JP6417876B2 - 樹脂積層体 - Google Patents
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Description
しかしながら、ガラスは衝撃により容易に割れ、またガラス自身の重量も重く、加工費用も高いことから樹脂材料での代替開発が進められている。
したがって、本樹脂積層体は、屋外や過酷な温度環境下においても使用可能な液晶ディスプレイのフロントカバー材、特に、タッチパネル機能を有する携帯電話や液晶ペンタブレットのフロントカバー材として好適に用いることができる。
本発明の樹脂積層体は端面に微小欠損部が存在している状態でも10mm以上のクラックが発生しないことを特徴とする。
ここで、微小欠損部とは樹脂積層体の端面に発生する長さ5μm以上の長さのクラックの起点となりうる部位を指す。以下、詳述する。
クラックは、樹脂積層体端面の微小欠損部を起点として、その周辺または樹脂積層体全面に発生する場合が多い。微小欠損部は外観上何ら問題にならないが、これがクラックとして長さが10mm以上になると透明樹脂積層体として明らかな欠陥となる。クラックに進展するかは材料の屈曲性によって決まると考えられ、屈曲性が高い材料ほどその効果は大きい。
本樹脂積層体に用いられる硬化性樹脂積層体(B)はJIS K 5600−5−1に準拠して測定される屈曲性がPET188μm基材上でφ15mm以上φ35mm以下であることを特徴とする。屈曲性は硬化性樹脂層(B)の柔軟性を表し、その値が小さいほど屈曲性が高く材料として優れていることを表す。
本樹脂積層体の表面硬度は、ISO14577に準拠して測定されるユニバーサル硬度により評価することができる。また、JIS K 5600−5−4に準拠して測定される鉛筆硬度を用いて評価することができる。
以下にその内容を説明する。
本樹脂積層体はISO14577に準拠して測定されるユニバーサル硬度が200MPa以上であることを特徴とする。ユニバーサル硬度は材料の硬さを表すものであり、その値が高いほど高硬度の優れた材料であることを表す。
本樹脂積層体のユニバーサル硬度は200MPa以上が好ましく、より好ましくは300MPa以上、さらに好ましくは400MPa以上である。
ユニバーサル硬度が200MPa以上の場合、硬化性樹脂層の材料としての硬度が実用上問題のない硬さとなり、樹脂積層体表面の傷付きやすさを抑制できる可能性が高いと考えられる。
また、本樹脂積層体はJIS K 5600−5−4に準拠して測定される鉛筆硬度が4H以上であることが好ましく、5H以上であることがさらに好ましい。
本樹脂積層体は、樹脂基材(A)の少なくとも片面に、硬化性樹脂層(B)を備えたことを特徴とする。
以下に各層の詳細について説明する。
樹脂基材(A)は材料として特に限定されないが、ディスプレイ等の用途には透明樹脂材料であることが好ましい。
代表的な樹脂材料として、ポリカーボネート(PC)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合(MS)樹脂、ポリスルホン樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン樹脂などが挙げられる。これらは1種類であっても2種類以上の複合材であっても良い。さらに単層であっても2層以上の積層体であっても良い。
樹脂基材の製造方法としては、特に制限されるものではなく、単層の場合においても積層の場合においても公知の方法を採用することができる。
このシート状成形物は、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却が行われ、積層体が形成される。
また、マルチマニホールドダイの場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂は同様にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールにて表面仕上げおよび冷却が行われ、積層体が形成される。
樹脂基材の厚みは50μm以上であることが好ましい。樹脂基材の厚みが50μm以上であれば例えばユニバーサル硬度や鉛筆硬度試験に代表される表面特性に影響を与える可能性が少ない。
樹脂基材は単層のみでなく2層以上の多層からなる構成であっても良い。例えば2層以上の多層積層体の場合、最表層の樹脂基材の厚みは50μm以上200μmが好ましく、60μm以上100μm未満であることが特に好ましい。最表層の樹脂の厚みは50μm以上であれば実用上表面特性に影響を与える可能性が少ない。
本樹脂積層体は、樹脂基材(A)の少なくとも一方の面に硬化性樹脂層(B)を有する。本樹脂積層体の硬化性樹脂層(B)は表面硬度としてユニバーサル硬度200MPa以上有する。さらに、硬化性樹脂層(B)は高い表面硬度と合わせて、その特性と相反する屈曲性も有することを特徴とする。
以下にその内容詳細を説明する。
