次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態の非接触給電装置の構成について説明する。
図1に示す非接触給電装置1は、車両1及び車両2を駐車スペースの所定位置に誘導し、それぞれ誘導完了後に、車両外部の交流電源AC1から車両1及び車両2に搭載された高電圧バッテリB10、B11に非接触で送電し、高電圧バッテリB10、B11を充電する装置である。非接触給電装置1は、送電回路100と、送電用コイル101と、発光体102a〜102dと、送電回路103と、送電用コイル104と、発光体105a〜105dと、送電側制御回路106(制御装置)とを備えている。また、受電用コイル107と、受電回路108と、カメラ109(撮像装置)と、受電側制御回路110(制御装置)と、受電用コイル111と、受電回路112と、カメラ113(撮像装置)と、受電側制御回路114(制御装置)とを備えている。
送電回路100は、車両外部に設けられ、送電側制御回路106によって制御され、交流電源AC1から供給される交流を高周波の交流に変換して送電用コイル101に供給する回路である。図2に示すように、送電回路100は、整流回路100aと、インバータ回路100bとを備えている。
整流回路100aは、交流電源AC1から供給される交流を整流して直流に変換しインバータ回路100bに供給する回路である。整流回路100aの入力端は交流電源AC1に、出力端はインバータ回路100bにそれぞれ接続されている。
インバータ回路100bは、送電側制御回路106によって制御され、整流回路100aから供給される直流を高周波の交流に変換して送電用コイル101に供給する回路である。インバータ回路100bは、送電側制御回路106に接続されている。また、インバータ回路100bの入力端は整流回路100aの出力端に、出力端は送電用コイル101にそれぞれ接続されている。
送電用コイル101は、車両外部に設けられ、インバータ回路100bから供給される交流によって交番磁束を発生する装置である。図3及び図4に示すように、送電用コイル101は、巻線101a、101bと、コア101cと、シールド板101dと、カバー101eとを備えている。巻線101a、101bは、長方形板状のコア101cの表面に沿って巻回されている。巻線101a、101bの巻回されたコア101cは、シールド板101dに固定され、カバー101eによって覆われている。図1に示すように、車両は、送電用コイル101の前方から進入し送電用コイル101へ誘導される。図3及び図4に示すように、送電用コイル101は、長手方向を前後方向に向けた状態で、駐車スペースの地表面の所定位置に設置されている。
図1に示す発光体102a〜102dは、送電用コイル101の周辺に設けられ、送電用コイル101の位置を示す素子である。図3に示すように、発光体102a〜102dは、同一平面上であるカバー101eの上面上に長方形状に配置されている。発光体102a〜102dは、指向性を有する発光ダイオードであり、発光色が緑色に設定されている。発光体102a〜102dは、車両進入方向である前方に向かって光が照射されるように、光軸が前方に向かって配置されている。また、図4に示すように、車両進入方向である前方に近いほど、配置されるカバー101eの上面の垂直軸と光軸のなす角が小さくなるように配置されている。
図1及び図2に示す送電回路103は、車両外部に設けられ、送電側制御回路106によって制御され、交流電源AC1から供給される交流を高周波の交流に変換して送電用コイル104に供給する回路である。図2に示すように、送電回路103は、整流回路103aと、インバータ回路103bとを備えている。整流回路103a及びインバータ回路103bは、整流回路100a及びインバータ回路100bと同一の回路であり、同一構成である。
送電用コイル104は、車両外部に設けられ、インバータ回路103bから供給される交流によって交番磁束を発生する装置である。送電用コイル104は、送電用コイル101と同一の装置であり、同一構成である。
発光体105a〜105dは、送電用コイル104の周辺に設けられ、送電用コイル104の位置を示す素子である。発光体105a〜105dは、発光体102a〜102dと同一の素子であり、同一構成である。
図1及び図2に示す送電側制御回路106は、車両外部に設けられ、無線通信により受電側制御回路110、114から情報を受信し、受信した情報に基づいて発光体102a〜102d、105a〜105dを制御する回路である。また、無線通信により受電側制御回路110、114との間で情報を送受信し、受信した情報に基づいてインバータ回路100b、103bを制御する回路でもある。送電側制御回路106は、後述する起動指令を受信すると、送電用コイル101、104を識別できるように発光体102a〜102d、105a〜105dを発光させる。その後、後述する選択した送電用コイルの番号を受信すると、選択した送電用コイルに設けられた発光体を決められた発光時間及び発光周期で点滅させる。その際、発光体102a〜102dと発光体105a〜105dが同時に発光しないように発光タイミングをずらす。その後、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離の情報を受信すると、受信した情報に基づいて選択した送電用コイルに設けられた発光体を決められた発光時間及び発光周期で点滅させる。具体的には、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど選択した発光体の発光周期及び発光強度が小さくなるように制御する。そして、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が距離閾値以下になると、選択した送電用コイルに設けられた発光体を消灯させる。ここで、距離閾値は、車両が送電用コイルに近づき、カメラによって発光体を撮像することができなくなる直前の送電用コイルと受電用コイルの距離に設定されている。送電側制御回路106は、発光体102a〜102d、105a〜105d及びインバータ回路100b、103bにそれぞれ接続されている。
