図により本発明に係る現像剤の補給容器の一実施形態を具体的に説明する。
[第1参考例]
先ず、図1〜図21を用いて現像剤の補給容器の第1参考例の構成について説明する。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて現像剤の補給容器1が装着される電子写真方式の複写機からなる画像形成装置100の構成について説明する。図1に示す画像形成装置100において、原稿101が原稿台ガラス102の上に置かれる。すると、原稿101の画像情報に応じた光像が光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、像担持体としての電子写真感光体からなる感光ドラム104の表面上に結像する。
給送カセット105〜108に収容された記録媒体となるシートPのうち、図2に示す操作部100aからユーザが入力した情報、或いは、原稿101のシートサイズから最適なシートPを給送カセット105〜108のシートサイズ情報から選択する。ここで、記録媒体としては紙等のシートPに限定されない。例えば、OHP(Over Head Projector)に使用される透明なシートからなるOHT(Over Head Transparency)シート等が適宜選択できる。
各給送カセット105〜108から給送ローラ105A〜108AによりそれぞれシートPが給送される。そして、分離ローラ105B〜108Bによりそれぞれ分離搬送された一枚のシートPを搬送パス109を経由してレジストローラ110まで搬送する。更に、レジストローラ110によりシートPを感光ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングとを同期させて転写放電器からなる転写装置111が設けられた転写部に搬送する。
転写部では、転写装置111によって、感光ドラム104の表面上に形成された現像剤像(トナー像)をシートPに転写する。そして、分離放電器からなる分離装置112によって、現像剤像が転写されたシートPを感光ドラム104から分離する。
この後、搬送ベルト113により定着手段となる定着装置114へ搬送されたシートPは、該定着装置114において加熱及び加圧されてシートP上のトナー像が定着される。その後、片面コピーの場合には、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117上へ排出される。
また、多重コピーの場合には、排出反転部115のフラッパ118の制御により、再給送パス119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
また、両面コピーの場合には、シートPは排出反転部115を通り、一度、排出ローラ116により一部が画像形成装置100本体外へ排出される。そして、この後、シートPの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116により挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排出ローラ116を逆回転させる。これによりシートPは、再度、画像形成装置100本体内へ搬送される。更に、この後、再給送パス119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
感光ドラム104の回りには、現像手段となる現像装置201、クリーニング手段となるクリーナ装置202、帯電手段となる帯電装置203等が配置されている。現像装置201は、原稿101の画像情報に基づいて一様に帯電された感光ドラム104の表面上を光学部103により露光して形成された静電潜像を現像剤(トナー)を用いて現像する。
現像装置201に対して現像剤としてのトナーを補給するための現像剤の補給容器1がユーザによって画像形成装置100本体(画像形成装置の本体)に設けられた図2に示す容器受入れ部100hに対して着脱可能に設けられている。尚、現像剤の補給容器1からトナーのみを画像形成装置100本体側へ補給する場合や、トナー及びキャリアを補給する場合であっても本発明を適用できる。本参考例では後者の一例について説明する。
現像装置201は、現像剤収容手段としての現像剤ホッパ部201aと現像器201bとを有している。現像剤ホッパ部201aは、現像剤の補給容器1から補給された現像剤を撹拌するための撹拌部材201cを有している。撹拌部材201cにより撹拌された現像剤は、マグネットローラ201dにより現像器201bに送られる。
現像器201bは、現像ローラ201fと、送り部材201eとを有している。そして、マグネットローラ201dにより現像剤ホッパ部201aから送られた現像剤は、送り部材201eにより現像ローラ201fに送られて、該現像ローラ201fにより感光ドラム104に供給される。
尚、クリーナ装置202は、感光ドラム104の表面上に残留している現像剤を除去するためのものである。また、帯電装置203は、感光ドラム104の表面を帯電するためのものである。
図2に示す画像形成装置100の外装カバーの一部であって現像剤の補給容器1を交換するための前カバー15をユーザが開けると、容器受入れ部100hが図示しない駆動手段によって所定の位置まで引き出される。そして、該容器受入れ部100h上に現像剤の補給容器1を載置する。ユーザが現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体から取り出す際には、容器受入れ部100hを引き出し、該容器受入れ部100h上に載っている現像剤の補給容器1を取り出す。
図2に示す前カバー15は現像剤の補給容器1を着脱して交換するための専用カバーであり、現像剤の補給容器1を着脱するためだけに開閉される。尚、画像形成装置100本体のメンテナンスは、図2に示す前面カバー100cを開閉することによって行なわれる。
尚、容器受入れ部100hを介することなく、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に直接装着し、また、画像形成装置100本体から取り外し可能な構成としても良い。
<現像剤の補給容器>
次に図3を用いて現像剤の補給容器1の構成について説明する。図3は現像剤の補給容器1の断面斜視図である。図3に示すように、現像剤の補給容器1は、現像剤を収容する現像剤収容部1A2を有する容器本体1Aを有する。更に、図11(a),(b)に示す該現像剤の補給容器1の現像剤収容部1A2に収容された現像剤を排出する排出口となる開口シール41gに設けられた貫通穴からなるシール穴41jが設けられている。
