以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明では、集合住宅がマンションである場合を例にして説明するが、マンション以外の集合住宅にも本発明は適用可能である。
図1は、本発明の給湯機制御システムの例を示すブロック図である。本発明の給湯機制御システムは、給湯機制御装置1と、マンション10内の各世帯11に配置される世帯内コントローラ12と、自然冷媒ヒートポンプ給湯機13と、蓄電池14とを備える。世帯内コントローラ12、自然冷媒ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14は、世帯11毎に設けられるので、それぞれ、マンション10内に複数台存在する。以下、自然冷媒ヒートポンプ給湯機13を単にヒートポンプ給湯機13と記す。図1では、マンション10内の世帯として2つの世帯11を図示しているが、世帯数は2に限定されない。各世帯11には、それぞれスマートメータ15も設けられる。
給湯機制御装置1は、マンション10内の各世帯11のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を制御する。給湯機制御装置1は、例えば、データセンタに配置されるサーバによって実現される。
マンション10の各世帯11は、高圧一括受電サービス事業者から電力を購入するものとする。すなわち、高圧一括受電サービス事業者が電力会社との間で高圧一括受電契約を結び、高圧一括受電サービス事業者の受電設備21は、電力会社から高圧電力を一括受電し、マンション10内の各世帯11に電力を供給するものとする。
給湯機制御装置1は、マンション10の近辺の気象情報を収集する。また、給湯機制御装置1は、マンション10内の各世帯11の世帯内コントローラ12から、世帯内のヒートポンプ給湯機13の状態を表す給湯機状態情報、および、世帯内の蓄電池14の状態を表す蓄電池状態情報を収集する。また、給湯機制御装置1は、マンション10の総使用電力を示す総使用電力情報を収集する。マンション10の総使用電力は、マンション10内の各世帯11が高圧一括受電サービス事業者の受電設備21から供給されている電力の総和である。マンション10の総使用電力は、受電設備21がマンション10全体に供給している電力の総和であるということもできる。マンション10の総使用電力には、充電済みの蓄電池14から供給されて使用される電力は含まれない。
給湯機制御装置1は、収集した各情報を用いて、マンション10内の各世帯11のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯および蓄電池14の動作を決定し、その動作に従って、各世帯11のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を制御する。具体的には、給湯機制御装置1は、ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14に対する制御の内容を表す制御情報をそれぞれの世帯11の世帯内コントローラ12に送信する。
世帯内コントローラ12は、世帯内コントローラ12と同一世帯内のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を動作させるコントローラである。各世帯11の世帯内コントローラ12は、それぞれ、給湯機制御装置1から受信する制御情報に従って、ヒートポンプ給湯機13に動作を開始させたり、動作を停止させたりする。また、世帯内コントローラ12は、それぞれ、制御情報に従って、蓄電池14に充電を開始させたり、放電を開始させたりする。世帯内コントローラ12がヒートポンプ給湯機13を動作させるプロトコルとして、例えば、エコーネットライト(ECHONET Lite)を用いてもよい。この場合、各世帯11に配置されるヒートポンプ給湯機13は、特定のベンダのヒートポンプ給湯機である必要はなく、エコーネットライトを採用しているヒートポンプ給湯機であれば、ベンダに依存せずに使用できる。
また、個々の世帯内コントローラ12は、世帯内コントローラ12と同一世帯内のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14の状態を監視し、ヒートポンプ給湯機13の状態を表す給湯機状態情報と、蓄電池14の状態を表す蓄電池状態情報とを生成する。
世帯内コントローラ12は、ヒートポンプ給湯機13の状態として、湯の温度、湯の残量を監視し、その監視結果を含む給湯機状態情報を生成する。世帯内コントローラ12は、ヒートポンプ給湯機13のタンクの容積、ベンダおよび型番等の固定的な情報もヒートポンプ給湯機13から取得し、それらの情報も給湯機状態情報に含める。
世帯内コントローラ12は、蓄電池14の状態として充電量を監視し、その監視結果を含む蓄電池状態情報を生成する。世帯内コントローラ12は、蓄電池14の容量等の固定的な情報も蓄電池14から取得し、その情報も蓄電池状態情報に含める。
そして、世帯内コントローラ12は、生成した給湯機状態情報および蓄電池状態情報を給湯機制御装置1に送信する。
また、世帯内コントローラ12は、ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14以外の各種電気機器(図示略)を動作させたり、停止させたりしてもよい。
既に説明したように、ヒートポンプ給湯機13の動作とは、ヒートポンプ給湯機13が水を湯にする動作である。ヒートポンプ給湯機13は、沸かした湯を保温する動作も行うが、保温時の消費電力は無視し得るほど少ないので、ヒートポンプ給湯機13が水を湯にする動作を、ヒートポンプ給湯機13の動作として説明する。