図1及び図5に示す受電用コイル107は、車両1に搭載され、車両1の誘導制御によって送電用コイル101、104のいずれかと上下方向に所定距離を隔てて対向し、対向した送電用コイルの発生した交番磁束が鎖交することで、対向した送電用コイルから送電される電力を非接触で受電する装置である。受電用コイル107は、送電用コイル101、104と同一構成である。受電用コイル107は、図1に示すように、送電用コイル101、104とは上下逆向きの状態で車両1の底部に設置されている。
受電回路108は、車両1に搭載され、受電側制御回路110によって制御され、受電用コイル107から供給される交流を直流に変換して高電圧バッテリB10に供給する回路である。図5に示すように、受電回路108は、整流回路108aと、コンバータ回路108bとを備えている。
整流回路108aは、受電用コイル107から供給される交流を整流して直流に変換しコンバータ回路108bに供給する回路である。整流回路108aの入力端は受電用コイル107に、出力端はコンバータ回路108bにそれぞれ接続されている。
コンバータ回路108bは、受電側制御回路110によって制御され、整流回路108aから供給される直流を高電圧バッテリB10の充電に適した電圧の直流に変換して高電圧バッテリB10に供給し、高電圧バッテリB10を充電する回路である。コンバータ回路108bは、受電側制御回路110に接続されている。また、コンバータ回路108bの入力端は整流回路108aの出力端に、出力端は高電圧バッテリB10にそれぞれ接続されている。
図1及び図5に示すカメラ109は、車両1に設けられ、受電側制御回路110によって制御され、車両外部を撮像する装置である。具体的には、図1に示すように、車両後部に設けられ、車両後方の車両外部を撮像する。図1及び図5に示すように、カメラ109は、受電側制御回路110に接続されている。
受電側制御回路110は、車両1に設けられ、カメラ109を制御してカメラ109によって撮像した発光体の画像から選択した送電用コイルと受電用コイル107の位置関係を検出し、検出結果を無線通信により送電側制御回路106に送信する回路である。また、その検出結果に基づいて選択した送電用コイルへ車両1を誘導するように車両1を制御する回路でもある。さらに、選択した送電用コイルと受電用コイル107が上下方向に所定距離を隔てて対向した後、無線通信により送電側制御回路106との間で情報を送受信し、受信した情報に基づいてコンバータ回路108bを制御する回路でもある。受電側制御回路110は、充電スイッチ(図略)がオン状態になると、起動指令を送信するとともに、発光体を撮像するようにカメラ109を制御する。そして、カメラ109によって撮像した発光体の画像から送電用コイルを識別する。その後、識別した送電用コイルの中から送電用コイルを選択すると、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルの番号を送信するとともに、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光に同期して撮像するようにカメラ109を制御する。具体的には、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光周期に同期し、その発光体の発光時間と同一の露光時間で撮像するようにカメラ109を制御する。そして、カメラ109によって撮像した発光体の画像から選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離を求める。その後、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報を送信するとともに、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報に基づいて選択した送電用コイルへ車両1を誘導するように車両1を制御する。具体的には、走行用モータ、ステアリング装置及びブレーキ装置を制御する。そして、その際、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が小さいほど誘導制御周期を小さくする。受電側制御回路110は、カメラ109及びコンバータ回路108bにそれぞれ接続されている。
受電用コイル111は、車両2に搭載され、車両2の誘導制御によって送電用コイル101、104のいずれかと上下方向に所定距離を隔てて対向し、対向した送電用コイルの発生した交番磁束が鎖交することで、対向した送電用コイルから送電される電力を非接触で受電する装置である。受電用コイル111は、送電用コイル101、104と同一構成である。受電用コイル111は、図1に示すように、送電用コイル101、104とは上下逆向きの状態で車両2の底部に設置されている。
受電回路112は、車両2に搭載され、受電側制御回路114によって制御され、受電用コイル111から供給される交流を直流に変換して高電圧バッテリB11に供給する回路である。図5に示すように、受電回路112は、整流回路112aと、コンバータ回路112bとを備えている。整流回路112a及びコンバータ回路112bは、整流回路108a及びコンバータ回路108bと同一の回路であり、同一構成である。
図1及び図5に示すカメラ113は、車両2に設けられ、受電側制御回路114によって制御され、車両外部を撮像する装置である。具体的には、図1に示すように、車両後部に設けられ、車両後方の車両外部を撮像する。カメラ113は、カメラ109と同一の装置であり、同一構成である。
図1及び図5に示すように、受電側制御回路114は、車両2に設けられ、カメラ113を制御してカメラ113によって撮像した発光体の画像から選択した送電用コイルと受電用コイル111の位置関係を検出し、検出結果を無線通信により送電側制御回路106に送信する回路である。また、その検出結果に基づいて選択した送電用コイルへ車両2を誘導するように車両2を制御する回路でもある。さらに、選択した送電用コイルと受電用コイル111が上下方向に所定距離を隔てて対向した後、無線通信により送電側制御回路106との間で情報を送受信し、受信した情報に基づいてコンバータ回路112bを制御する回路でもある。受電側制御回路114は、受電側制御回路110と同一の回路であり、同一構成である。
次に、図2、図5〜図15を参照して第1実施形態の非接触給電装置の動作について説明する。まず、図2、図5〜図11を参照して受電側制御回路の動作について説明する。
