとも1個以上有する、(1)から(5)の何れかに記載のプロモーター。
(7) 以下の(a)〜(d)の何れかである、(1)から(6)の何れかに記載のプロモーター。
(a)配列番号17、18又は21に記載の塩基配列を含むプロモーター;
(b)配列番号17、18又は21に記載の塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含み、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するプロモーター;
(c)配列番号17、18又は21に記載の塩基配列において、1又は複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列を含み、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するプロモーター;又は
(d)配列番号17、18又は21に記載の塩基配列と相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含み、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するプロモーター。
(8) (1)から(7)の何れかに記載のプロモーターと、前記プロモーターの下流に連結された遺伝子とを含むベクター。
(9) (8)に記載のベクターを含む微生物又はウイルス。
(10) (8)に記載のベクター及び/あるいは(9)に記載の微生物又はウイルスにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体。
(11) 前記宿主細胞が単子葉植物由来の細胞である、(10)に記載の形質転換体。
(12) 前記宿主細胞がコムギ(Triticum aestivum)由来の細胞である(10)又は(11)に記載の形質転換体。
(13) (8)に記載のベクター及び/あるいは(9)に記載の微生物又はウイルスを植物細胞内に導入する工程を含む、乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を有する植物の製造方法。
(14) (8)に記載のベクター及び/あるいは(9)に記載の微生物又はウイルスを植物細胞内に導入する工程を含む、乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を植物に付与する方法。
(1)プロモーター
本発明のプロモーターは、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有することを特徴とする。プロモーターが活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大するとは、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、又は低温ストレス条件下にプロモーターを曝した場合に、RNAポリメラーゼがプロモーターに結合し、プロモーターの下流に連結した遺伝子の転写を活性化して、当該遺伝子の発現量を増大することを言う。
(条件i)
乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上(好ましくは3.5倍以上、より好ましくは4.0倍以上)であり、根において0.7倍以上(好ましくは0.75倍以上、より好ましくは0.8倍以上)であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.2倍以上(好ましくは1.4倍以上、より好ましくは1.5倍以上)であり、根において20倍以上(好ましくは25倍以上、より好ましくは30.1倍以上)であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上(好ましくは3.5倍以上、より好ましくは3.8倍以上)であり、根において10倍以上(好ましくは12倍以上、より好ましくは14.1倍以上)である。
乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において40倍以上(好ましくは50倍以上、より好ましくは55.6倍以上)であり、根において30倍以上(好ましくは35倍以上、より好ましくは41.8倍以上)であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において20倍以上(好ましくは30倍以上、より好ましくは33.5倍以上)であり、根において100倍以上(好ましくは150倍以上、より好ましくは190.5倍以上)であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において30倍以上(好ましくは40倍以上、より好ましくは41.8倍以上)であり、根において300倍以上(好ましくは500倍以上、より好ましくは881.5倍以上)である。
乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において40倍以上(好ましくは50倍以上、より好ましくは63.1倍以上)であり、根において5倍以上(好ましくは8倍以上、より好ましくは10.9倍以上)であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において3倍以上(好ましくは4.0倍以上、より好ましくは5.3倍以上)であり、根において100倍以上(好ましくは150倍以上、より好ましくは182.6倍以上)であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において30倍以上(好ましくは40倍以上、より好ましくは43.3倍以上)であり、根において200倍以上(好ましくは300倍以上、より好ましくは447.4倍以上)である。
乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において4.0倍以上、63.1倍以下であり、より好ましくは55.6倍以上、63.1倍以下であり、根において0.8倍以上、41.8倍以下であり、より好ましくは10.9倍以上、41.8倍以下であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.5倍以上、33.5倍以下であり、より好ましくは5.3倍以上、33.5倍以下であり、根において30.1倍以上、190.5倍以下であり、より好ましくは、182.6倍以上、190.5倍以下であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.8倍以上、43.3倍以下であり、より好ましくは41.8倍以上、43.3倍以下であり、根において14.1倍以上、881.5倍以下であり、より好ましくは447.4倍以上、881.5倍以下である。
配列番号17(RFL_Contig1515)、配列番号18(tplb0004l11)および配列番号21(tplb0015p04)に記載の塩基配列を含むプロモーターに存在するモチーフの種類の位置を図6に示す。本発明のプロモーターは、MYCATRD22(塩基配列はCACATG)、MYCATERD1(塩基配列はCATGTG)、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)、MYB2AT(塩基配列はTAACTG)、CBFHV(塩基配列はRYCGAC)、ABRELATERD1 (塩基配列はACGTG)、ABREATRD22(塩基配列はRYACGTGGYR)、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)、LTRECOREATCOR15(塩基配列は CCGAC)、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)からなる群から選択される少なくとも1種以上(好ましくは2種以上、より好ましくは3種以上、さらに好ましくは4種以上、さらに好ましくは5種以上)のモチーフを少なくとも1個以上(好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは8個以上)有することが好ましい。
・MYCATRD22(塩基配列はCACATG)を1個、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)を3個、MYB2AT(塩基配列はTAACTG)を1個、ABRELATERD1 (塩基配列はACGTG)又はABREATRD22(塩基配列はRYACGTGGYR)を2個、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)を1個、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)を3個有するプロモーター(例えば、配列番号17のRFL_Contig1515)
・MYCATRD22(塩基配列はCACATG)を3個、MYCATERD1(塩基配列はCATGTG)を1個、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)を5個、MYB2AT(塩基配列はTAACTG)を1個、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)を1個、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)を1個有するプロモーター(例えば、配列番号18のtplb0004l11)
・MYCATRD22(塩基配列はCACATG)を1個、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)を2個、CBFHV(塩基配列はRYCGAC)を4個、ABRELATERD1 (塩基配列はACGTG)またはABREATRD22(塩基配列はRYACGTGGYR)を1個、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)を1個、LTRECOREATCOR15(塩基配列は CCGAC)を3個、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)を3個有するプロモーター(例えば、配列番号21のtplb0015p04)
例えば以下のプロモーターを挙げることができる。なお、1〜200bpとは1〜200番目までの塩基を意味し、上記以外の記載も同様である。
(i)配列番号17,18又は21に記載の塩基配列における転写開始点(ATG)から直近のTATAボックスまで、及び/又は1〜200bpまでの塩基配列において、1又は複数個の塩基を欠失、挿入、置換及び/または付加したプロモーター。
(ii)配列番号17記載の塩基配列における201〜362bp、369〜471bp、477〜487bp、493〜759bp、765〜880bp、887〜1061bp、1068〜1090bp、1097〜1211bp、1218〜1374bp、1380〜1437bp、1444〜1509bpの塩基配列において、1又は複数個の塩基を欠失、挿入、置換及び/または付加したプロモーター。
(iii)配列番号18記載の塩基配列における201〜205bp、213〜583bp、590〜689bp、703〜721bp、728〜1156bp、1163〜1365bp、1371〜1407bp、1414〜1540bp、1549〜1588bp、1595〜1619bp、1626〜1752bpの塩基配列において、1又は複数個の塩基を欠失、挿入、置換及び/または付加したプロモーター。
(iv)配列番号21記載の塩基配列における201〜427bp、434〜525bp、532〜538bp、544〜612bp、618〜763bp、769〜1190bp、1197〜1462bp、1481〜1531bp、1538〜1607bp、1614〜1634bpの塩基配列において、1又は複数個の塩基を欠失、挿入、置換及び/または付加したプロモーター。