蓄電池14は、受電設備21から供給される電力によって充電される。また、蓄電池14が放電を行う場合には、その蓄電池14を有する世帯11は、受電設備21からの受電を停止してもよい。この場合、その世帯11内の電気機器(ヒートポンプ給湯機13も含む。)は、全てその蓄電池14から放電される電力を使用する。本実施形態では、上記のように、蓄電池14が放電を行う場合に、その蓄電池14を有する世帯11が受電設備21からの受電を停止する場合を例にして説明する。ただし、蓄電池14が放電を行う場合に、その蓄電池14を有する世帯11が受電設備21からも電力供給を受けてもよい。
世帯11毎に配置される各スマートメータ15は、スマートメータ15が配置されている世帯11が受電設備21から供給された電力を計測する。各世帯11のスマートメータ15は、集約機22に電力の計測結果を送信する。
集約機22は、マンション10の各世帯11のスマートメータ15から受信した電力の計測結果に基づいて、マンション10の総使用電力を示す総使用電力情報を生成する。すなわち、集約機22は、各世帯11のスマートメータ15から受信した計測結果が示す世帯毎の使用電力の総和を計算する。この総和が、マンション10の総使用電力に該当する。集約機22は、計算結果(マンション10の総使用電力)を示す総使用電力情報を給湯機制御装置1に送信する。なお、集約機22は、例えば、受電設備21とともに高圧一括受電サービス事業者によって管理される。
図2は、給湯機制御装置1の構成例を示すブロック図である。給湯機制御装置1は、気象情報収集手段2と、給湯機状態情報収集手段3と、蓄電池状態情報収集手段4と、総使用電力情報収集手段5と、給湯機情報導出手段6と、動作決定手段7とを備える。
気象情報収集手段2は、マンション10(図1参照)の近辺の気象情報を収集する。気象情報は、例えば、マンション10の近辺の現在の温度、湿度、天候、および湿度、温度、天候の変化の予想である。このような気象情報を提供する会社が存在する。従って、気象情報収集手段2は、例えば、そのような会社のサーバと通信を行うことによって、マンション10の近辺の気象情報を収集すればよい。ただし、気象情報の収集方法はこの方法に限定されず、気象情報収集手段2は、他の方法で気象情報を収集してもよい。
給湯機状態情報収集手段3は、マンション10内の各世帯11の世帯内コントローラ12から給湯機状態情報を受信することによって、各世帯11の給湯機状態情報を収集する。個々の世帯の給湯機状態情報には、ヒートポンプ給湯機13内の湯の温度、湯の残量、タンクの容積、ベンダおよび型番等が含まれる。
蓄電池状態情報収集手段4は、マンション10内の各世帯11の世帯内コントローラ12から蓄電池状態情報を受信することによって、各世帯11の蓄電池状態情報を収集する。個々の世帯の蓄電池状態情報には、蓄電池14の充電量や容量等が含まれる。
総使用電力情報収集手段5は、総使用電力情報を集約機22から受信することによって、総使用電力情報を収集する。
給湯機情報導出手段6は、気象情報および各世帯11の給湯機状態情報に基づいて、世帯11毎に、ヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力を導出する。この動作時間は、ヒートポンプ給湯機の現在の状態から、タンクの容積分の湯を沸かすまでに要する時間の長さである。また、この消費電力は、その時間内でヒートポンプ給湯機13が消費する電力である。
給湯機情報導出手段6は、例えば、以下のような方法でヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力を導出してもよい。給湯機情報導出手段6は、温度、湿度、天候、ヒートポンプ給湯機13内の湯の温度、湯の残量、タンクの容積、ベンダおよび型番の種々の組み合わせに応じた動作時間および消費電力をデータベースとして予め保持する。そして、給湯機情報導出手段6は、世帯11毎に、気象情報収集手段2が収集した気象情報および給湯機状態情報収集手段3が収集した個々の世帯11の給湯機状態情報の組み合わせをキーとして、データベースからヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力を検索してもよい。ヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力を導出する方法は、上記の例に限定されず、他の方法であってもよい。
動作決定手段7は、世帯11毎に導出されたヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力と、総使用電力情報が示すマンション10の総使用電力とに基づいて、各世帯11のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯(すなわち、いつからいつまで動作させるか)、および蓄電池14の動作を決定する。動作決定手段7は、その決定に従って、各世帯11のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を制御する。動作決定手段7は、前述のように、ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14に対する制御の内容を表す制御情報をそれぞれの世帯11の世帯内コントローラ12に送信することによって、各世帯11のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を制御する。従って、動作決定手段7を、制御手段(あるいは、給湯機制御装置内制御手段)と称してもよい。
