JP6410026B2 - 光配向性を有する水素結合硬化膜形成組成物 - Google Patents

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Description

近年、液晶パネルを用いたテレビ等のディスプレイの分野においては、高性能化に向けた取り組みとして、3D画像を楽しむことができる3Dディスプレイの開発が進められている。3Dディスプレイでは、例えば、観察者の右目に右目用画像を視認させ、観察者の左目に左目用画像を視認させることにより、立体感のある画像を表示させることができる。
3D画像を表示する3Dディスプレイの方式には多様なものがあり、専用のメガネを必要としない方式としては、レンチキュラレンズ方式およびパララックスバリア方式等が知られている。
そして、観察者がメガネを着用して3D画像を観察するディスプレイの方式の1つとしては、円偏光メガネ方式等が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
円偏光メガネ方式の3Dディスプレイの場合、液晶パネル等の画像を形成する表示素子の上に位相差材が配置されるのが通常である。この位相差材は、位相差特性の異なる2種類の位相差領域がそれぞれ複数、規則的に配置されており、パターニングされた位相差材を構成している。尚、以下、本明細書においては、このような位相差特性の異なる複数の位相差領域を配置するようにパターン化された位相差材をパターン化位相差材と称する。
パターン化位相差材は、例えば、特許文献2に開示されるように、重合性液晶からなる位相差材料を光学パターニングすることで作製することができる。重合性液晶からなる位相差材料の光学パターニングは、液晶パネルの配向材形成で知られた光配向技術を利用する。すなわち、基板上に光配向性の材料からなる塗膜を設け、これに偏光方向が異なる2種類の偏光を照射する。そして、液晶の配向制御方向の異なる2種類の液晶配向領域が形成された配向材として光配向膜を得る。この光配向膜の上に重合性液晶を含む溶液状の位相差材料を塗布し、重合性液晶の配向を実現する。その後、配向された重合性液晶を硬化してパターン化位相差材を形成する。
液晶パネルの光配向技術を用いた配向材形成では、利用可能な光配向性の材料として、側鎖にシンナモイル基およびカルコン基等の光二量化部位を有するアクリル樹脂やポリイミド樹脂等が知られている。これらの樹脂は、偏光UV照射することにより、液晶の配向を制御する性能(以下、液晶配向性とも言う。)を示すことが報告されている(特許文献3乃至特許文献5を参照。)。
特開平10−232365号公報 特開2005−49865号公報 特許第3611342号明細書 特開2009−058584号公報 特表2001−517719号公報
以上のように、パターン化位相差材は、配向材である光配向膜の上に、硬化された重合性液晶の層を積層して構成される。そして、そのような積層構造を有するパターン化位相差材は、その積層状態のままで3Dディスプレイの構成に用いることができる。
そのため、優れた液晶配向性と光透過特性とを両立する配向材として使用することができる硬化膜、及び該硬化膜を形成するための硬化膜形成組成物の開発が必要とされている。
本発明の目的は、以上の知見や検討結果に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、優れた液晶配向性と光透過特性とを有する硬化膜の形成に好適な硬化膜形成組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、配向材として使用されて、その上に重合性液晶の層が配置されたときに、優れた液晶配向性と光透過性を示す硬化膜を形成する硬化膜形成組成物を提供することである。
本発明の目的は、液晶配向性と光透過特性に優れた配向材を提供することである。
本発明の目的は、高精度な光学パターニングが可能な位相差材を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、本発明を見出すに至った。すなわち、本願発明は下記のとおりである。
[1](A)成分として、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCONH基及びCOOH基から選ばれる1つ以上の基を有する重合体及び溶剤を含有し、さらに、下記(I)を満たすことを特徴とする、光配向性を有する水素結合硬化膜形成組成物。
(I):(A)成分のCONH基及びCOOH基から選ばれる1つ以上の基がCOOH基のみである場合は、(A)成分の側鎖にさらにウレタン結合が存在するか、(B)成分である、繰り返し単位中にCONH基及びウレタン結合から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を必須の成分としてさらに含有する。
[2]CONH基、COOH基、ウレタン結合のいずれかと反応する架橋剤を含有しないことを特徴とする上記1記載の硬化膜形成組成物。
[3]ウレタン結合が光反応性基を有する側鎖に存在することを特徴とする上記1または2に記載の硬化膜家形成組成物。
