JP6426508B2 - 引出口形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、壁材に穿設された貫通孔に対して設置され、該貫通孔に配線・配管材用の引出口を形成するための引出口形成装置に関する。
従来、配線ボックス、配電箱、建物の壁材に形成された貫通孔から配線・配管材が引き出されるように配線・配管されている。配線・配管材が貫通孔に配線・配管される際、貫通孔の端縁(孔縁)の角に配線・配管材が擦れて損傷する虞があった。そこで、ベルマウスや通線ブッシングが貫通孔に配置され、ボックス壁材の孔縁からケーブルを保護している。すなわち、配線・配管材を保護すべく、配線・配管材の引出口を貫通孔に形成するための種々の引出口形成装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、壁孔に固定される固定具としてブッシング(51,61)を開示している(特許文献1の図7,図8参照)。ブッシング(51)は、短い略円筒状の本体(52)の一端側に配線ボックス(41)の壁(42)の貫通孔(43)に挿入される挿入開口(53)が形成され、他端側に貫通孔(43)の壁表側周縁(44)と当接する円環板状の鍔部(54)が設けられている。また、本体(52)において円周方向に等間隔の4箇所には、鍔部(54)における貫通孔(43)の壁表側周縁(44)と当接する当接面(55)に、挿入開口(53)側に向けて弾性片(56)が立設されている。弾性片(56)はその自由端側即ち挿入開口(53)側の先端部に貫通孔(43)の壁裏側周縁(45)に弾性的に係止する係止爪(57)が一体に設けられている。そして、円環板状の鍔部(54)の中央空間には中心小孔(59)から外周側に向けて放射状に切れ込みが形成された保護膜(58)が一体に設けられており、この保護膜(58)はケーブル(P)の挿通を許容するとともに外部から配線ボックス(41)内に塵埃、水等が侵入するのを防いでいる。他方、ブッシング(61)は一対のボルト体(62)とナット体(63)との2部材で構成されている。ボルト体(62)は外面に雄ねじを有する円筒体(64)と、中央孔を有し、円筒体(64)の一端部に一体に形成された鍔部(65)とで形成されている。ナット体(63)はその内面に形成された雌ねじがボルト体(62)の外面の雄ねじに螺着されて該ボルト体(62)と組付けられる。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
特開2008−193793号公報
特許文献1の一方のブッシング(51)では、ケーブル(P)を配線ボックス(41)に配線する際、保護膜(58)に形成された舌片を変形させることにより、該保護膜(58)の中心小孔(59)に挿通させる。このため、太いケーブルや多数のケーブルを挿通させる場合、舌片が邪魔となり、配線のときにブッシング(51)が貫通孔(43)から外れる虞がある。また、ケーブル(P)を配線しない場合であっても、保護膜(58)による貫通孔(43)の封止が不完全であり、配管ボックス(41)内部に虫や埃が侵入する虞があった。他方のブッシング(61)では、舌片が形成されていないので、中心孔に太いケーブルや多数のケーブルを挿通させることができる。しかしながら、細いケーブルや少数のケーブルが引き出された際、中心孔の内周とケーブルとの間に大きな隙間が形成される。そのため、ケーブルを配線した状態で配線ボックス(41)内に埃や虫が侵入することを防ぐことができない。同様に、ケーブル(P)を配線しない場合においても、中心孔を介して配管ボックス(41)内部に虫や埃が侵入する虞があった。よって、貫通孔(43)を封止するには、別途、孔のない蓋体を準備する必要があった。すなわち、従来の引出口形成装置(ブッシング(51,61))は、1つの装置で様々な径や数の配線・配管材に対応できず、尚且つ、配線・配管材を配設しないときに貫通孔を完全に封止できない。そのため、作業者は、各状況に対応可能とすべく、3種類の異なる部材(ブッシング、蓋体)を準備しなければならなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多様な配設形態の配線・配管材に対応可能であり、且つ、配線・配管材を配設しないときに貫通孔を完全に封止することができる引出口形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の引出口形成装置は、配線・配管材の引出口を貫通孔に形成するための引出口形成装置であって、
貫通孔内に配置されるとともに両端が開口した配線・配管材の挿通路を内部に定める中空筒部、及び、貫通孔の端縁を覆う被覆部を備え、貫通孔に対して固定される枠体と、
枠体に着脱可能に取着される取着部、及び、撓み変形可能且つ破断可能な膜状の閉塞部を備える閉塞体と、を備え、
配線・配管材を貫通孔に配設しない場合、閉塞体が枠体に取着されて閉塞部が挿通路の開口を閉塞可能であり、
閉塞体が枠体に取着された状態で配線・配管材を貫通孔に配設する場合、閉塞部が破断され、破断した閉塞部が配線・配管材の外面と挿通路内面との間に介在し、挿通路の開口よりも狭い引出口が構成され
閉塞体が枠体に取着されていない状態で配線・配管材を貫通孔に配設する場合、枠体は配線・配管材の拡張引出口として機能し、枠体の内面は、配線・配管材と摺接しても傷つかないように平滑面で構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の引出口形成装置は、請求項1に記載の引出口形成装置において、被覆部の外方に延びるフランジ部と協働して、板状の壁材に貫通形成された貫通孔の周縁を挟持するための挟持体をさらに備えることを特徴とする。
請求項3に記載の引出口形成装置は、請求項1又は2に記載の引出口形成装置において、取着部は、枠体の中空筒部に内挿される筒状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の引出口形成装置は、請求項3に記載の引出口形成装置において、取着部は、枠体の中空筒部内に圧入されることで取着されることを特徴とする。
