JP6418758B2 - トランス - Google Patents

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Description

この発明は、スイッチング電源などに使用されるトランスに関し、特には、リーケージインダクタンスを備えるトランスの構造に関する。
トランスは小型化されるのが好ましいが、一方では、小型化とトレードオフの関係となる絶縁性能特性を満たすことが必要である。例えば、各巻線間の絶縁性能は所定の条件を満足しなければならない。
一般に、上記絶縁性能を満たすためには、使用する電線自体の絶縁性能や巻線間の空間距離又は絶縁距離(沿面距離)がパラメータとなる。そこで、電線として通常のエナメル電線を使う場合、エナメル自体の絶縁性能が十分に高くないことから、一次巻線、二次巻線とボビンのカラー(鍔部)との間にそれらの巻線間の絶縁距離(沿面距離)をかせぐために絶縁紙やバリアテープからなる絶縁層を設けたりしている(例えば、特許文献1,2参照)。図1は、従来のトランス例の上半分の断面構成を示している。
トランス1は、巻枠部12の内側の中空円柱部13にコア14が挿入されたボビンの両端にカラー10,11(鍔部)を備え、カラー10,11間の中空円柱部の巻枠部12に一次巻線と二次巻線が順次巻回されて構成される。巻枠部12の中空円柱部13には(図の下方)、フェライトコア14が配置され、カラー10,11の外側には接続用のピン(図示せず)が設けられる。
図1のトランス1では、巻枠部12に、下から順に、第1の一次巻線20が一層構造で7〜8ターン、平板状の第1の二次巻線21が上下方向の3層構造で3ターン巻回されて構成される。また、各巻線間には、黒実線で示している絶縁紙30がカラー10,11の端部付近まで配置され、各巻線の沿面距離Zを確保することで層間絶縁を図っている。
この種のトランスの構造を示す特許文献1,2には、一次巻線と二次巻線をコアに対して水平方向に互い違いに配置したり、垂直方向の距離を調整することで、トランスのリーケージインダクタンスを積極的に利用すること開示されている。
特開平7-283038号公報 特開平2005-277088号公報
しかしながら、特許文献1,2に示すようなトランスの構造では、一次巻線と二次巻線を互い違いに配置しているため、ボビンの横幅が大きくなってしまう。仮にボビンの幅いっぱいまで各巻線を巻回していた場合、一方の巻線、例えば一次巻線の巻線数変更の要求が生じたとき、一次巻線のターン数を増やすことが出来なかった。そこで、一次巻線のターン数を増やす場合は、一次巻線が左右に長くなる分だけボビンの形状を左右に伸ばす必要があり、その結果、トランス形状が大きくなる不都合があった。また、例えば二次巻線と二次巻線間の沿面距離を大きくとりたい場合、特許文献1,2の構造ではバリアテープやスペーサが巻線の真横まで配置されているため、水平方向の絶縁距離を取ることができないと言った不都合があった。
この発明の目的は、一次巻線数を増やしてもボビン形状を大きくすることなく、所定の絶縁性能を確保したトランスを提供することにある。
この発明の構成を図2を参照して説明すると、中空円柱部にコアが挿入され両端にカラーを備えたボビンの巻枠部に第1の巻線部と第2の巻線部をこの順に巻回した第1の巻線構造を有するトランスにおいて、
前記第1の巻線部は、
ボビンの両端のカラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(20b)と、前記カラー端部近辺のみに巻回されるα層部(20a)とからなる第1の一次巻線(20)で構成され、
前記第2の巻線部は、
前記ボビンの両端の前記カラー間の距離よりも短い幅で前記第1の一次巻線のn層部上に巻回される第1の二次巻線(21)で構成され、
前記第1の一次巻線(20)の前記α層部(20a)は、前記第1の二次巻線(21)の巻始め部(21L)と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第1の一次巻線(20)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成し
前記第1の二次巻線(21)は、平板状の巻線であって、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されていたことを特徴とする。

第1の一次巻線(20)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成しているため、その径は通常大きくなるが、絶縁性能が確保されるため、第1の一次巻線(20)とカラーの間に水平方向の距離を設け、第1の一次巻線(20)と第1の二次巻線(21)との間に沿面距離をかせぐ必要がなくなる。また、第1の一次巻線のn層部上の、カラー10,11と第1の二次巻線との間にできるスペースに第1の一次巻線のα層部(20a)を配置することで、また、このスペースに配置した第1の一次巻線のα層部(20a)に上下方向に重ねてさらに巻線することで、全体として第1の一次巻線(20)の巻数を多くできる。