[4](A)成分がアクリル重合体である、上記1乃至3のいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[5](A)成分の光配向性基が光二量化又は光異性化する構造の官能基である、上記1乃至3のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[6](A)成分の光配向性基がシンナモイル基である、上記1乃至4のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[7](A)成分の光配向性基がアゾベンゼン構造の基である、上記1乃至4のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[8](A)成分及び/または(B)成分と水素結合を形成し得る溶剤を含有する、上記1乃至7のうちいずれか一項に記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[9](A)成分と(B)成分の合計量に基づいて、(A)成分の割合が5乃至100質量%である上記2乃至8のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[10](A)成分のポリマー中の光配向性基を有する単位構造の存在割合が、該ポリマーの全質量に基づいて50乃至90質量%である、上記1乃至9のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
[11]上記1乃至10のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物を用いて得られることを特徴とする配向材。
[12]上記1乃至10のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物から得られる硬化膜を有することを特徴とする位相差材。
本発明の第1の態様によれば、優れた液晶配向性と光透過性とを有する硬化膜の形成に好適な硬化膜形成組成物を提供することができる。
本発明の第2の態様によれば、液晶配向性と光透過性に優れた配向材を提供することができる。
本発明の第3の態様によれば、高精度な光学パターニングが可能な位相差材を提供することができる。
本発明は、硬化性樹脂組成物を用いて前述の性能向上を図った点に特徴があり、すなわち、(A)成分である、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCONH基及びCOOH基から選ばれる基を有する重合体を含有し、(A)成分が光配向性基とCOOH基とを有する重合体である場合は、光重合体の側鎖にウレタン結合が存在するか、(B)成分である、繰り返し単位中にCONH基及びウレタン結合から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を必須の成分としてさらに含有する、光配向性を有する硬化膜形成組成物である。更には、(A)成分、(B)成分に加えて、(C)成分として増感剤をも含有することのできる熱硬化膜形成用ポリエステル組成物である。
以下、各成分の詳細を説明する。
[(A)成分および(B)成分]
本発明の組成物において、(A)成分は、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCONH基及びCOOH基から選ばれる基を有する重合体であり、さらに、(A)成分のCONH基及びCOOH基から選ばれる1つ以上の基がCOOH基のみである場合は、(A)成分の側鎖にさらにウレタン結合が存在するか、(B)成分である、繰り返し単位中にCONH基及びウレタン結合から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を必須の成分としてさらに含有する。ここで、(B)成分である重合体は、光反応性基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
(A)成分としてはアクリル重合体が好ましい。本発明において、アクリル共重合体とは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等の不飽和二重結合を有するモノマーを重合して得られる共重合体を指す。
(A)成分及び(B)成分のアクリル重合体(以下特定重合体ともいう)は、斯かる構造を有するアクリル重合体であればよく、アクリル重合体を構成する高分子の主鎖の骨格及び側鎖の種類などについて特に限定されない。
(A)成分及び(B)成分において、光配向性基としては、光二量化部位および光異性化部位から選ばれる部位を有する基が好ましい。当該光二量化部位としては、シンナモイル基、カルコン基、クマリン基、アントラセン基等が挙げられる。これらのうち可視光領域での透明性の高さ、光二量化反応性の高さからシンナモイル基が好ましい。また、光異性化部位とは、光照射によりシス体とトランス体が変化する部位であり、その具体例としてはアゾベンゼン、スチルベン等が挙げられる。これらのうち反応性の高さからアゾベンゼン基が好ましい。より好ましいシンナモイル基としては下記式[1]又は式[2]で表される構造である。また、好ましいアゾベンゼン、スチルベンとしては下記式[3]で表される構造である。
Figure 0006410026
式[1]及び式[2]において、Xは炭素原子数1から18のアルキル基、フェニル基またはビフェニル基を表す。その際、フェニル基及びビフェニル基の水素原子は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びシアノ基から選ばれる基によって置換されていてもよい。Xは水素原子、シアノ基、炭素原子数1から18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基を示す。その際、炭素原子数1から18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基は、共有結合、エーテル結合、エステル結合、カルボニル、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合を介して結合してもよい。また、フェニル基及びビフェニル基の水素原子はハロゲン原子、アルコキシ基及びシアノ基のいずれかによって置換されていてもよい。
