JP6422731B2 - フィルム状モールドの製造方法及び転写装置 - Google Patents

フィルム状モールドの製造方法及び転写装置 Download PDF

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本発明は、表面に微細凹凸パターンが転写されたフィルム状モールドの製造方法及び転写装置に関する。
特許文献1には、フィルム構造体の製造方法及び装置に関する発明が開示されている。特許文献1では、転写ロールと、転写ロールに近接して設けられたバックアップロールと、フィルム送り手段等とを備えたフィルム構造体の製造装置が開示されている。転写ロールの周面には微細な凹凸パターンが形成されている。そして転写フィルムが、転写ロールとバックアップロールとの間に送り込まれ、微細な凹凸パターンがフィルム側に転写される。
特許文献2にも、凹凸形状転写ロールとバックアップロールとを備えたロール・ツー・ロール装置が開示されている。
特開2008−183811号公報 特開2009−220504号公報
ところで、転写フィルムを介して転写ロールにニップロールを押し当てて、転写フィルムを挟持する際、ニップロールの転写ロールへの衝撃により、転写ロールの表面に形成された微細凹凸パターンが損傷を受ける問題があった。これにより、転写フィルムにて転写される微細凹凸パターンに長尺方向への周期ムラが生じた。
特許文献1及び特許文献2では、いずれも、ニップロールの転写ロールへの衝撃に基づく転写ロール及び転写フィルムに対するパターン欠陥についての課題認識がなく、したがってそれを解決する手段も提示されていない。
そこで本発明は、上記説明した問題点に鑑みてなされたものであり、特に、従来に比べて、ニップロールの転写ロールへの衝撃に基づくパターン欠陥の発生を抑制することができるフィルム状モールドの製造方法及び転写装置を提供することを目的とする。
本発明におけるフィルム状モールドの製造方法は、フィルム状のモールド基材を介して、外周面に微細凹凸パターンが形成された転写ロールに対し、ニップロールを押し当てる押し当て工程、前記転写ロールと前記ニップロールとの間に挟持された前記モールド基材を送りながら、前記モールド基材の表面に前記微細凹凸パターンを転写する転写工程、を有し、前記押し当て工程では、シリンダと、往復移動可能なピストンとを有し、前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃を制御可能な衝撃制御手段を用いて、前記ピストンの移動スピード及び移動距離の双方を制御して前記ニップロールを押し当てることを特徴とする。
これにより、従来に比べて、転写ロールの微細凹凸パターンの損傷を抑制でき、その結果、パターン欠陥の発生の少ないフィルム状モールドを製造することができる。
本発明では、前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃力を、0.05〜0.2kgf/cmに制御することが好ましい。
また本発明では、前記ニップロールを前記転写ロールに対して押し当てる際の前記ニップロールの移動速度を、5〜10mm/sに制御することが好ましい。
また本発明における転写装置は、外周面に微細凹凸パターンが形成された転写ロールと、フィルム状のモールド基材を前記転写ロールとともに挟持するニップロールと、シリンダと、往復移動可能なピストンとを有し、前記ニップロールが前記モールド基材を介して前記転写ロールに押し当てられる際に、前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃を制御するための衝撃制御手段と、を有し、前記衝撃制御手段は、前記ピストンの移動スピード及び移動距離の双方を制御することを特徴とする。
本発明の転写装置を用いることで、従来に比べて、転写ロールの微細凹凸パターンの損傷を抑制でき、その結果、パターン欠陥の発生の少ないフィルム状モールド(転写層を有するモールド基材に微細凹凸パターンが転写されたもの)を製造することができる。
本発明における前記衝撃制御手段では、押し当ての際の前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃力が、0.05〜0.2kgf/cmに制御されることが好ましい。
また本発明では、前記衝撃制御手段は、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、あるいはACサーボにて構成されることが好ましい。
また本発明では、前記転写ロールに対して複数のニップロールが配置され、前記衝撃制御手段は、各ニップロールが前記転写ロールに対し同時に当接するように制御されていることが好ましい。
また本発明では、前記衝撃制御手段は、各ニップロールに対して、独立制御且つ摩擦と滑りの自励振動を制御する前記シリンダを兼ね備えることが好ましい。
また本発明では、前記ニップロールの表面硬度は、ゴム硬度10°〜50°に調整されていることが好ましい。
本発明によれば、従来に比べて、転写ロールの微細凹凸パターンの損傷を抑制でき、その結果、パターン欠陥の発生の少ないフィルム状モールドを製造することができる。
本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に押し当て工程を説明するための説明図である。 本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に転写工程を説明するための説明図である。 図2に示す転写ロール及びその周辺部分を拡大して示した拡大概念図である。 本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の第2のフィルム状モールドの複製工程に用いられる転写装置を示す概略図である。 本実施の形態に係る第nのフィルム状モールドの製造方法を示す説明図である。 フィルム状モールドの断面概略図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態は、従来、特に考慮されていなかった、ニップロールの転写ロールへの衝撃を緩和させるものである。