請求項5に記載の引出口形成装置は、請求項3又は4に記載の引出口形成装置において、取着部は、筒状で枠体の両端間よりも長く形成されており、閉塞体の一端には閉塞部が形成され、閉塞体の他端には、枠体の中空筒部の端面に係合するように取着部の外方に突出した係合凸部が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の引出口形成装置は、請求項3又は4に記載の引出口形成装置において、取着部は、枠体の両端間の距離よりも短く形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の引出口形成装置は、請求項1から6のいずれかに記載の引出口形成装置において、閉塞部の外周には、枠体の中空筒部の開口の周縁に当接するように延びる鍔部が設けられ、閉塞体が枠体に取着された状態で鍔部、閉塞部及び枠体の一端部が略同一平面を構成することを特徴とする。
請求項8に記載の引出口形成装置は、請求項1又は2に記載の引出口形成装置において、取着部は、被覆部の外方に延びるフランジ部に取着されるように閉塞部の外周にフランジ状に形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の引出口形成装置は、請求項8に記載の引出口形成装置において、取着部は、フランジ部と貫通孔周縁との間で挟持されることを特徴とする。
請求項1に記載の引出口形成装置によれば、閉塞体が枠体に着脱自在に取着され、且つ、閉塞体に撓み変形可能且つ破断可能な膜状の閉塞部が設けられていることにより、配線・配管材の種々の配設状況に臨機応変に対応可能である。すなわち、配線・配管材を貫通孔に配設しない場合、閉塞体が枠体に取着されて閉塞部が挿通路の開口を閉塞可能である。これにより、引出口形成装置の挿通路を介して埃や虫等が進入することが防止される。また、挿通路開口に対して比較的小径の配線・配管材を貫通孔に配設する場合、破断された閉塞体が枠体に取着される。その結果、破断した閉塞部が配線・配管材の外面と挿通路内面との間に介在し、挿通路の開口よりも狭い引出口が構成される。そして、配線・配管材と挿通路内面との間の隙間を破断閉塞部が完全又は部分的に埋めた状態で配線・配管材が貫通孔から引き出されるので、挿通路内部が外部に露出することが抑制される。これにより、配線・配管材を貫通孔から引き出した状態においても挿通路の内方に埃や虫等が進入することが極力抑えられる。さらに、閉塞部に形成された引出口に対して比較的大径又は多数の配線・配管材を配設する場合、閉塞体が枠体から取り外される。または、挿通路周縁が露出されるまで閉塞部が割り拡げられる。このような状態では、配線・配管材と貫通孔端縁とを隔てるように貫通孔端縁を覆う被覆部によって、配線・配管材が貫通孔端縁に直接的に当接することが防止され、挿通路の端部開口全体を外部に向けて開放した拡張引出口が構成される。したがって、本発明の引出口形成装置は、多様な形態の配線・配管材に対応可能であり、且つ、配線・配管材を配設しないときに貫通孔を完全に封止することが可能である。
請求項2に記載の引出口形成装置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、被覆部と挟持体との間に壁材を挟持することにより、筒体を貫通孔に対して固定することができる。そして、固定手段に挟持手段を採用したことにより、異なる壁厚に対応することができる。
請求項3に記載の引出口形成装置によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、筒状の取着部を中空筒部に内挿することにより、枠体を閉塞体に対して簡単に着脱可能である。
請求項4に記載の引出口形成装置によれば、請求項3の発明の効果に加えて、筒状の取着部を中空筒部に圧入することにより、枠体を閉塞体に対して、より一層簡単に着脱可能である。
請求項5に記載の引出口形成装置によれば、請求項3又は4の発明の効果に加えて、閉塞体を枠体に取り付けた際、閉塞体他端が枠体の端部から延び出るとともに係合凸部が枠体端面に係合することにより、閉塞体が枠体から抜け出ることを抑制することができる。
請求項6に記載の引出口形成装置によれば、請求項3又は4の発明に加えて、閉塞体を枠体に取り付けた際、閉塞体の他端部が中空筒部内部に収められ、外部に露出することがない。これにより、コンパクトな全体形状を維持することができる。
請求項7に記載の引出口形成装置によれば、請求項1から6のいずれかの発明の効果に加えて、閉塞体が枠体に取着された状態で鍔部、閉塞部及び枠体の一端部が略同一平面を構成することにより、貫通孔周縁で複数段の段差を形成することなく、美観の向上に貢献する。
請求項8に記載の引出口形成装置によれば、請求項1又は2の発明に加えて、取着部をフランジ部に取着することにより、閉塞体を枠体に着脱可能に取着することができる。
請求項9に記載の引出口形成装置によれば、請求項8の発明の効果に加えて、フランジ状の取着部がフランジ部と貫通孔周縁との間で挟持されることにより、閉塞体が枠体から抜け出ることを効果的に防止することができる。
本発明に係る一実施形態(第1実施形態)の引出口形成装置の概略分解斜視図。 図1の引出口形成装置の枠体の(a)正面から見た斜視図、及び(b)背面から見た斜視図。 図2の枠体の(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図及び(d)A−A断面図。 図1の引出口形成装置の閉塞体の(a)正面から見た斜視図及び(b)背面から見た斜視図。 図4の閉塞体の(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図及び(d)B−B断面図。 本発明の一実施形態の引出口形成装置の設置構造(配線ボックス)の概略部分分解斜視図。 第1形態の引出口形成装置を示す図6の設置構造の部分拡大断面図。 第2形態の引出口形成装置を示す図6の設置構造の部分拡大断面図。 第3形態の引出口形成装置を示す図6の設置構造の部分拡大断面図。 本発明に係る別実施形態(第2実施形態)の引出口形成装置の概略分解斜視図。 図10の引出口形成装置の枠体の(a)正面から見た斜視図、及び(b)背面から見た斜視図。 図11の引出口形成装置の(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図及び(d)C−C断面図。 図10の引出口形成装置(第1形態)の設置構造の部分拡大断面図。 本発明に係る別実施形態(第3実施形態)の引出口形成装置の概略分解斜視図。 図14の引出口形成装置の閉塞体の(a)正面から見た斜視図、及び(b)背面から見た斜視図。 図15の閉塞体の(a)平面図、(b)正面図、(c)D−D断面図及び(d)E−E断面図。 図15の引出口形成装置(第1形態)の設置構造の部分拡大断面図。 本発明に係る別実施形態(変形例)の引出口形成装置の設置構造の概略分解斜視図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
