JP6414979B2 - 一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒 - Google Patents

一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒 Download PDF

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Description

本発明は、一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒に関する。
固体高分子形燃料電池は、作動温度が低いために取り扱いが容易であり、起動時間が速い等、起動性、運転操作性にも優れ、更に、電流密度が高く、小型軽量化が可能であること等から、小容量電源や移動電源として注目されている。固体高分子形燃料電池では、アノード触媒としては主としてPt触媒が用いられているが、天然ガス、メタノール、ガソリン等を改質して得られる水素を燃料とする場合には、改質によって生じた一酸化炭素が、Ptに強く吸着して、触媒機能を大きく低下させるという問題がある。
この様な一酸化炭素による触媒被毒を受けやすい低温型燃料電池の燃料極として、遷移金属又はその合金と、特定の有機金属錯体を組み合わせて用いた耐一酸化炭素被毒性を有する燃料極用触媒等が報告されている(例えば、特許文献1等)。しかしながら、一酸化炭素を積極的に酸化除去するために有効な触媒はほとんど報告されていない。
このような一酸化炭素を酸化除去するための触媒及び一酸化炭素除去装置に使用される触媒としては、例えば、ロジウムポルフィリン又はその誘導体が知られている(例えば、特許文献2等)。しかしながら、これらロジウムポルフィリン又はその誘導体は、反応過電圧が十分低いとは言えず、低い電位領域での一酸化炭素酸化除去の触媒活性は十分ではなかった。
一方、一酸化炭素を電気的に検出するガスセンサとして、プロトン導電体にイオン化電極と参照電極とを接続し、イオン化電極における一酸化炭素の酸化反応によって生じるプロトン電流を検出して、一酸化ガス濃度を測定する構造のセンサが知られている(特許文献3)。しかしながら、このガスセンサでは、イオン化電極として、Pt等の貴金属触媒が多量に用いられているためにコストが高く、しかも一酸化炭素を酸化する際の過電圧が大きいために、検出感度が劣るという欠点がある。
さらに、一酸化炭素を含む気体を、キノン類を含む溶液に接触させて一酸化炭素を除去する方法において、一酸化炭素を除去するための触媒としてロジウムポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等が使用されることも知られている(例えば、特許文献4等)。しかしながら、ロジウムポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等は、反応性が小さいために、やはり一酸化炭素酸化除去の触媒活性は十分ではなかった。
特開2002−329500号公報 特開2006−261086号公報 特開平5−39509号公報 国際公開第2012/165459号
本発明は、上記した様な従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、燃料電池のアノード極、一酸化炭素センサ、電気化学的一酸化炭素除去装置、一酸化炭素をキノンにより除去する装置等における使用に適した、一酸化炭素の電気化学的酸化反応に有効な新規な触媒を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ロジウムテトラアザアヌレン錯体が、反応式:
CO+HO→CO+2H+2e
で示される電気化学的一酸化炭素酸化反応に対する触媒能を有することを見出した。しかも、該ロジウムテトラアザアヌレン錯体は、反応過電圧が小さく、一酸化炭素酸化除去の触媒活性が高いことも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
Figure 0006414979
[式中、R〜R、R〜R及びR14は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換されていてもよいアルキル基;R〜R及びR10〜R13は同じか又は異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアルキル基;点線は配位結合である。]
で示されるロジウムテトラアザアヌレン錯体を有効成分とする一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
項2.前記一般式(1)において、R〜R及びR10〜R13がいずれも水素原子である、項1に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
項3.前記一般式(1)において、R〜R、R〜R及びR14がいずれも水素原子である、項1又は2に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
項4.前記ロジウムテトラアザアヌレン錯体が導電性担体に担持されている、項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
項5.前記導電性担体がカーボンブラックである、項4に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
