JP6424700B2 - 静電チャック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電チャック装置に関するものである。
近年、半導体製造プロセスにおいては、素子の高集積化や高性能化に伴い、高効率かつ大面積の微細加工が可能なことから、プラズマエッチングやプラズマCVDなどのプラズマ工程が多く用いられている。
プラズマ工程を実施する半導体製造装置では、試料台に簡単にウエハを取付けて、固定することができるとともに、そのウエハを所望の温度に維持することができる静電チャック装置が用いられている。この静電チャック装置は、上部に、ウエハ積載面を囲んでウエハ吸着部の外周縁部に配置されたリング部材(フォーカスリング)を備えている。
ところで、従来の半導体製造装置では、静電チャック装置に固定されたウエハにプラズマを照射すると、そのウエハの表面温度が上昇する。そこで、ウエハの表面温度の上昇を抑えるために、静電チャック装置の温度調整用ベース部に水等の冷却媒体を循環させて、ウエハを下側から冷却している。
このような静電チャック装置において、ウエハの外周部にフォーカスリングを吸着するための第2の静電吸着手段を設けることにより、静電チャック部に対してフォーカスリングを、ウエハを吸着する力よりも大きい力で吸着させるとともに、冷却媒体(冷却ガス)をフォーカスリングの裏面に吹き付けることによりフォーカスリングの温度を調整する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、静電チャック部により吸着されたウエハ吸着部とフォーカスリングのそれぞれに、ガス供給部を設け、ウエハ吸着部とフォーカスリングの温度を、それぞれ独立して制御する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
これらの技術によれば、ウエハの表面温度を均一にし、ウエハの加工精度を向上させることができる。
特開2002−033376号公報 特開2012−134375号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されている技術においても、ウエハの表面温度を均一にウエハの加工精度を向上させるという点において改良の余地があった。そのため、ウエハの加工精度をより一層向上させることが可能な静電チャック装置が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ウエハの加工精度を向上させることが可能な新規な静電チャック装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、板状試料を載置する載置面が設けられた載置台と、前記載置台の上に配置され、前記載置面の周囲を囲む環状のフォーカスリングと、前記載置台および前記フォーカスリングを冷却する冷却手段と、を備え、前記載置台は、前記載置面の周囲に前記フォーカスリングの周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングを静電吸着する保持部を有し、前記保持部は、前記周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングが載置される一対の堤部と、前記一対の堤部の間に形成された環状の溝部と、を有し、前記冷却手段は、前記溝部に伝熱ガスを供給し、前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの外周側に位置する第1堤部から前記伝熱ガスが流出する量が、前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの内周側に位置する第2堤部から流出する量より多くなるように設けられている静電チャック装置を提供する。
本発明の一態様によれば、少なくとも前記第1堤部において、前記フォーカスリングと対向する面には、前記溝部に供給された前記伝熱ガスを、前記溝部の外に流出させるガス流出部が設けられている構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記フォーカスリングと、前記第1堤部の前記フォーカスリングと対向する面と、が接触する接触部分において、前記第1堤部と交差する方向に設けられた溝である構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記溝の開口面積は、前記溝部側の端部から前記溝部の外側の端部に向けて漸減している構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記溝のうち少なくとも前記溝部の外側の端部を含む一部分が、前記載置面の面方向を水平方向としたとき下方に向けて延在している構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、複数の第1微小突起を含む第1微小突起部であり、前記複数の第1微小突起は、前記フォーカスリングと接し、前記フォーカスリングを静電吸着している構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、多孔体を形成材料とする多孔体層であり、前記多孔体層は、前記フォーカスリングと接し、前記フォーカスリングを静電吸着し、前記多孔体層が有する空孔は、前記堤部の幅方向に連通している構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記一対の堤部の両方において、前記フォーカスリングと対向する面に設けられ、前記第1堤部に設けられた前記多孔体層は、前記第2堤部に設けられた前記多孔体層よりも空隙率が大きい構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記一対の堤部の両方において、前記フォーカスリングと対向する面に設けられ、前記第1堤部において前記フォーカスリングと対向する面の幅は、前記第2堤部において前記フォーカスリングと対向する面の幅よりも狭い構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記フォーカスリングにおいて、少なくとも前記第1堤部と対向する面には、前記溝部に供給された前記伝熱ガスを、前記溝部の外に流出させるガス流出部が形成されている構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、前記第1堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起同士の離間距離は、前記第2堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起同士の離間距離よりも広い構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、前記第1堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起の高さが、前記第2堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起より高い構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、前記第1堤部の幅は、前記第2堤部の幅よりも狭い構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記フォーカスリングは、平面視において前記第1堤部の前記フォーカスリングと対向する面の外周よりも外側に張り出して設けられ、前記フォーカスリングにおいて前記第1堤部と対向する面の前記外側の端部は、前記載置面の面方向を水平方向としたとき下方に向けて延在している構成としてもよい。
本発明によれば、ウエハの加工精度を向上させることが可能な新規な静電チャック装置を提供することができる。
第1実施形態の静電チャック装置を示す概略断面図である。 第1実施形態の静電チャック装置を示す概略断面図である。 第1実施形態の変形例に係る静電チャック装置の説明図である。 第2実施形態に係る静電チャック装置の説明図である。 第3実施形態に係る静電チャック装置の説明図である。 第4実施形態に係る静電チャック装置の説明図である。 第5実施形態に係る静電チャック装置の説明図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る静電チャック装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態の静電チャック装置を示す概略断面図である。本実施形態の静電チャック装置10は、板状試料Wを載置する載置面(後述する誘電層24の載置面(上面)24a)が設けられた載置台11と、載置台11の上に配置され、載置面(載置面24a)の周囲を囲む環状のフォーカスリング12と、載置台11およびフォーカスリング12を冷却する冷却手段13とから概略構成されている。
以下、順に説明する。
(載置台)
載置台11は、載置台本体11Aと、載置台本体11A上に設けられ、載置面(載置面24a)を有する円板状の静電チャック部14と、載置面(載置面24a)の周囲にフォーカスリング12の周方向に沿って設けられ、フォーカスリング12を静電吸着する保持部15とを有する。保持部15の構成については、後に詳述する。
(載置台本体)
載置台本体11Aは、静電チャック部14、保持部15およびフォーカスリング12の下側に設けられて、これら静電チャック部14、保持部15およびフォーカスリング12の温度を所望の温度に制御するとともに、高周波発生用電極を兼ね備えたものであり、その内部には、水や有機溶媒等の冷却用媒体を循環させる流路29が形成され、上記の誘電層24の上面(載置面24a)に載置される板状試料Wの温度を所望の温度に維持することができるようになっている。
載置台本体11Aの形成材料としては、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属や、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)と炭化ケイ素(SiC)からなる複合材料が挙げられる。
また、絶縁層25の下側には、フォーカスリング12の温度を任意の昇温速度にて所定の温度まで加熱することで、フォーカスリング12の温度を板状試料Wと同一の温度に制御するためのヒータ(図示略)が設けられていてもよい。また、ヒータやフォーカスリング12には、これらの温度を測定するための温度計が接続されていてもよい。さらに、この温度計には、温度コントローラおよびヒータ電源が接続されていてもよい。
(静電チャック部)
載置台11の静電チャック部14は、上面(一主面)を半導体ウエハ等の板状試料Wを載置するための載置面(上面)24aとされた円形状の誘電層24と、この誘電層24の下面(他の一主面)側に対向配置され、誘電層24と同一径の円形状の絶縁層25と、これら誘電層24と絶縁層25との間に挟持され、誘電層24および絶縁層25より径の小さい円形状の静電吸着用内部電極26と、静電吸着用内部電極26の下面中央部に接続され、直流電圧を印加する給電用端子27と、この給電用端子27の周囲を覆うことで外部と絶縁する円筒状の絶縁碍子28とから概略構成されている。
誘電層24および絶縁層25の形成材料は、ともに耐熱性を有するセラミックスが好ましく、このセラミックスとしては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、窒化ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、サイアロン、窒化ホウ素(BN)および炭化ケイ素(SiC)から選択される1種からなるセラミックス、あるいは、2種以上を含む複合セラミックスが好ましい。
特に、誘電層24は、載置面(上面)24a側が静電吸着面となることから、誘電率が高い材質であって、静電吸着する板状試料Wに対して不純物とならないものを選択することが好ましく、例えば、4重量%以上かつ20重量%以下の炭化ケイ素を含み、残部を酸化アルミニウム(アルミナ)とする炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合材料(焼結体)が好ましい。