[第1実施形態]
本実施形態の引出口形成装置100は、配線ボックス11の壁材12に開けられた貫通孔13を閉塞するとともに、配線・配管の状況に応じて、ブッシングとして配線・配管材(ケーブルP,P’)用の引出口を形成することに用いられる。しかしながら、以下に説明する引出口形成装置100は例示にすぎず、当該用途に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態の引出口形成装置100の分解斜視図である。図1に示すとおり、本実施形態の引出口形成装置100は、貫通孔13に対して固定される硬質の枠体110と、枠体110を壁材12に固定する固定部として機能する挟持体117と、該枠体110に着脱自在に取着される可撓性(又は弾性)の閉塞体120とを備えてなる。
図2乃至図5を参照して、本実施形態の引出口形成装置100の各部材について説明する。図2(a)、(b)は、引出口形成装置100の枠体110の前方からの斜視図及び後方からの斜視図である。図3(a)〜(d)は、枠体110の正面図、背面図、側面図及びA−A断面図である。図4(a)、(b)は、引出口形成装置100の閉塞体120の前方からの斜視図及び後方からの斜視図である。図5(a)〜(d)は、閉塞体120の正面図、背面図、側面図及びB−B断面図である。
図2及び図3に示すとおり、枠体110は、貫通孔13内に配置されるとともに両端が開口した中空筒部111、該中空筒部111の一端に形成されて貫通孔13の端縁を覆う被覆部112、及び、貫通孔13の周縁に延びるように該中空筒部111の一端で被覆部112の外方に張り出し形成されたフランジ部113を備える。該枠体110は、剛性を有している。なお、本実施形態では、貫通孔13の「端縁」とは、孔のエッジ部分(すなわち、孔縁)を示し、一般的に角が形成されている。他方、貫通孔13の「周縁」とは、端縁の外周側の壁材12の面部分である。さらに、本発明にいう「貫通孔の端縁を覆う」とは、配線・配管材(又は挿通路内部)と貫通孔端縁とを隔てるように貫通孔の内側及び/又は外側から貫通孔のエッジを覆うことを意味する。
中空筒部111は、配線・配管材(ケーブルP,P’)のための挿通路を内部に定める円筒体である。当該中空筒部111は、壁材13を貫通可能な長さを有するとともに、大径及び/又は多数のケーブルP’を挿通可能な内径を有している。また、中空筒部111の両端には一端側開口114及び他端側開口115が形成されている。この一端側開口114の内周縁部は、アール型(又は断面視弧状)に面取りされている。換言すると、一端側開口114の内周縁部で他端側に後退するように、被覆部112は、緩やな弧状に湾曲した凸曲面を有する。該一端側開口114は、閉塞体120が取着されていない状態で配線・配管材の拡張引出口として機能する。また、中空筒部111の内面は配線・配管材が摺接しても傷つかないように形成(本実施形態では平滑面(又は平坦面)で構成)されている。さらに、中空筒部111の外周に亘って、外ネジ部116が形成されている。
そして、中空筒部111の一端において、一端側開口114の内周縁部に沿って円環状の被覆部112が形成されているとともに、該被覆部112の外側にフランジ部113が鍔状に張り出し形成されている。被覆部112及びフランジ部113は、中空筒部111が貫通孔13に貫通配置された状態で貫通孔13の端縁(孔縁)及び周縁に延在して、貫通孔13の外周を被覆可能な大きさで形成されている。つまり、環状の被覆部112の径は、貫通孔13の端縁の径に対応している。そして、被覆部112及びフランジ部113は、一端側開口114の内周縁部から貫通孔13周縁に亘って延在し、挿通路内の配線・配管材を貫通孔13端縁(エッジ)から保護するとともに貫通孔13周縁を化粧するように機能する。本実施形態では、フランジ部113は、正面視八角形状の鍔体として形成されている。そして、フランジ部113の(壁材12側の)裏面には、挟持体117と協働して壁材12を挟持するための挟持面113aが定められている。本実施形態では、枠体110の中空筒部111、被覆部112、フランジ部113及び外ネジ部116は一体的に形成されている。なお、本実施形態(又は本発明)において、被覆部112は、貫通孔13の内側からその端縁(エッジ)を覆い、配線・配管材と貫通孔13のエッジとの間に介在し、これらを互いに摺接防止とする位置に定められている。しかしながら、被覆部112とフランジ部113との境界は明確に区別されるものではない。よって、フランジ部113を被覆部112の一部として一体的に解釈してもよい。
挟持体117は、被覆部112の外方に延びるフランジ部113と協働して、板状の壁材12に貫通形成された貫通孔13周縁を挟持するように構成されている。該挟持体117は、中心に開口を有する正面視八角形のナット形状で形成されている。また、挟持体117の中心開口の内周面には、(枠体110の外ネジ部116に対応する)内ネジ部117aが加工されている。つまり、挟持体117は、中空筒部111の外ネジ部116に螺着可能に構成されている。さらに、該挟持体117の(壁材12側の)表面には、フランジ部113と協働して壁材12を挟持するための挟持面117bが定められている。すなわち、枠体110の中空筒部111が貫通孔13を貫通した状態で、挟持体117が中空筒部111の他端に螺着し、挟持面113a、117b同士が互いに近接するように挟持体117が螺進することにより、壁材12が挟持面113a、117bによって挟持される。つまり、枠体110の外ネジ部116と挟持体117とが協働して、枠体110を貫通孔13に対して固定するための固定部又は固定手段として機能する。そして、固定手段に螺合による挟持手段を採用したことにより、異なる壁厚に対応することができる。