また、第1の一次巻線(20)のn層部(20b)の左右端巻回部は、カラー10,11によって位置が定まり、第1の二次巻線(21)は第1の一次巻線(20)のα層部(20a)で左右の位置が固定される。このため、巻線のずれや外れが防止できる。
さらに、このような構造であれば、前記第1の二次巻線(21)のα層部(20a)は、第1の一次巻線のn層部(20b)と前記絶縁紙(30)間に挟まれて位置決めされるため、巻線のずれや外れがより一層防止できる。
また、第1の一次巻線(20)のn層部(20b)とα層部(20a)とを上下方向に重ねて巻線したカラー端部近辺の巻回部は、第1の二次巻線(21)と対向していないことから、第1の一次巻線(20)のこの部分で発生する磁束の一部は第1の二次巻線(21)に鎖交しないから漏れ磁束となる。このため、磁束がバイパスする空間部を別途設けなくても、漏れ磁束を大きくできる。
この発明の別の実施態様は、図3を参照して、中空円柱部にコアが挿入され両端にカラーを備えたボビンの巻枠部に第2の巻線部と第1の巻線部をこの順に巻回した第2の巻線構造を有するトランスにおいて、
前記第2の巻線部は、
前記ボビンの両端の前記カラー間にその前記カラー間の距離よりも短い幅で巻回される第2の二次巻線(23)で構成され、
前記第1の巻線部は、
前記第2の二次巻線(23)上において、前記ボビンの両端の前記カラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(24b)と、前記カラー端部付近のみに巻回されるα層部(24a)とからなる第2の一次巻線(24)で構成され、
前記第2の一次巻線(24)の前記α層部(24a)は、前記第2の二次巻線(23)の巻終わり部(23U)と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第2の一次巻線(24)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成し
前記第2の二次巻線(23)は、平板状の巻線であって、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されていたことを特徴とする。
この第1巻線部においても、第2の一次巻線(24)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成しているため、第2の一次巻線(24)とカラーの間に水平方向の距離を設け、第2の一次巻線(24)との間に沿面距離をかせぐ必要がなくなり、全体として第2の一次巻線(24)の巻数を多くできる。また、第2の一次巻線(24)のn層部(24b)の左右端巻回部は、カラー10,11によって位置が定まり、第2の二次巻線(23)は第2の一次巻線(24)のα層部(24a)で左右の位置が固定される。このため、巻線のずれや外れが防止できる。さらに、第2の一次巻線(24)のα層部(24a)は、第1の一次巻線のn層部(24b)と絶縁紙(30)間に挟まれて位置決めされるため、巻線のずれや外れがより一層防止できる。また、第2の一次巻線(24)のn層部(24b)下の、カラー10,11と第2の二次巻線(23)との間にできるスペースに、上第2の一次巻線(24)のα層部(24a)とn層部(24b)とを上下方向に重ねて巻線したカラー端部近辺の巻回部は、第2の二次巻線(23)と対向していないことから、第2の一次巻線(24)のこの部分で発生する磁束の一部は第2の二次巻線(23)に鎖交しないから漏れ磁束となる。このため、磁束がバイパスする空間部を別途設けなくても、漏れ磁束を大きくできる。
この発明のさらに別の実施態様として、図5に示すように、上記図2に示す第1の巻線構造と、図3に示す第2の巻線構造の両方を使用することも可能である。すなわち、第1の巻線構造の上に第2の巻線構造を巻回する。さらに、二次巻線に別の巻線を巻き上げる場合に、その巻き上げるための巻線として第3の二次巻線(22)からなる第3の巻線構造を第1の巻線構造と第2の巻線構造との間に巻回することも可能である。
この発明のさらに別の実施態様として、前記第1の二次巻線(21)は、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回され、前記第2の二次巻線(23)は、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されている。
このような構造であれば、前記第1の二次巻線(21)のα層部(20a)は、第1の一次巻線のn層部(20b)と前記絶縁紙(30)間に挟まれて位置決めされるため、巻線のずれや外れがより一層防止できる。前記第2の一次巻線(24)のα層部(24a)についても同様である。
