JP6423080B2 - タンジェンシャル型フライスインサート及びマルチ刃フライス - Google Patents

Description

関連出願の相互参照
本出願は、２０１５年８月１０日に出願された「タンジェンシャル型フライスインサート」と題する中国出願第２０１５２０５９９１３６．９号、および２０１５年８月１０日に出願された「マルチ刃フライス」と題する中国出願第２０１５２０５９９３６４．６号に基づく利益を主張し、これらの出願の全体が参照され本明細書に組み込まれる。

本発明は、超硬工具の技術分野に関し、特に、タンジェンシャル型フライスインサート及びタンジェンシャル型フライスインサートを用いたマルチ刃フライスに関する。

フライスは、１つまたは複数のフライスインサートを備えたロータリーカッターであり、各フライスインサートを介して断続的に加工物を切断することによって、フライス盤上の平坦面、ステージ、及び溝を加工し、表面を成型するなど、機械加工するために主に使用される。フライスのカッターホイールベースをリサイクルするために、既存のフライスは、しばしばフライスインサートとフライスとの組み合わせ構造を採用する。

現在のフライスインサートは、大抵単一のチップデザインを使用する。なぜなら、現在のフライスインサートは、通常、クランプ位置決めモードを使用し、カッターチップが固定部分に設計されている場合、固定された部位が摩耗する可能性があり、フライスの作業信頼性に影響を与える可能性があるからである。

フライスが、フライス盤の主軸に取り付けられた後、主軸は作動する。フライスホイールの回転により、フライスの外輪に取り付けられたフライスインサートは、フライス加工および機械加工作業を行うことができる。従来のフライスベースは、通常、単一の構造（例えば、アルミニウム合金構造）を採用し、長い加工時間および高い動作周波数の場合に、位置決め不良または機械加工ずれなどの問題が発生する傾向があり、緊急に安定性を改善する必要がある。また、位置決め構造がクランプ位置決めモードを採用することが多いため、信頼性が保証されていることを前提として、搭載可能なフライスインサートの数をさらに増やすことができず、さらなる加工効率の向上には限界がある。

上記の問題に鑑みて、本発明は、新しいタンジェンシャル型フライスインサートとマルチ刃フライスを提供する。

本発明は、タンジェンシャル型フライスインサートであって、インサートベースとカッターチップユニットとを備え、インサートベースには、タンジェンシャル型フライスインサートをフライスホイールに取り付けるための取り付け穴が設けられ、カッターチップユニットは、インサートベースに取り付けられ、カッターチップユニットは、ダブルカッターチップ構造を有する。

選択的に、ダブルカッターチップ構造は、第１カッターチップ及び第２カッターチップを含み、インサートベースの断面は、取り付け穴の軸線に垂直な４つの頂点を有し、第１カッターチップ及び第２カッターチップは、互いに対応する位置でインサートベース上の２つの頂点上に配置される。

選択的に、インサートベースは、第１側面と、第１側面に対向する第２側面と、を有し、第１側面には、第１カッターチップ支持面と第１位置決め構造が設けられ、第１位置決め構造は、第１カッターチップ支持面に対してインサートベースの内側に凹んでおり、第２側面には、第２カッターチップ支持面と第２位置決め構造が設けられ、第２位置決め構造は、第２カッターチップ支持面に対してインサートベースの内側に凹んでいる。

選択的に、第１位置決め構造及び第２位置決め構造は、両方とも曲げられた平面構造を有する。

選択的に、曲げられた平面構造は、第１面及び第２面を含み、第２面は、第１面に対してインサートベースの内側に傾斜している。

選択的に、第１面は、第１平坦面及び第１曲面を有し、第１位置決め構造における第１曲面は、第１カッターチップ支持面と、第１位置決め構造における第１平坦面と、の間に位置し、第２位置決め構造における第１曲面は、第２カッターチップ支持面と、第２位置決め構造における第１平坦面との間に位置し、第２面は、第２平坦面及び第２曲面を有し、第１位置決め構造における第２曲面は、第１カッターチップ支持面と、第１位置決め構造における第２平坦面と、の間に位置し、第２位置決め構造における第２曲面は、第２カッターチップ支持面と、第２位置決め構造における第２平坦面とで接続される。