項6.項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒、及びアノード触媒物質を含む、固体高分子形燃料電池用アノード極。
項7.項6に記載のアノード極を構成要素として含む、一酸化炭素を燃料とする固体高分子形燃料電池。
項8.項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を、一酸化炭素検出部における一酸化炭素の酸化用触媒成分として含む、一酸化炭素センサ。
項9.電解液、作用極、対極及び電源装置を含む、固体高分子形燃料電池用アノードガス中の一酸化炭素酸化除去装置において、作用極における一酸化炭素の酸化用触媒として、項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を含む、アノードガス中の一酸化炭素酸化除去装置。
項10.項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とキノン類を含む溶液を収容する密閉容器と、該溶液中に一酸化炭素を含む気体を導入するためのガス導入口と、該溶液中に酸素を含む気体を導入するための酸素含有気体導入口と、酸素含有気体排出口と、一酸化炭素を除去した気体を排出するためのガス排出口とを有する、一酸化炭素の除去装置。
項11.項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とキノン類を含む溶液を収容する密閉容器と、該溶液中に一酸化炭素を含む気体を導入するためのガス導入口と、一酸化炭素を除去した気体を容器外に排出するためのガス排出口と、作用電極と、対極とを有する、一酸化炭素の除去装置。
項12.キノン類の還元体を燃料とする固体高分子形燃料電池と、キノン類を還元体に変換する燃料再生装置とを備えた燃料再生型燃料電池であって、
該燃料再生装置が、項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を含む溶液を収容する密閉容器と、燃料電池でのアノード反応後のキノン類を含む溶液を該容器中に供給する供給口と、該溶液中に一酸化炭素を導入するためのガス導入口と、二酸化炭素を含む気体を該容器から排出するガス出口と、キノン類の還元体を燃料電池に供給するための燃料供給口を備えていることを特徴とする、燃料電池。
項13.項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を有効成分とする、キノン類を電子受容体とする一酸化炭素の酸化用触媒。
本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒によれば、ロジウムテトラアザアヌレン錯体を使用しているため、一酸化炭素を低い過電圧で効率よく酸化させることができる。
また、導電性担体がカーボンブラックである場合には、該ロジウムテトラアザアヌレン錯体を原子単位に近い状態で分散担持させることができるので、触媒金属の使用量を大幅に減少することができ、安価で高活性の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とすることができる。
一酸化炭素酸化除去装置の概略図である。 実施例1(曲線A)及び実施例2(曲線B)で得たロジウムテトラアザアヌレン錯体担持カーボン触媒のリニアスイープボルタモグラムである。 実施例3で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持白金ルテニウム触媒のリニアスイープボルタモグラムである。
本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒は、一般式(1):
Figure 0006414979
[式中、R〜R、R〜R及びR14は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換されていてもよいアルキル基;R〜R及びR10〜R13は同じか又は異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアルキル基;点線は配位結合である。]
で示されるロジウムテトラアザアヌレン錯体を有効成分とする。
上記一般式(1)で表されるロジウムテトラアザアヌレン錯体は、反応式:
CO+HO→CO+2H+2e
で示される一酸化炭素の電気化学的酸化反応に対して優れた活性を有する。よって、該ロジウムテトラアザアヌレン錯体の存在下に一酸化炭素を電気化学的に酸化することによって、低い過電圧で効率よく一酸化炭素を酸化することが可能である。
一般式(1)において、R〜R、R〜R及びR14で示されるアルキル基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の低級アルキル基(特に炭素数1〜10、特に1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)が挙げられる。また、このアルキル基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等の0〜6個(特に0〜3個)で置換されていてもよい。
一般式(1)において、R〜R、R〜R及びR14としては、一酸化炭素をより低い過電圧で酸化することができる観点から、いずれも水素原子が好ましい。