気象情報収集手段2、給湯機状態情報収集手段3、蓄電池状態情報収集手段4、総使用電力情報収集手段5、給湯機情報導出手段6および動作決定手段7は、例えば、給湯機制御プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、CPUは、例えば、コンピュータのプログラム記憶装置(図示略)等のプログラム記録媒体から給湯機制御プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、気象情報収集手段2、給湯機状態情報収集手段3、蓄電池状態情報収集手段4、総使用電力情報収集手段5、給湯機情報導出手段6および動作決定手段7として動作すればよい。また、給湯機制御装置1内の各手段2〜7が、それぞれ別々のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、動作について説明する。以下の説明では、動作決定手段7が、各ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯として夜間における動作時間帯を定める場合を例にして説明する。本発明は、各ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を昼間に定める場合にも適用可能である。ただし、昼間では、湯が使用され、湯の残量が少なくなることによってヒートポンプ給湯機13が動作する時間帯は、世帯11毎にランダムであると考えられる。従って、昼間に、各世帯11のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が重なり、受電設備21が各世帯11に供給する電力がある時間帯で突出して高くなる可能性は小さいと考えられる。そこで、上記のように、動作決定手段7が、各ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯として夜間における動作時間帯を定める場合を例にする。なお、夜間に相当する時間は、例えば、23時〜5時等のように予め定められる。
図3は、給湯機制御装置1の処理経過の例を示すフローチャートである。給湯機制御装置1は、夜間の時間帯における各ヒートポンプ給湯機13および各蓄電池14の動作を決定する。従って、給湯機制御装置1は、各ヒートポンプ給湯機13および各蓄電池14が実際に動作を開始する時点よりも前に、以下に示すステップS1〜S7の処理を実行する。
気象情報収集手段2は、マンション10(図1参照)の近辺の気象情報を収集する(ステップS1)。
給湯機状態情報収集手段3は、マンション10内の各世帯11の世帯内コントローラ12から給湯機状態情報を受信することによって、各世帯11の給湯機状態情報を収集する(ステップS2)。同様に、蓄電池状態情報収集手段4は、マンション10内の各世帯11の世帯内コントローラ12から蓄電池状態情報を受信することによって、各世帯11の蓄電池状態情報を収集する(ステップS3)。
総使用電力情報収集手段5は、総使用電力情報を集約機22から受信することによって、総使用電力情報を収集する(ステップS4)。なお、図3に示す処理は、夜間におけるヒートポンプ給湯機13の動作時間帯や蓄電池14の動作を決定する処理であり、前述のように、各ヒートポンプ給湯機13および各蓄電池14が実際に動作を開始する時点よりも前に、ステップS1〜S7の処理が実行される。従って、ステップS4で得られる総使用電力情報が示す総使用電力には、ヒートポンプ給湯機13の使用電力が含まれていないとみなすことができる。
また、ステップS1〜S4の順序は、図3に示す例に限定されない。
給湯機情報導出手段6は、ステップS1で得られた気象情報、およびステップS2で得られた各世帯11の給湯機状態情報に基づいて、世帯11毎に、ヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力を導出する(ステップS5)。ヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力の導出方法の例については、既に説明したので、ここでは、説明を省略する。
次に、動作決定手段7は、ステップS5で得られた各世帯11におけるヒートポンプ給湯機13の動作時間および消費電力と、ステップS4で得られた総使用電力情報が示すマンション10の総使用電力とに基づいて、夜間における各世帯11のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯、および蓄電池14の動作を決定する(ステップS6)。
動作決定手段7は、例えば、夜間と定められた時間帯の中で、世帯のグループ毎に、ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定する。1つのグループに属する世帯数は、例えば、5であるが、5に限定されるわけではない。また、1つのグループに属する世帯数を1としてもよい。1つのグループに属する世帯数が1である場合には、動作決定手段7は、世帯毎にヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定することになる。動作決定手段7は、例えば、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和が階段状に増加するように、グループ毎に、ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定する。