排出口となる開口シール41gに設けられたシール穴41jと接する位置には、図9(b)に示すように、現像剤を一定量だけ貯留可能な現像剤貯留部41fが設けられている。
更に、現像剤の補給容器1は、図16に示すように、該シャッタ52を図16の矢印A,B方向に移動可能に支持するフランジ部材41と、バッフル部材40とを有する。図12(a),(b)に示すシャッタ52には現像剤の補給容器1内の現像剤を排出する排出口52hが設けられている。
更に、現像剤の補給容器1は、往復動作に伴って容積が変わることで現像剤収容部1A2の内圧が大気圧よりも低い状態と高い状態とに交互に繰り返し切り替わるように動作するポンプ部54を有する。ポンプ部54は現像剤の補給容器1内の圧力を周期的に変化させることで、該現像剤の補給容器1内の現像剤を排出する。
更に、現像剤の補給容器1は、図17に示す制御手段となる制御部600により駆動制御される駆動源となるモータ500により回転駆動されるギア25に噛合し得るギアからなる駆動入力部30cを有する。駆動入力部30cにはギア25から容器本体1Aの現像剤収容部1A2を回転させるための回転駆動力が入力される。
図4、図7及び図19に示すように、ギアで構成される駆動入力部30cは、カムギアリング30の外周面(容器本体1Aの外周面)の周方向の全周に亘って連続して形成されている。
更に、現像剤の補給容器1は、駆動入力部30cに入力された回転駆動力をポンプ部54が図3の矢印A,B方向に往復動作するための力に変換する駆動変換手段となる往復部材51を有する。
更に、現像剤の補給容器1は、カバー部材53に設けられた規制手段となる規制部材70を有する。現像剤の補給容器1が画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに装着されていない状態がある。その状態において、図19(a)に示すように、規制部材70のギア形状の規制部70aがギアで構成される駆動入力部30cに噛合して係合する。規制部材70により容器本体1Aの現像剤収容部1A2の回転を規制する。
更に、現像剤の補給容器1は、図3に示すように、ポンプ部54と往復部材51とを覆うカバー部材53を有する。本参考例の規制部材70は、図15(a)に示すように、カバー部材53の一端部から突出したL字形状を有して構成される。更に、現像剤の補給容器1は、図4に示すカムギアリング30を有する。カムギアリング30は容器本体1Aと一体的に回転する。
画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに装着された現像剤の補給容器1は、詳しくは後述する現像剤補給手段により該現像剤の補給容器1内の現像剤が図1に示す現像剤ホッパ部201a内に補給される。
以下に、現像剤の補給容器1を構成する各要素について詳細に説明する。尚、図3に示すポンプ部54、フランジ部材41、シャッタ52、容器本体1Aで囲まれた内部空間を現像剤の補給容器1の内部空間とする。
<容器本体>
次に図5を用いて現像剤の補給容器1の容器本体1Aの構成について説明する。図5は容器本体1Aの断面斜視図である。容器本体1Aは、内部に現像剤を収容する現像剤収容部1A2を有する。容器本体1Aは図示しないボトル受けローラと当接する。これにより容器本体1Aが円筒部の中心と略一致する回転軸Qを中心に図5の矢印R方向に回転する。
現像剤収容部1A2内には、現像剤を搬送する螺旋状に形成された突起部1A1を備えている。容器本体1Aは図6に示すバッフル部材40の係合部40cと係合する係合部1A7を備えている。更に、図7(b)に示すカムギアリング30の係合部30eと係合する係合部1A8を備えている。
<バッフル部材>
次に図6を用いてバッフル部材40の構成について説明する。図6はバッフル部材40の構成を示す斜視図である。バッフル部材40は、図5に示す現像剤収容部1A2から図9(b)に示す現像剤貯留部41fへ向かって現像剤を搬送する傾斜突起部40a1を備えている。
更に、容器本体1Aにバッフル部材40を図3の矢印B方向に挿入する際に弾性変形する傾斜突起部40a2を備えている。その他にも、図5に示す容器本体1Aの係合部1A7と係合する係合部40c、現像剤を撹拌・搬送する仕切り板40dを備えている。
バッフル部材40は容器本体1A内の現像剤を撹拌・搬送する役割があり、容器本体1Aと一体的に図3の矢印R方向に回転する。これにより現像剤収容部1A2内の現像剤は、傾斜突起部40a2と傾斜突起部40a1を滑り落ちるように図9(b)に示す現像剤貯留部41fへ搬送される。
<カムギアリング>
次に図7を用いてカムギアリング30の構成について説明する。図7(a),(b)はカムギアリング30の構成を示す斜視図である。カムギアリング30は、図7(a)に示すように、全周に亘って連続的に形成されたカム溝30aを備えている。更に、全周に亘って形成され、現像剤の補給容器1の回転振れを規制する回転振れ規制部30bを備えている。
更に、カムギアリング30は、図17(a)に示す画像形成装置100本体に設けられたモータ500により回転駆動されるギア25に噛合して回転駆動力が入力されるギアからなる駆動入力部30cを周方向の全周に亘って備えている。更に、図5に示す容器本体1Aに設けられた係合部1A8と係合する図7(b)に示す係合部30eを備えている。
<ポンプユニット>
次に図3及び図4を用いてポンプユニット60の構成について説明する。図3は現像剤の補給容器1の構成を示す断面斜視図である。図4はポンプユニット60のカバー部材53を省略した内部構成を示す斜視図である。図3に示すように、ポンプユニット60は、フランジ部材41、往復部材51、ポンプ部54、カムギアリング30、カバー部材53、開口シール41g、シャッタ52、規制部材70等を有して構成される。
ポンプユニット60は、容器本体1Aと相対的に回転可能に取り付けられる。現像剤の補給容器1が画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに装着される。すると、該画像形成装置100本体に対してポンプユニット60は、図3に示す回転軸Qを中心とした周方向の回転が規制された状態で保持される。