式[3]におけるYおよびYは、それぞれ独立にN(窒素原子)またはCHを表す。Xは水素原子、シアノ基、炭素原子数1から18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基を示す。その際、炭素原子数1から18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基は、共有結合、エーテル結合、カルボニル、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合を介して結合してもよい。
上記式[1]及び式[2]中、Aは式[A1]、式[A2]、式[A3]、式[A4]、式[A5]及び式[A6]のいずれかを表す。
上記式[A1]、式[A2]、式[A3]、式[A4]、式[A5]及び式[A6]中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1乃至4のアルキル基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。
(A)成分及び/または(B)成分に光配向性基を導入する方法としては、上述のように、(A)成分の側鎖に光二量化部位および熱架橋部位を有するアクリル共重合体の合成方法は、光二量化部位を有するモノマーと、熱架橋部位を有するモノマーとを共重合する方法が挙げられる。
光二量化基を有するモノマーとしては、例えば、シンナモイル基、カルコン基、クマリン基、アントラセン基等を有するモノマーが挙げられる。これらのうち可視光領域での透明性の高さ、光二量化反応性の高さからシンナモイル基を有するモノマーが特に好ましい。
光異性化基を有するモノマーとしては、例えば、アゾベンゼン基、スチルベン基等を有するモノマーが挙げられる。
なかでも上記式[1]又は式[2]で表される構造のシンナモイル基を有するモノマーがより好ましい。そのようなモノマーの具体例を挙げると、下記式[3]又は式[4]で表されるモノマーである。
Figure 0006410026
ここでX、XおよびAは前記式[1]及び式[2]で定義した意味を表す。X及びXはそれぞれ独立に単結合を表すか、炭素数1乃至20のアルキレン、炭素数3乃至10のシクロアルキレンおよび芳香族環よりなる群から選ばれる二価の基、または、この群から選ばれる複数の基の組み合わせからなる二価の基であり、この場合、複数の基は、単結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合及び尿素結合から選ばれる結合基で結合していてもよい。ここで炭素原子数1から20のアルキレン基は分岐状でも直鎖状でもよく、C=C二重結合や三重結合を含んでいてもよい。X及びXは重合性基を表す。この重合性基の具体例としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、スチレン基、マレイミド基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分において、COOH基(カルボキシル基)を有する繰り返し単位を与えるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ−(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、p−ビニル安息香酸等が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分において、CONH基(アミド基)を有する繰り返し単位を与えるモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、p−ビニル安息香酸アミド等が挙げられる。
(A)成分に光配向性基を導入するもう一つの方法としては、予めラジカル重合などの重合方法によって、特定官能基を有するアクリル重合体を生成し、次いで、この特定官能基と、光配向性基を有する化合物(以下、特定化合物と称す。)とを反応させて特定側鎖を生成することにより、(A)成分であるポリマーに光反応性基を導入することができる。なお、(B)成分に光配向性基を導入したい場合も同様である。
ここで、特定官能基とは、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性ヒドロキシ基若しくはイソシアネート基などの官能基、または、これらから選ばれる複数種の官能基を言う。
上述した特定側鎖を生成する反応において、特定官能基と、特定化合物が有する官能基であって反応に関与する基との好ましい組み合わせは、カルボキシル基とエポキシ基、ヒドロキシ基とイソシアネート基、フェノール性ヒドロキシ基とエポキシ基、カルボキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、または、ヒドロキシ基と酸クロリドなどである。さらに、より好ましい組み合わせは、カルボキシル基とグリシジルメタクリレート、または、ヒドロキシ基とイソシアネートエチルメタクリレートである。
また、上述した特定側鎖を生成する反応において、特定官能基を有するポリマーは、特定モノマーX1に加えて、特定化合物と反応するための官能基(特定官能基)を有するモノマー、すなわち、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性ヒドロキシ基またはイソシアネート基などを有するモノマー(以下、特定モノマーX2ともいう)を必須成分として得られる共重合体であって、その数平均分子量が2,000〜25,000のものである。ここで、重合に用いる特定官能基を有するモノマーは、単独でもよいし、重合中に反応しない組み合わせであれば複数種を併用してもよい。