転写ロールの外周面には微細凹凸パターンが形成され、この微細凹凸パターンがモールド基材の転写層に転写されてフィルム状モールドが製造される。ここで「フィルム状モールド」とは、モールド基材の転写層に微細凹凸パターンが転写されたフィルムを指す。また「フィルム」、「フィルム状」とは可撓性を備えた薄い板状物を指し、厚みや材質等を限定するものでない。
ところでニップロールは転写ロールに対して接離可能に支持されており、ニップロールを転写ロールから離した状態で、モールド基材を転写ロールの外周面に通した後、ニップロールを転写ロール方向に移動させて転写ロールに押し当てる。
この押し当ての際のニップロールの転写ロールへの衝撃が、従来では特に考慮されておらず、この衝撃により、転写ロールに設けられた微細凹凸パターンが損傷を受ける問題が生じたのである。従来では、ニップロールの移動を機械的な機構により行っており、ニップロールの転写ロールへの衝撃に対する制御は行われていなかった。そして、特に上記したように、転写ロールの外周面に形成されているのは微細凹凸パターンであり、微細凹凸パターンは近年、さらに微細化、最密化していることから、ニップロールの転写ロールへの衝撃により損傷を受けやすい状態にあった。
本実施の形態は、上記した特別な事情を鑑みたものであり、ニップロールに対する移動機構を改良して、ニップロールの転写ロールへの衝撃を緩和できるようにした。以下、フィルム状モールドの製造方法について、本実施の形態の転写装置を参照しながら説明する。
(第1のフィルム状モールド作製工程)
図1は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に押し当て工程を説明するための説明図である。図2は、本実施の形態に係る第1のフィルム状モールドの製造方法に用いられる転写装置の概略図であり、特に転写工程を説明するための説明図である。図3は、図2に示す転写ロール及びその周辺部分を拡大して示した拡大概念図である。
図1に示す転写装置100は、モールド基材101を送り出す原反ロール102と、巻き取る巻き取りロール104とを備える。原反ロール102と巻き取りロール104との間には、モールド基材101の搬送方向MDにおける上流側から下流側に向けて順に、モールド基材101上に光硬化性樹脂を塗布する塗布手段105と、ガイドロール106と、外周面に微細凹凸パターンを有する転写ロール(円筒状金型)107と、モールド基材101上の光硬化性樹脂と転写ロール107の外周面との間を密着させるニップロール108a、108bからなる押圧手段108と、光硬化性樹脂に光を照射する光源109と、ガイドロール110と、が設けられている。
なお、溶媒を用いて光硬化性樹脂を塗布する場合には、光硬化性樹脂中の溶媒を乾燥する乾燥炉111をさらに備えていても良い。
上記のような構成からなる転写装置100を用いて、次のように第1のフィルム状モールドを作製する。
図1では、原反ロール102と巻き取りロール104との間でモールド基材101が、所定の張力により転写ロール107の外周面に当接した状態とされている。図1では、ニップロール108a、108bが転写ロール107から離れた位置にて支持されている。図1に示すように、ニップロール108a、108bの外側には、衝撃制御手段112、112が配置されている。衝撃制御手段112は、空気圧シリンダ、油圧シリンダあるいはACサーボであることが好適である。図1では衝撃制御手段112、112として、空気圧シリンダや油圧シリンダを示した。したがって図1に示す衝撃制御手段112は、シリンダ本体112aと、往復移動可能なピストン112bとを有する。例えば、ニップロール108a、108bは、付勢手段(図示せず)により、転写ロール107から離れる方向に付勢されており、ニップロール108a、108bと衝撃制御手段112のピストン112bが当接した状態とされる。各ピストン112bの中心と、各ニップロール108aの中心と、転写ロール107の中心とが一直線上にある。
各衝撃制御手段112、112のピストン112b、112bは、転写ロール107に対して後退した位置にあり(引っ込んでおり)、したがって図1に示すように各ニップロール108a、108bは、転写ロール107から離れた位置にて支持されている。
衝撃制御手段112、112に背圧をかけてピストン112b、112bを転写ロール107の方向に前進させて(突出させて)、ニップロール108a、108bを転写ロール107に向けて押圧する。このとき、ニップロール108a、108bに対して適度な圧力を加えて、ニップロール108a、108bを転写ロール107の方向に移動させることができる。そして、ニップロール108a、108aがモールド基材101の表面に当接したとき、衝撃制御手段112、112のピストン112b、112bの移動を停止する。
これにより図2に示すように、モールド基材101を転写ロール107と各ニップロール108a、108bとの間に所定の押圧力により挟持することができる。
図1から図2に示すように、ニップロール108a、108bを転写ロール107の方向に移動させて、モールド基材101を転写ロール107と各ニップロール108a、108bとの間に挟持した後、図2に示す塗布手段105により、原反ロール102から送り出した光透過性のモールド基材101上に光硬化性樹脂を塗布して光硬化性樹脂層(転写層)を形成する。光硬化性樹脂層付きのモールド基材101は、ガイドロール106を経て転写ロール107へ供給する。