また、静電チャック部14を構成する誘電層24を、後述するような所定の形状および大きさの保持部15に形成するためには、誘電層24の形成材料は、平均結晶粒径が10μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。誘電層24の形成材料の平均結晶粒径が10μm以下であれば、保持部15を所定の大きさに形成することができる。
静電吸着用内部電極26は、厚みが5μm〜50μm程度の導電性を有する平板状のセラミックスが用いられる。この静電吸着用内部電極26の、静電チャック装置10の使用温度下における体積固有抵抗値は、1.0×10Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは1.0×10Ω・cm以下である。
この静電吸着用内部電極26を構成する導電性セラミックスとしては、炭化ケイ素(SiC)−酸化アルミニウム(Al)複合焼結体、窒化タンタル(TaN)−酸化アルミニウム(Al)複合焼結体、炭化タンタル(TaC)−酸化アルミニウム(Al)複合焼結体、炭化モリブデン(MoC)−酸化アルミニウム(Al)複合焼結体等が挙げられる。
(フォーカスリング)
フォーカスリング12は、内径が静電チャック部14の径より僅かに大きい環状の板材からなる。フォーカスリング12は、プラズマエッチング等の処理工程にて板状試料Wと同一の温度になるように制御されるもので、その材質は、例えば、酸化膜エッチングに用いられる場合、多結晶シリコン、炭化ケイ素等が好適に用いられる。
(保持部)
保持部15は、フォーカスリング12の周方向に沿って設けられ、フォーカスリング12が載置される一対の堤部16と、一対の堤部16の間に形成された環状の溝部17と、を有する。保持部15は、堤部16、溝部17および凸部18とされた環状の誘電層24と、この誘電層24の下面側に対向配置され、誘電層24と同一径の環状の絶縁層25と、これら誘電層24と絶縁層25との間に挟持され、誘電層24および絶縁層25より径の小さい環状の静電吸着用内部電極26とから概略構成されている。
静電チャック部14を構成する各層と、保持部15を構成する各層とは連接している。すなわち、保持部15を構成する静電吸着用内部電極26も給電用端子27と電気的に接続されている。
溝部17には、後述するように、フォーカスリング12を冷却するための伝熱ガスが供給される。溝部17の深さは、溝部17内において、伝熱ガスの流れを阻害しない程度であり、10μm〜50μmであることが好ましく、35μm〜40μmであることがより好ましく、13μm〜15μmであることがさらに好ましく、10μm〜12μmであることが最も好ましい。
フォーカスリング12を保持部15に載置した際、一対の堤部16がフォーカスリング12の下面に接する。この状態で、静電吸着用内部電極26に印加することで、保持部15は、フォーカスリング12を静電吸着する。
(冷却手段)
冷却手段13は、伝熱ガス供給部19を備える。伝熱ガス供給部19は、溝部17に、その底面17a側から連通するガス流路20を介して伝熱ガスを所定の圧力で供給するようになっている。具体的には、ガス流路20は、載置台11を、その厚さ方向に貫通し、溝部17の底面17aに設けられた多数のガス孔21に連通している。ガス孔21は、溝部17の底面17aのほぼ全面に形成されている。
ガス流路20には、伝熱ガスを供給する伝熱ガス供給源22が圧力制御バルブ23を介して接続されている。圧力制御バルブ23は、伝熱ガスの圧力が所定の圧力になるように流量を調整するものである。なお、伝熱ガス供給源22から伝熱ガスを供給するガス流路20の数は、1本でも複数本でもよい。
ところで、静電チャック装置は、通常、真空チャンバーの内部に設置され、真空環境下で用いられる。真空環境下においてフォーカスリング12と堤部16との間に隙間があると、当該隙間部分ではフォーカスリング12から堤部16へ熱が伝わらず、フォーカスリング12の冷却が不十分となるおそれがある。例えば、フォーカスリング12と堤部16との対向面が、成形誤差により平行ではなく、溝部17の外側に向けて対向面同士の離間距離が漸増していると、そのような位置で形成される隙間ではフォーカスリング12から堤部16へ熱が伝わらない。
これに対し、本発明の静電チャック装置において、冷却手段13から溝部17に供給された伝熱ガスは、フォーカスリング12と堤部16との間から溝部17の外部に流出する。伝熱ガスが流出する際、フォーカスリング12と堤部16との間に存在する伝熱ガスは、フォーカスリング12と堤部16との間の伝熱を補助するため、フォーカスリング12の温度を制御しやすくなる。
さらに、本発明の静電チャック装置においては、一対の堤部16のうちフォーカスリング12の外周側に位置する堤部(第1堤部16A)から伝熱ガスが流出する量が、一対の堤部16のうちフォーカスリング12の内周側に位置する堤部(第2堤部16B)から流出する量より多くなるように設けられている。
図2は、本実施形態の静電チャック装置10の概略断面図であり、図1においてαで示す領域を拡大した部分拡大図である。
本実施形態の静電チャック装置10A(静電チャック装置10)は、フォーカスリング12において第1堤部16Aと対向する面に、溝部17に供給された伝熱ガスGを、溝部17の外に流出させるガス流出部30Aが設けられている。
ガス流出部30Aは、フォーカスリング12に設けられた溝である。ガス流出部30Aは、フォーカスリング12と、第1堤部16Aのフォーカスリング12と対向する面と、が接触する接触部分において、第1堤部16Aと交差する方向に設けられ、溝部17側の端部が溝部17内に開口している。ガス流出部30Aの内面31は、載置面24a(図1参照)の面方向を水平方向(図中、符号Sで示す破線)としたとき、溝部17側から溝部17の外側に向けて下方に傾斜する斜面となっている。また、ガス流出部30Aの開口面積は、溝部17側の端部から溝部17の外側の端部に向けて漸減している。
ガス流出部30Aにより、第1堤部16Aとフォーカスリング12とは離間しており、第1堤部16Aとフォーカスリング12との静電吸着力は、第2堤部16Bとフォーカスリング12との静電吸着力よりも弱くなっている。