選択的に、第２曲面は、取り付け穴の軸線と平行な軸線を有する円錐面である。

選択的に、第１面の幅は、ベースの厚さの１／３〜１／２、及び／又は第２面と第１面との間の角度が１０°〜３０°である。

本発明は、カッターホイールベースと、ネジアセンブリと、タンジェンシャル型フライスインサートと、を含み、カッターホイールベースは、第１カッターベース及び第２カッターベースを含み、第１カッターベースは、第２カッターベースと、第２カッターベースに設けられたタンジェンシャル型フライスインサートと、に接続される。

ネジアセンブリは、ダイナミックバランス調整ネジと、取り付け及び位置決めネジセットと、を含み、ダイナミックバランス調整ネジは、第１カッターベースに設けられ、タンジェンシャル型フライスインサートは、取り付け及び位置決めネジセットを介して、第２カッターベースに接続される。

第２カッターベースは、タンジェンシャル型フライスインサートを取り付けるためのインサート取り付け溝と、インサート取り付け溝の底面に設けられた第１ネジ穴と、インサート取り付け溝に連通する交互の溝と、を含み、

タンジェンシャル型インサートは、インサート取り付け溝に装着されると、未使用のカッターチップ構造が退避溝内に配置され、位置決め構造は、インサート取り付け溝の側方に位置する第１位置決め平面と、インサート取り付け溝の側面に取り付けられた第２固定ネジとを含み、カッターホイールベースは、第２固定ネジに適合する第２ネジ穴を含み、第２ネジ穴の軸線は第１ネジ穴の軸線と平行である。

本発明は、カッターホイールベースと、ネジアセンブリと、タンジェンシャル型フライスインサートとを備え、カッターホイールベースは、第１カッターベースと第２カッターベースを含み、第１カッターベースは、第２カッターベースに接続され、タンジェンシャル型フライスインサートは、第２カッターベースに接続され、

ネジアセンブリは、ダイナミックバランス調整ネジと、取り付け及び位置決めネジセットと、を含み、ダイナミックバランス調整ネジは、第１カッターベースに設けられ、タンジェンシャル型フライスインサートは、取り付け及び位置決めネジセットを介して第２カッターベースに接続されるマルチ刃フライスを提供する。

選択的に、取り付け及び位置決めネジセットは、第１固定ネジと第２固定ネジを備え、

第１固定ネジは、タンジェンシャル型フライスインサートの取り付け穴と一致し、タンジェンシャル型フライスインサートを第２カッターベースに取り付け、

第２固定ネジは、タンジェンシャル型フライスインサートの第１位置決め構造又は第２位置決め構造と一致し、タンジェンシャル型フライスインサートと第２カッターベースとの相対位置を位置決めする。

選択的に、第１カッターベースの硬度は、第２カッターベースの硬度よりも低い。

本発明によって提供されるタンジェンシャル型フライスインサートはダブルカッターチップ構造であり、フライスの曲げられた平面構造と位置決め構造との間の嵌合によって位置決めされ、曲げられた平面構造は使用中に摩耗されない。曲げられた平面構造は研磨されないので、２つのカッターチップが使用される場合、確実な位置決めが保証され得る。

本発明により提供されるマルチ刃フライスにおいて、カッターホイールベースは、タンジェンシャル型フライスインサートの曲げられた平面構造に適合し、交互の溝に対して突出する位置決め構造を有し、その結果、ダブルヘッドフライスインサートは、正確に適用され得る。

本発明の実施形態または従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態または従来技術の説明において必要とされる図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、他の図面も、これらの図面に従った当業者によって創造的な作業なしに得られてもよい。