次に、転写ロール107及びニップロール108a、108bを回転させながら、転写ロール107の外周面を光硬化性樹脂層に密着させて光硬化性樹脂層の表面に微細凹凸パターンを転写する。
図3に示すように、転写ロール107の外周面107aには微細凹凸パターン113が形成されており、光硬化性樹脂層114と微細凹凸パターン113とが密着した状態にある。なお、モールド基材101は、フィルム状基材115上に光硬化性樹脂層114が所定厚で形成された構成である。
図3に示す微細凹凸パターン113は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。ここで、「ピラー形状」とは、「柱状体(錐状態)が複数配置された形状」であり、「ホール形状」とは、「柱状(錐状)の穴が複数形成された形状」である。
微細凹凸パターンのスケールに関しては、用いられる用途に依存するため、特に規定することはしないが、数十ナノメートルから数十ミクロンメートルを指す。またこのスケールは、微細構造体一つの大きさ、径、深さ、ピッチであっても構わない。また、ランダムな構造も微細構造体の一つとすることができる。
大きさの一例であるが、微細凹凸パターン113は、例えば、ピッチPが、100nm〜3000nm程度(好ましくは200nm以上)、凸部幅Dが、30nm〜3000nm程度(好ましくは100nm以上)である。また、凸部高さHは、数十nm〜数十μm程度とされる。ピッチPは、隣接する凸部と凹部との幅を足した大きさ、隣り合う凸部間の中間幅、あるいは、隣り合う凹部間の中間幅で定義される。またモールド基材101の光硬化性樹脂層114の膜厚は、1〜20μm程度である。このように微細凹凸パターン113の微細化が進行し、また光硬化性樹脂層114の厚みも薄くなっている。この結果、図1から図2に示すようにニップロール108a、108bの押し当て工程の際の衝撃がモールド基材101を介して転写ロール107の微細凹凸パターン113が形成された表面に伝搬しやすい構造となっているが、本実施の形態は、この衝撃を、衝撃制御手段112を用いて緩和している。「衝撃制御手段」については後でさらに詳述する。
続いて図3に示すように、光硬化性樹脂層114に光源109から光Lを照射して光硬化性樹脂層114を光硬化して樹脂硬化物層を形成する。
以上により表面に微細凹凸パターンを備えた第1のフィルム状モールド103を作製することができる。そして図2に示すように、第1のフィルム状モールド103を、ガイドロール110を経て、巻き取りロール104で巻き取る。
なお、第1のフィルム状モールド103の作製工程においては、転写ロール107から第1のフィルム状モールド103に転写された微細凹凸パターンを保護するため、光硬化後の光硬化性樹脂層上に保護フィルム(カバーフィルム)をラミネートしてもよい。
本実施の形態では図3に示すように、転写ロール107の外周面107aの微細凹凸パターン113と光硬化性樹脂層114とが密着した状態であるため、転写ロール107の外周面107aの微細凹凸パターン113を正確に光転写でき、また、酸素による硬化不足を回避することができる。
また、窒素雰囲気下において、転写ロール107と光硬化性樹脂層114とを密着させて光照射を行うことが好ましい。これにより、光硬化性樹脂層114への大気中の酸素の接触を避けることができ、酸素による光重合反応の阻害を低減できるので、光硬化性樹脂層114を充分に硬化させることができるからである。
(第2のフィルム状モールドの複製工程)
図4は、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の第2のフィルム状モールドの複製工程に用いられる転写装置を示す概略図である。
図4に示す転写装置200は、被転写基材201を送り出すための第1の送り出しロール202と、完成した第2のフィルム状モールド203を巻き取るための第1の巻き取りロール204とを備える。第1の送り出しロール202と第1の巻き取りロール204との間には、第1のフィルム状モールド103の搬送方向MDにおける上流側から下流側に向けて順に、被転写基材201の表面に光硬化性樹脂を塗布する塗布手段205と、第1のフィルム状モールド103を送り出すための第2の送り出しロール206と、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201とを貼り合わせるための貼合手段207と、ガイドロール208と、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201とを密着させるための押圧手段209と、光硬化性樹脂層に光を照射する光源210と、ガイドロール211と、第1のフィルム状モールド103を巻き取るための第2の巻き取りロール212と、が設けられている。
貼合手段207は、一対のラミネートロール207a、207bで構成されている。押圧手段209は、第1のフィルム状モールド103と被転写基材201がその外周面上を搬送されるゴムロール209aと、ゴムロール209aに第1のフィルム状モールド103と被転写基材201を押圧するニップロール209b、209cと、で構成されている。
また、光硬化性樹脂を溶媒に溶かして被転写基材201に塗布する場合には、塗布手段205の下流側に乾燥炉213を設けることができる。また、貼合手段207の下流側に乾燥炉214を設けても良い。
また、第1の送り出しロール202と、第2の送り出しロール206とを入れ替えても構わない。すなわち、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面上に光硬化性樹脂を塗布しても良い。