図5に示す受電側制御回路110は、図6に示すように、充電モードか否かを判定する(S100)。具体的には、車両1に設けられた、高電圧バッテリB10の充電を指示する充電スイッチがオン状態であるか否かを判定する。ステップS100において、充電モードでないと判定した場合、受電側制御回路110は、受電側の充電制御処理を終了する。
一方、ステップS100において、充電モードであると判定した場合、受電側制御回路110は、起動指令を送電側制御回路106に送信する(S101)。そして、受電側制御回路110は、後述する発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期の初期値と同じ周期T0及び発光時間の初期値と同じ時間t0を、撮像周期及び露光時間の初期値として設定する(S102)。
その後、受電側制御回路110は、カメラ109による撮像を発光体102a〜102d、105a〜105dの発光に同期させるため、同期タイミングの検出を行う(S103)。
後述するように、起動指令を受信すると、図2に示す送電側制御回路106は、初期値である発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0で発光体102a〜102d、105a〜105dを点滅させる。その際、送電側制御回路106は、発光体102a〜102dを後述する識別発光パターン1で、発光体105a〜105dを後述する識別発光パターン2で点滅させる。
図5に示す受電側制御回路110は、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光タイミングとは独立した、初期値である撮像周期T0のタイミングに対してシフト時間経過後のタイミングにおいて、初期値である露光時間t0で撮像するようにカメラ109を制御する。そして、シフト時間を徐々に増加させ、シフト時間が周期T0になるまで制御を繰り返す。その後、受電側制御回路110は、カメラ109によって撮像された発光体102a〜102d、105a〜105dの画像のうち、明るさが最大になる画像の撮像時のシフト時間を求める。このシフト時間が、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光タイミングと、受電側制御回路110における周期T0のタイミングのずれ時間である。以降、このシフト時間に基づいて制御することで、カメラ109による撮像を発光体102a〜102d、105a〜105dの発光に同期させることができる。
その後、受電側制御回路110は、図6に示すように、求めたシフト時間、設定された撮像周期及び露光時間に基づいてカメラ109を制御し、発光体102a〜102d、105a〜105dを撮像させる(S104)。つまり、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期に同期し、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光時間と同一の露光時間で撮像するようにカメラ109を制御し、発光体102a〜102d、105a〜105dを撮像させる。そして、受電側制御回路110は、撮影した発光体102a〜102d、105a〜105dの画像と識別発光パターンから送電用コイルを識別する(S105)。
その後、受電側制御回路110は、識別した送電用コイルの中から送電に用いる1つの送電用コイルを選択したか否かを判定する(S106)。具体的には、モニタに表示された、識別された送電用コイルを示すスイッチ(図略)のいずれかがオン状態であるか否かを判定する。ステップS106において、送電用コイルを選択していないと判定した場合、受電側制御回路110は、送電用コイルを選択するまでステップ106を繰り返す。
一方、ステップS106において、送電用コイルを選択したと判定した場合、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルに対応する番号を送電側制御回路106に送信する(S107)。
後述するように、選択した送電用コイルに対応する番号を受信すると、図2に示す送電側制御回路106は、選択した送電用コイルに設けられた発光体と他の送電用コイルに設けられた発光体が同時に発光しないように発光タイミングをずらす。そして、送電側制御回路106は、発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0の誘導発光パターンで、選択した送電用コイルに設けられた発光体を点滅させる。
図5に示す受電側制御回路110は、図6に示すように、ステップS103と同様にしてカメラ109による撮像を選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光に同期させるため、同期タイミングの検出を行う(S108)。
その後、受電側制御回路110は、求めたシフト時間、設定された撮像周期及び露光時間に基づいてカメラ109を制御し、選択した送電用コイルに設けられた発光体を撮像させる(S109)。つまり、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光周期に同期し、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光時間と同一の露光時間で撮像するようにカメラ109を制御し、選択した送電用コイルに設けられた発光体を撮像させる。そして、受電側制御回路110は、カメラ109によって撮像した選択した送電用コイルに設けられた発光体の画像から選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離を求める(S110)。
その後、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が距離閾値より大きいか否かを判定する(S111)。
ステップS111において、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が距離閾値より大きいと判定した場合、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報を送電側制御回路106に送信する(S112)。