前記第1,第2の二次巻線の配置例としては、前記ボビンの両端のカラーの間に、それぞれカラーから距離を設けて配置するか、前記ボビンの一方の端のカラー側に寄せて配置する。
この発明では、第1の一次巻線のα層部(20a)又は第2の一次巻線のα層部(24a)が、第1の二次巻線(21)又は第2の二次巻線(23)の巻回時にカラーとこれらの第1又は2の二次巻線との間に形成されるスペースに巻回されるため、ボビンを大きくしなくても一次巻線数を増やすことが出来、且つ、一次巻線は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成されるため、沿面距離を設けなくても一定の絶縁性能を確保できる。
また、上記n層部(20b)(24b)の左右端巻回部は、カラー10,11によって位置が定まり、第1の二次巻線(21)は第1の一次巻線(20)のα層部(20a)とで互いに左右の位置が固定される。このため、巻線のずれや外れが防止できる。
また、前記第1の二次巻線(21)は、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されることにより、前記第1の二次巻線(21)のα層部(20a)は、第1の一次巻線のn層部(20b)と前記絶縁紙(30)間に挟まれて位置決めされるため、巻線のずれや外れがより一層防止できる。記第2の一次巻線(24)のα層部(24a)についても同様である。
また、一次巻線の一部(20a)、(24a)で発生する磁束の一部は二次巻線(21),(23)と交叉しないため、この部分で漏れ磁束が発生する。これにより、特別の工夫をしなくてもリーケージトランスを構成できる。
従来のトランスの一部断面構成図 この発明の第1の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図 この発明の第2の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図 巻線の断面図 この発明の第3の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図 この発明の第4の実施形態のリーケージトランスの一部断面構成図である。 上記トランスの巻線図
図2は、この発明の第1の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図である。巻線構成は図2に示す従来の構成と同様である。
トランス1は、中空円柱部13にコア14が挿入されたボビンの両端にカラー10,11(鍔部)を備え、カラー10,11間の中空円柱部13の巻枠部12に、第1の一次巻線20(第1の巻線部)と第1の二次巻線21(第2の巻線部)がこの順に巻回されて構成される。このトランス1の大きさは、図1の従来のトランスと同じであり、ボビンと巻枠部12の寸法も従来のトランスと同じである。また、従来のトランスと同様に、カラー10,11の外側には接続用のピン(図示せず)が設けられる。
第1の一次巻線20は、カラー10,11の端部から端部まで配置され、第1の二次巻線21は、カラー10,11から少し距離が離れた中央部分に巻回されている。従って、第1の一次巻線20の左右端部には、それぞれ第1の二次巻線21と対向していない端部が存在している。第1の二次巻線21の層間には、カラー10,11間の距離とほぼ同じ幅の絶縁紙30(絶縁層)が配置されており、第1の二次巻線21の層間の沿面距離Zが充分に確保されている。本例では、第1の一次巻線20を線状の巻線で、第1の二次巻線21を平板状の巻線で構成している。
第1の一次巻線20の端部は、巻枠部12の最内周側に巻回される第1の層20b(後述のようにn層部20bと称する)と、n層部20bの上部に更に巻回される第2の層20a(後述のようにα層部20aと称する)とを有し、α層部20aは第1の二次巻線21の巻始め層21Lの左右に配置される。
nを1、αを1として、このようなトランスを作成する手順の一例を挙げると、巻枠部12の例えばカラー10側から、第1の一次巻線20の第1の層であるn層部20bを1ターン巻き、その上部に第2の層であるα層部20aを巻く。そして先ほど巻いたn層部20bの隣に再びn層部20bを巻き、その上部にα層部20aを巻き、その後連続してn層部20bをカラー11側面まで巻き、端部でα層部20aを2ターン巻回す。その後左右に形成されたα層部20aの間のn層部20b上に、平板状の第1の二次巻線の巻始め層21Lをn層部20b上に巻き、層間に絶縁紙30を挟みながら第1の二次巻線21を例えば3ターン巻く。