このような構成からなる転写装置200を用いて、次のように第2のフィルム状モールドの複製を行う。
まず、第1の送り出しロール202から、被転写基材201を送り出し、その表面上に、塗布手段205により光硬化性樹脂を直接塗布し、光硬化性樹脂層を形成する。
次に、貼合手段207によって第2の送り出しロール206から巻き出された第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面を、被転写基材201上の光硬化性樹脂層に貼り合わせる。
この際、被転写基材201上の光硬化性樹脂層は、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面の樹脂塗布領域内に貼り合わせる。第1のフィルム状モールド103と被転写基材201との位置合わせは、例えば、フィルムの蛇行調整装置を設置することにより行うことができる。
第1のフィルム状モールド103及び被転写基材201を、ガイドロール208を経て、押圧手段209に供給する。押圧手段209において、第1のフィルム状モールド103の樹脂硬化物層の凹凸形成面を光硬化性樹脂層に密着させる。この状態で、光源210から光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を光硬化させる。押圧手段209による密着によって酸素による未硬化を防止することができる。
この後、第1のフィルム状モールド103及び被転写基材201を、ガイドロール211まで搬送し、ここで、第1のフィルム状モールド103から表面に樹脂硬化物層が形成された被転写基材201、すなわち、第2のフィルム状モールド203を剥離する。このとき、第1のフィルム状モールド103の微細凹凸構造の反転形状が第2のフィルム状モールド203に転写される。
この後、第2のフィルム状モールド203を、第1の巻き取りロール204に巻き取る。一方、第1のフィルム状モールド103を、第2の巻き取りロール212に巻き取る。
(第nのフィルム状モールドの作製)
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法では、転写ロール107から微細凹凸パターンを転写して作製した第1のフィルム状モールド103を原版として第2のフィルム状モールド203を複製する場合について説明した。しかし、第2のフィルム状モールド203を原版として第3のフィルム状モールドをさらに複製することも可能である。すなわち、本発明は、第(n−1)(nは2以上の整数)のフィルム状モールドから第nのフィルム状モールドの製造方法に適用することが可能である。
図5は、本実施の形態に係る第nのフィルム状モールドの製造方法を示す説明図である。図5に示すように、円筒状金型M−0を原版として第1のフィルム状モールドM−1を作製し、この第1のフィルム状モールドM−1を原版として第2のフィルム状モールドM−2を複製できる。さらに、第2のフィルム状モールドM−2を原版として第3のフィルム状モールドM−3を複製できる。同様にして、第n−1のフィルム状モールドM−(n−1)を原版として、第nのフィルム状モールドM−nを複製できる。
つまり、第nのフィルム状モールドM−nを複製するために用いられた第n−1のフィルム状モールドM−(n−1)は、一つ前の第n−2のフィルム状モールドM−(n−2)(図示せず)を原版として用いて作製されたものである。
上記のようにして製造された第2〜第nのフィルム状モールドM−2〜M−nのいずれも、これを原版として微細凹凸構造付き製品Pを量産するために使用することができる。
(第nのフィルム状モールドの応用例)
以上説明した本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドは、例えば、反射防止材の製造、レジストマスクの作製、細胞培養培地、超撥水加工及び超親水加工に応用することができ、有用である。例えば、ピラー形状、円錐形状、角錐形状、惰円錐形状を含む周期的な微細凹凸構造を有するものは、反射防止効果があるモスアイ構造の反射防止膜として用いることができる。ここで、モスアイ構造とは、サブミクロンオーダーのピラミッド状凹凸構造を蛾の目のような2次元パターンに配置した構造をいう。このような微細構造体においては、表面に形成されるナノオーダーの微細凹凸構造が滑らかな屈曲率傾斜を誘発し、界面の屈折率差で発生する反射が起きないため、反射防止膜として好適に用いることが可能となる。また、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法により得られた第nのフィルム状モールドを用い、エッチング対象である基板の表面にレジストマスクを作製できる。
以下、本実施の形態に係るフィルム状モールドの製造方法の構成要素についてさらに詳細に説明する。
(塗布手段)
塗布手段105、205によるフィルム状基材への光硬化性樹脂の塗布方法としては、公知の塗布コーター又は含浸塗布コーターを用いた塗布方法が挙げられる。具体的には、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ブレードコーター、ワイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、ディップコーター、コンマナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ラミネーターなどを用いた塗布方法が挙げられる。これらの塗布方法は、必要に応じて1種の塗布方法を用いてもよく、2種以上の塗布方法を組合せて用いてもよい。また、これらの塗布方法は、生産性の観点から連続方式で塗布することが好ましい。また、ディップコーター、コンマナイフコーター、グラビアコーター又はラミネーターを使用した連続方式の塗布方法が特に好ましい。