3官能以上の多官能アクリレート(b1)としては、例えばペンタエリスリトール(トリ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタ)ヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールポリアクリレート、ポリペンタエリスリトールポリアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ポリグリセリンポリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン末端ジアクリレート、水添ポリブタジエン末端ジアクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、などの2官能(メタ)アクリレート、 メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、などの単官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
2官能直鎖状アクリレートオリゴマーは例えば、新中村化学工業社製NKシリーズ;AM−90G,AM−130G,AMP−20GY,S−1800A,A−200,A−400,A−600,A−1000,A−B1206PE,ABE−300,APG−700,A−PTMG−65,M−90G,M−230G,S,S−1800M,4G,9G,14G,23G,BPE−100,BPE−200,BPE−500,BPE−900,BPE−1300N,DOD−N,HD−N,NOD−N、などが挙げられる。
他には、大阪有機化学工業社製ビスコートシリーズ;LA,ISTA,V#230,V#260、などが挙げられる。
他には、ダイセル・サイテック社製;EBECRYL 210,EBECRYL 230,EBECRYL 270,EBECRYL 9227EA,KRM 8296,EBECRYL 8402,EBECRYL 9270,EBECRYL 860,EBECRYL 3703,EBECRYL 3708、EBECRYL 812,EBECRYL 852,EBECRYL 853,EBECRYL 884,EBECRYL 885、などが挙げられる。
無機粒子(C)の含有割合が80重量%以上であると無機粒子の二次凝集が起こりやすくなり、白化等の外観不良や膜強度の低下を生じる虞がある。一方、無機粒子の含有割合が30重量%未満の場合には無機粒子による表面硬度の向上作用が十分に得られない虞がある。
本発明における樹脂積層体はJIS K7361−1に準拠して測定される全光線透過率が85%以上、かつ、JIS K7105に準拠して測定されるHAZEが0.5%未満の範囲にあることを特徴とする。
硬化性樹脂層(B)の厚みは、5μm以上20μm未満の範囲であることが好ましい。硬化性樹脂層(B)厚みが5μm未満であると硬化性樹脂層(B)による表面硬度や耐擦傷性の向上効果が十分に得られない虞がある。一方、硬化性樹脂層(B)の厚みが20μm以上になると、硬化性樹脂層(B)の屈曲性が低下するため、得られる樹脂積層体において、微小欠損部から10mm以上のクラックが発生してしまうおそれが高くなる。
硬化性樹脂層(B)は、さらに表面調整成分としてレベリング剤を含むことが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤などを挙げることができ、特に、末端に反応性の官能基を有するものが好ましく、2官能以上の反応性の官能基を有するものがより好ましい。
これらの中でも、HAZEの値が安定し、かつ耐擦傷性の向上に寄与する、アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5− クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。
サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。
上記紫外線吸収剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾイン系化合物;アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、オキシムフェニル酢酸エステル系化合物、ヒドロキシケトン系化合物及び、アミノベンゾエート系化合物などをあげることができる。これらおそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂層(B)の形成方法は、公知のコーティング方法が適用できる。例えば、カバーフィルムを使用するラミネート方式、ディップコート法、ナチュラルコート法、リバースコート法、コンマコート法、ロールコート法、スピンコート法、ダイコート法、ワイヤーバー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法、グラビアコート法、キスコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、カレンダーコート法、ナイフコート法、トランスファロールコート法等が挙げられる。その他、例えば、離型層に硬化性樹脂層が接着されてなる転写シートを用いて、当該硬化性樹脂層を他の層に積層する方法を採用してもよい。