第1の一次巻線20のn層部20bの左右の端部は、カラー10,11によって位置が定まり、第1の一次巻線のα層部20aは、絶縁紙30とn層部20bによって挟まれた状態で上下の位置が定まる。また、第1の二次巻線21は第1の一次巻線のα層部20aとで互いに左右の位置が固定される。第1の二次巻線21は平板で構成され、絶縁紙30と共に強固に巻き回されることで、位置が固定される。
このようにして、左右の一次巻線20の端部を、第1の二次巻線21の側面に重複させて複数層(本例では2層)にすることで、同じサイズのボビンを用いて、従来よりもターン数が4ターン多く巻くことができる。そして第1の一次巻線20の端部は、絶縁紙30によって上から押えられて位置が定められ、巻線のずれや外れが防止できる。
ここでは、第1の一次巻線20を、カラーの端部から端部まで巻回されるn層部20bと、カラー端部付近に巻回されるα層部20aからなる例を示したが、n層部20b、α層部20aとも、それぞれ複数層で構成することができる。同様に、第1の二次巻線21も3相以上のm層で構成することもできる。
なお、第2の巻線部である、第1の二次巻線21を平板状の巻線とすることで、絶縁紙30を挟みながら強固に巻くことが容易にできる。
図3は、この発明の第2の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図である。
構成において、図2と相違する点は一次巻線と二次巻線の上下位置が逆であることで、それ以外は同一である。
すなわち、トランス1は、中空円柱部13にコア14が挿入されたボビンの両端にカラー10,11(鍔部)を備え、カラー10,11間の中空円柱部13の巻枠部12に、第2の二次巻線23(第2の巻線部)と第2の一次巻線24(第1の巻線部)がこの順に巻回されて構成される。このトランス1の大きさは、図1の従来のトランスと同じであり、ボビンと巻枠部12の寸法も従来のトランスと同じである。また、従来のトランスと同様に、カラー10,11の外側には接続用のピン(図示せず)が設けられる。
第2の一次巻線24は、カラー10,11の端部から端部まで配置され、第2の二次巻線23は、カラー10,11から少し距離が離れた中央部分に巻回されている。従って、第2の一次巻線24の左右端部には、それぞれ第2の二次巻線23と対向していない端部が存在している。第2の二次巻線23の層間には、カラー10,11間の距離とほぼ同じ幅の絶縁紙30(絶縁層)が配置されており、第2の二次巻線間の沿面距離Zが充分に確保されている。本例では、一次巻線を線状の巻線で、二次巻線を平板状の巻線で構成している。
第2の一次巻線24の端部は、巻枠部12の最外周側に巻回される第1の層24b(後述のようにn層部24bと称する)と、そのn層部24bの下部に更に巻回される第2の層24a(後述のようにα層部24aと称する)とを有し、α層部24aは第2の二次巻線23の巻終わり層21Uの左右に配置される。
このようなトランスを作成する手順の一例を挙げると、巻枠部12に平板状の第2の二次巻線23の巻始め層を巻き、層間に絶縁紙30を挟みながら第2の二次巻線23を3ターン巻く。次いで、巻枠部12の例えばカラー10側から、第2の一次巻線24のα層部24aを1ターン巻き、その上部にn層部24bを巻く。そして先ほど巻いたα層部24aの隣に再びα層部24aを巻き、その上部にn層部24bを巻き、その後連続してn層部24bをカラー11側に向けて2ターン残して巻き、次いで第2の二次巻線23の巻終わり層23Uとカラー11との間にできるスペースに第2の一次巻線24のα層部24aを1ターン巻き、その上にn層部24bを1ターン巻く。そして先ほど巻いたα層部24aとカラー11との間に、最後のα層部24aを1ターン巻き、その上に最後のn層部24bを1ターン巻く。
第2の一次巻線24の端部の左右は、カラー10,11によって位置が定まり、第2の一次巻線のα層部24aは、絶縁紙30とn層部24bで挟まれることによって絶縁紙30で下から支えられ、上下の位置が定まる。また、第2の二次巻線23は第2の一次巻線のα層部24aで左右の位置が固定される。第2の二次巻線23は平板で構成され、絶縁紙30と共に強固に巻き回されることで、位置が固定される。
このようにして、左右の一次巻線24の端部を、第2の二次巻線23の側面に重複させて複数層(本例では2層)にすることで、同じサイズのボビンを用いて、従来よりもターン数が4ターン多く巻くことができる。そして第2の一次巻線24の端部は、絶縁紙30によって位置が定められ、巻線のずれや外れが防止できる。
図2の実施形態と同様に、n層部24b、α層部24aともそれぞれ複数の層で構成することが可能である。第1の二次巻線23も3相以上のm層で構成することができる。
なお、第2の巻線部である、第2の二次巻線23を平板状の巻線とすることで、絶縁紙30を挟みながら強固に巻くことが容易にできる。