(光源)
光硬化性樹脂への光照射に用いる光源109、210としては、特に制限されるものではなく、用途及び設備に応じて種々の光源を用いることができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、LEDランプ、キセノンパルス紫外線ランプなどを用いることができる。また、光硬化性樹脂は、波長200nm〜500nmの紫外線又は可視光を露光量が100mJ/cm〜2000mJ/cmとなるように照射することにより硬化することができる。また、酸素による光硬化反応の阻害を防止する観点から、光照射時には酸素濃度が低い状態で光を照射することが望ましい。
(転写ロール)
転写ロール107は継ぎ目のないことがより好ましい。継ぎ目があった場合、最終的に得られる微細凹凸パターン付製品において、継ぎ目部に対応する微細凹凸パターンがない箇所を切り落とすため、歩留まりが悪化するだけでなく、切り落とす作業が余分に入るため連続生産性も悪化する。
転写ロール107の微細凹凸パターンは、レーザー切削法、電子線描画法、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法などの加工方法により、円筒状の基材の外周面に直接形成することができる。これらの中でも、微細凹凸パターンに継目のない転写ロールを得る観点から、フォトリソグラフィー法、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、電鋳法、陽極酸化法が好ましく、半導体レーザーを用いた直接描画リソグラフィー法、干渉露光法、陽極酸化法がより好ましい。
また、転写ロール107としては、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を樹脂材料(フィルム)へ転写し、このフィルムを転写ロールの外周面に位置精度よく貼り合わせたものを用いてもよい。また、上記加工方法で平板基板の表面に形成した微細構造を電鋳法によりニッケルなどの薄膜に転写し、この薄膜をローラーに巻き付けたものを用いてもよい。
転写ロール107の材料としては、微細凹凸パターンの形成が容易であり、耐久性に優れた材料を用いることが望ましい。このような観点から、ガラスロール、石英ガラスロール、ニッケル電鋳ロール、クロム電鋳ロール、アルミロール、又はSUSロール(ステンレス鋼ロール)が好ましい。
ニッケル電鋳ロール及びクロム電鋳ロール用の母材としては、導電性を有する導電性材料を用いることができる。導電性材料としては、例えば、鉄、炭素鋼、クロム鋼、超硬合金、金型用鋼(例えば、マルエージング鋼など)、ステンレス鋼、アルミ合金などの材料が好適に用いられる。
転写ロール107の表面には、離型処理を施すことが望ましい。離型処理を施すことにより、転写ロール107の表面自由エネルギーを低下させることができるので、連続的に光硬化性樹脂へ転写した場合においても、良好な剥離性及び微細凹凸パターンのパターン形状を保持することができる。また、第1のフィルム状モールド103から複製される第2のフィルム状モールド203まで、転写ロール107の離型性が反映されるため、離型処理を行うことが好ましい。
離型処理には、市販の離型剤及び表面処理剤を用いることができる。市販の離型剤及び表面処理剤としては、例えば、オプツール(登録商標)(ダイキン化学工業社製)、デュラサーフ(登録商標)(ダイキン化学工業社製)、ノベック(登録商標)シリーズ(3M社製)などが挙げられる。また、離型剤、表面処理剤としては、転写ロール107の材料の種類及び転写される光硬化性樹脂との組合せにより、適宜、好適な離型剤、表面処理剤を選択することができる。
(衝撃制御手段)
本実施の形態では、図1から図2に示すように、ニップロール108a、108bを、転写ロール107にモールド基材101を介して押し当てるにあたって、衝撃制御手段112を用いることで、押し当ての際の衝撃を緩和している。
本実施の形態では、衝撃制御手段112として、空気圧シリンダ、油圧シリンダあるいはACサーボを好ましく用いることができるが、これによりニップロール108a、108bに対して適度な押圧力を加えることができるとともに、きめ細かく移動制御、位置制御を行うことができ(微調整制御が可能)、従来に比べて押し当ての際の衝撃を緩和することができる。例えば、ニップロール108a、108bを押圧する初期段階では、ピストン112bの移動スピードを上げて、ニップロール108a、108bを転写ロール107に近接させ、残りわずかな距離となったら(押圧終盤段階になったら)、ピストン112bの移動スピードを落としてニップロール108a、108bの移動がゆっくりとなるように制御することができる。例えば、ピストン112bの移動距離は予めプログラム化されており、ピストン112bが所定距離移動した時点でピストン112bの移動を停めることができる。この時点でニップロール108a、108bは、モールド基材101の表面に接触しており、且つモールド基材101を転写ロール107方向へ所定圧で押圧した状態とされる。なお本実施の形態では、耐環境性やニップロール108a、108bの変形を抑制するために空気圧シリンダを好ましく適用できる。
以上により、本実施の形態では、ニップロール108a、108bの押し当て工程時(図1から図2への移行時)、図3に示す転写ロール107の微細凹凸パターン113の損傷を抑制できる。転写ロール107に微細凹凸パターン113の損傷が発生すると、フィルム状モールドには、転写ロール107の外径周期に応じたパターンムラが発生するが、本実施の形態によれば、転写ロール107の微細凹凸パターン113の損傷を抑制することができるため、パターン欠陥の発生が少ないフィルム状モールドを製造することができる。