以下に、特定官能基を有するポリマーを得るのに必要なモノマー、すなわち、特定モノマーX2の具体例を挙げる。但し、これらに限定されるものではない。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ−(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミドおよびN−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、p−ビニル安息香酸などが挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセンおよび1,7−オクタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンおよび5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンなどが挙げられる。
アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、2−アミノエチルアクリレートおよび2−アミノメチルメタクリレートなどが挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドおよびN−(ヒドロキシフェニル)マレイミドなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネートおよびm−テトラメチルキシレンイソシアネートなどが挙げられる。
このようにして得られる側鎖において、上記X及びXの具体例としては、下記式(A−1)〜式(A−11)などが挙げられる。
Figure 0006410026

なお、特定官能基を残存させたい場合は、特定官能基を有するポリマーを製造したあと、特定官能基よりも少ないモル数の、光反応性基を有する化合物を反応させればよい。
特定共重合体を得るために用いる光反応性基を有するモノマーと、CONH基及びCOOH基から選ばれる基を有するモノマーの使用量は、光反応性基を有するモノマーが40乃至90質量%、CONH基及びCOOH基から選ばれる基を有するモノマーが10乃至60質量%であることが好ましい。光反応性基を有するモノマー含有量を40質量%以上とすることで高感度かつ良好な液晶配向性を付与することができる。他方、CONH基及びCOOHから選ばれる基を有するモノマー含有量を10質量%以上とすることで、水素結合による充分な硬化性を付与することができ、高感度かつ良好な液晶配向性を維持することができる。
また、本発明においては、特定共重合体を得る際に、光反応性基と、CONH基及びCOOH基から選ばれる基と(以下特定官能基ともいう)を有するモノマーと共重合可能なモノマー(以下非反応性官能基を有するモノマーともいう)を併用することができる。
そのようなモノマーの具体例としては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、N−置換アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物及びビニル化合物等が挙げられる。
以下、上記モノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
前記アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−アミノエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート等が挙げられる。
前記メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−アミノメチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート等が挙げられる。
前記ビニル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、及び、1,7−オクタジエンモノエポキサイド等が挙げられる。
前記スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
前記マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
本発明に用いる特定共重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、特定官能基を有するモノマー、所望により非反応性官能基を有するモノマー及び重合開始剤等を共存させた溶剤中において、50乃至110℃の温度下で重合反応させて得られる。その際、用いられる溶剤は、特定官能基を有するモノマー、所望により用いられる非反応性官能基を有するモノマー及び重合開始剤等を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述する溶剤に記載する溶剤が挙げられる。
このようにして得られる特定共重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
また、上記のようにして得られた特定共重合体の溶液を、ジエチルエーテルや水等の撹拌下に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後、常圧又は減圧下で、常温あるいは加熱乾燥することで、特定共重合体の粉体とすることができる。このような操作により、特定共重合体と共存する重合開始剤や未反応モノマーを除去することができ、その結果、精製した特定共重合体の粉体が得られる。一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解して、上記の操作を繰り返し行えば良い。
本発明においては、上記特定共重合体の粉体をそのまま用いても良く、あるいはその粉体を、たとえば後述する溶剤に再溶解して溶液の状態として用いても良い。
(A)成分及び(B)成分のアクリル共重合体は、重量平均分子量が3,000乃至200,000であることが好ましい。重量平均分子量が200,000を超えて過大なものであると、溶剤に対する溶解性が低下しハンドリング性が低下する一方、重量平均分子量が3,000未満で過小なものであると、液晶配向性が低下する場合がある。