フランジ部材41の一端部にはポンプ部54がネジ接合され、他端には容器本体1Aが接合される。また、ポンプ部54を挟み込むようにして、往復部材51が図4に示すように配置され、該往復部材51に設けられた図14(a)に示す係合突起部51bが図7(a)に示すカムギアリング30のカム溝30aに摺動自在に嵌め込まれる。
更に、図8(a)に示すフランジ部材41のシャッタ挿入部41cには、図12(a),(b)に示すシャッタ52が摺動自在に挿入された状態で組み込まれる。また、往復部材51とポンプ部54の保護とユーザのアクセスを規制することを目的として、該往復部材51とポンプ部54とを覆うように図15(a),(b)に示すカバー部材53が設けられている。
本参考例では、ポンプ部54が往復動作を開始するカムギアリング30の周方向の位相と、カバー部材53の位相とは、現像剤の補給容器1が周方向に一回転するうちで二箇所設けられている。現像剤の補給容器1の回転軸Qを中心とした径方向に約120°ずれた位相に設定される。
<フランジ部材>
次に図8〜図11を用いてフランジ部材41の構成について説明する。図8(a),(b)はフランジ部材41の構成を示す斜視図である。図9(a)はフランジ部材41の構成を示す正面図である。図9(b)は図9(a)のC−C断面図である。図10(a)はフランジ部材41の構成を示す側面図である。図10(b)は図10(a)のD−D断面図である。図10(c)は図10(a)に示すW部の拡大図である。図11(a)はフランジ部材41に開口シール41gを貼りつけた様子を示す斜視図である。図11(b)は開口シール41gの構成を示す斜視図である。
図8〜図11に示すように、フランジ部材41は、シャッタ挿入部41c、接合部41d、接合爪41e、現像剤貯留部41f、カバー係合部41k、カバー係合爪41lを有する。更に、保護部41h、開口シール貼付け面41m、シャッタ係合部41n、シャッタ開面41o、シャッタ閉面41p等を有して構成される。
フランジ部材41は、図20に示すシャッタロック解除リブ100iと係合することにより、シャッタ係合部41nを図10(c)の矢印J,K方向に弾性変形可能なシャッタロック支持部41rを備えている。
更に、フランジ部材41は、図9(b)に示す現像剤貯留部41f内の現像剤を排出する図11(a),(b)に示す円形の貫通穴からなるシール穴41jを形成した開口シール41gを備えている。
図11(a),(b)に示す開口シール41gは、両面テープ等により図8(b)に示すフランジ部材41の開口シール貼付け面41mに貼り付けられ、詳しくは後述するシャッタ52とフランジ部材41とにより圧縮された状態で挟持されている。
<シャッタ>
次に図12(a),(b)を用いてシャッタ52の構成について説明する。図12(a)はシャッタ52の構成を示す正面図、図12(b)はシャッタ52の構成を示す斜視図である。シャッタ52は、図3に示す現像剤の補給容器1のフランジ部材41に対して図3の矢印A,B方向に相対的に移動可能に設けられている。
そして、画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに対して該現像剤の補給容器1を挿入して着脱する動作に伴って、図12(a),(b)に示す排出口52hと、図11(a),(b)に示すシール穴41jとを連通させるか、或いは、非連通とする。
現像剤の補給容器1が画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに装着されていない場合がある。そのときに、図11(a),(b)に示す開口シール41gのシール穴41jからの現像剤の漏れを防ぐ現像剤封止部52aがシャッタ52に設けられている。
更に、シャッタ52には、図15(b)に示すカバー部材53の突き当て部53dと接触する図12に示すカバー突き当て部52eやフランジ係合部52j等を備えている。これにより該シャッタ52が図8(a)に示すシャッタ挿入部41cから脱落するのを防止する。
更に、シャッタ52には、図12(b)に示すように、現像剤封止部52aの背面側に図8(a)に示すフランジ部材41のシャッタ挿入部41c上を摺動する摺動面52iが設けられている。シャッタ52は、図12(a),(b)に示すように、現像剤の補給容器1がシャッタ52に対して相対移動することが可能である。
シャッタ52には、ストッパ部52b,52cが設けられている。ストッパ部52b,52cは、画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに対する現像剤の補給容器1の着脱動作に伴って、図20に示す画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに設けられたシャッタストッパ部100d,100eに保持される。
更に、シャッタ52には、ストッパ部52b,52cが変位可能となるように支持する支持部52dを有しており、該支持部52dは、現像剤封止部52aから延設されて弾性変形可能に設けられている。
図12(a),(b)に示すシャッタ52の現像剤封止部52aに設けられる排出口52hは、現像剤の重力により不用意に現像剤が排出されないように極力小さくすることが望ましい。本参考例では、丸穴からなる排出口52hの直径を約2mmに設定している。
これにより現像剤の補給容器1を図17(a)に示す容器受入れ部100hへ着脱する際のシャッタ52の開閉動作に伴って現像剤が排出口52hから不用意に排出されてしまい、その周辺が現像剤で汚れてしまうのを可及的に防止する。
本参考例では、現像剤の補給容器1の下面側となる図8(b)に示す開口シール貼付け面41mに貼り付ける図11(a)に示す開口シール41gにシール穴41jを設け、更に、図12(a),(b)に示すシャッタ52に排出口52hを設けた。これに限らず、開口シール41gのシール穴41jとシャッタ52の排出口52hとは、現像剤の補給容器1に対して任意の位置に設定することができる。
<ポンプ部>
次に図13を用いてポンプ部54の構成について説明する。図13はポンプ部54の構成を示す側面図である。図13に示すポンプ部54は、現像剤の補給容器1の内圧を周期的に変化させるように図13の矢印A,B方向に往復動作する。ポンプ部54は、図17に示すモータ500により回転駆動されるギア25に噛合する図7(a)に示すギアからなる駆動入力部30cが受けた回転駆動力により図13の矢印A,B方向に往復動作する。これにより図3に示す現像剤の補給容器1の内圧を周期的に変化させる。