また本実施の形態では、ニップロール108a、108bの転写ロール107への衝撃力を、0.05〜0.2Kgf/cmに制御することが好ましい。衝撃力は、富士フィルム製プレスケール微圧用(4LW)により測定することができる。また本実施の形態では、ニップロール108a、108bの稼働速度を、5〜10mm/sに制御することが好ましい。このように衝撃力や稼働速度を調整することで、転写ロール107の外周面に形成された微細凹凸パターン113の損傷の発生をより効果的に抑制することができる。そしてこれにより転写ロール107の繰り返し使用が可能になり転写装置100の長寿命化を図ることができる。また、本実施の形態によれば、パターン欠陥の発生が少ないフィルム状モールドを製造することができるので、生産性の向上及び生産コストの低減を図ることが可能である。
また本実施の形態では、図1〜図3に示すように、転写ロール107に対して複数のニップロール108a、108bが配置されている。このとき衝撃制御手段112は、各ニップロール108a、108bが転写ロール107に対し同時に当接するように制御されていることが好ましい。なおフィルム状モールドの製造段階において、ニップロール108a、108bが実際に当接するのは、モールド基材101の表面となる。
具体的には、各ニップロール108a、108bに夫々個別に衝撃制御手段112が独立回路で作動し、夫々のスピードコントローラ調整により、各ニップロール108a、108bの同時接地を可能とした。例えば、ロール面長での接地が均一になるように、左右のエアシリンダ出口側に取り付けたスピコンのダイヤルを回転することで速度調整、及び左右の接地バランス調整を行う。さらにエアシリンダの出口側に背圧を加えることで急激なピストン動作を抑えて、各ニップロール108a、108bの同時接地を制御する。
このように各ニップロール108a、108bの同時接地により、ニップロール108a、108bを、モールド基材101を介して転写ロール107に押し当てたときの偏荷重を抑制することができ、転写ロール107表面の微細凹凸パターン113の損傷を抑制でき、その結果、モールド基材101に転写される凹凸パターンムラを抑制することができる。以上により、歩留まり(製品収率)の向上を図ることができる。
また本実施の形態では、衝撃制御手段112は、各ニップロール108a、108bに対して、独立制御且つ摩擦と滑りの自励振動を制御するシリンダを兼ね備えることが好ましい。本実施の形態では、低速タイプのエアシリンダに変更したことで、スティックスリップ現象を防止することができる。シリンダとして、例えば、SMC社製のCDG1YF25−250Zのみで構成するよりも、上下二段構造として合体させたシリンダ(上:SMC社製のCM2XF32−200/下:SMC社製のMGPL25−40Z−XB13)を用いることで、スティックスリップ現象を抑制することができた。なお、スティックスリップはストロークの長いシリンダを用いたときのピストンで発生するが、本実施の形態では、上下二段構造として合体させたシリンダを用いることで、ストロークを短くできる。すなわち、例えば一段目のシリンダをもともと全出し状態にしておけば、二段目のシリンダのストロークを短くでき、スティックスリップ現象を抑制することができる。これによりニップロール108a、108bを、モールド基材101を介して転写ロール107に押し当てたときの偏荷重を抑制することができ、転写ロール107表面の微細凹凸パターン113の損傷を抑制でき、その結果、モールド基材101に転写される凹凸パターンムラを抑制することができる。以上により、歩留まり(製品収率)の向上を図ることができる。
また本実施の形態では、ニップロール108a、108bの表面硬度は、ゴム硬度10°〜50°に調整されていることが好ましい。これにより、ニップロール108a、108bの連続使用時の変形を防止でき、モールド基材に転写される微細凹凸パターンを綺麗に形成できる。またニップロール108a、108bの寿命を延ばすことができる。特に、変形しないゴムロールへ変更することで衝撃制御手段112として上記したACサーボ(サーボ制御)を用いたときにニップロール変形を防止でき有効となる。
以上の転写装置を用いることで本実施の形態では、パターン欠陥がなく高精度な微細凹凸パターンを有するフィルム状モールドを製造できる。フィルム状モールドについて以下に説明する。
(フィルム状モールド)
図6は、フィルム状モールドの断面概略図である。図6には第1のフィルム状モールド103を図示した。図6に示すように、第1のフィルム状モールド103は、フィルム状基材115上に、樹脂硬化物層117が形成されている。図6に示すように、樹脂硬化物層117の表面には微細凹凸パターン116が形成されている。図6に示す微細凹凸パターン116は、図3に示す転写ロール107の微細凹凸パターン113を転写した形状であり、すなわち微細凹凸パターン113の反転形状(逆パターン)とされる。微細凹凸パターン116は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凸部を複数含むピラー形状、又は、円錐形状、角錐形状若しくは楕円錘形状の凹部を複数含むホール形状或いはラインアンドスペース形状である。大きさの一例であるが、微細凹凸パターン116は、例えば、ピッチPが、100nm〜3000nm程度(好ましくは200nm以上)、凸部幅Dが、30nm〜3000nm程度(好ましくは100nm以上)、凸部高さH1が、数十nm〜数十μm程度とされる。ピッチPは、隣接する凸部と凹部との幅を足した大きさ、隣り合う凸部間の中間幅、あるいは、隣り合う凹部間の中間幅で定義される。
(フィルム基材)