その後、受電側制御回路110は、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報に基づいて撮像周期を設定する(S113)。具体的には、予め設定されている送電用コイルと受電用コイルの距離とカメラの撮像周期の関係を示すマップと、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離から撮像周期を求め設定する。ここで、送電用コイルと受電用コイルの距離とカメラの撮像周期の関係を示すマップは、図10に示すように、送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど撮像周期が小さくなるように設定されている。具体的には、送電用コイルと受電用コイルの距離が小さくなるに従って、撮像周期が、T0からT0/2、T0/3、T0/4へと順次小さくなるように設定されている。つまり、当初の撮像周期T0の(1/N)倍(Nは2以上の整数)で順次小さくなるように設定されている。このマップは、後述する送電用コイルと受電用コイルの距離と発光体の発光周期の関係を示すマップにおいて、発光体の発光周期をカメラの撮像周期としたものである。そのため、送電用コイルと受電用コイルの距離に応じて発光体の発光周期が変化しても、カメラの撮像周期は発光体の発光周期と同じ値になる。従って、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が距離閾値より大きい場合、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が小さいほどカメラ109の撮像周期が小さくなる。
その後、図5に示す受電側制御回路110は、図6に示すように、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報に基づいて選択した送電用コイルへ車両1を誘導する(S114)。具体的には、予め設定されている送電用コイルと受電用コイルの距離と車両の誘導制御周期の関係を示すマップと、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離から誘導制御周期を求める。そして、求めた誘導制御周期毎に誘導指令を更新し、選択した送電用コイルへ車両1を誘導する。より具体的には、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報に基づいて走行用モータ、ステアリング装置及びブレーキ装置を制御して、選択した送電用コイルへ車両1を誘導する。ここで、送電用コイルと受電用コイルの距離と車両の誘導制御周期の関係を示すマップは、図11に示すように、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が小さいほど誘導制御周期が小さくなるように設定されている。そのため、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が距離閾値より大きい場合、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が小さいほど誘導制御周期が小さくなる。そして、その後、図6に示すように、ステップS106に戻る。
一方、ステップS111において、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離が距離閾値以下であると判定した場合、図5に示す受電側制御回路110は、選択した送電用コイルと受電用コイル107の距離の情報が得られなくなるため、図7に示すように、車速センサ及びステアリング舵角センサの検出結果に基づいて選択した送電用コイルへ車両1を誘導する(S115)。具体的には、車速センサ及びステアリング舵角センサの検出結果に基づいて走行用モータ、ステアリング装置及びブレーキ装置を制御して、選択した送電用コイルへ車両1を誘導する。そして、受電用コイル107が選択した送電用コイルと上下方向に所定距離を隔てて対向すると、受電側制御回路110は、車両の誘導を停止し、車両を停車させる(S116)。その後、受電側制御回路110は、送電側制御回路106に給電指令を送信する(S117)。
後述するように、給電指令を受信すると、図2に示す送電側制御回路106は、選択した送電用コイルに接続されたインバータ回路を制御して選択した送電用コイルに充電電力を供給する。図5に示す受電側制御回路110は、図7に示すように、コンバータ回路108bを制御し、受電用コイル107から供給される電力を変換して高電圧バッテリB10を充電させる(S116)。
図5に示す受電側制御回路114は、図8及び図9に示すように、ステップS130〜S148に従って動作する。ステップS130〜S148は、ステップS100〜S118と同一のステップである。
次に、図2、図12〜図15を参照して送電側制御回路の動作について説明する。
図2に示す送電側制御回路106は、図12に示すように、受電側制御回路110、114のいずれかから起動指令を受信したか否かを判定する(S160)。ステップS160において、起動指令を受信していないと判定した場合、送電側制御回路106は、起動指令を受信するまでステップS160を繰り返す。
一方、ステップS160において、起動指令を受信したと判定した場合、送電側制御回路106は、発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0を発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期、発光時間及び発光強度の初期値として設定する(S161)。そして、送電側制御回路106は、発光体102a〜102dを識別発光パターン1で、発光体105a〜105dを識別発光パターン2で点滅させる(S162)。ここで、識別発光パターン1は、図13に示すように、発光周期T0毎の4回のタイミングのうち、1回目、3回目及び4回目のタイミングで発光時間t0及び発光強度I0で発光し、2回目のタイミングでは消灯する発光パターンである。識別発光パターン2は、識別発光パターン1のタイミングと同期した発光周期T0毎の4回のタイミングのうち、1回目及び4回目のタイミングで発光時間t0及び発光強度I0で発光し、2回目及び3回目のタイミングでは消灯する発光パターンである。
その後、送電側制御回路106は、図12に示すように、選択した送電用コイルの番号を受信したか否かを判定する(S163)。ステップS163において、送電用コイルの番号を受信していないと判定した場合、送電側制御回路106は、送電用コイルの番号を受信するまでステップS163を繰り返す。