図13に示すポンプ部54の開口端側(図13の右側)には、図8(a)に示すフランジ部材41に設けれらた接合部41dの内周面に設けられたネジ部と接合可能なネジ部が外周面に設けられた接合部54bが設けられている。本参考例では、図13に示すポンプ部54の接合部54bとしてネジ部が形成された構成を例示している。
更に、図13に示すポンプ部54の他端側(図13の左側)には、詳しくは図4及び図14(a),(b)に示して後述する往復部材51と同期して変位するために該往復部材51のポンプ部54に係合する係合部51aと係合する係合部54cを備えている。
本参考例では、図12(a),(b)に示すシャッタ52の現像剤封止部52aに設けられる比較的小径を有する排出口52hから現像剤を安定的に排出させる。そのために図3に示すように、現像剤の補給容器1の現像剤収容部1A2に連通されたポンプ部54を設けている。
本参考例のポンプ部54は、その容積が可変である容積可変型ポンプにより構成されている。このポンプ部54の伸縮動作により現像剤の補給容器1内の圧力を変化させ、その圧力を利用して現像剤の排出を行なっている。
本参考例のポンプ部54は、図13に示すように、山折り部と谷折り部とが周期的に形成された蛇腹状の伸縮部54aが設けられている。その折り目を基点として、伸縮部54aは折り畳まれたり、伸びたりすることができる。
本参考例のポンプ部54の材料としては、ポリエチレン(Polyethylene;PE)樹脂を採用したが、これに限定されるものではない。ポンプ部54の材料に関しては、伸縮機能を発揮し容積変化によって図3に示す現像剤の補給容器1の内圧を変化させることができる材料であれば種々の材料が適用出来る。
ポンプ部54の材料としては、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene copolymer;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)が適用出来る。更に、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、ポリエステル(polyester)、ポリプロピレン(Polypropylene;PP)等が適用出来る。これらを薄肉で形成したものでも構わない。
また、ゴムやその他の伸縮性材料等を使用することも可能である。更に、ポンプ部54の役割は、図5に示す現像剤収容部1A2の内圧を変化させることである。そのためポンプ部54の代わりにピストン等を使用することも可能である。
<駆動変換手段>
次に図4及び図14を用いて駆動変換手段となる往復部材51の構成について説明する。図14(a),(b)は往復部材51の構成を示す斜視図である。図14(a),(b)に示すように、往復部材51は、図13に示すポンプ部54の容積を変化させるために該ポンプ部54に設けられた係合部54cに係合する図14(b)に示す係合部51aを備えている。
更に、往復部材51は、図3に示すように、容器本体1Aに組み立てられた際に、図7(a),(b)に示すカムギアリング30の外周面に全周に亘って形成されたカム溝30aに摺動自在に嵌め込まれる係合突起部51bを備えている。図14(a),(b)に示すように、係合突起部51bは全体がU字形状の往復部材51の両端部に内側に向かって突設されている。
図14(a),(b)に示すように、係合突起部51bは、図13に示すポンプ部54の係合部54cに係合する係合部51aの近傍から延在するアーム51cの先端部に設けられている。
また、往復部材51は、図15(b)に示すカバー部材53の往復部材51を摺動自在に保持する保持部53bによって図15(a)の矢印A,B方向にのみスライド可能に保持される。
図7(a),(b)に示すカムギアリング30の外周面に全周に亘って形成されたギアからなる駆動入力部30cが図17(a)に示すギア25から回転駆動力を受ける。すると、図3に示すように、カムギアリング30に固定された容器本体1Aが該カムギアリング30と一体的に図3に示す回転軸Qを中心に図3の矢印R方向に回転する。
カムギアリング30の回転により該カムギアリング30の外周面の全周に亘って形成されたカム溝30aも容器本体1Aと一体的に回転する。
図4に示すように、往復部材51には、カムギアリング30の外周面の全周に亘って形成されたカム溝30aに嵌め込まれて該カム溝30aに沿って摺動自在に設けられた係合突起部51bのカム作用が働く。更に、図15(b)に示すカバー部材53の保持部53bに沿って摺動自在に嵌合されたアーム51cの作用が働く。これらの作用により図3の矢印A,B方向へ往復動作する。
往復部材51の図3の矢印A,B方向への往復動作に同期して、一端が図8(a)に示すフランジ部材41の接合部41dに接合され、他端が図14(b)に示す往復部材51の係合部51aに係合されたポンプ部54が図3の矢印A,B方向へ伸縮運動する。
ポンプ部54が図3の矢印A,B方向へ伸縮運動するとき、カバー部材53、往復部材51、フランジ部材41、ポンプ部54等は図3に示す回転軸Qを中心に図3の矢印R方向に回転していない。つまり、カバー部材53、往復部材51、フランジ部材41、ポンプ部54等と、カムギアリング30とは相対的に回転する。これにより往復部材51やポンプ部54が図3の矢印A,B方向へ往復動作する構成となっている。
<カバー部材>
次に図15、図16及び図19を用いてカバー部材53の構成について説明する。図15(a),(b)はカバー部材53の構成を示す斜視図である。図16はカバー部材53をポンプユニット60に組み付けた状態の現像剤の補給容器1のカバー部材53の周辺の構成を示す断面図である。
図16に示すように、カバー部材53は、ポンプユニット60を構成する各部品の保護と、ユーザのアクセス防止を目的として、往復部材51とポンプ部54の全体を覆うように構成される。カバー部材53は、図3に示すように、フランジ部材41と一体的に設けられている。
また、図15(a),(b)に示すように、カバー部材53には、図20に示す画像形成装置100本体に設けられる容器受入れ部100hに設けられた挿入ガイド100fと係合するガイド溝53aが設けられている。これにより現像剤の補給容器1を該容器受入れ部100hに装着する際にカバー部材53のガイド溝53aが挿入ガイド100fに沿ってガイドされる。