図4は、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯と、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和の変化とを示す模式図である。図4(a)は、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を模式的に示す。図4(b)は、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和の変化を模式的に示す。図4(b)に示す横軸は時刻を表し、縦軸は、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和を示す。図4(a)に示す動作時間帯は、図4(b)に示す横軸に対応している。また、図4(a)において、各グループの高さは、そのグループに属する各世帯のヒートポンプ給湯機13を動作させた場合の消費電力を示す。図4(b)は、蓄電池14から放電される電力を使用しないという仮定のもとでの、受電設備21の供給電力の変化を示している。なお、ステップS4で得られた総使用電力情報が示す総使用電力をXとする。夜間においてヒートポンプ給湯機13以外の機器が使用する電力の総和は必ずしも一定ではないが、ここでは説明を簡単にするため、夜間においてヒートポンプ給湯機13以外の機器が使用する電力の総和は、ステップS4で得られた総使用電力情報が示す総使用電力Xで一定であるものとする。なお、夜間においてヒートポンプ給湯機13以外の機器が使用する電力の総和の変動を予測して、その総和の変動を考慮して、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和の変化を求めてもよい。
説明を簡単にするため、グループ内のヒートポンプ給湯機13(具体的には、グループに属する各世帯のヒートポンプ給湯機13)を動作させた場合の消費電力は、図4に示すグループA〜Dで共通であるものとして説明し、その値をVとする。なお、動作決定手段7は、個々のヒートポンプ給湯機13の消費電力を、ステップS5で導出された消費電力から判断し、グループ毎に、グループ内のヒートポンプ給湯機13の消費電力の和を計算することで、グループに対応する消費電力を計算すればよい。また、図4では、各グループのヒートポンプ給湯機13の動作時間帯の開示時刻を1時間ずつずらす場合を例示している。さらに、各グループのヒートポンプ給湯機13の動作時間帯の長さが4時間で共通である場合を例示している。これらの点は例示であり、図4に示す例に限定されない。例えば、グループ内のヒートポンプ給湯機13を動作させた場合の消費電力は、グループ毎に異なっていてもよい。また、動作時間帯の長さもグループ毎に異なっていてもよい。
また、図4では、最大で4つのグループのヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が重複する場合を例示しているが、動作時間帯が重複するグループの数は4つに限定されない。
動作決定手段7は、動作時間帯の開始時刻をグループ毎にずらして、各グループ内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を定める。動作決定手段7は、グループA内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を、時刻t1〜t5と定めたとする。同様に、動作決定手段7は、グループB内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を、時刻t2〜t6と定めたとする。同様に、動作決定手段7は、グループC内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を、時刻t3〜t7と定めたとする。同様に、動作決定手段7は、グループD内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を、時刻t4〜t8と定めたとする。この場合、図4(b)に示すように、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和は、階段状に増加し、また、階段状に減少する。
また、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和に対する閾値として、所定値S(図4参照)が予め定められている。動作決定手段7は、蓄電池14から放電される電力を使用しないという仮定のもとで受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和と、所定値Sとを比較して、蓄電池14の動作を決定する。
動作決定手段7は、ステップS4で得られた総使用電力情報が示すマンション10の総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が所定値S以下である時間帯で、その所定値Sからその和を差し引いた電力で、マンション10内の各世帯11の蓄電池14のうち、充電可能な各蓄電池14に充電を行わせると決定する。なお、動作決定手段7は、その時間帯では、各蓄電池14に放電を行わせないと決定してもよい。