(A)成分が光配向性基とCOOH基とを有する重合体であって、(B)成分である繰り返し単位中にCONH基及びウレタン結合から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を含有する場合、(B)成分の含有量は、(A)成分の100質量部あたり、3乃至10000質量部、より好ましくは5乃至2000質量部である。
また、本発明においては、(A)成分及び(B)成分のアクリル共重合体は、複数種の特定共重合体の混合物であってもよい。
<(C)成分>
本発明においては(C)成分として増感剤を含有しても良い。この(C)成分は、本発明の熱硬化膜形成後の光二量化反応を促進することにおいて有効である。
(C)成分の増感剤としてはベンゾフェノン、アントラセン、アントラキノン、チオキサントン等の誘導体が挙げられる。これらのうちベンゾフェノンの誘導体であるN,N−ジエチルアミノベンゾフェノンが特に好ましい。
これらの増感剤は特に上記のものに限定されるものではない。これらは、単独又は2種以上の化合物を併用することが可能である。
本発明において(C)成分の増感剤の使用割合は、(A)成分の100質量部に対して0.1乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2乃至10質量部である。この割合が過小である場合には、増感剤としての効果を充分に得られない場合があり、過大である場合には透過率が低下したり塗膜が荒れたりすることがある。
<溶剤>
本発明の光配向性を有する熱硬化膜形成組成物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いられることが多い。その際に用いられる溶剤は、(A)成分及び(B)成分、必要に応じて(C)成分及び/又は、後述するその他添加剤を溶解するものであり、斯様な溶解能を有する溶剤であれば、その種類及び構造などは特に限定されるものでない。
溶剤の具体例を挙げると、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ペンタノン、2-ヘプタノン、γ―ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン、シクロペンチルメチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は、一種単独で、又は二種以上の組合せで使用することができる。これら溶剤のうち、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールプロピルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルはポリマーの溶解性及び成膜性が良好で安全性が高いためより好ましい。
このほか、溶剤としては(A)成分及び/または(B)成分と水素結合を形成し得るものも使用することができる。このような溶剤を使用することで(A)成分及び/または(B)成分が溶剤中で凝集・析出することを防ぎ、溶液の安定性を高めることができる。
(A)成分及び(B)成分と水素結合を形成し得る溶剤の具体例を挙げると、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン等の塩基性溶媒、蟻酸、酢酸等の酸性溶媒、水、エタノール、アセトニトリル等の中性溶媒等が挙げられる。
<その他添加剤>
更に、本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、シランカップリング剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤等を含有することができる。なお、架橋剤を含有していても、含有していなくてもよい。架橋剤を含有しない場合でも、本願発明は効果を奏する。
<光配向性を有する硬化膜形成組成物>
本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物は、(A)成分及び/または(B)成分のアクリル共重合体を含有し、所望により(C)成分の増感剤、更にその他添加剤のうち一種以上を含有することができる組成物である。そして、通常は、それらが溶剤に溶解した溶液として用いられることが多い。
中でも、本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物の好ましい例は、以下のとおりである。
[1]:(A)成分として、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCONH基を有する重合体及び溶剤を含有する、光配向性を有する水素結合硬化膜形成組成物。
[2]:(A)成分として、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCOOH基を有し、さらにウレタン結合を有する重合体及び溶剤を含有する、光配向性を有する水素結合硬化膜形成組成物。
[3]:(A)光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCOOH基を有する重合体、及び、(A)成分の100質量部に基づいて、3乃至10000質量部の(B)成分、溶剤を含有する光配向性を有する硬化膜形成組成物。
本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物を溶液として用いる場合の配合割合、調製方法等を以下に詳述する。
本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶剤に溶解している限り、特に限定されるものではないが、1乃至80質量%であり、好ましくは2乃至60質量%であり、より好ましくは3乃至40質量%である。ここで、固形分とは、光配向性を有する硬化膜形成組成物の全成分から溶剤を除いたものをいう。