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R13で示されるハロゲン原子としては、特に制限されないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R13で示されるアルキル基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の低級アルキル基(特に炭素数1〜10、特に1〜6程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)が挙げられる。また、このアルキル基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等の0〜6個(特に0〜3個)で置換されていてもよい。
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R13としては、一酸化炭素をより低い過電圧で酸化することができる観点から、いずれも水素原子又は置換されていてもよいアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記のような条件を満たすロジウムテトラアザアヌレン錯体としては、例えば、
Figure 0006414979
等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるロジウムテトラアザアヌレン錯体は、一般式(2):
Figure 0006414979
[式中、R〜R14及び点線は前記に同じである。]
で表されるテトラアザアヌレン化合物と、ロジウム原子とでキレートを形成することによって得ることができる。
具体的には、例えば、Inorganica Chimica Acta 25 (1977) 215-218に記載されている方法等に準じて合成することができる。即ち、有機溶媒中で、一般式(2)で表されるテトラアザアヌレン化合物とロジウムの塩、錯体等とを反応させることで目的とするロジウムテトラアザアヌレン錯体を得ることができる。具体的には、有機溶媒中で、一般式(2)で表されるテトラアザアヌレン化合物とロジウムの塩、錯体等とを溶解又は分散させ、その後、加熱処理を施し、必要に応じて精製処理を施すことにより、目的とするロジウムテトラアザアヌレン錯体を得ることができる。
ロジウムの塩、錯体としては特に制限されないが、収率等の観点から、ロジウムテトラカルボニルジクロリド(Rh2Cl2(CO)4)、塩化ロジウム(RhCl3)、六ロジウムヘキサデカカルボニル(Rh6(CO)16)等が好ましく、ロジウムテトラカルボニルジクロリド(Rh2Cl2(CO)4)がより好ましい。
ロジウムの塩、錯体等の使用量は、特に制限されないが、収率等の観点から、テトラアザアヌレン化合物1モルに対して、ロジウムの原子数で1.0〜2.0モルが好ましく、1.0〜1.5モルがより好ましい。
用いる有機溶媒は、テトラアザアヌレン化合物とロジウムの塩、錯体等が両方溶解すれば特に制限はないが、収率等の観点から、トルエン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン等が好ましい。その中でも特にトルエンが望ましい。
加熱温度は有機溶媒の沸点より低ければ特に制限はないが、収率等の観点から、例えば、30〜150℃程度が好ましく、80〜120℃程度がより好ましい。
加熱時間は反応が十分に進行する時間とすればよく、特に制限はないが、例えば、10分〜24時間程度が好ましく、30分〜5時間程度がより好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるロジウムテトラアザアヌレン錯体は、導電性担体に担持させることにより、錯体を良好に分散させ、錯体を有効に活用させることができる。また、導電性担体への担持により錯体と電極との電子移動を迅速に行われると考えられる。そのため、一酸化炭素の電気化学的酸化反応の過電圧をより小さく、一酸化炭素の電気化学的酸化反応の触媒活性をより高くすることができる。これは、該ロジウムテトラアザアヌレン錯体が、導電性担体との相互作用によって該担体に強固に吸着担持されるためと思われる。
導電性担体としては、特に限定はなく、例えば、従来から固体高分子形燃料電池用の触媒担体、一酸化炭素センサ、電気化学的一酸化炭素除去装置、一酸化炭素をキノンにより除去する装置等に用いられる各種の担体を用いることができる。この様な導電性担体の具体例としては、例えば、カーボンブラック(ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック等)、活性炭、黒鉛等の炭素質材料を挙げることができる。これらの内で、カーボンブラック(特にケッチェンブラック)は、上記一般式(1)で表されるロジウムテトラアザアヌレン錯体との相互作用が大きくロジウムテトラアザアヌレン錯体を分散担持させる働きが強く、更に、導電性に優れ、比表面積も大きいために、導電性担体として特に好ましい物質である。
導電性担体の形状等については特に限定はないが、例えば、平均一次粒子径が10〜1000nm程度が好ましく、1〜50nm程度がより好ましい。なお、導電性担体としてカーボンブラックを用いる場合には、例えば、BET法による比表面積が50〜1600m/g程度が好ましく、100〜1200m/g程度がより好ましい。この様なカーボンブラックの具体例としては、例えば、ケッチェンブラック、Vulcan XC-72R(Cabot社製)等を用いることができる。
導電性担体にロジウムテトラアザアヌレン錯体の担持方法としては、例えば、溶解乾燥法、気相法等の公知の方法を採用できる。