これらの中でも、硬化性の観点から、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯及びメタルハライドランプを光源とした光が好ましい。
活性エネルギー線は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
本樹脂積層体は、画像表示装置の前面側(視認側)に配置して用いられる表面保護パネル、特にタッチパネル機能を有する携帯電話や液晶ペンタブレット等のフロントカバー材として有用である。
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
先ずは、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
実施例及び比較例に用いる各硬化性樹脂をバーコーターを用いて188μm厚のPETフィルム(ダイアホイル:三菱樹脂製)上に厚みが10μmとなるように硬化性樹脂を塗布・硬化して硬化性樹脂層を有するフィルムを得た。得られたフィルムを10cm×20cmにカッターで切出し、硬化性樹脂層が外面になるようにして円筒に巻きつけクラックの有無を目視で判定した。
クラックの入らない限界口径値を硬化性樹脂層の屈曲性と定めた。
実施例及び比較例の樹脂積層体の中央部分を裁断機を用いて10cm角に切出して、試験片を作製した。得られた試験片をサンプル台に一枚ずつ等間隔で立てて並べた状態で超低温恒温恒湿槽(ESPEC社製)に投入し、85℃の雰囲気下で1時間曝露した。
試験後のサンプルを目視及び顕微鏡にて観察を行い、クラック有無を判定した。クラックの見られなかったものを○、クラックが発生したものを×とそれぞれ結果を表記した。
実施例及び比較例の樹脂積層体の中央部分を裁断機を用いて10cm角に切出して、試験片を作製した。得られた試験片をJIS K 5600−5−4に準拠して測定を行った。
実施例及び比較例の樹脂積層体の中央部分を10mm×20mmに切出し、測定面の反対面にアロンアルファを塗り、その面を1mm厚のガラス板と貼りあわせて固定し、試験サンプルを作製した。
装置はDUH−W201(島津製作所製)、試験には稜間角115°の三角圧子を用いた。試験条件は試験荷重20mN、負荷速度0.66mN/sの条件で各サンプルn=3評価を行い、その平均値を有効数字2ケタで表し、それぞれの樹脂積層体のユニバーサル硬度として定めた。
実施例及び比較例の樹脂積層体5cm角の試験サンプルに対して、試験機器としてNDH5000(日本電色産業工業社製)を用いて測定を行った。試験は全光線透過率はJIS K 7361−1に、HAZEはJIS K 7105に準拠して行い、得られた数値おそれぞれの樹脂積層体における全光線透過率及びHAZE値とした。
アクリル系樹脂A(Arkema社製、商品名「Altuglas HT121」)のペレットをそのままアクリル系樹脂組成物とした。
ポリカーボネート系樹脂(住化スタイロン社製;商品名「CALIBRE301−4」)のペレットと、ポリカーボネート系樹脂(住化スタイロン社製;商品名「SDポリカ SP3030」)のペレットと、ポリエステル系樹脂(SKケミカル社製;商品名「SKYGREEN J2003」)のペレットと55:25:20の質量割合で混合した後、260℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化して、ポリカーボネート系樹脂組成物を作製した。
前記アクリル系樹脂組成物、前記ポリカーボネート系樹脂組成物おそれぞれの押出機に供給し、各押出機において、240℃および260℃で溶融混練した後、250℃に加熱された2種2層用のTダイに合流させ、アクリル系樹脂層A−1/ポリカーボネート系樹脂層A−2の2層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して、厚み675μm(A−1:75μm、A−2:600μm)の積層体を得た。得られた積層体を用いて以下実施例及び比較例の実験検証を行った。
前記積層体のアクリル系樹脂層A−1の面に硬化性樹脂組成物b1−1(MOMENTIVE社製、商品名「UVHC7800G」)をバーコーターを用いて塗布し、その後、チャック間100mmに調整した基材を101mmまで常温延伸を行い、この状態のまま90℃で1分間乾燥後、700mJ/cm2の露光量で露光し硬化させた。次いで、前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面には以下の実施例及び比較例に示した通りの配合比で各硬化性樹脂組成物を調製し、前記条件で塗布・硬化を実施して各樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体について評価した結果を表1に示す。
(硬化性樹脂層の作製)