本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第１の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第２の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第３の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの正面図。 図４の方向Ｇにおける模式図である。 図４の方向Ｉにおける模式図である。 図４の方向Ｈにおける模式図である。 図４のＮ−Ｎに沿った断面図である。 図４のＫ−Ｋに沿った断面図である。 図４のＪ−Ｊに沿った断面図である。 図８の領域Ｆにおける模式図である。 本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型マルチ刃フライスインサートの概略図である。 図１２の領域Ｌにおける拡大図である。 本発明の一実施形態に係るカッターホイールベースの概略図である。 本発明の一実施形態に係るカッターホイールベースの第１カッターベース及び第２カッターベースの分解図である 図１４の領域Ｍにおける拡大図である。 図１２の第２位置決めネジが取り付けられていないＯ−Ｏに沿った断面における模式図である。 第２位置決めネジが第２面と嵌合するときの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマルチ刃フライスインサートの部分切欠き図である。

本発明の実施形態における技術的解決策は、本発明の実施形態における図面に関連して以下に詳細に説明される。

図１は、本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第１の斜視図である。図２は、本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第２の斜視図である。図３は、本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの第３の斜視図である。図４は、本発明の一実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサートの正面図である。図１乃至図４に示すように、本実施形態おけるタンジェンシャル型フライスインサートは、インサートカーバイドベース１と、インサートベース１上に取りつけられたダブルカッターチップ構造と、を含み、ダブルカッターチップ構造は、第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３を含んでいる。第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３は、両方ともミリングのカッターチップであり、したがって、この実施形態におけるフライスインサートは、インデックス可能なフライスインサートであってもよい。インサートベース１の中央領域には、第１固定ネジ６を嵌め込み、タンジェンシャル型フライスインサートをフライスホイールに取り付けるように構成された取り付け穴１１が存在する。

図４に示すように、インサートベース１の取り付け穴１１の軸線に垂直な断面は、略四角形の断面であり、インサートベース１の断面の輪郭は四角形である。第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３は、四角形のインサートベース１の対向する２つの頂点に取り付けられている。

第１カッターチップ２と第２カッターチップ３とを接続する機能に加えて、インサートベース１は、第１カッターチップ２を支持する機能をさらに備えていることがありうる。第２カッターチップ３は、第１カッターチップ２又は第２カッターチップ３に加えられる衝撃力を、材料表面をミリングする間にフライスホイールに伝達する。したがって、インサートベース１は、第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３を支持するための支持部位を有する必要がある。第１カッターチップ２又は第２カッターチップ３がフライス加工中に振動しないことを保証するために、インサートベース１はさらに位置決め機能を有するべきである。

図１乃至図４に示すように、本実施形態に係るインサートベースは、第１側面１２及び第２側面１３を有しており、第１側面１２及び第２側面１３は、インサートベース１の２つの対向する側面であり、第１側面１２は、第１カッターチップ２の後部カッター面に相当し、インサートベース１の第１側面１２を形成する部分は、第１カッターチップ２に接続され、第１カッターチップ２を支持するように機能する。第２側面１３は、第２カッターチップ３の後部カッター面に相当し、インサートベース１の第２側面１３を形成する部分は、第２カッターチップ３と接続され、第２カッターチップ３を支持するように機能する。

具体的に、第１側面１２は、第１カッターチップ支持面１４及び第１位置決め構造１５を有しており、第１カッターチップ支持面１４は、第１カッターチップ２の後部カッター面と直接接続されており、第１位置決め構造１５は、第１カッターチップ支持面１４に対してインサートベース１の内側に凹んでいる。同様に、第２側面１３は、第２カッターチップ支持面１６及び第２位置決め構造１７を有しており、第２カッターチップ支持面１６は、第２カッターチップ３の後部カッター面と直接接続されており、第２位置決め構造１７は、第２カッターチップ支持面１６に対してインサートベースの内側に凹んでいる。