なお、本実施形態の枠体110及び挟持体117は、硬質の合成樹脂で成形されたものである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、金属等の他の材料が採用されてもよい。
図4及び図5に示すとおり、閉塞体120は、枠体110に着脱可能に取着される取着部121、及び、撓み変形可能且つ破断可能な円形膜状の閉塞部123を備える。該閉塞体120は、全体として原形を維持するように弾性変形可能に形成されている。
取着部121は、一端から他端に延びる円筒体として形成されている。換言すると、取着部121は、枠体110の中空筒部111に内挿される筒状に形成されている。そして、取着部121の一端が膜状の閉塞部123によって閉塞されているとともに、他端が開放されている。この取着部121の外径は、中空筒部111の内径にほぼ合致している。つまり、取着部121は、枠体110の中空筒部111内に圧入されることで取着される。本実施形態では、取着部121は、枠体110の一端から他端までの距離よりも短く形成されている。すなわち、閉塞体120の枠体110への装着時に、閉塞体120の他端が中空筒部111内部に収められ、外部に露出することがないので、コンパクトな全体形状が維持される。
閉塞部123は、筒状の取着部121の一端に所定厚の薄膜又は平板として張られており、取着部121の一端を閉塞している。この閉塞部123の一端側の面は、平坦状に形成されている。他方、閉塞部123の他端側の面には、閉塞部123の直径に沿って凹設された複数(本実施形態では3本)の切断補助溝124が形成されている。これら切断補助溝124は、閉塞部123の他の部分よりも肉薄に形成されており、破断又は切断容易となっている。つまり、この切断補助溝124は、閉塞部123を破断するための補助線として機能する。そして、本実施形態では、3本の切断補助溝124が、閉塞部123を6つの扇形に等分割している。このように切断補助溝124を形成したことにより、例えば、作業者が手で閉塞部123を強く押圧することにより、薄肉部に沿って閉塞部123を簡単に破ることができる。あるいは、カッターやナイフ等で切断補助溝124に沿って閉塞部123を切り裂くことによっても、閉塞部123を簡単に破断させることができる。後述するとおり、切断補助溝124に沿って閉塞部123が破断されたら、閉塞部123が複数の舌片(切片)123aに分割され、その中心に引出口123bが形成される(図8参照)。
また、取着部121の一端において、枠体110の中空筒部111の一端側開口114周縁に当接するように、薄板状の鍔部126が閉塞部123外周から放射状に張り出している。該鍔部126は、一端側開口113のアール型に凹んだ内周縁部に収容される程度の張り出し幅を有している。また、図5(d)に示すように、鍔部126の後面は、内周縁部のアール型に合わせて湾曲している。換言すると、鍔部126後面と被覆部112湾曲面(前面)とが互いにほぼ合致するように構成されている。そして、閉塞体120が枠体110に装着されたときに、鍔部126が内周縁部に収容されて、被覆部112の前面には延び出ないように構成されている。
他方、取着部121の他端において、取着部121外周から放射状(半径方向)に突出した係合凸部127が形成されている。換言すると、係合凸部127は円環状に形成されている。係合凸部127は、後述する別形態の枠体210(図10〜図13参照)の中空筒部211の他端側開口215の周縁に係合するように形成されている。
なお、本実施形態の閉塞体120は、撓み変形且つ弾性変形可能なゴム材料で一体的に形成されたものである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の材料が採用されてもよい。
図6は、配線ボックス11に対して引出口形成装置100を設置した設置構造10の部分分解図である。図6に示すとおり、配線ボックス11は、前面に開口及び背面に底壁を有する筐体であり、底壁から立設した壁材12及び該壁材12に穿設された貫通孔13を有する。該配線ボックス11は、ノックアウト構造を有し、貫通孔13を形成しない箇所では閉塞板(ノック)13aで閉塞されている。そして、ハンマー等で閉塞板13aが打たれることにより、閉塞板13aが除去され、壁材12に貫通孔13が形成される。図6に示した本実施形態では、2つの貫通孔13が形成されている。そして、各貫通孔13に対して引出口形成装置100が設置され、配線・配管材の引出口が形成される。図6の設置構造10では、右側の引出口形成装置100が貫通孔13に設置され、1本のケーブルPが引出口123bから引き出されている。
次いで、貫通孔13に対して引出口形成装置100を設置する方法を説明する。図6に示すように、枠体110の中空筒部111を壁材12の外面側から貫通孔13に貫通させ、中空筒部111の先端(他端)を配線ボックス11内部に突出させる。そして、壁材12の内面側から中空筒部111の先端に挟持体117を螺着して締め付けることにより、被覆部112と螺着体117とで壁材12を挟持する。こうして、枠体110が貫通孔13を介して壁材12に固定される。なお、本実施形態では、閉塞体120が枠体110に装着された状態で枠体110を壁材12に固定したが、閉塞体120を枠体110から分離した状態で枠体110を壁材12に固定してもよい。
図7は、本実施形態の引出口形成装置100(第1形態)を設置した設置構造10の部分断面図である。該設置構造10では、中空筒部111が貫通孔13を貫通した状態でフランジ部113の挟持面113aと螺着体117の挟持面117bとで壁材12が狭圧されている。また、被覆部112及びフランジ部113が貫通孔13の端縁から周縁にまで延びて、貫通孔13が壁材12の外側に露出していない。そして、閉塞体120の取着部121が枠体110の中空筒部111内に圧入されている。このとき、取着部121が枠体110の両端間の距離よりも短く形成されていることにより、閉塞体120の他端部が中空筒部111内部に収められ、外部に露出していない。また、閉塞体120の鍔部126が一端側開口114の凹状の内周縁部に収容されて、引出口形成装置100の一端面の前面には延び出ていない。その結果、鍔部126、閉塞部123及びフランジ部113(枠体110の一端部)が略同一平面を構成する。なお、ここで言う「略同一平面」とは、僅かに鍔部126の厚み分程度の凹凸は許容される概念である。これにより、余計な凹凸が排除され、設置構造10の外観が改善される。そして、配線・配管材を貫通孔13から引き出さない場合に、図7のような引出口形成装置100の第1形態が選択される。この第1形態において、枠体110に取着された閉塞体120の閉塞部123がケーブルPの挿通路開口を完全に閉塞しているので、当該引出口形成装置100を介して配線ボックス11内部に虫や埃が侵入することが防止されている。