本発明の光配向性を有する硬化膜形成組成物の調製方法は、特に限定されないが、その調製法としては、例えば、(A)成分を溶剤に溶解し、この溶液に(B)成分、さらには(C)成分を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法、或いは、この調製法の適当な段階において、必要に応じてその他添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
本発明の光配向性を有する熱硬化膜形成組成物の調製にあたっては、溶剤中における重合反応によって得られる特定共重合体の溶液をそのまま使用することができる。この場合、特定共重合体の溶液、即ち(A)成分の溶液に前記と同様に(B)成分、(C)成分などを入れて均一な溶液とする際に、濃度調整を目的としてさらに溶剤を追加投入してもよい。このとき、特定共重合体の生成過程で用いられる溶剤と、光配向性を有する熱硬化膜形成組成物の調製時に濃度調整のために用いられる溶剤とは同一であってもよいし、異なってもよい。
而して、調製された光配向性を有する熱硬化膜形成組成物の溶液は、孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後、使用することが好ましい。
<塗膜、硬化膜及び液晶配向層>
本発明の一態様である光配向性を有する熱硬化膜形成組成物の溶液を基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属、例えば、アルミニウム、モリブデン、クロムなどが被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板等)やフィルム(例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム等の樹脂フィルム)等の上に、バーコート、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布、インクジェット塗布、印刷などによって塗布し、その後、ホットプレート又はオーブン等で乾燥(ベーク)することにより、(A)成分同士、または(A)成分と(B)成分との間に水素結合が形成された塗膜を形成することができる。
ベークの条件としては、例えば、温度50℃乃至160℃、時間0.3乃至60分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度及び加熱時間が採用される。加熱温度及び加熱時間は、好ましくは80℃乃至140℃、0.5乃至10分間である。
上記塗膜の膜厚は、例えば0.05μm乃至5μmであり、使用する基板の段差や光学的、電気的性質を考慮し適宜選択することができる。
このようにして形成した硬化膜は変更UV照射を行うことで液晶材配向層、即ち、液晶性を有する化合物を配向させる層として機能させることができる。
偏光UVの照射方法としては通常150−450nmの波長の紫外光が用いられ室温または加熱した状態で垂直または斜め方向から直線偏光を照射することによって行われる。
このようにして形成された液晶配向層上に、位相差材料を塗布した後、過熱することで位相差材料を液晶状態として光硬化させ、光学異方性を有する層を形成することができる。
位相差材料としては、例えば、重合性基を有する液晶モノマーやそれを含有する組成物等が用いられる。そして、液晶配向層を形成する基材がフィルムである場合は、光学異方性フィルムとして有用である。このような位相差材料は水平配向、コレステリック配向、垂直配向、ハイブリッド配向等の配向性を有するものがあり、それぞれ必要とされる位相差に応じて使い分けることが出来る。
また、3Dディスプレイに用いられるパターン化位相差材を製造する場合には、本実施形態の位相差材形成用樹脂組成物から上記した方法で形成された硬化膜に、ラインアンドスペースパターンのマスクを介して所定の基準から、例えば、+45度の向きで偏光UV露光し、次いで、マスクを外してから−45度の向きで偏光UVを露光し、液晶の配向制御方向の異なる2種類の液晶配向領域が形成された配向材を得る。その後、重合性液晶溶液からなる位相差材料を塗布した後、液晶の相転移温度まで加熱することで位相差材料を液晶状態とし、配向材上で配向させる。そして、配向状態となった位相差材料をそのまま硬化させ、位相差特性の異なる2種類の位相差領域がそれぞれ複数、規則的に配置された、パターン化位相差材を得ることができる。
また、上記のようにして形成された液晶配向層を有する2枚の基板を、スペーサーを介して液晶配向層が向かい合うように張り合わせた後、それらの基板の間に、液晶を注入して、液晶が配向した液晶表示素子とすることもできる。
そのため、本発明の光配向性を有する熱硬化膜形成組成物は、各種光学異方性フィルム、液晶表示素子に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本実施の形態をさらに詳しく説明する。しかし、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
[実施例等で用いる組成成分とその略称]
以下の実施例および比較例で用いられる各組成成分は、次のとおりである。
<重合体原料>
CIN1:(E)−2−(メタクリロイロキシ)エチル 3−(4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)アクリレート
CIN2:6−ヒドロキシヘキシルオキシけい皮酸メチルエステルと2−イソシアナトエチルメタクリレートとを1:1で反応させたもの
CIN3:4−(6−メタクリルオキシヘキシル−1−オキシ)けい皮酸メチルエステル