図４に示すように、第１位置決め構造１５及び第２位置決め構造１７は、四角形構造を有するインサートベース１の他の２つの頂点上に実質的に位置する。実際の加工において、第１位置決め構造１５及び第２位置決め構造１７は、インサートベース１の他の２つの頂点の材料を除去して形成された凹部領域の表面である。第１位置決め構造１５が第１カッターチップ支持面１４に対して凹んでいるので、フライス加工中に、第１位置決め構造１５が第１カッターチップ２の後方カッター面領域として磨耗することはなく、位置決め精度は加工プロセスの影響を受ない。同様に、第２位置決め構造１７は、第２カッターチップ支持面１６を凹ませているので、フライス加工中に、第２位置決め構造１７が第２カッターチップ３の後部カッター面領域として磨耗することはなく、加工プロセスの影響を受けない。第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３を交換してフライスのカッターチップとして使用する場合には、第１位置決め構造１５と第２位置決め構造１７がそれぞれ取り付け穴１１に一致して位置決めされ、フライスインサートの位置決め精度及び位置決め安定性を保証することができる。

本実施形態におけるタンジェンシャル型フライスインサートは、回収可能なフライスインサートである。第１カッターチップ支持面１４と、第１カッターチップ２の後側カッター面と、は同一平面上にあり、第２カッターチップ支持面１６と第２カッターチップ３の後側カッター面と、は同一平面内にある。フライスインサートのカッターチップがある程度磨耗すると、鋭利化を必要とし、第１カッターチップ支持面１４と第１カッターチップ２の後方カッター面とは同時に再研削されるが、第１位置決め構造１５の面は再研削されない。同様に、第２カッターチップ支持面１６と第２カッターチップ３の後側カッター面とは同時に再研削されるが、第２位置決め構造１７の面は再研削されない。したがって、本実施形態におけるタンジェンシャル型フライスインサートの鋭利化コストは低い。

本実施形態の第１位置決め構造１５と第２位置決め構造１７は、いずれも屈曲面構造を有しており、屈曲面構造の異なる面で異なる位置合わせを実現することができる。したがって、本実施形態の曲面構造の具体的な形状は、第１位置決め構造１５を例にとるだけで紹介できる。図１乃至図３に示すように、本実施形態の第１位置決め構造１５は、第１面Ａと第２面Ｂとを含み、第１面Ａと第２面Ｂは非平面である。ここで、第１面Ａは、マルチ刃フライスの第１位置決め平面に適合するように構成され、第２面Ｂは、フライスインサートの位置を調整するために、第２面Ｂが第２固定ネジ７に適合すると、第１面Ａはカッターホイール上の第１位置決め平面４７から取り外される。

本実施形態における第２面Ｂは、第１面Ａに対してインサートベース１の内側に傾斜した面である。図２及び図３に示すように、本実施形態における第１面Ａは、第１平坦面Ａ１と第１曲面Ａ２とを有し、第１曲面Ａ２は、第１平坦面Ａ１と第１カッターチップ支持面１４とを接続し、第２面Ｂは、第２平坦面Ｂ１と第１曲面Ｂ２とを有し、第２曲面Ｂ２は、第２平坦面Ｂ１と第１カッターチップ支持面１４とを接続している。本実施形態では、第１曲面Ａ２は、第１カッターチップ支持面１４と第１平坦面Ａ１との間の移行曲面として設定されているため、局所的な応力集中の問題を回避することができ、インサートベースは、損傷を防ぐことができる。また、本実施形態の第２曲面部Ｂ２は、取り付け穴の軸線と平行な軸線を有する円錐面であり、応力集中の問題を低減することに加えて、第２曲面Ｂ２は、後述する第２固定ネジ７との接触面積を増加させることもできる。