例えば、溶解乾燥法では、ロジウムテトラアザアヌレン錯体を有機溶媒に溶解させ、この溶液に導電性担体を加えて、必要に応じて撹拌することにより、該導電性担体にロジウムテトラアザアヌレン錯体を吸着させた後、必要に応じて有機溶媒を乾燥させることが挙げられる。また、有機溶媒中にロジウムテトラアザアヌレン錯体が多量に含まれる場合でも、平衡に達するまでロジウムテトラアザアヌレン錯体を導電性担体に吸着させた後、ろ過することによって、導電性担体に吸着していないロジウムテトラアザアヌレン錯体を除去して、該導電性担体と相互作用しているロジウムテトラアザアヌレン錯体のみを該導電性担体の表面に残すことができる。
この方法では、有機溶媒としては、ロジウムテトラアザアヌレン錯体を溶解できるものであれば、特に限定なく使用できる。例えば、トルエン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、イソプロパノール等を好適に用いることができる。
ろ過によって得られた分散物を、さらに有機溶媒を用いて洗浄液が透明になるまで洗浄すれば、導電性担体との相互作用の弱いロジウムテトラアザアヌレン錯体を洗い流すことができ、導電性担体に強固に吸着しているロジウムテトラアザアヌレン錯体のみを含む高活性な触媒を得ることができる。
気相法で担持させる場合には、例えば、プラズマ蒸着法、CVD法、加熱蒸着法等公知の方法を採用できる。
導電性担体上に担持させるロジウムテトラアザアヌレン錯体の量については、特に限定はないが、例えば、導電性担体1gに対して、ロジウムテトラアザアヌレン錯体を0.001〜0.8g程度、特に0.003〜0.6g程度担持させることが好ましい。
導電性担体上にロジウムテトラアザアヌレン錯体を担持させる方法は、上記方法のみに限定されることはなく、例えば、上記一般式(2)で示されるテトラアザアヌレン化合物を導電性担体上に担持してから、当該テトラアザアヌレン化合物とロジウム原子とでキレートを形成してもよい。テトラアザアヌレン化合物を導電性担体上に担持する方法は、上記したような溶液乾燥法、気相法等を採用することができる。具体的には、ロジウムテトラアザアヌレン錯体の代わりにテトラアザアヌレン化合物を用いること以外は上記説明した方法にしたがって、テトラアザアヌレン化合物を導電性担体上に担持することができる。その後、上記したInorganica Chimica Acta 25 (1977) 215-218に記載されている方法等に準じて導電性担体上に担持したテトラアザアヌレン化合物とロジウム原子とでキレートを形成することができる。
一般式(1)で表されるロジウムテトラアザアヌレン錯体を有効成分とする本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒は、一酸化酸素を選択性よく電気化学的に酸化させることができ、一酸化炭素により被毒しにくいので、この様な特性が要求される各種の用途に用いることができる。
例えば、天然ガス、メタノール、ガソリン等を改質して得られる一酸化炭素を含む水素ガスを燃料とする固体高分子形燃料電池において、アノード触媒物質と組み合わせて用いることによって、一酸化炭素を選択的に酸化除去して、耐一酸化炭素被毒性に優れたアノード極を得ることができる。
この場合のアノード極におけるアノード触媒物質としては、例えば、白金等の公知の触媒を用いることができる。本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とアノード触媒物質の割合は、特に限定的ではないが、例えば、前者100重量部に対して、後者1〜500重量部程度の範囲から適宜決めればよい。一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とアノード触媒物質は、それぞれ、別個の導電性担体に担持させて用いてもよく、或いは、同一の担体に担持させてもよい。同一の担体に担持させる場合には、例えば、白金等の触媒物質を担持させた担体上に、更に、上記した各種の方法でロジウムテトラアザアヌレン錯体を担持させる方法、ロジウムテトラアザアヌレン錯体を担持させた担体上に、更に、白金等の触媒物質を担持させる方法等を適用できる。
アノード極の構造、及びこのアノード極を用いる固体高分子形燃料電池の構造については、特に限定はなく、公知の燃料電池と同様とすればよい。
また、その他に、本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒は、例えば、電極反応を利用して一酸化炭素を検出するためのセンサとして用いることができる。この場合には、本発明の触媒を一酸化炭素の酸化用触媒として含むセンサを用い、検出方法としては、一酸化炭素の酸化反応によって生じる電流を検出する方法、電位差を検出する方法、プロトンを検出する方法等を採用できる。例えば、特公平5−39509号に記載されているガス検出装置におけるセンサと同様に、一酸化炭素を電極反応によって酸化させてプロトンを生成させるためのイオン化電極と、プロトン導電体と、プロトン導電体からプロトンを収受し、雰囲気中の酸素と反応させて水として排出するための参照電極とを有する、プロトン導電体ガスセンサとすることができる。この様な構造のガスセンサにおいて、イオン化電極における一酸化炭素の酸化用触媒として本発明の触媒を用いることができる。
また、その他に、本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒は、例えば、天然ガス、メタノール、ガソリン等を改質して得られる改質ガスをアノードガスとする固体高分子形燃料電池において、アノードガスを燃料電池に供給する前に、該アノードガスに含まれる一酸化炭素を電解によって酸化除去するための一酸化炭素酸化除去装置における一酸化炭素酸化用触媒として用いることができる。この様な一酸化炭素酸化除去装置は、例えば、電解液、作用極、対極及び電源装置を基本的な構成要素とするものである。