例えば、図4に示す例では、時刻t1にグループA内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が開始する。そのため、図4に示す時刻t1〜t2の時間帯では、総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和は、X+Vとなる。そして、X+VはS以下である(図4(b)参照)。従って、動作決定手段7は、時刻t1〜t2において、(S−(X+V))の電力で、マンション10内の各世帯11の蓄電池14のうち、充電可能な各蓄電池14に充電を行わせると決定する。充電可能な蓄電池14とは、満充電になっていない蓄電池14である。動作決定手段7は、ステップS3で得られる各世帯11の蓄電池状態情報に基づいて、充電可能な各蓄電池14を判定すればよい。このように充電可能な各蓄電池14に充電を行わせることで、時刻t1〜t2において、受電設備21がマンション10全体に供給する電力は、所定値Sになる。
また、例えば、時刻t2にグループB内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が開始する。そのため、図4に示す時刻t2〜t3の時間帯では、総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和は、X+2Vとなる。そして、X+2VはS以下である(図4(b)参照)。従って、動作決定手段7は、時刻t2〜t3において、(S−(X+2V))の電力で、マンション10内の各世帯11の蓄電池14のうち、充電可能な各蓄電池14に充電を行わせると決定する。このように充電可能な各蓄電池14に充電を行わせることで、時刻t2〜t3において、受電設備21がマンション10全体に供給する電力は、所定値Sになる。
ここでは、時刻t1〜t2の時間帯や、時刻t2〜t3の時間帯を例にして説明した。時刻t5,t6,t7,t8にそれぞれ、グループA、B,C,Dに対応する動作時間帯が終了する。その結果、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和は階段状に減少していく(図4(b)参照)。動作決定手段7は、図4(b)に示す時刻t6〜t7の時間帯や、時刻t7〜t8の時間帯等に関しても、時刻t1〜t2の時間帯や時刻t2〜t3の時間帯と同様に、蓄電池14の動作を決定する。
また、動作決定手段7は、ステップS4で得られた総使用電力情報が示すマンション10の総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が所定値Sを超える時間帯(以下、超過時間帯と記す。)では、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯11のうち一部の世帯11の蓄電池14に放電を行わせると決定する。なお、動作決定手段7は、超過時間帯では、全ての世帯11の蓄電池14に充電を停止させると決定する。すなわち、超過時間帯では、蓄電池14は、放電することはあっても、充電することはない。
超過時間帯における蓄電池14の動作の決定について、より詳細に説明する。動作決定手段7は、超過時間帯で、総使用電力Xと、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、蓄電池14に放電を行わせない世帯の各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が、所定値S以下になるように、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯のうち一部の世帯の蓄電池14に放電を行わせると決定する。
既に説明したように、本実施形態の例では、蓄電池14に放電を行わせる場合、その蓄電池14を有する世帯11は、受電設備21からの受電を停止する。そして、その世帯11において、ヒートポンプ給湯機13を含む全ての電気機器は、蓄電池14から放電される電力を使用する。従って、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯のうち一部の世帯の蓄電池14に放電を行わせることで、受電設備21が各世帯11に供給する電力の総和を減らすことができる。従って、動作決定手段7は、超過時間帯において、上記のように、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯のうち一部の世帯の蓄電池14に放電を行わせると決定すればよい。
前述のように、時刻t1〜t3の時間帯や時刻t6以降の時間帯等では、充電可能な各蓄電池14に充電を行わせるため、受電設備21がマンション10全体に供給する電力は、所定値Sになる。受電設備21がマンション10全体に供給する電力を平準化するという観点から、超過時間帯で、ヒートポンプ給湯機13を動作させる全ての世帯の蓄電池14に放電を行わせることは好ましくない。従って、動作決定手段7は、超過時間帯において、総使用電力Xと、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、蓄電池14に放電を行わせない世帯の各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が、所定値S以下になり、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、蓄電池14に放電を行わせない世帯の各ヒートポンプ給湯機13の数が最大になるように、蓄電池14に放電を行わせる世帯を決定することが好ましい。つまり、蓄電池の放電によりヒートポンプ給湯機を動作させる世帯の数を可能な限り少なくすることで、受電設備から電力供給を受けてヒートポンプを動作させる世帯の数を多くする。