図4は、第1,第2の一次巻線20、24の断面構造図である。銅線からなる導体30aの周囲に絶縁被覆30b〜30dが3重に被せられている。このように、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線の構造であるため、第1,第2の一次巻線自体が十分な絶縁性能を持っている。これにより、図2,3のように第1,第2の一次巻線20,24と第1,第2の二次巻線21,23間に絶縁距離が形成されていなくても、トランスとしての絶縁性能が低下することはない。
図5は、この発明の第3の実施形態であるリーケージトランスの一部断面構成図である。
この実施形態のトランスは、図2に示す第1の巻線構造と図3に示す第2の巻線構造を組み合わせ、さらに、これらの巻線構造間に第3の巻線構造である第3の二次巻線22を配置している。
すなわち、巻枠部12に図2に示す第1の巻線構造を形成し、この上に、第3の二次巻線22を巻回し、さらに、この上に図3に示す第2の巻線構造を形成する。第3の二次巻線22はそれぞれ2ターンずつ巻き上げられて構成される。図5のように構成することで、第3の二次巻線22を第1、第2の二次巻線22,23にそれぞれ接続して図7のような巻線図のトランスを構成することが出来る。
上記の構造のトランスにおいても、第1の一次巻線20,第2の一次巻線24は、それぞれ11ターン巻かれ、従来の7〜8ターンよりも数ターン多い。また、巻線の絶縁性能は飛躍的に高くなるため、一次巻線と二次巻線間に沿面距離を設けなくてもトランスに要求される絶縁性能を確保できる。
また、第1,第2の一次巻線20,24の端部の左右は、カラー10,11によって位置が定まり、第1,第2の一次巻線20,24のα層部20a,24aは、絶縁紙30によって上下の位置が定まる。また、第1,第2の二次巻線21,23は第1,第2の一次巻線のn層部20a,24aとで互いに左右の位置が固定される。第1,第2の二次巻線21,23は平板で構成され、絶縁紙30と共に強固に巻き回されることで、位置が固定される。
以上の実施形態のトランスにおいても、第1,第2の一次巻線20,24のカラー端部近辺の左右端部を、第1,第2の二次巻線21,23の側面に重複させて複数層(本例では2層)にすることで、同じサイズのボビンを用いて、従来よりもターン数を多くできる。そして第1,第2の一次巻線20,24の端部は、絶縁紙30によって位置が定められ、巻線のずれや外れが防止でき、第1,第2の二次巻線21,23は第1の一次巻線のα層部20a,24aとで互いに左右の位置が固定される。
図6は、この発明の第4の実施形態のリーケージトランスの一部断面構成図である。
この実施形態では、第1の二次巻線21,第2の二次巻線23をカラー10側に寄せて、第1の二次巻線21,第2の二次巻線23とカラー11との間に形成されるスペースに第1の一次巻線20,第2の一次巻線24のα層部20a,24aを左側に4巻線配置している。また、これらの一次巻線のα層部20a,24aに重ねて第1の一次巻線20,第2の一次巻線24のn層部20b,24bを4巻線配置している。したがって、この実施形態では、上記スペースに、第1,第2の二次巻線と対向しないn層部20bとα層部20aからなる第1の一次巻線20の一部が4巻線が配置され、第1,第2の二次巻線と対向しないn層部24bとα層部24aからなる第2の一次巻線24のさらに他の一部が4巻線が配置される。
以上の実施形態のトランスにおいても、一次巻線20,24の一端部を、第1の二次巻線21,23の側面に重複させて複数層(本例では2層)にすることで、同じサイズのボビンを用いて、従来よりもターン数を多くできるので、図7に示す巻線図のリーケージトランスを構成することができる。そして第1の一次巻線20,24の端部は、絶縁紙30によって位置が定められ、巻線のずれや外れが防止でき、第1の二次巻線21,23は第1の一次巻線のα層部20a,24aとで互いに左右方向の位置が固定される。
なお、図5、図6では、第1の巻線構造と第2の巻線構造間に第3層の巻線構造として第3の二次巻線22を巻回しているが、この第3の二次巻線22が必要でない場合は、第1の巻線構造の上に第2の巻線構造が配置される。
1−トランス
10,11−カラー
20,24−一次巻線
21〜23−二次巻線
30−絶縁紙
X,Y−スペース

Claims (8)

  1. 中空円柱部にコアが挿入され両端にカラーを備えたボビンの巻枠部に第1の巻線部と第2の巻線部をこの順に巻回した第1の巻線構造を有するトランスにおいて、
    前記第1の巻線部は、
    前記ボビンの両端の前記カラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(20b)と、前記カラー端部近辺のみに巻回されるα層部(20a)とからなる第1の一次巻線(20)で構成され、
    前記第2の巻線部は、
    前記ボビンの両端の前記カラー間の距離よりも短い幅で前記第1の一次巻線のn層部上に巻回される第1の二次巻線(21)で構成され、