該一酸化炭素酸化除去装置の概略図を図1に示す。該一酸化炭素酸化除去装置は、基本的には、通常の各種電解装置と同様の構造とすることができる。電解液としては、例えば、0.1〜1M程度の硫酸溶液等を用いることができる。本発明の触媒は、作用極における一酸化炭素の酸化用触媒として用いる。作用極では、炭素電極等の導電体を基材として用い、導電性を有するバインダにより本発明の触媒を該基材に固定すればよい。対極については特に限定はなく、通常の電解装置で用いられる各種電極を使用できる。例えば、炭素電極等を用いることができる。電源装置としては、例えば、定電圧電源(ポテンショスタット)等を用いることができる。更に、作用極を所定の電位に設定するために、通常、電解質溶液中に参照電極を設置する。参照電極としても、通常の電解装置において用いられている各種の電極を用いることができる。例えば、銀/塩化銀電極等を用いることができる。
該一酸化炭素酸化除去装置では、例えば、電解液にアノードガスをバブリング等の方法で通気し、通気中に定電圧電源(ポテンショスタット)を使って参照極に対して作用極に正の電圧を印加することによって、アノードガス中に含まれる一酸化炭素を選択性よく電気化学的に酸化することができる。この際、作用極の触媒として本発明の触媒を用いることによって、低い過電圧で、燃料ガスを酸化することなく、一酸化炭素を電気化学的に酸化することができ、アノードガスの純化が可能となる。該一酸化炭素酸化除去装置からの排出ガスを固体高分子形燃料電池に供給することによって、純度の高い水素ガスを燃料電池に供給することが可能となる。
さらに、その他にも、本発明の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒は、例えば、キノン類を含む溶液に処理対象である一酸化炭素を含む気体を接触させることで、一酸化炭素を酸化させて、一酸化炭素濃度を低減することもできる。この際使用できる除去装置は、例えば、ロジウムテトラアザアヌレン錯体とキノン類とを含む溶液を収容する密閉容器と、該溶液中に一酸化炭素を含む気体(例えば、改質ガス)を導入するためのガス導入口と、該溶液中に酸素を含む気体(例えば、空気)を導入するための酸素含有気体導入口と、酸素含有気体排出口と一酸化炭素を除去した気体を排出して、例えば、燃料電池に供給するためのガス排出口を備えたものである。この装置では、酸素含有気体導入口と酸素含有気体排出口とを閉じた状態でガス導入口から一酸化炭素を含む気体(改質ガス)を導入し、ロジウムテトラアザアヌレン錯体とキノン類とを含む溶液中に該気体を通過させることによって、該気体に含まれる一酸化炭素を酸化して除去することができる。溶液中を通過した気体(改質ガス)は、ガス排出口から容器外に排出して、例えば、アノードガスとして燃料電池に供給することができる。このような処理方法及び処理装置としては、国際公開第2012/165459号に記載の方法及び装置が挙げられ、該公報の記載は、ロジウムポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等の代わりにロジウムテトラアザアヌレン錯体を使用すること以外はそのまま適用することができる。
以下、製造例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例において、配位子(ジヒドロジベンゾテトラアザアヌレン及びジヒドロジベンゾジメチルテトラアザアヌレン)は、既報(Chemistry of Heterocyclic Compounds, vol 23, pp316-320)にしたがって合成した。
製造例1:ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン(C 18 H 14 N 4 Rh:分子量389)の合成
Figure 0006414979
トルエン(70 mL)に、以下の式:
Figure 0006414979
で示されるジヒドロジベンゾテトラアザアヌレン(20.3 mg, 0.070 mmol)と、ロジウムテトラカルボニルジクロリド(Rh2Cl2(CO)4;15.3 mg, 0.039 mmol)とを加え、3.5時間60℃で溶液を攪拌した。さらに、温度を100℃に上昇させ1.5時間攪拌した。この反応溶液のASAP-MS(大気圧固体試料分析プローブ質量分析)を測定すると、生成物の分子イオンであるm/z 389のピークと生成物分子+Hのイオンであるm/z 390、生成物分子+2Hのイオンであるm/z 391が観測され、目的物の合成を確認した。
製造例2:ロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン(C 20 H 18 N 4 Rh:分子量417)の合成
Figure 0006414979
トルエン(50 mL)に、以下の式:
Figure 0006414979
で示されるジヒドロジベンゾジメチルテトラアザアヌレン(10.4 mg, 0.033 mmol)と、ロジウムテトラカルボニルジクロリド(Rh2Cl2(CO)4;7.8 mg, 0.020 mmol)とを加え、1時間100℃で溶液を攪拌した。この反応溶液のESI-MSを測定すると、生成物の分子イオンであるm/z 417のピークが観測され、目的物の合成が確認された。