本発明のベクターは、適当なベクターに本発明のプロモーターを連結することにより製造することができる。本発明のプロモーターを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミド、シャトルベクター、ヘルパープラスミドなどが挙げられる。
本発明の形質転換体は、本発明の発現ベクターを宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、プロモーター又は目的遺伝子、環境ストレス応答性転写因子を発現できるものであれば特に限定されるものではないが、植物が好ましい。宿主が植物である場合は、形質転換植物(トランスジェニック植物)は以下のようにして得ることができる。
本発明においては、上記した形質転換植物細胞等から形質転換植物体に再生することができる。再生方法としては、カルス状の形質転換細胞をホルモンの種類、濃度を変えた培地へ移して培養し、不定胚を形成させ、完全な植物体を得る方法が採用される。使用する培地としては、LS培地、MS培地などが例示される。
本発明では、Wheat Oligonucleotide Microarray(Agilent Technologies社製)を用いて、環境ストレス時に特異的発現をしている遺伝子を網羅的に解析した。該マイクロアレイはRefSeq(Release 31), Unigene (Build 53), TIGR Plant Transcript Assemblies (Release 5), TIGR Gene Indices (Release 11) といった最新の公共データベースを基にしたオリゴDNAを搭載しており、43,000個以上の転写産物をカバーしている。
マイクロアレイ解析の結果選択した遺伝子(CDS)について、コムギCDSデータベース(URL: http://trifldb.psc.riken.jp/index.pl)を検索することで各ストレス応答遺伝子の配列情報を取得した。また、DDBJに登録されているコムギ配列をダウンロードし、アセンブルすることで応答遺伝子の配列情報を取得した。プロモーター配列は遺伝子の開始コドン(ATG)と推測される位置から約1〜2kbの上流付近をプロモーター領域と推定する。
7AL.Contig16213: 配列番号15
Scaffold2239: 配列番号16
RFL_Contig1515: 配列番号17
tplb0004l11: 配列番号18
tplb0009k09: 配列番号19
tplb0010o09: 配列番号20
tplb0015p04: 配列番号21
配列が確認されたプロモーターが導入されたpENTR/D-TOPOはgatewayベクターpMDC164(Curtis et. al. (2003) Plant Physiol. Oct;133(2)462-9)とLR Clonase Enzyme mix(invitrogen社製)を使用することで組み換えられ、プロモーター配列の下流にβ-グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)とNosターミネーター(Tnos)を連結した発現ベクターとした。なお、pMDC164ベクターはT-DNA領域にハイグロマイシン耐性遺伝子も有している。
本発明では、イネ科の一年生草本植物であるミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)を用いてプロモーターの活性を評価する。ミナトカモジグサはコムギやオオムギと同じイチゴツナギ亜科に分類される植物で、イネ科のモロコシやイネよりも分類学上コムギに近い、ゲノムサイズが小さい、植物体が比較的小型及び形質転換が可能という点から、モデル植物に適していると考えられている。
1.乾燥ストレス応答実験
実施例4で採取した形質転換植物のT1種子を、シャーレ上の濾紙の上で4℃、2日間吸水させ、その後22℃、20時間照明下のグロースチャンバーに移して発芽させた。その後、ガラスビーズ上に移し、10日間水耕栽培を行うことで葉と根を生育させた。乾燥ストレス処理は、水耕栽培中の植物体をキムタオルの上に置くことで乾燥ストレス状態にし、5時間処理を行った。
実施例4で採取した形質転換植物のT1種子を、シャーレ上の濾紙の上で4℃、2日間吸水させ、その後22℃、20時間照明下のグロースチャンバーに移して発芽させた。その後、ガラスビーズ上に移し、10日間水耕栽培を行うことで葉と根を生育させた。塩ストレス処理は、水耕栽培中の植物体を200mM NaClを加えた22℃の水槽に植物体を移すことで塩ストレス状態にし、そのまま24時間処理を行った。
実施例4で採取した形質転換植物のT1種子を、シャーレ上の濾紙の上で4℃、2日間吸水させ、その後22℃、20時間照明下のグロースチャンバーに移して発芽させた。その後、ガラスビーズ上に移し、10日間水耕栽培を行うことで葉と根を生育させた。低温ストレス処理は、水耕栽培中の植物体を4℃に設定したグロースチャンバー中の4℃の水槽に植物体を移すことで低温ストレス状態にし、そのまま10時間処理を行った。
ミナトカモジグサに導入したプロモーターの活性を観察するために、GUS染色を実施した。乾燥、塩及び低温ストレス処理を行った植物体をGUS染色用の反応液(100mM リン酸ナトリムバッファー(pH7.0), 1mM 5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-glucuronide(X-Gluc), 0.5mM K3〔Fe(CN)6〕, 0.5mM K4〔Fe(CN)6〕,0.1% Triton-X)に浸漬し、30分間脱気をした。その後、37℃で1晩反応させ、反応液を捨て、70%エタノールで反応液を置換して反応を停止させた。何度か70%エタノールを交換して葉緑素を除去した。