静電チャック装置10Aにおいては、このような構成のガス流出部30Aを有することにより、溝部17に供給された伝熱ガスGは、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から優先的に溝部17の外部に流出する。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
また、内面31が下方に傾斜する斜面となっていることから、伝熱ガスGが溝部17から外部に流出する際、伝熱ガスGは水平方向下方に向けて放出される。そのため、載置面24aの上方の空間に伝熱ガスGがより到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくい。したがって、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
また、ガス流出部30Aの開口面積が、溝部17側の端部から溝部17の外側の端部に向けて漸減していることから、伝熱ガスGは溝部17側の端部から溝部17の外側の端部に向けて加圧される。これにより、ガス流出部30Aの開口面積が溝部17側の端部から溝部17の外側の端部まで一定である場合や、溝部17側の端部から溝部17の外側の端部にむけて漸増する場合と比べ、伝熱ガスGは、ガス流出部30Aの外側の端部から勢いよく外部に放出される。そのため、載置面24aの上方の空間に伝熱ガスGがより到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくい。したがって、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、図2に示すように、溝部17の底面17aには、堤部16におけるフォーカスリング12が載置される面側に(保持部15の厚さ方向に)突出する凸部18が設けられていてもよい。
凸部18は、例えば、複数の柱状の突起18A,18B,・・・から構成されている。
突起18A,18B,・・・は、互いに離隔して設けられている。突起18A,18B,・・・は、静電チャック装置10(保持部15)を平面視した場合、溝部17の全域にわたって設けられている。突起18A,18B,・・・同士の間隔は、特に限定されない。
また、凸部18は、例えば、複数の凸条部18A,18B,・・・から構成されていてもよい。凸条部18A,18B,・・・は、互いに離隔して設けられている。凸条部18A,18B,・・・は、静電チャック装置10(保持部15)を平面視した場合、環状の溝部17に沿って、連続する環状をなしていてもよく、あるいは、間隔を置いて設けられた不連続な弧状をなしていてもよい。凸条部18A,18B,・・・が、環状の溝部17に沿って、連続する環状をなす場合、凸条部18A,18B,・・・は、溝部17と同心円状に設けられる。凸条部18A,18B,・・・同士の間隔は、特に限定されない。
凸部18はフォーカスリング12と接しない。また、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間にも、空間(間隙)がある。
また、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間の空間(間隙)の大きさ、すなわち、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間の距離は、特に限定されないが、フォーカスリング12と凸部18との間に、静電吸着力が働く程度とする。
凸部18が複数の突起18A,18B,・・・から構成されるとき、凸部18の面積(突起18A,18B,・・・全てを併せた面積)は、静電チャック装置10(保持部15)を平面視した場合、溝部17の面積(溝部17の底面17aの面積)の10%以上かつ80%以下であることが好ましく、20%以上かつ50%以下であることがより好ましい。
凸部18の面積が、溝部17の面積の10%未満では、突起18A,18B,・・・とフォーカスリング12の間に作用する静電吸着力、すなわち、突起18A,18B,・・・にフォーカスリング12を引き付ける力が弱過ぎるため、保持部15にフォーカスリング12を固定することができない。一方、凸部18の面積が、溝部17の面積の80%を超えると、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間の空間が小さくなり過ぎるため、その空間を流れる伝熱ガスの量が少なくなる。その結果、伝熱ガスによりフォーカスリング12を冷却する効果が小さくなり、フォーカスリング12の表面温度と板状試料Wの表面温度との間に差が生じて、その結果、板状試料Wの面内温度も安定しなくなる。
凸部18が複数の凸条部18A,18B,・・・から構成されるとき、凸部18の面積(凸条部18A,18B,・・・全てを併せた面積)は、静電チャック装置10(保持部15)を平面視した場合、溝部17の面積(溝部17の底面17aの面積)の10%以上かつ80%以下であることが好ましく、20%以上かつ50%以下であることがより好ましい。
凸部18の面積が、溝部17の面積の10%未満では、凸条部18A,18B,・・・とフォーカスリング12の間に作用する静電吸着力、すなわち、突起18A,18B,・・・にフォーカスリング12を引き付ける力が弱過ぎるため、保持部15にフォーカスリング12を固定することができない。一方、凸部18の面積が、溝部17の面積の80%を超えると、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間の空間が小さくなり過ぎるため、その空間を流れる伝熱ガスの量が少なくなる。その結果、伝熱ガスによりフォーカスリング12を冷却する効果が小さくなり、フォーカスリング12の表面温度と板状試料Wの表面温度との間に差が生じて、その結果、板状試料Wの面内温度も安定しなくなる。
フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの離隔距離は、1μm以上かつ10μm以下であることが好ましく、2μm以上かつ5μm以下であることがより好ましい。
フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの離隔距離が1μm未満では、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの間の空間が小さくなり過ぎるため、その空間を流れる伝熱ガスの量が少なくなる。その結果、伝熱ガスによりフォーカスリング12を冷却する効果が小さくなり、フォーカスリング12の表面温度と板状試料Wの表面温度との間に差が生じて、その結果、板状試料Wの面内温度も安定しなくなる。一方、フォーカスリング12の下面12aと、凸部18の頂点(上面)18aとの離隔距離が10μmを超えると、凸条部18A,18B,・・・とフォーカスリング12の間に作用する静電吸着力、すなわち、突起18A,18B,・・・にフォーカスリング12を引き付ける力が弱過ぎるため、保持部15にフォーカスリング12を固定することができない。
以上のような構成の静電チャック装置によれば、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、ガス流出部30Aはフォーカスリング12に設けることとしたが、第1堤部16Aに設けることとしても構わない。
図3は、本実施形態の変形例に係る静電チャック装置10Bの説明図であり、第1堤部16Aの一部について示した平面図である。
図に示すように、第1堤部16Aの上面、すなわちフォーカスリング12と対向する面に、溝部17に供給された伝熱ガスGを、溝部17の外に流出させるガス流出部30Bが設けられていることとしてもよい。
ガス流出部30Bは、第1堤部16Aに設けられた溝である。ガス流出部30Aは、フォーカスリング12と、第1堤部16Aのフォーカスリング12と対向する面と、が接触する接触部分において、第1堤部16Aと交差する方向に設けられ、溝部17側の端部が溝部17内に開口している。ガス流出部30Bの開口面積は、溝部17側の端部から溝部17の外側の端部に向けて漸減している。例えば、図に示すように、一方の端部(溝部17側の端部)の開口幅W1は他方の端部(溝部17の外側の端部)の開口幅W2よりも広く形成されている。
静電チャック装置10Bは、このようなガス流出部30Bを有することにより、溝部17に供給された伝熱ガスGは、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から優先的に溝部17の外部に流出する。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
また、ガス流出部30Bの開口面積が、溝部17側の端部から溝部17の外側の端部に向けて漸減していることから、上記ガス流出部30Aと同様の理由により、伝熱ガスGは、ガス流出部30Aの外側の端部から勢いよく外部に放出される。そのため、載置面24aの上方の空間に伝熱ガスGがより到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくい。したがって、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
このような構成の静電チャック装置10Bであっても、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係る静電チャック装置10Cの説明図であり、図2に対応する図である。本実施形態の静電チャック装置10Cは、第1実施形態の静電チャック装置10Aと一部共通している。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図に示すように、静電チャック装置10Cにおいては、一対の堤部16において、フォーカスリング12と対向する面16aに、ガス流出部30Cが形成されている。ガス流出部30Cは、複数の第1微小突起16b,16b・・・を含む第1微小突起部である。
フォーカスリング12を保持部15に載置した際、第1微小突起16b,16b・・・は、頂点でフォーカスリング12と接している。すなわち、フォーカスリング12の下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12と対向する面16aとの間には、空間(間隙)がある。さらに言い換えれば、フォーカスリング12の下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12と対向する面16aとが接することなく、堤部16の第1微小突起16b,16b・・・のみがフォーカスリング12の下面12aと接する。
この状態で、静電吸着用内部電極26に印加することで、保持部15は、フォーカスリング12を静電吸着する。
フォーカスリング12の下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12と対向する面16aとの間の空間(間隙)の大きさ、すなわち、堤部16におけるフォーカスリング12と対向する面16aを基準とする、第1微小突起16b,16b・・・の高さは、特に限定されないが、冷却手段13によって溝部17内に供給された伝熱ガスが流通することができる程度とする。
静電チャック装置10Cにおいては、ガス流出部(第1微小突起部)30Cは、一対の堤部16の両方(第1堤部16A、第2堤部16B)において、フォーカスリング12と対向する面16aに設けられている。また、第1堤部16Aにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅(図中、符号Waで示す)は、第2堤部16Bにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅(図中、符号Wbで示す)よりも狭い。
静電チャック装置10Cは、このようなガス流出部30Cを有することにより、溝部17に供給された伝熱ガスGは、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から多く溝部17の外部に流出する。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