更に、カバー部材53には、図3に示す回転軸Qを中心とした往復部材51の回転変位を規制するために該往復部材51のアーム51cが摺動自在に嵌入される嵌合溝からなる保持部53bが設けられている。
図2に示すように、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに挿入して装着する。その際に、図15(a)に示すカバー部材53の突き当て部53cが図20に示す容器受入れ部100hのカバー突き当て部100gと当接する。これにより容器受入れ部100hに対する現像剤の補給容器1の装着が完了する。
更に、本参考例のカバー部材53の天端部には、図15(a),(b)に示す断面L字形状の規制部材70が設けられている。図19(a)に示すように、現像剤の補給容器1が容器受入れ部100hに装着されていない状態がある。その状態では、規制部材70の先端部に設けられたギア形状の規制部70aがカムギアリング30のギアからなる駆動入力部30cと噛合して係合した状態(ロック状態)となっている。これによりカムギアリング30とカバー部材53とが相対的に回転することを規制している。
また、カバー部材53に対して、該カバー部材53以外の現像剤の補給容器1は、画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対する該現像剤の補給容器1の挿入方向である図16の矢印A方向に相対的に移動可能に組み付けられている。
更に、現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hに装着する前には、図16に示すように、カバー部材53の突き当て部53dと、フランジ部材41のカバー突き当て部41aとの間に隙間Gがある。その状態で、図8(a)に示すフランジ部材41に設けられたカバー係合爪41lと、図15(b)に示すカバー部材53に設けられた係合部53eとが係合して該カバー部材53とフランジ部材41とが固定されている。
<容器受入れ部>
次に図17を用いて画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hの構成について説明する。図17(a)は画像形成装置100本体に設けられる容器受入れ部100hの構成を示す斜視図である。図17(b)は容器受入れ部100hに設けられる再ロック突起部100jの構成を示す拡大斜視図である。図17(c)は再ロック突起部100jの構成を示す側面図である。
図17(a)に示すように、画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対して現像剤の補給容器1は図17(a)の矢印A方向から挿入される。容器受入れ部100hには、図17(a)の矢印A方向の下流側(奥側)にカバー突き当て部100gが設けられている。
容器受入れ部100hに対して現像剤の補給容器1を図17(a)の矢印A方向に挿入する際には、図3に示すカバー部材53の突き当て部53cが図17(a)に示す容器受入れ部100hのカバー突き当て部100gに突き当たる。これにより現像剤の補給容器1に設けられたカバー部材53の装着が完了する。
また、図17(a)〜(c)に示すように、容器受入れ部100hには、片持ち梁からなるアーム部100kの先端に爪部からなる再ロック突起部100jが設けられている。再ロック突起部100jの側面100j1,100j2は、図17(c)の矢印A,B方向に対して、それぞれ角度θを有する傾斜面で構成されている。
これにより画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対して現像剤の補給容器1を図17(c)の矢印A,B方向にスライド移動して着脱する。その際に、再ロック突起部100jの側面100j1,100j2に現像剤の補給容器1のカバー部材53が当接押圧する。
これにより該再ロック突起部100jの側面100j1,100j2に図17(c)の矢印A,B方向の力がかかる。その際に、その力を図17(c)の矢印A,B方向に対して垂直な図17(c)の矢印E方向の力に変換してアーム部100kが図17(c)の矢印E方向に撓むことができる。
<現像剤の排出原理>
次に図3、図9及び図12を用いて画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに装着された現像剤の補給容器1からの現像剤の排出動作について説明する。図3に示す現像剤の補給容器1が回転軸Qを中心として矢印R方向に回転する。これにより容器本体1Aの内壁面に形成された螺旋状の突起部1A1の回転に伴って現像剤が容器本体1A内を図3の矢印A方向へ搬送される。
図3に示す螺旋状の突起部1A1に沿って容器本体1A内を図3の矢印A方向へ搬送された現像剤は、やがてバッフル部材40に到達する。次に現像剤の補給容器1と一体的に回転するバッフル部材40により掻き揚げられた現像剤が該バッフル部材40の傾斜突起部40a1,40a2の表面上を滑り落ちる。
そして、該傾斜突起部40a1,40a2によって図9(b)に示すフランジ部材41の現像剤貯留部41f内へ搬送される。この動作を繰り返すことによって、現像剤の補給容器1内部の現像剤は順次、撹拌しながら搬送されてフランジ部材41の現像剤貯留部41f内に一定量貯留される。
一方、図4に示すように、現像剤の補給容器1と一体的に回転するカム溝30a内に往復部材51の係合突起部51bが摺動自在に嵌合されている。これにより現像剤の補給容器1と一体的に回転するカム溝30aに沿って往復部材51の係合突起部51bが図3の矢印A,B方向に移動する。これにより図15(b)に示すカバー部材53に設けられた保持部53b内を摺動して移動自在に設けられた往復部材51が図3の矢印A,B方向に往復移動する。
そして、往復部材51の往復移動と同期してポンプ部54は伸縮動作を繰り返し行う。ポンプ部54が圧縮されると、現像剤の補給容器1の内部が加圧状態となる。そして、その圧力により押し出される形で図9(b)に示す現像剤貯留部41fに一定量貯留された現像剤が図12(a),(b)に示すシャッタ52の排出口52hから一定量排出される。
ポンプ部54を伸長させたときには、現像剤の補給容器1の内部が減圧状態になる。これにより外部から図12(a),(b)に示すシャッタ52の排出口52hを介して現像剤の補給容器1の内部にエアーが取り込まれる。この取り込まれたエアーにより図12(a),(b)に示す排出口52hや図9(b)に示す現像剤貯留部41f付近の現像剤が解れ、次の現像剤の排出がスムーズに行なわれる。ポンプ部54が伸縮動作を繰り返し行うことで現像剤の補給容器1の内部から現像剤の排出が行なわれる。