図4に示す例では、時刻t3にグループC内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が開始する。そのため、図4に示す時刻t3〜t4の時間帯では、総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和は、X+3Vとなる。そして、X+3V>Sである(図4(b)参照)。また、時刻t4でグループD内のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯が開始する。そのため、図4に示す時刻t4〜t5の時間帯では、総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機13の消費電力との和は、X+4Vとなる。そして、X+4V>Sである(図4(b)参照)。よって、時刻t3〜t4の時間帯や、時刻t4〜t5の時間帯は、超過時間帯に該当する。また、時刻t5〜t6の時間帯も同様に、超過時間帯に該当する。
時刻t3〜t4の時間帯では、3つのグループA,B,C内のヒートポンプ給湯機13を動作させると決定している。この3つのグループA,B,Cのうち、最大で2グループ内の各世帯の蓄電池14に放電させなくても、総使用電力Xと、その2グループ内の各ヒートポンプ給湯機の消費電力との和を所定値S以下にすることができるものとする。従って、動作決定手段7は、時刻t3〜t4の時間帯で、3つのグループA,B,Cのうち、1つのグループ内の各世帯の蓄電池14に放電を行わせ、他の2グループ内の各世帯の蓄電池14に放電を行わせないと決定する。また、動作決定手段7は、例えば、蓄電池の充電量の多い順に、蓄電池に放電を行わせる世帯を決定してもよい。この場合、グループに依らずに、蓄電池に放電を行わせる世帯を決定してもよい。
また、時刻t4〜t5の時間帯では、4つのグループA,B,C,D内のヒートポンプ給湯機13を動作させると決定している。この4つのグループA,B,C,Dのうち、最大で2グループ内の各世帯の蓄電池14に放電させなくても、総使用電力Xと、その2グループ内の各ヒートポンプ給湯機の消費電力との和を所定値S以下にすることができるものとする。従って、動作決定手段7は、時刻t4〜t5の時間帯で、4つのグループA,B,C,Dのうち、2つのグループ内の各世帯の蓄電池14に放電を行わせ、他の2グループ内の各世帯の蓄電池14に放電を行わせないと決定する。前述のように、動作決定手段7は、例えば、蓄電池の充電量の多い順に、蓄電池に放電を行わせる世帯を決定してもよい。
ここでは、超過時間帯として、時刻t3〜t4の時間帯や時刻t4〜t5の時間帯を例にして説明した。動作決定手段7は、他の超過時間帯に関しても同様に、蓄電池14の動作を決定する。
以上のようなステップS6の動作によって、動作決定手段7は、各世帯11の各ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯や、各蓄電池14の充電の開始時刻および終了時刻、放電の開始時刻および終了時刻を決定することができる。
次に、動作決定手段7は、ステップS6における決定に従い、各世帯11のヒートポンプ給湯機13および蓄電池14を制御する(ステップS7)。具体的には、動作決定手段7は、世帯11毎に、ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14に対する制御の内容を表す制御情報を作成し、各世帯11の世帯内コントローラ12にそれぞれ制御情報を送信する。例えば、動作決定手段7は、グループAに属する世帯の制御情報には、その世帯のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯や、その世帯の蓄電池14の充電開始時刻、充電終了時刻、放電開始時刻、放電終了時刻を記述する。動作決定手段7は、他のグループに属する世帯の制御情報も同様に生成する。ただし、制御情報の記述は、上記の例に限定されない。
ステップS7で送信された制御情報を受信した各世帯11の世帯内コントローラ12は、受信した制御情報に従って、ヒートポンプ給湯機13および蓄電池14に動作を行わせる。例えば、世帯内コントローラ12は、制御情報に規定された動作時間帯に、ヒートポンプ給湯機13に動作を行わせる。また、世帯内コントローラ12は、制御情報に規定された充電開始時刻、充電終了時刻、放電開始時刻、放電終了時刻に従って、蓄電池14に、充電を開始させたり終了させたり、あるいは、放電を開始させたり放電を終了させたりする。
本実施形態によれば、夜間において、超過時間帯以外の時間では、受電設備21がマンション10の各世帯11に供給する電力の総和を所定値Sにすることができ、超過時間帯では、受電設備21がマンション10の各世帯11に供給する電力の総和を所定値S以下であり、できるだけ所定値Sに近い値にすることができる。従って、受電設備21がマンション10の各世帯11に供給する電力の総和を平準化することができる。
従って、受電設備21がマンション10の各世帯11に供給する電力の総和が突出して高くなることを防止することができ、高圧一括受電サービス事業者が電力会社から高圧電力を購入する際の購入金額の上昇を防ぐことができる。また、その結果、高圧一括受電サービス事業者がマンション内の各世帯に電力を販売する際の販売価格の上昇も防ぐことができる。
上記の実施形態において、動作決定手段7は、個々のグループに対応するヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を分割して決定してもよい。例えば、図4に示す例において、グループAに対応する動作時間帯を分割し、分割した各動作時間帯を、間隔を空けて定めてもよい。そして、動作決定手段7は、その間隔に他のグループに対応する動作時間帯を定めてもよい。