図５は、図４の方向Ｇにおける模式図である。図６は、図４の方向Ｉにおける模式図である。図７は、図４における方向Ｈの模式図である。図５から分かるように、本実施形態の第１曲面Ａ２も、第１曲面Ａ２の円錐度が第２曲面Ｂ２の円錐度より小さいことを除いて、取り付け穴の軸に平行な軸を有する円錐面である。図２、図３、及び図５に示すように、取り付け穴１１の軸線に対する第１平坦面Ａ１の角度は、第１曲面Ａ２の円錐度であり、取り付け穴１１の軸線に対する第２平坦面Ｂ１の角度は第２曲面Ｂ２の円錐度を示す。

図６及び図７に示すように、第１側面１２の第１位置決め構造１５と同様に、本実施形態の第２側面１３の第２位置決め構造１７は、第１平坦面Ａ１と、第１曲面Ａ２と、第２平坦面Ｂ１と、第２曲面Ｂ２と、を有する。さらに、図４乃至図７から分かるように、本実施形態のフライスインサートは、取り付け穴１１の軸に対して中心対称である。

図８は、図４のＮ−Ｎに沿った断面図である。図９は、図４のＫ−Ｋに沿った断面図である。図１０は、図１０のＪ−Ｊに沿った断面図である。図８乃至図１０に示すように、本実施形態の取り付け穴部の領域はテーパ穴であり、フライスインサートの取り付け位置決めを実現する位置決めネジの位置決め平面との嵌合が容易である。

図１１は、図８の領域Ｆにおける模式図である。図１１に示すように、インサートベースの厚さ方向の第１面Ａの幅はＤである。本実施形態では、第１面の幅Ｄは、インサートベースの厚さの１／３−１／２である。加えて、図１１に示すように、第１面Ａと第２面Ｂとのなす角度をαとする。１つの特定の用途では、αは１０°〜３０°、好ましくは１２．５°であり得る。

１つの特定の用途では、本実施形態のインサートベース１は、好ましくは硬質合金鋼を使用することができ、第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３は、好ましくは多結晶ダイヤモンド（ＰＣＤ）または立方晶窒化ホウ素（ＰＣＢＮ）を使用することができる。

さらに、第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３の前側カッター面は、切れ刃が破損するように切れ目を入れた設計にすることができる。

上記のタンジェンシャル型フライスインサートに加えて、本発明の一実施形態は、上記のタンジェンシャル型フライスインサートを使用するマルチ刃フライスをさらに提供する。

図１２は、本発明の一実施形態に係るマルチ刃フライスの概略図である。図１３は、図１２の領域Ｌにおける拡大図である。図１２及び図１３に示すように、本実施形態のマルチ刃フライスは、カッターホイールベース４、タンジェンシャル型フライスインサート５、第１固定ネジ６、第２固定ネジ７、及びダイナミックバランス調整ネジ８を含む。

図１４は、本発明の一実施形態に係るカッターホイールベースの概略図である。図１５は、本発明の一実施形態に係るカッターホイールベースの第１カッターベース及び第２カッターベースの分解図である。図１６は、図１４の領域Ｍにおける拡大図である。図１４乃至図１６に示すように、カッターホイールベース４は、第１カッターベース４１と第２カッターベース４２とを有し、第１カッターベース４１と第２カッターベース４２とは固定的に接続されており、第１カッターベース４１は、カッターシャンクを介して機械の駆動シャフトに接続され、第２カッターベース４２は、タンジェンシャル型フライスインサート５を取り付けるように構成される。

マルチ刃フライスが材料の表面をミリングするとき、タンジェンシャル型フライスインサート５によって第２カッターベース４２に加えられる応力は非常に大きい。第２カッターベース４２の変形を防止するために、本実施形態における第２カッターベース４２の材質は、スチール等の硬質材であることが好ましく、第１カッターベース４１の材料は、軽合金、例えば、アルミニウム合金またはチタン合金であることが好ましい。したがって、本実施形態の第１カッターベース４１の硬度は、第２カッターベース４２の硬度よりも小さい。