第1のフィルム状モールドの作製において用いられるモールド基材101や第2のフィルム状モールドの複製に用いられる被転写基材201には光透過性があるフィルム状基材を用いることができる。
フィルム状基材としては、紫外・可視光領域で使用する光源に対して実質的に光透過性を有する材料を主成分とするものであれば特に限定されないが、ハンドリング性、加工性に優れた樹脂材料であることが好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリアセチルセルロール(TAC)樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂が挙げられる。
フィルム状基材の厚みは、材料にもよるが、好ましくは20〜200μm、より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmである。200μm以下であれば、光ナノインプリントの光源に使用される紫外線の透過率が良好であり、光硬化に充分な光量を得ることができる。20μmであれば、フィルムとしての剛性を保持することができるため、ハンドリングが容易である。
フィルム状基材の表面には、光硬化性樹脂との密着性向上のため、プライマー処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理を施すことができる。
(光硬化性樹脂)
光硬化性樹脂層は光硬化性樹脂で形成される。光硬化性樹脂は、転写性、原版からの剥離性、フィルム状基材との密着性、粘度、製膜特性、感光性、硬化後の力学特性、樹脂鋳型作製時の樹脂層との剥離性を考慮して選択する。
光硬化性樹脂としては、例えば、光重合開始剤により重合可能な各種アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、チオール化合物、シリコーン系化合物などを使用することができる。これらの中でも、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、シリコーン系化合物を用いることが好ましく、アクリレート化合物、メタクリレート化合物を用いることがより好ましい。これらの化合物は単独種類で用いてもよく、エポキシ化合物とアクリレート化合物との組合せなど、複数種類を組合せて用いてもよい。
アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸、フェノキシエチルアクリレート、及びベンジルアクリレートなどの芳香族系の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物としては、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、光硬化性樹脂としては、上記アクリレート化合物及びメタクリレート化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、シリコーン系化合物のうち、炭化水素中の水素がフッ素に置換されたフッ素含有化合物を用いることができる。フッ素含有化合物を用いることにより、硬化後の表面自由エネルギーが減少し、転写工程における原版(転写ロール107及び第1のフィルム状モールド103)からの被転写結果物(第1のフィルム状モールド103及び第2のフィルム状モールド203)の離型性が向上する。
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、ポリフルオロアルキレン鎖及び/又はペルフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖と、重合性基とを有することが好ましい。
光硬化性樹脂としては、感光性を向上するため光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤などが挙げられる。光重合開始剤は、使用する光源波長及び基材(透明シート)、諸物性などを考慮し、選択することができる。市販されている開始剤の例としては、Ciba社製の「IRGACURE(登録商標、以下同じ)」(例えば、IRGACURE651、184、500、2959、127、754、907、369、379、379EG、819、1800、784、OXE01、OXE02)や「DAROCUR(登録商標、以下同じ)」(例えば、DAROCUR1173、MBF、TPO、4265)などが挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光感度向上のため増感剤を含むものが好ましい。このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、などが挙げられる。また、増感剤は、単独種類で用いてもよく、複数種類を混合物として用いてもよい。
光硬化性樹脂は、溶媒を添加して粘度を調整することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、などが好ましい。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの溶媒中でも、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン及びメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールが好ましい。
なお本実施の形態におけるモールド基材は、ロール形状のほか、金型などあらゆる形状に適用される。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ゴム硬度30°のニップロールを用い、プレスケール(ニップロールの転写ロールへの衝撃力)を0.05kgf/cmとして実験を行った。また転写ロールの両側に配置された各ニップロールを転写ロールに同時に接触させた。その結果、転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていないことが確認された。