上記の実施形態では、総使用電力情報収集手段5が総使用電力情報を集約機22から収集する場合を例にして説明した。総使用電力情報収集手段5が総使用電力情報を受電設備21から収集してもよい。この場合、受電設備21は、マンション10の各世帯11に供給している電力の総和を示す情報を、総使用電力情報として、給湯機制御装置1に送信する。総使用電力情報収集手段5は、その総使用電力情報を受信することによって、総使用電力情報を収集してもよい。
また、動作決定手段7は、異なる動作時間帯の重なりを極力小さくしてもよい。図5は、異なる動作時間帯の重なりを極力小さくした場合における図4に相当する図である。図5では、グループA,Bに対応する動作時間帯を一致させ、グループC,Dに対応する動作時間帯を一致させ、その2つの動作時間帯の重なりを1時間とした場合を示している。
図5では、動作時間帯の重なりを極力小さくした場合の特徴を表すため、便宜的に、所定値S=X+2Vとしている。図5からわかるように、異なる動作時間帯の重なりを極力小さくした場合には、蓄電池14に充電させる機会が減ってしまうという短所(換言すれば、蓄電池14に充電させる自由度が減るという短所)がある。そして、その分、各世帯の蓄電池14の容量は小さくてもよいという長所がある。
また、動作決定手段7は、動作時間帯の重なりを極力大きくしてもよい。図6は、動作時間帯の重なりを極力大きくした場合における図4に相当する図である。図6では、各グループに対応する動作時間帯を一致させた場合を示している。図6においても、動作時間帯の重なりを極力大きくした場合の特徴を表すため、便宜的に、所定値S=X+2Vとしている。図6からわかるように、動作時間帯の重なりを極力大きくした場合には、蓄電池14に充電させる機会が増加するという長所(換言すれば、蓄電池14に充電させる自由度が増すという長所)がある。そして、その分、各世帯の蓄電池14の容量を大きくする必要があるという短所がある。
図4に示す例は、図5に示す例および図6に示す例の中間的な特徴を有しているということができる。
なお、給湯機情報導出手段6が導出する各ヒートポンプ給湯機13の動作時間は、気象条件に応じて変わる。例えば、夏等、気温が高い場合、動作時間は短くなるが、冬等、気温が低い場合、動作時間は長くなる。なお、動作時間は、気温だけでなく、湿度、天候等の影響を受けて変化することも考えられる。気象条件により各ヒートポンプ給湯機13の動作時間が短い場合、動作決定手段7は、動作時間が重複する時間帯が重複しないように、各ヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定してもよい。図7は、重複しないように決定された動作時間帯の例を示す模式図である。このように動作時間帯を定めることで、受電設備21がマンション10の各世帯11全体に供給する電力の総和が所定値Sを超えることを防止できる。
例えば、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間の合計値が、夜間に相当する時間帯(例えば、23時〜5時)よりも長い場合、各グループのヒートポンプ給湯機13の動作時間が重複するように、動作決定手段7は、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定する。また、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間の合計値が、夜間に相当する時間帯(例えば、23時〜5時)よりも短い場合、各グループのヒートポンプ給湯機13の動作時間が重複しないように、動作決定手段7は、グループ毎のヒートポンプ給湯機13の動作時間帯を決定する。
また、各世帯11に世帯内コントローラ12および蓄電池14(図1参照)を配置するのではなく、マンション10に、各世帯11で共用の共用コントローラおよび共用蓄電池を配置する構成であってもよい。図8は、マンション10に共用コントローラおよび共用蓄電池を配置する場合の構成例を示すブロック図である。図1に示す要素と同様の要素については、図1と同一の符号を付し説明を省略する。
共用コントローラ31は、マンション10内の各世帯11のヒートポンプ給湯機13の状態を監視し、世帯11毎のヒートポンプ給湯機13の状態を表す給湯機状態情報を生成し、給湯機制御装置1に送信する。
また、共用コントローラ31は、共用蓄電池32の状態を監視し、共用蓄電池32の状態を表す蓄電池状態情報を生成し、給湯機制御装置1に送信する。この蓄電池状態情報には、共用蓄電池32の充電量および容量が記述される。
共用蓄電池32は、受電設備21から供給される電力で充電される。また、共用蓄電池32は、世帯単位で、電力を放電する。各世帯11は、共用蓄電池32から電力を供給される場合には、受電設備21からの受電を停止してもよい。そして、その世帯内のヒートポンプ給湯機13を含む全ての電気機器は、共用蓄電池32から放電される電力を使用する。また、各世帯11は、共用蓄電池32から電力の供給を受けつつ、受電設備21からの電力の供給を受けてもよい。
給湯機制御装置1内の動作決定手段7(図2参照)は、総使用電力情報が示す総使用電力Xと、動作させる各ヒートポンプ給湯機の消費電力との和が所定値S以下である時間帯で、所定値Sからその和を差し引いた電力で、共用蓄電池32に充電を行わせると決定する。例えば、動作決定手段7は、図4に示す時刻t1〜t2において、(S−(X+V))の電力で共用蓄電池32に充電を行わせると決定する。ただし、共用蓄電池32が満充電となっていれば、上記の決定を行わなくてよい。