一方、ステップS163において、選択した送電用コイルの番号を受信したと判定した場合、送電側制御回路106は、受信した番号に対応する選択した送電用コイルに設けられた発光体と他の送電用コイルに設けられた発光体が同時に発光しないように発光タイミングをずらす(S164)。そして、送電側制御回路106は、発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0の誘導発光パターンで、選択した送電用コイルに設けられた発光体を点滅させる。(S165)。そのため、発光体102a〜102dと発光体105a〜105dが同時に発光することはない。
その後、送電側制御回路106は、受電側制御回路から選択した送電用コイルと受電用コイルとの距離の情報を受信したか否かを判定する(S166)。ステップS166において、選択した送電用コイルと受電用コイルとの距離の情報を受信していないと判定した場合、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離の情報を受信するまでステップS166を繰り返す。
一方、ステップS166において、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離の情報を受信したと判定した場合、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が距離閾値より大きいか否かを判定する(S167)。 ステップS167において、選択した送電用コイルとその受電用コイルの距離が距離閾値より大きいと判定した場合、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離の情報に基づいて、誘導発光パターンの発光周期及び発光強度を設定する(S168)。具体的には、予め設定されている送電用コイルと受電用コイルの距離と発光体の発光周期の関係を示すマップと、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離から発光周期を求め設定する。また、予め設定されている送電用コイルと受電用コイルの距離と発光体の発光強度の関係を示すマップと、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離から発光強度を求め設定する。
ここで、送電用コイルと受電用コイルの距離と発光体の発光周期の関係を示すマップは、図14に示すように、送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど発光周期が小さくなるように設定されている。具体的には、送電用コイルと受電用コイルの距離が小さくなるに従って、発光周期が、T0からT0/2、T0/3、T0/4へと順次小さくなるように設定されている。つまり、当初の発光周期T0の(1/N)倍(Nは2以上の整数)で順次小さくなるように設定されている。また、送電用コイルと受電用コイルの距離と発光体の発光強度の関係を示すマップは、図15に示すように、送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど発光強度が小さくなるように設定されている。そのため、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が距離閾値より大きい場合、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど発光体の発光周期及び発光強度が小さくなる。そして、その後、図12に示すように、ステップS165に戻る。
一方、ステップS167において、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が距離閾値以下であると判定した場合、送電側制御回路106は、カメラによって発光体を撮像することができなくなるため、対応する発光体を消灯する(S169)。
その後、送電側制御回路106は、受電側制御回路110、114のいずれかから給電指令を受信したか否かを判定する(S170)。ステップS170において、給電指令を受信していないと判定した場合、送電側制御回路106は、給電指令を受信するまでステップS170を繰り返す。
一方、ステップS170において、給電指令を受信したと判定した場合、送電側制御回路106は、対応するインバータ回路を制御して選択した送電用コイルに充電電力を供給する(S171)。
次に、図16を参照して発光体の発光とカメラの撮像の関係について詳細に説明する。
図16に示すように、車両1又は車両2において充電スイッチがオン状態になると、起動指令が送信される。その結果、送電用コイル101に設けられた発光体102a〜102dは、識別発光パターン1で点滅する。送電用コイル104に設けられた発光体105a〜105dは、識別発光パターン2で点滅する。識別発光パターン1は、発光周期T0毎の4回のタイミングのうち、1回目、3回目及び4回目のタイミングで発光時間t0及び発光強度I0で発光し、2回目のタイミングでは消灯する発光パターンである。識別発光パターン2は、識別発光パターン1のタイミングと同期した発光周期T0毎の4回のタイミングのうち、1回目及び4回目のタイミングで発光時間t0及び発光強度I0で発光し、2回目及び3回目のタイミングでは消灯する発光パターンである。
カメラ109、113の撮像周期は、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期と同一のT0に設定されている。また、カメラ109、113の露光時間は、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光時間と同一のt0に設定されている。カメラ109、113は、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期に同期し、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光時間と同一の露光時間で発光体102a〜102d、105a〜105dを撮像する。車両1の受電側制御回路110及び車両2の受電側制御回路114は、カメラ109、113によって撮像された画像に基づいて、発光パターンの違いから送電用コイル101、104を識別する。