図１５に示すように、本実施形態の第２カッターベース４２は、円形リング状であり、図２に示すように、図１５に示すように、本実施形態の第２カッターベース４２は、円形リング状であり、第１カッターベース４１の底面はシャフト−ショルダー構造を有し、第２カッターベース４２は、第１カッターベース４１のシャフト−ショルダー構造に固定して取り付けられている。しかし、他の実施形態では、第２カッターベース４２を第１カッターベース４１の端面に嵌合接続し、第１カッターベース４１の端面を第２カッターベース４２の位置決め平面としてもよい。

図１４及び図１６に示すように、第２カッターベース４２は、タンジェンシャル型フライスインサート５を取り付け、位置決めするための構造を有する。具体的には、第２カッターベース４２の表面には、タンジェンシャル型フライスインサート５が挿入されるインサート取り付け溝４３が設けられている。インサート取り付け溝４３の底面には、第１固定ネジ６を嵌合するための第１ネジ穴４４が設けられている。インサート取り付け溝４３の側面には、第１位置決め平面４７がさらに設定されている。第２カッターベース４２の第１位置決め平面４７に隣接する領域には、第２固定ネジ７に嵌合する第２ネジ穴４５が設けられ、第２ネジ穴４５の軸線は第１ネジ穴４４の軸線と平行であり、さらに、インサート取り付け溝と連通する退避溝４６がさらに存在する。

ダブルカッターチップ構造を有するタンジェンシャル型フライスインサート５がインサート取り付け溝４３に装着されると、第１カッターチップ２及び第２カッターチップ３の一方が第２カッターベース４２から突出し、他方が退避溝４６の側面に接触することなく退避溝４６内に配置される。第１固定ネジ６は、取り付け穴１１を貫通し、タンジェンシャル型フライスインサート５を取り付け溝に固定する。同時に、第１位置決め平面４７または第２固定ネジ７が、タンジェンシャル型フライスインサート５の対応する位置決め構造に適合し、それによって位置決めが実現される。

図１７は、図１２の第２位置決めネジが取り付けられていないＯ−Ｏに沿った断面における模式図である。図１７に示すように、マルチ刃フライスの加工精度がそれほど高くない場合には、タンジェンシャル型フライスインサート５の第１面Ａは、第１カッターベース４１の第１位置決め平面４７に直接適用されてもよく、第１位置決め平面４７と第１固定ネジ６との嵌合を介してタンジェンシャル型フライスインサート５を固定することができる。この時点で、第２固定ネジ７は、第２ネジ穴４５に取り付けられていなくてもよいし、第２ネジ穴４５に取り付けられてカウンタウェイトとしてのみ機能してもよい。

マルチ刃フライスの加工精度に対する要求が非常に高い場合、種々の誤差のために、第２カッターベース４２から突き出ているタンジェンシャル型フライスインサート５のカッターチップは、同じ面内にない。この時点で、第２カッターベース４２から突出しているタンジェンシャル型フライスインサート５のサイズは、第２位置決めネジ７と第２面Ｂをタンジェンシャル型フライスインサート５に嵌め込むことによって調整することができ、カッターチップを平らにすることができる。図１８は、第２位置決めネジが第２面と嵌合するときの断面図である。図１８に示すように、第２固定ネジ７は、円錐面を介して第２面Ｂに嵌合する。調整が必要な場合には、第２固定ネジ７が第２ネジ穴４５にネジ込まれると、第２固定ネジ７の円錐面が第２面Ｂを外側に押して、タンジェンシャル型フライスインサート５を全体として外側に移動させる。調整の間に、最初に固定されたフライスインサートが外向きに移動できるように、最初に第１固定ネジ６を緩めなければならない。

図１９は、本発明の一実施形態に係るマルチ刃フライスインサートの部分切欠き図である。また、図１９は、タンジェンシャル型フライスインサート５における第２固定ネジ７と第２面Ｂとの嵌合を示している。加えて、図１９に示すように、本実施形態に係るマルチ刃フライスは、第１カッターベース４１に固定的に接続され、第２カッターベース４２と一定の間隙を有する冷却液スプレープレート４８によってセットされる。冷却液スプレープレート４８には案内溝が設けられている。冷却液が第１カッターベース４１の軸心を介して冷却液スプレープレート４８に供給された後、案内溝によって加速されて遠心分離された後に間隙からはじき飛ばされる。