前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面に、3官能以上の多官能アクリレート(b1−1)としてUVHC7800G(MOMENTIVE社製)を90重量%、2官能直鎖上アクリレートオリゴマー(b2−1)としてポリテトラメチレングリコール#650ジアクリレート(新中村化学社製、分子量758)を10重量%混合して得られた溶液を用いて塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面に、b1−1を80重量%、b2−1を20重量%混合して得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様に塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面に、b1−1を90重量%、2官能直鎖上アクリレートオリゴマー(b2−2)としてポリプロピレングリコール#700ジアクリレート(新中村化学社製、分子量808)を10重量%混合して得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様に塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面に、b1−1を50重量%、b2−1を50重量%混合して得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様に塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
前記A−1と前記A−2の両面に硬化性樹脂組成物b−1を用いて実施例1と同様に塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
前記積層体のポリカーボネート系樹脂層A−2の面に、b1−1を30重量%、b2−2を70重量%混合して得られた溶液を用いた以外は実施例1と同様に塗布・硬化を行い、樹脂積層体を作製した。
一方、比較例1においては、硬度は高いものの高温環境試験においてクラックが生じ、比較例2においてはクラックが発生しないものの十分な硬度を得ることができなかった。
10:クラックが発生している樹脂積層体
11:硬化性樹脂層
12:樹脂基材
13:端面
14:微小欠損部
15:クラック
20:本樹脂積層体の一部分
30:クラックが発生している樹脂積層体の一部分
Claims (10)
- 樹脂基材(A)の少なくとも片面に、硬化性樹脂層(B)を備えた樹脂積層体であって、該樹脂積層体の端面の任意の2mm幅の範囲において5μm以上の長さの微小欠損部が2個以上存在し、85℃の雰囲気下で1時間曝露する高温環境試験後に該微小欠損部から10mm以上のクラックが発生せず、かつ、硬化性樹脂層(B)を積層してなる面の表面硬度がISO14577に準拠して測定されるユニバーサル硬度で300MPa以上であり、該硬化性樹脂層(B)が少なくとも2種類以上の多官能アクリレート樹脂及び無機粒子から構成され、該多官能アクリレート樹脂が、3官能以上の多官能アクリレート(b1)と、分子量が200以上900未満の2官能直鎖状アクリレートオリゴマー(b2)とを含有し、該(b1)と該(b2)の合計量に対する該(b2)の割合が5重量%以上、30重量%未満であることを特徴とする樹脂積層体。
- 前記樹脂積層体の硬化性樹脂層(B)を積層してなる面の表面硬度がJIS K 5400−5−4に準拠して測定される鉛筆硬度で4H以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂積層体。
- 前記硬化性樹脂層(B)の屈曲性がJIS K5600−5−1に準拠して求められるマンドレル試験でφ15mm以上φ35mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂積層体。
- 前記硬化性樹脂層(B)の全固形成分中における無機粒子が30重量%以上、80重量%未満の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂積層体の全光線透過率が85%以上、かつ、HAZEが2.0%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 硬化性樹脂層(B)の厚みが5μm以上、20μm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂基材(A)が、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂、ポリスルホン樹脂、ノルボルネン系樹脂及びシクロオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成材料とする単層又は積層体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂基材(A)が、アクリル系樹脂を含む層とポリカーボネート系樹脂を含む層との積層体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
- 請求項1〜8の何れか一項記載の樹脂積層体を有するディスプレイのフロントカバー材。
- 請求項9に記載のディスプレイのフロントカバー材を備える画像表示装置。
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