CIN4:4−(6−メタクリルオキシヘキシル−1−オキシ)けい皮酸
MAA:メタクリル酸
MAM:メタクリルアミド
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メタクリル酸メチル
AAM:アクリルアミド
P−95:可溶性ナイロン樹脂(東レ製)
AIBN:α、α’−アゾビスイソブチロニトリル
BETAC:ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
<溶剤>
実施例及び比較例の各位相差材形成用樹脂組成物は溶剤を含有し、その溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)、シクロヘキサノン(CH)、トリエチルアミン(TEA)を用いた。
<重合体の分子量の測定>
重合例におけるアクリル共重合体の分子量は、(株)Shodex社製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD―803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
なお、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)及び重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o―リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10mL/L)
流速:1.0mL/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
<重合例1>
CIN1 6.0g、MAA 4.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 41.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P1)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは70,00、Mwは12,600であった。
<重合例2>
CIN2 7.0g、MAA 3.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 33.0g、CH 8.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P2)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは9,500、Mwは20,400であった。
<重合例3>
CIN2 7.0g、MAM 3.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 33.0g、CH 8.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P3)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは11,200、Mwは22,800であった。
<重合例4>
CIN3 7.0g、MAM 3.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 33.0g、CH 8.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P4)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは5,100、Mwは7,000であった。
<重合例5>
CIN3 6.0g、MAA 4.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 33.0g、CH 8.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P5)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは10,300、Mwは34,300であった。
<重合例6>
CIN2 8.0g、MAA 8.0g、重合触媒としてAIBN 0.5gをPM 52.7g、CH 13.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは9,500、Mwは21,000であった。このアクリル共重合体溶液15.4gに対し、GMA 0.5g、BTEAC 0.01g、BHT 0.01gを溶解し、90℃にて20時間反応させることにより重合性二重結合基を有するアクリル共重合体溶液(固形分濃度22.5質量%)(P6)を得た。
<重合例7>
CIN2 10.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 33.0g、CH 8.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P7)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは9,700、Mwは18,500であった。
<重合例8>
CIN4 7.0g、MMA 3.0g、重合触媒としてAIBN 0.3gをPM 41.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P8)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは12,000、Mwは30,000であった。
<重合例9>
MMA 7.0g、AAM 3.0g、重合触媒としてAIBN 0.5gをPM 41.2gに溶解し、80℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度20質量%)(P3)を得た。