図8は、本実施形態の引出口形成装置100(第2形態)を設置した設置構造10の部分断面図である。中空筒部111の内径よりも十分に小さい径又は断面積のケーブルPを配設する場合に、図8のような引出口形成装置100の第2形態が選択される。第2形態の引出口形成装置100では、閉塞体120の閉塞部123が破断され、破断した閉塞部123の隙間を介してケーブルPが中空筒部111内の挿通路を通って配線ボックス11の内外に延びている。より詳細には、閉塞部123が6つの舌片123aに分割され、その中心に引出口123bが形成されている。そして、引出口123bから比較的小径の1本のケーブルPが引き出されている。このとき、複数の舌片123aが壁材12の外方(または内方でもよい)に撓み変形し、その原形への弾性復帰力によって窄まるようにケーブルP外面に密着している。すなわち、破断した閉塞部123の舌片123aがケーブルP外面と挿通路内面との間に介在し、挿通路の一端側開口(拡張引出口)114よりも狭い引出口123bが構成される。この形態では、舌片123a先端が窄まっているので、引出口123bの大きさがケーブルPの径とほぼ等しい。つまり、閉塞部123切片とケーブルP外面との間の隙間が埋められているので、引出口形成装置100を介して虫や埃が配線ボックス11内部に進入することが極力抑えられている。なお、第2形態の引出口形成装置100において、舌片123aの外面に、例えば、粘土状の熱膨張性材料からなる耐火用の閉塞パテが堆積されてもよい。この場合、各舌片123aが外方に緩やかに屈曲し、ケーブルP外面と連続しているため、粘土状の閉塞パテが落ちにくいという構造上の利点がある。さらに、少ない(又は細い)ケーブルPと貫通孔13端縁との広い隙間は、第2形態のように舌片123aが存在することで、パテの使用量を少なくしたり、さらに、作業者にとってパテの堆積、埋め込み又は盛り付けの作業が楽となるという効果も生じ得る。なお、舌片123aを内側に撓み変形させてもよく、そこにパテを堆積させてもよい。
図9は、本実施形態の引出口形成装置100(第3形態)を設置した設置構造10の部分断面図である。図9に示すように、比較的大径且つ多数のケーブルP’を配設する場合に、引出口形成装置100の第3形態が選択される。このような大径且つ多数のケーブルP’を第2形態における引出口123bから引き出すと、ケーブルP’が閉塞部123の舌片123aの根元や取着部121の内面に摺接して閉塞体120が枠体110から外れてしまうため、第2形態を選択することが好ましくないからである。そして、第3形態の引出口形成装置100では、閉塞体120が枠体110から取り外され、枠体110及び挟持体117のみが壁材12に固定されている。その結果、挿通路の端部開口全体を外部に向けて開放した拡張引出口114が構成される。そして、複数のケーブルP’が中空筒部111の挿通路を貫通し、拡張引出口114を介して配線ボックス11の外方に引き出されている。このとき、拡張引出口(一端側開口)114の内周縁部がアール状に湾曲しているので、ケーブルP’が挿通路内で屈折又は屈曲して内周縁部に当接しても傷つくことが防止される。すなわち、第3形態の引出口形成装置100は、引出口123bでは対応できない大径及び/又は多数の配線・配管材を配設可能とする。なお、第3形態の引出口形成装置100において、ケーブルP’と拡張引出口114との間の隙間を閉塞すべく、例えば、粘土状の熱膨張性材料からなる耐火用の閉塞パテが埋め込まれてもよい。
なお、本実施形態の引出口形成装置100では、閉塞体120の取着部121が枠体110の他端側開口115から内挿圧着可能にもなっている。閉塞体120が枠体110の他端側開口115から装着された場合、他端側開口115が閉塞部123で閉塞される。このような装着形態において、第2形態が選択された場合、破断した閉塞部123が奥まったところで撓むため、壁材12の外側に突出することなく、見栄えが悪くなることが比較的抑えられる。
以下、本発明に係る一実施形態の引出口形成装置100における作用効果について説明する。
本実施形態の引出口形成装置100によれば、閉塞体120が枠体110に着脱自在に取着され、且つ、閉塞体120に撓み変形可能且つ破断可能な膜状の閉塞部123が設けられていることにより、配線・配管材の種々の配設状況に臨機応変に対応可能である。例えば、配線・配管材を貫通孔13に配設しない場合、引出口形成装置100の第1形態(図7参照)が選択されて、閉塞体120が枠体110に取着されて閉塞部123が挿通路の一端側開口114を完全に閉塞可能である。これにより、貫通孔13が閉塞され、引出口形成装置100の挿通路を介して埃や虫等が配線ボックス11内部に進入することが防止される。また、比較的小径のケーブルPを貫通孔13を介して配線ボックス11から引き出すように配設する場合、引出口形成装置100の第2形態(図8参照)が選択されて、閉塞体120が枠体110に取着された状態で、閉塞部123が切断補助溝124に沿って破断される。その結果、破断した閉塞部123の舌片123aがケーブルP外面と挿通路内面との間に介在し、挿通路の一端側開口(拡張引出口)114よりも狭い引出口123bが構成される。そして、ケーブルPと挿通路内面との間の隙間を舌片123aが埋めた状態でケーブルPが貫通孔13から引き出されるので、挿通路(配線ボックス11内部空間)が外部に露出することが抑制される。これにより、ケーブルPを貫通孔13から引き出した状態においても挿通路を介して配線ボックス11内に埃や虫等が進入することが極力抑えられる。さらに、閉塞体120が枠体110に取着した状態で閉塞部123の切片123aが邪魔となるような比較的大径及び/又は多数のケーブルP’を配設する場合、引出口形成装置100の第3形態(図9参照)が選択されて、閉塞体120が枠体110から取り外される。閉塞体120を枠体110から取り外した状態では、貫通孔13周縁を覆う被覆部112によって、ケーブルP’が貫通孔13周縁に直接的に当接することが防止される。すなわち、挿通路の端部開口全体を外部に向けて開放した拡張引出口114が構成される。したがって、本実施形態の引出口形成装置100は、多様な形態の配線・配管材に対応可能であり、且つ、配線・配管材を配設しないときに貫通孔13を完全に封止することが可能である。