また、動作決定手段7は、超過時間帯では、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯のうち一部の世帯に対して、共用蓄電池32に放電を行わせると決定する。より具体的には、動作決定手段7は、総使用電力Xと、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、共用蓄電池32の放電による電力供給を受けない世帯のヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が所定値S以下となるように、ヒートポンプ給湯機13を動作させる世帯のうち一部の世帯に対して、共用蓄電池32に放電を行わせると決定する。
ここで、動作決定手段7は、総使用電力Xと、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、共用蓄電池32の放電による電力供給を受けない世帯のヒートポンプ給湯機13の消費電力との和が所定値S以下となり、ヒートポンプ給湯機13を動作させ、かつ、共用蓄電池32の放電による電力供給を受けない世帯の数が最大となるように、共用蓄電池32の放電による電力供給を受ける世帯を決定する。つまり、蓄電池の放電によりヒートポンプ給湯機を動作させる世帯の数を可能な限り少なくすることで、受電設備から電力供給を受けてヒートポンプを動作させる世帯の数を多くする。
他の点に関しては、既に説明した実施形態と同様である。
また、共用コントローラ31および共用蓄電池32を用いる実施形態では、総使用電力Xには、受電設備21が共用蓄電池32に対して供給する電力も含まれる。従って、共用蓄電池32を含むマンション10全体に対して受電設備21が供給する電力の総和を示す情報を、総使用電力情報として、受電設備21が給湯機制御装置1に送信することが好ましい。
次に、本発明の概要について説明する。図9は、本発明の給湯機制御装置の概要を示すブロック図である。図10は、本発明の給湯機制御システムの概要を示すブロック図である。図9および図10において、同一の要素には、同一の符号を付している。
図10に示すように、本発明の給湯機制御システムは、集合住宅(例えば、マンション10)内の各世帯に配置される給湯機63(例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機13)と、その各世帯に配置される蓄電池64(例えば、蓄電池14)と、その各世帯に配置され、世帯内の給湯機63および蓄電池64を動作させる世帯内制御手段62(例えば、世帯内コントローラ12)と、その各世帯の給湯機63および蓄電池64を制御する給湯機制御装置50(例えば、給湯機制御装置1)とを備える。
給湯機制御装置50は、給湯機情報導出手段51と、制御手段52とを含む(図9および図10参照)。
給湯機情報導出手段51(例えば、給湯機情報導出手段6)は、集合住宅近辺の気象情報と、各世帯の給湯機63の状態を示す給湯機状態情報とに基づいて、各世帯の給湯機63の動作時間および消費電力を導出する。
制御手段52(例えば、動作決定手段7)は、各世帯の給湯機63の動作時間および消費電力と、集合住宅の総使用電力とに基づいて、各世帯の給湯機63の動作時間帯および蓄電池64の動作を決定し、決定に従って、各世帯の給湯機63および蓄電池64を制御する。制御手段52は、世帯内の給湯機63および蓄電池64に対する制御の内容を表す制御情報を、各世帯の世帯内制御手段62に送信する。
各世帯の世帯内制御手段62は、その制御情報に従って、世帯内の給湯機63および蓄電池64を動作させる。
そのような構成によれば、複数の世帯に給湯機が配置されている集合住宅の各世帯に対して高圧一括受電サービス事業者が電力を供給する場合において、複数の給湯機を動作させる際に、高圧一括受電サービス事業者から各世帯に対して供給する電力の総和を平準化することができる。
制御手段52は、集合住宅の総使用電力と動作させる各給湯機63の消費電力との和が所定値以下である時間帯で、その所定値からその和を差し引いた電力で、各世帯の蓄電池64のうち、充電可能な各蓄電池64に充電を行わせると決定してもよい。
制御手段52は、集合住宅の総使用電力と動作させる各給湯機63の消費電力との和が所定値を超える時間帯で、給湯機63を動作させる世帯のうちの一部の世帯の蓄電池64に放電を行わせると決定してもよい。
制御手段52は、集合住宅の総使用電力と、給湯機63を動作させ、かつ、蓄電池64に放電を行わせない世帯の各給湯機の消費電力との和が所定値以下になるように、給湯機63を動作させる世帯のうちの一部の世帯の蓄電池64に放電を行わせると決定してもよい。
制御手段52は、集合住宅の総使用電力と、給湯機63を動作させ、かつ、蓄電池64に放電を行わせない世帯の各給湯機63の消費電力との和が所定値以下となり、給湯機63を動作させ、かつ、蓄電池64に放電を行わせない世帯の各給湯機63の数が最大となるように、蓄電池64に放電を行わせる世帯を決定してもよい。
制御手段52は、給湯機を動作させる世帯のうち蓄電池に放電を行わせる世帯を決定するときに、蓄電池の充電量の多い順に、蓄電池に放電を行わせる世帯を決定してもよい。
蓄電池に放電を行わせる世帯は、外部からの電力供給を停止してもよい。
制御手段52は、グループ分けされた給湯機のグループの動作時間の合計値が所定の時間帯の長さよりも短いことを条件に、各グループの動作時間帯が重複しないように、各グループの動作時間帯を定めてもよい。