    前記第1の一次巻線(20)の前記α層部(20a)は、前記第1の二次巻線(21)の巻始め部と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第1の一次巻線(2)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成し、
    前記第1の二次巻線(21)は、平板状の巻線であって、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回される、
    ことを特徴とするトランス。
  2. 中空円柱部にコアが挿入され両端にカラーを備えたボビンの巻枠部に第2の巻線部と第1の巻線部をこの順に巻回した第2の巻線構造を有するトランスにおいて、
    前記第2の巻線部は、
    前記ボビンの両端の前記カラー間にその前記カラー間の距離よりも短い幅で巻回される第2の二次巻線(23)で構成され、
    前記第1の巻線部は、
    前記第2の二次巻線(23)上において、前記ボビンの両端の前記カラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(24b)と、前記カラー端部近辺のみに巻回されるα層部(24a)とからなる第2の一次巻線(24)で構成され、
    前記第2の一次巻線(24)の前記α層部(24a)は、前記第2の二次巻線(23)の巻終わり部と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第2の一次巻線(24)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成し、
    前記第2の二次巻線(23)は、平板状の巻線であって、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回される、
    ことを特徴とするトランス。
  3. 中空円柱部にコアが挿入され両端にカラーを備えたボビンの巻枠部に、第1の巻線構造と、第2の巻線構造とをこの順に巻回したトランスにおいて、
    前記第1の巻線構造は、第1の巻線部と第2の巻線部とで構成され、
    前記第1の巻線部は、
    ボビンの両端のカラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(20b)と、前記カラー端部近辺のみに巻回されるα層部(20a)とからなる第1の一次巻線(20)で構成され、
    前記第2の巻線部は、
    前記ボビンの両端の前記カラー間の距離よりも短い幅で前記第1の一次巻線のn層部上に巻回される第1の二次巻線(21)で構成され、
    前記第1の一次巻線(20)の前記α層部(20a)は、前記第1の二次巻線(21)の巻始め部と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第1の一次巻線(2)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成し、
    前記第2の巻線構造は、第3の巻線部と第4の巻線部とで構成され、
    前記第4の巻線部は、
    前記ボビンの両端の前記カラー間にその前記カラー間の距離よりも短い幅で巻回される第2の二次巻線(23)で構成され、
    前記第3の巻線部は、
    前記第2の二次巻線(23)上において、前記ボビンの両端の前記カラーの一方の前記カラー端部から他方の前記カラー端部に亘り巻回されるn層部(24b)と、前記カラー端部近辺のみに巻回されるα層部(24a)とからなる第2の一次巻線(24)で構成され、
    前記第2の一次巻線(24)の前記α層部(24a)は、前記第2の二次巻線(23)の巻終わり部と前記カラーとの間に挟まれた状態で巻回され、前記第2の一次巻線(24)は、銅線の周囲を複数層絶縁した重絶縁線で構成したことを特徴とするトランス。
  4. 前記第1の巻線構造と前記第2の巻線構造間に巻回される第3の二次巻線(22)からなる第3の巻線構造を配置した請求項3記載のトランス。
  5. 前記第1の二次巻線(21)は、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されている、請求項3または4に記載のトランス。
  6. 前記第2の二次巻線(23)は、層毎に前記カラー端部付近まで伸びる絶縁紙(30)を介して巻回されている、請求項3または4に記載のトランス。
  7. 前記第1の二次巻線(21)は平板状の巻線である請求項3、4、5のいずれかに記載のトランス。
  8. 前記第2の二次巻線(23)は平板状の巻線である請求項3、4、6のいずれかに記載のトランス。
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