配線ボックスの中でも、特に、制御盤キャビネットや集合計器盤用キャビネットにおいては、将来の増設や経路変更に備えて予備を含めた多数の貫通孔を形成した状態で設置されることが一般的である。それ故、初期の設置段階においては、使用しない貫通孔(引出口)が存在する。このような制御盤キャビネットや集合計器盤用キャビネットの多数の貫通孔に、本発明の引出口形成装置(又は、引出口形成装置100)を適用することで、特に顕著な効果を奏する。すなわち、初期においては、第1形態としての閉塞状態として多くの予備口を閉塞するように使用される。そして、増設においては、引き出される配線・配管材(ケーブル)の太さや量に応じて、少なければ(細ければ)狭い引出口を構成する第2形態が選択され、配線・配管材が大径であったり多数であれば枠体から閉塞体を取り外して拡張引出口を構成する第3形態が選択される。さらには、使用していない別の貫通孔(引出口)へ経路を変更する際には、別の貫通孔を閉塞していた閉塞体を使用しなくなった(変更前の)貫通孔に固定された枠体に取着して閉塞することもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の第2、第3実施形態及び変形例を説明する。なお、各実施形態及び変形例において、下二桁が共通する構成要素は、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
[第2実施形態]
次に、図10〜図13を参照して第2実施形態の引出口形成装置200を説明する。図10は、本発明の一実施形態の引出口形成装置200の概略分解斜視図である。図11(a)、(b)は、引出口形成装置200の枠体210の前方からの斜視図及び後方からの斜視図である。図12(a)〜(d)は、枠体210の正面図、背面図、側面図及びC−C断面図である。図13は、引出口形成装置200(第1形態)を設置した設置構造20の部分断面図である。
図10に示すとおり、本実施形態の引出口形成装置200は、貫通孔13に対して固定される枠体210と、該枠体210に着脱自在に取着される閉塞体220と、を備える。第2実施形態の閉塞体220は、第1実施形態の閉塞体120と同様の構造及び形状を有しているので、その説明を省略する。また、第2実施形態の引出口形成装置200では、固定部(又は固定手段)として、挟持体117の代わりに、貫通孔13の内周壁に係合可能な一対の弾性片217が採用されている。
図11及び図12に示すとおり、枠体210は、貫通孔13内に配置されるとともに両端が開口した中空筒部211、該中空筒部211の一端に形成されて貫通孔13の端縁を覆う被覆部212、及び、貫通孔13の周縁に延びるように該中空筒部211の一端で被覆部212の外方に張り出し形成されたフランジ部213を備える。該枠体210は、剛性を有している。
中空筒部211は、配線・配管材(ケーブルP,P’)のための挿通路を内部に定める円筒体である。当該中空筒部211は、壁材13を貫通可能な長さを有するとともに、大径及び/又は多数のケーブルP’を挿通可能な内径を有している。また、中空筒部211の両端には一端側開口214及び他端側開口215が形成されている。この一端側開口214の内周縁部は、アール型に面取りされている。該一端側開口214は、閉塞体220が取着されていない状態で配線・配管材の拡張引出口として機能する。
そして、中空筒部211の一端において、一端側開口214の内周縁部に沿って円環状の被覆部212が形成されているとともに、該被覆部212の外方でフランジ部213が鍔状に張り出し形成されている。被覆部212及びフランジ部213は、中空筒部211が貫通孔13に貫通配置された状態で貫通孔13の端縁(孔縁)及び周縁に延在して、貫通孔13の外周を被覆可能な大きさで形成されている。つまり、環状の被覆部212の径は、貫通孔13の端縁の径に対応している。そして、被覆部212及びフランジ部213は、一端側開口214の内周縁部から貫通孔13周縁に亘って延在し、挿通路内の配線・配管材を貫通孔13端縁(エッジ)から保護するとともに貫通孔13周縁を化粧するように機能する。本実施形態では、被覆部212は、正面視円形状の鍔体として形成されている。そして、フランジ部213の(壁材12側の)裏面には、壁材12外面に当接する当接面213aが定められている。
一対の弾性片217が中空筒部211の外面から突出している。各弾性片227は、互いに反対側を向くように中空筒部211の直径を挟んだ両側に配置されている。この一対の弾性片217の突出幅を含む全幅が貫通孔13径よりも大きく、弾性片217を含まない箇所の中空筒部211の外径が貫通孔13径よりも小さく構成されている。各弾性片227には、中空筒部211の他端縁から一端側へと約40度の角度で傾斜した第1傾斜部217aが形成されている。また、弾性片217は、中空筒部211の長さ方向のほぼ中間位置で反転し、内部側に向けて“く”字状に折曲している。中間位置から先端側には、中空筒部211外面側に約30度の角度で傾斜した第2傾斜部217bが形成されている。第2傾斜部217bの先端は自由端として内外方向に弾性的に変位できるようになっている。そして、第2傾斜部217b外面には、鋸歯状の複数の段差が設けられている。なお、枠体210の中空筒部211、被覆部212、弾性片217は一体的に形成されている。
図13に示すとおり、本実施形態の設置構造20では、貫通孔13に枠体210が圧入され、内方に変形した弾性片217の弾性復帰力により、第2傾斜部217b外面の段差と貫通孔13の周縁端面とが係合し、枠体210が壁材12に固定されている。また、被覆部212及びフランジ部213が貫通孔13端縁から周縁にまで延びて、貫通孔13が壁材12の外側に露出していない。そして、閉塞体220の取着部221が枠体210の中空筒部211内に圧入されている。このとき、取着部221が枠体210の両端間の距離よりも長く形成されている。そして、閉塞体220他端が枠体210の端部から延び出るとともに係合凸部227が枠体210端面に係合することにより、閉塞体220が枠体210から抜け出ることが規制されている。また、閉塞体220の鍔部226が一端側開口214の凹状の内周縁部aに収容されて、引出口形成装置200の一端面の前面には延び出ていない。その結果、鍔部226、閉塞部223及びフランジ部213(枠体210の一端部)が略同一平面を構成する。図13の引出口形成装置200の第1形態において、枠体210に取着された閉塞体220の閉塞部223が配線・配管材の挿通路開口を完全に閉塞している。