このような構成の静電チャック装置10Cであっても、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、図に示す静電チャック装置10Cでは、第1堤部16Aと第2堤部16Bとの両方にガス流出部(第1微小突起部)30Cを設けることとしたが、第1堤部16Aにのみ設けることとしてもよい。その場合、また、第1堤部16Aにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅Waは、第2堤部16Bにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅Wbと同じであってもよい。
[第3実施形態]
図5は、本発明の第3実施形態に係る静電チャック装置10Dの説明図であり、図2に対応する図である。
図に示すように、静電チャック装置10Dにおいては、一対の堤部16において、フォーカスリング12と対向する面16aに、ガス流出部30Dが形成されている。
ガス流出部30Dは、多孔体を形成材料とする多孔体層である。第1堤部16Aにおいてフォーカスリング12と対向する面16aには多孔体層33が設けられている。第2堤部16Bにおいてフォーカスリング12と対向する面16aには多孔体層34が設けられている。
多孔体層33および多孔体層34は、例えば、溶射膜や多孔質セラミックを形成材料としている。多孔体層33および多孔体層34の高さは、特に限定されないが、フォーカスリング12と堤部16との間に、静電吸着力が働く程度とする。
このような多孔体層33および多孔体層34が有する空孔は、堤部16の幅方向、言い換えるならば溝部17の内部と外部とを接続する方向に連通している。また、第1堤部16Aに設けられた多孔体層33は、第2堤部16Bに設けられた多孔体層34よりも空孔率が大きい。
ここで、「空孔率」とは、多孔体層の所定の単位体積に占める空孔の合計体積の割合のことである。空孔率は、多孔体層の形成材料の真密度と多孔体層の見掛け密度との比から求められる値であってもよく、単位体積当たりの空孔の体積を実測して求められる値であってもよい。空孔率が大きい多孔体層ほど空孔が多く、伝熱ガスを流出させやすい。
静電チャック装置10Dは、このようなガス流出部30Dを有することにより、溝部17に供給された伝熱ガスGは、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から多く溝部17の外部に流出する。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
このような構成の静電チャック装置10Dであっても、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、静電チャック装置10Dにおいては、第1堤部16Aにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅が、第2堤部16Bにおいてフォーカスリング12と対向する面16aの幅よりも狭いものとしてもよい。
また、図に示す静電チャック装置10Dでは、第1堤部16Aと第2堤部16Bとの両方にガス流出部30Dを設けることとしたが、第1堤部16Aにのみ設けることとしてもよい。
[第4実施形態]
図6は、本発明の第4実施形態に係る静電チャック装置10Eの説明図であり、図2に対応する図である。
図に示すように、静電チャック装置10Eにおいては、フォーカスリング12E(フォーカスリング12)において、堤部16と対向する面(下面)12aに、ガス流出部30Eが形成されている。ガス流出部30Eは、複数の第2微小突起12b,12b・・・を含む第2微小突起部である。
フォーカスリング12Eを保持部15に載置した際、第2微小突起12b,12b・・・は、頂点で堤部16と接している。すなわち、フォーカスリング12Eの下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12Eと対向する面16aとの間には、空間(間隙)がある。さらに言い換えれば、フォーカスリング12Eの下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12Eと対向する面16aとが接することなく、フォーカスリング12Eの第2微小突起12b,12b・・・のみが堤部16の面16aと接する。
この状態で、静電吸着用内部電極26に印加することで、保持部15は、フォーカスリング12Eを静電吸着する。
フォーカスリング12Eの下面12aと、堤部16におけるフォーカスリング12Eと対向する面16aとの間の空間(間隙)の大きさ、すなわち、フォーカスリング12Eにおける堤部16と対向する下面12aを基準とする、第2微小突起12b,12b・・・の高さは、特に限定されないが、冷却手段13によって溝部17内に供給された伝熱ガスが流通することができる程度とする。
静電チャック装置10Eにおいては、ガス流出部(第2微小突起部)30Eは、フォーカスリング12Eにおいて、一対の堤部16の両方(第1堤部16A、第2堤部16B)と対向する下面12aに設けられている。
このようなガス流出部30Eを有する静電チャック装置10Eにおいては、第1堤部16Aにおいてフォーカスリング12Eと対向する面16aの幅Waは、第2堤部16Bにおいてフォーカスリング12Eと対向する面16aの幅Wbよりも狭いこととするとよい。
また、第1堤部16Aと対向する位置に設けられた複数の第2微小突起12b,12b・・・同士の離間距離は、第2堤部16Bに設けられた複数の第2微小突起12b,12b・・・同士の離間距離よりも広くなっていてもよい。このような構成とすることにより、冷却手段13によって溝部17内に供給された伝熱ガスは、第2微小突起12b,12b・・・同士の離間距離が広い第1堤部16A側から、より多く外部に流出する。
なお、第1堤部16Aと対向する位置において、第2微小突起12b,12b・・・同士の離間距離は、特に限定されないが、伝熱ガスが、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から、より多く外部に流出することができる程度とする。
また、第1堤部16Aに設けられた複数の第2微小突起12b,12b・・・の高さは、第2堤部16Bに設けられた複数の第2微小突起12b,12b・・・よりも高くなっていてもよい。このような構成とすることにより、冷却手段13によって溝部17内に供給された伝熱ガスは、第2微小突起12b,12b・・・の高さが高い第1堤部16A側から、より多く外部に流出する。