車両1において、識別した送電用コイル101、104の中から送電用コイル101が選択されると、発光体102a〜102dが、発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0の誘導発光パターンで点滅するようになる。その際、識別発光パターン2で点滅している発光体105a〜105dと同時に発光しないように、発光タイミングが発光時間t0だけずれる。
カメラ109は、発光体102a〜102dの発光周期に同期し、発光体102a〜102dの発光時間と同一の露光時間で発光体102a〜102dを撮像する。車両1は、カメラ109によって撮像された発光体102a〜102dの画像から検出した送電用コイル101と受電用コイル107の位置関係に基づいて、送電用コイル101へ誘導される。その結果、時間の経過とともに、送電用コイル101と受電用コイル107の距離が小さくなってくる。
発光体102a〜102dの発光周期は、送電用コイル101と受電用コイル107の距離が小さくなるに従って、T0からT1(=T0/2)を経て順次小さくなる。具体的には、送電用コイル101と受電用コイル107の距離が小さくなるに従って、T0からT0/2、T0/3、T0/4へと順次小さくなる。つまり、当初の発光周期T0の(1/N)倍(Nは2以上の整数)で順次小さくなる。また、発光体102a〜102dの発光強度は、送電用コイル101と受電用コイル107の距離が小さくなるに従って、I0からI1(<I0)を経て順次小さくなる。しかし、発光体102a〜102dの発光時間は、送電用コイル101と受電用コイル107の距離に関係なくt0で一定である。
カメラ109は、発光体102a〜102dの発光周期に同期し、発光体102a〜102dの発光時間と同一の露光時間で発光体102a〜102dを撮像する。車両1は、カメラ109によって撮像された発光体102a〜102dの画像から検出した送電用コイル101と受電用コイル107の位置関係に基づいて、さらに送電用コイル101へ誘導される。
一方、車両1における送電用コイルの選択後に、車両2において、識別した送電用コイル101、104の中から送電用コイル104が選択されると、発光体105a〜105dが、発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0の誘導発光パターンで点滅するようになる。前述したように、発光体102a〜102dの発光タイミングがずれているため、発光体102a〜102dと発光体105a〜105dが同時に発光することはない。
カメラ113は、発光体105a〜105dの発光周期に同期し、発光体105a〜105dの発光時間と同一の露光時間で発光体105a〜105dを撮像する。車両2は、カメラ113によって撮像された発光体105a〜105dの画像から検出した送電用コイル104と受電用コイル111の位置関係に基づいて、送電用コイル104へ誘導される。その結果、時間の経過とともに、送電用コイル104と受電用コイル111の距離が小さくなってくる。
発光体105a〜105dの発光周期は、送電用コイル104と受電用コイル111の距離が小さくなるに従って、T0からT1(=T0/2)を経て順次小さくなる。具体的には、送電用コイル104と受電用コイル111の距離が小さくなるに従って、T0から、T0/2、T0/3、T0/4へと順次小さくなる。つまり、当初の発光周期T0の(1/N)倍(Nは2以上の整数)で順次小さくなる。また、発光体105a〜105dの発光強度は、送電用コイル104と受電用コイル111の距離が小さくなるに従って、I0からI1(<I0)を経て順次小さくなる。しかし、発光体105a〜105dの発光時間は、送電用コイル104と受電用コイル111の距離に関係なくt0で一定である。
カメラ113は、発光体105a〜105dの発光周期に同期し、発光体105a〜105dの発光時間と同一の露光時間で発光体105a〜105dを撮像する。車両2は、カメラ113によって撮像された発光体105a〜105dの画像から検出した送電用コイル104と受電用コイル111の位置関係に基づいて、さらに送電用コイル104へ誘導される。
次に、第1実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、送電用コイル毎に異なるタイミングで発光体を点滅させる。受電側制御回路110、114は、カメラ109、113によって撮像した発光体の画像の明るさから発光体の発光に同期させるための同期タイミングを検出し、検出した同期タイミングに基づいて、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光に同期してカメラ109、113によって撮像させる。そして、撮像された発光体の画像から選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の位置関係を検出する。さらに、検出結果に基づいて選択した送電用コイルへ誘導するように車両1及び車両2を制御する。そのため、送電用コイル毎に異なるタイミングで点滅している発光体の中から、選択した送電用コイルに設けられた発光体を、その発光体の発光したタイミングで撮像することができる。従って、選択した送電用コイル以外の送電用コイルに設けられた発光体の影響を抑え、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の位置関係を精度よく検出することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、送電用コイル101、104を識別できるように発光体102a〜102d、105a〜105dを発光させる。そして、受電側制御回路110、114は、カメラ109、113によって撮像された発光体102a〜102d、105a〜105dの画像から送電用コイル101、104を識別するとともに、識別した送電用コイルの中から送電用コイルを選択する。そのため、送電用コイル101、104の中から確実に1つの送電用コイルを選択することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、送電用コイル101、104を識別できるように、送電用コイル毎に発光パターンを変えて発光体を発光させている。