図示しないが、本実施形態の引出口形成装置200は、第1実施形態と同様に、閉塞部223を破断することによって第2形態をとることができ、そして、閉塞体220を枠体210から除去することによって第3形態をとることができる。すなわち、第2実施形態の引出口形成装置200は、第1実施形態と同様に本発明の技術的課題を達成することが可能である。
[第3実施形態]
次に、図14〜図17を参照して第3実施形態の引出口形成装置300を説明する。図14は、本発明の一実施形態の引出口形成装置300の概略分解斜視図である。図15(a)、(b)は、引出口形成装置200の閉塞体320の前方からの斜視図及び後方からの斜視図である。図16(a)〜(d)は、枠体310の正面図、背面図、D−D断面図及びE−E断面図である。図17は、引出口形成装置300(第1形態)を設置した設置構造30の部分断面図である。
図14に示すとおり、本実施形態の引出口形成装置300は、貫通孔13に対して固定される枠体310と、該枠体310に着脱自在に取着される閉塞体320と、を備える。第3実施形態の枠体310は、第1実施形態の枠体110と同様の構造及び形状を有しているので、その説明を省略する。
図15及び図16に示すとおり、閉塞体320は、枠体310に着脱可能に取着される取着部321、及び、撓み変形可能且つ破断可能な円形膜状の閉塞部323を備える。該閉塞体320は、全体として原形を維持するように弾性変形可能に形成されている。そして、閉塞体320は、フランジ部313の外形に対応するように正面視八角形の板状に形成されている。
取着部321は、円形の閉塞部323の外周から外方に延在する領域である。そして、取着部321と閉塞部323との境界において、枠体310の一端側開口314の内周縁部に当接する環状凸部321aが後面側に突出している。図16(c)、(d)に示すように、該環状凸部321aは、内周縁部のアールに沿うように外周側が湾曲している。また、該取着部321は、枠体310の八角形のフランジ部313の前面を覆うように閉塞部323の外方に延在している。そして、取着部321はその外周縁において後面(背面)側に屈折し、フランジ部313の外周端面を覆うように形成されている。さらに、取着部321は、その後面側で部分的に内方に屈折し、その一部がフランジ部313後面に当接可能に形成されている。より詳細には、取着部321は、図16(b)に示すように後面側で円形の開口を有し、八角形の各角近傍において板状片が内方に延在している。そして、取着部321の前面及び後面の間にフランジ部313を部分的に収容するための収容部321bが設けられている。すなわち、取着部321が枠体310のフランジ部313を正面から覆うとともに、該フランジ部313の角部近傍を背面から覆うようにして、閉塞体320が枠体310に装着される。
閉塞部323は、取着部321の内方に所定厚の薄膜又は平板として張られている。この閉塞部323の一端側の面は、平坦状に形成されている。他方、閉塞部323の他端側の面には、閉塞部323の直径に沿って凹設された複数(本実施形態では3本)の切断補助溝324が形成されている。これら切断補助溝324は、閉塞部323の他の部分よりも肉薄に形成されており、破断又は切断容易となっている。つまり、この切断補助溝324は、閉塞部33を破断するための補助線として機能する。そして、本実施形態では、3本の切断補助溝324が、閉塞部323を6つの扇形に等分割している。切断補助溝324に沿って閉塞部323が破断されたら、閉塞部323が複数の舌片(切片)323aに分割され、その中心に引出口323bが形成される。なお、本実施形態の閉塞体320は、撓み変形且つ弾性変形可能なゴム材料で一体的に形成されたものである。
図17に示すとおり、本実施形態の設置構造30では、中空筒部311が貫通孔13を貫通した状態でフランジ部313の挟持面313aと螺着体317の挟持面317bとで壁材12を狭圧している。また、被覆部312及びフランジ部313が貫通孔13の端縁から周縁にまで延びて、貫通孔13が壁材12の外側に露出していない。そして、取着部321の収容部321bにフランジ部313の角部が収容されるように、閉塞体320が枠体310に取着されている。このとき、図17に示すように、フランジ部313の後面側で延びる取着部321の一部が貫通孔13周縁(壁材12)とフランジ部313の挟持面313aとの間に挟持されている。図17の引出口形成装置300の第1形態において、枠体310に取着された閉塞体320の閉塞部323が配線・配管材の挿通路開口を完全に閉塞している。
図示しないが、本実施形態の引出口形成装置300は、第1実施形態と同様に、閉塞部323を破断することによって第2形態をとることができ、そして、閉塞体320を枠体310から除去することによって第3形態をとることができる。なお、閉塞体320を枠体310から除去する際、取着部321の貫通孔13周縁とフランジ部313との間に挟持されていない箇所を引っ張ることにより、閉塞体320全体を弾性変形させつつ、取着部321の挟持部分を貫通孔13周縁とフランジ部313との間から引き抜くことができる。または、閉塞体320を枠体310から取り外す代わりに、挿通路の周縁が露出するように閉塞部323を挿通路の外側に割り拡げてもよい。すなわち、第3実施形態の引出口形成装置300は、第1実施形態と同様に本発明の技術的課題を達成することが可能である。
[変形例]
本発明の引出口形成装置は、上記実施形態に限定されずに、例えば、以下のように変形可能である。