実施例1:ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒の調製
製造例1で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレンのトルエン溶液35 mL(ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン錯体:14 mg)にカーボンブラック(ケッチェンブラック;平均一次粒子径:40 nm, 比表面積:800 m2/g)を30 mg加えた。容器を密閉した後、超音波洗浄器に1分掛けることにより分散性をよくした。
このケッチェンブラックを懸濁させた溶液を、マグネティックスターラーで3時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(孔径1.0 μm, 東洋濾紙(株)製)を用いて吸引濾過することにより溶媒を取り除いた。メンブレンフィルター上のカーボンブラックを回収してロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒を得た。
ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒の電気化学的一酸化炭素酸化活性の評価
上記した方法で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒5 mgを0.5 mLの混合溶媒(水:エタノール = 1: 1)に懸濁させたのち、5μLの5 % Nafion溶液(Aldrich製)を加えた。この懸濁液を5分間超音波洗浄器に掛けることで、よく分散させた後、回転ディスク電極(表面積0.0707 cm2)の上に2μLのせて乾燥させた。
触媒の一酸化炭素酸化活性評価はビー・エー・エス(株)製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。回転数の制御はビー・エー・エス(株)製の回転数制御装置(BAS RDE-1)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボンの回転ディスク電極を作用電極とし、白金電極を対極、可逆水素電極を参照電極として用いた。電解液としては0.1 M H2SO4を用いた。測定は55℃で行った。ただし、可逆水素電極は常温に設置した。
一酸化炭素ガスを電解セル中に7分間吹き込んだ後、電極を6400 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。このLSVを図2の「実施例1」として示す。酸化電流の上昇が観測され、COがロジウムジベンゾテトラアザアヌレン錯体の触媒作用で電気化学的に酸化されていることがわかる。一酸化炭素飽和下では−0.01 V(可逆水素電極基準)付近から酸化電流が上昇し始めており、一酸化炭素の酸化が低い過電圧で進行していることがわかる。また、5μAとなる際の電圧は1 mV、0.1 Vのときの電流値は181μAであり、比較例1〜3と比較して5μAとなる際の電圧が低く0.1 Vのときの電流値が高いことからも、一酸化炭素の酸化活性が高く、低い過電圧で反応が進行していることがわかる。
実施例2:ロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン担持カーボン触媒の作製
製造例2で得たロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレンのトルエン溶液40 mL(ロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン錯体:11 mg)にカーボンブラック(ケッチェンブラック;平均一次粒子径:40 nm, 比表面積:800 m2/g)を30 mg加えた。容器を密閉した後、超音波洗浄器に1分掛けることにより分散性をよくした。
このケッチェンブラックを懸濁させた溶液を、マグネティックスターラーで3時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(孔径1.0 μm, 東洋濾紙(株)製)を用いて吸引濾過することにより溶媒を取り除いた。メンブレンフィルター上のカーボンブラックを回収してロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン担持カーボン触媒を得た。
ロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン担持カーボン触媒の電気化学的一酸化炭素酸化活性の評価
触媒活性の評価は実施例1と同じ手法で行った。一酸化炭素ガスを電解セル中に7分間吹き込んだ後、電極を6400 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。このLSVを図2の「実施例2」として示す。酸化電流の上昇が観測され、COがロジウムジベンゾジメチルテトラアザアヌレン錯体の触媒作用で電気化学的に酸化されていることがわかる。一酸化炭素飽和下では0.02 V(可逆水素電極基準)付近から酸化電流が上昇し始めており、一酸化炭素の酸化が低い過電圧で進行していることがわかる。また、5μAとなる際の電圧は39 mV、0.1 Vのときの電流値は59.3μAであり、比較例1〜3と比較して5μAとなる際の電圧が低く0.1 Vのときの電流値が高いことからも、一酸化炭素の酸化活性が高く、低い過電圧で反応が進行していることがわかる。