なお、第1堤部16Aと対向する位置において、第2微小突起12b,12b・・・の高さは、特に限定されないが、伝熱ガスが、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から、より多く外部に流出することができる程度とする。
静電チャック装置10Eは、このようなガス流出部30Eを有することにより、溝部17に供給された伝熱ガスGは、第2堤部16B側よりも第1堤部16A側から多く溝部17の外部に流出する。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
このような構成の静電チャック装置10Eであっても、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、図に示す静電チャック装置10Eでは、第1堤部16Aと対向する位置および第2堤部16Bと対向する位置の両方にガス流出部(第2微小突起部)30Eを設けることとしたが、第1堤部16Aと対向する位置にのみ設けることとしてもよい。
[第5実施形態]
図7は、本発明の第5実施形態に係る静電チャック装置10Fの説明図であり、図2に対応する図である。
本実施形態の静電チャック装置10Fにおいては、上述したガス流出部30A〜30Eのいずれも採用することができる。図7においては、ガス流出部の図示を省略している。
そのうえで、静電チャック装置10Fでは、フォーカスリング12F(フォーカスリング12)は、平面視において第1堤部16Aのフォーカスリング12Fと対向する面16aの外周よりも外側に張り出して設けられている。また、フォーカスリング12において第1堤部16Aと対向する下面12aの外側の端部12Xは、載置面24a(図1参照)の面方向を水平方向(図中、符号Sで示す破線)としたとき下方に向けて延在している。
このようなフォーカスリング12Fを有する静電チャック装置10Fにおいては、第1堤部16A側から外部に流出した伝熱ガスが下方に排出される。そのため、流出した伝熱ガスGは、載置面24a(図1参照)の上方の空間に到達しにくく、載置面24aの上方の空間に生じるプラズマに悪影響を及ぼしにくくなり、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
このような構成の静電チャック装置10Fであっても、板状試料Wの加工精度を向上させることが可能となる。
なお、上述した第1実施形態から第5実施形態においては、第1堤部16Aから伝熱ガスが流出する量が、第2堤部16Bから流出する量より多くなるようにするため、第1堤部16Aとフォーカスリング12との対向部分に、構造物であるガス流出部30A〜30Eを設けることとしたが、これに限らない。例えば、静電チャック部14の電極の構成を変更することにより、第1堤部16Aから伝熱ガスが流出する量が、第2堤部16Bから流出する量より多くなるようにすることもできる。
すなわち、平面視において静電吸着用内部電極26と第1堤部16Aとが重なる面積が、平面視において静電吸着用内部電極26と第2堤部16Bとが重なる面積よりも小さくなるように、静電吸着用内部電極26を形成することとしてもよい。このような構成の場合、静電吸着用内部電極26と第1堤部16Aとの吸着力が静電吸着用内部電極26と第2堤部16Bとの吸着力よりも弱くなり易いため、伝熱ガスが溝部17の内部に供給された際、フォーカスリング12は溝部17内の内圧により第1堤部16A側が浮きやすい。その結果、第1堤部16Aから伝熱ガスが流出する量が、第2堤部16Bから流出する量より多くなりやすくなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
G…伝熱ガス、W…板状試料、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F…静電チャック装置、11…載置台、12,12E,12F…フォーカスリング、12b…第2微小突起、12X…端部、13…冷却手段、15…保持部、16…堤部、16A…第1堤部、16a…面、16b…第1微小突起、16B…第2堤部、17…溝部、18A…突起、24a…載置面、30A,30B,30C,30D,30E…ガス流出部、30C…ガス流出部(第1微小突起部)、30E…ガス流出部(第2微小突起部)、33,34…多孔体層、Wa,Wb…幅

Claims (14)

  1. 板状試料を載置する載置面が設けられた載置台と、
    前記載置台の上に配置され、前記載置面の周囲を囲む環状のフォーカスリングと、
    前記載置台および前記フォーカスリングを冷却する冷却手段と、を備え、
    前記載置台は、前記載置面の周囲に前記フォーカスリングの周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングを静電吸着する保持部を有し、
    前記保持部は、前記周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングが載置される一対の堤部と、前記一対の堤部の間に形成された環状の溝部と、を有し、
    前記冷却手段は、前記溝部に伝熱ガスを供給し、
    前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの外周側に位置する第1堤部から前記伝熱ガスが流出する量が、前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの内周側に位置する第2堤部から流出する量より多くなるように設けられており、
    少なくとも前記第1堤部において、前記フォーカスリングと対向する面には、前記溝部に供給された前記伝熱ガスを、前記溝部の外に流出させるガス流出部が設けられている静電チャック装置。
  2. 前記ガス流出部は、前記フォーカスリングと、前記第1堤部の前記フォーカスリングと対向する面と、が接触する接触部分において、前記第1堤部と交差する方向に設けられた溝である請求項に記載の静電チャック装置。