<現像剤の補給容器の装着動作>
次に図17〜図19を用いて画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対する現像剤の補給容器1の装着動作について説明する。図17(a)は容器受入れ部100hの構成を示す斜視図である。図17(b),(c)は再ロック手段となる再ロック突起部100jの構成を示す斜視図及び側面図である。図18(a)〜(c)は現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hに挿入して装着する様子を段階的に示す断面図である。
図19(a)は、容器受入れ部100hに対する現像剤の補給容器1の装着状態が図18(a),(b)に示す状態にある。そのときのカムギアリング30の駆動入力部30cと、カバー部材53の規制部材70の規制部70aとが係合した様子を示す拡大斜視図である。
図19(b)は、容器受入れ部100hに対する現像剤の補給容器1の装着状態が図18(c)に示す状態にある。そのときのカムギアリング30の駆動入力部30cと、カバー部材53の規制部材70の規制部70aとの係合が解除された様子を示す拡大斜視図である。
図18(a)は画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに現像剤の補給容器1を図18(a)の矢印A方向へ挿入して装着を開始した状態である。図17(a)及び図20に示す容器受入れ部100hに設けられた挿入ガイド100fと、図15(a),(b)に示すポンプユニット60のカバー部材53に設けられたガイド溝53aとが係合する。これによりポンプユニット60は容器受入れ部100hに対して図3の回転軸Qを中心に回転しないように保持される。
そのまま現像剤の補給容器1を図18(a)の矢印A方向にスライド移動させると、カバー部材53が図17(c)に示す再ロック突起部100jの側面100j2に当接摺動して該再ロック突起部100jが図17(c)の矢印E方向に押圧される。これによりアーム部100kが根元部100k1を中心に図17(c)の矢印E方向に撓んでカバー部材53の進路上から退避する。
そこから更に現像剤の補給容器1を図18(a)の矢印A方向にスライド移動させてカバー部材53が再ロック突起部100jを通り過ぎる。すると、アーム部100kが自身の弾性力により復元して再ロック突起部100jは図17(c)に示すカバー部材53の進路上に戻る。
その後、図18(b)に示すように、カバー部材53の突き当て部53cと、容器受入れ部100hのカバー突き当て部100gとが突き当たる。このとき、図8(a)に示すカバー係合爪41lが容器受入れ部100hに設けられた図示しない係合部により押圧されて弾性変形し、カバー部材53とフランジ部材41との係合が解除される。
この状態から更に現像剤の補給容器1を図18(b)の矢印A方向へスライド移動させる。すると、フランジ部材41との係合が解除されたカバー部材53以外の現像剤の補給容器1が図18(b)の矢印A方向へ移動する。
図19(a)に示すように、カムギアリング30の駆動入力部30cと、カバー部材53の規制部材70の規制部70aとが係合している。その状態から、図19(b)に示すように、カムギアリング30の駆動入力部30cと、カバー部材53の規制部材70の規制部70aとの係合が解除される。
これによりカムギアリング30と、カバー部材53とが相対的に回転が可能となり、カムギアリング30の回転により往復移動する往復部材51を介してポンプ部54の往復動作も可能となる。
そして、図18(c)に示すように、フランジ部材41のカバー突き当て部41aがカバー部材53の突き当て部53dに突き当たるまで現像剤の補給容器1を図18(c)の矢印A方向へスライド移動させることで、該現像剤の補給容器1の装着が完了する。
即ち、規制手段となる規制部材70は、図18(c)及び図19(b)に示すように、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに装着する動作に伴って駆動入力部30cの回転規制を解除する。
このとき、フランジ部材41に設けられたシール穴41jがシャッタ52に設けられた排出口52hと重なることで連通する。そして、現像剤の補給容器1内の現像剤がフランジ部材41に設けられた現像剤貯留部41fからシール穴41j、シャッタ52に設けられた排出口52hを介して画像形成装置100本体の現像剤ホッパ部201a内に現像剤の補給が可能となる。
<現像剤の補給容器の取り出し動作>
次に図18及び図21を用いて現像剤の補給容器1の取り出し動作について説明する。図21は現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hから取り出す途中の規制部材70の周辺の構成を段階的に示す断面説明図である。
画像形成装置100の画像形成プロセス動作に伴なって現像剤の補給容器1内の現像剤が略全量消費される。すると、画像形成装置100本体に設けられた図示しない現像剤検知手段によって現像剤の補給容器1内の現像剤が無くなったことが検知される。そして、その旨が図2に示す画像形成装置100本体に設けられた液晶表示部100bによりユーザに知らされる。
画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hからの現像剤の補給容器1の取り出しはユーザ自身が行う。その取り出し手順は以下の通りである。先ず、閉じられた状態の図2に示す前カバー15を図2に示す位置まで開く。このとき、図19(b)に示すように、カバー部材53の規制部材70の規制部70aと、カムギアリング30の駆動入力部30cとの係合は解除された状態である。これによりカバー部材53とカムギアリング30とは相対的に回転可能な状態である。
次に、現像剤の補給容器1を図18(c)及び図21(a)の矢印B方向にスライド移動する。すると、図21(a)に示すカバー部材53に設けられた規制部材70の端面70bが容器受入れ部100hに設けられた再ロック突起部100jの図17(c)に示す側面100j1に当接する。そして、カバー部材53の図21(a)の矢印B方向へのスライド移動が規制される。