また、本実施形態のダイナミックバランス調整ネジ８は、第１カッターベース４１の外周面に取り付けられている。各タンジェンシャル型フライスインサート５の後に、第１固定ネジ６及び第２固定ネジ７が取り付けられ、マルチ刃フライスの重心が車軸中心にない場合は、各ダイナミックバランス調整ネジ８の位置を変更することによって車軸中心に合わせることができる。

本発明の実施形態に係るタンジェンシャル型フライスインサート及びマルチ刃フライスは、上記で詳細に紹介した。本発明の原理および実施形態は、この部分の特定の実施形態によって例示されており、上記の実施形態の図示は、本発明のコア概念のより良い理解のためにのみ使用される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者が創造的な仕事をしなくても得られる他の実施形態はすべて、本発明の保護範囲に関する。

１：インサートベース
１１：取り付け穴
１２：第１側面
１３：第２側面
１４：第１カッターチップ支持面
１５：第１位置決め構造
１６：第２カッターチップ支持面
１７：第２位置決め構造
Ａ：第１面
Ａ１：第１平坦面
Ａ２：第１曲面
Ｂ：第２面
Ｂ１：第２平坦面
Ｂ２：第２曲面
２：第１カッターチップ
３：第２カッターチップ
４：カッターホイールベース
４１：第１カッターベース
４２：第２カッターベース
４３：インサート取り付け溝
４４：第１ネジ穴
４５：第２ネジ穴
４６：退避溝
４７：第１位置決め平面
４８：冷却液スプレープレート
５：タンジェンシャル型フライスインサート
６：第１固定ネジ
７：第２固定ネジ
８：ダイナミックバランス調整ネジ

Claims (7)