そのため、送電用コイル101、104を確実に識別することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、送電用コイルを選択した後、決められた発光時間及び発光周期で選択した送電用コイルに設けられた発光体を点滅させる。そして、受電側制御回路110、114は、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光周期に同期し、その発光体の発光時間と同一の露光時間でカメラ109、113によって撮像させる。そのため、選択した送電用コイルに設けられた発光体からの光を充分に確保した状態で、その発光体を撮像することができる。従って、その発光体とカメラ109、113の距離が遠くても、その発光体をはっきりと撮像することができる。従って、車両1及び車両2が選択した送電用コイルから離れていても、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の位置関係を精度よく検出することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光周期を小さくする。発光体は、選択した送電用コイルと受電用コイル107、109の距離が小さいほど発光周期が小さくなる。そのため、カメラ109、113も、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど撮像周期が小さくなる。つまり、車両1及び車両2が選択した送電用コイルに近づくに従って、選択した送電用コイルに設けられた発光体が頻繁に撮像されるようになる。その結果、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が頻繁に更新されるようになる。従って、車両1及び車両2を選択した送電用コイルへ精度よく誘導することができる。
車両1及び車両2が送電用コイル101、104から離れるほど、周囲の人が発光体102a〜102d、105a〜105dを目にする可能性が高くなる。発光体102a〜102d、105a〜105dが点滅すると、周囲の人は点滅する発光体102a〜102d、105a〜105dを目にしてストレスを感じる。点滅が早いほど、人はより強いストレスを感じる。しかし、第1実施形態によれば、発光体102a〜102d、105a〜105dは、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど発光周期が小さくなる。つまり、車両1及び車両2が送電用コイル101、104から離れるほど、発光体102a〜102d、105a〜105dの発光周期が大きくなる。そのため、周囲の人が感じるストレスを軽減することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路は、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光周期を小さくする際、当初の発光周期の(1/N)倍(Nは2以上の整数)で小さくする。そのため、発光周期を小さくしても、発光体102a〜102dと発光体105a〜105dが同時に発光するような事態を確実に防止することができる。
車両1又は車両2が選択した送電用コイルに近づくと、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光強度を小さくしてもその発光体の撮像に必要な光を充分に確保することができるようになる。発光強度を一定にしていた場合、その発光体によって無駄な電力を消費することになる。しかし、第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光強度を小さくする。そのため、選択した送電用コイルに設けられた発光体の撮像に影響を与えることなく、その発光体による無駄な電力消費を抑えることができる。
第1実施形態によれば、受電側制御回路110、114は、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど誘導制御周期を小さくする。そのため、車両1及び車両2を選択した送電用コイルへ精度よく誘導することができる。
第1実施形態によれば、送電側制御回路106は、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離がカメラ109、113によって発光体を撮像することができなくなる直前の所定の距離になると、選択した送電用コイルに設けられた発光体を消灯させる。そのため、選択した送電用コイルに設けられた発光体による無駄な電力消費を抑えることができる。
なお、第1実施形態では、送電側制御回路106が、送電用コイル101、104を識別できるように、送電用コイル毎に発光パターンを変えて発光体102a〜102d、105a〜105dを発光させている例を挙げているが、これに限られるものではない。送電側制御回路106は、送電用コイル毎に発光時間又は発光強度を変えて発光体102a〜102d、105a〜105dを発光させるようにしてもよい。
第1実施形態では、選択した送電用コイルと受電用コイルの距離が小さいほど選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光強度を小さくする例を挙げているが、これに限られるものではない。発光強度を一定にして、発光時間を小さくするようにしてもよい。車両1及び車両2が選択した送電用コイルに近づくと、選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光時間を小さくしてもその発光体に撮像に必要な光を充分に確保することができるようになる。発光時間を一定にしていた場合、その発光体によって無駄な電力を消費することになる。送電側制御回路106が、選択した送電用コイルと受電用コイル107、111の距離が小さいほど選択した送電用コイルに設けられた発光体の発光時間を小さくすることで、選択した送電用コイルに設けられた発光体の撮像に影響を与えることなく、その発光体による無駄な電力消費を抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の非接触給電装置について説明する。第2実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置が発光体の発光パターンによって送電用コイルを識別するのに対して、発光体の発光色によって送電用コイルを識別するようにしたものである。具体的には、発光体の発光色を変更するとともに、それに伴って、送電用コイル識別の際の発光体の制御、及び、送電用コイルの識別の仕方を変更したものである。