図21(a)に示す状態から更にユーザが現像剤の補給容器1を図21(a)の矢印B方向にスライド移動させる。これにより再ロック突起部100jにより規制されたカバー部材53以外の現像剤の補給容器1が図21(b)の矢印B方向へスライド移動する。
そして、図19(a)及び図21(b)に示すように、カバー部材53の規制部材70の規制部70aがカムギアリング30の駆動入力部30cと係合する。これにより再び、カムギアリング30とカバー部材53との相対的な回転が規制される。
即ち、規制部材70は、図21(b)及び図19(a)に示すように、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hから取り出す動作に伴って駆動入力部30cの回転を規制する状態となる。
図21(b)に示す状態から更にユーザが現像剤の補給容器1を図21(b)の矢印B方向へスライド移動させる。すると、図21(c)に示すように、カバー部材53に設けられた規制部材70の端面70bが容器受入れ部100hに設けられた再ロック突起部100jの図17(c)に示す側面100j1に当接摺動する。そして、アーム部100kの弾性力に抗して再ロック突起部100jを図21(c)の矢印E方向に押圧する。
これによりアーム部100kが根元部100k1を中心に図21(c)の矢印E方向に撓んで再ロック突起部100jがカバー部材53の進路上から退避する。これにより規制部材70と再ロック突起部100jとが離間して、現像剤の補給容器1は再度、図21(c)の矢印B方向へスライド移動が可能となる。
次にユーザは、空の現像剤の補給容器1を図18(a)の矢印B方向に引き出し、容器受入れ部100hから該現像剤の補給容器1を取り出す。以上が現像剤の補給容器1の取り出し動作である。
特許文献1の技術では、ポンプ部54の動作開始位置が適正となる回転部と非回転部との位相の範囲が約120°あった。回転部の回転を規制できる位相は約5°であるため厳密に位相を合わせる必要があった。
一方、本参考例では、図7(b)に示すように、駆動入力部30cは、カムギアリング30の全周に亘って形成されている。このため図19(a)に示すように、回転部であるカムギアリング30と、非回転部であるカバー部材53とがポンプ部54の動作開始位置となる範囲である約120°の中のどのような位相にあっても以下の通りである。
カムギアリング30に設けられたギアからなる駆動入力部30cと、カバー部材53に設けられた規制部材70のギア形状の規制部70aとが噛合して係止される。これにより該カムギアリング30とカバー部材53との相対的な回転を規制すること(再ロック)が可能となっている。
本参考例によれば、生産時に回転部と非回転部の位相決めをする際に、ポンプ部54が所定の動作開始位置であるような位相であれば、どのような位相でも組み立てることができる。これにより現像剤の補給容器1の生産効率が向上する。
また、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられる容器受入れ部100hから取り出したときにも確実に回転部となる容器本体1Aの回転を規制することができ、ポンプ部54の動作開始位置を適正に保つことができる。
[第1実施形態]
次に、図22及び図23を用いて本発明に係る現像剤の補給容器の第1実施形態の構成について説明する。尚、前記第1参考例と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本実施形態は、前記第1参考例とはカバー部材53に設けられた規制部材70の構成が異なる。本実施形態では、図23(a)に示すように、駆動入力部30cの外周面は、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられる容器受入れ部100hに装着していない状態では、規制手段となる規制部材70により覆われている状態である。
本実施形態の規制部材70は、カムギアリング30の外周面に全周に亘って形成されたギアからなる駆動入力部30cに対応して内周面の全周に亘ってギアからなる規制部70aが設けられた筒状部材により構成される。規制部材70の外周面の一部には切り欠き部70cが設けられている。
図23(b)に示すように、現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられる容器受入れ部100hに装着する。その状態では、駆動入力部30cの外周面の少なくとも一部が規制部材70の外周面の一部に設けられた切り欠き部70cから露出して該規制部材70により覆われていない状態になる。それ以外の構成は前記第1参考例と同様であるため重複する説明は省略する。
図22は本実施形態におけるカバー部材53の構成を示す斜視図である。本実施形態では現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体の容器受入れ部100hに装着していない状態において、カバー部材53の端部に設けられる規制部材70はカムギアリング30のギアからなる駆動入力部30cの全周を覆うように形成されている。これによりカバー部材53の規制部材70により物流時の落下等の衝撃から駆動入力部30cを保護することが出来る。
図23(a)は現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hに装着していない状態における該現像剤の補給容器1の構成を示す側面図である。図23(a)に示す状態では、現像剤の補給容器1の駆動入力部30cはカバー部材53の規制部材70により全周に亘って覆われている。
図23(a)に示す状態から前記第1参考例と同様に現像剤の補給容器1の装着操作を行なう。これによりカバー部材53と、該カバー部材53以外の現像剤の補給容器1とが相対的に図23(b)の矢印A,B方向にスライド移動する。
これにより図23(b)に示すように、駆動入力部30cが規制部材70の一部に設けられた切り欠き部70cから露出される。
その後、現像剤の補給容器1が容器受入れ部100hに対する装着完了位置に移動される。これにより現像剤の補給容器1のカムギアリング30に設けられたギアからなる駆動入力部30cと、容器受入れ部100hに設けられたギア25とが噛合する。これにより容器受入れ部100hに設けられたギア25から現像剤の補給容器1に回転駆動力が伝達できる。