比較例1:ロジウムテトラカルボキシフェニルポルフィリン担持カーボン触媒の作製
特開2008−036539号公報の実施例2にしたがって、ロジウムテトラカルボキシフェニルポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
ロジウムテトラカルボキシフェニルポルフィリン担持カーボン触媒の電気化学的一酸化炭素酸化活性の評価
触媒活性の評価は実施例1と同じ手法で行った。一酸化炭素ガスを電解セル中に7分間吹き込んだ後、電極を6400 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。このLSVを図2の「比較例1」として示す。一酸化炭素飽和下では0.05 V(可逆水素電極基準)付近から酸化電流が上昇し始めており、一酸化炭素酸化の過電圧が大きく、一酸化炭素の酸化活性が実施例1〜2より低いことが示されている。また、5μAとなる際の電圧は110 mV、0.1 Vのときの電流値は3.6μAであり、実施例1〜2と比較して5μAとなる際の電圧が高く0.1 Vのときの電流値が低いことからも、一酸化炭素の酸化活性が低く、過電圧が大きいことがわかる。
比較例2:ロジウムジューテロポルフィリンジスルホン酸担持カーボン触媒の作製
特開2009−214092号公報の実施例7にしたがって、ロジウムジューテロポルフィリンジスルホン酸担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価は実施例1と同じ手法で行った。一酸化炭素ガスを電解セル中に7分間吹き込んだ後、電極を6400 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。一酸化炭素飽和下では5μAとなる際の電圧は43 mV、0.1 Vのときの電流値は49.8μAであり、実施例1〜2と比較して5μAとなる際の電圧が高く0.1 Vのときの電流値が低いことから、一酸化炭素の酸化活性が低く、過電圧が大きいことがわかる。
比較例3:ロジウムヘマトポルフィリン担持カーボン触媒の作製
特開2009−214092号公報の実施例1にしたがって、ロジウムヘマトポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価は実施例1と同じ手法で行った。一酸化炭素ガスを電解セル中に7分間吹き込んだ後、電極を6400 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。一酸化炭素飽和下では5μAとなる際の電圧は86 mV、0.1 Vのときの電流値は15.1μAであり、実施例1〜2と比較して5μAとなる際の電圧が高く0.1 Vのときの電流値が低いことから、一酸化炭素の酸化活性が低く、過電圧が大きいことがわかる。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006414979
実施例3:ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持白金ルテニウム触媒の調製
製造例1で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレンのアセトン溶液34 mL(ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン錯体:6 mg)に白金ルテニウム担持カーボン(田中貴金属工業(株)製TEC61E54)を30 mg加えた。容器を密閉した後、超音波洗浄器に1分掛けることにより分散性をよくした。
この懸濁液を、マグネティックスターラーで3時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(孔径1.0μm, 東洋濾紙(株)製)を用いて吸引濾過することにより溶媒を取り除いた。メンブレンフィルター上の粉末を回収してロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持白金ルテニウム触媒を得た。
ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持白金ルテニウム触媒のCO耐性の評価
上記した方法で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持白金ルテニウム触媒5 mgを混合溶媒(水1.8 mLとエタノール1.2 mL)に懸濁させたのち、59μLの5 % Nafion溶液(Aldrich製)を加えた。この懸濁液を5分間超音波洗浄器に掛けることで、よく分散させた後、回転ディスク電極(表面積0.0707 cm2)の上に2μLのせて乾燥させた。
触媒のCO耐性評価はビー・エー・エス(株)製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。回転数の制御はビー・エー・エス(株)製の回転数制御装置(BAS RRDE-3A)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボンの回転ディスク電極を作用電極とし、白金電極を対極、可逆水素電極を参照電極として用いた。電解液としては0.1 M HClO4を用いた。測定は55℃で行った。ただし、可逆水素電極は常温に設置した。