1. タンジェンシャル型フライスインサートであって、
   インサートベース（１）とカッターチップユニットとを備え、
   前記インサートベースには、前記タンジェンシャル型フライスインサートをフライスホイールに取り付けるための取り付け穴（１１）が設けられ、
   前記カッターチップユニットは、インサートベース（１）に取り付けられ、
   前記カッターチップユニットは、ダブルカッターチップ構造を有し、
   前記ダブルカッターチップ構造は、第１カッターチップ（２）及び第２カッターチップ（３）を含み、
   取り付け穴の軸線に垂直な前記インサートベース（１）の断面は、４つの頂点を有し、
   前記第１カッターチップ（２）及び第２カッターチップ（３）は、互いに対応する位置でインサートベース（１）上の２つの頂点上に配置され、
   前記インサートベース（１）は、第１側面（１２）と、前記第１側面（１２）に対向する第２側面（１３）と、を有し、
   第１側面（１２）には、第１カッターチップ支持面（１４）と第１位置決め構造（１５）が設けられ、
   第１位置決め構造（１５）は、第１カッターチップ支持面（１４）に対して前記インサートベース（１）の内側に凹んでおり、
   第２側面（１３）には、第２カッターチップ支持面（１６）と第２位置決め構造（１７）が設けられ、
   第２位置決め構造（１７）は、第２カッターチップ支持面（１６）に対してインサートベース（１）の内側に凹んでおり、
   前記第１位置決め構造（１５）及び前記第２位置決め構造（１７）は、両方とも曲げられた平面構造を有し、
   前記曲げられた平面構造は、第１面（Ａ）及び第２面（Ｂ）を含み、前記第２面（Ｂ）は、前記第１面（Ａ）に対して前記インサートベース（１）の内側に傾斜している、タンジェンシャル型フライスインサート。
2. 前記第１面（Ａ）は、第１平坦面（Ａ１）及び第１曲面（Ａ２）を有し、
   前記第１位置決め構造（１５）における前記第１曲面（Ａ２）は、前記第１カッターチップ支持面（１４）と、前記第１位置決め構造（１５）における第１平坦面（Ａ１）と、の間に位置し、
   前記第２位置決め構造（１７）における前記第１曲面（Ａ２）は、第２カッターチップ支持面（１６）と、前記第２位置決め構造（１７）における第１平坦面（Ａ１）との間に位置し、
   前記第２面（Ｂ）は、第２平坦面（Ｂ１）及び第２曲面（Ｂ２）を有し、
   前記第１位置決め構造（１５）における前記第２曲面（Ｂ２）は、前記第１カッターチップ支持面（１４）と、前記第１位置決め構造（１５）における第２平坦面（Ｂ１）と、の間に位置し、
   前記第２位置決め構造（１７）における前記第２曲面（Ｂ２）は、第２カッターチップ支持面（１６）と、前記第２位置決め構造（１７）における第２平坦面（Ｂ１）とで接続される、請求項１に記載のタンジェンシャル型フライスインサート。
3. 前記第２曲面（Ｂ２）は、前記取り付け穴（１１）の軸線と平行な軸線を有する円錐面である、請求項２に記載のタンジェンシャル型フライスインサート。
4. 前記第１面（Ａ）の幅は、前記インサートベースの厚さ（１）の１／３〜１／２、及び／又は前記第２面（Ｂ）と前記第１面（Ａ）との間の角度が１０°〜３０°である、請求項１に記載のタンジェンシャル型フライスインサート。
5. カッターホイールベース（４）と、ネジアセンブリと、請求項１乃至４のいずれか１項に記載のタンジェンシャル型フライスインサート（５）と、を含み、
   前記カッターホイールベース（４）は、第１カッターベース（４１）及び第２カッターベース（４２）を含み、
   前記第１カッターベース（４１）は、第２カッターベース（４２）と、前記第２カッターベース（４２）に設けられた前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）と、に接続され、
   前記ネジアセンブリは、ダイナミックバランス調整ネジ（８）と、取り付け及び位置決めネジセットと、を含み、
   前記ダイナミックバランス調整ネジ（８）は、前記第１カッターベース（４１）に設けられ、
   前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）は、取り付け及び位置決めネジセットを介して、前記第２カッターベース（４２）に接続され、
   前記第２カッターベース（４２）は、前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）を取り付けるためのインサート取り付け溝（４３）と、インサート取り付け溝（４３）の底面に設けられた第１ネジ穴（４４）と、前記インサート取り付け溝（４３）に連通する退避溝（４６）と、を含み、
   前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）は、前記インサート取り付け溝（４３）に装着されると、未使用のカッターチップ構造が退避溝（４６）内に配置され、
   前記位置決め構造は、インサート取り付け溝（４３）の側方に位置する第１位置決め平面（４７）と、インサート取り付け溝（４３）の側面に取り付けられた第２固定ネジ（７）とを含み、
   前記カッターホイールベース（４）は、第２固定ネジ（７）に適合する第２ネジ穴（４５）を含み、
   前記第２ネジ穴（４５）の軸線は第１ネジ穴（４４）の軸線と平行である、マルチ刃フライス。
6. 前記取り付け及び位置決めネジセットは、第１固定ネジ（６）と第２固定ネジ（７）を備え、
   前記第１固定ネジ（６）は、前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）の取り付け穴（１１）と一致し、前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）を前記第２カッターベース（４２）に取り付け、
   前記第２固定ネジ（７）は、前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）の前記第１位置決め構造（１５）又は前記第２位置決め構造（１７）と一致し、前記タンジェンシャル型フライスインサート（５）と前記第２カッターベース（４２）との相対位置を位置決めする、請求項５に記載のマルチ刃フライス。
7. 前記第１カッターベース（４１）の硬度は、前記第２カッターベース（４２）の硬度よりも低い、請求項６に記載のマルチ刃フライス。
   
   

Images