その後、現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hから取り出す際には、前記第1参考例と同様の操作によりカムギアリング30とカバー部材53との相対的な回転が再度規制される。他の構成は前記第1参考例と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
[第2参考例]
次に、図24及び図25を用いて現像剤の補給容器の第2参考例の構成について説明する。尚、前記第1参考例及び第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
本参考例は、前記第1参考例とは再ロックの構成が異なる。即ち、本参考例では、カバー部材53に設けられた規制手段となる規制部材70は、コイルバネからなる弾性部材43の伸長力(付勢力)により駆動入力部30cと係合する方向(図24及び図25(a)〜(c)の左右方向)に付勢されている。
そして、図25(a)の矢印B方向に現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hから取り出す。その際には、弾性部材43の伸長力(付勢力)によりカバー部材53と、該カバー部材53以外の現像剤の補給容器1とが離間する方向(図25(a)の左右方向)に付勢される。
これによりカムギアリング30の外周面に設けられたギアからなる駆動入力部30cと、カバー部材53に設けられた規制部材70のギア形状の規制部70aとが噛合して係合する。その他の構成については、前記第1参考例と同様であるため再ロックの構成以外の部分の重複する説明は省略する。
<現像剤の補給容器の装着動作>
図24は本参考例の現像剤の補給容器1のポンプ部54の周辺の構成を示す断面図である。図25(a)〜(c)は画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対して現像剤の補給容器1を装着、或いは、取り出す様子を段階的に示す断面図である。
本参考例では、図24に示すように、ポンプ部54と、カバー部材53との間に弾性部材43が接続されている点が特徴である。本参考例において弾性部材43はコイルバネで構成される。弾性部材43は、カバー部材53と、ポンプ部54とのそれぞれから突出した図示しないリブに各端部が嵌合することで係止されている。
図25(a)は画像形成装置100本体に設けられた容器受入れ部100hに対して現像剤の補給容器1を装着する途中の状態を示す断面説明図である。図25(a)に示す状態から図25(a)の矢印A方向に現像剤の補給容器1をスライド移動させる。
これにより前記第1参考例と同様に、図25(b)に示すように、現像剤の補給容器1のカバー部材53の先端部に設けられた突き当て部53cが容器受入れ部100hに設けられたカバー突き当て部100gに突き当たる。
図25(b)に示す状態では、カバー部材53の図25(b)の矢印A方向への移動が規制される。更に、弾性部材43の伸長力に抗して現像剤の補給容器1を図25(b)の矢印A方向にスライド移動させる。
すると、カバー部材53を除いた現像剤の補給容器1が図16に示す隙間G分だけ図25(c)の矢印A方向にスライド移動する。このとき、弾性部材43は図25(c)に示すように収縮状態になる。この状態で現像剤の補給容器1の装着動作が完了する。
このとき、現像剤の補給容器1は容器受入れ部100h側に設けられた図示しない係合部によって係止されて図25(c)の矢印B方向への移動が規制されている。このため弾性部材43の伸長力(弾性力)によって現像剤の補給容器1が図25(c)の矢印B方向へ移動することはない。
<現像剤の補給容器の取り出し動作>
前記第1参考例と同様に、先ず、図2に示すように、閉じられた状態の前カバー15を図2に示す位置まで開く。このとき、フランジ部材41に設けられたシール穴41jがシャッタ52に設けられた排出口52hと重なることで連通している。これにより現像剤の補給容器1から画像形成装置100本体に設けられた現像剤ホッパ部201aに対して現像剤の補給が可能な状態である。
次にユーザが図25(c)に示す状態の現像剤の補給容器1を図25(c)の矢印B方向にスライド移動させる。このとき、弾性部材43の伸長力(弾性力)によってカバー部材53は図25(c)の矢印A方向に付勢されている。このためカバー部材53を除いた現像剤の補給容器1が図25(c)の矢印B方向へスライド移動する。
カバー部材53と、カムギアリング30とが互いに離間する図25(c)の矢印A,B方向に相対的に移動する。これにより図25(b)に示すように、カバー部材53に設けられた規制部材70のギア形状の規制部70aと、カムギアリング30に設けられたギアからなる駆動入力部30cとが再度噛合して係合された状態になる。これによりカバー部材53と、カムギアリング30とは相対的な回転が規制される。
図25(b)に示す状態では、弾性部材43の圧縮状態が完全に解除された状態である。図25(b)に示す状態から更に現像剤の補給容器1を図25(b)の矢印B方向へスライド移動させる。
すると、図25(a)に示すように、カバー部材53も現像剤の補給容器1と一体的に図25(a)の矢印B方向へスライド移動する。これによりユーザはカバー部材53も一体として現像剤の補給容器1を画像形成装置100本体の容器受入れ部100hから取り出すことができる。
前記第1参考例では、ユーザの不用意の操作によりカバー部材53に設けられた規制部材70によるカムギアリング30のロックが外れた場合、回転部となるカムギアリング30の回転規制ができなくなる懸念がある。
本参考例では、弾性部材43の伸長力(弾性力)によってカバー部材53に設けられた規制部材70によりカムギアリング30の外周面に設けられた駆動入力部30cの再ロックを行う。
これにより現像剤の補給容器1を容器受入れ部100hに装着する前にユーザの不用意な操作により規制部材70によるカムギアリング30のロックが外れたとしても、弾性部材43の伸長力(弾性力)により自動的に再ロックがかかる。
これにより回転部となるカムギアリング30の回転規制の信頼性が高くなる。また、図17(b),(c)に示す再ロック突起部100jが不要となるため容器受入れ部100hの構成が簡易化できる。他の構成は前記第1参考例及び第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。