(実施例2)
ゴム硬度30°のニップロールを用い、プレスケール(ニップロールの転写ロールへの衝撃力)を0.2kgf/cmとして実験を行った。また転写ロールの両側に配置された各ニップロールを転写ロールに同時に接触させた。その結果、転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていないことが確認された。
(比較例1)
ゴム硬度30°のニップロールを用い、プレスケール(ニップロールの転写ロールへの衝撃力)を0.5kgf/cmとして実験を行った。その結果、転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていることが確認された。また転写ロールの両側に配置された一方のニップロールが片当たりしたとき(偏荷重)は、先にニップロールが接触した部分での転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていることが確認された。
(比較例2)
ゴム硬度60°のニップロールを用い、プレスケール(ニップロールの転写ロールへの衝撃力)を0.2kgf/cmとして実験を行った。その結果、転写ロールの微細凹凸パターンに損傷が生じていることが確認された。
(損傷の評価)
損傷の程度がひどい場合は、目視でも損傷を確認された。また損傷の程度が軽い場合は、AFM(原子間力顕微鏡)の測定により損傷を確認できた。
本発明は、微細凹凸パターンを形成するためのフィルム状モールドの製造方法に適用することができ、得られたフィルム状モールドは、例えば、反射防止材の製造、レジストマスクの作製、細胞培養培地、超撥水加工及び超親水加工に好適に適用することが可能である。
100、200 転写装置
101 モールド基材
103、203 フィルム状モールド
105、205 塗布手段
107 転写ロール
108、209 押圧手段
108a、108b、209b、209c ニップロール
109、210 光源
112 衝撃制御手段
112a シリンダ本体
112b ピストン
113、116 微細凹凸パターン
114 光硬化性樹脂層
115 フィルム状基材
117 樹脂硬化物層
209a ゴムロール

Claims (9)

  1. フィルム状のモールド基材を介して、外周面に微細凹凸パターンが形成された転写ロールに対し、ニップロールを押し当てる押し当て工程、
    前記転写ロールと前記ニップロールとの間に挟持された前記モールド基材を送りながら、前記モールド基材の表面に前記微細凹凸パターンを転写する転写工程、を有し、
    前記押し当て工程では、シリンダと、往復移動可能なピストンとを有し、前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃を制御可能な衝撃制御手段を用いて、前記ピストンの移動スピード及び移動距離の双方を制御して前記ニップロールを押し当てることを特徴とするフィルム状モールドの製造方法。
  2. 前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃力を、0.05〜0.2kgf/cmに制御することを特徴とする請求項1に記載のフィルム状モールドの製造方法。
  3. 前記ニップロールを前記転写ロールに対して押し当てる際の前記ニップロールの移動速度を、5〜10mm/sに制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム状モールドの製造方法。
  4. 外周面に微細凹凸パターンが形成された転写ロールと、
    フィルム状のモールド基材を前記転写ロールとともに挟持するニップロールと、
    シリンダと、往復移動可能なピストンとを有し、前記ニップロールが前記モールド基材を介して前記転写ロールに押し当てられる際に、前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃を制御するための衝撃制御手段と、を有し、
    前記衝撃制御手段は、前記ピストンの移動スピード及び移動距離の双方を制御することを特徴とする転写装置。
  5. 前記衝撃制御手段では、押し当ての際の前記ニップロールの前記転写ロールへの衝撃力が、0.05〜0.2kgf/cmに制御されることを特徴とする請求項4に記載の転写装置。
  6. 前記衝撃制御手段は、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、あるいはACサーボにて構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の転写装置。
  7. 前記転写ロールに対して複数のニップロールが配置され、前記衝撃制御手段は、各ニップロールが前記転写ロールに対し同時に当接するように制御されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の転写装置。
  8. 前記衝撃制御手段は、各ニップロールに対して、独立制御且つ摩擦と滑りの自励振動を制御する前記シリンダを兼ね備えることを特徴とする請求項7に記載の転写装置。
  9. 前記ニップロールの表面硬度は、ゴム硬度10°〜50°に調整されていることを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載の転写装置。
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