電極電位を0.05 Vに保持しながら、COを2 %含む水素ガスを電解セル中に700秒間吹き込んだ後、電極を3600 rpmで回転させながらリニアスイープボルタモグラム(LSV)を測定した。このLSVを図3の「実施例3」として示す。一方で同様の条件で測定した白金ルテニウム担持カーボン(田中貴金属社製TEC61E54)のLSVを図3の「白金ルテニウム」として示す。錯体を担持することにより、0.15 V〜0.4 Vの電位領域で酸化電流が大きく上昇している。この結果から、ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン錯体が燃料電池用アノード極の白金ルテニウム触媒のCO耐性を高めることがわかる。
実施例4:ロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒によるキノンを用いたCO除去反応
製造例1で得たロジウムジベンゾテトラアザアヌレン担持カーボン触媒0.5 mgとアントラキノン-2, 7-スルホン酸20.6 mgを、バイアル瓶に入った0.1 Mの硫酸5 mLに加えた。このバイアル瓶を密閉した。この溶液を3分間アルゴンパージし、一酸化炭素を2 %含む水素ガスで溶液内のガスを置換した。この溶液の入ったバイアル瓶を60℃の湯煎中で1時間放置した後、溶液の上部の気相をガスクロマトグラフ装置により分析した。
気相の一酸化炭素濃度は2 %から0.24 %に減少し、キノンとの反応により、CO濃度が減少していることがわかった。

Claims (13)

  1. 一般式(1):
    Figure 0006414979
    [式中、R〜R、R〜R及びR14は同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は置換されていてもよいアルキル基;R〜R及びR10〜R13は同じか又は異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアルキル基;点線は配位結合である。]
    で示されるロジウムテトラアザアヌレン錯体を有効成分とする一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
  2. 前記一般式(1)において、R〜R及びR10〜R13がいずれも水素原子である、請求項1に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
  3. 前記一般式(1)において、R〜R、R〜R及びR14がいずれも水素原子である、請求項1又は2に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
  4. 前記ロジウムテトラアザアヌレン錯体が導電性担体に担持されている、請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
  5. 前記導電性担体がカーボンブラックである、請求項4に記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒、及びアノード触媒物質を含む、固体高分子形燃料電池用アノード極。
  7. 請求項6に記載のアノード極を構成要素として含む、一酸化炭素を燃料とする固体高分子形燃料電池。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を、一酸化炭素検出部における一酸化炭素の酸化用触媒成分として含む、一酸化炭素センサ。
  9. 電解液、作用極、対極及び電源装置を含む、固体高分子形燃料電池用アノードガス中の一酸化炭素酸化除去装置において、作用極における一酸化炭素の酸化用触媒として、請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を含む、アノードガス中の一酸化炭素酸化除去装置。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とキノン類を含む溶液を収容する密閉容器と、該溶液中に一酸化炭素を含む気体を導入するためのガス導入口と、該溶液中に酸素を含む気体を導入するための酸素含有気体導入口と、酸素含有気体排出口と、一酸化炭素を除去した気体を排出するためのガス排出口とを有する、一酸化炭素の除去装置。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒とキノン類を含む溶液を収容する密閉容器と、該溶液中に一酸化炭素を含む気体を導入するためのガス導入口と、一酸化炭素を除去した気体を容器外に排出するためのガス排出口と、作用電極と、対極とを有する、一酸化炭素の除去装置。
  12. キノン類の還元体を燃料とする固体高分子形燃料電池と、キノン類を還元体に変換する燃料再生装置とを備えた燃料再生型燃料電池であって、
    該燃料再生装置が、請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を含む溶液を収容する密閉容器と、燃料電池でのアノード反応後のキノン類を含む溶液を該容器中に供給する供給口と、該溶液中に一酸化炭素を導入するためのガス導入口と、二酸化炭素を含む気体を該容器から排出するガス出口と、キノン類の還元体を燃料電池に供給するための燃料供給口を備えていることを特徴とする、燃料電池。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載の一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒を有効成分とする、キノン類を電子受容体とする一酸化炭素の酸化用触媒。
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