まず、図17〜図19を参照して非接触給電装置の構成について説明する。
図17に示す非接触給電装置2は、車両1及び車両2を駐車スペースの所定位置に誘導し、それぞれ誘導完了後に、車両外部の交流電源AC2から車両1及び車両2に搭載された高電圧バッテリB20、B21に非接触で送電し、高電圧バッテリB20、B21を充電する装置である。非接触給電装置2は、送電回路200と、送電用コイル201と、発光体202e〜202hと、送電回路203と、送電用コイル204と、発光体205e〜205hと、送電側制御回路206(制御装置)とを備えている。また、受電用コイル207と、受電回路208と、カメラ209(撮像装置)と、受電側制御回路210(制御装置)と、受電用コイル211と、受電回路212と、カメラ213(撮像装置)と、受電側制御回路214(制御装置)とを備えている。
送電回路200、203及び送電用コイル201、204は、第1実施形態の送電回路100、103及び送電用コイル101、104と同一の回路及び装置である。
発光体202e〜202hは、送電用コイル201の周辺に設けられ、送電用コイル201の位置を示す素子である。図18に示すように、発光体202e〜202hは、同一平面上であるカバー201eの上面上に長方形状に配置されている。発光体202e〜202hは、指向性を有する発光ダイオードであり、発光色が青色に設定されている。発光体202e〜202hは、車両進入方向である前方に向かって光が照射されるように、光軸が前方に向かって配置されている。
発光体205e〜205hは、送電用コイル204の周辺に設けられ、送電用コイル204の位置を示す素子である。図19に示すように、発光体205e〜205hは、同一平面上であるカバー204eの上面上に長方形状に配置されている。発光体205e〜205hは、指向性を有する発光ダイオードであり、発光体202e〜202hと識別できるように、発光色が赤色に設定されている。発光体205e〜205hは、車両進入方向である前方に向かって光が照射されるように、光軸が前方に向かって配置されている。
図17に示す送電側制御回路206は、送電用コイル識別の際の発光体202e〜202h、205e〜205hの制御を除いて第1実施形態の送電側制御回路106と同一の機能を有する回路である。
受電用コイル207、211、受電回路208、212及びカメラ209、213は、第1実施形態の受電用コイル107、111、受電回路108、112及びカメラ109、113と同一の回路及び装置である。
受電側制御回路210、214は、送電用コイルの識別の仕方を除いて第1実施形態の受電側制御回路110、114と同一の機能を有する回路である。
次に、図17〜図19を参照して、第1実施形態との違いである送電用コイルの識別動作について説明する。送電用コイルの識別動作以外の動作は、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
図17に示す送電側制御回路206は、起動指令を受信すると、発光体202e〜202h、205e〜205hを発光周期T0、発光時間t0及び発光強度I0で点滅させる。つまり、同一のタイミング及び同一の発光強度で発光体202e〜202h、205e〜205hを点滅させる。受電側制御回路210、214は、発光体202e〜202h、205e〜205hの発光周期に同期し、発光体202e〜202h、205e〜205hの発光時間と同一の露光時間で撮像するようにカメラ209、213を制御し、発光体202e〜202h、205e〜205hを撮像させる。
図18に示すよう、発光体202e〜202hの発光色は青色である。図19に示すように、発光体205e〜205hの発光色は赤色である。そのため、発光体202e〜202hと発光体205e〜205hが同時に発光しても、受電側制御回路210、214は、発光体202e〜202h、205e〜205hの発光色に基づいて送電用コイル201、204を識別できる。
次に、第2実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同一な構成を有することにより、その同一構成に対応した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2実施形態によれば、発光体202e〜202hと発光体205e〜205hは、発光することによって送電用コイル201、204を識別できるように設けられている。具体的には、異なった発光色に設定されている。そのため、発光色の違いによって送電用コイル201、204を確実に識別することができる。従って、識別した送電用コイル201、204の中から送電用コイルを確実に選択することができる。
なお、第2実施形態では、送電用コイル201、204を識別できるように、発光体202e〜202hの発光色と発光体205e〜205hの発光色が異なっている例を挙げているが、これに限られるものではない。図20に示すように、発光体202e〜202hと同じ青色の発光色の5つの発光体205i〜205mを送電用コイル204に設けてもよい。これにより、送電用コイル201に設けられた発光体の数と送電用コイル204に設けられた発光体の数が異なることになる。そのため、発光体の数の違いによって送電用コイル201、204を確実に識別することができる。また、図21に示すように、発光体202e〜202hと同じ青色の発光色の4つの発光体205n〜205qを送電用コイル204に台形状に配置してもよい。これにより、送電用コイル201に設けられた発光体の配置と送電用コイル204に設けられた発光体の配置が異なることになる。そのため、発光体の配置の違いによって送電用コイル201、204を確実に識別することができる。送電用コイルを識別できるように、送電用コイル毎に発光体の発光色、数及び配置の少なくともいずれかが異なっていればよい。
なお、第1及び第2実施形態では、非接触給電装置が2つの送電用コイルを備えている例を挙げているが、これに限られるものでない。3つ以上の送電用コイルを備えていてもよい。そのような場合であっても適用できる。