<実施例1〜9、比較例1〜7>
表1に示す組成で(A)〜(B)の各成分及び溶剤を混合し、最終組成物の固形分濃度が5質量%となるように溶剤の添加量を調整することで実施例1〜9、比較例1〜7の硬化膜形成組成物を調製した。得られた組成物について、配向感度の評価を行った。なお、表1中の組成比は固形分での比を表すものとする。
Figure 0006410026
[配向感度の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物をTACフィルムまたはアクリルフィルム上にバーコーターを用いて塗布した後、温度100℃で2分間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、硬化膜を形成した。この各硬化膜に313nmの直線偏光を垂直に照射し、配向材を形成した。基板上の配向材の上に水平配向用重合性液晶溶液をバーコーターを用いて塗布し、次いで、75℃で60秒間ホットプレート上において加熱乾燥を行い、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。この基板上の塗膜に300mJ/cmの紫外光を照射し、位相差材を作製した。作製した基板上の位相差材を一対の偏光板で挟み込み、位相差材における位相差特性の発現状況を観察し、配向材が液晶配向性を示すのに必要な偏光UVの露光量を配向感度とした。
[評価の結果]
以上の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 0006410026
実施例1〜9の硬化膜形成組成物を用いて得られた配向材は、液晶配向性を示すのに必要な偏光UVの露光量はいずれも5〜10mJ/cmと低い値であり、良好な配向感度を示した。
それに対し、比較例1〜7の硬化膜形成組成物を用いて得られた硬化膜は、液晶配向性を示すために35mJ/cmの高い露光量が必要か、50mJ/cm以上の露光量の偏光UVを照射しても液晶配向性が不良であった。
以上のように、本発明の光配向性を有する熱硬化膜形成組成物の得られた硬化膜は、良好な液晶配向性を示す結果が得られた。
本発明による熱硬化膜形成用ポリエステル組成物は、光学異方性フィルムや液晶表示素子の液晶配向層として非常に有用であり、更に、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶表示素子、有機EL素子等の各種ディスプレイにおける保護膜、平坦化膜、絶縁膜等の硬化膜を形成する材料、特に、TFT型液晶素子の層間絶縁膜、カラーフィルタの保護膜、有機EL素子の絶縁膜等を形成する材料としても好適である。

Claims (12)

  1. (A)成分として、光配向性基を有する繰り返し単位と、当該繰り返し単位以外の繰り返し単位のみにCONH基及びCOOH基から選ばれる1つ以上の基を有する重合体及び溶剤を含有し、さらに、下記(I)を満たすことを特徴とする、光配向性を有する水素結合硬化膜形成組成物。
    (I):(A)成分のCONH基及びCOOH基から選ばれる1つ以上の基がCOOH基のみである場合は、(A)成分の側鎖にさらにウレタン結合が存在するか、(B)成分である、繰り返し単位中にCONH基及びウレタン結合から選ばれる少なくとも1つを有する重合体を必須の成分としてさらに含有する。
  2. CONH基、COOH基、ウレタン結合のいずれかと反応する架橋剤を含有しないことを特徴とする請求項1記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  3. ウレタン結合が光反応性基を有する側鎖に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  4. (A)成分がアクリル重合体である、請求項1乃至3のいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  5. (A)成分の光配向性基が光二量化又は光異性化する構造の官能基である、請求項1乃至3のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  6. (A)成分の光配向性基がシンナモイル基である、請求項1乃至4のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  7. (A)成分の光配向性基がアゾベンゼン構造の基である、請求項1乃至4のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  8. (A)成分及び/または(B)成分と水素結合を形成し得る溶剤を含有する、請求項1乃至7のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  9. (A)成分と(B)成分の合計量に基づいて、(A)成分の割合が5乃至100質量%である請求項2乃至8のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  10. (A)成分のポリマー中の光配向性基を有する単位構造の存在割合が、該ポリマーの全質量に基づいて50乃至90質量%である、請求項1乃至9のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物。
  11. 請求項1乃至10のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物を用いて得られることを特徴とする配向材。
  12. 請求項1乃至10のうちいずれかに記載の水素結合硬化膜形成組成物から得られる硬化膜を有することを特徴とする位相差材。
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