  3. 前記溝の開口面積は、前記溝部側の端部から前記溝部の外側の端部に向けて漸減している請求項に記載の静電チャック装置。
  4. 前記溝のうち少なくとも前記溝部の外側の端部を含む一部分が、前記載置面の面方向を水平方向としたとき下方に向けて延在している請求項またはに記載の静電チャック装置。
  5. 前記ガス流出部は、複数の第1微小突起を含む第1微小突起部であり、
    前記複数の第1微小突起は、前記フォーカスリングと接し、前記フォーカスリングを静電吸着している請求項に記載の静電チャック装置。
  6. 前記ガス流出部は、多孔体を形成材料とする多孔体層であり、
    前記多孔体層は、前記フォーカスリングと接し、前記フォーカスリングを静電吸着し、
    前記多孔体層が有する空孔は、前記堤部の幅方向に連通している請求項に記載の静電チャック装置。
  7. 前記ガス流出部は、前記一対の堤部の両方において、前記フォーカスリングと対向する面に設けられ、
    前記第1堤部に設けられた前記多孔体層は、前記第2堤部に設けられた前記多孔体層よりも空隙率が大きい請求項に記載の静電チャック装置。
  8. 前記ガス流出部は、前記一対の堤部の両方において、前記フォーカスリングと対向する面に設けられ、
    前記第1堤部において前記フォーカスリングと対向する面の幅は、前記第2堤部において前記フォーカスリングと対向する面の幅よりも狭い請求項のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
  9. 板状試料を載置する載置面が設けられた載置台と、
    前記載置台の上に配置され、前記載置面の周囲を囲む環状のフォーカスリングと、
    前記載置台および前記フォーカスリングを冷却する冷却手段と、を備え、
    前記載置台は、前記載置面の周囲に前記フォーカスリングの周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングを静電吸着する保持部を有し、
    前記保持部は、前記周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングが載置される一対の堤部と、前記一対の堤部の間に形成された環状の溝部と、を有し、
    前記冷却手段は、前記溝部に伝熱ガスを供給し、
    前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの外周側に位置する第1堤部から前記伝熱ガスが流出する量が、前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの内周側に位置する第2堤部から流出する量より多くなるように設けられており、
    前記フォーカスリングにおいて、少なくとも前記第1堤部と対向する面には、前記溝部に供給された前記伝熱ガスを、前記溝部の外に流出させるガス流出部が形成されている静電チャック装置。
  10. 前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、
    前記第1堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起同士の離間距離は、前記第2堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起同士の離間距離よりも広いことを特徴とする請求項に記載の静電チャック装置。
  11. 前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、
    前記第1堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起の高さが、前記第2堤部と対向する位置に設けられた前記複数の第2微小突起より高いことを特徴とする請求項または10に記載の静電チャック装置。
  12. 前記ガス流出部は、前記フォーカスリングにおいて、前記第1堤部および前記第2堤部の両方と対向する面に設けられ、複数の第2微小突起を含む第2微小突起部であり、
    前記第1堤部の幅は、前記第2堤部の幅よりも狭い請求項から11のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
  13. 前記フォーカスリングは、平面視において前記第1堤部の前記フォーカスリングと対向する面の外周よりも外側に張り出して設けられ、
    前記フォーカスリングにおいて前記第1堤部と対向する面の前記外側の端部は、前記載置面の面方向を水平方向としたとき下方に向けて延在している請求項1から12のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
  14. 板状試料を載置する載置面が設けられた載置台と、
    前記載置台の上に配置され、前記載置面の周囲を囲む環状のフォーカスリングと、
    前記載置台および前記フォーカスリングを冷却する冷却手段と、を備え、
    前記載置台は、前記載置面の周囲に前記フォーカスリングの周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングを静電吸着する保持部を有し、
    前記保持部は、前記周方向に沿って設けられ、前記フォーカスリングが載置される一対の堤部と、前記一対の堤部の間に形成された環状の溝部と、を有し、
    前記冷却手段は、前記溝部に伝熱ガスを供給し、
    前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの外周側に位置する第1堤部から前記伝熱ガスが流出する量が、前記一対の堤部のうち前記フォーカスリングの内周側に位置する第2堤部から流出する量より多くなるように設けられており、
    前記フォーカスリングは、平面視において前記第1堤部の前記フォーカスリングと対向する面の外周よりも外側に張り出して設けられ、
    前記フォーカスリングにおいて前記第1堤部と対向する面の前記外側の端部は、前記載置面の面方向を水平方向としたとき下方に向けて延在している静電チャック装置。
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