乾燥、塩及び低温で応答することが確認されたプロモーターについて、発現パターンと発現強度を分析するため、各ストレス条件下で経時的(ストレス付与から0時間後、1時間後、3時間後、5時間後、10時間後、及び24時間語)にRNAを抽出して、定量PCRを実施した。また各時間ストレス付与後から通常の栽培条件(水耕栽培、真水、22℃)に戻し、2日間栽培した時のプロモーターの応答及び下流遺伝子の発現量変化についても確認した。定量PCRにはFast SYBR Green Mster Mix(life technologies社製)及びStepOnePlus(life technologies社製)を使用した。比較対象のコントロールとして、遺伝子組換え植物に汎用的に用いられているカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、GUS遺伝子及びNosターミネーター(Tnos)を連結したプラスミドを導入した形質転換ミナトカモジグサを使用した。内部標準遺伝子としてUBC18遺伝子を用い(Hong et. al. (2008) BMC Plant Biol., Nov 7;8:112)、プライマーの配列を以下の表3に示す。
Claims (13)
- 乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するコムギ由来のプロモーターであって、以下の(a)〜(c)の何れかであるプロモーター。
(a)配列番号17又は21に記載の塩基配列を含むプロモーター;
(b)配列番号17又は21に記載の塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列を含み、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するプロモーター;
(c)配列番号17又は21に記載の塩基配列において、1又は複数個の塩基が欠失、挿入、置換及び/または付加した塩基配列を含み、乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において活性化して、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力を有するプロモーター。 - トリチクム・モノコクム(Triticum monococcum)由来である、請求項1に記載のプロモーター。
- 乾燥ストレス条件下、塩ストレス条件下、及び低温ストレス条件下において、下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターと比較して1〜150倍である、請求項1又は2に記載のプロモーター。
- 乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上であり、根において0.7倍以上であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.2倍以上であり、根において20倍以上であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.0倍以上であり、根において10倍以上である、請求項1から3の何れか1項に記載のプロモーター。 - 乾燥ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、乾燥ストレス処理開始時と比較して、葉において4.0〜63.1倍であり、根において10.9〜41.8倍であり、
塩ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、塩ストレス処理開始時と比較して、葉において1.5〜33.5倍であり、根において30.1〜190.5倍以下であり、
低温ストレス条件下における下流に連結した遺伝子の発現量を増大する能力が、低温ストレス処理開始時と比較して、葉において3.8〜43.3倍であり、根において14.1〜881.5倍以下である、請求項1から4の何れか1項に記載のプロモーター。 - MYCATRD22(塩基配列はCACATG)、MYCATERD1(塩基配列はCATGTG)、MYBCORE(塩基配列はCNGTTR)、MYB2AT(塩基配列はTAACTG)、CBFHV(塩基配列はRYCGAC)、ABRELATERD1 (塩基配列はACGTG)、ABREATRD22(塩基配列はRYACGTGGYR)、GT1GMSCAM4(塩基配列はGAAAAA)、LTRECOREATCOR15(塩基配列は CCGAC)、及びCCAATBOX1(塩基配列はCCAAT)からなる群から選択される少なくとも1種以上のモチーフを少なくとも1個以上有する、請求項1から5の何れか1項に記載のプロモーター。
- 請求項1から6の何れか1項に記載のプロモーターと、前記プロモーターの下流に連結された遺伝子とを含むベクター。
- 請求項7に記載のベクターを含む微生物又はウイルス。
- 請求項7に記載のベクター及び/あるいは請求項8に記載の微生物又はウイルスにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体。
- 前記宿主細胞が単子葉植物由来の細胞である、請求項9に記載の形質転換体。
- 前記宿主細胞がコムギ(Triticum aestivum)由来の細胞である請求項9又は10に記載の形質転換体。
- 請求項7に記載のベクター及び/あるいは請求項8に記載の微生物又はウイルス(ここで、前記プロモーターの下流に連結された遺伝子は、植物に対して乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を付与できるタンパク質をコードする遺伝子である)を植物細胞内に導入する工程を含む、乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を有する植物の製造方法。
- 請求項7に記載のベクター及び/あるいは請求項8に記載の微生物又はウイルス(ここで、前記プロモーターの下流に連結された遺伝子は、植物に対して乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を付与できるタンパク質をコードする遺伝子である)を植物細胞内に導入する工程を含む、乾燥ストレス、塩ストレス及び低温ストレスに対する耐性を植物に付与する方法。
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