(1)上記実施形態では、貫通孔は配線ボックスの壁材に設けられたものであるが、本発明はこれに限定されない。貫通孔は、建造物の壁材やパネル等に穿設されたものであってもよい。さらに、コネクタや管継手などによって貫通孔が定められてもよい。例えば、図18の引出口形成装置400は、(第1実施形態の枠体110と類似する)枠体410の中空筒部411がコネクタ21の内方に定められた貫通孔23内に螺着されるものである。図18に示すように、コネクタ21は、ボックス11の貫通孔13に可撓管(図示せず)を接続するためのものである。図18の構成では、ボックス11側のコネクタ21端部に本実施形態の引出口形成装置400が固定され、反対側のコネクタ21端部に可撓管が接続される。そして、枠体410とコネクタ21とでボックス11の壁材12を挟持することにより、引出口形成装置400が設置される。すなわち、本変形例では、「貫通孔」は、連通する貫通孔13,23の両方によって定められる。なお、本変形例において、ボックス11を省略して、コネクタ21の貫通孔23のみを本発明の「貫通孔」として定めてもよい。
(2)上記実施形態では、閉塞部には、その破断を補助する切断補助溝が設けられているが、切断補助溝の形態は上記実施形態に限定されない。例えば、円環形状の切断補助溝を形成し、該切断補助溝に沿って切り欠かれた閉塞部の丸孔に配線・配管材を通過させてもよい。このような場合、切断補助溝の径は、挿通する配線・配管材の径とほぼ等しいことが好ましい。あるいは、閉塞部に切断補助溝を形成しなくてもよい。この場合、膜状の閉塞部は薄膜状で配線・配管材の形態に合わせて任意に破断され得る。
(3)上記実施形態では、中空筒部断面は円形であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、中空筒部断面は楕円、長円、多角形であってもよい。
(4)上記実施形態では、配線・配管材がケーブルであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、配線・配管材は、電線管、保護管、可撓管等の他の長尺材であってもよい。
(5)上記実施形態では、枠体の被覆部の外方にフランジ部が形成されているが、少なくとも貫通孔の端縁の角から配線・配管材を保護可能であれば、フランジ部を省略してもよい。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 配線・配管構造
11 配線ボックス
12 壁材
13 貫通孔
13a 閉塞板
100 引出口形成装置
110 枠体
111 中空筒部
112 被覆部
113 フランジ部
113a 挟持面
114 一端側開口(拡張引出口)
115 他端側開口
116 外ネジ部(固定部の一部)
117 挟持体(固定部の一部)
117a 内ネジ部
117b 挟持面
120 閉塞体
121 取着部
123 閉塞部
123a 舌片
123b 引出口
124 切断補助溝
126 鍔部
127 係合凸部
200 引出口形成装置(第2実施形態)
217 弾性片(固定部)
300 引出口形成装置(第3実施形態)
P 比較的小径及び/又は少数のケーブル(配線・配管材)
P’ 比較的大径及び/又は多数のケーブル(配線・配管材)

Claims (9)

  1. 配線・配管材の引出口を貫通孔に形成するための引出口形成装置であって、
    前記貫通孔内に配置されるとともに両端が開口した前記配線・配管材の挿通路を内部に定める中空筒部、及び、前記貫通孔の端縁を覆う被覆部を備え、前記貫通孔に対して固定される枠体と、
    前記枠体に着脱可能に取着される取着部、及び、撓み変形可能且つ破断可能な膜状の閉塞部を備える閉塞体と、を備え、
    前記配線・配管材を前記貫通孔に配設しない場合、前記閉塞体が前記枠体に取着されて前記閉塞部が前記挿通路の開口を閉塞可能であり、
    前記閉塞体が前記枠体に取着された状態で前記配線・配管材を前記貫通孔に配設する場合、前記閉塞部が破断され、前記破断した閉塞部が前記配線・配管材の外面と前記挿通路内面との間に介在し、前記挿通路の開口よりも狭い引出口が構成され
    前記閉塞体が前記枠体に取着されていない状態で前記配線・配管材を前記貫通孔に配設する場合、前記枠体は前記配線・配管材の拡張引出口として機能し、前記枠体の内面は、前記配線・配管材と摺接しても傷つかないように平滑面で構成されていることを特徴とする引出口形成装置。
  2. 前記被覆部の外方に延びるフランジ部と協働して、板状の壁材に貫通形成された前記貫通孔周縁を挟持するための挟持体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の引出口形成装置。
  3. 前記取着部は、前記枠体の前記中空筒部に内挿される筒状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の引出口形成装置。
  4. 前記取着部は、前記枠体の前記中空筒部内に圧入されることで取着されることを特徴とする請求項3に記載の引出口形成装置。
  5. 前記取着部は、筒状で前記枠体の両端間よりも長く形成されており、前記閉塞体の一端には前記閉塞部が形成され、前記閉塞体の他端には、前記枠体の前記中空筒部の端面に係合するように前記取着部の外方に突出した係合凸部が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の引出口形成装置。
  6. 前記取着部は、前記枠体の両端間の距離よりも短く形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の引出口形成装置。
  7. 前記閉塞部の外周には、前記枠体の前記中空筒部の開口の周縁に当接するように延びる鍔部が設けられ、前記閉塞体が前記枠体に取着された状態で前記鍔部、前記閉塞部及び前記枠体の一端部が略同一平面を構成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の引出口形成装置。
  8. 前記取着部は、前記被覆部の外方に延びるフランジ部に取着されるように前記閉塞部の外周にフランジ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の引出口形成装置。
  9. 前記取着部は、前記被覆部と前記貫通孔周縁との間で挟持されることを特徴とする請求項8に記載の引出口形成装置。
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